JPH11172561A - ロックウールシート及びその製造方法 - Google Patents

ロックウールシート及びその製造方法

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JPH11172561A
JPH11172561A JP9332992A JP33299297A JPH11172561A JP H11172561 A JPH11172561 A JP H11172561A JP 9332992 A JP9332992 A JP 9332992A JP 33299297 A JP33299297 A JP 33299297A JP H11172561 A JPH11172561 A JP H11172561A
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JP
Japan
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rock wool
weight
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heat
fiber
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JP9332992A
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English (en)
Inventor
Toru Oishi
大石  徹
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L59/00Thermal insulation in general
    • F16L59/04Arrangements using dry fillers, e.g. using slag wool which is added to the object to be insulated by pouring, spreading, spraying or the like

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Insulation (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 柔軟性があって加工が容易なロックウールシ
ート、かつ耐熱性の高いロックウールシート、引っ張り
強度が高いロックウールシート、高強度でかつ耐熱性の
ロックウールシート及びそれらの製造方法を提供。 【解決手段】 脱ショットロックウール100重量部に
対し有機繊維5〜50(5〜30)重量部とガラス繊維
10〜50(20〜50)重量部を含有し、これらが混
合状態でニードリングされてなるロックウールシート
(耐熱性ロックウールシート)。脱ショットロックウー
ル100重量部に対し熱融着性の有機繊維5〜50(5
〜30)重量部とガラス繊維10〜50(20〜50)
重量部を含有し、これらが混合状態でニードリング及び
熱融着されてなる高強度ロックウールシート(高強度耐
熱性ロックウールシート)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱材や耐火被覆
材や植物育成資材として好適なロックウールシート及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、住宅用断熱材、エアダクト用
断熱材等の建築物の断熱材や、工業プラントの保温断熱
材、工業用炉の耐火被覆材等の耐火断熱材として、ロッ
クウールが多く用いられている。
【0003】このロックウールには、フェノール樹脂等
の高分子系バインダで繊維同士を接着して板状に成形し
たロックウールフェルトや、マット状のロックウールに
アルミ箔、樹脂含浸紙、アスファルト含浸紙、寒冷紗等
を貼りつけた表面被覆ロックウールマットや、ロックウ
ールマットの両面に金属製ラスを配してワイヤーで縫い
合わせたラスボードや、ロックウールマットをワイヤー
で縫い合わせただけのワイヤードブランケットなど各種
製品が知られている。
【0004】これら従来のロックウール製品にはさまざ
まな問題がある。ロックウールフェルトは、バインダー
で成形するので、柔軟性に乏しく施工時の曲げ加工が困
難である上に高温でバインダーが分解したり、燃焼する
