JPH11171222A - 開閉自在な注出口を有するコップ用の蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車運転中でも注出口を片手でワンタッチで開
閉でき、揺れによる液零れや飲用中断中のゴミの侵入を
防ぐことができる使い捨てコップ等の蓋を得る。 【解決手段】 注出口が形成されているパネル面２の外
周部にコップ嵌合溝部３を有する蓋本体１と、蓋本体の
前記パネル面に回動自在に軸着され、その先端部に蓋本
体のコップ嵌合溝部３に嵌合するガイド溝部１３が形成
されている注出口シャッター１３とからなり、ガイド溝
部のガイド外壁１４の下端部に指係合片１７を有するア
タッチメント１６を備え、ワンタッチで注出口６を開閉
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、開閉自在な注出
口を有するコップ用の蓋、特に飲食店よりの持出し用使
い捨てコップに装着される開閉自在な注出口を有する蓋
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、飲食店等で、店外持出用にコーヒ
等飲料液充填用に使用される使い捨てコップの蓋は、種
々の形態のものが知られている。最も代表的には注出口
がないもの、注出口はあるが常時開いている状態にある
もの、一旦開口したら再び閉めることができないもの、
注出口の開閉機構を有するが開閉機構が複雑で片手でワ
ンタッチで開閉できないもの等である。

【０００３】これら、従来の使い捨てコップのうち、注
出口が常時開いているものや、一旦開口したら再び閉め
ることができないものは、開口後は持ち運び中に揺れの
ため内容物が零れて、利用者に火傷の危険や衣服を汚す
等の不都合があった。特に、車中では、缶ホルダーに保
持しておくと車の振動により、内容物が零れて車内を汚
したり、又注出口が開口しているためにゴミ等が入り込
む等の不都合があった。また、注出口を開閉可能にした
ものは、飲用しない時は注出口を閉鎖することができる
ので、上記不都合は生じないが、片手で簡単に開閉する
ことができないため、乗車中や作業中等に自由に注出口
を開閉して飲用するには不便であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、従
来の使い捨て用のコップ蓋の上記問題点を解決しようと
するものであって、乗車中又は他の作業中・活動中でも
注出口を片手でワンタッチで開閉できて安全に飲用で
き、揺れによる液零れや飲用中断中のゴミの侵入を防ぐ
ことができ、構造が簡単で安価に製造できる使い捨てコ
ップ等の容器の蓋を提供することを目的とするものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決する本
発明の開閉自在な注出口を有するコップ用の蓋は、注出
口が形成されているパネル面の外周部に、コップの開口
縁に嵌合するコップ嵌合溝部を有する蓋本体と、該蓋本
体の前記パネル面に回動自在に軸着され、少なくとも前
記注出口を覆うことができる大きさの注出口覆い板部を
有し、その先端部に前記蓋本体の前記コップ嵌合溝部に
沿って移動可能に嵌合するガイド溝部が形成されている
注出口シャッターとからなり、該注出口シャッターのガ
イド溝部のガイド外壁の下端部に指係合片を有するアタ
ッチメントを備え、ワンタッチで前記注出口が開閉でき
るようにしたことを特徴とする構成を有するものであ
る。

