JPH11171679A - 配合肥料設計システム、配合肥料設計方法、及び、配合肥料設計プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

配合肥料設計システム、配合肥料設計方法、及び、配合肥料設計プログラムを記録した記録媒体

Info

Publication number
JPH11171679A
JPH11171679A JP9342961A JP34296197A JPH11171679A JP H11171679 A JPH11171679 A JP H11171679A JP 9342961 A JP9342961 A JP 9342961A JP 34296197 A JP34296197 A JP 34296197A JP H11171679 A JPH11171679 A JP H11171679A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fertilizer
amount
fertilizers
time
combination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9342961A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoaki Endo
智明 遠藤
Junji Ono
順次 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP9342961A priority Critical patent/JPH11171679A/ja
Publication of JPH11171679A publication Critical patent/JPH11171679A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G1/00Mixtures of fertilisers belonging individually to different subclasses of C05

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Fertilizers (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control By Computers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 農作物の経時的必要肥料量にきめ細かく適合
した配合肥料を構成できる配合肥料設計システムを提供
する。 【解決手段】 配合肥料設計システム10の記憶装置2
6には、配合肥料設計プログラム30、作物情報ファイ
ル32、地力情報ファイル34、肥料情報ファイル36
及び気象情報ファイル38が格納されている。配合肥料
設計プログラム30は、作物の生育に必要な経時的必要
肥料量を計算する必要肥料量計算ルーチン42、周囲温
度の経時的変化に伴う肥料の経時的溶出量を計算する溶
出量計算ルーチン44、肥料群の中から選択された2種
類以上の肥料を配合してなる配合肥料の経時的溶出量が
経時的必要肥料量と一致ないし近似するように、2種類
以上の肥料を選択し、かつ、選択された各肥料の配合量
を決定する配合肥料設計ルーチン46とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配合肥料の設計シ
ステム、配合肥料設計方法、及び、配合肥料設計プログ
ラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、農作物に対する施肥は、農作
物を肥培する地域、農作物の栽培方法、農作物の品種等
に関する長年の経験や勘に基づいて行われていた。その
ため、適切な施肥管理がなされることなく、農作物が必
要とする養分量に対して施肥量の過不足が生じ、生産性
を低下させていた。また、適切な施肥管理がなされてい
ないため、肥培の途中で、数回にわたり生育診断を行な
うことによって施肥量の過不足を判断し、その都度、経
験や勘に基づいて施肥を行う必要があり、農業の省力
化、低コスト化を妨げていた。
【0003】かかる問題に対し、例えば特開昭50−8
7862号公報に記載されているように、水溶性肥料の
表面を樹脂等で被覆して肥料分の溶出を制御する被覆肥
料が提案されている。また、例えば、特開平5−105
569号公報に記載されているように、必要肥料養分量
の経時パターンに一致ないし近似する肥効特性を有する
ように、2種類以上の被覆肥料を組み合わせた配合肥料
を用いることにより、1度の施肥によって適正量の養分
を農作物に供給することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記配合肥料
は、特開平5−105569号公報に記載されているよ
うに、あらかじめ定められた2種類の肥料の配合量を決
定するものであって、当該2種類の肥料の選択には、依
然として経験や勘の要素を排除できない。従って、適切
な肥料の組み合わせを選択することは困難であり、農作
物の経時的必要肥料量にきめ細かく適合した配合肥料を
構成することは難しいという問題点がある。一方、使用
しうる全ての種類の肥料を配合することとすれば、肥料
の選択を考慮する必要が無くなるため、農作物の経時的
必要肥料量にきめ細かく適合した配合肥料を構成できる
と考えられるが、設計計算上の制約、配合設備上の制約
等から、配合できる肥料の数の上限は自ずと決定され、
使用しうる全ての種類の肥料を配合することは現実的に
は不可能に近い。
【0005】本発明は、上記問題点を解決し、農作物の
経時的必要肥料量にきめ細かく適合した配合肥料を構成
するために、肥料群の中から2種類以上の適切な肥料を
選択し、かつ、選択された各肥料の適切な配合量を決定
することができる配合肥料設計システム、配合肥料設計
方法、及び、配合肥料設計プログラムを記録した記録媒
体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の配合肥料設計システムは、作物の生育に必
要な経時的必要肥料量を計算する第1の手段と、周囲温
度の経時的変化に伴う肥料の経時的溶出量を計算する第
2の手段と、肥料群の中から選択された2種類以上の肥
料を配合してなる配合肥料の経時的溶出量が経時的必要
肥料量と一致ないし近似するように、2種類以上の肥料
を選択し、かつ、選択された各肥料の配合量を決定する
第3の手段と、選択された各肥料の配合量を表示する表
示手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】肥料群の中から選択された2種類以上の肥
料を配合してなる配合肥料の経時的溶出量が経時的必要
肥料量と一致ないし近似するように、2種類以上の肥料
を選択し、かつ、選択された各肥料の配合量を決定する
手段を有することで、肥料群の中から2種類以上の適切
な肥料を選択し、かつ、選択された各肥料の適切な配合
量を決定することができる。その結果、農作物の経時的
必要肥料量にきめ細かく適合した配合肥料を構成するこ
とが可能となる。
【0008】また、本発明の配合肥料設計システムは、
第1の手段が、作物の経時的要求養分量と、生産地の経
時的土壌供給養分量とを用いて、作物の生育に必要な経
時的必要肥料量を計算することを特徴とすることが好適
である。
【0009】作物の経時的要求養分量と、生産地の経時
的土壌供給養分量とを用いて、作物の生育に必要な経時
的必要肥料量を計算することにより、各生産地の地力を
考慮した経時的必要肥料量を計算することができる。
【0010】また、本発明の配合肥料設計システムは、
記憶手段をさらに有し、記憶手段は、作物の経時的要求
養分量が格納された作物情報ファイルと、生産地の経時
的土壌供給養分量が格納された地力情報ファイルとを備
えたことを特徴とすることが好適である。
【0011】上記各ファイルを有することで、作物の生
育に必要な経時的必要肥料量を計算するために必要な情
報を、各ファイルから効率よく取り出すことができる。
【0012】また、本発明の配合肥料設計システムは、
第2の手段が、一定温度下での肥料群を構成する各肥料
の経時的溶出量と、生産地の地温の経時的変化とを用い
て、周囲温度の経時的変化に伴う肥料群を構成する各肥
料の経時的溶出量を計算することを特徴とすることが好
適である。
【0013】一定温度下での肥料群を構成する各肥料の
経時的溶出量と、生産地の地温の経時的変化とを用い
て、周囲温度の経時的変化に伴う肥料群を構成する各肥
料の経時的溶出量を計算することにより、生産地の地温
を考慮した経時的必要肥料量を計算することができる。
【0014】また、本発明の配合肥料設計システムは、
記憶手段をさらに有し、記憶手段は、一定温度下での肥
料群を構成する各肥料の経時的溶出量が格納された肥料
情報ファイルと、生産地の地温の経時的変化が格納され
た気象情報ファイルとを備えたことを特徴とすることが
好適である。
【0015】上記各ファイルを有することで、周囲温度
の経時的変化に伴う肥料群を構成する各肥料の経時的溶
出量を計算するために必要な情報を、各ファイルから効
率よく取り出すことができる。
【0016】また、本発明の配合肥料設計システムは、
第3の手段が、2種類以上の肥料の組み合わせの候補を
決定する第4の手段と、第4の手段によって決定された
肥料の組み合わせにおける各肥料の配合量の候補を決定
する第5の手段と、肥料の組み合わせの候補、および、
配合量の候補からなる配合肥料の経時的溶出量と経時的
必要肥料量との一致度を計算する第6の手段と、肥料群
を構成する各肥料に遺伝子を対応させた染色体を用いた
遺伝的アルゴリズムを用いて、一致度を、肥料の組み合
わせの他の候補の決定に反映させる第7の手段と、肥料
の組み合わせの候補、および、各肥料の配合量の候補の
中から最適な肥料の組み合わせ、および、各肥料の配合
量を決定する第8の手段とを有することを特徴とするこ
とが好適である。
【0017】肥料群を構成する各肥料に遺伝子を対応さ
せた染色体を用いた遺伝的アルゴリズムを用いて、一致
度を肥料の組み合わせの候補の決定に反映させることに
よって、上記の肥料群を構成する肥料の数が多くても、
効率よく、上記2種類以上の肥料を選択することができ
る。
【0018】また、本発明の配合肥料設計システムは、
第3の手段が、選択可能な2種類以上の肥料の組み合わ
せの候補を順次選択する第9の手段と、第9の手段によ
って選択された肥料の組み合わせにおける各肥料の配合
量の候補を決定する第10の手段と、肥料の組み合わせ
の候補、および、配合量の候補からなる配合肥料の経時
的溶出量と経時的必要肥料量との一致度を計算する第6
の手段と、肥料の組み合わせの候補、および、各肥料の
配合量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、およ
び、各肥料の配合量を決定する第8の手段とを有するこ
とを特徴としてもよい。
【0019】選択可能な2種類以上の肥料の組み合わせ
の候補を、肥料群から順次選択することで、あらゆる肥
料の組み合わせについて最適解の探索が可能となる。
【0020】また、本発明の配合肥料設計システムは、
第3の手段が、配合する肥料数に関する制約条件の下で
発生させた乱数に基づいて、2種類以上の肥料の組み合
わせの候補を決定する第11の手段と、第11の手段に
よって選択された肥料の組み合わせにおける各肥料の配
合量の候補を決定する第12の手段と、肥料の組み合わ
せの候補、および、配合量の候補からなる配合肥料の経
時的溶出量と経時的必要肥料量との一致度を計算する第
6の手段と、肥料の組み合わせの候補、および、各肥料
の配合量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、およ
び、各肥料の配合量を決定する第8の手段とを有するこ
とを特徴としてもよい。
【0021】2種類以上の肥料を、配合する肥料数に関
する制約条件の下で発生させた乱数に基づいて選択する
