JPH11177416A - Pll回路 - Google Patents

Pll回路

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JPH11177416A
JPH11177416A JP9336927A JP33692797A JPH11177416A JP H11177416 A JPH11177416 A JP H11177416A JP 9336927 A JP9336927 A JP 9336927A JP 33692797 A JP33692797 A JP 33692797A JP H11177416 A JPH11177416 A JP H11177416A
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】製造条件のばらつきに関係なく、電源変動や温
度変化等により制御電圧信号が変動し、制御特性の変動
が生じても発振周波数に影響することなく、ロック外れ
の生じない安定動作を保持する。 【解決手段】製造条件の変動に起因するデバイス特性変
化を検出し対応のオフセット電圧信号VFを出力するA
DC7と、オフセット電圧信号VFの供給に応答して制
御電圧信号VBの中心値を周波数ロック時のレベル近傍
となるようオフセットする加算器44とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はPLL回路(位相同
期ループ回路)に関し、特に周波数シンセサイザ等に用
いるPLL回路に関する。
【0002】 〔発明の詳細な説明〕
【従来の技術】この種のPLL回路は、基本的には、発
振信号と基準信号との位相比較結果の誤差信号から直流
の制御電圧信号を生成する位相同期ループ回路部と、上
記制御電圧信号のレベルに応答して周波数制御される発
振信号を出力する電圧制御発振回路(VCO)とから成
る。
【0003】従来のPLL回路をブロックで示す図11
を参照すると、この従来のPLL回路は、基準信号FR
と発振信号を分周した分周信号FDとの位相周波数比較
を行い位相誤差に応じてアップ/ダウン誤差信号UP/
DNを出力する位相周波数比較器(PFD)1と、アッ
プ/ダウン誤差信号UP/DNに応じてCP電圧信号P
Vを生成するチャージポンプ(CP)2と、CP電圧信
号PVを平滑化して不要高周波成分を除去し制御電圧信
号VCを生成するロウパスフィルタ(LPF)3と、制
御電圧信号VCの値に応答して周波数制御された発振信
号FOを出力するVCO4と、発振信号FOをn分周し
分周信号FDを出力する分周回路(DIV)8とを備え
る。
【0004】次に、図11を参照して、従来のPLL回
路の動作について説明すると、まず、PFD1は、基準
信号FRと分周信号FDの各々の位相差を比較して位相
差に応じてアップ誤差信号UPやダウン誤差信号DNな
どの誤差信号を出力する。CP2は、PFD1からのア
ップ/ダウン誤差信号UP/DNをそれらの値に対応し
たCP電圧信号PVに変換する。LPF3は、CP電圧
信号PVを平滑化し、制御電圧信号VCを生成して、V
CO4に供給する。VCO4は制御電圧信号VCの値に
応答して周波数制御され発振信号FOの周波数を変化さ
せる。この発振信号FOの周波数fOは基準信号FRの
周波数のn逓倍の周波数である。DIV8は、発振信号
FOをn分周し分周信号FDを生成し、PFD1にフィ
ードバックして供給する。
【0005】VCO4の基本構成をブロックで示す図1
2を参照すると、このVCO4は、制御電圧信号VCを
制御電流信号IBに変換するバイアスジェネレータ(B
G)41と、制御電流信号IBの値に応答して周波数制
御された発振信号FOを出力する電流制御発振器(CC
O)43とを備える。
【0006】図12を参照してVCO4の動作について
説明すると、LPF3から供給を受けた制御電圧信号V
CはBG41に入力され、BG41は制御電圧信号VC
をその値に応じた値の制御電流信号IBに変換して、C
CO43に供給する。CCO43は制御電流信号IBの
値に応答して周波数制御され発振信号FOの周波数fO
を変化させる。
【0007】CCO43は、例えばCMOS構成のアス
テブルマルチバイブレータやリングオシレータ等で構成
される。
【0008】周知のように、この種のCCOは製造(プ
ロセス)条件により、構成素子であるPチャネルトラン
ジスタ及びNチャネルトランジスタ等(以下デバイス)
