JPH11170995A - 坂道発進補助装置を備えたブレーキ制御システムおよびこのシステムに用いられる電磁デュアルリレーバルブ - Google Patents

坂道発進補助装置を備えたブレーキ制御システムおよびこのシステムに用いられる電磁デュアルリレーバルブ

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JPH11170995A
JPH11170995A JP10181938A JP18193898A JPH11170995A JP H11170995 A JPH11170995 A JP H11170995A JP 10181938 A JP10181938 A JP 10181938A JP 18193898 A JP18193898 A JP 18193898A JP H11170995 A JPH11170995 A JP H11170995A
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小池一郎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】HSAをできるだけ簡単な構造にしかつコスト
を低減し、更にトラクションコントロール時にABSモ
ジュレータの負荷をできるだけ低減する。 【解決手段】駆動輪22,23の空転傾向時、TRC電
磁切換弁85が切り換えられると、リレーバルブ54は
エアタンク3′のエアによる指示圧に応じて調整された
出力を発生するとともに、エアタンク3′のエアによ
り、第1、第2TRCカットバルブ88,89が切り換
わり、駆動輪20,21がブレーキをかけられてそれら
の駆動力が低減される。また、HSA電磁切換弁76,
77が第2位置IIに設定されると、エアタンク3,3′
のエアが指示圧として第2指示圧導入口73に供給され
る。前述と同様にリレーバルブ53,54は指示圧に応
じた出力を発生するので、各車輪9,10,20,20′,
21,21′が制動状態に保持され、車両の動き出しが
阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、坂道発進をブレー
キ制御により簡単に行うことのできるようにする坂道発
進補助装置(Hill Start Aid:以下、HSAともいう)
を備えたブレーキ制御システムおよびこのシステムに用
いられる電磁デュアルリレーバルブの技術分野に属し、
更に、このHSAに加えて、制動時に制動車輪のロック
を防止するためにブレーキ力を調整するアンチスキッド
ブレーキ制御システム(以下、ABSともいう)、発進
時や急加速時に駆動輪の空転を防止するために駆動輪の
駆動力をブレーキ制御により調整するトラクションコン
トロールシステム(以下、TRCともいう)、および/
または後輪のブレーキ圧を制御するプロポーショニング
バルブ(以下、PVともいう)の機能と同様の機能を有
し、更に後輪のブレーキ圧を積載荷重に応じて制御する
ようになっているブレーキ制御システムおよびこのシス
テムに用いられる電磁デュアルリレーバルブの技術分野
に属するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車のブレーキ制御システムに
おいては、アンチスキッド制御モジュレータ(以下、A
BSモジュレータともいう)により制動時に車輪ロック
を解消するようにブレーキ力を調整するABS、および
トラクションコントロールバルブ(以下、TRCバルブ
ともいう)により発進時や急加速時に駆動輪の空転を解
消するように駆動力を調整するTRC、および坂道発進
補助バルブ(以下、HSAバルブともいう)により坂道
発進を簡単に行うようにしたHSAがともに一体的に組
み込まれたブレーキ制御システムが開発されている。
【0003】このようなABS、TRC、およびHSA
を備えた従来のブレーキ制御システムの一例として、特
開平8ー91118号公報に開示されたブレーキ制御シ
ステムがあるとともに、HSAバルブとしては特公平6
ー45334号公報に開示されたHSAバルブがある。
【0004】図11は、特開平8ー91118号公報に
開示されているブレーキ制御システムを示す図であり、
図12は特公平6ー45334号公報に開示されたHS
Aバルブを示す図である。
【0005】図11および図12において、通常制動
時、ブレーキペダル1を踏み込んでデュアルブレーキバ
ルブ2を作動させることにより、エアタンク3の圧縮空
気(以下、エアともいう)がデュアルブレーキバルブ2
から、HSAバルブ4の入力口5、開いている逆止弁
6、出力口7および前輪側のABSモジュレータ8を通
って非駆動輪である前輪9,10のブレーキアクチュエ
ータ11に供給されるとともに、エアタンク3′のエア
がデュアルブレーキバルブ2から、HSAバルブ12の
入力口13、開いている逆止弁14、出力口15、ダブ
ルチェックバックル16,17、後輪側のABSモジュ
レータ18,19を通って駆動輪である前後輪(以下、
単に駆動輪ともいう)20,21および非駆動輪である
後後輪20′,21′のブレーキアクチュエータ22,2
3に供給され、各ブレーキアクチュエータ11,22,2
3が制動油圧を発生し、発生した制動油圧は、それぞれ
各車輪9,10,20,20′,21,21′のブレーキシ
リンダ(不図示)に導入され、各車輪9,10,20,2
0′,21,21′のブレーキが作動する。
【0006】制動を解除するために、ブレーキペダル1
を解放してデュアルブレーキバルブ2を非作動位置にす
ると、ブレーキアクチュエータ11,22,23に供給さ
れているエアは、作動時とは逆に、それぞれABSモジ
ュレータ8,18,19およびHSAバルブ4,12を通
ってデュアルブレーキバルブ2から大気に排出される。
これにより、ブレーキアクチュエータ11,22,23が
非作動状態となるので、各車輪9,10,20,20′,2
1,21′のブレーキが解除する。
【0007】制動中に、ABS/TRC ECU24
は、各車輪速センサ25,26,27,28からの車輪速
に基づいて各車輪9,10,20,20′,21,21′の
少なくとも1つの車輪がロック傾向になったと判断した
とき、ABSモジュレータ8,18,19のうち、少なく
ともロック傾向にある車輪に対応するABSモジュレー
タを作動制御して、ロック傾向が解消するようにブレー
キ力を調整するアンチスキッド制御を行う。
【0008】また、発進時や加速時等に、ABS/TR
C ECU24は、駆動輪20,21の各車輪速センサ2
7,28からの車輪速に基づいて駆動輪20,21の少な
くとも1つの駆動輪が空転傾向になったと判断したと
き、常閉のTRCバルブ29,30のうち、その駆動輪
に対応するTRCバルブを開閉制御して、エアタンク3
のエアを、空転傾向にある駆動輪側のダブルチェックバ
ルブおよびABSモジュレータを介してブレーキアクチ
ュエータに供給制御し、空転傾向にある駆動輪のブレー
キをかけて空転傾向が解消するようにその駆動力を調整
するトラクションコントロールを行う。
【0009】更に、HSAは次のようにして作動する。
まずHSA作動スイッチ31をオンするとともに、パー
キングブレーキを解除する。このパーキングブレーキの
解除がパーキングブレーキスイッチ32により検知され
て、パーキングブレーキ解除信号がHSA ECU33
に送給される。次に、ブレーキペダル1を踏み込むと、
デュアルブレーキバルブ2からエアが出力されて、その
エアの圧力が圧力スイッチ34,35により検出され、
圧力スイッチ34,35からブレーキ作動信号がHSA
ECU33に供給される。また、前述の通常ブレーキと
同様に、デュアルブレーキバルブ2からエアがブレーキ
アクチュエータ11,22,23に供給され、各車輪9,
10,20,20′,21,21′のブレーキが作動する。
【0010】そして、ブレーキペダル1を所定時間
(例、1秒)以上踏み続けると、HSAECU33はH
SAバルブ4,12のソレノイド36を励磁してアーマ
チュア37を作動し、第1開閉弁38を開くとともに第
2開閉弁39を閉じる。これにより、圧力室40,41
は、エアタンク3に常時連通する室46に連通するとと
もに大気と遮断されて、エアタンク3のエアが圧力室4
0,41に導入される。このエアにより、両制御ピスト
ン42,43が作動して両逆止弁6,14を閉じ、その結
果、出力口7,15から入力口5,13に向かうエアの流
れが阻止される。更にHSAバルブ4,12のソレノイ
ド36の励磁と同時に、HSA ECU33はパイロッ
トランプ44を点灯し、運転者にHSAバルブ4,12
のオンを知らせる。運転者はパイロットランプ44の点
灯を見てブレーキペダル1を解放する。ブレーキペダル
1を解放すると、ブレーキアクチュエータ11,22,2
3にそれぞれ導入されているエアは、逆止弁6,14に
よってデュアルブレーキバルブ2の方への流れが阻止さ
れるので、ブレーキアクチュエータ11,22,23にエ
アが保持され、ブレーキが作動状態に保持される。
【0011】HSAバルブ4,12をオフにしてブレー
キ作動保持を解除するには、ソレノイド36の励磁を解
除する。これにより、第1開閉弁38が閉じるとともに
第2開閉弁39が開き、圧力室40,41に供給されて
いるエアが室45から大気へ排出して、両制御ピストン
42,43が非作動位置に戻り、両逆止弁6,14が開
く。したがって、ブレーキアクチュエータ11,22,2
3にそれぞれ導入されているエアは、前述の通常時のブ
レーキ解除のときと同様に各逆止弁6,14を通ってデ
ュアルブレーキバルブ2の排出口から大気へ排出され、
ブレーキが解除される。
【0012】また、トラック等の大型車両やトラクタ・
トレーラの連結車両等におけるブレーキの応答性を向上
するために、HSAバルブ4とABSモジュレータ8と
の間およびHSAバルブ12とダブルチェックバルブ1
6,17との間に、図示しないが従来周知慣用のリレー
バルブを配設し、ブレーキバルブ2の出力圧をHSAバ
ルブ4,12を介してリレーバルブにその指示圧として
供給することにより、リレーバルブが、エアタンク3,
3′のエア圧をこの指示圧に応じて調整して発生した出
力圧を、各ブレーキアクチュエータに供給するブレーキ
制御システムも開発されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のブレーキ制御システムにおいては、HSAバルブ
4,12の逆止弁6,14を作動制御する制御ピストン4
2,43が段付ピストンで構成されているが、このよう
な段付ピストンの構造では、シール部が多く、しかも第
1および第2開閉弁38,39を必要とするため、HS
Aバルブ4,12は複雑な構造にならざるを得ないばか
りでなく、コストが高くなっている。
【0014】一方、トラクションコントロール時に、リ
ザーバ3のエアをTRCバルブ29,30によりABS
モジュレータ18,19に供給するようになっている
が、このとき、TRCバルブ29,30はリザーバ3の
エアを何ら調整することなく直接ABSモジュレータ1
8,19に供給するため、これらのABSモジュレータ
18,19は負担になり、ABSモジュレータ18,19
の耐久性が影響される。
【0015】更に、この従来のブレーキ制御システムで
は、後輪のロックを防止するために後輪側のブレーキ圧
をある圧力以上では抑制して上昇させるようにはなって
いないばかりでなく、車両の積載荷重に応じて後輪のブ
レーキ圧を制御するようにはなっていない。特に、空積
載時と満積載時とで積載荷重が大きく変化するような、
例えばトラックやバス等の車両においては、積載荷重に
応じて後輪のブレーキ圧を制御することが望まれる。
【0016】このような後輪のブレーキ圧の制御を行う
ために、従来の一般的なブレーキ制御システムでは、後
輪側のブレーキ圧をある圧力以上では抑制して上昇させ
るPVやこの圧力上昇抑制における圧力上昇勾配の折れ
曲がり点を積載荷重に応じて変化させるロードセンシン
グプロポーショニングバルブ(以下、LSPVともい
う)を用いて後輪側のブレーキ圧を積載荷重に応じて制
御している。しかし、このようなPVやLSPVを前述
の図11に示す従来のブレーキ制御システムに用いた場
合、システムが複雑になってしまうという問題がある。
しかも、PVやLSPVにより、ブレーキ作動保持制御
時のブレーキ保持圧が低くなるという問題もある。
【0017】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、HSAをできるだけ簡単
な構造にしてコストを低減することのできる坂道発進補
助装置を備えたブレーキ制御システムを提供することで
ある。
【0018】本発明の他の目的は、トラクションコント
ロール時にABSモジュレータの負荷をできるだけ低減