ことにより、複雑な最適化プログラム等を設計すること
なく、容易に上記2種類以上の肥料を選択することがで
きる。
【0022】また、本発明の配合肥料設計システムは、
選択された各肥料の配合量が、経時的必要肥料量と選択
された各肥料からなる配合肥料の経時的溶出量に基づく
評価関数の最適化により決定することを特徴とすること
が好適である。
【0023】選択された各肥料の配合量を、経時的必要
肥料量と選択された各肥料からなる配合肥料の経時的溶
出量に基づく評価関数の最適化により決定することによ
り、選択された各肥料の適切な配合量を決定することが
できる。
【0024】また、本発明の配合肥料設計システムは、
評価関数が、作物に肥料が必要とされる全期間を微小期
間に分割し、各微小期間における必要肥料量と選択され
た各肥料からなる配合肥料の溶出量の差の2乗を全期間
にわたって加算したものであることを特徴とすることが
好適である。
【0025】作物に肥料が必要とされる全期間を微小期
間に分割し、各微小期間における必要肥料量と選択され
た各肥料からなる配合肥料の溶出量の差の2乗を全期間
にわたって加算したものを評価関数として用いることに
より、全期間にわたって必要肥料量と配合肥料の溶出量
との誤差を小さくすることができる。
【0026】また、本発明の配合肥料設計システムは、
選択された各肥料の配合量が、乱数により決定されるこ
とを特徴としてもよい。
【0027】乱数を用いることで、選択された各肥料の
配合量を容易に決定することができる。
【0028】上記課題を解決するために、本発明の配合
肥料設計方法は、作物の生育に必要な経時的必要肥料量
を計算する第1の工程と、周囲温度の経時的変化に伴う
肥料の経時的溶出量を計算する第2の工程と、肥料群の
中から選択された2種類以上の肥料を配合してなる配合
肥料の経時的溶出量が経時的必要肥料量と一致ないし近
似するように、2種類以上の肥料を選択し、かつ、選択
された各肥料の配合量を決定する第3の工程とを備えた
ことを特徴としている。
【0029】肥料群の中から選択された2種類以上の肥
料を配合してなる配合肥料の経時的溶出量が経時的必要
肥料量と一致ないし近似するように、2種類以上の肥料
を選択し、かつ、選択された各肥料の配合量を決定する
手段を有することで、肥料群の中から2種類以上の適切
な肥料を選択し、かつ、選択された各肥料の適切な配合
量を決定することができる。その結果、農作物の経時的
必要肥料量にきめ細かく適合した配合肥料を構成するこ
とが可能となる。
【0030】また、本発明の配合肥料設計方法は、第1
の工程が、作物の経時的要求養分量と、生産地の経時的
土壌供給養分量とを用いて、作物の生育に必要な経時的
必要肥料量を計算することを特徴とすることが好適であ
る。
【0031】作物の経時的要求養分量と、生産地の経時
的土壌供給養分量とを用いて、作物の生育に必要な経時
的必要肥料量を計算することにより、各生産地の地力を
考慮した経時的必要肥料量を計算することができる。
【0032】また、本発明の配合肥料設計方法は、記憶
手段を有する情報処理装置を用いて実施され、記憶手段
は、作物の経時的要求養分量が格納された作物情報ファ
イルと、生産地の経時的土壌供給養分量が格納された地
力情報ファイルとを備えたことを特徴とすることが好適
である。
【0033】上記各ファイルを有することで、作物の生
育に必要な経時的必要肥料量を計算するために必要な情
報を、各ファイルから効率よく取り出すことができる。
【0034】また、本発明の配合肥料設計方法は、第2
の工程が、一定温度下での肥料群を構成する各肥料の経
時的溶出量と、生産地の地温の経時的変化とを用いて、
周囲温度の経時的変化に伴う肥料群を構成する各肥料の
経時的溶出量を計算することを特徴とすることが好適で
ある。
【0035】一定温度下での肥料群を構成する各肥料の
経時的溶出量と、生産地の地温の経時的変化とを用い
て、周囲温度の経時的変化に伴う肥料群を構成する各肥
料の経時的溶出量を計算することにより、生産地の地温
を考慮した経時的必要肥料量を計算することができる。
【0036】また、本発明の配合肥料設計方法は、記憶
手段を有する情報処理装置を用いて実施され、記憶手段
は、一定温度下での肥料群を構成する各肥料の経時的溶
出量が格納された肥料情報ファイルと、生産地の地温の
経時的変化が格納された気象情報ファイルとを備えたこ
とを特徴とすることが好適である。
【0037】上記各ファイルを有することで、周囲温度
の経時的変化に伴う肥料群を構成する各肥料の経時的溶
出量を計算するために必要な情報を、各ファイルから効
率よく取り出すことができる。
【0038】また、本発明の配合肥料設計方法は、第3
の工程が、2種類以上の肥料の組み合わせの候補を決定
する第4の工程と、第4の工程によって決定された肥料
の組み合わせにおける各肥料の配合量の候補を決定する
第5の工程と、肥料の組み合わせの候補、および、配合
量の候補からなる配合肥料の経時的溶出量と経時的必要
肥料量との一致度を計算する第6の工程と、肥料群を構
成する各肥料に遺伝子を対応させた染色体を用いた遺伝
的アルゴリズムを用いて、一致度を、肥料の組み合わせ
の他の候補の決定に反映させる第7の工程と、肥料の組
み合わせの候補、および、各肥料の配合量の候補の中か
ら最適な肥料の組み合わせ、および、各肥料の配合量を
決定する第8の工程とを有することを特徴とすることが
好適である。
【0039】肥料群を構成する各肥料に遺伝子を対応さ
せた染色体を用いた遺伝的アルゴリズムを用いて、一致
度を肥料の組み合わせの候補の決定に反映させることに
よって、上記の肥料群を構成する肥料の数が多くても、
効率よく、上記2種類以上の肥料を選択することができ
る。
【0040】また、本発明の配合肥料設計方法は、第3
の工程が、選択可能な2種類以上の肥料の組み合わせの
候補を順次選択する第9の工程と、第9の工程によって
選択された肥料の組み合わせにおける各肥料の配合量の
候補を決定する第10の工程と、肥料の組み合わせの候
補、および、配合量の候補からなる配合肥料の経時的溶
出量と経時的必要肥料量との一致度を計算する第6の工
程と、肥料の組み合わせの候補、および、各肥料の配合
量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、および、各
肥料の配合量を決定する第8の工程とを有することを特
徴としてもよい。
【0041】選択可能な2種類以上の肥料の組み合わせ
の候補を、肥料群から順次選択することで、あらゆる肥
料の組み合わせについて最適解の探索が可能となる。
【0042】また、本発明の配合肥料設計方法は、第3
の工程が、配合する肥料数に関する制約条件の下で発生
させた乱数に基づいて、2種類以上の肥料の組み合わせ
の候補を決定する第11の工程と、第11の工程によっ
て選択された肥料の組み合わせにおける各肥料の配合量
の候補を決定する第12の工程と、肥料の組み合わせの
候補、および、配合量の候補からなる配合肥料の経時的
溶出量と経時的必要肥料量との一致度を計算する第6の
工程と、肥料の組み合わせの候補、および、各肥料の配
合量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、および、
各肥料の配合量を決定する第8の工程とを有することを
特徴としてもよい。
【0043】2種類以上の肥料を、配合する肥料数に関
する制約条件の下で発生させた乱数に基づいて選択する
ことにより、複雑な最適化プログラム等を設計すること
なく、容易に上記2種類以上の肥料を選択することがで
きる。
【0044】また、本発明の配合肥料設計方法は、選択
された各肥料の配合量が、経時的必要肥料量と選択され
た各肥料からなる配合肥料の経時的溶出量に基づく評価
関数の最適化により決定することを特徴とすることが好
適である。
【0045】選択された各肥料の配合量を、経時的必要
肥料量と選択された各肥料からなる配合肥料の経時的溶
出量に基づく評価関数の最適化により決定することによ
り、選択された各肥料の適切な配合量を決定することが
できる。
【0046】また、本発明の配合肥料設計方法は、評価
関数が、作物に肥料が必要とされる全期間を微小期間に
分割し、各微小期間における必要肥料量と選択された各
肥料からなる配合肥料の溶出量の差の2乗を全期間にわ
たって加算したものであることを特徴とすることが好適
である。
【0047】作物に肥料が必要とされる全期間を微小期
間に分割し、各微小期間における必要肥料量と選択され
た各肥料からなる配合肥料の溶出量の差の2乗を全期間
にわたって加算したものを評価関数として用いることに
より、全期間にわたって必要肥料量と配合肥料の溶出量
との誤差を小さくすることができる。
【0048】また、本発明の配合肥料設計方法は、選択
された各肥料の配合量が、乱数により決定されることを
特徴としてもよい。
【0049】乱数を用いることで、選択された各肥料の
配合量を容易に決定することができる。
【0050】上記課題を解決するために、本発明の配合
肥料設計プログラムを記録した記録媒体は、入力手段
と、表示手段と、情報を読み出す読み出し手段と、を備
える情報処理装置で用いられ、かつ、記録された情報が
読み出し手段によって読み出される記録媒体において、
記録媒体は、プログラムを記録するプログラム領域を有
し、プログラム領域には、混合肥料設計プログラムが記
録されており、混合肥料設計プログラムは、作物の生育
に必要な経時的必要肥料量を計算する第1のルーチン
と、周囲温度の経時的変化に伴う肥料の経時的溶出量を
計算する第2のルーチンと、肥料群の中から選択された
2種類以上の肥料を配合してなる配合肥料の経時的溶出
量が経時的必要肥料量と一致ないし近似するように、2
種類以上の肥料を選択し、かつ、選択された各肥料の配
合量を決定する第3のルーチンとを備えたことを特徴と
している。
【0051】肥料群の中から選択された2種類以上の肥
料を配合してなる配合肥料の経時的溶出量が経時的必要
肥料量と一致ないし近似するように、2種類以上の肥料
を選択し、かつ、選択された各肥料の配合量を決定する
手段を有することで、肥料群の中から2種類以上の適切
な肥料を選択し、かつ、選択された各肥料の適切な配合
量を決定することができる。その結果、農作物の経時的
必要肥料量にきめ細かく適合した配合肥料を構成するこ
とが可能となる。
【0052】また、本発明の配合肥料設計プログラムを
記録した記録媒体は、第1のルーチンが、作物の経時的
要求養分量と、生産地の経時的土壌供給養分量とを用い
て、作物の生育に必要な経時的必要肥料量を計算するこ
とを特徴とすることが好適である。
【0053】作物の経時的要求養分量と、生産地の経時
的土壌供給養分量とを用いて、作物の生育に必要な経時
的必要肥料量を計算することにより、各生産地の地力を
考慮した経時的必要肥料量を計算することができる。
【0054】また、本発明の配合肥料設計プログラムを
記録した記録媒体は、ファイルを記録するファイル領域
をさらに有し、ファイル領域には、作物の経時的要求養
分量が格納された作物情報ファイルと、生産地の経時的
土壌供給養分量が格納された地力情報ファイルとを備え
たことを特徴とすることが好適である。
【0055】上記各ファイルを有することで、作物の生
育に必要な経時的必要肥料量を計算するために必要な情
報を、各ファイルから効率よく取り出すことができる。
【0056】また、本発明の配合肥料設計プログラムを
記録した記録媒体は、第2のルーチンは、一定温度下で
の肥料群を構成する各肥料の経時的溶出量と、生産地の
地温の経時的変化とを用いて、周囲温度の経時的変化に
伴う肥料群を構成する各肥料の経時的溶出量を計算する
ことを特徴とすることが好適である。
【0057】一定温度下での肥料群を構成する各肥料の
経時的溶出量と、生産地の地温の経時的変化とを用い
て、周囲温度の経時的変化に伴う肥料群を構成する各肥
料の経時的溶出量を計算することにより、生産地の地温
を考慮した経時的必要肥料量を計算することができる。
【0058】また、本発明の配合肥料設計プログラムを
記録した記録媒体は、ファイルを記録するファイル領域
をさらに有し、ファイル領域には、一定温度下での肥料