のしきい値やゲート長、ゲート酸化膜厚さ、gm等の特
性が変化するため制御利得等の特性が大幅に変化し、制
御電流に対する発振周波数の変化すなわち制御特性が大
きく変化する。
【0009】ここで説明の便宜上、製造条件により変化
するデバイスの特性としてその動作速度の変化に着目
し、一定の電源電圧及び周囲温度条件下でデバイスとし
ての動作速度が速くなる場合(fast−case)を
特性A、中間の標準的な動作速度の場合(typcal
−case)を特性B、動作速度が遅くなる場合(sl
ow−case)を特性Cとそれぞれ定義する。特性A
では、製造条件によりゲート酸化膜厚さが薄く、ゲート
長が小さく、しきい値が低くそれぞれなるように変化す
る。特性Cでは、逆に、製造条件によりゲート酸化膜厚
さが厚く、ゲート長が大きく、しきい値が高くそれぞれ
なるように変化する。特性Bは特性A,Cの中間的変化
となる。
【0010】従来のPLL回路のVCO4の制御特性の
一例をグラフで示す図13(A)を参照すると、この図
には、電源電圧及び周囲温度を一定とした時の3種類の
製造条件起因のデバイスの特性A,B,Cにそれぞれ対
応する制御電圧信号VC対発振周波数fO(VC−f
O)特性のばらつきを示す。この図に示すように、特性
Aでは、VCO4としての利得が高く制御電圧信号VC
のレベルが低くVC−fO特性が急峻となる。特性Bで
は、VCO4の利得が標準的で制御電圧信号VCのレベ
ルが標準でVC−fO特性も標準的である。特性Cで
は、VCOの利得が低く制御電圧信号VCのレベルが高
くVC−fO特性が緩勾配となる。また、目標とするタ
ーゲット周波数fTはどの製造条件においても同一であ
るが、制御電圧信号VCのレベルおよびVC−fO特性
の傾きはデバイス特性A,B,Cにより異なる。ここ
で、ターゲット周波数fTはPLL回路がロックする状
態にあるときのfOである。なお、説明の便宜上、この
図及び後述の各特性図では制御電圧信号VCのレベルの
差は誇張して示している。
【0011】VCO4内のBG41の3種類の製造条件
対応デバイス特性A,B,Cにおける制御電圧信号VC
対制御電流信号IB(VC−IB)特性を同様にグラフ
で示す図13(B)を参照すると、ターゲット周波数f
Tはどの特性においても同一であるが、目標とするター
ゲット電流IT−A,B,Cは特性A,B,C毎に異な
る。ここで、ターゲット電流ITはターゲット周波数f
Tを発生させるのに必要なIBである。また、VCのレ
ベルおよびVC−IB特性の傾きも特性A,B,Cによ
り異なる。
【0012】VCO4内のCCO43の3種類の製造条
件対応特性A,B,Cにおける制御電流信号IB対発振
周波数fO(IB−fO)特性を同様にグラフで示す図
13(C)を参照すると、目標とするターゲット周波数
fTはどの製造条件においても同一である。しかし、制
御電流信号IBおよびIB−fO特性の傾きは特性A,
B,C毎に異なる。
【0013】集積回路化されたVCO4すなわちBG4
1,CCO43を構成するトランジスタの電圧−電流特
性、しきい値などの特性が製造条件のばらつきにより大
きく変化するため、これに対応してVCO4すなわちB
G41,CCO43の特性も大きく変化する。したがっ
て、所望の周波数で確実に動作させるため、VCO4を
構成するBG41,CCO43の各々の利得に余裕を持
たせ大きくしておく必要があった。
【0014】ここで、LPF3が外付けである場合、あ
るいは、LPF3が内蔵されていても、電源変動や環境
の変化、温度の変化等により出力する制御電圧信号VC
に雑音が混入し、この制御電圧信号VCが変動する。し
かも、VC−IB,IB−fOしたがって、VC−fO
の各特性自体が変動場合が生じる。
【0015】図13(A)のVCO4の特性A,B,C
の各々にノイズ等による変動が生じた場合を表わす図1
4を参照すると、制御電圧信号VCにノイズが混入して
それぞれ変動幅A1,B1,C1を生じ、さらに電源変
動及び温度変化によりVCO4の特性自体が変動幅A
2,B2,C2で変動すると、図示のように、発振周波
数fOが、変動幅A3,B3,C3でそれぞれ示すよう
に大きく変動する。
【0016】この変動の様子をさらに詳細に分析するた
め、図13(B)のBG41の特性A,B,Cの各々に
ノイズ等による変動が生じた場合を表わす図15を参照
すると、制御電圧信号VCにノイズが混入してそれぞれ
変動幅A4,B4,C4を生じ、さらに電源変動及び温
