JPH11173354A - 摩擦材料板の製造方法 - Google Patents

摩擦材料板の製造方法

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JPH11173354A
JPH11173354A JP36174197A JP36174197A JPH11173354A JP H11173354 A JPH11173354 A JP H11173354A JP 36174197 A JP36174197 A JP 36174197A JP 36174197 A JP36174197 A JP 36174197A JP H11173354 A JPH11173354 A JP H11173354A
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plate
composition
friction
layer
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JP36174197A
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Yuji Sato
裕二 佐藤
Kazuhiko Takase
和彦 高瀬
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Tungaloy Corp
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Toshiba Tungaloy Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】摩擦材料組成物そのものをスクリーン印刷法に
より処理し、かつ強度および耐摩耗性を高めるようにし
た摩擦材料板を簡易に得るようにした摩擦材料板の製造
方法を提供する。 【解決手段】所定の形状でなる織物および/または不織
布の補強材上に、ペースト状組成物の摩擦材料組成物を
所定の型体に挿入し、該摩擦材料組成物をスクリーン印
刷法により転写して得た成形体を載置した後加熱焼成し
て該摩擦材料組成物を摩擦材料体とすると共に、該補強
材に該摩擦材料体が含浸された状態である一体化の層を
少なくとも含む摩擦材料含有層を形成する摩擦材料板の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造工程を簡易に
すると共に、この製造工程により得られる摩擦材料板の
強度および耐摩耗性に優れており、品質および信頼性の
高い摩擦材料板の製造方法に関し、具体的には、例えば
ブレ−キ,クラッチまたは各種の摺動材部品として使用
される摩擦材料板の製造方法に関する。
【0002】摩擦材料板の製造方法は、摩擦材料の組成
成分によりそれぞれに合った製造方法がとられている。
これらの製造方法を大別すると、主として粉末冶金法を
利用した第1の製造方法,溶射法を利用した第2の製造
方法,抄紙法を利用した第3の製造方法がある。これら
のうち、第1の製造方法は、摩擦材料組成物を金型など
に挿入および加圧して圧粉体の成形体とした後、加熱焼
成して摩擦材料体とし、この摩擦材料体を裏板または芯
板に接着し、次いで摩擦材料体の表面に溝などを加工し
て製品としているものである。この第1の製造方法につ
いての代表例が特開平3−109481号公報および特
開平3−181627号公報として提案されている。ま
た、スクリーン印刷法を利用する摩擦材料の製法とし
て、本発明者らの提案した特開平9−112608号公
報がある。
【0003】第2の製造方法は、粉末状の摩擦材料組成
物を吹き付けと同時に加熱溶融できる溶射装置でもって
裏板または芯板の表面に加熱溶融状の摩擦材料組成物を
吹き付ける方法である。この第2の製造方法についての
代表例が特開平2−57672号公報として提案されて
いる。
【0004】第3の製造方法は、和紙の製法を利用した
方法であり、まず紙を所望の形状に型取り、これに樹脂
を含浸後、乾燥して成形体を作製する。この成形体を、
接着剤を塗布した裏板または芯板に設置した後、加熱焼
成して摩擦材料板とし、この摩擦材料板の表面に溝加工
