JPH11171764A - レチノイド並びにプロスタグランジンd▲2▼誘導体の敗血症ショック治療薬としての使用 - Google Patents
レチノイド並びにプロスタグランジンd▲2▼誘導体の敗血症ショック治療薬としての使用Info
- Publication number
- JPH11171764A JPH11171764A JP36657597A JP36657597A JPH11171764A JP H11171764 A JPH11171764 A JP H11171764A JP 36657597 A JP36657597 A JP 36657597A JP 36657597 A JP36657597 A JP 36657597A JP H11171764 A JPH11171764 A JP H11171764A
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- Japan
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- prostaglandin
- cis
- shock
- retinoid
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Abstract
(57)【要約】
【課題】易感染化等の副作用の多いステロイド製剤を使
用せずに、誘導型一酸化窒素合成酵素の活性を低下さ
せ、敗血症ショックの予防的治療を行う。 【解決手段】9−cis−Retinoic−Acid
あるいはこれに併用して上記請求項で挙げたプロスタ
グランジンあるいはプロスタノイドを、重症感染症乃至
敗血症患者に静脈等より投与し、敗血症ショック発症の
予防をはかる。
用せずに、誘導型一酸化窒素合成酵素の活性を低下さ
せ、敗血症ショックの予防的治療を行う。 【解決手段】9−cis−Retinoic−Acid
あるいはこれに併用して上記請求項で挙げたプロスタ
グランジンあるいはプロスタノイドを、重症感染症乃至
敗血症患者に静脈等より投与し、敗血症ショック発症の
予防をはかる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この考案は、重症感染症に続
発する敗血症性ショックの治療薬として、9−cis−
Retinoic Acid、或いはこれと併用して上
記請求項のプロスタグランジンあるいはプロスタノイド
(プロスタグランジン誘導体)を用いるという、新規な
治療法に関するものである。
発する敗血症性ショックの治療薬として、9−cis−
Retinoic Acid、或いはこれと併用して上
記請求項のプロスタグランジンあるいはプロスタノイド
(プロスタグランジン誘導体)を用いるという、新規な
治療法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来敗血症性ショックの治療薬として
は、各種抗生剤に加えて、ステロイド製剤(メチルプレ
ドニゾロン等)が用いられることが多かった。敗血症シ
ョックの発症のメカニズムとしては、重症細菌感染によ
りエンドトキシン(リポポリサッカライド等)が大量に
発生し、これに併発する種々のサイトカイン(インター
ロイキン1β等)の発生と相まって、マクロファージや
血管平滑筋細胞等に作用して、誘導型一酸化窒素合成酵
素(iNOS:inducible nitricox
ide synthase)を発現させ、これが強力な
血管拡張物質である一酸化窒素(NO:nitric
oxide)を大量に発生させ、血管抵抗の低下により
血圧が低下しショック症状が発症することが知られてい
る。実際、各種ステロイド剤は、培養マクロファージや
血管平滑筋細胞において、iNOSの発現を抑制するこ
とが確認されており、このことが敗血症ショックにおけ
るステロイド製剤の効用の根拠となっている。
は、各種抗生剤に加えて、ステロイド製剤(メチルプレ
ドニゾロン等)が用いられることが多かった。敗血症シ
ョックの発症のメカニズムとしては、重症細菌感染によ
りエンドトキシン(リポポリサッカライド等)が大量に
発生し、これに併発する種々のサイトカイン(インター
ロイキン1β等)の発生と相まって、マクロファージや
血管平滑筋細胞等に作用して、誘導型一酸化窒素合成酵
素(iNOS:inducible nitricox
ide synthase)を発現させ、これが強力な
血管拡張物質である一酸化窒素(NO:nitric
oxide)を大量に発生させ、血管抵抗の低下により
血圧が低下しショック症状が発症することが知られてい
る。実際、各種ステロイド剤は、培養マクロファージや
血管平滑筋細胞において、iNOSの発現を抑制するこ
とが確認されており、このことが敗血症ショックにおけ
るステロイド製剤の効用の根拠となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ステロ
イド製剤には様々な副作用が確認されており、その中に
は、感染症自体を重症化させる副作用もある。従って、
敗血症ショックにおけるステロイド製剤の使用について
は、賛否両論があった。
イド製剤には様々な副作用が確認されており、その中に
は、感染症自体を重症化させる副作用もある。従って、
敗血症ショックにおけるステロイド製剤の使用について
は、賛否両論があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような副
作用の多いステロイド製剤に代わり、9−cis−Re
tinoic−Acid、或いはこれに併用して上記の
各種プロスタグランジンあるいはプロスタノイド(プロ
スタグランジン誘導体)を用いるというものである。
作用の多いステロイド製剤に代わり、9−cis−Re
tinoic−Acid、或いはこれに併用して上記の
各種プロスタグランジンあるいはプロスタノイド(プロ
スタグランジン誘導体)を用いるというものである。
【0005】
【発明の実施の形態】インターロイキン1β(IL−1
β)でiNOSを誘導した血管平滑筋細胞(VSMC:
vascular smooth muscle ce
ll)からのNO発生量に対する9−cis−Reti
noic Acid及び上記のプロスタグランジンの作
用の一例を図1に示した。9−cis−Retinoi
cAcidあるいはPGD2あるいはこの両者の併用
は、確かに上記NO発生を抑制する。上記請求項で挙げ
たプロスタグランジン並びにプロスタノイドには、程度
の差はあるが、一般に同様のNO発生抑制作用がある。
以上の結果は、9−cis−Retinoic Aci
d 並びにこれらのプロスタグランジン或いはプロスタ
ノイドの、敗血症ショック治療薬としての効用を理論的
に支持するものである。
β)でiNOSを誘導した血管平滑筋細胞(VSMC:
vascular smooth muscle ce
ll)からのNO発生量に対する9−cis−Reti
noic Acid及び上記のプロスタグランジンの作
用の一例を図1に示した。9−cis−Retinoi
cAcidあるいはPGD2あるいはこの両者の併用
は、確かに上記NO発生を抑制する。上記請求項で挙げ
たプロスタグランジン並びにプロスタノイドには、程度
の差はあるが、一般に同様のNO発生抑制作用がある。
以上の結果は、9−cis−Retinoic Aci
d 並びにこれらのプロスタグランジン或いはプロスタ
ノイドの、敗血症ショック治療薬としての効用を理論的
に支持するものである。
【0006】
【実施例】上記作用に基づき、実施例として、マウスあ
るいはラットに前処置として10−7mol/kg以上
の9−cis−Retinoic Acid,あるいは
これに併用して、15−Deoxy−Δ12,14−P
GJ2等の上記請求項で挙げたプロスタグランジンある
いはプロスタノイドを腹腔内または尾静脈内投与した後
に、エンドトキシンであるLPS(lipopolys
accharide)5〜50mg/kgを腹腔内また
は尾静脈内投与し、24時間後以降の死亡率をみると、
これらの薬剤の前投与により、生存率は有意に増加す
る。また、生存動物には、これまでのところ明らかな重
大な副作用は認められていない。
るいはラットに前処置として10−7mol/kg以上
の9−cis−Retinoic Acid,あるいは
これに併用して、15−Deoxy−Δ12,14−P
GJ2等の上記請求項で挙げたプロスタグランジンある
いはプロスタノイドを腹腔内または尾静脈内投与した後
に、エンドトキシンであるLPS(lipopolys
accharide)5〜50mg/kgを腹腔内また
は尾静脈内投与し、24時間後以降の死亡率をみると、
これらの薬剤の前投与により、生存率は有意に増加す
る。また、生存動物には、これまでのところ明らかな重
大な副作用は認められていない。
【0007】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明、つまり9−c
is−Retinoic Acidあるいはこれに併用
した上記請求項で挙げたプロスタグランジンあるいはプ
ロスタノイドの投与により、易感染化等の多くの副作用
を持つステロイド製剤を使用することなく、敗血症ショ
ックの予防治療が期待できる。
is−Retinoic Acidあるいはこれに併用
した上記請求項で挙げたプロスタグランジンあるいはプ
ロスタノイドの投与により、易感染化等の多くの副作用
を持つステロイド製剤を使用することなく、敗血症ショ
ックの予防治療が期待できる。
【図1】IL−1βでiNOSを誘導した培養VSMC
からのNO発生に対する9−cis−Retinoic
AcidとPGD2の抑制作用を示したグラフである。
培養VSMCをIL−1β(20U/ml)で刺激し、
同時に上記各薬剤を添加して、24時間後の培養上清中
の nitrite(NO2 −)の蓄積量を測定した
(表示は、平均±標準誤差)。
からのNO発生に対する9−cis−Retinoic
AcidとPGD2の抑制作用を示したグラフである。
培養VSMCをIL−1β(20U/ml)で刺激し、
同時に上記各薬剤を添加して、24時間後の培養上清中
の nitrite(NO2 −)の蓄積量を測定した
(表示は、平均±標準誤差)。
Claims (2)
- 【請求項1】レチノイドの一種である9−cis−Re
tinoic Acidの、敗血症ショック治療薬とし
ての使用。 - 【請求項2】Prostaglandin(PG)D2
誘導体(PGJ2,Δ12−PGJ2,15−Deox
y−Δ12,14−PGJ2,15−Deoxy−Δ
12,14−PGD2,13,14−Dihydro−
15−Keto−PGD2,9α,11β−PGF2,
9−Deoxy−Δ9,Δ12−13,14−dihy
dro−PGD2他)の、敗血症ショック治療薬として
の、9−cis−Retinoic Acid との併
用。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36657597A JPH11171764A (ja) | 1997-12-04 | 1997-12-04 | レチノイド並びにプロスタグランジンd▲2▼誘導体の敗血症ショック治療薬としての使用 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36657597A JPH11171764A (ja) | 1997-12-04 | 1997-12-04 | レチノイド並びにプロスタグランジンd▲2▼誘導体の敗血症ショック治療薬としての使用 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11171764A true JPH11171764A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18487128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36657597A Pending JPH11171764A (ja) | 1997-12-04 | 1997-12-04 | レチノイド並びにプロスタグランジンd▲2▼誘導体の敗血症ショック治療薬としての使用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11171764A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002085372A1 (fr) * | 2001-04-19 | 2002-10-31 | Teika Pharmaceutical Co., Ltd. | Medicaments et trousses medicales |
-
1997
- 1997-12-04 JP JP36657597A patent/JPH11171764A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002085372A1 (fr) * | 2001-04-19 | 2002-10-31 | Teika Pharmaceutical Co., Ltd. | Medicaments et trousses medicales |
US7816399B2 (en) | 2001-04-19 | 2010-10-19 | Teika Pharmaceutical Co., Ltd. | Medicines and medicinal kits |
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