度変化によりBG41の特性自体が変動幅A5,B5,
C5で変動すると、図示のように、制御電流信号IB
が、変動幅A6,B6,C6でそれぞれ示すように大き
く変動する。
【0017】さらに、図13(C)のCCO43の特性
A,B,Cの各々にノイズ等による変動が生じた場合を
表わす図16を参照すると、制御電流信号IBにノイズ
が混入してそれぞれ変動幅A7,B7,C7を生じ、さ
らに電源変動及び温度変化によりCCO43の特性自体
が変動幅A8,B8,C8で変動すると、図示のよう
に、発振周波数fOが、変動幅A9,B9,C9でそれ
ぞれ示すように大きく変動する。
【0018】このように、VCO4は、製造条件のばら
つきに加えて、制御電圧信号VCがノイズによる干渉を
受け、BG41,CCO43の特性が電源変動や温度変
化等により変化すると、まずBG41の出力する制御電
流信号IBが大きく変動し、さらにCCO43自体の特
性変動が加わり発振周波数fOが大きく変動する。この
結果、PLL回路のロック外れが生じ易くなる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のPLL
回路は、製造条件のばらつきに加えて、LPF出力の制
御電圧信号がノイズ等の干渉を受けて変動し、さらに電
源変動や温度変化等により電圧制御発振回路(VCO)
を構成するバイアスジェネレータ(BG)や電流制御発
振器(CCO)の特性が変動すると、BGの出力する制
御電流信号が大きく変動し、さらにCCO自体の特性変
動が加わり発振周波数が大きく変動するという欠点があ
った。
【0020】また、大幅な発振周波数の変動により、ロ
ック外れが生じ易くなるという欠点があった。
【0021】本発明の目的は、製造条件のばらつきに関
係なく、電源変動や温度変化等により制御電圧信号が変
動し、制御特性の変動が生じても発振周波数に影響する
ことなく、ロック外れの生じないPLL回路を提供する
ことにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のPLL回路は、
発振信号と基準信号との位相比較結果の誤差信号から直
流の制御電圧信号を生成する位相同期ループ回路部と、
前記制御電圧信号のレベルに応答して周波数制御される
発振信号を出力する電圧制御発振回路とを備える位相同
期ループ(PLL)回路において、製造条件の変動に起
因するデバイス特性変化を検出し対応のプロセス変動信
号を出力する製造条件検出手段と、前記プロセス変動信
号の供給に応答して前記制御電圧信号の中心値を周波数
ロック時のレベル近傍となるようオフセットする制御電
圧オフセット手段とを備えて構成されている。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図1
1と共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して
同様にブロックで示す図1を参照すると、この図に示す
本実施の形態のPLL回路は、従来と共通の基準信号F
Rと発振信号を分周した分周信号FDとの位相周波数比
較を行い位相誤差に応じてアップ/ダウン誤差信号UP
/DNを出力する位相周波数比較器(PFD)1と、ア
ップ/ダウン誤差信号UP/DNに応じてCP電圧信号
PVを生成するチャージポンプ(CP)2と、CP電圧
信号PVを平滑化して不要高周波成分を除去し制御電圧
信号VCを生成するロウパスフィルタ(LPF)3と、
発振信号FOをn分周し分周信号FDを出力する分周回
路(DIV)8とに加えて、制御電圧信号VCの値及び
信号VFの値とに応答して周波数制御された発振信号F
Oを出力するVCO4Aと、制御電圧信号VCの値に応
答してプロセス状態により決まるVCO4Aの制御電圧
VC−発振周波数fO特性(VC−fO特性)補償用の
一定値のオフセット電圧信号VFを出力するアナログデ
ィジタル変換器(ADC)7とを備える。
【0024】VCO4Aの構成を図14と共通の構成要
素には共通の参照文字/数字を付して同様にブロックで
示す図2を参照すると、この図に示すVCO4Aは、従
来と共通の制御電圧信号VCを制御電流信号IBに変換
するバイアスジェネレータ(BG)41と、制御電流信
号IBの値に応答して周波数制御された発振信号FOを
出力する電流制御発振器(CCO)43とに加えて、オ
フセット電圧信号VFを電流信号IFに変換する電流制