などを施す方法である。この第3の製造方法についての
代表例が特開平6−185556号公報,特開平6−2
29434号公報および特開平7−151173号公報
として提案されている。
【0005】その他、特殊な摩擦材料板の製造方法とし
て多数の提案がなされており、その代表的なものとして
特開昭50−89741号公報がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】摩擦材料板の製造方法
についての先行技術として挙げた特開平3−10948
1号公報および特開平3−181627号公報に代表さ
れる粉末冶金法では、大径のリング形状で、かつ薄い板
体でなる摩擦材料板を作製する場合に、粉末状摩擦材料
組成物の金型への振込み時の振込ムラおよび加圧ムラに
より成形体に粗密が生じ易く、均質な摩擦材料板を得る
のが困難であるという問題がある。また、同方法によ
り、表面に溝などを形成した摩擦材料板を得る場合に
は、製造工程数が多くなること、製造時間が長くなるこ
と、したがって製造コストが高くなるという問題があ
る。
【0007】また、特開平2−57672号公報に代表
される溶射法、並びに特開平6−185556号公報,
特開平6−229434号公報および特開平7−151
173号公報に代表される抄紙法では、均一な形状に仕
上げるのが困難であること、表面に溝などを形成した摩
擦材料板を得る場合には、製造工程数が多くなること、
製造時間が長くなること、摩擦材料組成物の材質が制限
されること、特に溶射法の場合には、不必要な場所に摩
擦材料組成物が溶射されることから歩留りが悪いこと、
抄紙法の場合には、紙の型取り時の歩留りが悪いこと、
これら全体から製造コストが相当高くなるという問題が
ある。
【0008】さらに、特開昭50−89741号公報に
は、印刷法により摩擦板の表面に耐腐食性のレジスト膜
を塗布し、エッチング液中に浸漬またはエッチング液を
スプレ−して溝幅0.2〜1.5mm,溝ピッチ0.2
〜2mmの連続した溝を形成する摩擦板の製造方法につ
いて記載されている。同公報に記載の方法は、溝を形成
するためにマスキング材料を印刷法で処理しており、こ
の印刷法で処理した材料が最終製品の摩擦板には残存し
ないものとなっている。同公報に記載の方法では、製造
工程が複雑になること、工程数が多いこと、かつ摩擦材
料部分の製造は上記の粉末冶金法,溶射法,抄紙法を使
用する必要があることから、上記と同様な問題をも内在
しているものである。また、本発明者らの発明である特
開平9−112608号公報による場合には、強度およ
び耐摩耗性にすぐれる摩擦材料体を得る工夫がなされて
いなく、満足できないという問題がある。
【0009】本発明は、上述した問題点を解決したもの
で、具体的には、摩擦材料組成物そのものをスクリ−ン
印刷法により処理し、かつ強度および耐摩耗性を高める
ようにした摩擦材料板を簡易に得るようにした摩擦材料
板の製造方法の提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に発明
した特開平9−112608号公報について、さらなる
改良をすることを検討していたところ、摩擦材料が圧力
および温度の高い過酷な条件で使用された場合に生じる
異常摩耗を抑制するためには、強度に優れた織物および
/または不織布を補強材として用いると効果的であるこ
と、摩擦材料組成物と最適な成形助剤および粘度調整剤
を添加してペ−スト状組成物とし、これをスクリ−ン印
刷法により成形して補強材に含浸させて一体化させると
こと、特に補強材を摩擦材料の作用面と平行に存在させ
ると強度および耐摩耗性に一層優れ、鳴きが低減するこ
と、得られる摩擦材料の品質および信頼性が増加すると
いう知見を得て、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0011】本発明の摩擦材料板の製造方法は、所定の
形状でなる織物および/または不織布の補強材上に、ペ
ースト状組成物の摩擦材料組成物を所定の型体に挿入
し、この摩擦材料組成物をスクリーン印刷法により転写
して得た成形体を載置した後加熱焼成して該摩擦材料組
成物を摩擦材料体とすると共に、該補強材に該摩擦材料
体が含浸された状態である一体化の層を少なくとも含む
