JPH11175022A - ディスプレイのエージング方法およびエージング装置 - Google Patents

ディスプレイのエージング方法およびエージング装置

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JPH11175022A
JPH11175022A JP9346683A JP34668397A JPH11175022A JP H11175022 A JPH11175022 A JP H11175022A JP 9346683 A JP9346683 A JP 9346683A JP 34668397 A JP34668397 A JP 34668397A JP H11175022 A JPH11175022 A JP H11175022A
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Application number
JP9346683A
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English (en)
Inventor
Yuuji Teronai
雄二 手呂内
Yoshihiko Kobayashi
芳彦 小林
Shigeru Takasaki
茂 高崎
Taketo Sekiguchi
武人 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示セル間のI−V特性ばらつきを補正す
る。 【解決手段】 表示陽極ドライバ回路2の出力端子25
はプラズマディスプレイ(PDP)7の表示陽極ライン
にそれぞれ接続されており、陰極ドライバ回路5の出力
端子24はPDP7の陰極ラインにそれぞれ接続されて
いる。信号処理回路6のメモリには、PDP7の表示セ
ルごとに個別に設定されたエージングオン時間を示すセ
ルデータが記憶されている。陰極ドライバ回路5は走査
シフトクロック15および走査パルス16に基づいて陰
極ラインを順次走査する。信号処理回路6は、表示セル
をエージング駆動するか否かを示すエージング制御信号
22を上記のセルデータに基づいて表示セルごとに生成
する。表示陽極定電流回路1および表示陽極ドライバ回
路2は、走査された陰極ラインに属する複数の表示セル
をエージング制御信号22に基づいて選択的にエージン
グ駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の表示セルを
備えたディスプレイのエージング方法およびエージング
装置に関し、特にDC型プラズマディスプレイに好適な
エージング方法およびエージング装置に関するするもの
である。
【0002】
【従来の技術】図15はDC型プラズマディスプレイ
(以下、PDPともまたパネルとも称する)の構造図で
ある。ガラスの背面基板201上には、表示陽極20
2、補助陽極203、表示陽極リード204、および補
助陽極リード205を厚膜印刷により形成されている。
また、表示陽極202と表示陽極リード205の間、お
よび補助陽極203と補助陽極リード205の間には、
抵抗206が設けられている。この抵抗206により放
電電流値を小さく抑え、パネルの長寿命化を図ることが
できる。背面基板201上の表示陽極202および補助
陽極203の部分を除き、誘電体207により絶縁さ
れ、その上に障壁208が印刷されている。この障壁2
08によりセルの放電空間が形成されている。2個の表
示セル209に対し1個の補助セル210があり、補助
セル210内の放電で発生した荷電粒子や準安定粒子は
左右の表示セル209に入って放電開始電圧を下げる。
表示セル209における障壁208の側面および表示陽
極202を除く底面には蛍光体211が塗布されてい
る。前面基板212には、表示陽極202および補助陽
極203と垂直方向に走る陰極213が形成されてい
る。
【0003】上記したPDPをパターン表示駆動(画像
表示駆動)するに先んじて、特定の駆動条件でPDPを
駆動するエージング工程(以下、単にエージングと称す
る)を実施する。エージング工程の目的は、電気的に
は、セルの電気的特性の改善であり、化学的には、電極
等セル表面の洗浄である。エーシング工程は、水銀拡散
工程(以下、単に水銀拡散と称する)の前および後に実
施される。水銀拡散とは、パネル内に存在する水銀が添
加された固形物質に熱を加え水銀を蒸気化し、さらに長
時間パネルを高温に保ち、水銀蒸気をパネル放電空間に
まんべんなく分散させる工程である。水銀が表示セルに
存在すると、寿命の原因である放電ガスによる陰極等の
スパッタリングが緩和され、パネルの寿命が延びる。
【0004】水銀拡散前のエージングは、セル表面を洗
浄する目的が大きく、水銀拡散前にセル表面を洗浄して
おきさえすれば、水銀拡散後初期(水銀拡散後のエージ
ング前)の放電電圧は各セル固有の値になり、水銀拡散
前のエージングの駆動条件に依存しない。また、水銀拡
散後のエージングは、セルの放電電圧の低減する目的が
大きい。
【0005】セルを駆動したときに、セルの陽極−陰極
間に流れる放電電流をセル電流と称し、放電電圧をセル
電圧と称する。なお、PDPにおけるセル電圧(放電電
圧)は、セルの陽極に設けられている抵抗における電圧
降下を含む。また、エージングにおけるセルの駆動をパ
ターン表示駆動と区別してエージング駆動と称する。上
記のエージング駆動は、各セルに一定のセル電流を流す
定電流駆動である。これに対し、一般にパターン表示駆
動は、点灯させる表示セルに一定のセル電圧を印加する
定電圧駆動である。
【0006】エージングは、陰極ラインを単純順次走査
し、PDPの各表示セルおよび各補助セルを順次駆動す
ることにより実施されるので、1個のセルに着目する
と、そのセルにおいては、点灯している期間と点灯して
いない期間が交互に繰り返される。点灯と非点灯の繰り
返しの開始から終了までの時間(期間)をエージング時
間(エージング期間)と称する。また、エージング期間
において1セルの点灯時間の合計をエージングオン時間
と称し、エージング時間に対するエージングオン時間の
割合をオンデューティと称する。ここで、PDPの1陰
極ラインを走査する期間を1ライン走査期間、全陰極ラ
インを走査する期間を1フレーム走査期間とすると、1
個のセルに着目したとき、点灯している期間は1ライン
走査期間に等しく、点灯から次の点灯までの周期が1フ
レーム走査期間に等しい。
【0007】図16は従来のエージング装置の構成を示
すブロック図である。図16に示すエージング装置は、
表示陽極定電流回路101と、表示陽極ドライバ回路2
と、補助陽極定電流回路3と、補助陽極ドライバ回路4
と、陰極ドライバ回路5と信号発生回路106とを有
し、PDP7をエージングする。全表示セルに共通の表
示セル定電流信号111が表示陽極定電流回路101か
ら陽極ドライバ回路103に入力され、全補助セルに共
通の補助セル定電流信号27が補助陽極定電流回路3か
ら補助陽極ドライバ回路4に入力される。表示陽極ドラ
イバ回路2は、PDP7の表示陽極ライン数と同数の表
示陽極出力端子25を有する。それぞれの表示陽極出力
端子25は、対応する表示陽極ラインに個別に接続して
いる。この表示陽極ドライバ回路2は、PDP7の全て
の表示陽極ラインに正電圧を印加する。補助陽極ドライ
バ回路4は、PDP7の補助陽極ライン数と同数の補助
陽極出力端子26を有する。それぞれの補助陽極出力端
子26は、対応する補助陽極ラインに個別に接続してい
る。この補助陽極ドライバ回路4は、全ての補助陽極ラ
インに正電圧を印加する。また、陰極ドライバ回路5
は、PDP7の陰極ライン数と同数の陰極出力端子24
を有する。それぞれの陰極出力端子24は、対応する陰
極ラインに個別に接続している。この陰極ドライバ回路
5は信号発生回路106から入力される走査パルス16
とシフトクロック15とに基づいてPDP7の1本の陰
極ラインを1ライン走査期間ごとに順次選択して接地電
源に接続する(選択されなかった他の陰極ラインはフロ
ーティングとなる)。なお、表示陽極定電流回路101
と補助陽極定電流回路3の内部構成は同じであり、これ
らを単に陽極定電流回路と称する。また、表示陽極ドラ
イバ回路2と補助陽極ドライバ回路4との内部構成は、
駆動対象となる陽極ライン数が異なる(表示陽極ライン
2本に対し補助陽極ラインが1本設けられている)以外
は同じであり、これらを単に陽極ドライバ回路と称す
る。
【0008】図17は図16の陽極定電流回路(101