群を構成する各肥料の経時的溶出量が格納された肥料情
報ファイルと、生産地の地温の経時的変化が格納された
気象情報ファイルとを備えたことを特徴とすることが好
適である。
【0059】上記各ファイルを有することで、周囲温度
の経時的変化に伴う肥料群を構成する各肥料の経時的溶
出量を計算するために必要な情報を、各ファイルから効
率よく取り出すことができる。
【0060】また、本発明の配合肥料設計プログラムを
記録した記録媒体は、第3のルーチンが、2種類以上の
肥料の組み合わせの候補を決定する第1の処理部と、
第1の処理部によって決定された肥料の組み合わせにお
ける各肥料の配合量の候補を決定する第2の処理部と、
肥料の組み合わせの候補、および、配合量の候補からな
る配合肥料の経時的溶出量と経時的必要肥料量との一致
度を計算する第3の処理部と、肥料群を構成する各肥料
に遺伝子を対応させた染色体を用いた遺伝的アルゴリズ
ムを用いて、一致度を、肥料の組み合わせの他の候補の
決定に反映させる第4の処理部と、肥料の組み合わせの
候補、および、各肥料の配合量の候補の中から最適な肥
料の組み合わせ、および、各肥料の配合量を決定する第
5の処理部とを有することを特徴とすることが好適であ
る。
【0061】肥料群を構成する各肥料に遺伝子を対応さ
せた染色体を用いた遺伝的アルゴリズムを用いて、一致
度を肥料の組み合わせの候補の決定に反映させることに
よって、上記の肥料群を構成する肥料の数が多くても、
効率よく、上記2種類以上の肥料を選択することができ
る。
【0062】また、本発明の配合肥料設計プログラムを
記録した記録媒体は、第3のルーチンは、選択可能な2
種類以上の肥料の組み合わせの候補を順次選択する第6
の処理部と、第6の処理部によって選択された肥料の組
み合わせにおける各肥料の配合量の候補を決定する第7
の処理部と、肥料の組み合わせの候補、および、配合量
の候補からなる配合肥料の経時的溶出量と経時的必要肥
料量との一致度を計算する第3の処理部と、肥料の組み
合わせの候補、および、各肥料の配合量の候補の中から
最適な肥料の組み合わせ、および、各肥料の配合量を決
定する第5の処理部とを有することを特徴としてもよ
い。
【0063】選択可能な2種類以上の肥料の組み合わせ
の候補を、肥料群から順次選択することで、あらゆる肥
料の組み合わせについて最適解の探索が可能となる。
【0064】また、本発明の配合肥料設計プログラムを
記録した記録媒体は、第3のルーチンが、配合する肥料
数に関する制約条件の下で発生させた乱数に基づいて、
2種類以上の肥料の組み合わせの候補を決定する第8の
処理部と、第8の処理部によって選択された肥料の組み
合わせにおける各肥料の配合量の候補を決定する第9の
処理部と、肥料の組み合わせの候補、および、配合量の
候補からなる配合肥料の経時的溶出量と経時的必要肥料
量との一致度を計算する第3の処理部と、肥料の組み合
わせの候補、および、各肥料の配合量の候補の中から最
適な肥料の組み合わせ、および、各肥料の配合量を決定
する第5の処理部とを有することを特徴としてもよい。
【0065】2種類以上の肥料を、配合する肥料数に関
する制約条件の下で発生させた乱数に基づいて選択する
ことにより、複雑な最適化プログラム等を設計すること
なく、容易に上記2種類以上の肥料を選択することがで
きる。
【0066】また、本発明の配合肥料設計プログラムを
記録した記録媒体は、選択された各肥料の配合量が、経
時的必要肥料量と選択された各肥料からなる配合肥料の
経時的溶出量に基づく評価関数の最適化により決定する
ことを特徴とすることが好適である。
【0067】選択された各肥料の配合量を、経時的必要
肥料量と選択された各肥料からなる配合肥料の経時的溶
出量に基づく評価関数の最適化により決定することによ
り、選択された各肥料の適切な配合量を決定することが
できる。
【0068】また、本発明の配合肥料設計プログラムを
記録した記録媒体は、評価関数は、作物に肥料が必要と
される全期間を微小期間に分割し、各微小期間における
必要肥料量と選択された各肥料からなる配合肥料の溶出
量の差の2乗を全期間にわたって加算したものであるこ
とを特徴とすることが好適である。
【0069】作物に肥料が必要とされる全期間を微小期
間に分割し、各微小期間における必要肥料量と選択され
た各肥料からなる配合肥料の溶出量の差の2乗を全期間
にわたって加算したものを評価関数として用いることに
より、全期間にわたって必要肥料量と配合肥料の溶出量
との誤差を小さくすることができる。
【0070】また、本発明の配合肥料設計プログラムを
記録した記録媒体は、 選択された各肥料の配合量は、
乱数により決定されることを特徴としてもよい。
【0071】乱数を用いることで、選択された各肥料の
配合量を容易に決定することができる。
【0072】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態にかかる配合肥
料設計システムについて説明する。本実施形態で用いる
肥料は、日本国内においては、主として肥料取締法に記
載された肥料である。図1は、本発明の実施形態にかか
る配合肥料設計システムの構成図である。配合肥料設計
システム10は、システム全体の制御をつかさどるCP
U12、配合肥料設計のための必要情報等を入力するマ
ウス14及びキーボード16からなる入力装置18、各
肥料の配合量等を表示するディスプレイ20、画像メモ
リ22、作業用メモリ24、プリンタ25、及び、記憶
装置26とから主に構成される。
【0073】記憶装置26には、ソフトウェアの動作の
基盤となるOS28、配合肥料を設計するための配合肥
料設計プログラム30、作物の経時的要求養分量が格納
された作物情報ファイル32、生産地の経時的土壌供給
養分量が格納された地力情報ファイル34、一定温度下
での肥料群を構成する各肥料の経時的溶出量が格納され
た肥料情報ファイル36と、生産地の地温の経時的変化
が格納された気象情報ファイル38が格納されている。
【0074】また、配合肥料設計プログラム30は、プ
ログラム全体を統合するメインルーチン40、作物の生
育に必要な経時的必要肥料量を計算する必要肥料量計算
ルーチン42、周囲温度の経時的変化に伴う肥料群を構
成する各肥料の経時的溶出量を計算する溶出量計算ルー
チン、肥料群の中から選択された2種類以上の肥料を配
合してなる配合肥料の経時的溶出量が経時的必要肥料量
と一致ないし近似するように、2種類以上の肥料を選択
し、かつ、選択された各肥料の配合量を決定する配合肥
料設計ルーチン46とを有している。
【0075】さらに、配合肥料設計ルーチン46は、肥
料の組み合わせの候補を決定する組み合わせ決定部4
8、選択された肥料の組み合わせにおける各肥料の配合
量の候補を決定する配合量決定部50、選択された肥料
及び決定された配合量によって構成された配合肥料の経
時的溶出量と経時的必要肥料量との一致度を計算する一
致度計算部52、肥料の組み合わせ及び各肥料の配合量
の候補の中から最適な候補を選択する最適解決定部54
を含んでいる。
【0076】以下、本発明の実施形態にかかる配合肥料
設計方法を説明するとともに、上記配合肥料設計システ
ム10の記憶装置26に格納された各ファイルの内容、
及び、配合肥料設計プログラム30の各ルーチンの機能
を詳細に説明する。図2は、本発明の実施形態にかかる
配合肥料設計方法(以下、本配合肥料設計方法という)
のフローチャートである。本配合肥料設計方法は、必要
情報を設定する工程(S100)、経時的必要肥料量を
計算する工程(S200)、地温の経時的変化に伴う肥
料の経時的溶出量を計算する工程(S300)、最適な
肥料の組み合わせ及び各肥料の配合量を決定する工程
(S400)、及び、結果を表示する工程(S500)
からなる。また、本配合肥料設計方法は、記憶装置を有
する情報処理装置を用いて実施され、この記憶装置に
は、作物情報ファイル、地力情報ファイル、肥料情報フ
ァイル、気象情報ファイルが含まれている。以下、各工
程を詳細に説明する。
【0077】必要情報を設定する工程(S100)で
は、作物の生産地、配合肥料の施肥時期、選択しうる肥
料(以下、肥料群という)の設定を行う。
【0078】作物の生産地の設定は、地力情報ファイル
32、気象情報ファイル38に地力情報及び気象情報が
格納されている地域の中から、作物の栽培地を選択す
る。作物の生産地の選択は、列挙された全国の地名の中
から生産地を選択する方法、表示された全国若しくは各
地域の地図上から生産地を選択する方法、又は両者を併
用する方法によって行われる。ここで、作物の生産地の
気象情報が気象情報ファイル38に格納されていない場
合は、気象情報ファイル38に気象情報が格納されてい
る地域の中から、作物の生産地に近隣する地域を選択す
ればよい。また、作物の生産地の地力情報が地力情報フ
ァイル32に格納されていない場合は、地力情報ファイ
ル32に地力情報が格納されている地域の中から、作物
の生産地と類似した土壌を有する地域を選択すればよ
い。
【0079】配合肥料の施肥時期の設定は、混合肥料を
施肥する月日を指定することによって行う。
【0080】肥料群の設定は、肥料情報ファイル36に
肥料情報が格納されている肥料の中から、実際に選択し
うる複数種類の肥料を指定することによって行う。ここ
でいう複数種類の肥料とは、経時的肥効特性の異なる複
数種類の肥料を言う。また、この肥料群を構成する肥料
の数をKとする。
【0081】経時的必要肥料量を計算する工程(S20
0)では、作物の経時的要求養分量と、生産地の経時的
土壌供給養分量とを用いて、作物の生育に必要な経時的
必要肥料量を計算する。本工程(S200)は、図1に
示す配合肥料設計プログラム30の必要肥料量計算ルー
チン42によって処理される。本工程(S200)をさ
らに詳細に示すと図3に示すようになる。
【0082】まず、作物の経時的要求養分量の読み出し
(S210)を行う。ここで、作物の経時的要求養分量
とは、作物の成長過程の各時期において必要とされる養
分量を意味する。作物の経時的要求養分量は、作物毎
に、作物が栽培される期間を栽培開始時を起点として時
間単位(例えば5日間)に分割し、各時間単位毎の要求
養分量の配列として、作物情報ファイル32に格納され
ている。本工程(S210)では、作物情報ファイル3
2に格納されている作物の経時的要求養分量を読み出
す。
【0083】続いて、生産地の経時的土壌供給養分量の
読み出し(S220)を行う。ここで、生産地の経時的
土壌供給養分量とは、年間若しくは、作物を栽培する期
間の各時期に、生産地の土壌から供給される養分量を意
味する。生産地の経時的養分供給量は、地域毎に、年間
若しくは作物を栽培する期間を時間単位(例えば5日
間)に分割し、各時間単位毎の土壌供給養分量の配列と
して、地力情報ファイル34に格納されている。本工程
(S220)では、地力情報ファイル34に格納されて
いる、生産地の経時的土壌供給養分量を読み出す。
【0084】次に、化成肥料の選択及び化成肥料の経時
的供給養分量の読み出し(S230)を行う。ここで、
化成肥料は、施肥後に極めて速く土中に溶出して肥効が
現れる肥料であって、植物の3大栄養素である窒素、
燐、カリ(NPK成分)の必要量を、他の微量元素の必
要量とともに供給するために用いられる。化成肥料の経
時的供給養分量は、化成肥料の種類毎に、施肥時を起点
として、作物の収穫が終了するまでの期間を時間単位
(例えば5日間)に分割し、各時間単位毎の経時的供給
養分量の配列として、肥料情報ファイル36に格納され
ている。本工程(S230)では、使用する化成肥料を
選択し、該当する化成肥料の経時的供給養分量を肥料情
報ファイル36から読み出す。
【0085】続いて、経時的必要肥料量の計算(S24
0)を行う。経時的必要肥料量とは、生産地の経時的土
壌供給養分量及び化成肥料の経時的供給養分量を考慮し
た結果、作物の経時的要求養分量を満たすために、施肥
後の各時期に土中に溶出させることが必要となる肥料量
を意味する。経時的必要肥料量は、各時間単位の作物の
経時的要求養分量と各時間単位の生産地の経時的土壌供
給養分量及び化成肥料の経時的供給養分量との差から、