摩擦材料含有層を形成することを特徴とする方法であ
る。
【0012】また、本発明の摩擦材料板の製造方法は、
芯板または裏板上に、所定の形状でなる織物および/ま
たは不織布の補強材を配置し、該補強材上に、ペースト
状組成物の摩擦材料組成物を所定の型体に挿入し、この
摩擦材料組成物をスクリーン印刷法により転写して得た
成形体を載置した後加熱焼成して該摩擦材料組成物を摩
擦材料体とすると共に、該補強材に該摩擦材料体が含浸
された状態である一体化の層を少なくとも含む摩擦材料
含有層を形成することを特徴とする方法である。
【0013】さらに、本発明の摩擦材料板の製造方法
は、所定の形状でなる織物および/または不織布の補強
材を配置し、該補強材上に、ペースト状組成物の摩擦材
料組成物を所定の型体に挿入し、スクリーン印刷法によ
り転写して得た成形体を載置した後加熱焼成して該摩擦
材料組成物を摩擦材料体とすると共に、該補強材に該摩
擦材料体が含浸された状態である一体化の層を少なくと
も含む摩擦材料含有層を形成し、該摩擦材料含有層と芯
板または裏板とを接合することを特徴とする方法であ
る。
【0014】
【発明実施の熊様】本発明の摩擦材料板の製造方法にお
ける補強材は、加熱焼成時に安定な材料からなっている
場合には殆ど制限を受けることなく使用可能であり、具
体的には、スチール繊維,カーボン繊維,樹脂繊維など
により織られた布状物質からなる織物、スチール繊維,
カーボン繊維,樹脂繊維などを機械的,化学的,熱的に
処理して接着剤や繊維自身の融着力により接合された樹
脂フェルト,カーボンフェルトなどを代表例とする不織
布であり、これらの中の少なくとも1種からなるもので
ある。これらの中でもカーボン繊維,熱硬化性樹脂の繊
維,カーボンフェルト,熱硬化性樹脂のフェルトの中の
少なくとも1種からなることが好ましい。
【0015】この補強材上に載置される成形体は、ペー
スト状組成物とした摩擦材料組成物を所定の型体に挿入
し、これをスクリーン印刷法により転写し、乾燥して成
形体としたものである。このときのペースト状組成物
は、摩擦材料組成物にセルロース,グリコール,ワック
スに代表される成形助剤および粘度調整剤の少なくとも
1種と、これに水またはアルコールに代表される有機溶
媒とを添加してペースト状にしたものである。
【0016】ここで用いる摩擦材料組成物は、従来から
摩擦材料として用いられている各種の無機物および/ま
たは有機物でなる粉末,繊維,ウイスカ−との混在した
ものである。この摩擦材料組成物は、具体的には、例え
ばフェノ−ル系樹脂,アミド系樹脂,エポキシ系樹脂,
ポリイミド系樹脂,COPNA樹脂,天然ゴム,合成ゴ
ムに代表される有機物の粉末、カ−ボン,黒鉛,コ−ク
ス,ガラス,シリカ,アルミナ,マグネシア,チタニ
ア,ジルコン,ムライト,ケイ藻土,クレ−,ケイ石
灰,炭酸塩,フッ化カルシウム,マイカ,金属の炭化
物,窒化物,硫化物,酸化物,に代表される無機化合物
の粉末、Cu,Ni,Co,Fe,Zn,Al,Si,
Sn,Pb,Mn,Cr,Mo,W,V,Zr,Hf,
Mg,Caの金属,およびこれらの合金、Cu−P合
金,鋳鉄,鋼,耐熱合金の粉末、炭素繊維,パルプ繊
維,チタン酸カリウム繊維,ガラス繊維,アラミド繊
維,鉱物繊維,スチ−ル繊維,に代表される各種の繊
維、アルミナウイスカ−,炭化珪素ウイスカ−,カ−ボ
ンウイスカ−,に代表される各種のウイスカ−の中から
選択された混合物でなるものである。
【0017】本発明の製造方法におけるスクリ−ン印刷
法は、スクリーン印刷が可能な型を作製し、その型の中
にペ−スト状組成物を挿入転写して、カ−ボン板,,
紙,または後述する裏板や芯板の表面に所定の形状でな
る摩擦材料組成物の成形体とする。このとき、例えば、
樹脂やゴムなどの接着層となる物質を摩擦材料組成物の
成形体の1面に積層すること、もしくは組成成分の異な
る摩擦材料組成物を2層以上に積層すること、あるいは
摩擦材料組成物が焼成されて形成された摩擦作用面(相
手材料と接触する摩擦面)を組成成分の異なる摩擦材料
組成物でなる2種類以上の面とすること、摩擦材料体の
作用面とは逆の面となる非作用面に各種のセラミックス
などの断熱層を設けることも好ましいことである。