および3)と陽極ドライバ回路(2および4)の構成を
示す回路図である。陽極定電流回路108は、ダーリン
トン接続されたNPN型トランジスタTr1およびPN
P型トランジスタTr2と、保護抵抗R1およびR2
と、ボリューム用可変抵抗Rvとを有する。可変抵抗R
vは、正電源Vaに接続されている第1の固定ピンと、
電源Va−10(電源Vaよりも10[V]低い)に接
続されている第2の固定ピンと、電流モニタ部およびト
ランジスタTr1のベース電極に接続されている可変ピ
ンとを有する。トランジスタTr1のエミッタ電極は抵
抗R1を介して電源Va−10に接続され、Tr1のコ
レクタ電極は電源Vaに接続されている。トランジスタ
Tr2のベース電極は、トランジスタTr1のエミッタ
電極に接続され、Tr2のエミッタ電極は、抵抗R2を
介して電源Vaに接続され、Tr2のコレクタ電極は電
源Va−5(電源Vaよりも5[V]低い)に接続され
ている。Tr2のエミッタ電極は、定電流信号113
(図16の表示セル定電流信号111または補助セル定
電流信号27)の出力端子となる。
【0009】また、陽極ドライバ回路109は、保護抵
抗R4およびR5と、定電流用トランジスタTr4と、
陽極出力端子110(表示陽極出力端子25または補助
陽極出力端子26)からなるドライバユニットを表示陽
極ライン数あるいは補助陽極ライン数と同数だけ有す
る。トランジスタTr4のベース電極には定電流信号1
13が入力され、Tr4のエミッタ電極は抵抗R4を介
して電源Vaに接続され、Tr4のコレクタ電極は抵抗
R5を介して陽極出力端子110に接続されている。各
陽極出力端子110はPDP7の対応する陽極ライン
(表示陽極ラインまたは補助陽極ライン)に接続してい
る。
【0010】陽極定電流回路108および陽極ドライバ
回路109において、可変抵抗Rvの可変ピンにより、
トランジスタTr1のベース電極が電源Va−10にバ
イアスされているときには、トランジスタTr1,Tr
2,Tr4はオフしており、PDP7の陽極ラインに正
電圧が印加されないのでセル電流は流れない。可変抵抗
Rvの可変ピンを電源Va側に移動し、トランジスタT
r1のベース電位を上げると、トランジスタTr1,T
r2,Tr4がオンし、電源Vaがセルの放電可能電圧
(約300[V])以上であれば、陰極ドライバ回路5
(図16参照)により選択された1本の陰極ラインに接
続するセルに、トランジスタTr4、陽極出力端子11
0、およびPDP7の陽極ラインを介してセル電流が流
れる。さらにトランジスタTr1のベース電位を上げて
いくと、定電流信号113の電流および電圧レベルが上
がっていき、これによりセル電流は徐々に大きくなる。
なお、セル電流の設定値は電流モニタ部に表示される。
【0011】図16および図17の従来のエージング装
置においては、セル電流は30〜100[μA]に設定
される。また、各セルは1フレーム走査期間において1
ライン走査期間ずつエージング駆動される。1ライン走
査期間は500[μs]〜5[ms]に設定される。従
来のエージング装置においては、全セルのエージング時
間、エージングオン時間、およびオンデューティは共通
である。例えば、陰極ライン数が256本の場合には、
オンデューティは1/256となる。オンデューティが
1/256の場合には、エージング時間は3〜5時間に
設定される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】水銀拡散後初期のセル
のセル電流−セル電圧特性(以下、I−V特性と称す
る)は、セル形状と表示陽極に設けられた抵抗の値とに
より決まり、同じパネル内においてもセル間でばらつき
がある。また、水銀拡散後のエージングにより、全ての
セルのI−V特性は、水銀拡散後初期の特性からエージ
ングオン時間に依存してセル電圧を下げる方向にほぼ同
じ量だけシフトする(定電流駆動したときのセル電圧が
一律に下がる)。上記従来のエージングでは、1枚のパ
ネルに含まれる表示セルは、全て同じ条件でエージング
されるので、水銀拡散後のエージングが終了しても、セ
ル間のI−V特性ばらつきは存在する。
【0013】パネル内における表示セルのI−V特性に
大きなばらつきがあると、パターン表示駆動等の定電圧
駆動のときに、セル電流(放電電流)に大きなばらつき
がでてくる。定電圧駆動時のセル電流値が平均値から見
てある範囲内を越えたところに存在すると、誤点灯の要
因になり、また平均値から見てある範囲内に満たないと
ころに存在すると、不灯セルの要因になる。すなわち、
I−V特性(特にセル電流)のばらつきが大きいと、そ
のパネルのパターン表示品質が低下する。
【0014】本発明はこのような従来の課題を解決する
ためになされたものであり、表示セル間のI−V特性
(特にセル電流)ばらつきを補正することができるディ
スプレイのエージング方法およびエージング装置を提供
することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明のディスプレイのエージング方法は、各表示
セルのエージングオン時間を個別に設定する工程と、個
別に設定されたエージングオン時間だけ各表示セルのエ
ージング駆動を実施する工程とを含むことを特徴とする
ものである。
【0016】また、本発明のディスプレイのエージング
装置は、各表示セルのセルデータを記憶する記憶手段
と、前記セルデータに応じた個別のエージングオン時間
だけ各表示セルをエージング駆動するエージング手段と
を有することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1 図1は本発明の実施の形態1のPDPエージング装置の
構成を示すブロック図である。図1のエージング装置
は、表示陽極定電流回路1と、表示陽極ドライバ回路2
と、補助陽極定電流回路3と、補助陽極ドライバ回路4
と、陰極ドライバ回路5と信号処理回路6とを有し、P
DP7をエージングする。また、図2は本発明の実施の
形態1のPDPエージング装置の構成を示す回路図であ
る。なお、図2において、補助陽極定電流回路3および
補助陽極ドライバ回路4の内部構成は従来と同様なの
で、内部構成の図示および説明を省略する。
【0018】PDP7は、表示セル数がm×n(mは正
の整数、nは正の偶数、)個のDC型プラズマディスプ
レイであり、m本の陰極ラインと、n本の表示陽極ライ
ン(表示陽極リード)と、n/2本の補助陽極ライン
(補助陽極リード)とを有する。なお、第i(iは1か
らmまでの任意の整数)の陰極ラインをKLi、第j
(jは1からnまでの任意の整数)の表示陽極ラインを
ALjと表記する。また、陰極ラインKLiと表示陽極
ラインALjとによる表示セルをCE(i,j)と表記
する。ここでは、m=n=256であるものとする。
【0019】信号処理回路6は、基本信号発生回路61
と、アドレス信号発生回路62と、タイマ回路63と、
ラッチ回路64および68と、メモリ65と、比較回路
66と、シフトレジスタ回路67とを有する。基本信号
発生回路61は、アドレス基本信号10と、読み出しイ
ネーブル信号11と、タイマカウント基本信号12と、
シフトクロック13と、ラッチクロック14と、走査シ
フトクロック15と、走査パルス16とを発生させる。
また、アドレス信号発生回路62は、入力されたアドレ
ス基本信号10に基づいてアドレス信号17を発生し、
これをメモリ65に出力する。なお、アドレス基本信号
10はアドレス信号17の基本信号となるものであれば
良く、またタイマカウント基本信号12は、タイマ回路
63により生成される経過時間データ信号18の基本信
号となるものであれば良い。
【0020】タイマ回路63は、基本信号発生回路61
から入力されるタイマカウント基本信号12に基づい
て、エージング開始からの経過時間を示す経過時間デー
タを生成し、経過時間データ信号18を出力する。経過
時間データ信号18の経過時間データは、ここでは、1
ライン走査期間の1/16の周期で更新される。また、
ラッチ回路64は、経過時間データ信号18をラッチク
ロック14の立ち上がりごとにラッチし、ラッチしたデ
ータを経過時間保持データ信号20として出力する。経
過時間保持データ信号20は、ここでは、1ライン走査
期間ごとに更新される。1ライン走査期間は、走査シフ
トクロック15あるいはラッチクロック14の立ち上が
りから次の立ち上がりまでの期間である。
【0021】メモリ65は、セルデータを記憶してお