御回路(CCC)42と、制御電流信号IBと電流信号
IFとを加算し制御電流信号IBTを出力する加算器4
4とを備える。
【0025】次に、図1,図2を参照して本実施の形態
の動作について説明すると、まず、従来と同様に、PF
D1は、基準信号FRと分周信号FDの各々の位相差を
比較して位相差に応じてアップ/ダウン誤差信号DNを
出力する。CP2は、アップ/ダウン誤差信号UP/D
NをCP電圧信号PVに変換する。LPF3は、CP電
圧信号PVを平滑化し、制御電圧信号VCを生成して、
VCO4AとADC7とに供給する。
【0026】ADC7は、後述のように、製造条件によ
り決まるデバイス特性で変化する制御電圧信号VCの飽
和値に対応してVCO4AのVC−fO特性を補償する
ためのオフセット用の一定値のオフセット電圧信号VF
を生成する。
【0027】VCO4AのBG41は、LPF3から供
給を受けた制御電圧信号VCをその値に応じた値の制御
電流信号IBに変換する。ここで、BG41の利得は、
後述のように、PLLの理想制御状態を実現するループ
利得が得られるよう従来より低めに設定する。CCC4
2は、供給を受けたオフセット電圧信号VFをその値に
対応する電流信号IFに変換する。加算器44は、これ
ら電流信号IB,IFを加算し制御電流信号IBTを出
力して、CCO43に供給する。CCO43は制御電流
信号IBTの値に応答して周波数制御され発振信号FO
の周波数fOを変化させる。DIV8は、従来と同様
に、発振信号FOをn分周し分周信号FDを生成し、P
FD1にフィードバックして供給する。
【0028】ここで、電流信号IB,IF及びIBTは
次式の関係式で表される。 IBT=IF+IB 電流信号IFは、前述のようにIBのある範囲では一定
値の信号であるので、制御電流信号IBに対しオフセッ
ト電流とみなすことが出来る。
【0029】本実施の形態のPLL回路のVCO4Aの
特性の一例をグラフで示す図3(A)を参照すると、こ
の図には、従来と同様の3種類のデバイス特性A,B,
Cの製造条件起因の制御電圧信号VC対発振周波数fO
(VC−fO)特性のばらつきを示す。目標とするター
ゲット周波数fTはどの製造条件においても同一である
が、制御電圧信号VCのレベルおよびVC−fO特性の
傾きすなわちループ利得は製造条件のばらつきにより異
なる。しかし、ループ利得を決定するBG41の利得
は、従来最悪条件でもロック可能なように余裕分を見込
み高めに設定していたが、本実施の形態では、オフセッ
ト電圧信号VFの分この利得マージンを削減できる。こ
こで、ターゲット周波数fTはPLL回路がロックする
状態にあるときのfOである。
【0030】特性Aの場合は、上述のようにデバイス動
作速度が速くなる場合である。図に示すように、LPF
3の出力する制御電圧信号VCの値は速く立ち上がり低
い値VCAで飽和する。逆に、特性Cの場合は、制御電
圧信号VCの値は遅く立ち上がり高い値VCCで飽和す
る。特性Bの場合は両者の中間VCBで飽和する。
【0031】したがって、ADC7は、特性Aの場合、
制御電圧信号VCAを検出するとこの信号VCA対応の
オフセット電圧信号VFAを出力する。CCC42はこ
のオフセット電圧信号VFA対応の電流信号IFAを出
力し、加算器44はこの電流信号IFA分だけ制御信号
IBをオフセットし、CCO43の発振周波数fOの中
心値がほぼターゲット周波数fTとなるような電流信号
IBTすなわち後述のターゲット制御電流信号IT−A
を生成する。ここで、ターゲット電流ITはターゲット
周波数fTを発生させるのに必要なIBTである。同様
に、特性B,Cの場合は、制御電圧信号VCB,VCC
の各々に対応の高いオフセット電圧信号VFB,VFC
を出力し、CCO43の発振周波数fOの中心値がほぼ
ターゲット周波数fTとなるようなターゲット制御電流
信号IT−B,IT−Cを生成する。これにより、PL
L動作時の発振周波数fOの中心値は、ほぼターゲット
周波数fTを保持できるので、上述のようにBG41を
適正利得に設定でき、動作を安定化できる。
【0032】VCO4A内のBG41の3種類の製造条
件対応特性A,B,Cにおける制御電圧信号VC対制御
電流信号IBT(VC−IBT)特性を同様にグラフで
示す図3(B)を参照すると、ターゲット周波数fTは
どの特性においても同一であるが、目標とするターゲッ
ト制御電流信号IT−A,B,Cは特性A,B,C毎に