【０００６】前記注出口開閉シャッターを前記注出口を
開いた位置に回動したときに、該注出口開閉シャッター
のガイド外壁が乗り上げて係合するストッパーを前記蓋
本体の外周壁の外面に設けることによって、目視しなく
ても注出口が開いたことが確認でき且つその状態を維持
できるので、乗車中や他の作業中あるいは活動中でも安
心して飲用できる。また、前記ストッパーを前記注出口
を挟んで外周壁の外面２ヵ所に設けることによって、注
出口シャッターを左右何れに回動しても開口できるので
便利である。さらに、注出口開閉シャッターのガイド外
壁の下端を、蓋本体の外周壁下端に係合するように屈曲
して外周壁係合部を形成することによって、注出口シャ
ッターが蓋本体のコップ嵌合溝部により良好にガイドさ
れ、安定して開閉できる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に
説明する。図１〜図２は、コップに装着した状態での本
発明の係るコップ蓋の一実施形態を示している。図中、
１はコップに装着される蓋本体であり、本実施形態では
合成樹脂で成形されているが、合成樹脂フィルムとアル
ミ箔等を積層した複合フィルムや、アルミニウムやステ
ンレス等の金属、又は紙材で作っても良い。蓋本体１
は、図２に示すように、パネル面２の外周部が立ち上が
って逆Ｕ字状に屈曲して、使い捨てのコップ３０の開口
縁３１に嵌合するコップ嵌合溝部３を形成している。コ
ップ嵌合溝部３は、コップに蓋を装着した状態で蓋が容
易に回転しない程度にコップ開口縁部３１が弾性的に嵌
合できる幅に形成されている。また、必要に応じて、そ
の外周壁４の内周面に蓋の装着をより確実にするため
に、コップ開口縁と係合する突部５を適宜形成しても良
い。また、パネル面２には注出口６が、コップ嵌合溝部
３の近傍に形成されている。該注出口６の大きさは、内
容物により適宜選定すれば良い。

【０００８】１０は、注出口６を片手で簡単に開閉でき
るように蓋本体１のパネル面２に回動自在に軸着された
注出口シャッターである。該注出口シャッター１０は、
プラスチック板、金属板、紙板又はそれらの１又は２以
上の複合板で成形され、平面が略扇形状をし、少なくと
も注出口６を覆う大きさ以上に形成され、その基端がリ
ベット１１でパネル面の略中心部に回転自在に軸着され
ている。注出口シャッター１０は、図２に示すように、
その外周部に蓋本体のコップ嵌合溝部３を上方から抱え
込むように、開口覆板部１２から上方に逆Ｕ字状に立ち
上がって形成されたガイド溝部１３を有する。該ガイド
溝部１３のガイド外壁１４の下端には、蓋本体１の外周
壁４の下端下方に屈曲して外周壁下端に係合する外周壁
係合部１５が形成され、ガイド溝部１３がコップ嵌合溝
部３から上方へ離脱するのを防止している。さらに、ガ
イド溝部１３の下方には、コップ周方向に延びるアタッ
チメント１６が形成され、その先端が指掛りが良いよう
に外方に屈曲した指係合片１７となっている。

【０００９】７は蓋本体の外周壁４の外面に形成された
ストッパーであり、図の実施形態において、注出口シャ
ッター１０を図１の状態状態から右回転することによ
り、側壁のガイド外壁１４が該ストッパーに乗り上げる
ことにより、抵抗が大きくなり回動を阻止すると共に、
注出口シャッターを注出口を開いた状態に維持する役目
を果たす。本実施形態ではストッパーの形状は、ガイド
側壁１４がストッパー７に容易に乗り上げて係合するよ
うに、ガイド側壁の進入する側を傾斜面としてあるが、
ストッパーの形状は必ずしもその形状に限らず、半球
状、矩形状等種々形状の突起が採用できる。

【００１０】本実施形態のコップ用の蓋は以上のように
形成され、通常、注出口シャッターは注出口６を閉塞す
る位置にあり、内容物を充填したコップの開口縁３１に
コップ嵌合溝部３を押し込んで嵌合することにより、コ
ップ嵌合溝部とコップ開口縁が弾性的に係合し、強制的
に動かさない限り容易に回転したり外れないようにコッ
プに装着される。従って、その状態では注出口６は閉塞
された状態にあり、持ち運び時や車内のコップホルダー
に保持した直立状態でコップが揺れても、内容液が注出
口からこぼれ出すことがなく安全であり、且つ衣服や車
内を汚す恐れもない。