り、読み出しイネーブル信号11によりデータ読み出し
動作が許可されているときに、アドレス信号17により
指定されたアドレスに記憶されているセルデータをセル
データ信号として出力する。
【0022】セルデータは、各表示セルごとに個別に設
定されたエージングオン時間を示すデータであり、ここ
では8ビットデータであるものとする。この実施の形態
1では、表示セルのエージングは共通のオンデューティ
で実施され、セルデータは各表示セルの個別のエージン
グ時間を示すデータである。ここで、エージングは、陰
極ラインの順次走査により実施されるので、1個の表示
セルに着目すると、その表示セルにおいては、点灯して
いる期間と点灯していない期間が交互に繰り返される。
エージング時間(期間)とは、点灯、非点灯の繰り返し
の開始から終了までの時間(期間)を示す。また、エー
ジングオン時間とは、エージング期間において、1表示
セルの点灯時間の合計を示し、オンデューティとは、エ
ージング時間に対するエージングオン時間の割合を示
す。この実施の形態1のエージング装置においては、エ
ージング期間の開始はPDP7のエージング開始に一致
するが、エージング期間の終了はセルデータに応じて表
示セルごとに異なる。
【0023】メモリ65からは、1ライン走査期間に、
1本の陰極ラインに属する256個の表示セルのセルデ
ータが読み出される。すなわち、陰極ラインKL(i−
1)の走査期間に、陰極ラインKLiに接続する256
個の表示セルCE(i,1)〜CE(i,256)のセ
ルデータをメモリ65から読み出す。メモリ65からの
セルデータの読み出し形態は任意であるが、ここでは、
メモリ65の1アドレス期間を1ライン走査期間の1/
16とし、1アドレス期間に16個の表示セルのセルデ
ータを同時に(パラレルに)読み出し、また16アドレ
ス期間に16個のセルデータを順次(シリアル)読み出
すことにより、1ライン走査期間に上記256個の表示
セルのセルデータを読み出すものとする。
【0024】従って、メモリ65は、ここでは8ビット
のバスを16本備えており、1アドレスに16×8ビッ
トのデータ(16個のセルデータ)を記憶しており、こ
の16個のセルデータを上記16本のバスにそれぞれ1
6本のセルデータ信号19−1〜19−16として出力
するものとする。また、PDP7の表示陽極ラインAL
1〜AL256を16個の表示陽極ライン群に分割し、
同じ陰極ラインに属し、かつ同じ表示陽極ライン群に属
する16個の表示セルのセルデータがメモリ65の1ア
ドレスに記憶されるものとする。上記16個の表示陽極
ライン群を、ALG1,ALG2…ALG16と表記す
る。ここでは、表示陽極ラインAL1〜AL16により
表示陽極ライン群ALG1を構成し、AL17〜AL3
2によりALG2を構成し、以下同様にALG3〜AL
G15を構成し、AL241〜AL256によりALG
16を構成するものとする。
【0025】比較回路66は、経過時間保持データ信号
20の経過時間保持データと、セルデータ信号19−k
(kは1〜16までの任意の整数)の大小を比較し、経
過時間保持データがセルデータ以下であるときオン、経
過時間保持データがセルデータよりも大きいときオフと
なる1ビットの比較結果データを生成し、比較結果デー
タ信号21−kとして出力する。比較結果データは、1
ライン走査期間の1/16の期間ごとにセルデータ信号
19−1〜19−16の16個のセルデータにそれぞれ
対応して16個ずつ生成され、それぞれ16本の比較結
果データ信号21−1〜21−16として出力される。
また、比較結果データ信号21−kは、1走査ライン期
間に16個の表示セルにそれぞれ対応する16個の比較
結果データを含む。
【0026】シフトレジスタ回路67は、比較結果デー
タ信号21−1〜21−16がそれぞれ入力され、シフ
トクロック13が共通に入力される16個のシフトレジ
スタを有する。シフトレジスタは、16個のビットレジ
スタからなる16段のシフトレジスタであり、比較結果
データ信号21−kの比較結果データをシフトクロック
13の立ち上がりで順次シフトする。シフトクロック1
3は1ライン走査期間の1/16周期のクロックであ
る。このシフトレジスタ回路67は、比較結果データ信
号21−1〜21−16に1ライン走査期間に含まれる
256個の比較結果データをパラレルデータに変換し、
この256個の比較結果データを上記16個のシフトレ
ジスタの256個のビットレジスタの出力端子からラッ
チ回路68に出力する。また、ラッチ回路68は、これ
から走査される陰極ラインに属しかつ全表示陽極ライン
に属する256個の表示セルに対応する256個の比較
結果データをラッチクロック14によりラッチし、ラッ
チしたデータを上記256個の表示セルのエージング制
御信号22−1〜22−256として表示陽極定電流回
路1に出力する。
【0027】表示陽極定電流回路1は、ボリューム用可
変抵抗Rvと、PDP7の表示陽極ライン数nと同数の
表示陽極定電流ユニットとを有する。可変抵抗Rvは、
正電源Vaに接続されている第1の固定ピンと、電源V
a−10(電源Vaよりも10[V]低い)に接続され
ている第2の固定ピンと、電流モニタ部および全ての定
電流ユニットに接続されている可変ピンとを有し、信号
処理回路1から入力されたエージング制御信号22−1
〜22−256と、可変抵抗Rvの可変ピンの設定とに
基づいて、定電流信号23−1〜23−256を生成
し、これを表示陽極ドライバ回路2に出力する。
【0028】それぞれの表示陽極定電流ユニットは、N
PN型バイポーラトランジスタTr1と、PNP型バイ
ポーラトランジスタTr2と、Pチャネル電界効果トラ
ンジスタTr3と、保護抵抗R1,R2とにより構成さ
れ、入力されたエージング制御信号22−jと可変抵抗
Rvの可変ピンの設定とに基づいて定電流信号23−j
を生成する。トランジスタTr1のベース電極は可変抵
抗Rvの可変ピンに接続され、エミッタ電極は抵抗R1
を介して電源Va−10に接続され、コレクタ電極は電
源Vaに接続されている。トランジスタTr2のベース
電極はトランジスタTr1のエミッタ電極に接続され、
Tr2のエミッタ電極は抵抗R2を介して電源Vaに接
続され、Tr2のコレクタ電極は電源Va−5に接続さ
れている。トランジスタTr2のエミッタ電極は定電流
信号23−jの出力端子となる。トランジスタTr3の
ゲート電極には、信号処理回路6からエージング制御信
号22−jが入力され、Tr3のソース電極は電源Va
に接続され、ドレイン電極はトランジスタTr1のエミ
ッタ電極およびトランジスタTr2のベース電極に接続
されている。
【0029】表示陽極ドライバ回路2は、従来と同様
に、PDP7の表示陽極ライン数nと同数の表示陽極ド
ライバユニットを有する。それぞれの表示陽極ドライバ
ユニットは、電流制限抵抗R4およびR5と、トランジ
スタTr4と、表示陽極出力端子25−jとにより構成
される。トランジスタTr4のベース電極には、表示陽
極定電流回路1の対応する定電流ユニットから定電流信
号23−jが入力され、Tr4のエミッタ電極は抵抗R
4を介して電源Vaに接続され、またコレクタ電極は抵
抗R5を介して表示陽極出力端子25−jに接続されて
いる。表示陽極出力端子25−jは、PDP7の対応す
る表示陽極ラインに接続されている。
【0030】陰極ドライバ回路5は、従来と同じ構成で
あり、PDP7の陰極ライン数mと同じ段数のシフトレ
ジスタ51と、陰極ライン数mと同数の陰極ドライバユ
ニットとを有する。それぞれの陰極ドライバユニット
は、Pチャネル電界効果トランジスタTr5と、陰極出
力端子24−iとにより構成される。シフトレジスタ5
1は、信号処理回路6から走査シフトクロック15が入
力されるクロック入力端子と、信号処理回路6から走査
パルス16が入力されるデータ入力端子と、PDP7の
陰極ライン数と同数のビットレジスタと、PDP7の陰
極ライン数と同数の出力端子(それぞれのビットレジス
タの出力端子)とを有し、走査パルス16を走査シフト
クロック15の立ち上がりごとに順次シフトする。ま
た、トランジスタTr5は、陰極走査スイッチング用の
トランジスタであり、Tr5のゲート電極はシフトレジ
スタ51の対応する出力端子に接続され、ドレイン電極
は陰極出力端子24−iに接続され、またソース電極は
接地電源に接続されている。陰極出力端子24−iは、
PDP7の対応する陰極ラインに接続されている。
【0031】なお、信号処理回路6のメモリ65は、各