【0018】ここで記述しているスクリ−ン印刷法に用
いる型体は、具体的には、例えばクラッチまたはブレ−
キとして用いられるリング状の円板体、電動自転車,二
輪車または四輪車のブレ−キパットとして用いられる多
角形状の板体を挙げることができる。このスクリ−ン印
刷で形成する成形体の表面は、従来から用いられている
溝、その他各種の凹凸、または各種の貫通部分を含めた
表面模様にすることもできる型枠や型板などを含んだ一
式をいう。
【0019】こうして得た摩擦材料組成物の成形体は、
摩擦材料組成物と織物および/または不織布の組成成分
により加熱焼成時の雰囲気を選定し、150℃〜100
0℃の温度に加熱して焼成することにより摩擦材料板と
することができる。具体的には、例えば金属系摩擦材料
組成物とスチール繊維織物の場合には水素ガス,水素と
窒素との混合ガスなどの非酸化性雰囲気中で550℃〜
1000℃に加熱焼成し、ゴムまたは樹脂の含有した有
機系摩擦材料組成物とアラミド繊維織物の場合には大気
中で150℃〜350℃に加熱焼成し、炭素系摩擦材料
組成物と炭素繊維織物の場合には大気,真空または水素
などで150〜1000℃に加熱焼成して摩擦材料板と
する。このときペ−スト状組成物とするために用いた成
形助剤および粘度調整剤は、焼成前に除去してもよく、
焼成までの温度に加熱昇温するときに除去してもよく、
または焼成後に例えば炭素成分として残留させることも
好ましい。
【0020】この加熱焼成により、摩擦材料組成物が補
強材中に含浸されて、冷却後に摩擦材料組成物が摩擦材
料体となって補強材中に存在することになる。その結
果、補強材に摩擦材料体が含浸された状態である一体化
の層を少なくとも含む摩擦材料含有層となる。この摩擦
材料含有層は、一体化の層のみである場合、一体化の層
と補強材の層および/または摩擦材料体の層との積層か
らなる場合、その他特別な場合には、補強材の層と摩擦
材料体との積層からなる場合がある。これらのうち、摩
擦材料含有層は、一体化の層を含んでいることが強度上
から好ましいことである。
【0021】本発明の製造方法により得られる摩擦材料
板は、摩擦材料含有層のみでなる場合、摩擦材料含有層
と芯板または裏板との積層でなる場合、摩擦材料含有層
と接着層と芯板または裏板との積層でなる場合、を挙げ
ることができる。このときの積層構造について、具体的
に例示すると、摩擦材料組成物でなる成形体を、例えば
工具鋼,ステンレス鋼,に代表される鋼材でなる裏板ま
たは芯板に載置し、加熱焼成時に摩擦材料体と裏板また
は芯板とを接合することも好ましく、さらには、上述の
摩擦材料組成物でなる成形体を加熱焼成して得た摩擦材
料含有層を裏板または芯板に載置し、再度加熱して接合
すること、もしくはCu,Cu−Agに代表される金属
鑞材やCu,Niに代表されるメッキ層でなる接着層を
摩擦材料含有層と裏板または芯板との間に介在させて接
合することも好ましいことである。その他、接着層に代
えて耐熱性のある接着剤、具体的にはポリイミド樹脂系
接着剤,ポリアミドイミド樹脂系接着剤,エポキシ樹脂
系接着剤により固着すること、ビスなどにより機械的に
固着すること、これらの接合方法を併合して固着するこ
とも接合強度上から好ましいことである。
【0022】
【作用】本発明の摩擦材料板の製造方法は、ペースト状
組成物とした摩擦材料組成物がスクリーン印刷法で成形
されることにより、この成形体が織物および/または不
織布の補強材になじみ、加熱されることにより一層補強
材に含浸および分散されるという作用となること、また
ペースト状組成物であることから型体への挿入が容易と
なること、品質および信頼性の高い摩擦材料板が得られ
やすいこと、さらに、これらに要するトータル製造時間
が短縮され得るという間接的な作用もある。
【0023】
【実施試験1】−60メッシュのSiO2粉末,天然パ
ルプ繊維,フェノール樹脂を用いて、60%パルプ−5
%SiO2−35%フェノール(vol%)の組成に秤
量し、これに溶媒としての純水を等量と成形助剤として
のポリエチレングリコール約8%を外掛にて混合してペ
ースト状組成物を得た。次に、外径195mm,内径1
60mm,厚さ0.3mmのカーボン繊維織物が設置さ
れたステンレス製の型体にペースト状組成物を挿入し