おそれがあり、使用温度の限界にある。また、表面被覆
ロックウールマットは、当然のことながら表面材の耐熱
温度以下でしか使用できず、ロックウールのもつ高耐熱
性を生かしきれない。さらに、ラスボードはバインダー
使用によりやはり柔軟性に乏しく、ルーズなロックウー
ルをそのまま使用しているワイヤードブランケットは、
ロックウール繊維同士の絡みが少なく、加工中や使用中
にロックウール繊維が脱落することがある。また、ワイ
ヤー自体が酸化されたり、雰囲気ガスで腐食されたりす
る。
【0005】このような問題を解決したロックウール製
品として、特開昭62−128959号公報には、ロッ
クウールにつなぎ用の他種繊維を混合してなるマットに
ニードルパンチング加工を施し、繊維を相互に絡み合わ
せたロックウールブランケットが提案されている。他種
繊維として、具体的にはガラス繊維、セラミックファイ
バー、天然及び合成の有機繊維を用いるものである。こ
のロックウールブランケットは、柔軟性があって加工が
容易という利点があるが、他種繊維として有機繊維のみ
を用いたものは、高温で使用するとブランケットに亀裂
が発生し、不燃材料として使用できないことが判明し
た。また、他種繊維として無機繊維のみを用いたもの
は、引っ張り強度が改善されないことが判明した。
【0006】また、特開平1−298262号公報に
は、不連続繊維で形成され、製品の三次元構造において
任意の方向を指向し、空気流による乾式法で集めたロッ
クウール等の無機繊維を、含有させた結合材により結合
させるか、あるいはニードリングして一体化した不織地
製品が提案されている。この方法によって軽量で強度の
あるロックウールシート等の不織布製品が製造できる
が、得られるロックウールシートは耐熱性が低く、また
特殊な製造設備を必要とし、さらに設備の生産性が低い
という問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、柔軟性があって加工が容易であるロックウール
シート、また高温で使用しても亀裂が発生しない耐熱性
ロックウールシート、さらに引っ張り強度が高いロック
ウールシート、さらにまた高強度でかつ耐熱性のロック
ウールシート及びそれらの製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、脱
ショットされたロックウール100重量部に対し有機繊
維5〜50重量部とガラス繊維10〜50重量部を含有
し、これらの繊維が混合状態でニードリングされてなる
ロックウールシートであり、また脱ショットされたロッ
クウール100重量部に対し有機繊維5〜30重量部と
ガラス繊維20〜50重量部を含有し、これらの繊維が
混合状態でニードリングされてなる耐熱性ロックウール
シートである。
【0009】また、本発明は、脱ショットされたロック
ウール100重量部に対し熱融着性の有機繊維5〜50
重量部とガラス繊維10〜50重量部を含有し、これら
の繊維が混合状態でニードリング及び熱融着されてなる
高強度ロックウールシートであり、さらにまた脱ショッ
トされたロックウール100重量部に対し熱融着性の有
機繊維5〜30重量部とガラス繊維20〜50重量部を
含有し、これらの繊維が混合状態でニードリング及び熱
融着されてなる高強度耐熱性ロックウールシートであ
る。
【0010】さらに、本発明は、ロックウール粒状綿1
00重量部に対し有機繊維2.5〜25重量部とガラス
繊維5〜25重量部を混合し、この混合物を開繊し、開
繊された繊維混合物をマット状に集積し、このマットを
ニードリングすることを特徴とするロックウールシート
の製造方法である。
【0011】さらにまた、本発明は、ロックウール粒状
綿100重量部に対し熱融着性の有機繊維2.5〜25
重量部とガラス繊維5〜25重量部を混合し、この混合
物を開繊し、開繊された繊維混合物をマット状に集積
し、このマットをニードリングし、さらに熱融着するこ
とを特徴とする高強度ロックウールシートの製造方法で
ある。
【0012】本発明のロックウールシートは、脱ショッ
トされたロックウールを主体とし、特定割合の有機繊維
とガラス繊維を含有するものであり、これらの繊維が混
合状態でニードリングされたもの(ニードリングロック
ウールシートともいう)であり、またニードリングさ
れ、さらにこの有機繊維が熱融着されたもの(熱融着ロ
ックウールシートともいう)である。これに対し、これ