して、エアによるABSモジュレータの耐久性への影響
を抑制することのできる、坂道発進補助装置を備えたブ
レーキ制御システムを提供することである。
【0019】本発明の更に他の目的は、PVあるいはL
SPVを用いることなく、車両の後輪のブレーキ圧をこ
れらのPVやLSPVと同様に制御することができる、
しかもブレーキ作動保持制御時にブレーキ保持圧を大き
くすることのできる簡単な構成の、坂道発進補助装置を
備えたブレーキ制御システムおよび電磁デュアルリレー
バルブを提供することである。本発明の更に他の目的
は、組立が容易で、通路孔の構成が簡単な電磁デュアル
リレーバルブを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、圧縮空気を貯蔵するエアタン
クと、ブレーキ操作を行うブレーキ操作部材と、このブ
レーキ操作部材のブレーキ操作によって作動して第1指
示圧を出力するブレーキバルブと、ブレーキ作動状態に
保持するときに作動して第2指示圧を出力するブレーキ
作動保持用電磁切換弁と、前記第1指示圧が導入される
第1指示圧導入口および前記第2指示圧が導入される第
2指示圧導入口を有し、これらの第1および第2指示圧
の少なくとも1つの指示圧が導入されたとき、前記エア
タンクの圧縮空気をこの導入された指示圧に応じて調整
してブレーキ作動圧を出力するデュアルリレーバルブ
と、このデュアルリレーバルブのブレーキ作動圧が供給
されることにより作動して車輪にブレーキをかけるブレ
ーキ圧を出力するブレーキアクチュエータと、前記ブレ
ーキ作動保持用電磁切換弁を作動制御する制御装置とを
備え、前記ブレーキ作動保持用電磁切換弁が作動したと
き、このブレーキ作動保持用電磁切換弁の出力する第2
指示圧が前記デュアルリレーバルブの第2指示圧導入口
に導入されることにより、前記車輪のブレーキが作動状
態に保持されることを特徴としている。
【0021】また請求項2の発明は、前記ブレーキ作動
保持用電磁切換弁とデュアルリレーバルブとが一体に組
み込まれて電磁デュアルリレーバルブが構成されている
ことを特徴としている。
【0022】更に、請求項3の発明は、更に、通常時に
車両の積載荷重に応じた積載荷重圧である第3指示圧を
出力する積載荷重圧供給電磁切換弁を備えるとともに、
前記デュアルリレーバルブに前記第3指示圧が導入され
る第3指示圧導入口を設け、また前記ブレーキアクチュ
エータは後輪にブレーキをかける後輪ブレーキ圧を出力
するブレーキアクチュエータであり、前記積載荷重圧供
給電磁切換弁の出力する第3指示圧が前記第3指示圧導
入口に導入されることにより、前記デュアルリレーバル
ブが積載荷重に応じたリレーバルブ出力圧を出力し、こ
のリレーバルブ出力圧が前記ブレーキアクチュエータに
供給されることにより、積載荷重に応じたブレーキ圧で
後輪にブレーキをかけるとともに、前記ブレーキ作動保
持用電磁切換弁の作動時に、前記積載荷重圧供給電磁切
換弁の前記第3指示圧を出力停止することを特徴として
いる。
【0023】更に、請求項4の発明は、前記第1指示圧
導入口に導入される第1指示圧と前記第3指示圧導入口
に導入される第3指示圧との圧力差が所定圧を超えたと
き、前記リレーバルブ出力圧の上昇勾配が小さくなるよ
うに設定されていることを特徴としている。
【0024】更に、請求項5の発明は、前記後輪は駆動
輪であり、更に、トラクションコントロール時に作動し
て第4指示圧を出力するトラクションコントロール用電
磁弁と、アンチスキッド制御時に前記デュアルリレーバ
ルブの出力するブレーキ作動圧を調整して前記ブレーキ
アクチュエータに供給するアンチスキッド用モジュレー
タとを備え、前記トラクションコントロール用電磁弁が
作動したとき、このトラクションコントロール用電磁弁
の出力する第4指示圧が前記デュアルリレーバルブの前
記第1指示圧導入口または前記第2指示圧導入口に導入
されることにより、前記駆動輪にブレーキをかけること
を特徴としている。
【0025】更に請求項6の発明は、更に、トラクショ
ンコントロール時に作動して第3指示圧を出力するトラ
クションコントロール用電磁弁と、アンチスキッド制御
時に前記デュアルリレーバルブの出力するブレーキ作動
圧を調整して前記ブレーキアクチュエータに供給するア
ンチスキッド用モジュレータとを備え、また前記ブレー
キアクチュエータが駆動輪にブレーキをかけるブレーキ
圧を出力するブレーキアクチュエータであり、前記トラ
クションコントロール用電磁弁が作動したとき、このト
ラクションコントロール用電磁弁の出力する第3指示圧
が前記デュアルリレーバルブの前記第1指示圧導入口ま
たは前記第2指示圧導入口に導入されることにより、前
記駆動輪にブレーキをかけることを特徴としている。
【0026】更に請求項7の発明は、圧縮空気を貯蔵す
るエアタンクと、ブレーキ操作を行うブレーキ操作部材
と、このブレーキ操作部材のブレーキ操作によって作動
して第1指示圧を出力するブレーキバルブと、アンチス
キッド制御時にこの第1指示圧を制御するアンチスキッ
ド制御弁、トラクションコントロール時およびブレーキ
作動状態に保持するときに作動して第2指示圧を出力す
るトラクションコントロール・ブレーキ作動保持用電磁
切換弁、および前記第1指示圧が導入される第1指示圧
導入口および前記第2指示圧が導入される第2指示圧導
入口を有し、これらの第1および第2指示圧の少なくと
も1つの指示圧が導入されたとき、前記エアタンクの圧
縮空気をこの導入された指示圧に応じて調整してブレー
キ作動圧を出力するデュアルリレーバルブが一体にされ
て構成されたアンチスキッド・トラクションコントロー
ル・坂道発進制御バルブと、前記のデュアルリレーバル
ブのブレーキ作動圧が供給されることにより作動して車
輪にブレーキをかけるブレーキ圧を出力するブレーキア
クチュエータと、前記アンチスキッド制御弁および前記
トラクションコントロール・ブレーキ作動保持用電磁切
換弁を作動制御する制御装置とを備えていることを特徴
としている。
【0027】更に請求項8の発明は、前記アンチスキッ
ド制御弁が、前記第1指示圧を保持するアンチスキッド
制御用保持弁と、前記第1指示圧を減圧するアンチスキ
ッド制御用減圧弁とからなることを特徴としている。
【0028】更に請求項9の発明は、前記デュアルリレ
ーバルブが、前記第1指示圧を受けて作動する第1リレ
ーピストンと、前記第2指示圧を受けて作動する第2リ
レーピストンとを備え、前記第1および第2リレーピス
トンの少なくとも一方が作動したとき、前記デュアルリ
レーバルブが出力するようになっており、更に前記第1
リレーピストンの第1指示圧受圧面積と前記第2リレー
ピストンの第2指示圧受圧面積とは、互いに等しいかま
たは異なるように設定されていることを特徴としてい
る。
【0029】更に、請求項10の発明は、ブレーキバル
ブから出力される第1指示圧が導入される第1指示圧導
入口、常時エアタンクからの所定圧のエアが導入されて
いるエア導入口、前記エアタンクのエア圧による第2指
示圧が導入される第2指示圧導入口、車両の積載荷重に
応じた積載荷重圧を発生する積載荷重圧源、前記積載荷
重圧が導入される積載荷重圧導入口、ブレーキアクチュ
エータに接続される出力口、大気に連通する排出口、前
記エア導入口および前記出力口間の通路と前記出力口お
よび前記排出口間の通路との交差部に設けられ、これら
の通路の連通を制御する切換制御弁、この切換制御弁を
制御する第1および第2リレーピストン、これらの第1
および第2リレーピストンの間に配設されたバランスピ
ストン、前記第1リレーピストンと前記バランスピスト
ンとにより画成され、前記第1指示圧導入口に連通する
第1指示圧室、前記第2リレーピストンにより画成さ
れ、前記第2指示圧導入口に連通する第2指示圧室、前
記第2リレーピストンと前記バランスピストンとにより
画成され、前記積載荷重圧導入口に連通する積載荷重圧
室、および前記第1指示圧と前記積載荷重圧との圧力差
が所定圧より低いときは、前記第1リレーピストンを単
独で作動させ、前記圧力差が前記所定圧以上のときは、
前記第1リレーピストンと前記バランスピストンとを互
いに連結して一体的に作動させる連結手段からなるデュ
アルリレーバルブと、前記第2指示圧導入口と前記エア
タンクとの間に設けられ、ブレーキ作動保持制御時に前
記第2指示圧導入口を前記エアタンクに連通するととも
に、ブレーキ作動保持制御以外のときに前記第2指示圧
導入口を前記エアタンクから遮断して前記大気に連通さ
せるブレーキ作動保持用電磁切換弁と、前記積載荷重圧
導入口と前記積載荷重圧源との間に設けられ、ブレーキ
作動保持制御時に前記積載荷重圧導入口を前記積載荷重
圧源から遮断して前記大気に連通させるとともに、ブレ
ーキ作動保持制御以外のときに前記積載荷重圧導入口を
前記積載荷重圧源に連通する積載荷重圧供給用電磁切換
弁とからなることを特徴としている。
【0030】更に、請求項11の発明は、前記積載荷重
圧源が車両の後輪を支持するエアサスペンションのベロ
ーズであり、前記積載荷重圧がこのベローズのベローズ
圧であることを特徴としている。
【0031】更に、請求項12の発明は、前記バランス
ピストンが、前記積載荷重圧室に面する大径部と前記第
1指示圧室に面する小径部とからなる段付ピストンから
なるとともに、前記連結手段が、一端が第1リレーピス
トンに連結されるとともに、他端に前記第1リレーピス
トンが当接可能とされており、更に中間に係合部を有す
るロッドからなり、前記バランスピストンが、このロッ
ドに、前記第1リレーピストンと前記係合部との間に位
置して遊嵌されていて、前記第1指示圧と前記積載荷重
圧との圧力差が所定圧より低いときは、前記係合部と前
記バランスピストンとが互いに係合しなく、前記圧力差
が前記所定圧以上のときは、前記係合部とと前記バラン
スピストンとを互いに係合するようになっていることを
特徴としている。
【0032】更に、請求項13の発明は、ブレーキバル
ブから出力される第1指示圧が導入される第1指示圧導
入口、前記第1指示圧導入口に連通する第1指示圧室を
上面で区画形成する第1リレーピストン、常時エアタン
クからの所定圧のエアが導入されている第1および第2
エア導入口、常時ブレーキアクチュエータに接続される
出力口、大気に連通する排出口、前記エア導入口および
前記出力口間の通路と前記出力口および前記排出口間の
通路との交差部に設けられた切換制御弁、前記第2エア
導入口からの第2指示圧が供給される第2指示圧導入
口、および前記第2指示圧導入口に連通する第2指示圧
室を上面で区画形成するとともに前記第1指示圧室を下
面で区画形成する、前記第1リレーピストンより小径の
第2リレーピストンからなるデュアルリレーバルブと、
前記第1指示圧導入口および前記第1指示圧室間の通路
に設けられた電磁弁からなる常開のアンチスキッド制御
用保持弁と、前記第1指示圧室の指示圧を大気に排出す
る第1指示圧排出口と、前記第2指示圧室の指示圧を大
気に排出する第2指示圧排出口と、前記第1指示圧室お
よび前記第1指示圧排出口間の通路に設けられた電磁弁
からなる常閉のアンチスキッド制御用減圧弁と、前記第
2エア導入口および前記第2指示圧導入口の通路と前記
第2指示圧導入口および前記第2指示圧排出口間の通路
との交差部に設けられた電磁切換弁からなるトラクショ
ンコントロール/ブレーキ作動保持用制御弁とを備え、
前記トラクションコントロール/ブレーキ作動保持用制
御弁が前記第2リレーピストンの上方中央に配置される
とともに、前記アンチスキッド制御用保持弁および前記
アンチスキッド制御用減圧弁が前記トラクションコント
ロール/ブレーキ作動保持用制御弁の両外側に配置さ
れ、前記トラクションコントロール/ブレーキ作動保持
用制御弁、前記アンチスキッド制御用保持弁および前記
アンチスキッド制御用減圧弁が前記デュアルリレーバル
ブのハウジングとカバーとで挟み込まれて設けられてお
り、前記アンチスキッド制御用保持弁が設けられる通路
および前記アンチスキッド制御用減圧弁が設けられる通
路が、ともに前記第2リレーピストンの側方を通るよう
にして設けられていることを特徴としている。更に請求
項14の発明は、前記第1指示圧排出口と前記第2指示
圧排出口とが、1つの共通の指示圧排出口で構成されて
いることを特徴としている。
【0033】
【作用】このように構成された請求項1の発明において
は、ブレーキ作動保持用電磁切換弁を作動して、このブ
レーキ作動保持用電磁切換弁の出力する第2指示圧をデ
ュアルリレーバルブの第2指示圧導入口に導入すること
により、車輪のブレーキが作動状態に簡単に保持される
ようになる。その場合、従来のブレーキ制御システムの
ようにブレーキバルブを必ずしも作動させる必要がな
く、ブレーキ作動保持用電磁切換弁を単に作動するだけ
で、車両のブレーキ作動保持制御が簡単に行われるよう