表示セルのセルデータを記憶する記憶手段を構成してい
る。また、メモリ65を除く信号処理回路6と、表示陽
極定電流回路1と、表示陽極ドライバ回路2と、陰極ド
ライバ回路5とは、セルデータに応じた個別のエージン
グ時間が経過するまで共通のオンデューティで各表示セ
ルをエージング駆動するエージング手段を構成してい
る。また、信号処理回路6のタイマ回路63は、エージ
ング開始からの経過時間を示す経過時間データを生成す
るタイマ手段を構成しており、比較回路66とシフトレ
ジスタ回路67とラッチ回路68とは、セルデータと経
過時間データとを比較することにより、個別に設定され
ているエージング時間を経過したか否かを判定し、この
判定結果に基づいてエージング駆動するかしないかを表
示セルごとに示すエージング制御信号を生成する制御手
段を構成している。また、表示陽極定電流回路1と表示
陽極ドライバ回路2は、エージング制御信号に基づいて
各表示セルを個別にエージング駆動する駆動手段を構成
している。
【0032】次に図1のPDPエージング装置の動作を
説明する。図3は実施の形態1のPDPエージング装置
の駆動タイミングチャートである。図3には、アドレス
信号17−1,17−2(17−1はアドレス信号17
の上位ビットデータ、17−2は17の下位ビットデー
タである)と、読み出しイネーブル信号11と、セルデ
ータ信号19−1〜19−16(19−3〜19−15
は図示省略)と、経過時間データ信号18と、経過時間
保持データ信号20と、ラッチクロック14と、シフト
クロック13と、比較結果データ信号21−1〜21−
16(21−3〜21−15は図示省略)と、エージン
グ制御信号22−1〜22−256(22−3〜22−
255は図示省略)と、走査シフトクロック15と、走
査パルス16と、陰極出力端子24−1〜24−256
(24−2〜24−255は図示省略)電圧の各タイミ
ングチャートを示してある。
【0033】アドレス信号17−1は、陰極ラインKL
iに属する256個の表示セルCE(i,1)〜(i,
256)のセルデータのアドレスを指定する8ビットの
信号である。図3のアドレス信号17−1に表記してあ
るKL1等は、そのとき指定されている陰極ラインを示
している。また、アドレス信号17−2は、アドレス信
号17−1の下位ビットデータとなり、上記256個の
表示セルCE(i,1)〜(i,256)の内、表示陽
極ライン群ALGkに属する16個の表示セルのセルデ
ータのアドレスを指定する4ビットの信号である。図3
のアドレス信号17−2に表記してある番号は、そのと
き指定されている表示陽極ライン群の番号を示している
(例えば、「1」は表示陽極ライン群ALG1を示して
いる)。また、読み出しイネーブル信号11は、メモリ
65のデータ出力動作の許可/禁止を決める信号であ
り、図3ではエージング装置が動作している間、常にデ
ータ出力動作の許可を示す”H”レベルとなる信号であ
る。
【0034】メモリ65は、合計12ビットのアドレス
信号17により指定された陰極ラインおよび陽極ライン
群に属する16個の表示セルのセルデータを、それぞれ
セルデータ信号19−1〜19−16として同時に出力
する。図3のセルデータ信号19−1〜19−16に表
記してある番号は、そのデータに対応する表示セルが属
する表示陽極ラインの番号を示している(例えば「25
6」は表示陽極ラインAL256を示している)。
【0035】タイマ回路63は、タイマカウント基本信
号12をカウントアップすることにより、8ビットの経
過時間データを生成し(経過時間データのビット数はセ
ルデータのビット数と等しくする)、この経過時間デー
タを経過時間データ信号18として出力する。経過時間
データ信号18は1ライン走査期間の1/16の期間ご
とに更新される。また、ラッチ回路64は、経過時間デ
ータ信号18のデータをラッチクロック14の立ち上が
りでラッチすることにより、8ビットの経過時間保持デ
ータを生成し、この経過時間保持データを経過時間保持
データ信号20として出力する。経過時間保持データ信
号20は、ラッチクロック14の立ち上がりから次の立
ち上がりまでの期間、すなわち1ライン走査期間ごとに
更新される。
【0036】比較回路66は、経過時間保持データ信号
20のタイム保持データと、セルデータ信号19−k
(kは1から16までの任意の整数)のセルデータの大
小を比較し、経過時間保持データがセルデータ以下であ
るときオン、経過時間保持データがセルデータよりも大
きいときオフとなる1ビットの比較結果データを生成
し、比較結果データ信号21−1〜21−16として出
力する。すなわち比較回路66は、個別に設定された表
示セルのエージングオン時間を示すセルデータと、経過
時間データとを比較することにより、エージングオン時
間が経過したか否かを判定し、エージングオン時間が経
過していない場合にはオン、経過している場合にはオフ
となる1ビットの比較結果データを生成する。オンの比
較結果データは、対応する表示セルのエージング(エー
ジング駆動のオン/オフの繰り返し)を継続することを
示す、またオフの比較結果データは、対応する表示セル
のエージング(エージング駆動のオン/オフの繰り返
し)を終了するあるいは実施しないことを示す。図3の
比較結果データ信号21−1〜21−16に表記してあ
る番号は、そのデータに対応する表示セルが属する表示
陽極ラインの番号を示している(例えば「256」は表
示陽極ラインAL256を示している)。比較結果デー
タ信号21−1〜21−16は、1ライン走査期間の1
/16の期間ごとに更新される。
【0037】シフトレジスタ回路67は、16個の各シ
フトレジスタにおいて比較結果データ信号21−1〜2
1−16の比較結果データをシフトクロック13の立ち
上がりで順次シフトすることにより、表示セルCE
(i,1)〜CE(i,256)にそれぞれ対応する2
56個の比較結果データを1ライン走査期間においてパ
ラレルデータに変換し、これをラッチ回路68に出力す
る。
【0038】ラッチ回路68は、上記256個の比較結
果データをラッチクロック14の立ち上がりでラッチ
し、ラッチしたデータを表示セルCE(i,1)〜CE
(i,256)のエージング制御信号22−1〜22−
256を出力する。エージング制御信号2−jは、表示
陽極定電流回路1のj番目の表示陽極定電流ユニットに
入力される。図3のエージング制御信号22−1〜22
−256に表記してある番号は、その信号期間に対応す
る表示セルの番号を示している(例えば「(256,
1)」は陰極ラインKL256に属する表示セルCE
(256,1)を示し、また「(1,1)」は陰極ライ
ンKL1に属する表示セルCE(1,1)を示してい
る)。エージング制御信号22−1〜22−256のレ
ベルは1ライン走査期間ごとに更新される。ここでは、
対応する比較結果データがオンの場合には、エージング
制御信号は”H”レベル(電源Vaレベル)となり、ま
た対応する比較結果データがオフの場合には、エージン
グ制御信号は”L”レベルとなるものとする。
【0039】エージング制御信号22−jが”H”レベ
ルの場合には、表示陽極定電流回路1のj番目の定電流
ユニットにおいて、トランジスタTr3はオフのままで
あり、トランジスタTr1およびTr2には、可変抵抗
Rvの設定に応じたエミッタ−コレクタ間電流が流れ、
トランジスタTr2のエミッタ−コレクタ間電流に応じ
た定電流信号23−jが表示陽極ドライバ回路2のj番
目の表示陽極ドライバユニットに出力される。表示陽極
ドライバ回路2のj番目のドライバユニットにおいて、
トランジスタTr4には、定電流信号23−jに応じた
エミッタコレクタ間電流が流れる。この電流は、抵抗R
4および表示陽極出力端子25−jを介して表示陽極ラ
インALjに供給され、表示セルCE(i,j)の放電
電流となる。すなわち、エージング制御信号22−j
が”H”レベルの場合には、表示セルCE(i,j)
は、対応する陰極ラインKLiが陰極ドライバ回路5に
より選択される1ライン走査期間においてエージング駆
動される。
【0040】一方、エージング制御信号22−jが”
L”レベルの場合には、表示陽極定電流回路1のj番目
の定電流ユニットにおいて、トランジスタTr3がオン
し、これによりトランジスタTr2のベース電極は電源
VaレベルとなりTr2はオフするので、定電流信号2
3−jは電源Vaレベルとなる。定電流信号23−jが
電源Vaレベルなので、表示陽極ドライバ回路2のj番
