JPH11176352A - 偏向ヨーク - Google Patents

偏向ヨーク

Info

Publication number
JPH11176352A
JPH11176352A JP33741197A JP33741197A JPH11176352A JP H11176352 A JPH11176352 A JP H11176352A JP 33741197 A JP33741197 A JP 33741197A JP 33741197 A JP33741197 A JP 33741197A JP H11176352 A JPH11176352 A JP H11176352A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deflection coil
core
vertical
horizontal
separator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33741197A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Ko
義雄 高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP33741197A priority Critical patent/JPH11176352A/ja
Publication of JPH11176352A publication Critical patent/JPH11176352A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】水平偏向コイルによる磁束が垂直偏向コイルに
鎖交したときのうず電流損を低減できるようにする。 【解決手段】少なくとも内面側に複数のスロット12を
有したコア11と、所定線径を有してコア11のスロッ
ト12内に巻装された垂直偏向コイル13と、この垂直
偏向コイル13が巻装されたコア21の内径側に設けら
れたセパレータ14と、所定線径を有してセパレータ1
4の内径側に巻装された水平偏向コイル15とを備え、
この水平偏向コイル15の線径に対して垂直偏向コイル
13の線径が太くなされたものである。この構成によっ
て、垂直偏向コイル13の抵抗値が水平偏向コイル15
のと同じ線径のときの抵抗値よりも小さくなるので、垂
直偏向電力を低減できると共に、水平偏向コイル15に
よる磁束が垂直偏向コイル13に鎖交したときのうず電
流損を低減させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表示画面の水平
方向や垂直方向のサイズが自由に変更でき、かつ、任意
の水平偏向周波数や、垂直偏向周波数の信号で表示でき
るCRTディスプレイ装置(以下、マルチスキャン型の
ディスプレイという)の陰極線管などに適用して好適な
偏向ヨークに関する。
【0002】詳しくは、偏向ヨークを構成するコアの溝
部内に巻装された垂直偏向コイルと、そのコアの内径側
にセパレータを介在させて巻装された水平偏向コイルと
に関し、水平偏向コイルの線径に対し垂直偏向コイルの
線径を太くするようにして、垂直偏向電力を低減すると
共に、水平偏向コイルによる磁束が垂直偏向コイルに鎖
交したときのうず電流損の増加を抑えるようにしたもの
である。
【0003】
【従来の技術】近頃、コンピユータから出力されるさま
ざまな映像信号に基づいて画像表示を行うマルチスキャ
ン型のディスプレイが使用される場合が多くなってき
た。このディスプレイはコンピユータディスプレイ装置
の一種であり、水平・垂直同期信号(偏向周波数を決め
る信号)の様々な種類に対応できると共に、これらの組
み合わせに対応できるディスプレイモニタである。最も
対応度の高いディスプレイにあっては、いわゆるNTS
C方式のテレビ画像表示からコンピユータの高解像度な
画像表示まで対応したものがある。
【0004】上述したディスプレイモニタでは高周波に
よる偏向走査が求められるため、スロットコアを有した
偏向ヨークを使用する場合が多い。このスロットコアを
使用した偏向ヨークによると偏向電力を少なくできるメ
リットがある。
【0005】図10はこの種のマルチスキャン型のディ
スプレイ装置で使用される陰極線管1の構成例を示す図
である。図10に示す陰極線管(CRT:Cathode-Ray
Tube)1はパネル部1a、ファンネル部1b及びネック
部1cから構成されている。このファンネル部1bの裾
部分には偏向ヨーク2が配設されている。
【0006】この偏向ヨーク2はコアを有し、このコア
には垂直偏向コイルおよび水平偏向コイルが巻き付けら