各時期に供給することが必要な養分量を求めた後、肥料
に含まれる養分の割合を考慮して、必要な養分量を肥料
量に換算して求める。求められた経時的必要肥料量は、
作物を栽培する期間を時間単位(例えば5日間)に分割
し、各時間単位毎の必要肥料量の配列として、記憶装置
26に格納される。
【0086】本配合肥料設計方法においては、化成肥料
の肥効を考慮して経時的必要肥料量の計算を行っている
が、化成肥料を用いない場合は考慮しなくてもよい。ま
た、化成肥料を他の肥料と同等に扱い、最適な肥料の組
み合わせ及び各肥料の配合量を決定する工程(S40
0)において、化成肥料の種類及び施肥量を決定しても
よい。
【0087】経時的必要肥料量の計算(S240)を行
った後に、経時的必要肥料量の補正を行うこともできる
(S250)。経時的必要肥料量の補正は、過去の使用
肥料、作物の収量等に基づいて、経時的必要肥料量を計
算する工程(S240)で計算した各時間単位毎の必要
肥料量の一部、あるいは、全部を変更することによって
行う。
【0088】経時的必要肥料量の計算(S200)が終
わると、図2に示すように、地温の経時的変化に伴う肥
料の経時的溶出量の計算(S300)を行う。本工程
(S300)は、一定温度下での肥料群を構成する各肥
料の経時的溶出量と生産地の地温の経時的変化とを用い
て、周囲温度の経時的変化に伴う肥料群を構成する各肥
料の経時的溶出量を計算する工程である。また、本工程
(S300)は、図1に示す配合肥料設計プログラム3
0の溶出量計算ルーチン44によって処理される。本工
程(S300)をさらに詳細に示すと図4に示すように
なる。
【0089】まず、地温の経時的変化の読み出し(S3
10)を行う。ここで、地温の経時的変化とは、年間若
しくは、作物を栽培する期間の各時期の地温を意味す
る。地温の経時的変化は、地域毎に、年間若しくは作物
を栽培する期間を時間単位(例えば5日間)に分割し、
各時間単位毎の地温(各時間単位内での平均地温)の配
列として、気象情報ファイル38に格納されている。な
お、上記気象情報ファイル38には、各地域の過去7年
分の地温の経時的変化、及び、これらの平均が格納され
ており、本工程(S310)では、これらのうちいずれ
かを任意に選択し、これを地温の経時的変化として読み
出す。尚、地温の経時的変化を利用することが困難であ
るときは、気温の経時的変化を地温の経時的変化として
用いることもできる。
【0090】地温の経時的変化の読み出し(S310)
の後に、当該地温の経時的変化の補正を行うこともでき
る(S320)。地温の経時的変化の補正は、天気の長
期予報等に基づいて、地温の経時的変化を読み出す工程
(S310)で読み出された時間単位毎の地温の一部、
あるいは、全部を変更することによって行う。
【0091】続いて、一定の温度における肥料の経時的
溶出量の読み出し(S330)を行う。ここで、一定の
温度における肥料の経時的溶出量とは、周囲温度を一定
に保った状態で、施肥時を起点として収穫が終了する時
までの各時期に、肥料が溶出する量、すなわち、肥料が
土中に供給される量を意味する。肥料の経時的溶出量
は、肥料の種類毎に、また、周囲温度毎に、施肥時を起
点として収穫が終了する時まで期間を時間単位(例えば
5日間)に分割し、各時間単位毎の肥料の溶出量の配列
として、肥料情報ファイル36に格納されている。本工
程(S330)では、肥料情報ファイル36に格納され
ている各肥料、各周囲温度における肥料の経時的溶出量
を読み出す。
【0092】次に、地温の経時的変化に伴う肥料の経時
的溶出量の計算(S340)を行う。生産地の地温が常
に一定であれば、肥料情報ファイル36から読み出した
特定温度における肥料の経時的溶出量をそのまま用いる
ことにより、生産地における実際の肥料の溶出量を簡単
に予測することが可能であるが、生産地の地温は経時的
に変化するため、地温の経時的変化を考慮して実際の肥
料の経時的溶出量を予測しなくてはならない。本工程
(S340)では、地温の経時的変化を読み出す工程
(S310)で読み出した各時間単位毎の地温に、一定
の温度における肥料の経時的溶出量を読み出す工程(S
330)で読み出された、当該地温と等しい温度におけ
る肥料の溶出量が逐次適用され、地温の経時的変化に伴
う肥料の経時的溶出量が計算される。すなわち、各種類
の肥料について、施肥時を起点として収穫が終了する時
まで期間を時間単位(例えば5日間)に分割し、当該生
産地における地温の経時的変化を考慮した、各時間単位
毎の肥料の溶出量の配列が計算され、記憶装置26に格
納される。
【0093】地温の経時的変化に伴う肥料の経時的溶出
量の計算(S300)が終わると、図2に示すように、
最適な肥料の組み合わせ及び各肥料の配合量の決定(S
400)を行う。本工程(S400)は、肥料群の中か
ら選択された2種類以上の肥料を配合してなる配合肥料
の経時的溶出量が、上記の経時的必要肥料量と一致ない
し近似するように、2種類以上の肥料を選択し、かつ、
選択された各肥料の配合量を決定する工程である。な
お、本工程(S400)は、図1に示す配合肥料設計プ
ログラム30の配合肥料設計ルーチン46によって処理
される。本工程(S400)をさらに詳細に示すと図5
に示すようになる。
【0094】本工程(S400)は、初期条件を設定す
る工程(S410)、肥料の組み合わせの候補を決定す
る工程(S420)、選択された肥料の組み合わせにお
ける各肥料の配合量の候補を決定する工程(S43
0)、選択された肥料及び決定された配合量によって構
成された配合肥料の経時的溶出量と経時的必要肥料量と
の一致度を計算する工程(S440)、肥料の組み合わ
せ及び各肥料の配合量の候補の中から最適な肥料の組み
合わせ及び各肥料の配合量を決定する工程(S46
0)、及び、上記計算された一致度を肥料の組み合わせ
に反映させる工程(S450)を含んでいる。
【0095】なお、肥料の組み合わせの候補を決定する
工程(S420)及び一致度を肥料の組み合わせに反映
させる工程(S450)は、図1に示す組み合わせ決定
部48が、選択された肥料の組み合わせにおける各肥料
の配合量の候補を決定する工程(S430)は、配合量
決定部50が、経時的必要肥料量との一致度を計算する
工程(S440)は、一致度計算部52が、最適な肥料
の組み合わせ及び各肥料の配合量を決定する工程(S4
60)は、最適解決定部54がそれぞれ処理することに
なる。
【0096】また、本工程(S400)は、肥料の組み
合わせの候補を決定する工程(S420)及び一致度を
肥料の組み合わせに反映させる工程(S450)では、
肥料群を構成する各肥料に遺伝子を対応させた染色体を
用いた、遺伝的アルゴリズムを用いている。その詳細工
程を図6を用いて説明する。
【0097】本工程(S400)では、まず、最適な肥
料の組み合わせ及び各肥料の配合量を決定するために必
要な種々の初期条件を設定する(S410)。設定すべ
き初期条件としては、以下に示すものがある。第1に、
配合する肥料数Mを設定する。配合する肥料数が多くな
るほど、配合肥料の経時的溶出量を経時的必要肥料量に
近づけることができると期待できるが、解決すべき課題
の欄にも述べたように、設計計算上の制約、配合設備上
の制約、あるいは配合肥料の量の制約等から、配合する
肥料数に制限が加えられる場合が多い。そこで、肥料群
の中から何種類の肥料を選択して配合するかを設定す
る。
【0098】また、上記に示したように、本工程(S4
00)では、肥料の組み合わせの候補を決定する工程
(S420)及び一致度を肥料の組み合わせに反映させ
る工程(S450)で、肥料群を構成する各肥料に遺伝
子を対応させた染色体を用いた、遺伝的アルゴリズムを
用いるため、当該遺伝的アルゴリズムにおいて用いる種
々のパラメータを設定する必要がある。具体的には、各
世代を構成する染色体の数N、遺伝的アルゴリズムを適
用して計算する最大世代数G、遺伝子の突然変異確率
P、染色体の交叉確率Q、交叉に1点交叉を採用する
か、複数点交叉を採用するか等の設定を行う。ここで、
本遺伝的アルゴリズムにおいては、肥料群を構成する各
肥料に遺伝子を対応させた染色体を用いることによっ
て、配合すべき肥料を選択するため、各染色体を構成す
る遺伝子の数Lは、肥料群を構成する肥料の数Kと同数
とする。上記各染色体を構成する遺伝子の数L及び各世
代を形成する染色体の数Nの設定が終わったら、第1世
代を構成する染色体を生成する。染色体の生成は、染色
体中の各遺伝子に対応させて乱数を発生させ、発生した
乱数が所定値以上であれば1、それ以外であれば0を該
当する遺伝子に設定することによって行う。この操作
を、世代を構成する染色体の数Nだけ繰り返し、第1世
代を構成する染色体を生成する。具体的には、第1世代
を構成する染色体(各世代を構成する染色体についても
同様)は、図7に示すような構造となる。ここで、染色
体を構成する各遺伝子は、肥料群を構成する各肥料を表
し、また、遺伝子が1となっていることは、当該肥料が
選択されていることを示す。なお、第1世代を構成する
染色体においては、1である遺伝子の数、すなわち選択
された肥料の数が、配合する肥料数Mと異なっていても
よい。従って、染色体の遺伝子が全て0であってもよ
い。
【0099】初期条件の設定(S410)が終わると、
染色体の配列から肥料の組み合わせの候補を決定する工
程(S421)に進む。肥料の組み合わせの候補の決定
は、単純に、各染色体の配列において、1となっている
遺伝子に対応する肥料を選択することによって行う。従
って、世代を構成するN個の染色体の配列が全て異なる
場合は、肥料の組み合わせの候補がN個決定されること
になる。
【0100】肥料の組み合わせの候補が決定したら(S
421)、これらの肥料の組み合わせにおける各肥料の
配合量の候補を決定する(S430)。配合量の候補を
決定(S430)は、経時的必要肥料量と配合肥料の経
時的溶出量に基づく評価関数の最適化により行うが、決
定方法の詳細は後述する。本工程(S430)では、肥
料の組み合わせの候補の決定工程(S421)によって
決定された、それぞれの肥料の組み合わせの候補に対し
て、各肥料の配合量の候補が1つだけ決定する。
【0101】続いて、上記肥料の組み合わせの候補の決
定工程(S421)によって決定された肥料の組み合わ
せ候補、及び、各肥料の配合量の候補を決定する工程
(S430)によって決定された、肥料の組み合わせ及
び各肥料の配合量の候補を採用した場合の、配合肥料の
経時的溶出量と経時的必要肥料量との一致度を計算する
(S440)。ここでいう一致度fとは、作物に肥料が
必要とされる全期間を時間単位に分割し、各時間単位に
おける必要肥料量と配合肥料の溶出量の差の2乗を上記
全期間にわたって加算したものであり、式(1)で表さ
れる。
【0102】
【数1】
【0103】ここで、ztはt番目の時間単位における
必要肥料量、altは全期間に対するt番目の時間単位に
おける肥料lの溶出割合、xlは肥料lの配合量、Tは
分割した時間単位の総数を表している。一致度fの定義
または式(1)より、一致度fが小さいほど配合肥料の
経時的溶出量が作物の経時的必要肥料量に近く、適切に
配合された配合肥料であることを示す。
【0104】上記各候補の一致度fを計算したら、各候
補、すなわち選択された肥料の組み合わせ及び各肥料の
配合量を、当該候補の一致度fとともに、記憶装置26
に格納しておく。この場合は、全ての候補を格納するこ
ととしてもよいし、一致度fが最も小さい一つの候補の
みを格納することとしてもよい。また、各世代において
決定される候補の一致度fと、格納されている候補の一
致度fとを逐次比較し、一致度fの小さいものから順
に、所定の候補数(例えば一致度が小さい順番に5つ)
の候補を格納しておいてもよい。
【0105】一致度の計算(S440)後に、遺伝的ア
ルゴリズムを最大世代数Gまで繰り返していない場合
は、一致度を用いて次世代を構成する各染色体を生成す
る、すなわち、一致度を肥料の組み合わせに反映させる
工程(S450)に入る。本工程(S450)は、図6
に示すように、各染色体の適応度の計算(S451)、