【００１１】注出口６を開くには、注出口シャッターの
指係合片１７を周方向（図示の実施形態では時計方向）
に指で軽く押すだけで、注出口シャッター１０はリベッ
ト１１を軸として容易に回転する。そして、ガイド外壁
１４がストッパー７に乗り上げて抵抗が強くなるまで押
すことによって、注出口シャッター１０はコップ嵌合溝
部を案内レールとして注出口が開口する位置まで回動
し、注出口が開き内容物を飲むことができる。この状態
では、注出口シャッター１０はストッパー７と係合して
いるので、容器を傾けても自由に動くことがなく、内容
物を飲用あるいは注出する際に、注出口シャッターが注
出口を塞ぐように下がってきて邪魔になることがない。
また、ガイド外壁１４の下端に形成された外周壁係合部
１５が蓋本体１の外周壁４の下端に係合しているので、
回動中に例え注出口シャッターを持ち上げる力が作用し
てもガイド溝部が浮き上がることなく、注出口シャッタ
ーは安定して回動することができる。さらに、注出口シ
ャッター１０は、蓋本体のコップ嵌合溝部３と嵌合する
ガイド溝部１３の下方に内側に屈曲させた位置にアタッ
チメント１６を設けたので、蓋本体１の外周壁から外方
に突出せず、又は突出しても僅かであり、包装等におい
て嵩張ることがなくコンパクトである。反面、コップ外
周面と十分な隙間或いは指係合片の外方への突出を比較
的大きく形成できるので、指掛りが良く開閉が一段と容
易である。

【００１２】図３は、上記実施形態のコップ用の蓋の変
形例であり、この実施形態の注出口シャッター２０で
は、アタッチメント２１の両側に指係合片２２、２３を
設け、且つ蓋本体１９の外周壁２４に突出形成したスト
ッパー２５、２６も注出口を挾む両側に設けてある。ま
た、上記実施形態では、注出口を閉じた状態に保持する
ための位置決め手段を設けてないが、本実施形態では注
出口シャッター２０の注出口覆板部の中央部で注出口６
を覆った状態にあるときに係合するように、蓋本体１９
の外周壁２４に小径の半球状突起２７を形成し、注出口
シャッターのガイド外壁内周面に前記半球状突起２７と
係合する半球状凹みを設けてある。それにより、注出口
シャッター１９が注出口６を閉じる位置にくると、半球
状突起２７と半球状凹みが嵌合して位置決めされ、その
状態に軽く保持される。半球状突起２７と半球状凹みは
小径であるので、係合した状態から指係合片を押すこと
によって、ガイド外壁が弾性変形して、容易に係合が外
れ注出口シャッターを移動することができる。なお、コ
ップを置いた状態で、振動等により注出シャッターが簡
単に回動することはないので、前記位置決め手段は設け
なくても良い。その他の構成は前記実施形態と同様であ
るので、同一構成については同一符号を付し、詳細な説
明は省略する。本実施形態は以上のように構成されてい
るため、使い勝手に応じて注出口シャッター２０を左右
何れの側にもワンタッチで開閉できる利点があり、作業
中等でもより安全に飲用することができる。

【００１３】以上、本発明のコップ用の蓋の実施形態に
ついて説明したが、本発明はこれに限るものでなく、種
々の設計変更が可能である。例えば、上記実施形態では
指係合片１７は、アタッチメントの一側に設けて指で押
し易いように、先端を僅かに起した状態に形成してある
が、起し角度をさらに大きくして指で摘むことができる
摘み片状に形成しても良い。その場合、注出口の開閉何
れの場合も該摘み部を摘んでワンタッチで注出口シャッ
ターを回転させて注出口を開閉することができる。ま
た、指係合片は、例えばアタッチメントの中央部付近に
突出形成しても良い。また、上記実施形態では蓋本体の
パネル面は平坦面となっているが、必要に応じてリブや
凹部等を適宜形成することもできる。