らの材料を混合しないで単に積層し、ニードリングした
ロックウールシートや、これを熱融着したロックウール
シートでは、強度が向上せず、耐熱性も改善されない。
【0013】本発明のロックウールシートの主原料とし
て用いられるロックウールは、高炉スラグ、電気炉スラ
グ等の各種冶金スラグや、玄武岩、輝緑岩等の天然岩石
や、あるいはこれらの混合物を、電気炉やキュポラなど
で溶解し、これを遠心力及び/又は加圧気体で製綿して
得られるものである。このロックウールは、CaO、S
iO2 、Al2 3 を主成分とし、他にMgO、Fe2
3 などを含有する。ロックウールの形状としては、粒
状に丸めた粒状綿、マット状の層状綿などがあるが、ロ
ックウールシート用原料としては、他種繊維との混合性
の観点から粒状綿が好ましい。
【0014】ロックウールは、繊維径4〜5μmのロッ
クウール繊維の他にショットと称される未繊維化の粒状
物を多量に含有する。ロックウールのショットの含有率
は、製法にもよるが、粒状綿で40〜50重量%程度で
ある。このショットは、ロックウールシートの軽量性を
損なうだけでなく、断熱性を低下させ、またザラザラし
た触感を与え、加工時や施工時に粉状物として脱落して
周辺を汚染する。本発明のロックウールシートに含有さ
れるロックウールは、このショットの大半が脱ショット
されたロックウールである。したがって、原料のロック
ウールとして予め脱ショットされたロックウールを用い
るか、あるいは通常のロックウールを用いてロックウー
ルシートの製造工程で脱ショットする必要があるが、好
ましくは後者である。脱ショットされたロックウールの
ショット含有率は、20重量%程度以下、好ましくは1
0重量%程度以下、より好ましくは5重量%程度以下で
ある。
【0015】本発明のロックウールシートに用いられる
有機繊維としては、例えばポリエステル繊維、ポリアミ
ド繊維、ポリアクリル繊維、ポリビニルアルコール繊
維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊
維や、例えば木綿、麻、羊毛等の天然繊維、例えばレー
ヨン、スフ等の再生繊維などの1種又は2種以上が挙げ
られる。また、反毛と称される古布開繊物でもよい。こ
れらの有機繊維のうち、つなぎ効果と品質の安定性の観
点から合成繊維が好ましい。そして、熱融着ロックウー
ルシートには、有機繊維として熱融着性繊維を用いる必
要がある。このような熱融着性繊維としては、例えばポ
リエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、
ポリプロピレン繊維などが挙げられる。
【0016】この有機繊維は、10〜150mm程度、
好ましくは20〜100mm程度の繊維長を有するもの
がよい。繊維長が10mmより短いものはつなぎ効果が
少なく、ロックウールシートの引っ張り強度が改善され
ない。150mmを超えるものはロックウールとの混合
が困難になる。
【0017】本発明のロックウールシートにおける有機
繊維の含有割合は、脱ショットされたロックウール10
0重量部に対し5〜50重量部である。有機繊維が5重
量部より少ないとロックウールシートの作業強度が低下
し、ハンドリングや加工が困難になり、また50重量部
を超えると耐熱性が低下するのみならず、コストが増え
て経済性が損なわれる。また、耐熱性ロックウールシー
トにおいては、脱ショットされたロックウール100重
量部に対し有機繊維が5〜30重量部、好ましくは5〜
25重量部である。有機繊維が30重量部を超えると不
燃材表面試験で発煙し、不燃材の条件を満たさない。
【0018】また、本発明のロックウールシートに用い
られるガラス繊維としては、例えばグラスファイバー、
グラスウールなどが挙げられる。このガラス繊維の繊維
長は5〜150mm程度、好ましくは10〜100mm
程度がよい。そして、繊維径が10μm以上の通常のガ
ラス繊維を用いたロックウールシートは手で触れた際に
チクチクするが、細径ガラス繊維(繊維径3〜9μm程
度)を用いたロックウールシートはチクチクがなくな
り、加工作業者や施工作業者にとって好ましい。
【0019】本発明のロックウールシートにおいて、ロ
ックウールに対するガラス繊維の含有割合は、脱ショッ
トされたロックウール100重量部に対し10〜50重
量部である。ガラス繊維が10重量部より少ないと耐熱