れる。例えば、各コイルは鞍型(サドル型)に巻装され
る。そして、周知のように、水平偏向コイルには水平偏
向周波数のノコギリ波電流が供給され、また、垂直偏向
コイルには垂直偏向周波数のノコギリ波電流が供給され
る。これら2つの偏向コイルによって、ネック部1cに
配された電子銃(図示せず)からのR(赤),G
(緑),B(青)の電子ビームが上下左右方向に偏向さ
れる。この偏向の際のCRT表示画面に関する水平サイ
ズは水平偏向周波数によって設定され、また、その垂直
サイズは垂直偏向周波数によって設定される。
【0007】図11Aは陰極線管1の管軸方向(以下中
心軸方向という)に垂直な方向で偏向ヨーク2を切断し
た断面を示す図であり、図11Bは図11AにおけるX
1−X2矢視断面を示す図である。
【0008】図11Aに示す偏向ヨーク2にはコア4が
設けられ、中心軸方向に沿ったスロット(溝部)3が内
面円周方向で一周するように連続的に形成されている。
このコア4のスロット3には鞍型に垂直偏向コイル5が
巻き付けられる。この垂直偏向コイル5が巻装されたコ
アの内径側にはセパレータ6が配されている。このセパ
レータ6にはコア4の内面の凸部4aに対応して中心軸
方向に沿った開孔部が形成されており、この開孔部を貫
通するようにしてセパレータ6の内径側にコア4の凸部
4aが突出するようにされている。
【0009】このような状態のセパレータ6の内径側に
鞍型に水平偏向コイル7が巻き付けられている。従っ
て、垂直偏向コイル5および水平偏向コイル7を同一の
スロット3で共に巻き付けることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来方
式の偏向ヨーク2によれば、コア4のスロット3内で垂
直偏向コイル5及び水平偏向コイル7が共に巻装されて
いるので、水平偏向コイル7による磁束が垂直偏向コイ
ル5に多く鎖交するようになる。
【0011】従って、水平偏向コイル7による磁束が垂
直偏向コイル5内でうず電流を発生させてしまい、水平
偏向コイル7のうず電流損が増加する。このうず電流損
は水平偏向周波数が高周波になるほど増加して発熱の原
因となる。このため、高周波による偏向走査が求められ
るディスプレイモニタなどに偏向ヨーク2を適用した場
合にこの発熱が問題となる。
【0012】因みに、水平偏向周波数の高周波化に対す
る発熱を抑える方法として、垂直偏向コイル5及び水平
偏向コイル7を同じ線径を有した細い銅線(またはリッ
ツ線)で形成することが考えられる。この場合は、各線
の絶縁被覆が相対的に増加し、結果として同一面積に巻
けるコイルの銅量が減少することになり、垂直偏向コイ
ル5の抵抗値が大きくなる。
【0013】従って、垂直偏向コイル5の抵抗値の増加
によって垂直偏向損失が増えることにより、この偏向ヨ
ーク2を応用したディスプレイ装置ではその電力消費を
低減することが困難となる。また、スロット3を深く形
成しなければならなくなるので、コア4の製造が複雑に
なり偏向ヨーク2のコスト高を招くという問題もある。
【0014】そこで、この発明はこのような従来の課題
を解決したものであって、垂直偏向電力の低減をしなが
ら、水平偏向コイルによる磁束が垂直偏向コイルに鎖交
することによって生ずるうず電流損の増加を抑えるよう
にした偏向ヨークを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題は、少なく
とも内面側に複数の溝部を有したコアと、所定線径を有
してコアの溝部内に巻装された垂直偏向コイルと、この
垂直偏向コイルが巻装されたコアの内径側に設けられた
セパレータと、所定線径を有してセパレータの内径側に
巻装された水平偏向コイルとを備え、この水平偏向コイ
ルの線径に対して垂直偏向コイルの線径が太くなされた
ことを特徴とする偏向ヨークによって解決される。
【0016】本発明の偏向ヨークによれば、コアの溝部
内に巻装された垂直偏向コイルと、このコアの内径側に
セパレータを介在させて巻装された水平偏向コイルとに
関して、その水平偏向コイルの線径に対し垂直偏向コイ
ルの線径が太くなされたものである。
【0017】従って、垂直偏向コイルの抵抗値が水平偏
向コイルの抵抗値よりも小さくなるので、垂直偏向電力
が低減すると共に、水平偏向コイルによる磁束が垂直偏
向コイルに鎖交する割合が減って、水平偏向コイルと同
じ線径を用いた場合よりも、うず電流損を低減すること
ができる。これにより、水平偏向周波数が増加しても、
うず電流による発熱を抑えることができる。これと共
に、水平偏向コイルの電力損失を低減できるので、この
偏向ヨークを応用したマルチスキャン型のディスプレイ