目のドライバユニットのトランジスタTr4はオフし、
これにより表示陽極ラインALjはフローティングとな
り、表示セルCE(i,j)には放電電流が流れない。
すなわち、エージング制御信号22−jが”L”レベル
の場合には、表示セルCE(i,j)は、対応する陰極
ラインKLiが陰極ドライバ回路5により選択されても
エージング駆動されない。
【0041】陰極ドライバ回路5の動作は、従来と同じ
であり、走査シフトクロック15の立ち上がりに同期し
て走査パルス16がシフトレジスタ51の256個のビ
ットレジスタを順次シフトする。1ライン走査期間(=
走査シフトクロック15の立ち上がりから次の立ち上が
りまでの期間)において、走査パルス16を保持したビ
ットレジスタの出力のみが正電位となり、このビットレ
ジスタに対応するトランジスタTr5がオンし、このT
r5に対応する1個の陰極出力端子24が接地電位(G
ND)となる。また、走査パルス16を保持していない
他のビットレジスタの出力は全て接地電位となり、これ
らのビットレジスタに対応する255個のトランジスタ
Tr5は全てオフしたままとなり、これらのTr5に対
応する255個の陰極出力端子24はハイインピーダン
スとなる。すなわち、1ライン走査期間ごとに陰極出力
端子24−1〜24−256が択一的に順次接地電位と
なり、接地電位となった陰極出力端子24に接続する陰
極ラインが選択される。陰極ラインKLiは、陰極出力
端子24−iが接地電位になったときに選択され、陰極
ラインKLiに属する表示セルCE(i,1)〜CE
(i,256)の内、エージングを開始してからの経過
時間がセルデータに示される設定エージング時間に達し
ていない表示セルのみが選択的にエージング駆動され
る。
【0042】ここで、水銀拡散後初期の表示セルの電気
的特性と水銀拡散後のエージングによる表示セルの電気
特性変化について説明する。なお、以下の説明におい
て、「セル電流」は、表示セルを駆動したときに表示セ
ルの表示陽極−陰極間に流れる放電電流を示し、「セル
電圧」は、表示セルを駆動したときの放電電圧を示すも
のとする。また、「エージング」は、水銀拡散後のエージ
ングを示すものとする。表示セルの陰極は陰極ラインに
接続されており、表示陽極は抵抗を介して表示陽極ライ
ンに接続されている。陰極ラインKLiは陰極ドライバ
回路5の陰極出力端子24−iに接続されており、陽極
ラインALjは表示陽極ドライバ回路2の対応する表示
陽極出力端子25−jに接続されている。セル電圧は上
記の抵抗における電圧降下を含むものであり、また陰極
ラインKLiが走査されると陰極は接地電位となる。従
って表示セルCE(i,j)のセル電圧を実測するに
は、表示陽極出力端子25−iの電位を測定すれば良
い。また、表示セルCE(i,j)のセル電流を実測す
るには、表示陽極出力端子25−jに流れる電流を測定
すれば良い。
【0043】図4は水銀拡散後初期(エージング前)の
パネルを定電流駆動したときの任意の1表示陽極ライン
に含まれる全表示セルのセル電圧を走査順にプロットし
た図である。図4には、セル電流を30[μA]に設定
した場合と50[μA]に設定した場合を示してある。
また、陰極ライン数256本(内、ダミー陰極ライン3
本)のパネルを用いた。セル電圧の測定対象となる表示
セル数は256個である。図4には256個の表示セル
をセル番号1〜256により示してある。
【0044】表示セルのセル電流−セル電圧特性(I−
V特性)は、セル電流Iと、セル電圧Vと、セル電流I
の関数z(I)と、セル電流I以外の関数v0とを用
い、V=z(I)+v0と表すことができる。I−V特
性の傾きであるz(I)の微分をセルピーダンスと称
し、セル電流I=0のときのセル電圧であるv0をセル
電圧切片(セルV切片)と称する。図5は図4に示した
表示セルのセルインピーダンスを走査順にプロットした
図である。また、図6は図4に示した表示セルのV切片
を走査順にプロットした図である。図5のセルインピー
ダンスおよび図6のセルV切片は、図4を用いて1次近
似により求めたものである。すなわち、図4の任意の番
号の表示セルにおける2個の実測値(セル電流30[μ
A]および50[μA]に対するセル電圧)を用いてI
−V特性の1次近似特性V=Z×I+V0(Z,V0は
定数)を求め、この1次近似特性の傾きZをセルピーダ
ンスとし、またセル電流I=0のときのセル電圧である
V0をセルV切片とした。
【0045】図7は図4に示した表示セルを定電圧駆動
するときのセル電流を走査順にプロットした図である。
セル電圧は、例えばパターン表示駆動時の平均的な電圧
値に設定する。図7では、セル電圧値を248[V]と
した。また図7では、セル電流値を計算により求めた。
すなわち、I−V特性の1次近似特性I=(V−V0)
/Zを用い、セル電圧Vを上記の248[V]とし、セ
ルインピーダンスZを図5の値とし、またセルV切片V
0を図6の値とすることにより、セル電流Iを計算し
た。また、図8は図7のセル電流の度数分布図である。
図8において、セル電流値が25〜30[μA]の表示
セルは1個、30〜35[μA]のセルは12個、35
〜40[μA]の表示セルは118個、40〜45[μ
A]の表示セルは121個、45〜50[μA]の表示
セルは1個である。
【0046】水銀拡散後初期のパネルにおいては、図5
および図6に示すように表示セルのI−V特性(セルV
切片およびセルインピーダンス)にばらつきがあり、従
って定電圧駆動時のセル電流には図7および図8に示す
ようなばらつきがある。パネルのパターン表示駆動は、
通常、点灯させる表示セルに一定のセル電圧(書き込み
電圧)を印加する定電圧駆動なので、パターン表示駆動
時のセル電流には図7および図8に示すようなばらつき
がある。
【0047】次に水銀拡散後初期のパネルに対しエージ
ングを実施すると、セルインピーダンスは特に変化しな
いが、セルV切片がエージングオン時間とともに下が
る。セルV切片の減少量は、主にエージングオン時間に
より決まり、表示セルごとにばらつくものではない。な
お、エージングにおいては、スパッタ物の付着による前
面板の透過率低下により、表示セルの輝度がエージング
時間とともに下がるが、輝度の変化率は小さく表示品質
にもさほど影響しない。
【0048】図9は任意の表示セルにおけるエージング
時間に対するセルV切片の降下特性を示す図である。図
9には、複数のPDPから抽出した複数の表示セルにお
ける平均値を示してある。また、セル電流を100[μ
A]に設定した場合と200[μA]に設定した場合に
ついて示してある。また、エージングのオンデューティ
は1/256である(従ってエージングオン時間はエー
シング時間の1/256となる)。また、セルV切片の
変化は、水銀の水銀拡散後初期(=エージング時間0
分)のセルV切片を基準(0[V])として示してあ
る。
【0049】図4ないし図7に示すように、水銀拡散後
初期のパネルにおける表示セルのI−V特性(セルV切
片およびセルインイーダンス)にはばらつきがある。エ
ージングを実施すると、全ての表示セルのセルV切片は
小さくなり、またセルインピーダンスはエージング前後
でほとんど変化しない。エージングにより表示セルのセ
ルV切片の減少量はエージングオン時間のみに依存して
決まり、エージング前(水銀拡散初期)のセルV切片の
値等には依存しない。従って、全ての表示セルを同じ時
間だけエージング駆動した場合には、全ての表示セルの
セルV切片の減少変化量は同じになる。すなわち、従来
のように全ての表示セルのエージングオン時間を同じに
したエージングを実施した場合には、全ての表示セルの
セルV切片は一定量だけ小さくなり、セルインピーダン
スは変化しないので、I−V特性はセルV切片軸の方向
に一定量だけシフトし、これにより定電圧駆動時の全て
の表示セルのセル電流は大きくなるが、表示セル間にお
けるセル電流のばらつきは依然として存在する。以上の
ことから、定電圧駆動時のセル電流のばらつきを抑える
には、エージング前のパネルにおいて、表示セルごとに
I−V特性(具体的には1次近似特性で良い)を実測に
より求め、定電流駆動時のセル電流を基準電流まで増加
させるために必要なセルV切片の減少量を上記のI−V
特性に基づいて求め、このセルV切片の必要減少量を図
9のエージング時間に対するセルV切片の変化特性によ
りエージング時間に換算し、それぞれの表示セルをセル
V切片の必要減少量に応じたエージング時間でエージン
グしてやれば良い。