生き残る染色体の選択(S452)、染色体の交叉(S
453)、染色体の突然変異(S454)の各工程を含
む。
【0106】各染色体の適応度の計算工程(S451)
では、環境に適応した染色体を次世代に残すため、換言
すれば一致度fの小さい候補を次世代に残すために、適
応度gを定義して計算する。ここで、染色体nの適応度
nは、染色体nの一致度fnを用いて、以下の式で表さ
れる。
【0107】
【数2】
【0108】適応度gの考え方を以下に示す。遺伝的ア
ルゴリズムを肥料の組み合わせの決定に適用した場合、
一致度fnの小さい候補を次世代に残すことが好まし
い。しかし、このためには、一致度fnが小さい染色体
ほど適応度gnが大きくなるようにしなくてはならず、
また、一致度fnは0〜∝の範囲をとり得るため、一致
度fnをそのまま適応度gnとすることはできない。そこ
で、以下のような適応度gnを定義することにした。す
なわち、まず一致度fnが所定の上限値fmax未満の場合
にはfnをとり、fmax以上の場合はfmaxをとる関数wn
を設定する。続いて、1≦n≦Nを満たすwnのうちの
最大値をwmaxとし、式(2)に示すような関数unを設
定し、unの指数関数を分母に持つ適応度gnを定義し
た。また、適応度gnは、選択された遺伝子数が配合す
る肥料数M以下のときは、一定の正数値vconをとる関
数vnを含むことにより、選択される肥料の数が、配合
する肥料数Mと等しいかそれ以下である候補が、生き残
りやすくなっている。
【0109】各染色体の適応度の計算(S451)を行
った後、生き残る染色体を選択する(S452)。生き
残る染色体の選択は、各染色体の適応度の計算工程(S
451)で計算された各染色体の適応度gnを用いて、
各染色体が選択される選択確率pnを計算し、現世代を
構成する染色体の中から、次世代を構成する染色体を選
択することによって行う。まず、各染色体が選択される
選択確率pnを計算する。各染色体が選択される選択確
率pnは、式(3)により求められる。
【0110】
【数3】
【0111】式(3)から分かるように、適応度gn
大きい染色体ほど選択確率pnは大きくなる。次に、こ
の選択確率pnを用いて、式(4)に示す累積確率qn
算する。
【0112】
【数4】
【0113】続いて、乱数b(0≦b<1)を発生さ
せ、乱数bが式(5)を満たす場合に、n番目の染色体
を選択する。ただし、ここでq0=0とする。
【0114】
【数5】
【0115】この操作を繰り返すことによって、次世代
を構成する染色体をN個生成する。この操作により、適
応度の小さい染色体は選択確率pnが小さいために選択
されにくくなり、弱い染色体は徐々に淘汰されていく。
【0116】生き残る染色体を選択した(S452)
後、染色体の交叉(S453)を行う。交叉の方法はい
ろいろと考えられるが、本工程(S453)では一点交
叉を採用し、以下に示す手順で行う。まず、交叉する際
に親となる染色体を選択する。親となる染色体の選択
は、各染色体について乱数を発生させ、乱数が交叉確率
Qより小さいものを親として選択する。全ての染色体
(N個)についてこの操作を行い、親として選択された
染色体を順次2つずつのペアとする。選択された染色体
の数が奇数の場合は、再度各染色体について乱数を発生
させて、もう一つの親を選択する。
【0117】親となる染色体が選択されたら、互いにペ
アを組んでいる一方の親(以下親1という)と、他方の
親(以下親2という)の間で交叉を行う。この際、交叉
点の決定は、生き残る染色体の選択工程(S452)で
説明した染色体の選択方法と同様に、各交叉点の候補に
選択確率(この場合は、選択確率は同等とする)を与
え、乱数を発生させることによって交叉点を選択する。
具体的な交叉の操作例を図8に示す。ここで、複数点交
叉を採用する場合は、交叉点を複数個選択すればよい。
【0118】染色体の交叉(S453)続いて、染色体
の突然変異を発生させる(S454)。染色体の突然変
異は、現世代を構成する全ての染色体の全ての遺伝子に
ついて、乱数を発生させ、発生させた乱数が突然変異確
率P以下であれば、当該遺伝子のビットを反転させる。
具体的な突然変異の操作例を図9に示す。
【0119】以上のように、一致度を肥料の組み合わせ
に反映させる工程(S450)によって次世代を構成す
る染色体が決定し、この染色体の配列により新たな肥料
の組み合わせの候補が決定され(S421)、最大世代
数Gまで、同様の処理が繰り返される。
【0120】最大世代数Gまで繰り返した後は、記憶装
置26に記憶された各世代の候補の中から、最も一致度
fの小さい候補、すなわち、最適な肥料の組み合わせ及
び各肥料の配合量が選択され、決定される(S46
0)。この際、最も一致度fの小さい候補のみを選択す
るのではなく、一致度の小さい方から数個(例えば5
個)の候補を選択し、実際の配合肥料は、これらの複数
の候補の中から人間が選択して構成してもよい。
【0121】選択された肥料の組み合わせ及び各肥料の
配合量は、ディスプレイ20を通じて表示される(S5
00) ここで、選択された肥料の組み合わせにおける各肥料の
配合量を決定する工程(S430)について詳細に説明
する。図10は、選択された肥料の組み合わせにおける
各肥料の配合量を決定する工程(S430)を表すフロ
ーチャートである。選択された肥料の組み合わせにおけ
る各肥料の配合量の決定は、非線形の最適化アルゴリズ
ムを用いて、所定の評価関数を最適化することによって
行う(S433)。しかし、非線形の最適化アルゴリズ
ムを用いて、所定の評価関数を最適化するときには、適
切な初期値を選択すれば最適解を求めることが可能とな
るが、初期値が適切でないと、解がローカルミニマム
(極小値)に収束してしまい、最適解を得ることができ
ない場合が多い。そこで、本工程(S430)では、肥
料の組み合わせの決定と同様に、初期値の決定にも遺伝
的アルゴリズムを採用し、最適解を求めることとした。
以下、手順を説明する。
【0122】本工程(S430)においても、まず、肥
料の組み合わせの決定時と同様に、最適な初期値を決定
するために必要な種々の初期条件を設定する(S43
1)。設定すべき初期条件としては、各世代を構成する
染色体の数N’、遺伝的アルゴリズムを適用して計算す
る最大世代数G’、遺伝子の突然変異確率P’、染色体
の交叉確率Q’、交叉に1点交叉を採用するか、複数点
交叉を採用するか等の設定を行う。ここで、本遺伝的ア
ルゴリズムにおいては、肥料の組み合わせの候補の決定
工程(S420)で選択された各肥料の配合量の初期値
をビット表現し、このビットを遺伝子に対応させた染色
体を用いる。従って、配合量の初期値を4ビットで表現
するとすれば、各染色体を構成する遺伝子の数L’は、
肥料の組み合わせの候補の決定工程(S420)で選択
された肥料の数Rの4倍となる。
【0123】各染色体を構成する遺伝子の数L’を設定
したら、第1世代を構成する染色体を生成する。染色体
の生成は、肥料の組み合わせの決定時と同様に染色体中
の各遺伝子に対して乱数を発生させ、発生した乱数が所
定値以上であれば1、それ以外であれば0を該当する遺
伝子に設定することによって行う。この操作を、世代を
構成する染色体の数N’だけ繰り返し、第1世代を構成
する染色体を生成する。具体的には、第1世代を構成す
る染色体(各世代を構成する染色体についても同様)
は、図11に示すようになる。尚、染色体1の下側に記
載された括弧内の数字は、各肥料の配合量の初期値の4
ビット表現を10進表現で表したものである。
【0124】上記各肥料の配合量の初期値の4ビット表
現と、実際の配合量の初期値との対応づけ、すなわち染
色体の配列から肥料の配合量の初期値の決定は以下のよ
うに行う(S432)。まず、R個の選択された肥料の
うち、r番目の肥料を単独で施肥した場合に、作物を栽
培する全期間を通じて、各時間単位毎のr番目の肥料の
溶出量が必要肥料量を越えないような、最大施肥量をm
rとする。初期の配合量をmrより大きいものとすれば、
少なくとも一部の時期においては肥料の過剰供給となる
ので、各肥料の配合量の初期値としては0〜mrまでの
範囲とすることが適切である。よって、r番目の肥料の
初期値の4ビット表現を10進表現したものをdrとす
ると、r番目の肥料の配合量の初期値arはdrとmr
用いて、式(6)の如く表される。
【0125】
【数6】
【0126】肥料の配合量の初期値が決定したら(S4
32)、評価関数の最適化を行う(S433)。ここ
で、評価関数Fは、式(1)で表される一致度を評価関
数として用いる。すなわち、評価関数Fは、式(7)で
表される。
【0127】
【数7】
【0128】上記評価関数Fを用いると、F=0のとき
が、配合肥料の経時的溶出量と経時的必要肥料量が完全
に一致する場合であり、また、Fが小さい方が配合肥料
の経時的溶出量と経時的必要肥料量の誤差が小さいこと
を意味する。従って、本工程(S433)では、この評
価関数Fを最小化するような、各肥料の配合量を決定す
る。
【0129】評価関数Fを最小化する具体的な手法は、
最急勾配法、滑降シンプレックス法、Powell法、
共役勾配法、準ニュートン法など、一般に知られる非線
形最適化法を用いればよい。
【0130】また、評価関数としては、式(7)で示し
た評価関数Fのみならず、目的に応じて変化させること
ができる。例えば、肥料の与えすぎを防止する機能を持
たせた関数でもよい。また、特に作物の成長をコントロ
ールするため、肥料の量を制御すべき時期には、その期
間に適当な重みをつけた関数を用いることが好適であ
る。
【0131】以下、経時的必要量との一致度の計算(S
434)、各染色体の適応度の計算(S435)、生き
残る染色体の選択(S436)、染色体の交叉(S43
7)染色体の突然変異(S438)の各工程について
は、肥料の組み合わせの決定時と同様である。
【0132】続いて、本実施形態にかかる配合肥料設計
システム及び配合肥料設計方法の効果について説明す
る。本実施形態にかかるの配合肥料設計システム及び配
合肥料設計方法は、肥料群の中から選択された2種類以
上の肥料を配合してなる配合肥料の経時的溶出量が経時
的必要肥料量と一致ないし近似するように、2種類以上
の肥料を選択し、かつ、選択された各肥料の配合量を決
定することで、多種の肥料の中から適切な種類の肥料を
選択し、かつ、選択された各肥料の適切な配合量を決定
することができる。その結果、農作物の経時的必要肥料
量にきめ細かく適合した配合肥料を構成することが可能
となる。
【0133】また、本実施形態にかかる配合肥料設計シ
ステム及び配合肥料設計方法は、作物の経時的要求養分
量と生産地の経時的土壌供給養分量とを用いて作物の生
育に必要な経時的必要肥料量を計算することにより、各
生産地の地力を考慮した経時的必要肥料量を計算するこ
とができるとともに、一定温度下での肥料群を構成する
各肥料の経時的溶出量と生産地の地温の経時的変化とを
用いて周囲温度の経時的変化に伴う肥料群を構成する各
肥料の経時的溶出量を計算することにより、生産地の地
温を考慮した経時的必要肥料量を計算することができ
る。
【0134】さらに、本実施形態にかかる配合肥料設計
システム及び配合肥料設計方法は、各肥料に遺伝子を対
応させた染色体を用いた、遺伝的アルゴリズムによって
肥料を選択することにより、選択可能な肥料の数が多く
ても、高速かつ適切に配合する肥料を選択することがで
きる。
【0135】また、本実施形態にかかる配合肥料設計シ
ステム及び配合肥料設計方法は、選択された各肥料の配
合量を経時的必要肥料量と配合肥料の経時的溶出量に基
づく評価関数の最適化手法により決定するため、各肥料
の適切な配合量を決定することができる。併せて、最適
化手法を用いる際の初期値を決定するために、各肥料の
配合量の初期値に遺伝子を対応させた染色体を用いた、
遺伝的アルゴリズムを用いているため、適切な初期値を
高速に選択でき、得られる解がローカルミニマム(極小
値)になることを防止することができる。
【0136】本実施形態において、最適な肥料の組み合
わせ及び各肥料の配合量の決定(S400)は、図12
に示すようなものであってもよい。すなわち、上記実施