て、スクリーン印刷法により外径195mm,内径16
0mmのリング状円板体を転写成形し、合計厚さ1mm
の摩擦材料組成物とカーボン繊維織物との積層からなる
成形体を作製した。この成形体を大気中230℃,5時
間,10kg/cm2の条件にてホットプレス焼成を行
い、本発明の方法である本発明試料1(「本発明1」と
記す)による摩擦材料板を得た。
【0024】比較として、カーボン繊維織物を用いない
以外は本発明1と同条件により、摩擦材料組成物のみか
らなる比較の方法による比較試料1(「比較1」と記
す)である摩擦材料板を得た。また、本発明1の摩擦材
料組成物に0.5wt%のパラフィンワックスを添加
し,本発明1と同形状であり、本発明1で用いたカーボ
ン繊維織物の設置された金型を用いて、金型内に摩擦材
料組成物を挿入して1ton/cm2の圧力によりプレ
ス成形し、本発明1と同形状の積層からなる成形体と
し、この成形体を本発明1と同条件により焼成して比較
の方法である比較試料2(「比較2」と記す)による摩
擦材料板を得た。
【0025】こうして得た本発明1と比較1,2による
摩擦材料板から幅10mm,長さ40mm,厚さ1.0
mmの抗折力試験片を各12本作製し、各試料の抗折力
を測定し、平均抗折力とバラツキ範囲(表中、「σ」と
記す)を求めて、その結果を表1に示した。また、それ
ぞれの製造工程に要したトータル製造時間を求めて表1
に併記した。表1の結果のうち、特に、比較2の摩擦材
料板は、カーボン繊維織物の一部と摩擦材料体が剥離
し、繊維のくずれも認められた。
【0026】
【表1】
【0027】
【実施試験2】30%グラファイト粉末−25%カーボ
ン繊維−10%鉱物繊維−5%SiO2粉末−30%イ
ミド樹脂粉末(vol%)に秤量し、これに溶媒として
の純水を等量と成形助剤としてのポリエチレングリコー
ルを外掛けで約10%混合してペースト状組成物を得
た。一方、外径125mm,内径72mm,厚さ2mm
の芯板(材質:S45C)の両面に接着剤を塗布し、両
面に同形状のアラミド繊維織物を積層配置した。この積
層されたアラミド繊維織物の両面に、ピッチ13mm,
溝幅2.0mmの油溝の形成された外径125mm,内
径72mmの摩擦材料板が得られるようなステンレス製
の型体にペースト状組成物を挿入し、スクリーン印刷法
により転写し、厚さ0.5mmの摩擦材料組成物とアラ
ミド繊維織物からなる成形体を得た。この芯板とアラミ
ド繊維織物と摩擦材料組成物とを大気中240℃,4時
間,圧力7kg/cm2の条件によりホットプレス焼成
を行い、本発明の方法からなる積層の本発明試料2
(「本発明2」と記す)による摩擦材料板を得た。
【0028】比較として、アラミド繊維織物を用いない
以外は、本発明2と同条件により作製し、比較の方法で
ある比較試料3(「比較3」と記す)による摩擦材料板
を得た。こうして得た本発明3と比較3による油溝付き
摩擦材料板を用いて、相手板:S50C,油種:エンジ
ン油10W,油温:120℃,油量:16cc/c
2.min,摺速:10.5m/sec,慣性量:
0.14kg.m.sec2,インターバル:30se
c/cycle,制動回数:1000回/1面圧条件,
面圧:アップ(初期面圧15kg/cm2で、1000
回制動後に15kg/cm2アップ)の条件で慣性型摩
擦試験機により湿式摩擦試験を行い、その時の摩耗量
(摩耗厚さ)の測定と摩耗状態の観察を行い、その結果
を表2に示した。比較3による摩擦材料板は、面圧75
kg/cm2の試験中にバーストを起こし、摩擦材料体
が全くない芯板のみの状態になっていた。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明の摩擦材料板の製造方法は、従来
のプレス成形法およびスクリーン印刷法を応用した摩擦
材料板の製造方法に対比して、得られる摩擦材料板の強
度および耐摩耗性が著しく優れており,強度のバラツキ
幅が小さいという効果がある。また、本発明の摩擦材料
板の製造方法は、従来の抄紙法に対比して、簡易で、か
つ製造時間が短縮されること、従来のプレス成形法およ
びスクリーン印刷法に対比して、それほど製造時間を必
要とせずに品質と信頼性に顕著に優れる摩擦材料板が得