装置などの電力消費を低減することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】続いて、この発明に係る偏向ヨー
クの各々の実施の形態について、図面を参照しながら説
明をする。
【0019】(1)第1の実施形態 図1Aは第1の実施形態としての偏向ヨーク10を陰極
線管の管軸方向(以下中心軸方向という)に垂直な方向
で切断した断面を示す図であり、図1Bは、図1Aにお
けるX1−X2矢視断面を示す図である。
【0020】この実施形態では偏向ヨーク10を構成す
るコアの溝部内に巻装された垂直偏向コイルと、その内
径側にセパレータを介在させて巻装された水平偏向コイ
ルとに関して、水平偏向コイルの線径に対し垂直偏向コ
イルの線径を太くしても、水平偏向コイルによる磁束が
垂直偏向コイルに鎖交したときのうず電流損が増加しな
いようにしたものである。
【0021】この偏向ヨーク10には図1Aに示すコア
11が設けられ、少なくとも内面円周方向に連続的に一
周するように複数の溝部(以下スロットという)12が
形成されている。このスロット12とスロット12との
間に設けられた隔壁を以下凸部11aという。このスロ
ット12内には所定線径を有した垂直偏向コイル13が
例えば鞍型(サドル型)に巻装されている。垂直偏向コ
イル13の線径はCRTの大きさにもよるが、0.3〜
0.4mmφ程度である。この線径の銅線が使用され
る。
【0022】このコア11の内面側であって垂直偏向コ
イル13の内径側にはセパレータ14が設けられる。こ
のセパレータ14の内径側には所定線径を有した図1B
に示す水平偏向コイル15が鞍型に巻装されている。水
平偏向コイル15の線径は0.15mmφ程度である。
この線径の銅線を、例えば11本をより合わせたリッツ
線が使用される。
【0023】図2はセパレータ14の構造を示す側面図
である。この例では従来方式の偏向ヨーク2と異なり、
垂直偏向コイル13のみがコア11のスロット12に巻
き付けられている。このセパレータ14は全体として円
錐台形状に形成されており、前部ベンド部14aと胴体
部14bが一体となったセパレータ本体14cと、ネジ
部14eを有した後部ベンド部14dから構成される。
セパレータ本体14cと後部ベンド部14dとはネジ部
14eによって一体化される。
【0024】つまり、従来方式の偏向ヨーク2とは異な
って、図2に示すセパレータ14にはコア11の内面の
凸部11aに対応した開孔部が設けられていない。その
ため、コア11の内面の凸部11aは図1Aに示したセ
パレータ14の外面に接した状態におかれ、水平偏向コ
イル15がコア11のスロット12には巻き付けられな
いものである。
【0025】図3は水平偏向コイル15による磁束分布
を示す図である。図3に示す水平偏向コイル15による
磁束は主にコア11の内面側の凸部11aに集中して通
過する。このため、垂直偏向コイル13上の磁束が凸部
11aのエッジ方向に曲がり込むように分布するので、
垂直偏向コイル13に鎖交する磁束が減少する。これに
より、水平偏向コイル15の磁束による垂直偏向コイル
13内でのうず電流の発生を抑制できるので、水平偏向
コイル15の線径に対して垂直偏向コイル13の線径を
太くすることができる。
【0026】このことは、例えば線径の異なる2種類の
垂直偏向コイルを同じ断面積のスロット12内に巻き付
けて比較した場合に、線径の太い垂直偏向コイルの方が
抵抗値が少なくなるので、線径の細い垂直偏向コイルに
比べて線径の太い垂直偏向コイルの方が、水平偏向コイ
ルでのうず電流損RI2を低くすることができる。
【0027】このように本実施の形態の偏向ヨーク10
によれば、コア11のスロット12内に巻装された垂直
偏向コイル13と、この垂直偏向コイル13の外側にセ
パレータ14を介在させて巻装された水平偏向コイル1
5とに関して、その水平偏向コイル15の線径に対し垂
直偏向コイル13の線径が太くなされたものである。
【0028】従って、水平偏向周波数が増加しても偏向
ヨーク10の発熱を抑制できる。これと共に、水平偏向
コイル15での電力損失を低減できるので、この偏向ヨ
ーク10を応用したマルチスキャン型のディスプレイ装
置などの消費電力を低下させることができる。
【0029】また、この実施形態ではコア11のスロッ
ト12内に垂直偏向コイル13のみが巻装されるので、
スロット12を浅く形成することができる。従って、コ
ア11自体を薄くできるので、偏向ヨーク10の製造簡
易化及びそのコストダウンを図ることができる。
【0030】更に、この実施形態では水平偏向コイル1
5の巻き付け位置がスロット12で規制されなくなるの
で、水平偏向コイル15による磁束分布の自由度が高く