になる。また、ブレーキ作動保持用電磁切換弁は従来公
知の簡単な構造の電磁切換弁を使用することができるよ
うになるので、従来のような、シール部が多い段付ピス
トンや第1および第2TRCカットバルブを有する複雑
な構造のHSAバルブを不要となる。これにより、シー
ル部が少なく、かつHSAの構造が簡素化されるととも
に、コストが低減する。
【0034】特に、請求項2の発明においては、電磁デ
ュアルリレーバルブが、例えばエアブレーキシステム等
において従来慣用のリレーバルブをわずかに設計変更し
たデュアルリレーバルブと従来慣用の電磁切換弁とを組
み合わせるだけでよいので、小型軽量で低コストであ
り、高信頼性を有している。
【0035】また、請求項3の発明においては、ブレー
キ作動保持制御以外のときは、ブレーキ作動保持用電磁
切換弁が第2指示圧室の第2指示圧を大気に排出すると
ともに、積載荷重圧供給電磁切換弁が積載荷重に応じた
第3指示圧を第3指示圧室に導入する。これにより、第
1リレーピストンは、この第3指示圧によっても制御さ
れるようになるので、デュアルリレーバルブの出力圧す
なわち、後輪ブレーキ圧は積載荷重に応じたものとな
る。また、ブレーキ作動保持制御時には、ブレーキ作動
保持用電磁切換弁が第2指示圧を第2指示圧室に導入す
るとともに、積載荷重圧供給電磁切換弁が第3指示圧室
の第3指示圧を大気に排出する。これにより、第2リレ
ーピストンが作動して、ブレーキ作動状態に保持され
る。このとき、第2リレーピストンは第3指示圧によっ
ては制御されない。したがって、ブレーキ保持圧は積載
荷重に関係なく、ブレーキ作動保持に必要な所定の圧力
に設定される。
【0036】更に、請求項4の発明においては、第1指
示圧と第3指示圧との圧力差が所定圧を超えたとき、リ
レーバルブ出力圧の上昇勾配が小さくなる。これによ
り、デュアルリレーバルブは、PVあるいはLSPVを
用いることなく、所定より小さい第1指示圧ではリレー
バルブ出力圧の上昇勾配が大きく、所定以上の第1指示
圧ではリレーバルブ出力圧の上昇勾配が小さくなる、折
れ曲がり点を有し、かつこの折れ曲がり点が積載荷重に
応じて変化する入出力特性を有するようになる。そし
て、PVあるいはLSPVを用いないので、システムの
構成がより簡単になる。
【0037】更に、請求項5の発明においては、トラク
ションコントロール時に、トラクションコントロール用
電磁弁の出力する第4指示圧が第1または第2指示圧導
入口に導入されると、デュアルリレーバルブは比較的大
きな出力を発生する。したがって、トラクションコント
ロールにおける駆動輪のブレーキがより確実にかけられ
るようになる。
【0038】更に、請求項6の発明においては、トラク
ションコントロール用電磁弁の出力する第3指示圧が前
記デュアルリレーバルブの前記第1指示圧導入口に導入
されるようにした場合は、トラクションコントロール時
には、デュアルリレーバルブは比較的大きな出力を発生
する。したがって、トラクションコントロールにおける
駆動輪のブレーキがより確実にかけられるようになる。
また、第3指示圧が前記デュアルリレーバルブの前記第
2指示圧導入口に導入されるようにした場合は、第2指
示圧受圧面積が第1指示圧受圧面積より小さく設定され
ていると、トラクションコントロール時には、デュアル
リレーバルブは比較的小さく調整した出力を発生するよ
うになる。すなわち、従来のようにエアタンクの比較的
大きな圧力のエアが直接アンチスキッドモジュレータに
供給されることはなく、デュアルリレーバルブで比較的
小さく調整された圧力のエアがアンチスキッドモジュレ
ータに供給されるようになる。これにより、アンチスキ
ッドモジュレータの負担が小さくなり、アンチスキッド
モジュレータの耐久性が向上する。その場合、新たな特
別な機器を必要としなく、アンチスキッドモジュレータ
の負担が安価に低減されるようになる。
【0039】また、請求項7および8の発明において
は、ABSモジュレータ、HSAバルブ、およびTRC
バルブが一体に形成されるようになる。これにより、部
品点数が削減され、配管や部品取付の簡素化等のシステ
ムの簡素化が図れるとともに、コストが低減する。更
に、従来のABSモジュレータにTRCおよびHSAの
機能が追加したことになるので、従来のABSに、TR
CおよびHSAの機能を、大幅な設計変更を要すること
なく、簡単に持たせることが可能となる。
【0040】更に請求項9の発明においては、第1リレ
ーピストンの第1指示圧受圧面積と第2リレーピストン
の第2指示圧受圧面積とが互いに等しく設定されている
場合は、デュアルリレーバルブの出力は、互いに等しい
第1指示圧と第2指示圧とでほぼ等しくなる。また、第
1指示圧受圧面積と第2指示圧受圧面積とが互いに異な
るように設定されている場合は、デュアルリレーバルブ
の出力は、互いに等しい第1指示圧および第2指示圧で
あっても互いに異なる。その場合、第2指示圧受圧面積
が第1指示圧受圧面積より小さくなるように設定するこ
とにより、デュアルリレーバルブの出力は、第2指示圧
による出力の方が第1指示圧による出力より小さくな
る。したがって、小さいブレーキ力で済むHSAによる
ブレーキ作動保持の場合は、このように第2指示圧受圧
面積を第1指示圧受圧面積より小さくすることにより、
ブレーキ作動保持がより効果的に行われるようになる。
【0041】更に、請求項10ないし12の発明の電磁
デュアルリレーバルブにおいては、連結手段が、第1指
示圧と積載荷重圧との圧力差が所定圧より低いときは、
第1リレーピストンを単独で作動させる。これにより、
電磁デュアルリレーバルブの入出力特性は、第1指示圧
の上昇に対する出力圧の上昇勾配が比較的大きくなる。
また、連結手段が、圧力差が所定圧以上のときは、第1
リレーピストンとバランスピストンとを互いに連結して
一体的に作動させる。これにより、電磁デュアルリレー
バルブの入出力特性は、第1指示圧の上昇に対する出力
圧の上昇勾配が前述の上昇勾配より比較的小さくなる。
こうして、PVを用いることなく、電磁デュアルリレー
バルブの入出力特性は、所定より小さい第1指示圧では
出力圧の上昇勾配が大きく、所定以上の第1指示圧では
出力圧の上昇勾配が小さくなる折れ曲がり点を有する、
従来周知のPVの特性と同様の特性となる。その場合、
第1指示圧と積載荷重圧との圧力差を用いることから、
LSPVを用いることなく、電磁デュアルリレーバルブ
の入出力特性は、折れ曲がり点が積載荷重に応じて変化
する、従来周知のLSPVの特性とほぼ同様の特性とな
る。
【0042】また、ブレーキ作動保持制御時には、ブレ
ーキ作動保持用電磁切換弁が第2指示圧室に第2指示圧
を導入するとともに、積載荷重圧供給用電磁切換弁が積
載荷重圧室の積載荷重圧を大気に排出させる。これによ
り、第2リレーピストンが作動してブレーキ作動による
停車保持が行われる。その場合、電磁デュアルリレーバ
ルブはLSPVと同様の特性を発揮しないので、ブレー
キ保持圧は積載荷重に関係なく、停車保持に必要な所定
の圧力に保持される。特に、請求項11の発明では、積
載荷重圧として、エアサスペンションのベローズ圧が用
いられるので、積載荷重圧が簡単に得られるようにな
る。
【0043】更に請求項13の発明においては、トラク
ションコントロール/ブレーキ作動保持用制御弁、アン
チスキッド制御用保持弁およびアンチスキッド制御用減
圧弁がハウジングとカバーとで挟み込んで固定するよう
にしているので、組立が簡単になる。
【0044】更に請求項14の発明においては、指示圧
排出口が1つで済むようになるので、通路孔の構成が簡
単になる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明にかかる坂道
発進補助装置を備えたブレーキ制御システムの実施の形
態の一例を示す図である。なお、前述の図11に示すブ
レーキ制御システムと同じ構成要素には同じ符号を付す
ことにより、その詳細な説明を省略する。
【0046】図1に示すように、このブレーキ制御シス
テムは、エアタンク3,3′がそれぞれエア通路51,5
2を介して前輪側のABSモジュレータ8および後輪側
のABSモジュレータ18,19に接続されている。こ
れらのエア通路51,52には、それぞれリレーバルブ
53,54が設けられている。
【0047】これらのリレーバルブ53,54は互いに
まったく同じ構造のものであり、従来の一般的な周知の
リレーバルブとほぼ同じ構造を有している。すなわち、
図2に示すようにリレーバルブ53,54は、ブレーキ
バルブ2からの通常ブレーキ作動指示圧(本発明の第1
指示圧に相当)が前輪側では通路55を介して、また後
輪側では通路56、ダブルチェックバルブ17、および
通路57を介してそれぞれ供給される第1指示圧導入口
58と、この第1指示圧導入口58に連通する第1指示
圧室59を上面で区画形成する第1リレーピストン60
と、通路51,52を介して常時エアタンク3,3′に接
続されて所定圧のエアが導入されているエア導入口61
と、通路51,52を介して常時ABSモジュレータ8,
18,19に接続される出力口62と、大気に連通する
排出口63と、エア導入口61および出力口62間の通
路と出力口62および排出口63間の通路との交差部に
設けられた切換制御弁64とを備えている。
【0048】第1リレーピストン60は、リターンスプ
リング65によって常時上方に付勢されているととも
に、ハウジング66の段部67によりその上限位置が規
制されている。
【0049】切換制御弁64は、弁体68と、ハウジン
グ66に設けられた第1弁座69と、第1リレーピスト
ン60に一体に設けられた第2弁座70とから構成され
ている。
【0050】更に、これらのリレーバルブ53,54に
は、図1に示すようにHSA指示圧が供給されるように
なっている。このため、図2において通路51,52か
ら分岐したHSA通路71,72を介してHSA作動指
示圧(本発明の第2指示圧に相当)が供給される第2指
示圧導入口73と、この第2指示圧導入口73に連通す
る第2指示圧室74を上面で区画形成するとともに第1
指示圧室59を下面で区画形成する、第1リレーピスト
ン60より小径の第2リレーピストン75と、HSA通
路71,72に設けられ、第2指示圧導入口73を大気
に連通する第1位置Iと第2指示圧導入口73をエアタ
ンク3,3′に連通する第2位置IIとからなる従来公知
の三方二位置のHSA電磁切換弁76,77(本発明の
ブレーキ作動保持用電磁切換弁に相当)とを備えてい
る。このように、リレーバルブ53,54は、第2指示
圧導入口73、第2指示圧室74、および第2リレーピ
ストン75を備えることにより、デュアルリレーバルブ
として構成されている。
【0051】HSA電磁切換弁76,77は、HSA E
CU33(図1には不図示;図11と同じ)からの制御
信号により第2指示圧導入口73およびエアタンク3,
3′間の連通、遮断を行う弁体78と、第2指示圧導入
口73および大気間の連通、遮断を行う弁体79と、こ
れらの弁体78,79を一体に支持する弁保持部材80
と、HSA ECU33からの制御信号により励磁され
て、この弁保持部材80を駆動するソレノイド81と備
えている。そして、ソレノイド81の非励磁による非作
動時は、図2に示すように第2指示圧導入口73が、弁
体78によりエアタンク3,3′と遮断しかつ弁体79
により大気と連通し、またソレノイド81の励磁による
作動時は、第2指示圧導入口73が、弁体78によりエ
アタンク3,3′と連通しかつ弁体79により大気と遮
断されるようになっている。図示のように、リレーバル
ブ53,54とHSA電磁切換弁76,77とは一体に組
み付けられて、電磁デュアルリレーバルブ82,83が
構成されている。なお、リレーバルブ53,54とHS
A電磁切換弁76,77とは別体に形成し互いに離して
設け、HSA電磁切換弁76,77の出力側とリレーバ
ルブ53,54の第2指示圧導入口73とをエア通路で
接続するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0052】一方、後輪側の通路52から分岐したTR
C通路84がダブルチェックバルブ17のもう1つの入
力口に接続されている。このTRC通路84には、TR
C電磁切換弁85(本発明のトラクションコントロール
用電磁弁に相当)が設けられており、このTRC電磁切
換弁85は、TRC電磁切換弁85よりダブルチェック
バルブ17側のTRC通路84を大気に連通する第1位
置IとTRC電磁切換弁85よりダブルチェックバルブ
17側のTRC通路84を通路52に連通する第2位置
IIとからなる三方二位置のTRC電磁切換弁85を備え
ている。そして、TRC電磁切換弁85は、ABS/T
RC ECU24(図11と同じ)に接続され、このA
BS/TRC ECU24によって通常時は第1位置Iに