【００１４】上記実施形態では内容物が飲料液の場合に
ついて説明したが、本発明は飲料液に限らず、果肉入り
飲料、或いは粒状チョコレート等の粒状、さらには粉状
の内容物を充填したコップの使い捨て蓋としても適用で
きることは言うまでもない。また、コップも紙製、合成
樹脂製、金属製等の何れのコップにも適用できる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように、本発明のコップ蓋によれ
ば、持ち運び中や車内の振動により液が零れが生じるこ
となく、安全であり服や車内を汚す恐れもない。また、
作業中や乗車中であっても注出口を片手で或いは指１本
でワンタッチで簡単に開口して安全に飲用することがで
きる。そして、飲用を中断するときは、指係合片を注出
口方向とは逆に回転させることによって、ワンタッチで
注出口を閉塞することができるので、乗車中又は他の作
業中での利用に際して、液こぼれや内容液へのゴミの進
入を効果的に防止することができる。

【００１６】また、ストッパーを前記蓋本体の外周壁の
外面に設けることによって、目視しなくても注出口が開
いたことが確認でき且つその状態を維持できるので、車
運転中でも安心して飲用できる。さらに、前記ストッパ
ーを前記注出口を挟んで外周壁の外面２ヵ所に設けるこ
とによって、注出口シャッターを左右何れに回動しても
開口できるので便利である。さらに、注出口開閉シャッ
ターのガイド外壁の下端を、蓋本体の外周壁下端に係合
するように屈曲して外周壁係合部を形成することによっ
て、注出口シャッターが蓋本体のコップ嵌合溝部により
良好にガイドされ、安定して開閉できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係るコップ用の蓋のコップ
に装着した状態での斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】本発明の他の実施形態に係るコップ用の蓋のコ
ップに装着した状態での斜視図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ断面図である。

【符号の説明】

１，１９ 蓋本体 ２ パネル面 ３ コップ嵌合溝部 ４、２４ 外周壁 ５ 突起 ６ 注出口 ７、２５、２６ ストッパー １０、２０ 注出口
シャッター １３ ガイド溝部 １４ ガイド外壁 １５ 外周壁係合部 １６、２１ アタ
ッチメント １７、２２、２３ 指係合片

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 注出口が形成されているパネル面の外周
   部に、コップの開口縁に嵌合するコップ嵌合溝部を有す
   る蓋本体と、該蓋本体の前記パネル面に回動自在に軸着
   され、少なくとも前記注出口を覆うことができる大きさ
   の注出口覆い板部を有し、その先端部に前記蓋本体の前
   記コップ嵌合溝部に沿って移動可能に嵌合するガイド溝
   部が形成されている注出口シャッターとからなり、該注
   出口シャッターのガイド溝部のガイド外壁の下端部に指
   係合片を有するアタッチメントを備え、ワンタッチで前
   記注出口が開閉できるようにしたことを特徴とする開閉
   自在な注出口を有するコップ用の蓋。
2. 【請求項２】 前記注出口開閉シャッターを前記注出口
   を開いた位置に回動したときに、該注出口開閉シャッタ
   ーのガイド外壁が乗り上げて係合するストッパーを、前
   記蓋本体の外周壁の外面に設けてなる請求項１記載の開
   閉自在な注出口を有するコップ用の蓋。
3. 【請求項３】 前記注出口開閉シャッターのガイド外壁
   の下端が、前記蓋本体の外周壁下端方向に係合するよう
   に屈曲して外周壁係合部を構成し、該外周壁係合部を介
   して前記アタッチメントが前記ガイド外壁に連結されて
   いる請求項１又は２記載の開閉自在な注出口を有するコ
   ップ用の蓋。
4. 【請求項４】 前記ストッパーが前記注出口を挟んで外
   周壁の外面２ヵ所に所定間隔を隔てて設けられている請
   求項１、２又は３記載のコップ用の蓋。