られるという優れた効果がある。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の形状でなる織物および/または不
    織布の補強材上に、ペースト状組成物の摩擦材料組成物
    を所定の型体に挿入し、該摩擦材料組成物をスクリーン
    印刷法により転写して得た成形体を載置した後加熱焼成
    して該摩擦材料組成物を摩擦材料体とすると共に、該補
    強材に該摩擦材料体が含浸された状態である一体化の層
    を少なくとも含む摩擦材料含有層を形成する摩擦材料板
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 芯板または裏板上に、所定の形状でなる
    織物および/または不織布の補強材を配置し、該補強材
    上に、ペースト状組成物の摩擦材料組成物を所定の型体
    に挿入し、該摩擦材料組成物をスクリーン印刷法により
    転写して得た成形体を載置した後加熱焼成して該摩擦材
    料組成物を摩擦材料体とすると共に、該補強材に該摩擦
    材料体が含浸された状態である一体化の層を少なくとも
    含む摩擦材料含有層を形成する摩擦材料板の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記芯板または上記裏板と、上記摩擦材
    料含有層との間に接着層が介在されている請求項2に記
    載の摩擦材料板の製造方法。
  4. 【請求項4】 所定の形状でなる織物および/または不
    織布の補強材を配置し、該補強材上に、ペースト状組成
    物の摩擦材料組成物を所定の型体に挿入し、該摩擦材料
    組成物をスクリーン印刷法により転写して得た成形体を
    載置した後加熱焼成して該摩擦材料組成物を摩擦材料体
    とすると共に、該補強材に該摩擦材料体が含浸された状
    態である一体化の層を少なくとも含む摩擦材料含有層を
    形成し、該摩擦材料含有層と芯板または裏板とを接合す
    る摩擦材料板の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記補強材は、相手材料面と接触する摩
    擦作用面にほぼ平行な層として存在する請求項1〜4の
    うちのいずれか1項に記載の摩擦材料板の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記接合は、接着剤により固着されてい
    る請求項4または5に記載の摩擦材料板の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記摩擦材料組成物は、主として樹脂を
    結合相とする有機系摩擦材料である請求項1〜6のうち
    のいずれか1項に記載の摩擦材料板の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記摩擦材料組成物は、主としてゴムを
    結合相とするゴム系摩擦材料である請求項1〜7のうち
    のいずれか1項に記載の摩擦材料板の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記補強材は、有機系繊維および/また
    は炭素繊維である請求項1〜8のうちのいずれか1項に
    記載の摩擦材料板の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記摩擦材料含有層は、上記一体化の
    層と上記補強材の層および/または上記摩擦材料体の層
    とからなる請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の
    摩擦材料板の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記摩擦材料含有層は、相手材料面と
    接触する摩擦作用面に溝パターンが形成されている請求
    項1〜10のうちのいずれか1項に記載の摩擦材料板の
    製造方法。
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