性が低下し、50重量部を超えるとコストが増えて経済
性が損なわれる。また、耐熱性ロックウールシートにお
いては、脱ショットされたロックウール100重量部に
対しガラス繊維が20〜50重量部、好ましくは30〜
50重量部である。
【0020】本発明のロックウールシートは、前記の繊
維混合物がニードリングされてなるものである。ニード
リングは、従来より公知のニードルパンチングマシンを
用いて行ったものでよく、かぎ針に引っかけられた繊維
によりこれらの繊維混合物が縫い合わせられている。ニ
ードリングの際、主に有機繊維が縫い糸となり、つなぎ
材の役割を担っている。ニードリングされていない繊維
混合物は、フワフワのマット状であり、圧力をかけると
シート状になるが、圧力を解放すると元のマットにもど
り、シート状を保持できない。
【0021】本発明のロックウールシートの厚さは、そ
の用途により異なるが、耐熱性の観点から3〜20mm
程度であることが好ましい。ロックウールシートが厚す
ぎると、加工や施工時に折り曲げなどの加工がしにくく
なり、またコストが高く経済性が損なわれる。また、ロ
ックウールシートの目付量は、0.2〜3kg/m2
度であり、用途によって適宜選択することができる。原
料繊維の供給速度を変えたり、開繊された繊維の集積速
度を変えることにより、所望の厚さと目付量のロックウ
ールシートを製造することができる。
【0022】本発明のニードリングロックウールシート
は、柔軟性に富み、ハンドリングに耐える強度があって
加工が容易であり、さらに有機繊維の含有量を減らし、
ガラス繊維の含有量を増やした耐熱性ロックウールシー
トは、不燃材試験項目を満足するように耐熱性も優れて
いる。この耐熱性ニードリングロックウールシートの用
途としては、例えば建築物の耐火被覆材や断熱材、工業
装置類の耐火断熱材などが挙げられる。特に、土木・建
築用構築物の補強工法として、採用されることが多い繊
維強化プラスチック補強工法では、火災時の安全性が問
題になるが、本発明の耐熱性ロックウールシートを繊維
強化プラスチックの表面に被覆することにより、この問
題を解決できる。また、有機繊維の含有量が高く、ガラ
ス繊維含有量の低いニードリングロックウールシート
は、ハンドリング強度があり、柔軟性に富み、特に細径
ガラス繊維を用いたものはチカチカしないので、水稲育
苗用や芝草育苗用のロングマット等の植物育成資材とし
ても好適である。
【0023】前記のようにして製造されたニードリング
ロックウールシートは、脱ショットされたロックウー
ル、有機繊維及びガラス繊維ともに平滑な繊維で滑りや
すく、繊維同士の絡みもニードリング箇所に限られてい
るので、長さ方向、幅方向の引っ張り強度は、実用上支
障はないものの、まだ改良の余地がある。また、繊維の
配行方向が水平で層状に形成されているので、厚さ方向
の引っ張り力には弱く、層間剥離を起こしやすい傾向が
ある。
【0024】本発明の熱融着ロックウールシートは、有
機繊維として熱融着性繊維を用い、前記と同様にして得
られたニードリングロックウールシートをさらに熱融着
してなるものである。この熱融着は、ニードリングロッ
クウールシートを熱融着性繊維の融解温度(融点又は軟
化点)以上の温度に加熱することによって、シート中に
分散混合されている熱融着性繊維を融解し、その融着物
で層状に集積された繊維同士を接着するものである。い
ったん、融解した熱融着性繊維は、冷えると元の繊維に
もどるが他繊維との接着部を強固に固結し、繊維状バイ
ンダーとして機能する。このように、熱融着性繊維をバ
インダーとして用いた本発明のロックウールシートは、
ロックウール繊維同士の滑り性を維持しつつ、熱融着性
繊維(バインダー)で構成されたネットワークなどに基
づき実用的に十分な復元力と高い引っ張り強度を有す
る。本発明の熱融着ロックウールシートは、繊維同士が
効率よく接着されているので、優れた長さ方向、幅方向
の引っ張り強度を有し、厚さ方向の引っ張り強度もかな
り改善されている。これに対し、従来のようにフェノー
ル樹脂等の高分子系バインダーでロックウール繊維同士
を接着剤したものは、見かけ上の圧縮強度はあるもの
の、圧縮されるとロックウール繊維が座屈して破断し、
復元力に欠ける。
【0025】熱融着ロックウールシートに用いられる繊
維の種類は、前記のニードリングロックウールシートと
同じでよいが、有機繊維には前記した熱融着性繊維を用
いる必要がある。また、ロックウール、熱融着性繊維及