【0050】本発明のエージング方法は、従来のように
全表示セルを同じエージングオン時間でエーシング駆動
するのではなく、各表示セルのエージングオン時間を個
別に設定し、設定されたエージングオン時間だけ各表示
セルをエージング駆動することにより、表示セルのI−
V特性を個別に調整し、表示セルのI−V特性のばらつ
きに起因するセル電流のばらつきを補正できるようにし
たことを特徴とするものであり、この実施の形態1のエ
ージング方法は、各表示セルのエージング時間を個別に
設定し、各表示セルを設定されたエージング時間が経過
するまで共通のオンデューティ(陰極ラインが256本
の場合は1/256)でエージングすることを特徴とす
るものである。
【0051】以下に、表示セルの個別エージング時間の
設定手順について説明する。まず、図4ないし図7にお
いて説明したように、それぞれの表示セルのI−V特性
上の2点を実測により求め、この2点からI−V特性の
1次近似特性を計算し、図5のセルインピーダンスと、
図6のセルV切片と、図7の所定駆動電圧による定電圧
駆動時のセル電流とを求める。このとき、セルV切片お
よびセル電流を実測により求めても良い。
【0052】次に基準電流を設定する。基準電流は図7
のセル電流値あるいはそのばらつき度合いを参照して設
定しても良いし、予め設定しておいても良い。ここで
は、図8に示すセル電流度数分布を用い、最も度数の多
いセル電流範囲40〜45[μA]を基準電流(例えば
電流範囲の平均値)として設定する。ただし、エージン
グにより定電圧駆動時のセル電流を増加させることはで
きるが減少させることはできないので、基準電流に満た
ないセル電流の表示セルがエージングによるセル電流増
加補正の対象となり、基準電流を越えるセル電流の表示
セルはエージングによりセル電流補正の対象外となる。
従って、度数だけでなく、補正の対象外となる表示セル
の個数およびそのセル電流をも考慮して基準電流を設定
する必要がある。図8では、セル電流25〜30[μ
A]の表示セル1個、30〜35[μA]の表示セル1
2個、35〜40[μA]の表示セル118個、がセル
電流補正の対象となり、45〜50[μA]の表示セル
1個は対象外となる。
【0053】次に補正対象表示セルのエージング時間を
図5ないし図7のI−V特性の1次近似特性と図9のセ
ルV切片の降下特性とに基づいて設定する。補正対象表
示セルのセル電流が基準電流に達するように、補正対象
表示セルのセル電流と基準電流との差分に対応するセル
V切片の減少量を上記1次近似特性に基づいて計算し、
このセルV切片の減少量に対応するエージング時間をセ
ルV切片の降下特性から求める。セル電流の小さい表示
セルほど、設定エージング時間が長くなる。また、セル
電流が基準電流以上の表示セルは設定エージング時間を
0とする(エージングしない)。図8ではセル電流40
[μA]以下の表示セルのエージング時間が個別に設定
され、セル電流40[μA]以上の表示セルのエージン
グ時間は0に設定される。
【0054】図10は図4ないし図7の表示セルの設定
エージング時間を走査順にプロットした図である。図1
0には、設定セル電流が100[μA]の場合と200
[μA]の場合について示してある。設定エージング時
間が0分である表示セルはエージングを実施しない表示
セルである。なお、図10には設定エージング時間が1
000分以上となる表示セルはプロットされていない
が、図4ないし図8で用いたパネルには、セル電流20
0[μA]で1000分間エージング(1000/25
6分間エージング駆動)しても、定電圧駆動時(設定セ
ル電圧248[V]時)のセル電流が基準電流に達しな
い表示セルが実際には1個ある。このような特に長い時
間(ここでは1000分間以上)のエーシングを必要と
するセルが複数セルある場合には、普通は不良パネルと
して処理する。なお、長い時間のエージングを必要とす
るセルが1〜3個程度の場合、信号処理方法で補正する
場合もある。
【0055】以上のようにして表示セルごとに個別にエ
ージング時間が設定される。このあと、設定したエージ
ング時間をセルデータとして、実施の形態1のエージン
グ装置のメモリ65(図2参照)に書き込み、エージン
グを実施する。
【0056】このように本発明の実施の形態1によれ
ば、パネルの各表示セルを個別のエージング時間だけエ
ージングし、表示セルのI−V特性を個別に調整できる
ようにしたことにより、定電圧駆動時のセル電流の表示
セル間ばらつきを補正することができるので、不灯セル
および誤点灯セルのない良好なパターン表示が可能とな
る。
【0057】実施の形態2 本発明の実施の形態2のPDPエージング装置は、表示
陽極定電流回路1と、補助陽極定電流回路2と、表示陽
極ドライバ回路3と、補助陽極ドライバ回路4と、陰極
ドライバ回路5と、信号処理回路8とを有する。すなわ
ち、上記実施の形態1のPDPエージング装置におい
て、信号処理回路6を信号処理回路8としたものであ
る。図11は本発明の実施の形態2のPDPエージング
装置の構成を示す回路図である。なお、図11におい
て、図2と同じものには同じ符号を付してある。
【0058】信号処理回路8は、基本信号発生回路81
と、アドレス信号発生回路82と、メモリ83と、パル
ス幅変調回路84とを有する。基本信号発生回路81
は、アドレス基本信号30と、読み出しイネーブル信号
11と、パルス基本クロック32と、走査シフトクロッ
ク15と、走査パルス16とを発生させる。また、アド
レス信号発生回路82は、入力されたアドレス基本信号
30に基づいてアドレス信号35を発生し、これをメモ
リ83に出力する。なお、アドレス基本信号30はアド
レス信号35の基本信号となるものであれば良い。
【0059】メモリ83は、セルデータを記憶してお
り、読み出しイネーブル信号11によりデータ読み出し
動作が許可されているときに、アドレス信号35により
指定されたアドレスに記憶されているセルデータをセル
データ信号として出力する。
【0060】セルデータは、各表示セルごとに個別に設
定されたエージングオン時間を示すデータであり、ここ
では8ビットデータであるものとする。この実施の形態
2では、表示セルのエージングは共通のエージング時間
で実施され、セルデータは各表示セルの個別のオンデュ
ーティを示すデータである。この実施の形態2のエージ
ング装置においては、PDP7の各表示セルのオンデュ
ーティは、1/256以下の値に個別に設定される。
【0061】メモリ83からのセルデータの読み出し形
態は任意であるが、ここでは、メモリ83の1アドレス
期間を1ライン走査期間とし、1ライン走査期間に上記
256個の表示セルのエージング時間データを1アドレ
ス期間に256個の表示セルのセルデータを同時に読み
出すものとする。従って、メモリ83は、ここでは8ビ
ットのバスを256本備えており、1アドレスに256
×8ビットのデータ(256個のセルデータ)を記憶し
ており、この256個のセルデータを上記256本のバ
スにそれぞれ256本のセルデータ信号36−1〜36
−256として出力するものとする。また、同じ陰極ラ
インに属する256個の表示セルのセルデータがメモリ
83の1アドレスに記憶されるものとする。
【0062】パルス幅変調回路84は、パルス基本クロ
ック32の立ち上がり(あるいは立ち下がり)回数を数
えるカウンタ回路、セルデータを保持するラッチ回路等
を備え、セルデータ信号36−1〜36−256の25
6個のセルデータにそれぞれ応じた幅に変調された25
6個のパルスを生成し、この256個の幅変調されたパ
ルスをそれぞれエージング制御信号37−137〜37
−256として表示陽極定電流回路1に出力する。エー
ジング制御信号のパルス幅は、対応する表示セルのオン
デューティを示し、幅が広いほどオンデューティは大き
くなる。セルデータは8ビットデータであるので、パル
ス幅を256段階(0を含む)に変調することが可能で
あり、これにより表示セルのオンデューティを256段
階に設定することができる。セルデータの最小値をパル
ス幅0に対応させ、セルデータの最大値を1ライン走査
期間(1フレーム走査期間の1/256の期間)のパル
ス幅に対応させると、幅変調の分解能は1ライン走査期
間の1/255となる。オンデューティの最小値は0、
最大値は1/256となる。このとき、パルス幅変調基
本クロック32の周期は、1ライン走査期間の1/25
6以下であれば良い。
【0063】なお、信号処理回路8のメモリ83は、各
表示セルのセルデータを記憶する記憶手段を構成してい