設定されるとともに、トラクションコントロール時には
第2位置IIに設定されてトラクションコントロール指示
圧(本発明の第3指示圧に相当)を出力する。
【0053】更に、後輪側の非駆動輪である後後輪2
0′,21′のブレーキシリンダ(不図示)とブレーキ
アクチュエータ22,23とを接続する液圧通路86,8
7に、連通位置Iと遮断位置IIとが設定されたTRCカ
ットバルブ88,89が設けられている。これらのTR
Cカットバルブ88,89の指示圧導入部88a,89a
はTRC電磁切換弁85よりダブルチェックバルブ17
側のTRC通路84に接続されており、このTRC通路
84を介して指示圧が導入されない通常時は連通位置I
に設定されるとともに、トラクションコントロール時に
TRC通路84を介して指示圧が導入されたときは遮断
位置IIに切換設定されるようになっている。本例のブレ
ーキ制御システムにおける他の構成は、図1には示して
いないが、図11に示す従来のブレーキ制御システムの
構成と同じである。
【0054】このように構成された本例のブレーキ制御
システムの作用について説明する。ブレーキ非作動時
は、ブレーキ制御システムにおける各構成要素は図1お
よび図2に示す状態に設定される。
【0055】この状態から、ブレーキペダル1が踏み込
まれてブレーキ操作が行われると、ブレーキバルブ2
は、エアタンク3,3′のエアの圧力をブレーキペダル
1の踏込に応じて調整して出力する。このブレーキバル
ブ2の出力圧は、前輪側では通路55およびリレーバル
ブ53の第1指示圧導入口58を介して第1指示圧室5
9に導入される。すると、第1リレーピストン60が下
動して、第2弁座70が弁体68に着座しかつ弁体68
が第1弁座69から離座して切換制御弁64が切り換え
られるので、出力口62および排出口63間が遮断され
るとともに、入力口61および出力口62間が連通す
る。これにより、エアタンク3のエアが通路51、入力
口61、切換制御弁64、出力口62、通路51、およ
びABSモジュレータ8を通って前輪側のブレーキアク
チュエータ11に供給され、ブレーキアクチュエータ1
1がブレーキ液圧を発生し、前輪9,10にブレーキが
かけられる。
【0056】リレーバルブ53の出力圧はハウジング6
6の孔66aを通して第1リレーピストン60の下面に
作用するようになるが、出力圧が上昇していくと、この
出力圧により第1リレーピストン60を上方に押す力と
リターンスプリング65により第1リレーピストン60
を上方に押す力との合力が第1指示圧室59の圧力によ
り第1リレーピストン60を下方に押す力より大きくな
り、第1リレーピストン60は次第に上昇するようにな
る。この第1リレーピストン60の上昇にともなって、
弁体68も上昇して、弁体68が第1弁座69に着座
し、出力口62が入力口61および排出口63のいずれ
からも遮断された状態となり、出力がそれ以上上昇しな
く、結局ブレーキペダル1の踏込に応じた調整された大
きさとなる。したがって、ブレーキアクチュエータ11
のブレーキ圧もブレーキペダル1の踏込に応じた大きさ
となる。
【0057】同時に、ブレーキバルブ2の出力圧は、後
輪側では通路56、ダブルチェックバルブ17、通路5
7、およびリレーバルブ54の第1指示圧導入口58を
介して第1指示圧室59に導入されるので、同様にして
ブレーキペダル1の踏込に応じた大きさの後輪側のブレ
ーキアクチュエータ22,23のブレーキ圧により、各
後輪20,21,20′,21′にブレーキがかけられ
る。
【0058】ブレーキペダル1を解放してブレーキ作動
を解除すると、両リレーバルブ53,54の各指示圧室
59に導入された指示圧のエアは、ブレーキバルブ2の
排出口2aが排出され、各指示圧室59は大気圧とな
る。すると、各第1リレーピストン60がリターンスプ
リング65によって上動し、弁体68から第2弁座70
が離れ、出力口62および排出口63が連通する。する
と、各ブレーキアクチュエータ11,22,23に供給さ
れているエアが出力口62および切換制御弁64を通っ
て排出口63から大気に排出される。これにより、ブレ
ーキが解除する。
【0059】ABS/TRC ECU24は、各車輪速
センサ25,26,27,28からの車輪速に基づいて、
ブレーキ作動中に、少なくても1つの車輪がロック傾向
になったと判断すると、前述の図11のブレーキ制御シ
ステムとまったく同様に各ABSモジュレータ8,18,
19を作動制御して、車輪のロック傾向が解消するよう
にアンチスキッド制御を行う。
【0060】また、ABS/TRC ECU24は、駆
動輪20,21の車輪速センサ27,28からの車輪速
に基づいて、発進時や加速時等に、少なくても1つの駆
動輪が空転傾向になったと判断すると、TRC電磁切換
弁85を第2位置IIに切り換え、通路52とダブルチ
ェックバルブ17、第1TRCカットバルブ88および
第2TRCカットバルブ89とを連通する。すると、T
RC電磁切換弁85のトラクションコントロール指示圧
として、エアタンク3′のエアが、通路52、TRC通
路84、TRC電磁切換弁85、通路84、ダブルチェ
ックバルブ17、通路57、および後輪側のリレーバル
ブ54の第1指示圧導入口58を通って第1指示圧室5
9に供給されるとともに、TRC電磁切換弁85から通
路84を通って第1および第2TRCカットバルブ8
8,89の指示圧導入部88a,89aに供給される。
【0061】これにより、前述と同様に後輪側のリレー
バルブ54がエアタンク3′のエアの圧力を調整して出
力し、その出力圧が各ブレーキアクチュエータ22,2
3に供給されてブレーキ圧が発生するとともに、第1お
よび第2TRCカットバルブ88,89が遮断位置IIに
切り換わって、各ブレーキアクチュエータ22,23と
非駆動輪20′,21′のブレーキシリンダとが遮断さ
れる。このため、各ブレーキアクチュエータ22,23
によって発生されたブレーキ圧は、駆動輪20,21の
各ブレーキシリンダに供給され、駆動輪20,21がブ
レーキをかけられてそれらの駆動力が低減される。この
とき、ABS/TRC ECU24は、駆動輪20,21
の車輪速に基づいて、TRC電磁切換弁85を第1位置
Iと第2位置IIとの間で繰り返し切換制御するととも
に、ABSモジュレータ18,19を制御することによ
り駆動輪20,21のブレーキ力を制御して、駆動輪の
空転傾向が解消するようにそれらの駆動力を適正に制御
する。その場合、左右の駆動輪20,21の空転傾向の
度合いに応じて左右のABSモジュレータ18,19を
それぞれ個別に制御し、左右の駆動輪20,21のブレ
ーキ力を独立して調整することもできる。
【0062】ABS/TRC ECU24は、駆動輪の
空転傾向が完全に解消したと判断すると、TRC電磁切
換弁85を初期状態の第1位置Iに設定するとともにA
BSモジュレータ18,19を初期の非作動状態に設定
する。これにより、リレーバルブ54の第1指示圧室5
9のエアは、第1指示圧導入口58、通路57、ダブル
チェックバルブ17、通路84、およびTRC電磁切換
弁85を介して大気に排出されるとともに、第1および
第2TRCカットバルブ88,89の指示圧導入部88
a,89aのエアも、通路84およびTRC電磁切換弁
85を介して大気に排出される。これにより、前述と同
様に駆動輪20,21のブレーキが解除されるととも
に、第1および第2TRCカットバルブ88,89が初
期状態の連通位置Iに設定されて、各ブレーキアクチュ
エータ22,23と非駆動輪20′,21′のブレーキシ
リンダとが連通し、非駆動輪20′,21′が作動可能
な状態となる。
【0063】なお、TRCによる駆動輪20,21のブ
レーキ作動を行う場合、第1指示圧室59に導入される
指示圧が大径の第1リレーピストン60に作用するの
で、TRCの作動時でのリレーバルブ53,54の出力
圧は比較的大きく、したがって車輪のブレーキ力も大き
い。TRCによる駆動輪のブレーキで、大きなブレーキ
力を必要とする場合は、このようにリレーバルブ53,
54の出力圧が大きいことは好都合である。
【0064】更に、HSAは次のようにして作動する。
例えば坂道において車両を通常ブレーキにより停止させ
るとともに、この坂道で車両の動き出しを防止するため
に車両を停止状態に保持させるとする。通常ブレーキに
より車両が停止した時点ではブレーキペダル1の踏込は
解放されていなく、したがって前述の通常ブレーキの場
合と同様に第1指示圧室59には、ブレーキバルブ2の
出力圧、すなわちブレーキペダル1の踏力に応じて調整
された指示圧が導入されていて、第1リレーピストン6
0が下動している。この状態で、まず図11に示すブレ
ーキ制御システムと同様に、HSA作動スイッチ31を
オンすると、HSA作動スイッチ31のオン信号がHS
A ECU33に送給される。これにより、HSA EC
U33はHSA電磁切換弁76,77のソレノイド81
を励磁するとともにパイロットランプ44を点灯し、運
転者に電磁デュアルリレーバルブ(HSAバルブ)8
2,83のオンを知らせる。
【0065】HSA電磁切換弁76,77のソレノイド
81の励磁により、弁保持部材80が上動し、弁体79
が第2指示圧導入口73と大気とを遮断するとともに、
弁体78が第2指示圧導入口73とエアタンク3,3′
と連通し、HSA電磁切換弁76,77は第2位置IIに
設定される。すると、エアタンク3,3′のエアが、通
路51,52、HSA電磁切換弁76,77、通路51,
52、および第2指示圧導入口73を通って、第2指示
圧室74に供給される。その場合、エアタンク3,3′
のエアが調整されることなく、直接第2指示圧室74に
供給されるので、第2指示圧室74内のエア圧が第1指
示圧室74内の調整された指示圧より大きいので、第2
リレーピストン75が下動して、既に下動している第1
リレーピストン60に当接する。この状態で、ブレーキ
ペダル1の踏込を解放すると、前述と同様に第1指示圧
室59内の指示圧はブレーキバルブ2の排出口2aから
排出される。しかし、第2指示圧室74にはエアタンク
3,3′のエアが供給されているので、このエア圧が小
径の第2リレーピストン75に作用することによって生
じる下向きの力とリレーバルブ54の出力圧が大径の第
1リレーピストン60の下面に作用する力およびリター
ンスプリング65のばね力の合力とがバランスするよう
なリレーバルブ54の出力圧がブレーキアクチュエータ
11,22,23に供給されたままとなる。これにより、
各車輪9,10,20,20′,21,21′のブレーキ力
は保持されたままとなり、車両の動き出しが阻止される
ようになる。
【0066】発進等のため、HSAによる各車輪のブレ
ーキ作動保持を解除するには、HSA作動スイッチ31
をオフにしてソレノイド81の励磁を解除する。このソ
レノイド81の励磁解除により、弁保持部材80が下動
し、弁体78が第2指示圧導入口73とエアタンク3,
3′とを遮断するとともに、弁体79が第2指示圧導入
口73と大気と連通し、HSA電磁切換弁76,77は
初期の第1位置Iに設定される。すると、第2指示圧室
74内のエアが、第2指示圧導入口73およびHSA電
磁切換弁76,77を通って大気中に排出されて、第2
指示圧室74内の圧力が低下するので、第1および第2
リレーピストン60,75がともに上動し、非作動位置
となる。
【0067】第1リレーピストン60の上動により、前
述の通常ブレーキの作動解除の場合と同様にして出力口
62が入力口61と遮断されるとともに排出口63に連
通するので、各ブレーキアクチュエータ11,22,23
に供給されたエアは、ABSモジュレータ8,18,1
9、出力口62、切換制御弁64、および排出口63を
通って大気中に排出され、HSAによる各車輪9,10,
20,20′,21,21′のブレーキが解除する。
【0068】また、本例においては、HSAによる各車
輪9,10,20,20′,21,21′のブレーキ作動保
持を行うにあたり、必ずしもブレーキペダル1を踏み込
まなくてもブレーキ作動状態に保持できるようになって
いる。すなわち、車両が停止し、ブレーキペダル1が解
放されてブレーキバルブ2が作動していなく、各ブレー
キアクチュエータ11,22,23にリレーバルブ53,
54の出力圧が供給されていない状態で、HSA作動ス
イッチ31をオンする。この、HSA作動スイッチ31
のオンにより、前述と同様にHSA ECU33がHS
A電磁切換弁76,77を第2位置IIに切り換えるの
で、エアタンク3,3′のエアが第2指示圧室74に供
給される。すると、第2リレーピストン75が第1リレ
ーピストン60と一緒に下動し、切換制御弁64を切り
換えるので、入力口61と出力口62とが連通し、第2
リレーピストン75のエア圧に応じて調整されたリレー
バルブ53,54の出力圧が、各ブレーキアクチュエー