びガラス繊維の割合は、前記した割合、すなわちロック
ウール100重量部に対し有機繊維が15〜50重量
部、ガラス繊維が15〜40重量部で差し支えないが、
熱融着により繊維同志の接着効率が高くなるので、熱融
着性繊維の割合を減らすこともできる。
【0026】本発明の熱融着ロックウールシートは、ニ
ードリングロックウールシートと同様に、柔軟性があっ
て加工が容易であり、耐熱性が優れており、その上ニー
ドリングロックウールシートより製品強度が格段に向上
している。この熱融着ロックウールシートの用途として
は、ニードリングロックウールシートが使えるものなら
いずれも使用できるほか、幅10mm程度に長尺物にカ
ットし、裏面に離型紙を貼ったものをダクト用ガスケッ
ト材に、広幅の長尺物を防草資材や緑化資材などに、従
来の吹付ロックウールに代わる乾式耐火被覆材に、さら
には暗渠排水用疎水材など強度を要求される各種用途に
好適に使用することができる。
【0027】本発明のロックウールシートの耐熱性が優
れているのは、次のような理由によるものと考えられ
る。ロックウールの耐熱温度は800℃程度であるのに
対し、ガラス繊維は400℃程度、有機繊維では高々2
00℃程度でしかないにもかかわらず、耐熱性の優れた
ロックウールに、特定量のガラス繊維と有機繊維を混合
したものから造られたロックウールシートが、厳しい不
燃材の表面試験に合格するのは、有機繊維は加熱初期に
溶融し分解するが、その量が少ないので試験の判定条件
を満たし、一方ガラス繊維は溶融し、溶融物がロックウ
ール繊維を被覆して熱伝導率を下げると共に高温ガスの
通過を防止するものと考えられる。
【0028】次に、本発明のロックウールシートの製造
方法について説明する。本発明のニードリングロックウ
ールシートは、原料調合工程、解繊工程、積層工程及び
ニードリング工程の4工程で製造され、また熱融着ロッ
クウールシートは、この4工程に熱融着工程を加えた5
工程で製造される。
【0029】まず、原料のロックウール、有機繊維及び
ガラス繊維を混合し、目的のロックウールシートを与え
る配合割合の原料調合物を得る(原料調合工程)。この
原料調合工程の役割は原料繊維を混合することにある
が、混合の際ある程度解繊(予備解繊)してもよい。こ
の工程は、回転棒又は回転羽根を有する調合機などに原
料を同時又は交互に供給し、軽く攪拌混合することでよ
い。
【0030】原料のロックウールに含有されるショット
は、そのかなりの部分が主として解繊工程でロックウー
ル繊維と分離される。したがって、原料調合工程では、
この脱ショットによるロックウールの目減り分を考慮し
て、各繊維の混合割合を決めることが肝要である。
【0031】本発明で規定するロックウールシートの繊
維含有量、すなわちロックウール100重量部に対し有
機繊維5〜50重量部、ガラス繊維10〜50重量部と
なるようにするには、原料調合工程において、原料ロッ
クウール(ショット含有)100重量部に対し有機繊維
2.5〜25重量部程度、ガラス繊維5〜25重量部程
度になるように混合することがよい。また、耐熱性ロッ
クウールシートを製造するには、ロックウール100重
量部に対し有機繊維が2.5〜15重量部程度、ガラス
繊維が10〜25重量部程度になるように混合すること
がよい。この混合割合は、解繊工程での脱ショット率に
よって補正すればよい。
【0032】次に、この原料調合物を解繊し、ロックウ
ール中のショットを脱ショットすると共に各繊維ができ
るだけ均一に混合された繊維混合物を得る(解繊工
程)。この解繊工程には、公知の各種解繊機を用いるこ
とできる。特に、カードと称される主解繊機と複数の補
助ロールで構成されるカード式解繊機を用いると、製品
中のショット含有率が低く、解繊効率も高いので好まし
い。
【0033】解繊工程で解繊され、脱ショットされた繊
維混合物を空気輸送し、これをネットコンベアなどの上
に集積してロックウールマットを形成する(積層工
程)。ロックウールマットの厚さと嵩密度は、原料調合
工程への原料供給速度及び/又は積層工程の積層速度
(ネットコンベア等の移動速度)を制御することによ
り、決めることができる。
【0034】なお、本発明のロックウールシートの生産
性は、積層工程における繊維混合物の集積速度に支配さ
れることが判明した。すなわち、前工程である解繊工程
でいかに効率的に解繊するかが生産性の向上にとって最