形態においては、肥料の組み合わせの候補を遺伝的アル
ゴリズムによって決定していたが、選択しうる肥料の組
み合わせの候補を順次選択し(S620)、各候補につ
いて各肥料の配合量を決定し(S630)、一致度を計
算し(S640)、一致度の小さいものを最適な肥料の
組み合わせ及び最適な配合量とする(S650)方法で
ある。
【0137】この方法は、肥料の種類の数が多い場合
は、計算時間が大きくなるが、肥料の数が少ない場合
は、より適切な肥料の組み合わせ及びその配合量を求め
ることが可能となる。
【0138】また、本実施形態において、最適な肥料の
組み合わせ及び各肥料の配合量の決定(S400)は、
図13に示すようなものであってもよい。すなわち、選
択しうる肥料の組み合わせの乱数によって決定する方法
である。具体的には、選択しうる各肥料について、乱数
を発生させ、乱数が所定の値以上のときは当該肥料を選
択し、それ以外は選択しないこととする(S721)。
この方法によって選択された肥料の数が最大肥料数以下
であれば、当該選択された肥料を肥料の組み合わせ候補
とする(S722)。一方、選択された肥料の数が最大
肥料数以上であれば、再度各肥料について乱数を発生さ
せ、選択される肥料を決定する、といった制約条件を設
ける。その後、選択された肥料の組み合わせの候補につ
いて、各肥料の配合量を決定し(S730)、一致度を
計算する(S740)。この操作を、所定の繰り返し回
数だけ繰り返した後、一致度の小さいものを最適な肥料
の組み合わせ及び最適な配合量とする(S750)。こ
の方法を用いると、肥料の種類の数が多い場合でも、短
い計算時間で適切な肥料の組み合わせ及びその配合量を
求めることが可能となる。
【0139】また、本実施形態において、各肥料の配合
量の候補の決定(S430)は、評価関数の最適化(S
433)によって行っていたが、これは、乱数によって
決定してもよい。すなわち、乱数により各肥料の配合量
を決定し、この操作を何回か繰り返す中で一致度が最も
小さくなるようなものを、各肥料の配合量の候補として
決定してもよい。この方法を用いると、短い計算時間で
肥料の配合量を決定することができる。
【0140】最後に、本発明の実施形態に用いられる配
合肥料設計プログラムを記録した記録媒体について説明
する。図14は、本発明の実施形態に用いられる記録媒
体56の構成図である。図14に示すように、記録媒体
56は、プログラムを記録するプログラム領域56a及
びファイルを記録するファイル領域56bを備えてい
る。
【0141】プログラム領域56aには、配合肥料設計
プログラム30が記録されている。配合肥料設計プログ
ラム30は、プログラム全体を統合するメインルーチン
40、作物の生育に必要な経時的必要肥料量を計算する
必要肥料量計算ルーチン42、周囲温度の経時的変化に
伴う肥料の経時的溶出量を計算する溶出量計算ルーチン
44、肥料群の中から選択された2種類以上の肥料を配
合してなる配合肥料の経時的溶出量が経時的必要肥料量
と一致ないし近似するように、2種類以上の肥料を選択
し、かつ、選択された各肥料の配合量を決定する配合肥
料設計ルーチン46とを有している。
【0142】さらに、配合肥料設計ルーチン46は、肥
料の組み合わせの候補を決定する組み合わせ決定部4
8、選択された肥料の組み合わせにおける各肥料の配合
量の候補を決定する配合量決定部50、選択された肥料
及び決定された配合量によって構成された配合肥料の経
時的溶出量と経時的必要肥料量との一致度を計算する一
致度計算部52、肥料の組み合わせの候補及び各肥料の
配合量の候補の中から最適な候補を選択する最適解決定
部54を含んでいる。
【0143】ファイル領域56bには、作物の経時的要
求養分量が格納された作物情報ファイル32、生産地の
経時的土壌供給養分量が格納された地力情報ファイル3
4、一定温度下での肥料群を構成する各肥料の経時的溶
出量が格納された肥料情報ファイル36と、生産地の地
温の経時的変化が格納された気象情報ファイル38が格
納されている。
【0144】記録媒体56としては、例えば、フレキシ
ブルディスクやCD−ROMなど、円盤形記録媒体が用
いられる。また、磁気テープなどのテープ型記録媒体を
用いてもよい。
【0145】記録媒体56は、図15及び図16に示す
情報処理装置で用いることができる。つまり、情報処理
装置60は、媒体ドライブ装置58を備えており、この
媒体ドライブ装置58に記録媒体56を収納することが
できる。そして、この収納によって、記録媒体56に記
録された情報は、媒体ドライブ装置58でアクセス可能
となる。このため、プログラム領域56aに記録され
た、配合肥料設計プログラム30が情報処理装置60で
実行できるようになるとともに、ファイル領域56bに
記録された各ファイルが情報処理装置60で利用できる
ようになる。
【0146】この情報処理装置60の構成は、次の通り
である。まず、上述の媒体ドライブ装置58と、各肥料
の配合量等を示す画像データを記憶する画像メモリ22
と、オペレーティングシステム(OS)を常駐した作業
用メモリ(内部メモリ)24と、表示手段であるディス
プレイ20を備えている。また、初期情報の入力等を行
うためのマウス14及びキーボード16を有する入力手
段である入力装置18と、画像データ等を出力するプリ
ンタ25と、配合肥料設計プログラム30の実行等を制
御するCPU12とを備えている。
【0147】媒体ドライブ装置58としては、記録媒体
56に対応して、フレキシブルディスクドライブ装置、
CD−ROMドライブ装置、あるいは磁気テープドライ
ブ装置などが用いられる。
【0148】次に、記録媒体56のプログラム領域56
aに記録された配合肥料設計プログラム30の処理につ
いて説明する。この処理は、媒体ドライブ装置58によ
り読み出された配合肥料設計プログラム30を、実行さ
せることによって行われる。この実行によって、まず、
配合肥料設計プログラム30のメインルーチン40が起
動される。
【0149】なお、その後の各ルーチンの処理は、上記
実施形態の説明及び図2〜図11をもちいて説明した通
りである。
【0150】
【実施例】(1)第1の実施例 上記実施形態にかかる配合肥料設計方法の第1の実施例
を以下に示す。ここで、本配合肥料設計方法の有効性の
検証は、作物の経時的必要肥料量と本配合肥料設計方法
によって設計した配合肥料の経時的溶出量とを比較する
ことよって成しうるが、配合肥料の経時的溶出量の実測
値を得るためには長期間を要し、実際上極めて困難であ
る。そこで、本実施例ではまず、複数種類の肥料を所定
量ずつ配合した配合肥料の経時的溶出量を所定の経時的
な地温変化の下で計算し、この経時的溶出量を経時的必
要肥料量と仮定する。その後、本配合肥料設計方法を用
いて、配合肥料の経時的溶出量が上記のように仮定した
経時的必要肥料量と一致ないし近似するように配合肥料
の組み合わせ及び各肥料の配合量の決定を試みる。
【0151】作物の生産地は栃木県宇都宮市とし、配合
肥料の施肥時期は5月10日とする。また、肥料群を構
成する肥料は、20日タイプ、40日タイプ、60日タ
イプ、80日タイプ、100日タイプ、120日タイ
プ、140日タイプ、160日タイプの計8種類の被覆
窒素肥料とする(K=8)。ここで、y日タイプの肥料
とは、当該肥料を25℃の水中に放置した場合に、窒素
成分の80%が水中に溶出するのにy日かかる肥料であ
ることを意味する。
【0152】本来は、経時的必要肥料量の計算工程(S
200)において、作物の経時的要求養分量、生産地の
経時的土壌供給養分量、化成肥料の経時的供給養分量を
考慮して経時的必要肥料量を計算するが、本実施例にお
いては、以下のように経時的必要肥料量を計算する。す
なわち、20日タイプを20、100日タイプを50、
120日タイプを30だけ配合した配合肥料の経時的溶
出量を、作物の生産地である栃木県宇都宮市の過去7年
間の平均気温の経時的変化に基づいて計算する。尚、説
明の便宜上、肥料量の詳細な単位は省略する。この計算
された配合肥料の経時的溶出量を、経時的必要肥料量と
して以下の処理を行う。ここで、実際の計算は、施肥時
期(5月10日)を起点として収穫が終了する時までの
180日間を全期間とし、この期間を5日間毎の時間単
位に分割して行っている(以下の計算において同じ)。
その結果、経時的必要肥料量は図17に示すようにな
る。
【0153】地温の経時的変化に伴う肥料の経時的溶出
量の計算工程(S300)では、作物の生産地である栃
木県宇都宮市の過去7年分の気温の経時的変化の平均値
を地温の経時的変化として用いている。
【0154】配合する肥料の種類の数M=3とした。ま
た、肥料の組み合わせの候補を決定するための遺伝的ア
ルゴリズムのパラメータは、各世代を構成する染色体の
数N=10、遺伝的アルゴリズムを適用して計算する最
大世代数G=10、遺伝子の突然変異確率P=0.1、
染色体の交叉確率Q=0.25とし、交叉には1点交叉
を採用した。
【0155】適応度の計算工程(S451)においては
max=10000、vcon=0.2とした。
【0156】また、肥料の配合量の初期値を決定するた
めの遺伝的アルゴリズムのパラメータは、各世代を構成
する染色体の数N’=10、遺伝的アルゴリズムを適用
して計算する最大世代数G’=3、遺伝子の突然変異確
率P’=0.1、染色体の交叉確率Q’=0.25と
し、交叉には1点交叉を採用した。
【0157】さらに、評価関数Fを最小化する具体的な
手法としては、準ニュートン法の1方法として知られる
BFGS(Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno)法を用い
た。
【0158】このようにして、一致度の小さい方から5
つの候補を決定した。その結果を、表1に示す。
【0159】
【表1】
【0160】表1から分かるように、候補1に関して
は、経時的必要肥料量との一致度が0となっており、経
時的必要肥料量を設定するために配合した配合肥料をほ
ぼ完全に再現していることから、本配合肥料設計方法の
有効性が確認できる。また、候補1以外の肥料の組み合
わせにおいても、経時的必要肥料量に近似した経時的溶
出量を実現できる配合量を決定できることが分かる。図
18に、候補1における各肥料の経時的溶出量及び配合
肥料全体の経時的溶出量を示す。図18に示すパターン
は、図17に示すパターンとほぼ同等になっていること
が分かる。
【0161】(2)第2の実施例 上記実施形態にかかる配合肥料設計方法の第2の実施例
を以下に示す。ここで、本配合肥料設計方法の有効性の
検証は、作物の経時的必要肥料量と本配合肥料設計方法
によって設計した配合肥料の経時的溶出量とを比較する
ことよって成しうるが、配合肥料の経時的溶出量の実測
値を得るためには長期間を要し、実際上極めて困難であ
ることは、上記に述べたとおりである。そこで、本実施
例では、試行錯誤によって配合された配合肥料のうち、
実際の施肥により特に作物の収量がよかった配合肥料の
一致度と、これと同一の環境下で本配合肥料設計方法に
よって設計した配合肥料の一致度とを比較することを試
みる。尚、本実施形態において肥料量とは、窒素量を意
味する。
【0162】まず、作物の収量を調べるための圃場試験
について説明する。圃場試験は、兵庫県加西市におい
て、水稲(銘柄:日本晴)を栽培することによって行っ
た。施肥時期は6月16日、収穫時期は10月12日で
ある。施肥する配合肥料としては、試行錯誤により特に
収量を上げることが期待できる配合肥料である、80日
タイプの肥料を4.2kg/10a、100日タイプの
肥料を1.2kg/10a、120日タイプの肥料を
0.6kg/10aの割合で混合した配合肥料を施肥し
たもの(サンプル1)について、玄米の収量を調査し
た。また、比較のため、全く施肥しない状態で栽培した
もの(サンプル2)、80日タイプの肥料を6.0kg
/10aだけ施肥したもの(サンプル3)、120日タ
イプの肥料を6.0kg/10aだけ施肥したもの(サ
ンプル4)、140日タイプの肥料を6.0kg/10
aだけ施肥したもの(サンプル5)についても同様に、
玄米の収量を調査した。なお、サンプル2以外は、2.