タ11,22,23に供給され、各車輪9,10,20,2
0′,21,21′にブレーキがかけられるとともに、ソ
レノイド81が励磁されている間は、各車輪のブレーキ
は作動状態に保持される。
【0069】なお、HSAによるブレーキ作動保持を、
ブレーキバルブ2の作動状態で行う場合でもあるいはブ
レーキバルブ2の非作動状態で行う場合でも、第2指示
圧室74に導入される指示圧が小径の第2リレーピスト
ン75に作用するのみであるので、HSAの作動時での
リレーバルブ53,54の出力圧は、通常ブレーキ時や
TRCによるブレーキ時よりも小さく、したがって車輪
のブレーキ力も通常ブレーキ時のTRCによるブレーキ
力より小さい。車両の停車保持の場合は、小さなブレー
キ力でよいので、このようにリレーバルブ53,54の
出力圧が小さくても十分である。
【0070】しかしながら、車両の満載状態で通常の坂
道でも、このようにリレーバルブ53,54の出力圧が
小さくても十分に車両の停車保持を行うことができるよ
うに、デュアルリレーバルブ53,54やブレーキアク
チュエータ11,22,23等のブレーキ構成部品の寸法
が設定されているが、異常に勾配が大きい坂道での停車
保持の場合などで、仮にHSA電磁切換弁76,77の
作動による停車保持を行ったにもかかわらず車両が動き
出すような場合は、ブレーキペダル1を強く踏み込んで
ブレーキバルブ2を作動させ、その比較的大きな出力圧
を第1指示圧室59に導入させてデュアルリレーバルブ
53,54の出力を増加させ、ブレーキ力を増大させる
ことにより、車両の動き出しを阻止することができる。
このように、HSAバルブ76,77が作動している状
態でも、ブレーキペダル1を踏み込むことにより、各車
輪のブレーキ力を増大することができる。更に、HSA
の作動条件および作動解除条件を図11の従来のブレー
キ制御システムと同じように設定することもできる。
【0071】このように、この例のブレーキ制御システ
ムによれば、従来の、シール部が多い段付ピストンや第
1および第2開閉弁38,39を有する複雑な構造のH
SAバルブ4,12を不要にするとともに、従来慣用の
簡単な構造の三方二位置の電磁切換弁を用いているの
で、シール部が少なく、かつHSAの構造を簡素化でき
るとともに、コストを低減できる。
【0072】また、HSAを作動させるために、従来の
ブレーキ制御システムではブレーキバルブ2を作動させ
るようにしているが、本例のブレーキ制御システムで
は、HSA作動スイッチ31をオンするだけで済むの
で、車両の停車保持(特に、坂道での車両の停車保持)
を簡単に行うことができるようになる。
【0073】更に、電磁デュアルリレーバルブ82,8
3は、エアブレーキシステム等において従来慣用のリレ
ーバルブと従来慣用の三方二位置の電磁切換弁と第2リ
レーピストンとを組み合わせるだけでよいので、小型軽
量で低コストであり、高信頼性を有している。
【0074】更に、トラクションコントロール時には、
リレーバルブ54によって調整したエアをABSモジュ
レータ18,19に供給し、従来のようにエアタンク
3′のエアを直接ABSモジュレータ18,19に供給
しないようにしているので、トラクションコントロール
時にABSモジュレータ18,19の負担を小さくで
き、その耐久性を向上させることができる。その場合、
新たな特別な機器を必要としないので、ABSモジュレ
ータ18,19の負担の低減を安価に対応することがで
きるようになる。
【0075】図3は本発明の実施の形態の他の例を示
す、図1と同様の図である。なお、前述の例と同じ構成
要素には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明は
省略する。
【0076】前述の例では、TRC電磁切換弁85の出
力圧をリレーバルブ54の指示圧として用いてこのリレ
ーバルブ54を作動制御し、リレーバルブ54の調整さ
れた出力圧で駆動輪20,21にトラクションコントロ
ールによるブレーキをかけるようにしているが、本例の
ブレーキ制御システムでは、図3に示すようにTRC電
磁切換弁85の出力圧は、従来の図11に示すブレーキ
制御システムと同様に、エアタンク3′のエアを直接後
輪側のABSモジュレータ18,19に供給するように
している。
【0077】すなわち、ダブルチェックバルブ17の一
方の入力側をリレーバルブ54の出力側に接続するとと
もに、ダブルチェックバルブ17の他方の入力側をTR
C電磁切換弁85の出力側に接続し、更にダブルチェッ
クバルブ17の出力側を後輪側のABSモジュレータ1
8,19に接続している。この例のブレーキ制御システ
ムの他の構成は前述の例と同じである。
【0078】このように構成された本例のブレーキ制御
システムの作用について説明する。ブレーキ非作動時、
通常ブレーキ作動時、アンチスキッド制御時、およびH
SAによるブレーキ保持時は、前述の例と同じである。
またトラクションコントロール時には、前述の例と同様
にTRC電磁切換弁85が第2位置IIに切り換わる。す
ると、エアタンク3′のエアが、通路52、通路84、
TRC電磁切換弁85、通路84、ダブルチェックバル
ブ17、および後輪側のABSモジュレータ18,19
を通ってブレーキアクチュエータ22,23に直接供給
されるとともに、通路84を第1および第2TRCカッ
トバルブ88,89の指示圧導入部に供給される。以
後、前述の例と同様にして、駆動輪20,21のみにブ
レーキがかけられ、駆動輪20,21の空転傾向が解消
するように、駆動輪20,21の駆動力が調整される。
【0079】この例のブレーキ制御システムでは、前述
の図11に示す従来例と同様にTRC時にエアタンク
3′のエアがABSモジュレータ18,19に調整され
ないで直接供給されるようになるので、TRC作動時の
ABSモジュレータ18,19の負担を小さくすること
はできないが、前述の従来例と同じ他の作用効果を得る
ことができる。この例のブレーキ制御システムの他の作
用効果は前述の例と同じである。
【0080】図4は本発明の実施の形態の更に他の例を
示す、図1と同様の図である。なお、図1の例と同じ構
成要素には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明
は省略する。
【0081】図1の例では、後輪側のブレーキ系統にお
いて、ブレーキバルブ2からの出力圧とTRC電磁切換
弁85からの出力圧とをダブルチェックバルブ17を介
してデュアルリレーバルブ54の第1指示圧導入口58
に導入するようにしているが、この例のブレーキ制御シ
ステムでは、ブレーキバルブ2からの出力圧をデュアル
リレーバルブ54の第1指示圧導入口58に直接導入
し、またTRC電磁切換弁85からの出力圧を、HSA
電磁切換弁77の出力圧と同様にデュアルリレーバルブ
54の第2指示圧導入口73に導入するようにしてい
る。すなわち、図4に示すようにブレーキバルブ2の出
力側とデュアルリレーバルブ54の第1指示圧導入口5
8とがエア通路56を介して直接接続されている。ま
た、TRC電磁切換弁85の出力側がエア通路84を介
してダブルチェックバルブ17の一方の入力側に接続さ
れているとともにHSA電磁切換弁77の出力側がエア
通路72を介してダブルチェックバルブ17の他方の入
力側に接続されており、更にダブルチェックバルブ17
の出力側がエア通路57を介してデュアルリレーバルブ
54の第2指示圧導入口73に接続されている。
【0082】この例のブレーキ制御システムの他の構成
は図1に示す例と同じである。
【0083】このように構成された本例のブレーキ制御
システムにおいては、通常ブレーキ時には、ブレーキバ
ルブ2の出力圧が各エア通路55,56および第1指示
圧導入口58を介して第1指示圧室59に導入されて、
大径の第1リレーピストン60に作用し、図1の例と同
様に通常ブレーキが作動する。
【0084】またトラクションコントロール時には、T
RC電磁切換弁85の出力圧がエア通路84、ダブルチ
ェックバルブ17、エア通路57、第2指示圧導入口7
3を介して第2指示圧室74に導入されて、小径の第2
リレーピストン75に作用する。すると、図1の例のブ
レーキバルブ2の非作動状態でのHSA作動時と同様
に、第2リレーピストン75が下動して第1リレーピス
トン60に当接し、更に第1リレーピストン60ととも
に下動して切換制御弁64を切り換えるので、デュアル
リレーバルブ54が出力する。その場合、HSA電磁切
換弁85の出力圧が受圧面積の小さい小径の第2リレー
ピストン75に作用し、デュアルリレーバルブ54の出
力のフィードバック圧が受圧面積の大きい大径の第1リ
レーピストン60の下面に作用するので、図1に示す例
の、HSA電磁切換弁85の出力圧が受圧面積の大きい
大径の第1リレーピストン60に作用する場合に比べ
て、デュアルリレーバルブ54の出力は小さくなる。し
たがって、デュアルリレーバルブ54で比較的小さく調
整された圧力のエアがABSモジュレータ18,19に
供給されるようになる。これにより、ABSモジュレー
タ18,19の負担が小さくなり、ABSモジュレータ
18,19の耐久性が更に向上する。その場合、新たな
特別な機器を必要としないので、ABSモジュレータ1
8,19の負担を安価に低減することができるようにな
る。
【0085】更に、HSA電磁切換弁76,77の作動
によるブレーキ保持時には、HSA電磁切換弁77の出
力圧がエア通路72、ダブルチェックバルブ17、エア
通路57および第2指示圧導入口73を介して第2指示
圧室74に導入されて、小径の第2リレーピストン75
に作用し、図1の例と同様にHSAによるブレーキ作動
保持が行われる。この例のブレーキ制御システムの他の
作用効果は前述の例と同じである。
【0086】なお、前述の各例では、デュアルリレーバ
ルブ53,54の第2リレーピストン75の指示圧受圧
面積が第1リレーピストン60の指示圧受圧面積より小
さくなるように異ならせているが、第1および第2リレ
ーピストン60,75の指示圧受圧面積を互いに等しく
設定することもできるし、第1リレーピストン60の指
示圧受圧面積を第2リレーピストン75の指示圧受圧面
積より小さく設定することもできる。
【0087】図5は、本発明の実施の形態の更に他の例
を示す、図1と同様の図であり、図6は、図5に用いら
れているABS/TRC/HSAバルブの断面図であ
る。なお、図1の例と同じ構成要素には同じ符号を付す
ことにより、その詳細な説明は省略する。
【0088】前述の各例では、ABSモジュレータ8,
18,19、電磁デュアルリレーバルブ82,83、およ
びTRC電磁切換弁85が、それぞれ別個に設けられて
いるが、この例のブレーキ制御システムでは、図5に示
すようにこれらを一体にして、ABS/TRC/HSA
バルブ90,91,92として設けられている。
【0089】図6に示すように、ABS/TRC/HS
Aバルブ90,91,92は、デュアルブレーキバルブ2
からの通常ブレーキ作動指示圧が供給される第1指示圧
導入口93と、この第1指示圧導入口93に連通する第
1指示圧室94を上面で区画形成する第1リレーピスト
ン95と、通路51,52を介して常時エアタンク3,
3′に接続されて所定圧のエアが導入されているエア導
入口96と、同じく通路51,52を介して常時エアタ
ンク3,3′に接続されて所定圧のエアが導入されてい
る第2指示圧導入口97と、常時ブレーキアクチュエー
タ11,22,23に接続される出力口98と、大気に連
通する排出口99と、第1エア導入口96および出力口
98間の通路と出力口98および排出口99間の通路と
の交差部に設けられた切換制御弁100と、第2エア導
入口97からのHSA作動指示圧が供給される第2指示
圧導入口101と、この第2指示圧導入口101に連通
する第2指示圧室102を上面で区画形成するとともに
第1指示圧室94を下面で区画形成する、第1リレーピ
ストン95より小径の第2リレーピストン103と、第
1指示圧導入口93および第1指示圧室94間の通路に
設けられた電磁弁からなる常開のABS制御用保持バル
ブ104と、第1指示圧室94の指示圧を大気に排出す
る指示圧排出口105と、第1指示圧室94および指示
圧排出口105間の通路に設けられた電磁弁からなる常
閉のABS制御用排気バルブ106(本発明のABS制
御用減圧弁に相当)と、指示圧排出口105に設けられ
たエキゾーストカバー107と、第2エア導入口97お
よび第2指示圧導入口101の通路と第2指示圧導入口
101および指示圧排出口105間の通路との交差部に
設けられたTRC/HSA電磁切換弁108とを備えて
いる。
【0090】第1リレーピストン95は、リターンスプ
リング108によって常時上方に付勢されているととも
に、ハウジング109の段部110によりその上限位置