も重要な因子である。本発明のロックウールシートの用
途、例えば植物育成資材、防草資材、緑化資材などや暗
渠排水用疎水材など耐熱性が要求されない用途には、耐
熱性を改善するためのガラス繊維を配合しなくても、要
求される強度を有機繊維のみの配合で発揮させることが
できるが、ガラス繊維を配合しないと解繊効率が悪く、
製品ロックウールシートの生産性がきわめて低い。した
がって、ガラス繊維は解繊促進の機能も有するものと考
えられる。
【0035】積層工程で形成されたロックウールマット
を移動コンベアでニードリング機械に供給し、所定厚さ
に押さえながらニードリング加工することによって、繊
維同士を絡ませて、製品のニードリングロックウールシ
ートが得られる(ニードリング工程)。このニードリン
グ加工は、多数のかぎ針をマット面に対し垂直方向に上
下させ、繊維と繊維を絡ませる加工技術であり、公知の
ニードリングパンチングマシンを用いて行なうことがで
きる。
【0036】さらに、熱融着ロックウールシートを製造
するには、有機繊維として熱融着性繊維を使用し、上記
の4工程を経て得られたニードリングロックウールシー
トを加熱し、熱融着性繊維を融着させることによって得
られる(熱融着工程)。熱融着工程は、公知の加熱ロー
ル、加熱サクションロールやトンネル炉などを用い、熱
融着性繊維の融解温度以上に加熱保持することでよい。
【0037】熱融着工程において熱融着性繊維は、軟化
又は溶融してロックウールやガラス繊維に付着し、温度
が下がると再び繊維状物となり、繊維間を接着するバイ
ンダーとして機能する。また、ロックウールやガラス繊
維に比べて可撓性のある熱融着性の有機繊維は、熱融着
ロックウールシートに反発力のある弾力性を付与する役
割を有する。
【0038】
【実施例】以下の実施例及び比較例において、ロックウ
ールシートの引っ張り強度は、ロックウールシートを長
さ(ライン)方向と幅方向にそれぞれ5cm幅に裁断し
て細帯状製品としたものについてJIS L1085に
準拠して測定した。また、ロックウールシートの耐熱性
試験は、JIS A1321に準拠して不燃材料の表面
試験として行った。すなわち、主熱源に電熱線、副熱源
に都市ガスバーナーを備えた試験装置の一側壁に、耐火
性能試験用供試体を炉内の露出面となるように設置し、
熱源により加熱して試験し、有毒ガス発生の有無、排気
温度の上昇度合い、排煙量、加熱終了後の残炎時間及び
加熱終了後の有害な変形の有無に注目して判定した。
【0039】実施例1 ロックウールとして粒状綿(新日化ロックウール株式会
社製 エスフィバー粒状綿)、有機繊維として熱融着性
ポリエステル繊維(ユニチカ株式会社製 メルティ40
80 4デニール、繊維長51mm)、ガラス繊維とし
て細経ガラス繊維(日本板硝子株式会社製 YX−DE
50 径6μm、繊維長50mm)を用い、ロックウー
ルシートを製造した。ロックウール100重量部、ポリ
エステル繊維10重量部、ガラス繊維20重量部をカー
ド式開繊機に連続的に供給して混合開繊すると共にロッ
クウールを脱ショットし、開繊物をネットコンベアに集
積して層状のロックウールマットを形成し、これをニー
ドリングマシンでニードリングし、ニードリングロック
ウールシートを製造した。このニードリングロックウー
ルシートは、脱ショットされたロックウール100重量
部に対しポリエステル繊維が約18重量部、ガラス繊維
が約35重量部であり、厚さが7mm、目付量が140
0g/m2 、嵩密度が200Kg/m3 、引っ張り強度
が長さ方向で3Kgf/5cm、幅方向で1.5Kgf
/5cmであった。
【0040】実施例2 実施例1のニードリングロックウールシートを熱ロール
で180〜200℃に加熱し、熱融着ロックウールシー
トを製造した。得られた熱融着ロックウールシートは、
厚さ、目付量、嵩密度がニードリングロックウールシー
トとほぼ同一であり、引っ張り強度が長さ方向で12K
gf/5cm、幅方向で10Kgf/5cmであり、ま
た不燃材料の表面試験にも合格した。
【0041】実施例3 ポリエステル繊維の供給量を5重量部とした以外は実施
例2と同様にして、熱融着ロックウールシートを製造し
たところ、得られた熱融着ロックウールシートは、脱シ
ョットされたロックウール100重量部に対しポリエス
テル繊維が約10重量部、ガラス繊維が約35重量部で
あり、厚さ、目付量、嵩密度が実施例1のニードリング
ロックウールシートとほぼ同一であり、引っ張り強度が