なり、良好なコンバージェンス性能を得ることができ
る。
【0031】(2)第2の実施形態 図4Aは第2の実施形態としての偏向ヨーク20を中心
軸方向に垂直な方向で切断した断面を示す図であり、図
4Bは図4AにおけるX1−X2矢視断面を示す図であ
る。
【0032】この実施形態ではコアの凸部に対向する位
置に開孔部を有したセパレータを設け、この凸部をセパ
レータの開孔部から露出させると共に、水平偏向コイル
の線径に対し垂直偏向コイルの線径を太くするようにし
て、水平偏向コイルによる発熱を抑えるようにしたもの
である。
【0033】この偏向ヨーク20には図4Aに示すコア
21が設けられ、内面円周方向に連続的に一周するよう
に複数のスロット22が形成されている。このスロット
22内には所定線径を有した垂直偏向コイル23が例え
ば鞍型に巻装されている。垂直偏向コイル23の線径は
CRTの大きさにもよるが、0.3〜0.4mmφ程度
である。この線径の銅線が使用される。
【0034】この垂直偏向コイル23が巻装されたコア
21の内径側には図4Bに示す位置にセパレータ24が
設けられる。セパレータ24の内径側には所定線径を有
した水平偏向コイル25が鞍型に巻装されている。水平
偏向コイル25の線径は0.15mmφ程度である。こ
の線径の銅線をより合わせたリッツ線が使用される。
【0035】図5は上述したセパレータ24の構造例を
示す側面図である。セパレータ24は全体として円錐台
形状に形成されている。セパレータ24は前部ベンド部
24aと胴体部24bが一体となったセパレータ本体2
4cと、ネジ部24eを有した後部ベンド部24dから
構成される。セパレータ本体24cと後部ベンド部24
dとはネジ部24eによって一体化される。
【0036】このセパレータ24の胴体部24bには、
コア21の凸部21aに対応して中心軸方向に伸びる開
孔部26が形成されている。この例ではセパレータ24
の開孔部26を貫通して、コア21の凸部21aが水平
偏向コイル25の外径部に接するようにされている。
【0037】図6Aは、コア21を大口径側から見た図
であり、図6Bは、図6AにおけるX1−X2矢視断面
を示す図である。コア21は全体として円錐台形状に形
成されている。コア21には、上述したように中心軸方
向に伸びるスロット22が内周円周方向に連続的して一
周するように形成されている。このスロット22は大口
径側から小口径側まで連続するように形成されている。
【0038】また、コア21の内径側には、その内面側
のスロット22に対応して凸部21bが形成され、これ
と共に内面側の凸部21aに対応して凹部21cが形成
される。このような凹凸を設けることによって、コアプ
レス時の圧力分布差を小さくできる共に、焼成変形を小
さくできる。さらに、コア21の表面積が多くなるの
で、コア21の放熱効果を高めることができる。
【0039】このコア21は水平偏向コイル25と接す
ることから、高電気抵抗のフェライト(Mg−Zn系)
を使用することが望ましい。低電気抵抗のフェライト
(Mn−Zn系)を用いる場合には、表面を薄い絶縁膜
でコーティングするとよい。
【0040】上述した偏向ヨーク20を非分割コア方式
によって製造する場合には、以下に示す工程で製造す
る。まず、コア21のスロット22に例えば線径0.4
mmφの垂直偏向コイル23を所定回数だけ鞍型に巻き
付ける。次に、垂直偏向コイル23の内面側にセパレー
タ24を取り付ける。この場合に、コア21の凸部21
aがセパレータ24の開孔部26を貫通するようにす
る。その後、セパレータ24の内径側に線径0.15m
mφの銅線をよったリッツ線からなる水平偏向コイル2
5を所定巻き回数だけ鞍型に巻き付ける。これにより、
偏向ヨーク20が完成する。
【0041】このように本実施の形態によれば、コア2
1の凸部21aに対向する位置に開孔部26を有したセ
パレータ24が設けられ、そのコア21の凸部21aが
セパレータ24の開孔部26から露出するようになされ
たので、水平偏向コイル25による磁束をコア21の凸
部21aに集中させることができる。
【0042】従って、垂直偏向コイル23に鎖交する磁
束を低減できるので、垂直偏向コイル23内におけるう
ず電流の発生を抑制できる。これと共に、水平偏向コイ
ル25の線径に対し垂直偏向コイル23の線径が太くさ
れるので、垂直偏向電力を低減することができる。
【0043】また、本実施の形態では、垂直偏向コイル
23はコア21のスロット22に巻き付けられるが、水
平偏向コイル25はコア21のスロット22には巻き付
けられない。そのため、水平偏向コイル25の巻き付け
位置はコア21のスロット22で規制されず、水平偏向