4kg/10a化成肥料も併せて使用している。その結
果、表2に示すように、サンプル1における玄米収量が
特に良好であった。
【0163】
【表2】
【0164】図19は、サンプル1の配合肥料の経時的
溶出量を経時的必要肥料量とともに示したグラフであ
る。サンプル1の経時的溶出量は、経時的必要肥料量と
比較的近似しており、一致度は0.027115とな
る。
【0165】続いて、上記圃場試験と同様の環境で水稲
を育てる場合の最適な配合肥料の組み合わせ及び各肥料
の配合量を、本配合肥料設計方法により設計した。作物
の生産地は兵庫県加西市とし、配合肥料の施肥時期は6
月16日とする。また、肥料群を構成する肥料は、20
日タイプ、40日タイプ、60日タイプ、80日タイ
プ、100日タイプ、120日タイプ、140日タイ
プ、160日タイプの計8種類の被覆肥料とする(K=
8)。
【0166】地温の経時的変化に伴う肥料の経時的溶出
量の計算工程(S300)では、作物の生産地である兵
庫県加西市における、上記圃場試験実施年の気温の経時
的変化を地温の経時的変化として用いている。
【0167】配合する肥料の種類の数M=3とした。ま
た、肥料の組み合わせの候補を決定するための遺伝的ア
ルゴリズムのパラメータは、各世代を構成する染色体の
数N=10、遺伝的アルゴリズムを適用して計算する最
大世代数G=4、遺伝子の突然変異確率P=0.1、染
色体の交叉確率Q=0.25とし、交叉には1点交叉を
採用した。
【0168】適応度の計算工程(S451)においては
max=10、vcon=0.2とした。
【0169】また、肥料の配合量の初期値を決定するた
めの遺伝的アルゴリズムのパラメータは、各世代を構成
する染色体の数N’=10、遺伝的アルゴリズムを適用
して計算する最大世代数G’=30、遺伝子の突然変異
確率P’=0.1、染色体の交叉確率Q’=0.25と
し、交叉には1点交叉を採用した。
【0170】さらに、評価関数Fを最小化する具体的な
手法としては、準ニュートン法の1方法として知られる
BFGS(Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno)法を用い
た。
【0171】このようにして、一致度の小さい方から5
つの候補を決定した。その結果を、表3に示す。
【0172】
【表3】
【0173】表3によると、候補4の配合肥料は、選択
された肥料の数は5であり、M(=3)と比較して大き
いが、140日タイプ及び160日タイプの配合量は極
めて小さいため、実際上無視してもよいと考えられる。
従って、候補4の配合肥料は、この年に玄米収量が特に
良好であったサンプル1の配合肥料の組成を精度よく再
現している。図20に、候補4の配合肥料の経時的溶出
量を経時的必要肥料量とともに示す。
【0174】また、各候補の一致度は、サンプル1の一
致度と比較して小さく、サンプル1よりも経時的必要肥
料量を精度よく再現することができると期待でき、本配
合肥料設計方法の有効性が確認できる。
【0175】特に、候補3は、2種類という少ない数の
肥料を用いて、一致度の小さい配合肥料を構成すること
ができることを示している。図21に、候補3の配合肥
料の経時的溶出量を経時的必要肥料量とともに示す。
【0176】上記結果から、試行錯誤によって配合する
肥料の組み合わせを決定し、各肥料の配合量を決定する
方法と比較して、本配合肥料設計方法を用いる方が、効
率よく収量を上げることができる。
【0177】
【発明の効果】本発明の配合肥料設計システム、配合肥
料設計方法及び配合肥料設計プログラムを記録した記録
媒体は、肥料群の中から選択された2種類以上の肥料を
配合してなる配合肥料の経時的溶出量が経時的必要肥料
量と一致ないし近似するように、2種類以上の肥料を選
択し、かつ、選択された各肥料の配合量を決定すること
で、多種の肥料の中から適切な種類の肥料を選択し、か
つ、選択された各肥料の適切な配合量を決定することが
できる。その結果、農作物の経時的必要肥料量にきめ細
かく適合した配合肥料を構成することが可能となる。
【0178】また、作物の経時的要求養分量と生産地の
経時的土壌供給養分量とを用いて作物の生育に必要な経
時的必要肥料量を計算することにより、各生産地の地力
を考慮した経時的必要肥料量を計算することができると
ともに、一定温度下での肥料群を構成する各肥料の経時
的溶出量と生産地の地温の経時的変化とを用いて周囲温
度の経時的変化に伴う肥料の経時的溶出量を計算するこ
とにより、生産地の地温を考慮した経時的必要肥料量を
計算することができる。
【0179】さらに、各肥料に遺伝子を対応させた染色
体を用いた、遺伝的アルゴリズムによって肥料を選択す
ることにより、肥料群を構成する肥料の数が多くても、
高速かつ適切に配合する肥料を選択することができる。
【0180】また、本実施形態にかかる配合肥料設計シ
ステム及び配合肥料設計方法は、選択された各肥料の配
合量を経時的必要肥料量と配合肥料の経時的溶出量に基
づく評価関数の最適化手法により決定するため、各肥料
の適切な配合量を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる配合肥料設計システ
ムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる配合肥料設計方法の
工程図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる配合肥料設計方法の
工程図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる配合肥料設計方法の
工程図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる配合肥料設計方法の
工程図である。
【図6】本発明の実施形態にかかる配合肥料設計方法の
工程図である。
【図7】染色体における遺伝子の配列の説明図である。
【図8】染色体の交叉の操作例を示した図である。
【図9】染色体の突然変異の操作例を示した図である。
【図10】本発明の実施形態にかかる配合肥料設計方法
の工程図である。
【図11】染色体における遺伝子の配列の説明図であ
る。
【図12】本発明の実施形態にかかる配合肥料設計方法
の工程図である。
【図13】本発明の実施形態にかかる配合肥料設計方法
の工程図である。
【図14】本発明の実施形態にかかる配合肥料設計プロ
グラムを記録した記録媒体の構成図である。
【図15】本発明の実施形態にかかる配合肥料設計プロ
グラムを記録した記録媒体を用いるための情報処理装置
の構成図である。
【図16】本発明の実施形態にかかる配合肥料設計プロ
グラムを記録した記録媒体を用いるための情報処理装置
の構成図である。
【図17】経時的必要肥料量を示すグラフである。
【図18】各肥料及び配合肥料の経時的溶出量を示すグ
ラフである。
【図19】配合肥料の経時的溶出量を示すグラフであ
る。
【図20】配合肥料の経時的溶出量を示すグラフであ
る。
【図21】配合肥料の経時的溶出量を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10…配合肥料設計システム、12…CPU、14…マ
ウス、16…キーボード、18…入力装置、20…ディ
スプレイ、22…画像メモリ、24…作業用メモリ、2
5…プリンタ、26…記憶装置、28…OS、30…配
合肥料設計プログラム、32…作物情報ファイル、34
…地力情報ファイル、36…肥料情報ファイル、38…
気象情報ファイル、40…メインルーチン、42…必要
肥料量計算ルーチン、44…溶出量計算ルーチン、46
…配合肥料設計ルーチン、48…組み合わせ決定部、5
0…配合量決定部、52…一致度計算部、54…最適解
決定部、56…記録媒体、58…媒体ドライブ装置、6
0…情報処理装置

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作物の生育に必要な経時的必要肥料量を
    計算する第1の手段と、 周囲温度の経時的変化に伴う肥料の経時的溶出量を計算
    する第2の手段と、 肥料群の中から選択された2種類以上の肥料を配合して
    なる配合肥料の経時的溶出量が前記経時的必要肥料量と
    一致ないし近似するように、2種類以上の肥料を選択
    し、かつ、選択された各肥料の配合量を決定する第3の
    手段と、 前記選択された各肥料の配合量を表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とする配合肥料設計システム。
  2. 【請求項2】 前記第1の手段は、 作物の経時的要求養分量と、 生産地の経時的土壌供給養分量と、を用いて、作物の生
    育に必要な経時的必要肥料量を計算する、ことを特徴と
    する請求項1に記載の配合肥料設計システム。
  3. 【請求項3】 記憶手段をさらに有し、 前記記憶手段は、 前記作物の経時的要求養分量が格納された作物情報ファ
    イルと、 前記生産地の経時的土壌供給養分量が格納された地力情
    報ファイルと、を備えたことを特徴とする請求項2に記
    載の配合肥料設計システム。
  4. 【請求項4】 前記第2の手段は、 一定温度下での前記肥料群を構成する各肥料の経時的溶
    出量と、 生産地の地温の経時的変化と、を用いて、周囲温度の経
    時的変化に伴う前記肥料群を構成する各肥料の経時的溶
    出量を計算する、 ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    配合肥料設計システム。
  5. 【請求項5】 記憶手段をさらに有し、 前記記憶手段は、 前記一定温度下での前記肥料群を構成する各肥料の経時
    的溶出量が格納された肥料情報ファイルと、 前記生産地の地温の経時的変化が格納された気象情報フ
    ァイルと、を備えたことを特徴とする請求項4に記載の
    配合肥料設計システム。
  6. 【請求項6】 前記第3の手段は、 前記2種類以上の肥料の組み合わせの候補を決定する第
    4の手段と、 前記第4の手段によって決定された肥料の組み合わせに
    おける各肥料の配合量の候補を決定する第5の手段と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記配合量の候
    補からなる配合肥料の経時的溶出量と前記経時的必要肥
    料量との一致度を計算する第6の手段と、 前記肥料群を構成する各肥料に遺伝子を対応させた染色
    体を用いた遺伝的アルゴリズムを用いて、前記一致度
    を、肥料の組み合わせの他の候補の決定に反映させる第
    7の手段と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記各肥料の配
    合量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、および、
    各肥料の配合量を決定する第8の手段と、を有すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の配合
    肥料設計システム。
  7. 【請求項7】 前記第3の手段は、 選択可能な前記2種類以上の肥料の組み合わせの候補を
    順次選択する第9の手段と、 前記第9の手段によって選択された肥料の組み合わせに
    おける各肥料の配合量の候補を決定する第10の手段
    と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記配合量の候
    補からなる配合肥料の経時的溶出量と前記経時的必要肥
    料量との一致度を計算する第6の手段と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記各肥料の配
    合量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、および、
    各肥料の配合量を決定する第8の手段と、を有すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の配合
    肥料設計システム。
  8. 【請求項8】 前記第3の手段は、 配合する肥料数に関する制約条件の下で発生させた乱数
    に基づいて、前記2種類以上の肥料の組み合わせの候補
    を決定する第11の手段と、 前記第11の手段によって選択された肥料の組み合わせ
    における各肥料の配合量の候補を決定する第12の手段
    と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記配合量の候
    補からなる配合肥料の経時的溶出量と前記経時的必要肥
    料量との一致度を計算する第6の手段と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記各肥料の配
    合量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、および、
    各肥料の配合量を決定する第8の手段と、を有すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の配合
    肥料設計システム。
  9. 【請求項9】 前記選択された各肥料の配合量は、 前記経時的必要肥料量と前記選択された各肥料からなる
    配合肥料の経時的溶出量に基づく評価関数の最適化によ
    り決定する、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    1項に記載の配合肥料設計システム。
  10. 【請求項10】 前記評価関数は、作物に肥料が必要と
    される全期間を微小期間に分割し、各微小期間における
    必要肥料量と前記選択された各肥料からなる配合肥料の
    溶出量の差の2乗を前記全期間にわたって加算したもの
    である、ことを特徴とする請求項9に記載の配合肥料設
    計システム。
  11. 【請求項11】 前記選択された各肥料の配合量は、乱
    数により決定される、ことを特徴とする請求項1〜8の
    いずれか1項に記載の配合肥料設計システム。
  12. 【請求項12】 作物の生育に必要な経時的必要肥料量
    を計算する第1の工程と、 周囲温度の経時的変化に伴う肥料の経時的溶出量を計算
    する第2の工程と、 肥料群の中から選択された2種類以上の肥料を配合して
    なる配合肥料の経時的溶出量が前記経時的必要肥料量と
    一致ないし近似するように、2種類以上の肥料を選択
    し、かつ、選択された各肥料の配合量を決定する第3の
    工程と、を備えたことを特徴とする配合肥料設計方法。
  13. 【請求項13】 前記第1の工程は、 作物の経時的要求養分量と、 生産地の経時的土壌供給養分量と、を用いて、作物の生
    育に必要な経時的必要肥料量を計算する、ことを特徴と
    する請求項12に記載の配合肥料設計方法。
  14. 【請求項14】前記配合肥料設計方法は、 記憶手段を有する情報処理装置を用いて実施され、 前記記憶手段は、 前記作物の経時的要求養分量が格納された作物情報ファ
    イルと、 前記生産地の経時的土壌供給養分量が格納された地力情
    報ファイルと、を備えたことを特徴とする請求項13に
    記載の配合肥料設計方法。
  15. 【請求項15】 前記第2の工程は、 一定温度下での前記肥料群を構成する各肥料の経時的溶
    出量と、 生産地の地温の経時的変化と、を用いて、周囲温度の経
    時的変化に伴う前記肥料群を構成する各肥料の経時的溶
    出量を計算する、ことを特徴とする請求項12〜14の
    いずれか1項に記載の配合肥料設計方法。
  16. 【請求項16】前記配合肥料設計方法は、 記憶手段を有する情報処理装置を用いて実施され、 前記記憶手段は、 前記一定温度下での前記肥料群を構成する各肥料の経時
    的溶出量が格納された肥料情報ファイルと、 前記生産地の地温の経時的変化が格納された気象情報フ
    ァイルと、を備えたことを特徴とする請求項15に記載
    の配合肥料設計方法。
  17. 【請求項17】 前記第3の工程は、 前記2種類以上の肥料の組み合わせの候補を決定する第
    4の工程と、 前記第4の工程によって決定された肥料の組み合わせに
    おける各肥料の配合量の候補を決定する第5の工程と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記配合量の候
    補からなる配合肥料の経時的溶出量と前記経時的必要肥
    料量との一致度を計算する第6の工程と、 前記肥料群を構成する各肥料に遺伝子を対応させた染色
    体を用いた遺伝的アルゴリズムを用いて、前記一致度
    を、肥料の組み合わせの他の候補の決定に反映させる第
    7の工程と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記各肥料の配
    合量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、および、
    各肥料の配合量を決定する第8の工程と、を有すること
    を特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載の
    配合肥料設計方法。
  18. 【請求項18】 前記第3の工程は、 選択可能な前記2種類以上の肥料の組み合わせの候補を
    順次選択する第9の工程と、 前記第9の工程によって選択された肥料の組み合わせに
    おける各肥料の配合量の候補を決定する第10の工程
    と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記配合量の候
    補からなる配合肥料の経時的溶出量と前記経時的必要肥
    料量との一致度を計算する第6の工程と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記各肥料の配
    合量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、および、
    各肥料の配合量を決定する第8の工程と、を有すること
    を特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載の
    配合肥料設計方法。
  19. 【請求項19】 前記第3の工程は、 配合する肥料数に関する制約条件の下で発生させた乱数
    に基づいて、前記2種類以上の肥料の組み合わせの候補
    を決定する第11の工程と、 前記第11の工程によって選択された肥料の組み合わせ
    における各肥料の配合量の候補を決定する第12の工程
    と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記配合量の候
    補からなる配合肥料の経時的溶出量と前記経時的必要肥
    料量との一致度を計算する第6の工程と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記各肥料の配