異なる。また、VCのレベルおよびVC−IB特性の傾
きも特性A,B,Cにより異なる。この図3(B)のI
BT(VC−IBT)特性を図13(B)の従来のVC
−IB特性と比較すると、グラフA,B,Cの各々の勾
配がそれぞれ対応する従来のグラフA,B,Cの各々の
勾配より小さい。
【0033】VCO4A内のCCO43の3種類の製造
条件対応特性A,B,Cにおける制御電流信号IBT対
発振周波数fO(IBT−fO)特性を同様にグラフで
示す図3(C)を参照すると、目標とするターゲット周
波数fTはどの特性A,B,Cにおいても同一である。
しかし、ターゲット制御電流信号IT−A,B,Cの各
々の値およびIBT−fO特性の傾きは特性A,B,C
毎に異なる。
【0034】図3(A)のVCO4Aの特性A,B,C
の各々にノイズ等による変動が生じた場合を表わす図4
を参照すると、制御電圧信号VCにノイズが混入してそ
れぞれ変動幅A11,B11,C11を生じ、さらに電
源変動及び温度変化によりVCO4Aの特性自体が変動
幅A12,B12,C12で変動すると、図示のよう
に、発振周波数fOが、変動幅A13,B13,C13
でそれぞれ示すように変動する。この図4を図14の従
来のVCO4の特性と比較すると、変動幅A13,B1
3,C13の各々がそれぞれ対応する従来の変動幅A
3,B3,C3の各々より小さい。
【0035】この変動の様子をさらに詳細に分析するた
め、図3(B)のBG41の特性A,B,Cの各々にノ
イズ等による変動が生じた場合を表わす図5を参照する
と、制御電圧信号VCにノイズが混入してそれぞれ変動
幅A14,B14,C14を生じ、さらに電源変動及び
温度変化によりBG41の特性自体が変動幅A15,B
15,C15で変動すると、図示のように、制御電流信
号IBTが、変動幅A6,B6,C6でそれぞれ示すよ
うに変動する。ここで、制御電流IBTは、上述のよう
に、BG41の出力する制御電流IBにプロセス条件毎
に設定する固定のオフセット制御電流IFを加算しオフ
セット補償したものである。また、ループ利得に関係す
るBG41の利得は、上述のように適正利得まで低減さ
せており、したがって、本実施の形態の制御電流IBT
は、従来の制御電流IBより傾きが緩やかでありその変
動幅は大幅に小さい。図5に示すVC−IBT特性を図
15の従来のVC−IB特性と比較すると、変動幅A1
6,B16,C16の各々がそれぞれ対応する従来の変
動幅A6,B6,C6の各々より小さい。
【0036】さらに、図3(C)のCCO43の特性
A,B,Cの各々にノイズ等による変動が生じた場合を
表わす図6を参照すると、制御電流信号IBTにノイズ
が混入してそれぞれ変動幅A17,B17,C17を生
じ、さらに電源変動及び温度変化によりCCO43の特
性自体が変動幅A18,B18,C18で変動すると、
図示のように、発振周波数fOが、変動幅A19,B1
9,C19でそれぞれ示すように変動する。しかし、上
述のように、制御電流信号IBTの変動が抑圧され小さ
く成っているので、図16の従来の特性に比較して上記
変動幅は大幅に低減されている。なお、この図の変動幅
A19,B19,C19は、上記説明から、図4の変動
幅A13,B13,C13と同一のものである。
【0037】このように、本実施の形態のPLL回路
は、製造条件による制御特性の変動を抑圧でき、電源変
動及び温度変化等によるVCO制御特性の変動や制御電
圧信号にノイズが混入した場合でも、制御電流信号IB
Tの変動幅を抑圧でき、発振周波数fOへの影響が少な
く、したがって、ロック外れが生じにくい。
【0038】次に、本発明の第2の実施の形態を図1と
共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様
にブロックで示す図7を参照すると、この図に示す本実
施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、AD
C7の代わりにアップ/ダウン誤差信号UP/DNをア
ップ/ダウン計数し、製造条件対応の一定制御電圧信号
VFを生成するカウンタ5を備えることである。
【0039】PLLの初期状態からロックするまでのカ
ウンタ5の計数値は、VCO4Aの製造条件対応の特性
で異なる。すなわち、動作速度の速いデバイス特性Aで
は速くロックするので計数値が小さくなり、したがっ
て、信号VFの値も小さくなる。逆に、特性Cでは、計
数値が大きくなり、信号VFの値も小さくなる。