コイル25の磁束分布の自由度を確保することができ
る。
【0044】更に、本実施の形態では、コア21の凸部
21aが、セパレータ24に形成された開孔部26を貫
通して、水平偏向コイル25に接するようになされたも
のである。そのため、水平偏向コイル25で発生した熱
は熱伝導率のよいコア21を介して外部に放出される。
これにより、水平偏向コイル25の発熱を抑制でき、高
周波走査や広角度偏向に際して好適なものとなる。
【0045】(3)第3の実施形態 図7は第3の実施形態としての偏向ヨークのコア31の
構成例を示す断面図である。上述した第2の実施形態で
はコア21のスロット22が大口径側から小口径側まで
連続している場合について説明したが、この実施形態で
は図7に示すコア31が小口径側においてスロット32
を付けないようにしたものである。
【0046】このコア31の場合には、水平偏向コイル
が小口径側付近においてコア31の凸部31aに接しな
くなる。しかし、垂直偏向コイルを構成する銅線は熱伝
導性が非常に高く、特に巻線方向の伝達は高いので、水
平偏向コイルがコア31の凸部31aに接していなくて
も、水平偏向コイルで発生した熱を十分に放出できる。
このようなコア31に水平偏向コイルの線径に対し垂直
偏向コイルの線径を太くしたものを巻装してもよい。
【0047】(4)第4の実施形態 図8は第4の実施形態としての偏向ヨーク40のコアの
構成例を示す断面図である。上述した第2の実施形態で
はコア21の凸部21aがセパレータ24を介して水平
偏向コイル25の外径に接するようにしたものである
が、この実施形態では図8に示すコア41の凸部41a
を第2の実施形態に比べて長くし、その凸部41aをセ
パレータ24から突出するようにしたものである。
【0048】この場合にも、コア41に水平偏向コイル
25の線径に対し垂直偏向コイル23の線径を太くした
ものが巻装される。そして、コア41の凸部41aをセ
パレータ24から突出させることで、水平偏向コイル2
5を確実に凸部41aに接触させることができるし、水
平偏向コイル25の位置ずれを防止できる。
【0049】(5)応用例 図9は上述した偏向ヨーク10,20,40などが適用
されるマルチスキャン型のディスプレイ装置50の構成
を示すブロック図である。このディスプレイ装置50に
は図9に示すスシステムコントローラ58が設けられて
おり、更にはビデオ端子51aが設けられ、コンピユー
タなどから転送されてきた映像信号が入力される。この
ビデオ端子51aにはビデオ回路51が接続され、シス
テムコントローラ58の制御を受けて、映像信号が増幅
された後に、この映像信号に基づいてCRT57のカソ
ード57aが制御される。
【0050】また、コンピユータから映像信号と共に転
送されてきた水平同期信号はH−SYNC端子52aに
入力され、同様に、垂直同期信号はV−SYNC端子5
2bに入力される。これらの端子52a・52bにはS
YNC判別&水平・垂直同期回路52が接続され、シス
テムコントローラ58の制御を受けて、水平・垂直同期
信号が判別された後に、これらの信号が増幅されて一定
振幅に整形される。これらの信号は水平偏向及び垂直偏
向を行うために必要なタイミングパルス信号Ph,Pv
である。
【0051】このSYNC判別&水平・垂直同期回路5
2の出力段には、水平偏向波形発生回路53及び垂直偏
向波形発生回路54が接続される。水平偏向波形発生回
路53では、システムコントローラ58の制御を受け
て、水平同期信号から生成されたタイミングパルス信号
Phに基づいて水平偏向制御波形Shが発生される。垂
直偏向波形発生回路54では同様にして、垂直同期信号
から生成されたタイミングパルス信号Pvに基づいて垂
直偏向制御波形Svが発生される。
【0052】この水平偏向波形発生回路53の出力段に
は、水平偏向制御回路55が接続され、垂直偏向波形発
生回路54の出力段には垂直偏向制御回路56が接続さ
れている。水平偏向制御回路55では水平偏向制御波形
を増幅した後の水平偏向信号SHが、各実施の形態とし
ての例えば偏向ヨーク10の水平偏向コイル15に供給
される。垂直偏向制御回路56では垂直偏向制御波形を
増幅した後の垂直偏向信号SVが偏向ヨーク10の垂直
偏向コイル13に供給される。
【0053】また、システムコントローラ58の出力段
には高電圧制御回路59が接続され、このシステムコン
トローラ58からの高圧ドライブパルス信号S0に基づ
いて高電圧V0が発生された後に、この高電圧V0がC
RT57のアノード57bに供給される。
【0054】このマルチスキャン型のディスプレイ装置
50によれば、コンピユータからの色々な種類の映像信