    合量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、および、
    各肥料の配合量を決定する第8の工程と、を有すること
    を特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載の
    配合肥料設計方法。
  20. 【請求項20】 前記選択された各肥料の配合量は、 前記経時的必要肥料量と前記選択された各肥料からなる
    配合肥料の経時的溶出量に基づく評価関数の最適化によ
    り決定する、ことを特徴とする請求項12〜19のいず
    れか1項に記載の配合肥料設計方法。
  21. 【請求項21】 前記評価関数は、作物に肥料が必要と
    される全期間を微小期間に分割し、各微小期間における
    必要肥料量と前記選択された各肥料からなる配合肥料の
    溶出量の差の2乗を前記全期間にわたって加算したもの
    である、ことを特徴とする請求項20に記載の配合肥料
    設計方法。
  22. 【請求項22】 前記選択された各肥料の配合量は、乱
    数により決定される、ことを特徴とする請求項12〜1
    9のいずれか1項に記載の配合肥料設計方法。
  23. 【請求項23】 入力手段と、表示手段と、情報を読み
    出す読み出し手段と、を備える情報処理装置で用いら
    れ、かつ、記録された情報が前記読み出し手段によって
    読み出される記録媒体において、 前記記録媒体は、プログラムを記録するプログラム領域
    を有し、 前記プログラム領域には、混合肥料設計プログラムが記
    録されており、 前記混合肥料設計プログラムは、 作物の生育に必要な経時的必要肥料量を計算する第1の
    ルーチンと、 周囲温度の経時的変化に伴う肥料の経時的溶出量を計算
    する第2のルーチンと、 肥料群の中から選択された2種類以上の肥料を配合して
    なる配合肥料の経時的溶出量が前記経時的必要肥料量と
    一致ないし近似するように、2種類以上の肥料を選択
    し、かつ、選択された各肥料の配合量を決定する第3の
    ルーチンと、を備えたことを特徴とする配合肥料設計プ
    ログラムを記録した記録媒体。
  24. 【請求項24】 前記第1のルーチンは、 作物の経時的要求養分量と、 生産地の経時的土壌供給養分量と、を用いて、作物の生
    育に必要な経時的必要肥料量を計算する、ことを特徴と
    する請求項23に記載の配合肥料設計プログラムを記録
    した記録媒体。
  25. 【請求項25】 ファイルを記録するファイル領域をさ
    らに有し、 前記ファイル領域には、 前記作物の経時的要求養分量が格納された作物情報ファ
    イルと、 前記生産地の経時的土壌供給養分量が格納された地力情
    報ファイルと、を備えたことを特徴とする請求項24に
    記載の配合肥料設計プログラムを記録した記録媒体。
  26. 【請求項26】 前記第2のルーチンは、 一定温度下での前記肥料群を構成する各肥料の経時的溶
    出量と、 生産地の地温の経時的変化と、を用いて、周囲温度の経
    時的変化に伴う前記肥料群を構成する各肥料の経時的溶
    出量を計算する、ことを特徴とする請求項23〜25の
    いずれか1項に記載の配合肥料設計プログラムを記録し
    た記録媒体。
  27. 【請求項27】 ファイルを記録するファイル領域をさ
    らに有し、 前記ファイル領域には、 前記一定温度下での前記肥料群を構成する各肥料の経時
    的溶出量が格納された肥料情報ファイルと、 前記生産地の地温の経時的変化が格納された気象情報フ
    ァイルと、を備えたことを特徴とする請求項26に記載
    の配合肥料設計プログラムを記録した記録媒体。
  28. 【請求項28】 前記第3のルーチンは、 前記2種類以上の肥料の組み合わせの候補を決定する第
    1の処理部と、 前記第1の処理部によって決定された肥料の組み合わせ
    における各肥料の配合量の候補を決定する第2の処理部
    と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記配合量の候
    補からなる配合肥料の経時的溶出量と前記経時的必要肥
    料量との一致度を計算する第3の処理部と、 前記肥料群を構成する各肥料に遺伝子を対応させた染色
    体を用いた遺伝的アルゴリズムを用いて、前記一致度
    を、肥料の組み合わせの他の候補の決定に反映させる第
    4の処理部と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記各肥料の配
    合量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、および、
    各肥料の配合量を決定する第5の処理部と、を有するこ
    とを特徴とする請求項23〜27のいずれか1項に記載
    の配合肥料設計プログラムを記録した記録媒体。
  29. 【請求項29】 前記第3のルーチンは、 選択可能な前記2種類以上の肥料の組み合わせの候補を
    順次選択する第6の処理部と、 前記第6の処理部によって選択された肥料の組み合わせ
    における各肥料の配合量の候補を決定する第7の処理部
    と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記配合量の候
    補からなる配合肥料の経時的溶出量と前記経時的必要肥
    料量との一致度を計算する第3の処理部と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記各肥料の配
    合量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、および、
    各肥料の配合量を決定する第5の処理部と、を有するこ
    とを特徴とする請求項23〜27のいずれか1項に記載
    の配合肥料設計プログラムを記録した記録媒体。
  30. 【請求項30】 前記第3のルーチンは、 配合する肥料数に関する制約条件の下で発生させた乱数
    に基づいて、前記2種類以上の肥料の組み合わせの候補
    を決定する第8の処理部と、 前記第8の処理部によって選択された肥料の組み合わせ
    における各肥料の配合量の候補を決定する第9の処理部
    と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記配合量の候
    補からなる配合肥料の経時的溶出量と前記経時的必要肥
    料量との一致度を計算する第3の処理部と、 前記肥料の組み合わせの候補、および、前記各肥料の配
    合量の候補の中から最適な肥料の組み合わせ、および、
    各肥料の配合量を決定する第5の処理部と、を有するこ
    とを特徴とする請求項23〜27のいずれか1項に記載
    の配合肥料設計プログラムを記録した記録媒体。
  31. 【請求項31】 前記選択された各肥料の配合量は、 前記経時的必要肥料量と前記選択された各肥料からなる
    配合肥料の経時的溶出量に基づく評価関数の最適化によ
    り決定する、ことを特徴とする請求項23〜30のいず
    れか1項に記載の配合肥料設計プログラムを記録した記
    録媒体。
  32. 【請求項32】 前記評価関数は、作物に肥料が必要と
    される全期間を微小期間に分割し、各微小期間における
    必要肥料量と前記選択された各肥料からなる配合肥料の
    溶出量の差の2乗を前記全期間にわたって加算したもの
    である、ことを特徴とする請求項31に記載の配合肥料
    設計プログラムを記録した記録媒体。
  33. 【請求項33】 前記選択された各肥料の配合量は、 乱数により決定される、ことを特徴とする請求項23〜
    30のいずれか1項に記載の配合肥料設計プログラムを
    記録した記録媒体。
JP9342961A 1997-12-12 1997-12-12 配合肥料設計システム、配合肥料設計方法、及び、配合肥料設計プログラムを記録した記録媒体 Pending JPH11171679A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9342961A JPH11171679A (ja) 1997-12-12 1997-12-12 配合肥料設計システム、配合肥料設計方法、及び、配合肥料設計プログラムを記録した記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9342961A JPH11171679A (ja) 1997-12-12 1997-12-12 配合肥料設計システム、配合肥料設計方法、及び、配合肥料設計プログラムを記録した記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11171679A true JPH11171679A (ja) 1999-06-29

Family

ID=18357858

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9342961A Pending JPH11171679A (ja) 1997-12-12 1997-12-12 配合肥料設計システム、配合肥料設計方法、及び、配合肥料設計プログラムを記録した記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11171679A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001220278A (ja) * 2000-01-31 2001-08-14 Sumitomo Chem Co Ltd 肥料選択システム及びプログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体
JP2002269194A (ja) * 2001-03-12 2002-09-20 Jt Engineering Inc 農産物の集出荷システム
JP2002305971A (ja) * 2001-04-06 2002-10-22 Kawasaki Kiko Co Ltd 病害発生予察方法及びそのシステム
JP2004030449A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Nissan Chem Ind Ltd 不耕起直播栽培管理システム、不耕起直播栽培管理方法、不耕起直播栽培管理プログラム及び不耕起直播栽培管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2004334624A (ja) * 2003-05-09 2004-11-25 Equos Research Co Ltd データファイルの送信方法および送信プログラム
JP2005278535A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Haiponekkusu Japan:Kk 点滴施肥潅水栽培用の作物生育設計装置、プログラム、及び作物生育設計方法
JP2007535072A (ja) * 2004-04-29 2007-11-29 アグリアム.ポリマー.コーティングズ.コーポレーション 肥料性能の予測法
JP2012154550A (ja) * 2011-01-25 2012-08-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 熱源システム構成探索装置及びその方法並びにプログラム
CN116819962A (zh) * 2023-06-07 2023-09-29 淮阴工学院 一种农业废弃物发酵智能调控设备及系统

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001220278A (ja) * 2000-01-31 2001-08-14 Sumitomo Chem Co Ltd 肥料選択システム及びプログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体
JP2002269194A (ja) * 2001-03-12 2002-09-20 Jt Engineering Inc 農産物の集出荷システム
JP2002305971A (ja) * 2001-04-06 2002-10-22 Kawasaki Kiko Co Ltd 病害発生予察方法及びそのシステム
JP2004030449A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Nissan Chem Ind Ltd 不耕起直播栽培管理システム、不耕起直播栽培管理方法、不耕起直播栽培管理プログラム及び不耕起直播栽培管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2004334624A (ja) * 2003-05-09 2004-11-25 Equos Research Co Ltd データファイルの送信方法および送信プログラム
JP4561044B2 (ja) * 2003-05-09 2010-10-13 株式会社エクォス・リサーチ データファイルの送信方法および送信プログラム
JP2005278535A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Haiponekkusu Japan:Kk 点滴施肥潅水栽培用の作物生育設計装置、プログラム、及び作物生育設計方法
JP2007535072A (ja) * 2004-04-29 2007-11-29 アグリアム.ポリマー.コーティングズ.コーポレーション 肥料性能の予測法
JP2012154550A (ja) * 2011-01-25 2012-08-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 熱源システム構成探索装置及びその方法並びにプログラム
CN116819962A (zh) * 2023-06-07 2023-09-29 淮阴工学院 一种农业废弃物发酵智能调控设备及系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Smith et al. SUNDIAL: a PC‐based system for simulating nitrogen dynamics in arable land
Jones et al. Decision support system for agrotechnology transfer: DSSAT v3
Pang et al. Irrigation quantity and uniformity and nitrogen application effects on crop yield and nitrogen leaching
Thorp et al. Methodology for the use of DSSAT models for precision agriculture decision support
Rotz et al. A multiple crop machinery selection algorithm
US20200250593A1 (en) Yield estimation in the cultivation of crop plants
US20110276336A1 (en) Method and apparatus for managing production complexity of high yield, multiple crop gardening and sustainable farming operations
Abdulai et al. Assessing the economic efficiency of maize production in Northern Ghana
JP6863145B2 (ja) 栽培支援プログラム、装置、及び方法
WO2018187869A1 (en) Agronomy calculator tool and method
Mayer et al. Use of advanced techniques to optimize a multi-dimensional dairy model
CN110826797B (zh) 基于多目标综合评价体系确定最佳农业种植系统的方法
JPH11171679A (ja) 配合肥料設計システム、配合肥料設計方法、及び、配合肥料設計プログラムを記録した記録媒体
CN115797093A (zh) 一种基于农业投入产出数据的农田生态系统碳汇估算方法
AU2020202558A1 (en) Controller and control system
Dhillon et al. Influence of staggered sown Spring sunflower (Helianthus annuus L.) at varying intra–row spacing and applied–N on pre–and post–anthesis N dynamics and dry matter partitioning in Indo–Gangetic Plains Region
Leimer et al. Biodiversity effects on nitrate concentrations in soil solution: a Bayesian model
Enahoro et al. Linking ecosystem services provisioning with demand for animal-sourced food: an integrated modeling study for Tanzania
CN115486247A (zh) 用于确定肥料配比的方法、存储介质及处理器
Rotz et al. Machinery requirements and cost comparisons across tillage systems
Horridge Using CRETH to make quantities add up without efficiency bias
JP4280385B2 (ja) 肥料選択システム及びプログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体
Gunzenhauser Granular Agronomy Nitrogen Management
Smith et al. Influence of production systems on return and risk from malting barley production in western Canada
JP2023152761A (ja) 情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラムおよび経営計画方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050113

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061017