【0040】したがって、第1の実施の形態と同様に製
造条件による制御特性の変動を抑圧でき、電源変動及び
温度変化等によるVCO制御特性の変動や制御電圧信号
にノイズが混入した場合でも、制御電流信号IBTの変
動幅を抑圧でき、発振周波数fOへの影響が少なく、し
たがって、ロック外れが生じにくい。
【0041】次に、本発明の第3の実施の形態を図1と
共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様
にブロックで示す図8を参照すると、この図に示す本実
施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、AD
C7の代わりに製造条件を判定しこの判定した製造条件
対応の一定制御電圧信号VFを生成するプロセス判定回
路6を備えることである。
【0042】プロセス判定回路6は、PLLの動作とは
無関係に電源印加に応答して動作し、プロセス条件で異
なるトランジスタのしきい値や、半導体チップ基板の固
有抵抗あるいは発振器を構成しその自走発振周波数等を
測定することにより、プロセス条件を判定して所定の制
御電圧信号VFを出力する。この種の回路は、CMOS
インバータをリング状に接続したリングオシレータ等で
構成できる。
【0043】以上の他は、本実施の形態の動作は第1の
実施の形態と同様である。
【0044】次に、本発明の第4の実施の形態を図9と
共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様
にブロックで示す図1を参照すると、この図に示す本実
施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、AD
C7の代わりに基準信号FRと分周信号FDとの比較結
果の差である位相周波数差の判定結果を計数してこの判
定結果計数値対応の電圧値を製造条件対応の一定制御電
圧信号VFAとして出力するカウンタ9を備えることで
ある。
【0045】PLLの初期状態では、基準信号FRの周
波数の方が分周信号FDより高い。カウンタ9は、基準
信号FRが分周信号FDより大きい場合、カウント値を
1増加し、その増加分対応の制御電圧信号VFAの値を
上昇させる。
【0046】本実施の形態の制御電圧信号IBTの形成
の模様をグラフで示す図10を併せて参照して本実施の
形態の動作について説明すると、まず、基準信号FRが
分周信号FVより大きい場合、すなわち、発振周波数f
0がターゲット周波数fTより低い場合、制御電圧信号
VFA対応の制御電圧信号IFAは、1カウント分すな
わち電流信号IF1の分増加する。したがって、トータ
ルの制御電流信号IBTが電流信号IF1分ステップ状
に増大し、発振周波数f0を上昇させる。以下この状態
が続く限り制御電流信号IF2,IF3・・・と上昇
し、制御電流信号IBTが上昇し、ついに発振周波数f
0がターゲット周波数fTに達すると、対応の分周信号
FDが基準信号FRと同一あるいはオーバし、カウンタ
9はカウントを停止する。
【0047】以上の他は、本実施の形態の動作は第1の
実施の形態と同様である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のPLL回
路は、製造条件の変動に起因するデバイス特性変化を検
出し対応のプロセス変動信号を出力する製造条件検出手
段と、上記プロセス変動信号の供給に応答して制御電圧
信号の中心値を周波数ロック時のレベル近傍となるよう
オフセットする制御電圧オフセット手段とを備え、製造
条件で決まるオフセット電圧信号を生成し周波数制御の
ほぼ中心を維持するよう適切にオフセットすることによ
り制御感度を適正に保持できるので、製造条件のばらつ
きに加えて、LPF出力の制御電圧信号がノイズ等の干
渉を受けて変動し、さらに電源変動や温度変化等により
VCOを構成するBGやCCOの特性が変動しても、制
御電流信号の変動を抑圧し、発振周波数の変動を抑圧で
きるという効果がある。
【0049】また、発振周波数の変動を抑圧することに
より、ロック外れを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPLL回路の第1の実施の形態を示す
ブロック図である。
【図2】図1のVCOの構成を示す回路図である。
【図3】本実施の形態のPLL回路における動作の一例
を示す特性図である。