号及び水平・垂直同期信号が入力されると、これらの映
像信号及び水平・垂直同期信号に基づいてCRT57に
水平・垂直方向でサイズの異なった画像が表示される。
【0055】このように本実施の形態の偏向ヨーク10
を応用したマルチスキャン型のディスプレイ装置50に
よれば、コア21のスロット12内に巻装された垂直偏
向コイル13と、そのコア21の内径側にセパレータ1
4を介在させて巻装された水平偏向コイル15とに関し
て、水平偏向コイル15の線径に対し垂直偏向コイル1
3の線径を太くするようにしたので、水平偏向コイル1
5による磁束が垂直偏向コイル13に鎖交したときのう
ず電流損を低減することができる。
【0056】従って、偏向ヨーク10などを応用したマ
ルチスキャン型のディスプレイ装置50において、高周
波による偏向走査が要求される中で、垂直偏向周波数や
水平偏向周波数が増加した場合であっても、偏向ヨーク
10での発熱を抑制できる。これと共に、水平偏向コイ
ル15での電力損失を低減できるので、マルチスキャン
型のディスプレイ装置50などの消費電力を低下させる
ことができる。
【0057】なお、各々の実施形態では、垂直偏向コイ
ル13,23や水平偏向コイル15,25を鞍型で巻き
付ける場合について説明したが、これに限られることは
なく、水平偏向コイル15,25を鞍型で巻き付け、垂
直偏向コイル13,23をトロイダル型で巻き付ける場
合であっても同様な効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の偏向ヨー
クによれば、コアの溝部内に巻装された垂直偏向コイル
と、このコアの内径側にセパレータを介在させて巻装さ
れた水平偏向コイルとに関して、その水平偏向コイルの
線径に対し垂直偏向コイルの線径が太くなされたもので
ある。
【0059】この構成によって、水平偏向コイルによる
磁束が垂直偏向コイルに鎖交したときの垂直偏向コイル
におけるうず電流損を低減することができる。また、垂
直偏向電力を低減することができ、更に、従来方式に比
べて垂直偏向コイルでの電力損失を低減することができ
る。
【0060】この発明はマルチスキャン型のディスプレ
イ装置の陰極線管などに適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは第1の実施形態としての偏向ヨーク10の
管軸方向の構成例を示す断面図、BはそのX1−X2矢
視断面図である。
【図2】偏向ヨーク10のセパレータ14の構造例を示
す側面図である。
【図3】偏向ヨーク10の水平偏向コイル15による磁
束分布例を示す図である。
【図4】Aは第2の実施形態としての偏向ヨーク20の
管軸方向の構成を示す断面図、BはそのX1−X2矢視
断面図である。
【図5】偏向ヨーク20のセパレータ24の構造例を示
す側面図である。
【図6】Aは偏向ヨーク20のコア21の構造例を示す
正面図、Bはその側面の断面図である。
【図7】第3の実施形態としての偏向ヨーク30のコア
31の構成例を示す断面図である。
【図8】第4の実施形態としての偏向ヨーク40の構成
例を示す断面図である。
【図9】各実施形態の偏向ヨークが応用されるマルチス
キャン型のディスプレイ装置50の構成を示すブロック
図である。
【図10】従来方式の陰極線管1の構成例を示す正面図
である。
【図11】従来方式の偏向ヨーク2の管軸方向の構成例
を示す断面図、BはそのX1−X2矢視断面図である。
【符号の説明】
2,10,20,40・・・偏向ヨーク、3,12,2
2・・・スロット、4,11,21・・・コア、5,1
3,23・・・垂直偏向コイル、6,14,24・・・
セパレータ、7,15,25・・・水平偏向コイル、2
6・・・開孔部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも内面側に複数の溝部を有した
    コアと、 所定線径を有して前記コアの溝部内に巻装された垂直偏
    向コイルと、 前記垂直偏向コイルが巻装された前記コアの内径側に設
    けられたセパレータと、 所定線径を有して前記セパレータの内径側に巻装された
    水平偏向コイルとを備え、 前記水平偏向コイルの線径に対して前記垂直偏向コイル
    の線径が太くなされたことを特徴とする偏向ヨーク。
  2. 【請求項2】 前記コアの溝部内には垂直偏向用のコイ
    ルのみが巻装されることを特徴とする請求項1記載の偏
    向ヨーク。
  3. 【請求項3】 前記コアの内面側にセパレータが設けら
    れる場合であって、 前記コアの溝部と溝部との間に設けられた隔壁を凸部と
    するとき、 前記コアの凸部に対向する位置に開孔部を設けたセパレ