が規制されている。このとき、第2リレーピストン10
3も、第1リレーピストン95に押されて上限位置とさ
れている。
【0091】切換制御弁100は、弁体111と、ハウ
ジング109に設けられた第1弁座112と、第1リレ
ーピストン95に一体に設けられた第2弁座113とか
ら構成されている。
【0092】そして、本例のABS/TRC/HSAバ
ルブ90,91,92の一部は、第1および第2リレーピ
ストン95,103、第1および第2指示圧導入口93,
97、第1および第2指示圧室94,102を備えるこ
とにより、前述のリレーバルブ53,54と同様にデュ
アルリレーバルブとして構成されている。
【0093】ABS制御用保持バルブ104は、第1指
示圧導入口93および第1指示圧室94間の連通、遮断
を行う弁体114と、この弁体114を支持する弁保持
部材115と、ABS/TRC ECU24(図5には
不図示;図11と同じ)からのABS制御信号によりに
より励磁されて、この弁保持部材115を駆動するソレ
ノイド116と備えている。そして、ソレノイド116
の非励磁による非作動時は、図6に示すように第1指示
圧室94が、弁体114により第1指示圧導入口93と
連通され、またソレノイド116の励磁による作動時
は、弁保持部材115が作動して、第1指示圧室94
が、弁体114によりエア導入口93と遮断されるよう
になっている。
【0094】ABS制御用排気バルブ106は、指示圧
排出口105および第1指示圧室94間の連通、遮断を
行う弁体117と、この弁体117を支持する弁保持部
材118と、ABS/TRC ECU24からのABS
制御信号によりにより励磁されて、この弁保持部材11
8を駆動するソレノイド119と備えている。そして、
ソレノイド119の非励磁による非作動時は、図6に示
すように第1指示圧室94が、弁体117により指示圧
排出口105と遮断され、またソレノイド119の励磁
による作動時は、弁保持部材118が作動して、第1指
示圧室94が、弁体117により指示圧排出口105と
連通されてABS制御用減圧弁として機能するようにな
っている。
【0095】TRC/HSA電磁切換弁108は、第2
指示圧導入口101および指示圧排出口105間の連
通、遮断を行う常開の弁体120と、第2指示圧導入口
101および第2エア導入口97間の連通、遮断を行う
常閉の弁体121と、これらの弁体120,121を支
持する弁保持部材122と、ABS/TRC ECU2
4からのTRC信号またはHSA ECU33(図5に
は不図示;図11と同じ)からのHSA信号により、こ
の弁保持部材122を駆動するソレノイド123と備え
ている。そして、ソレノイド123の非励磁による非作
動時は、図6に示すように第2指示圧導入口101が、
弁体120により指示圧排出口105と連通されかつ弁
体121により第2エア導入口97と遮断され、またソ
レノイド123の励磁による作動時は、弁保持部材12
2が作動して、第2指示圧導入口101が、弁体121
により第2エア導入口97と連通されかつ弁体120に
より指示圧排出口105と遮断されるようになってい
る。以上の説明から明らかなように、指示圧排出口10
5は、ABS制御用排気バルブ106からのエアの排出
とTRC/HSA電磁切換弁108からのエアの排出と
に共通に設けられている。なお、指示圧排出口は、AB
S制御用排気バルブ106からのエアの排出とTRC/
HSA電磁切換弁108からのエアの排出とで別個に設
けるようにしてもよい。
【0096】これらのABS制御用保持バルブ104、
ABS制御用排気バルブ106、およびTRC/HSA
電磁切換弁108は、それぞれ第1および第2リレーピ
ストン95,103の上方に位置されており、ともにハ
ウジング109とカバー124とで挟み込み、図示しな
いボルトで固定されている。
【0097】このようにして、ABS制御用保持バルブ
104とABS制御用排気バルブ106とTRC/HS
A電磁切換弁108とが一体に組み付けられて、ABS
/TRC/HSAバルブ90,91,92が構成されてい
る。
【0098】また、前述の各例のTRCカットバルブ8
8,89はエア圧で制御されるようになっているが、本
例のTRCカットバルブ88′,89′は、それぞれソ
レノイド88a′,89a′を有し、連通位置Iと遮断位
置IIとが設定された常開の電磁弁から構成されている。
図示しないが、これらのTRCカットバルブ88′,8
9′は、ABS/TRC ECU24に接続されてお
り、ABS/TRC ECU24が駆動輪20,21の空
転傾向を検出したときにTRCカットバルブ88′,8
9′を切り換えるようになっている。なお、109aは
図2に示す孔66aと同じ機能を有する孔である。
【0099】更に、本例のブレーキ制御システムの他の
構成は、前述の各例のダブルチェックバルブ17および
TRC通路84が省略されていることを除いて、前述の
各例と同じである。
【0100】このように構成された本例のブレーキ制御
システムにおいて、ブレーキ非作動時は、ブレーキ制御
システムにおける各構成要素は図5および図6に示す状
態に設定される。
【0101】通常ブレーキ時には、ブレーキバルブ2の
出力圧が、通路55,56および第1指示圧導入口93
を介して第1指示圧室94に導入される。すると、前述
の電磁デュアルリレーバルブ82,83のリレーバルブ
53,54の作動とまったく同様にして切換制御弁10
0が切り換えられるので、出力口98および排出口99
間が遮断されるとともに、第1エア導入口96および出
力口98間が連通する。これにより、第1エア導入口9
6に導入されているエアタンク3,3′のエアが、それ
ぞれ出力口98から前、後輪の各ブレーキアクチュエー
タ11,22,23に供給され、前、後輪9,10;20,
21,20′,21′にそれぞれブレーキがかけられる。
前述のリレーバルブ53,54と同様に、このときの各
ブレーキアクチュエータ11,22,23のブレーキ圧
も、それぞれブレーキペダル1の踏込に応じた大きさと
なる。
【0102】ブレーキペダル1の解放でブレーキ作動を
解除すると、各第1指示圧室94に導入された指示圧の
エアは、ブレーキバルブ2の排出口2aが排出されるの
で、前述のリレーバルブ53,54と同様に、各ブレー
キアクチュエータ11,22,23に供給されているエア
が排出口99から大気に排出され、各ブレーキが解除す
る。
【0103】ABS/TRC ECU24は、前述の例
と同様に制動時に少なくても1つの車輪がロック傾向に
なったと判断すると、ABS制御用保持バルブ104を
作動する。すると、弁体114が第1指示圧導入口93
と第1指示圧室94とを遮断し、ブレーキバルブ2から
のエアがそれ以上第1指示圧室94には導入されなくな
るので、各ブレーキアクチュエータ11,22,23のブ
レーキ圧がそのときの圧力に保持されて、ABS保持制
御が行われる。これにより、各車輪のブレーキ力が保持
される。
【0104】更に、ABS/TRC ECU24は、A
BS保持制御が行われても車輪のロック傾向が解消され
ないと判断したときは、そのロック傾向にある車輪に対
応するABS/TRC/HSAバルブ90,91,92の
ABS制御用排気バルブ106を作動する。すると、弁
体117が指示圧排出口105と第1指示圧室94とを
連通し、第1指示圧室94内に導入されているエアが大
気に排出されるので、各ブレーキアクチュエータ11,
22,23のブレーキ圧が減圧されて、ABS減圧制御
が行われる。これにより、各車輪のブレーキ力が低下す
る。
【0105】更に、ABS/TRC ECU24は、A
BS減圧制御が行われて、車輪のロック傾向が解消傾向
になったと判断したときは、作動したABS制御用保持
バルブ104およびABS制御用排気バルブ106をと
もに非作動にする。すると、ブレーキバルブ2からのエ
アが、再び第1指示圧導入口93から第1指示圧室94
に導入されるので、各ブレーキアクチュエータ11,2
2,23のブレーキ圧が増圧されて、ABS増圧制御が
行われる。これにより、各車輪のブレーキ力が増大す
る。このブレーキ圧増圧により、車輪が再びロック傾向
になると、ABS/TRC ECU24は、再び前述と
同様にABS制御用保持バルブ104およびABS制御
用排気バルブ106を制御して、車輪のロック傾向が完
全に解消するまで、ブレーキ圧保持、ブレーキ圧減圧、
およびブレーキ圧増圧を繰り返すアンチスキッド制御を
行う。
【0106】また、ABS/TRC ECU24は、前
述の例と同様に少なくても1つの駆動輪20,21が空
転傾向になったと判断すると、後輪側のABS/TRC
/HSAバルブ90,91,92のTRC/HSA電磁切
換弁108を作動するとともに、TRCカットバルブ8
8′,89′を遮断位置にIIに切り換える。すると、弁
保持部材122が作動して、第2指示圧導入口101が
弁体120により指示圧排出口105と遮断され、かつ
弁体121により第2エア導入口97と連通されるよう
になる。これにより、第2エア導入口97に導入されて
いるエアタンク3,3′のエアが、それぞれ第2指示圧
室102に供給されるので、前述のリレーバルブ53,
54の作動とまったく同様にして、切換制御弁100が
切り換えられるので、エアタンク3,3′のエアが、そ
れぞれ出力口98から後輪の各ブレーキアクチュエータ
22,23に供給され、駆動輪20,21はブレーキがか
けられる。このとき、TRCカットバルブ88′,8
9′が閉じているので、各ブレーキアクチュエータ2
2,23のブレーキ圧は、非駆動輪20′,21′には導
入されなく、非駆動輪20′,21′ブレーキがかけら
れない。
【0107】ABS/TRC ECU24は、駆動輪2
0,21の空転傾向が完全に解消したと判断すると、T
RC/HSA電磁切換弁108を非作動にするととも
に、TRCカットバルブ88′,89′を連通位置Iに切
り換える。すると、弁保持部材122が図示の非作動と
なり、第2指示圧導入口101が弁体121により第2
エア導入口97と遮断され、かつ弁体120により指示
圧排出口105と連通されるようになる。これにより、
第2指示圧室102に導入されているエアが、それぞれ
大気に排出されるので、前述のリレーバルブ53,54
の作動とまったく同様にして、切換制御弁100が切り
換えられて非作動となるので、ブレーキアクチュエータ
22,23のエアが、それぞれ排気口99から大気中に
排出され、駆動輪20,21のブレーキが解除される。
こうして、ABS/TRC ECU24は、駆動輪20,
21の空転傾向時に、この空転傾向が完全に解消するま
で、TRC/HSA電磁切換弁108を制御してTRC
制御を行う。
【0108】更に、車両を停止状態に保持するHSA制
御を行うために、前述の例と同様にHSA作動スイッチ
31をオンすると、HSA作動スイッチ31のオン信号
がHSA ECU33に送給される。これにより、HS
A ECU33は、前、後輪の各ABS/TRC/HS
Aバルブ90,91,92のTRC/HSA電磁切換弁1
08を作動する。各TRC/HSA電磁切換弁108
は、前述のTRCでのTRC/HSA電磁切換弁108
と同様に作動し、前、後輪の各ブレーキアクチュエータ
11,22,23にエアが供給され、各車輪9,10,2
0,21,20′,21′にブレーキがかけられ、かつこ
のブレーキ作動状態に保持される。これにより、車両が
停止状態に保持され、車両の動き出しが阻止されるよう
になる。
【0109】発進等のため、HSAによる各車輪のブレ
ーキ作動保持を解除するには、HSA作動スイッチ31
をオフにする。すると、HSA ECU33は、前、後
輪の各ABS/TRC/HSAバルブ90,91,92の
TRC/HSA電磁切換弁108を非作動にする。これ
により、前述のTRC制御でのTRC/HSA電磁切換
弁108の非作動の場合と同様にして、各ブレーキアク
チュエータ11,22,23のエアが、それぞれ各ABS
/TRC/HSAバルブ90,91,92の排気口99か
ら大気中に排出され、HSAによる各車輪9,10,2
0,21,20′,21′のブレーキがそれぞれ解除され
る。
【0110】この例のブレーキ制御システムによれば、
ABSモジュレータ8,18,19、電磁デュアルリレー
バルブ82,83、およびTRC電磁切換弁85を一体
にして、ABS/TRC/HSAバルブ90,91,92
として形成しているので、部品点数が削減できる。その
うえ、ダブルチェックバルブ17も削除しているので、
部品点数が更に一層削減できる。したがって、配管や部
品取付の簡素化等のシステムの簡素化が図れるととも
に、コストを低減することができる。
【0111】また、本例のABS/TRC/HSAバル
ブ90,91,92は、従来のABSモジュレータにTR
CおよびHSAの機能を追加したことになるので、従来