【図4】本実施の形態のPLL回路にノイズ等による変
動が生じた場合の動作の第1の例を示す特性図である。
【図5】本実施の形態のPLL回路にノイズ等による変
動が生じた場合の動作の第2の例を示す特性図である。
【図6】本実施の形態のPLL回路にノイズ等による変
動が生じた場合の動作の第3の例を示す特性図である。
【図7】本発明のPLL回路の第2の実施の形態を示す
ブロック図である。
【図8】本発明のPLL回路の第3の実施の形態を示す
ブロック図である。
【図9】本発明のPLL回路の第4の実施の形態を示す
ブロック図である。
【図10】本実施の形態のPLL回路における動作の一
例を示す特性図である。
【図11】従来のPLL回路の一例を示すブロック図で
ある。
【図12】図11のVCOの構成を示す回路図である。
【図13】従来のPLL回路における動作の一例を示す
特性図である。
【図14】従来のPLL回路にノイズ等による変動が生
じた場合の動作の第1の例を示す特性図である。
【図15】従来のPLL回路にノイズ等による変動が生
じた場合の動作の第2の例を示す特性図である。
【図16】従来のPLL回路にノイズ等による変動が生
じた場合の動作の第3の例を示す特性図である。
【符号の説明】
1 PFD 2 CP 3 LPF 4,4A VCO 5,9 カウンタ 6 プロセス判定回路 7 ADC 8 DIV 41 BG 42 CCC 43 CCO 44 加算器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振信号と基準信号との位相比較結果の
    誤差信号から直流の制御電圧信号を生成する位相同期ル
    ープ回路部と、前記制御電圧信号のレベルに応答して周
    波数制御される発振信号を出力する電圧制御発振回路と
    を備える位相同期ループ(PLL)回路において、 製造条件の変動に起因するデバイス特性変化を検出し対
    応のプロセス変動信号を出力する製造条件検出手段と、 前記プロセス変動信号の供給に応答して前記制御電圧信
    号の中心値を周波数ロック時のレベル近傍となるようオ
    フセットする制御電圧オフセット手段とを備えることを
    特徴とするPLL回路。
  2. 【請求項2】 前記電圧制御発振回路が、前記制御電圧
    信号を対応する制御電流信号に変換する電流信号発生回
    路と、 前記プロセス変動信号をプロセス変動電流信号に変換す
    る電圧電流変換回路と、 前記制御電流信号と前記プロセス変動電流信号とを加算
    しオフセット制御電流信号を出力する前記制御電圧オフ
    セット手段である加算回路と、 前記オフセット制御電流信号の電流値に応答して周波数
    制御される発振信号を出力する電流制御発振回路とを備
    えることを特徴とする請求項1記載のPLL回路。
  3. 【請求項3】 前記製造条件検出手段が、製造条件で変
    化する前記制御電圧信号の飽和レベルを検出しこの飽和
    レベル対応の前記プロセス変動信号を生成する飽和レベ
    ル電圧変換回路を備えることを特徴とする請求項1記載
    のPLL回路。
  4. 【請求項4】 前記製造条件検出手段が、電源印加に応
    答して動作し製造条件で異なるデバイスの特性変化を検
    出し前記プロセス変動信号を出力するプロセス判定回路
    を備えることを特徴とする請求項1記載のPLL回路。
  5. 【請求項5】 前記製造条件検出手段が、PLL回路の
    初期状態からロックするまでの前記位相比較結果の誤差
    信号を計数しこの計数値対応の前記プロセス変動信号を
    生成するカウンタを備えることを特徴とする請求項1記
    載のPLL回路。
  6. 【請求項6】 前記製造条件検出手段が、PLL回路の
    初期状態からロックするまでの発振信号と基準信号との
    周波数比較結果の差である位相周波数差の判定結果を計
    数してこの判定結果計数値対応の電圧値を前記プロセス
    変動信号として生成するカウンタを備えることを特徴と
    する請求項1記載のPLL回路。
  7. 【請求項7】 前記プロセス判定回路が、CMOSイン
    バータをリング状に接続したリングオシレータを備える
    ことを特徴とする請求項4記載のPLL回路。
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