る。また、メモリ83を除く信号処理回路8と、表示陽
極定電流回路1と、表示陽極ドライバ回路2と、陰極ド
ライバ回路5とは、セルデータに応じた個別のオンデュ
ーティで共通のエージング時間が経過するまで各表示セ
ルをエージング駆動するエージング手段を構成してい
る。また、信号処理回路6のパルス幅変調回路84は、
セルデータに基づいて、単位期間(1ライン走査期間)
においてエージング駆動する期間とエージング駆動しな
い期間を表示セルごとに示すエージング制御信号を生成
する制御手段を構成している。
【0064】次に実施の形態2のエージング装置の動作
を説明する。図12は実施の形態2のPDPエージング
装置の駆動タイミングチャートである。図12には、ア
ドレス信号35と、読み出しイネーブル信号11と、セ
ルデータ信号36−1〜36−256(36−3〜36
−255は図示省略)と、パルス基本クロック32と、
エージング制御信号37−1〜37−256(37−3
〜37−255は図示省略)と、走査シフトクロック1
5と、走査パルス16と、陰極出力端子24−1〜24
−256(24−2〜24−255は図示省略)電圧の
各タイミングチャートを示してある。
【0065】アドレス信号35は、陰極ラインKLiに
属する256個の表示セルCE(i,1)〜(i,25
6)のセルデータのアドレスを指定する8ビットの信号
である。図12のアドレス信号35に表記してあるKL
1等は、そのとき指定されている陰極ラインを示してい
る。なお、陰極ラインの本数がm本の場合のアドレス信
号のビット数をqとすると、2q =mとなるようにビッ
ト数qを決定する。
【0066】メモリ83は、アドレス信号35により指
定されたアドレスに記憶されている(アドレス信号35
により指定された陰極ラインに属する)256個の表示
セルのセルデータ(8ビットデータ)を、それぞれセル
データ信号36−1〜36−256として同時にパルス
幅変調回路84に出力する。図3のセルデータ36−1
〜36−256に表記してあるAL1等は、そのデータ
に対応する表示セルが属する表示陽極ラインを示してい
る。陰極ラインKLiに属する256個の表示セルのセ
ルデータをパルス幅変調回路84に出力する処理は、陰
極ラインKL(i−1)の走査期間に実施される。
【0067】パルス幅変調回路84は、セルデータ信号
36−jのセルデータに応じて、最小幅を0、最大幅を
1ライン走査期間とする256段階の幅のいずれかに幅
変調されたパルス(WMP)を生成し、この幅変調され
たパルスをエージング制御信号37−jとして表示陽極
定電流回路1の対応する定電流ユニットに出力する。図
12のエージング制御信号37−1〜37−256に表
記してある番号は、その信号期間に対応する表示セルの
番号を示している(例えば「(256,1)」は表示セ
ルCE(256,1)を示し、また「(1,1)」は表
示セルCE(1,1)を示している)。エージング制御
信号37−1〜37−256は1ライン走査期間ごとに
更新される。なお、エージング制御信号37−1〜37
−256の1ライン走査期間において、幅変調されたパ
ルスが位置する期間(エージング制御信号が”H”レベ
ルとなる期間)は任意に設定できる。通常は、幅変調さ
れたパルスの立ち上がりを1ライン走査期間の開始時に
それえるが、パルスの立ち下がりを1ライン走査期間の
終了時にそろえても良いし、1走査期間の中間点とパル
ス中間点とをそろえるようにしても良い。
【0068】表示陽極定電流回路1、表示陽極ドライバ
回路2、補助陽極定電流回路3、補助陽極ドライバ回路
4、および陰極ドライバ回路5は上記実施の形態1と同
じである。陰極ドライバ回路5により陰極ラインKLi
が選択される1ライン走査期間において、エージング制
御信号37−jが幅変調されたパルスにより”H”レベ
ルとなる期間だけ表示陽極定電流回路1および表示陽極
ドライバ回路2により表示セルCE(i,j)にセル電
流が供給され、上記の1ライン走査期間においてエージ
ング制御信号37−jが”H”レベルとなる期間だけ表
示セルCE(i,j)がエージング駆動される。
【0069】図13は任意の表示セルにおけるエージン
グオンデューティ(エージング制御信号のパルス幅)に
対するセルV切片の降下特性を示す図である。図13に
は、複数のPDPから抽出した複数の表示セルにおける
平均値を示してある。また、セル電流を100[μA]
に設定した場合と200[μA]に設定した場合につい
て示してある。また、エージング時間は1000分間で
ある。また、256段階のオンデューティを0〜255
レベルとして示してある。r(rは0から255までの
任意の整数)レベルは、エージング制御信号のパルス幅
が1ライン走査期間のr/255であるときのオンデュ
ーティの値(r/255)×(1/2566)に対応す
る。従って、0レベルは、表示セルをエージング駆動し
ない場合であり、パルス幅が0であるときのオンデュー
ティの最小値0に対応する。また、255レベルはパル
ス幅が1ライン走査期間であるときのオンデューティの
最大値1/256に、中間の127レベルはパルス幅が
1ライン走査期間の半分であるときのオンデューティ値
1/512にそれぞれ対応する。
【0070】上記実施の形態1においては、各表示セル
を個別に設定されたエージング時間が経過するまで共通
のオンデューティ(陰極ラインが256本の場合は1/
256)でエージングすることにより、各表示セルを個
別のエージングオン時間だけエージング駆動し、表示セ
ルのI−V特性を個別に調整できるようにした。しか
し、全ての表示セルのエージング時間を同じ値に設定し
た場合に、オンデューティを変えれば表示セルのエージ
ングオン時間を変えられる。このとき、セルV切片は、
図13に示すようにオンデューティに依存して小さくな
る。従って、各表示セルを個別のオンデューティでエー
ジングすることによっても表示セルのI−V特性を個別
に調整することができる。この実施の形態2のエージン
グ方法は、各表示セルのオンデューティを個別に設定
し、各表示セルを設定されたオンデューティで共通のエ
ージング時間が経過するまでエージングすることによ
り、表示セルのI−V特性を個別に補正できるようにし
たことを特徴とするものである。
【0071】表示セルの個別オンデューティの設定手順
は、上記実施の形態1における個別エージング時間の設
定手順と概ね同じである。ただし、上記実施の形態1の
ように図9のエージング時間に対するセルV切片の降下
特性を用いてエージング時間を決めるのではなく、図1
3のオンデューティに対するセルV切片降下特性を用い
て、セルV切片の必要減少量に対応するオンデューティ
を決める。
【0072】図14は図4ないし図7の表示セルの設定
オンデューティを走査順にプロットした図である。図1
4には、設定セル電流が100[μA]の場合と200
[μA]の場合について示してある。設定オンデューテ
ィが0レベルである表示セルはエージングを実施しない
表示セルである。
【0073】以上のようにして表示セルごとに個別にオ
ンデューティが設定される。このあと、設定したオンデ
ューティをセルデータとして、実施の形態2のエージン
グ装置のメモリ83(図11参照)に書き込み、エージ
ングを実施する。
【0074】このように実施の形態2によれば、パネル
の各表示セルを個別のオンデューティでエージングし、
表示セルのI−V特性を個別に調整できるようにしたこ
とにより、定電圧駆動時のセル電流の表示セル間ばらつ
きを補正することができるので、不灯セルおよび誤点灯
セルのない良好なパターン表示が可能となる。
【0075】なお、上記実施の形態1および2において
は、DC型プラズマディスプレイのエージングについて
説明したが、本発明は、自発光あるいは非自発光の複数
の表示セルを備え、表示セルのエージングを実施する
(あるいは実施する必要がある)他のディスプレイ(プ
リンタ等のラインヘッドのように表示セルを一列に配置
したものも含む)にも適用可能である。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、デ
ィスプレイの各表示セルを個別のエージングオン時間だ
けエージング駆動し、表示セルのI−V特性を個別に調
整できるようにしたことにより、表示セル間のI−V特
性ばらつきを補正することができるので、良好なパター