のABSに、TRCおよびHSAの機能を、大幅な設計
変更を要することなく、簡単に持たせることができるよ
うになる。この例のブレーキ制御システムの他の作用効
果は前述の各例と同じである。
【0112】図7は、本発明の実施の形態の更に他の例
を示す、図1と同様の図であり、図8は、図7に示すブ
レーキ制御システムに用いられている電磁デュアルリレ
ーバルブを示す断面図である。なお、図1および図2に
示す例と同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、
その詳細な説明は省略する。
【0113】この例のブレーキ制御システムでは、LS
PVと同様に後輪側のブレーキ圧を積載荷重に応じて制
御しながら、しかも後輪側のブレーキ保持圧を積載荷重
に関係なく適正に制御するようにしている。
【0114】すなわち、図7に示すようにこの例のブレ
ーキ制御システムでは、前後輪20のエアサスペンショ
ンのベローズ125(本発明の積載荷重圧源に相当)の
ベローズ圧を電磁デュアルリレーバルブ83のリレーバ
ルブ54に、ベローズ圧供給電磁切換弁126を介して
導入するようにしている。その場合、ベローズ圧は積載
荷重に応じた圧力となっており、本発明の積載荷重圧に
相当している。
【0115】ベローズ圧供給電磁切換弁126は、リレ
ーバルブ54をベローズ125に接続する第1位置I
と、リレーバルブ54を大気に接続する第2位置IIとか
らなり、通常時は第1位置Iに設定されている。図8に
示すように、このベローズ圧供給電磁切換弁126(本
発明の積載荷重圧供給用電磁切換弁に相当)は、HSA
ECU33からの制御信号によりベローズ圧導入口12
7(本発明の積載荷重圧導入口に相当)およびベローズ
125間の連通、遮断を行う弁体130と、ベローズ圧
導入口127および大気に連通する排気通路129間の
連通、遮断を行う弁体128と、これらの弁体128,
130を一体に支持する弁保持部材131と、HSA
ECU33からの制御信号により励磁されて、この弁保
持部材131を駆動するソレノイド132と備えてい
る。そして、ソレノイド132の非励磁による非作動時
は、図8に示すようにベローズ圧導入口127が、弁体
128に排気通路129と遮断しかつ弁体130により
ベローズ125と連通し、またソレノイド132の励磁
による作動時は、ベローズ圧導入口127が、弁体12
8により排気通路129と連通しかつ弁体130により
ベローズ129から遮断されるようになっている。図示
のように、リレーバルブ54とHSA電磁切換弁77お
よびベローズ圧供給電磁切換弁126とは一体に組み付
けられて、電磁デュアルリレーバルブ83が構成されて
いる。
【0116】更に、この例のリレーバルブ54は、図8
に示すように第1および第2リレーピストン60,75
との間に、段付ピストンからなるバランスピストン13
3がハウジング66に配設されており、このバランスピ
ストン133の大径部133aおよび小径部133bが
ともにハウジング66に気密にかつ摺動可能になってい
る。大径部133aの有効受圧面積は第1リレーピスト
ン60の有効受圧面積に等しく設定されているととも
に、小径部133bの有効受圧面積は第1リレーピスト
ン60の有効受圧面積より小さく、第2リレーピストン
75の有効受圧面積より大きく設定されている。また、
大径部133aはベローズ圧室134(本発明の積載荷
重圧室に相当)を画成しているとともに、このベローズ
圧室134はベローズ圧導入口127に連通しており、
更に、小径部133bは第1指示圧室59を画成してい
る。ベローズ圧室134は、第2リレーピストン75に
よっても画成されてている。なお、バランスピストン1
33の、大径部133aと小径部133bとの間の段部
は、常時大気に連通されている。
【0117】第1リレーピストン60の中央には、ロッ
ド135(本発明の連結手段に相当)の下端部が螺合連
結されているとともに、上端が第2リレーピストン75
の下面に接離自在に当接されている。ロッド135の中
間部には、ナット状の係合部135aが形成されてい
る。そして、この係合部135aと第1リレーピストン
60との間のロッド135に、バランスピストン133
の小径部133bが遊嵌されているとともに、バランス
ピストン133の内周縁部133cとナット135aと
が軸方向に係合可能とされている。このロッド135の
断面積(有効受圧面積)は、ベローズ圧導入室134の
ベローズ圧がロッド135の上端を下方に押す力より
も、リターンスプリング65が第1リレーピストン60
を上方に押す力の方が大きくなるように、設定されてい
る。なお、小径部133bがロッド135に遊嵌される
ことから、第1指示圧室59とベローズ圧室134との
間を気密的に隔離するために、バランスピストン133
には、隔離板136が設けられているとともに、この隔
離板136をロッド135が気密にかつ摺動可能に貫通
している。この例のブレーキ制御システムおよび電磁デ
ュアルリレーバルブ83の他の構成は、それぞれ図1お
よび図2に示す例と同じである。
【0118】次に、このように構成されたこの例のブレ
ーキ制御システムにおける作用について説明する。な
お、図1および図2に示す例と同じ部分は説明を省略
し、異なる部分のみについて説明する。
【0119】システムの非作動時は、HSA電磁切換弁
77およびベロース圧供給切換弁126がは、ともに作
動されなく図7に示す位置に設定される。したがって、
第1指示圧室59が大気圧となっているので、第1リレ
ーピストンはリターンスプリング65のばね力により最
上限位置となり、前述の例と同様に切換制御弁64は図
8に示す状態に設定されている。また、第2指示圧室7
4が大気圧となっているとともに、ベローズ圧室134
がベローズ圧供給電磁切換弁126を介してエアサスペ
ンションのベローズ125に連通していて、このベロー
ズ圧室134にはベローズ圧が導入されている。したが
って、第2リレーピストン75はベローズ圧により最上
限位置となっている。更に、大径部133aにベローズ
圧室134のベローズ圧が作用することにより、バラン
スピストン133は下限位置となっている。このベロー
ズ圧室134のベローズ圧はロッド135の上端にも作
用して、このロッド135を介して第1リレーピストン
60を下方に押圧するが、ベローズ圧がロッド135の
上端を下方に押す力よりも、リターンスプリング65が
第1リレーピストン60を上方に押す力の方が大きく設
定されているので、第1リレーピストン60は上限位置
に保持される。
【0120】この状態で、ブレーキペダル1の踏込によ
る通常ブレーキ操作が行われると、前述の各例と同様
に、ブレーキバルブ2からブレーキバルブ出力圧が指示
圧として指示圧室59に導入され、このブレーキバルブ
出力圧により、第1リレーピストン60には下向きの力
が作用する。この作用力は、ブレーキバルブ出力圧をP
1、ベローズ圧をP3、第1リレーピストン60の外径部
面積をA1、およびロッド135の外径面積をA4とする
と、P1×(A1−A4)+P3×A4で与えられる。この
作用力がリターンスプリング65のばね力SPG1より
大きくなると、第1リレーピストン60が下動し、切換
制御弁64が切り換えられる。すると、リレーバルブ5
4は、エアタンク3′のエア圧により指示圧室59の指
示圧に応じたリレーバルブ出力圧を出力し、このリレー
バルブ出力圧が後輪側のブレーキアクチュエータ22,
23供給され、後輪のブレーキが作動する。
【0121】このとき、指示圧室59のブレーキバルブ
出力圧はバランスピストン133の小径部133bにも
上向きに作用するようになるので、バランスピストン1
33には、その小径部133bの外径面積をA2、およ
び大径部133aの外径面積をA3とすると、ブレーキ
バルブ出力圧による上向きの力P1×(A2−A4)と、
ベローズ圧による下向きの力P3×(A3−A4)の力と
が作用する。
【0122】ブレーキ作動の初期では、ブレーキバルブ
出力圧とベローズ圧の圧力差が所定圧より低く、P1×
(A2−A4)<P3×(A3−A4)となっているので、
バランスピストン133は上動しなく、第1リレーピス
トン60およびロッド135のみが下動する。その場
合、ロッド135の係合部135aがバランスピストン
133の内周縁部133cに係合しないので、第1リレ
ーピストン60およびロッド135は何ら支障なく下動
する。このときの第1リレーピストン60のバランスを
考えると、リレーバルブ出力圧をP2、および第1リレ
ーピストン60の弁体70へのシート面積をA5とし
て、P1×(A1−A4)+P3×A4=P2×(A1−A5
+SPG1となる。したがって、第1リレーピストン6
0が単独で作動するときのリレーバルブ出力圧P2は、
数式
【0123】
【数1】
【0124】で与えられる。ブレーキバルブ出力圧P1
が更に上昇して、ブレーキバルブ出力圧とベローズ圧の
圧力差が所定圧以上になって、P1×(A2−A4)>P3
×(A3−A4)となると、バランスピストン133が上
動し、図9に示すようにバランスピストン133の内周
縁部133cがロッド135の係合部135aに係合す
る。この係合により、第1リレーピストン60とバラン
スピストン133とが一体的に作動するようになる。こ
のときの第1リレーピストン60およびバランスピスト
ン133のバランスを考えると、P1×(A1−A4)+
3×A3=P1×(A2−A4)+P2×(A1−A5)+S
PG1となる。したがって、第1リレーピストン60と
バランスピストン133が一体的に作動するときのリレ
ーバルブ出力圧P2は、数式
【0125】
【数2】
【0126】で与えられる。そこで、数式1と数式2と
を比較すると、いま、小径部133bの外径面積A 2
ロッド135の外径面積A4であるから、(A1−A4
/(A1−A5)>(A1−A2)/(A1−A5)となり、
ブレーキバルブ出力圧P1に対するリレーバルブ出力圧
2の上昇勾配は、第1リレーピストン60とバランス
ピストン133とが係合して一体的に動作する場合の方
が、第1リレーピストン60が単独で動作する場合に比
べて、電磁デュアルリレーバルブ83の入出力特性の傾
きは小さくなる。
【0127】したがって、この例の電磁デュアルリレー
バルブ83は、ブレーキバルブ出力圧が所定圧以上にな
ると、リレーバルブ出力圧すなわち後輪側のブレーキ圧
の上昇勾配を小さくするという、いわゆる従来周知のプ
ロポーションニングバルブ(PV)の機能と同様の機能
を発揮するようになる。
【0128】そして、第1リレーピストン60の単独動
作時の上昇勾配から第1リレーピストン60とバランス
ピストン133との一体的動作時の上昇勾配に変化する
点、すなわち傾きの折れ曲がり点では、P1×(A2−A
4)=P3×(A3−A4)であるから、この点でのブレー
キバルブ出力圧P1は、
【0129】
【数3】
【0130】で与えられる。この数式3において、(A
3−A4)/(A2−A4)>0であるから、折れ曲がり点
でのブレーキバルブ出力圧P1は、ベローズ圧P3が大き
いときには大きくなり、ベローズ圧P3が小さいときに
は小さくなる。すなわち、この例の電磁デュアルリレー
バルブ83は、傾きの折れ曲がり点を積載荷重の増減に
応じて上下変化させるようになり、従来周知のロ−ドセ
ンシングプロポーションニングバルブ(LSPV)の機
能とほぼ同様の機能を発揮するものとなる。
【0131】第1リレーピストン60とバランスピスト
ン133とが一体的に作動している状態で、ブレーキペ
ダル1が解放されてブレーキ解除操作が行われ、ブレー
キバルブ出力圧が低下すると、P1×(A2−A4)>P3
×(A3−A4)となっているので、まず第1リレーピス
トン60とバランスピストン133とが一体的に上動
し、切換制御弁64が非作動状態となり、ブレーキアク
チュエータ22,23に供給されていたリレーバルブ出
力圧が出力口62および切換制御弁64を通って排出口
63から大気に排出されて低下する。このとき、リレー
バルブ出力圧はブレーキバルブ出力圧の低下にともなっ
て、ほぼ数式2の傾きに沿って低下する(リレバルブ5
4の作動方向と戻り方向とでは、各ピストンの摺動抵抗
の向きが変わるので、ヒステリシスが生じている)。
【0132】ブレーキバルブ出力圧が低下していき、P
1×(A2−A4)<P3×(A3−A4)になると、バラン
スピストン133が第1ピストン60に対して相対的に
下動してハウジング66の段部に当接し最下限位置とな
る(図8に示すバランスピストン133の状態)。した
がって、第1リレーピストン60は単独で作動するよう
になり、リレーバルブ出力圧はブレーキバルブ出力圧の
低下にともなって、ほぼ数式1の傾きに沿って低下す
る。そして、最終的にはブレーキバルブ出力圧が0にな
って、リレーバルブ出力圧も0になり、ブレーキが完全