    ータが設けられ、 前記コアの凸部が前記セパレータの開孔部から露出する
    ようになされたことを特徴とする請求項1記載の偏向ヨ
    ーク。
JP33741197A 1997-12-08 1997-12-08 偏向ヨーク Pending JPH11176352A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33741197A JPH11176352A (ja) 1997-12-08 1997-12-08 偏向ヨーク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33741197A JPH11176352A (ja) 1997-12-08 1997-12-08 偏向ヨーク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11176352A true JPH11176352A (ja) 1999-07-02

Family

ID=18308390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33741197A Pending JPH11176352A (ja) 1997-12-08 1997-12-08 偏向ヨーク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11176352A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100410943B1 (ko) * 2000-12-09 2003-12-18 삼성전기주식회사 편향요크
US6737818B2 (en) 2001-11-22 2004-05-18 Hitachi, Ltd. Deflection yoke and cathode ray tube device

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100410943B1 (ko) * 2000-12-09 2003-12-18 삼성전기주식회사 편향요크
US6737818B2 (en) 2001-11-22 2004-05-18 Hitachi, Ltd. Deflection yoke and cathode ray tube device
KR100481897B1 (ko) * 2001-11-22 2005-04-11 가부시키가이샤 히타치세이사쿠쇼 편향 요크 및 음극선관 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0424888B1 (en) Color cathode ray tube apparatus
JP3543900B2 (ja) 陰極線管装置
JPH11176352A (ja) 偏向ヨーク
JP2677594B2 (ja) 表示管と偏向ユニットの組合せを有する表示装置
US4697120A (en) Color display system with electrostatic convergence means
JP2610251B2 (ja) カラー受像装置
US6815913B2 (en) Cathode ray tube
JP2697012B2 (ja) テレビジョン受像機
JPH10312759A (ja) 偏向ヨーク、カラー陰極線管装置及びディスプレイ装置並びにくら形コイルの製造方法
JP2002075249A (ja) ブラウン管用偏向ヨーク
KR100456210B1 (ko) 음극선관의 전자 빔 편향 시스템
JPH0121474Y2 (ja)
JPH05275024A (ja) 陰極線管
WO1998024112A1 (fr) Bloc de deviation et dispositif d'affichage
JP2000021330A (ja) 偏向ヨーク装置
JP2002025472A (ja) 電子ビーム偏向装置およびカラー表示管
JPH09306381A (ja) 偏向ヨーク装置
KR20040051994A (ko) 디스플레이 장치의 인너 핀 모듈
KR20040054560A (ko) 편향 요크 장치, 표시 장치 및 그 제어 방법
JP2002367535A (ja) 偏向ヨーク装置
JPH10302673A (ja) 陰極線管装置
KR20040035362A (ko) 음극선관용 편향 장치
JPS5890873A (ja) テレビ受像機
JPH10223155A (ja) 偏向ヨーク
JP2003051269A (ja) カラー受像管装置