ン表示が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のエージング装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1のエージング装置の構成
を示す回路図である。
【図3】本発明の実施の形態1のエージング装置におけ
る駆動タイミングチャートである。
【図4】DC型プラズマディスプレイを定電流駆動した
ときの1陽極ラインに含まれる表示セルのセル電圧をプ
ロットした図である。
【図5】図4に示した表示セルのセルインピーダンスを
プロットした図である。
【図6】図4に示した表示セルのセルV切片をプロット
した図である。
【図7】図4に示した表示セルを定電圧駆動するときの
セル電流をプロットした図である。
【図8】図7のセル電流の度数分布図である。
【図9】任意の表示セルにおけるエージング時間に対す
るセルV切片の降下特性を示す図である。
【図10】図4の表示セルの設定エージング時間をプロ
ットした図である。
【図11】本発明の実施の形態2のエージング装置の構
成を示す回路ブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態2のエージング装置にお
ける駆動タイミングチャートである。
【図13】任意の表示セルにおけるオンデューティに対
するセルV切片の降下特性を示す図である。
【図14】図4の表示セルの設定オンデューティをプロ
ットした図である。
【図15】DC型プラズマディスプレイの構造図であ
る。
【図16】従来のエージング装置の構成を示すブロック
図である。
【図17】従来のエージング装置における陽極定電流回
路および陽極ドライバ回路の構成を示す回路ブロック図
である。
【符号の説明】
1 表示陽極定電流回路、 2 表示陽極ドライバ回
路、 5 陰極ドライバ回路、 6,8 信号処理回
路、 7 DC型プラズマディスプレイ、 24陰極出
力端子、 25 表示陽極出力端子、 51 シフトレ
ジスタ、 61,81 基本信号発生回路、 62,8
2 アドレス信号発生回路、 63 タイマ回路、 6
4,68 ラッチ回路、 65,83 メモリ、 66
比較回路、 67 シフトレジスタ回路、 Tr1〜
Tr5 トランジスタ、 R1,R2,R4,R5 抵
抗、 Rv ボリューム用可変抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 武人 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の表示セルを備えたディスプレイに
    対し表示セルの特性改善のために表示セルをエージング
    駆動するディスプレイのエージング方法において、 各表示セルのエージングオン時間を個別に設定する工程
    と、 個別に設定されたエージングオン時間だけ各表示セルの
    エージング駆動を実施する工程とを含むことを特徴とす
    るディスプレイのエージング方法。
  2. 【請求項2】 前記エージング駆動を実施する工程は、 個別に設定されたエージング時間が経過するまで共通の
    オンデューティで各表示セルをエージングするものであ
    ることを特徴とする請求請1記載のディスプレイのエー
    ジング方法。
  3. 【請求項3】 前記エージング駆動を実施する工程は、 個別に設定されたオンデューティで共通のエージング時
    間が経過するまで各表示セルをエージングするものであ
    ることを特徴とする請求請1記載のディスプレイのエー
    ジング方法。
  4. 【請求項4】 前記エージングオン時間を設定する工程
    は、 エージング前の表示セルの電流−電圧特性を求める工程
    と、 前記電流−電圧特性の表示セル間ばらつきが小さくなる
    ように、各表示セルのエージングオン時間を決める工程
    とを含むことを特徴とする請求1記載のディスプレイの
    エージング方法。
  5. 【請求項5】 前記ディスプレイが、DC型プラズマデ
    ィスプレイであることを特徴とする請求1記載のディス
    プレイのエージング方法。
  6. 【請求項6】 前記エージングオン時間を設定する工程
    は、 エージング前の表示セルの電流−電圧特性を求める工程
    と、 ディスプレイを定電圧駆動したときのセル電流の表示セ
    ル間ばらつきが小さくなるように、エージングオン時間
    を決める工程とを含むことを特徴とする請求5記載のデ
    ィスプレイのエージング方法。
  7. 【請求項7】 前記電流−電圧特性を求める工程は、表
    示セルのセル電流が0になるときのセル電圧であるセル
    電圧切片と、所定のセル電圧を印加したときのセル電流
    とを求める工程を含み、 前記エージングオン時間を決める工程は、予め用意され
    ている、エージング時間に対するセル電圧切片の降下特
    性と、前記求められたセル電圧切片およびセル電流とに
    基づいて、エージング時間を決めるものであることを特
    徴とする請求6記載のディスプレイのエージング方法。
  8. 【請求項8】 前記電流−電圧特性を求める工程は、表
    示セルのセル電流が0になるときのセル電圧であるセル
    電圧切片と、所定のセル電圧を印加したときのセル電流
    とを求める工程を含み、 前記エージングオン時間を決める工程は、予め用意され
    ている、オンデューティに対するセル電圧切片の降下特
    性と、前記求められたセル電圧切片およびセル電流とに
    基づいて、オンデューティを決めるものであることを特
    徴とする請求6記載のディスプレイのエージング方法。
  9. 【請求項9】 複数の表示セルを備えたディスプレイに
    対し表示セルの特性改善のために表示セルをエージング
    駆動するディスプレイのエージング装置において、 各表示セルのセルデータを記憶する記憶手段と、 前記セルデータに応じた個別のエージングオン時間だけ
    各表示セルをエージング駆動するエージング手段とを有
    することを特徴とするディスプレイのエージング装置。
  10. 【請求項10】 前記ディスプレイがDC型プラズマデ
    ィスプレイであることを特徴とする請求項9記載のディ
    スプレイのエージング装置。
  11. 【請求項11】 前記セルデータは、各表示セルのエー
    ジング時間を示すものであり、 前記エージング手段は、前記セルデータに応じた個別の
    エージング時間が経過するまで共通のオンデューティで
    各表示セルをエージングするものであることを特徴とす
    る請求項9記載のディスプレイのエージング装置。
  12. 【請求項12】 前記エージング手段は、 エージング開始からの経過時間を示す経過時間データを
    生成するタイマ手段と、 前記セルデータと前記経過時間データとを比較すること
    により、個別に設定されているエージング時間を経過し
    たか否かを判定し、この判定結果に基づいてエージング
    駆動するかしないかを表示セルごとに示すエージング制
    御信号を生成する制御手段と、 前記エージング制御信号に基づいて各表示セルを個別に
    エージング駆動する駆動手段とを有することを特徴とす
    る請求項11記載のディスプレイのエージング装置。
  13. 【請求項13】 前記セルデータは、各表示セルのオン
    デューティを示すものであり、 前記エージング手段は、 前記セルデータに基づく個別のオンデューティで共通の
    エージング時間が経過するまで各表示セルをエージング
    するものであることを特徴とする請求項9記載のディス
    プレイのエージング装置。
  14. 【請求項14】 前記エージング手段は、 前記セルデータに基づいて、単位期間においてエージン
    グ駆動する期間とエージング駆動しない期間を表示セル
    ごとに示すエージング制御信号を生成する制御手段と、 前記エージング制御信号に基づいて各表示セルを個別に
    エージング駆動する駆動手段とを有することを特徴とす
    る請求項13記載のディスプレイのエージング装置。
  15. 【請求項15】 前記制御手段は、 前記セルデータに基づいてパルスを幅変調する幅変調回
    路を備え、 前記エージング信号としてパルス幅変調信号を生成する
    ことを特徴とする請求項14記載のディスプレイのエー
    ジング装置。
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