長さ方向で11Kgf/5cm、幅方向で9Kgf/5
cmであり、また不燃材料の表面試験にも合格した。
【0042】比較例1 ガラス繊維を混合しない以外は実施例2と同様にして、
熱融着ロックウールシートを製造したところ、得られた
熱融着ロックウールシートは、脱ショットされたロック
ウール100重量部に対しポリエステル繊維が約18重
量部であり、厚さが7mm、目付量が1000g/
2 、嵩密度が270Kg/m3 、引っ張り強度が長さ
方向で11Kgf/5cm、幅方向で1.3Kgf/5
cmであり、また不燃材料の表面試験は不合格であっ
た。また、実施例2と同一厚さの製品を得るために目付
量と嵩密度が高くなり、それに伴って製造ライン速度が
落ち、生産性が低下した。
【0043】比較例2 ポリエステル繊維を混合しない以外は実施例1と同様に
して、ニードリングロックウールシートの製造を試みた
ところ、ニードリング後の巻き取り工程でシートが破断
したり、巻き取れたものでも引っ張り強度が長さ方向で
0.7Kgf/5cm、幅方向で0.3Kgf/5cm
であり、実用上のハンドリング強度に満たないものであ
った。
【0044】
【発明の効果】本発明のニードリングロックウールシー
トは、柔軟性があって加工が容易であり、また有機繊維
の含有量を減らしガラス繊維の含有量を高めた本発明の
耐熱性ニードリングロックウールシートは、高温で使用
しても亀裂が発生せず、不燃材として使用できる耐熱性
を有する。そして、このような原料繊維の配合によっ
て、ロックウールシートの生産性を著しく向上させるこ
とができる。
【0045】また、本発明の熱融着ロックウールシート
は、引っ張り強度が格段に向上し、強度が要求される用
途に適しており、さらに有機繊維の含有量を減らしガラ
ス繊維の含有量を高めた本発明の耐熱性熱融着ロックウ
ールシートは、優れた引っ張り強度と耐熱性を有するも
のである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱ショットされたロックウール100重
    量部に対し有機繊維5〜50重量部とガラス繊維10〜
    50重量部を含有し、これらの繊維が混合状態でニード
    リングされてなることを特徴とするロックウールシー
    ト。
  2. 【請求項2】 脱ショットされたロックウール100重
    量部に対し有機繊維5〜30重量部とガラス繊維20〜
    50重量部を含有し、これらの繊維が混合状態でニード
    リングされてなることを特徴とする耐熱性ロックウール
    シート。
  3. 【請求項3】 脱ショットされたロックウール100重
    量部に対し熱融着性の有機繊維5〜50重量部とガラス
    繊維10〜50重量部を含有し、これらの繊維が混合状
    態でニードリング及び熱融着されてなることを特徴とす
    る高強度ロックウールシート。
  4. 【請求項4】 脱ショットされたロックウール100重
    量部に対し熱融着性の有機繊維5〜30重量部とガラス
    繊維20〜50重量部を含有し、これらの繊維が混合状
    態でニードリング及び熱融着されてなることを特徴とす
    る高強度耐熱性ロックウールシート。
  5. 【請求項5】 ロックウール粒状綿100重量部に対し
    有機繊維2.5〜25重量部とガラス繊維5〜25重量
    部を混合し、この混合物を開繊し、開繊された繊維混合
    物をマット状に集積し、このマットをニードリングする
    ことを特徴とするロックウールシートの製造方法。
  6. 【請求項6】 ロックウール粒状綿100重量部に対し
    熱融着性の有機繊維2.5〜25重量部とガラス繊維5
    〜25重量部を混合し、この混合物を開繊し、開繊され
    た繊維混合物をマット状に集積し、このマットをニード
    リングし、さらに熱融着することを特徴とする高強度ロ
    ックウールシートの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002283486A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Shinnikka Rock Wool Kk 無機繊維シートとその製造方法
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