に解除される。
【0133】一方、HSA作動を作動させるには、HS
A電磁切換弁77およびベロース圧供給切換弁126が
ともに作動されて、それぞれ第2位置IIに設定される。
これにより、第2指示圧室74にエアタンク3′のエア
圧が供給され、またベローズ圧室134はベローズ12
5から遮断されて大気に連通され、ベローズ圧室134
内のベローズ圧が大気に排出される。すると、第2リレ
ーピストン75が下動して、図10に示すようにロッド
135の上端に当接し、これ以後、第1および第2リレ
ーピストン60,75は一体的に作動するようになる。
すなわち、電磁デュアルリレーバルブ83は、積載荷重
に関係なく、前述の図2に示す例とまったく同じように
作動する。
【0134】更に、前述のブレーキ制御システムの非作
動状態からTRC制御が行われると、TRC電磁切換弁
85が作動されて第2位置IIに設定される。これによ
り、前述の各例と同様に指示圧室59にエアタンク3′
のエア圧が供給され、TRC制御によるブレーキ作動が
行われる。このとき、リレーバルブ出力圧は、前述の通
常ブレーキ時の場合において、ブレーキバルブ出力圧が
TRC電気切換弁85の出力圧に変わるだけで、この通
常ブレーキ時の場合と同様である。この例のブレーキ制
御システムの他の作動は、前述の図1およびび図2に示
す例と同じである。
【0135】こうして、この例のブレーキ制御システム
の電磁デュアルリレーバルブ83によれば、通常ブレー
キ時には従来のPVと同様の機能を発揮して後輪ブレー
キ圧を制御することができるようになるとともに、上昇
勾配の折れ曲がり点を積載荷重の増減に応じて上下変化
させることができ、従来のLSPVと同様の機能を発揮
して後輪ブレーキ圧を積載荷重に応じて制御することが
できるようになる。その場合、LSPVの機能を発揮で
きることから、別にLSPVを設ける必要がなく、電磁
デュアルリレーバルブ83は構造が簡単なものとなる。
【0136】また、HSA作動時の停車保持圧は、積載
荷重に関係なくエアタンク圧3′のエア圧に応じたもの
となるので、電磁デュアルリレーバルブ83にLSPV
の機能を持たせても、保持圧が不足するようなことはな
くなる。
【0137】更に、TRC制御におけるブレーキ圧も、
積載荷重に応じたものとなるので、TRC制御における
ブレーキ作動を積載荷重に応じてより適切行うことがで
きるようになる。
【0138】なお、後輪側のブレーキ圧を積載荷重に応
じて制御するようになっている車両において、後輪側の
みにHSAバルブを設けて、停車保持時に後輪側のブレ
ーキのみに対して積載荷重に応じて停車保持制御を行う
こともできる。エアサスペンションのベローズ圧以外で
も、積載荷重に応じたエア圧を電磁デュアルリレーバル
ブ83に供給できるものであれば、どのようなものでも
よい。
【0139】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかる坂道発進補助装置を備えたブレーキ制御システ
ムによれば、ブレーキ作動保持用電磁切換弁を用いてい
るので、ブレーキ作動保持用電磁切換弁として従来公知
の簡単な構造の電磁切換弁を使用することができるよう
になる。したがって、従来のような、シール部が多い段
付ピストンや第1および第2TRCカットバルブを有す
る複雑な構造のHSAバルブが不要となり、シール部を
少なくし、かつHSAの構造を簡素化することができる
とともに、コストを低減できる。
【0140】また、本発明によれば、ブレーキ作動保持
用電磁切換弁の出力する第2指示圧をデュアルリレーバ
ルブの第2指示圧導入口に導入するだけで、車輪のブレ
ーキを作動状態に簡単に保持することができるようにな
る。したがって、従来のブレーキ制御システムのように
ブレーキバルブを作動させることを必ずしも必要としな
く、車両の停車保持を簡単に行うことができる。
【0141】特に、請求項2の発明によれば、電磁デュ
アルリレーバルブを、従来慣用のデュアルリレーバルブ
と従来慣用の電磁切換弁とを組み合わせるだけで構成す
ることができるので、小型軽量で低コストであり、かつ
高信頼性を有するものとすることができる。
【0142】また、請求項3の発明によれば、ブレーキ
作動保持制御以外のときは、後輪ブレーキ圧を積載荷重
に応じた適正な圧力にすることができるとともに、ブレ
ーキ作動保持制御時には、後輪ブレーキのブレーキ保持
圧を積載荷重に関係なく、ブレーキ作動保持に必要な所
定の圧力に設定できる。
【0143】更に、請求項4の発明によれば、PVある
いはLSPVを用いることなく、所定より小さい第1指
示圧ではリレーバルブ出力圧の上昇勾配を大きく、所定
以上の第1指示圧ではリレーバルブ出力圧の上昇勾配を
小さくして、ブレーキ制御に圧力上昇の折れ曲がり点を
持たせることができるとともに、この折れ曲がり点を積
載荷重に応じて変化させことができる。しかも、PVあ
るいはLSPVを用いないので、システムの構成をより
簡単にできる。更に、請求項5の発明によれば、トラク
ションコントロール時に、駆動輪にトラクションコント
ロールにおけるブレーキをより確実にかけることができ
る。
【0144】更に、請求項6の発明によれば、トラクシ
ョンコントロール用電磁弁の出力する第3指示圧をデュ
アルリレーバルブの第1指示圧導入口に導入するように
した場合は、トラクションコントロール時には、デュア
ルリレーバルブの出力を比較的大きくすることができ
る。したがって、トラクションコントロールにおける駆
動輪のブレーキをより確実にかけることができる。
【0145】更に、第3指示圧をデュアルリレーバルブ
の第2指示圧導入口に導入するようにした場合は、第2
指示圧受圧面積を第1指示圧受圧面積より小さく設定す
ることにより、トラクションコントロール時には、デュ
アルリレーバルブの出力を比較的小さくすることができ
る。したがって、従来のようにエアタンクの比較的大き
な圧力のエアが直接アンチスキッドモジュレータに供給
されることはなく、デュアルリレーバルブで比較的小さ
く調整された圧力のエアをアンチスキッドモジュレータ
に供給することができるようになる。これにより、アン
チスキッドモジュレータの負担を小さくでき、アンチス
キッドモジュレータの耐久性が向上する。その場合、新
たな特別な機器を必要としないので、アンチスキッドモ
ジュレータの負担の低減を安価に対応することができる
ようになる。
【0146】更に、請求項7および8の発明によれば、
ABSモジュレータ、HSAバルブ、およびTRCバル
ブを一体に形成しているので、部品点数を削減でき、配
管や部品取付の簡素化等のシステムの簡素化を図れると
ともに、コストを低減できる。更に、従来のABSに、
TRCおよびHSAの機能を、大幅な設計変更を要する
ことなく、簡単に持たせることが可能となる。
【0147】更に請求項9の発明によれば、第1リレー
ピストンの第1指示圧受圧面積と第2リレーピストンの
第2指示圧受圧面積とを互いに等しく設定するかまたは
互いに異なるように設定しているので、デュアルリレー
バルブの出力を、互いに等しい第1指示圧と第2指示圧
とに対して、ほぼ等しくすることもできるし、互いに異
ならせることもできる。その場合、第2指示圧受圧面積
を第1指示圧受圧面積より小さくなるように設定するこ
とにより、第2指示圧によるデュアルリレーバルブの出
力を第1指示圧による出力より小さくできる。したがっ
て、小さいブレーキ力で済むHSAによるブレーキ作動
保持の場合は、このように第2指示圧受圧面積を第1指
示圧受圧面積より小さくすることにより、ブレーキ作動
保持をより効果的に行うことができるようになる。
【0148】更に、請求項10ないし12の発明の電磁
デュアルリレーバルブによれば、PVを用いることな
く、電磁デュアルリレーバルブの入出力特性を、所定よ
り小さい第1指示圧では出力圧の上昇勾配を大きく、所
定以上の第1指示圧では出力圧の上昇勾配を小さくする
折れ曲がり点を有する、従来周知のPVの特性と同様の
特性にできる。その場合、第1指示圧と積載荷重圧との
圧力差を用いることから、LSPVを用いることなく、
入出力特性を、折れ曲がり点が積載荷重に応じて変化す
る、従来周知のLSPVの特性とほぼ同様の特性にする
ことができる。
【0149】また、ブレーキ作動保持制御時には、停車
保持を確実に行うことができる。その場合、電磁デュア
ルリレーバルブはLSPVと同様の特性を発揮しないの
で、ブレーキ保持圧を積載荷重に関係なく、停車保持に
必要な所定の圧力に保持できる。特に、請求項11の発
明によれば、積載荷重圧として、エアサスペンションの
ベローズ圧を用いているので、積載荷重圧を簡単に得る
ことができる。
【0150】更に請求項13の発明の電磁デュアルリレ
ーバルブによれば、トラクションコントロール/ブレー
キ作動保持用制御弁、アンチスキッド制御用保持弁およ
びアンチスキッド制御用減圧弁がハウジングとカバーと
で挟み込んで固定しているので、組立が簡単になる。更
に請求項14の発明によれば、指示圧排出口が1つで済
むようになるので、通路孔の構成が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる坂道発進補助装置を備えたブ
レーキ制御システムの実施の形態の一例を示す図であ
る。
【図2】 図1に示す例のブレーキ制御システムに用い
られている電磁デュアルリレーバルブを示す断面図であ
る。
【図3】 本発明の実施の形態の他の例を示す、図1と
同様の図である。
【図4】 本発明の実施の形態の更に他の例を示す、図
1と同様の図である。
【図5】 本発明の実施の形態の更に他の例を示す、図
1と同様の図である。
【図6】 図5に示す例のブレーキ制御システムに用い
られているTRCバルブとHSAバルブとABSモジュ
レータとを一体にしたABS/TRC/HSAバルブを
示す断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態の更に他の例を示す、図
1と同様の図である。
【図8】 図7に示す例のブレーキ制御システムに用い
られている電磁デュアルリレーバルブを示す、図2と同
様の断面図である。
【図9】 図8に示す電磁デュアルリレーバルブにおい
て、出力圧の上昇勾配を変化させるための作動を説明す
る部分断面図である。
【図10】図8に示す電磁デュアルリレーバルブにおい
て、HSA作動時に第2リレーピストンが第1リレーピ
ストンのロッド上端に当接した状態を示す断面図であ
る。
【図11】従来の坂道発進補助装置を備えたブレーキ制
御システムの一例を示す図である。
【図12】従来のHSAバルブの一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…ブレーキペダル、2…デュアルブレーキバルブ、
3,3′…エアタンク、8,18,19…ABSモジュレ
ータ、9,10…前輪、11,22,23…ブレーキアク
チュエータ、17…ダブルチェックバルブ、20,21
…前後輪(駆動輪)、20′,21′…後後輪(非駆動
輪)、24…ABS/TRC ECU、25,26,27,
28…車輪速センサ、51,52,55,56,57…エア
通路、53,54…リレーバルブ、58…第1指示圧導
入口、59…第1指示圧室、60…第1リレーピスト
ン、61…エア導入口、62…出力口、63…排出口、
64…切換制御弁、66…ハウジング、71,72…H
SA通路、73…第2指示圧導入口、74…第2指示圧
室、75…第2リレーピストン、76,77…HSA電
磁切換弁、82,83…電磁デュアルリレーバルブ、8
4…TRC通路、85…TRC電磁切換弁、86,87
…液圧通路、88,89,88′,89′…TRCカット
バルブ、90,91,92…ABS/TRC/HSAバル
ブ、93…第1指示圧導入口、94…第1指示圧室、9
5…第1リレーピストン、96…第1エア導入口、97
…第2エア導入口、98…出力口、99…排出口、10
0…切換制御弁、101…第2指示圧導入口、103…
第2リレーピストン、104…ABS制御用保持バル
ブ、105…指示圧排出口、106…ABS制御用排気
バルブ、108…TRC/HSA電磁切換弁、109…
ハウジング、116,119,123…ソレノイド、12
5…エアサスペンションのベローズ、126…ベローズ
圧電磁切換弁、127…ベローズ圧導入口、133…バ
ランスピストン、133a…バランスピストン133の
大径部、133b…バランスピストン133の小径部、
133c…バランスピストン133の内周縁部、134
…ベローズ圧室、135…ロッド、135a…係合部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮空気を貯蔵するエアタンクと、ブレ
    ーキ操作を行うブレーキ操作部材と、このブレーキ操作
    部材のブレーキ操作によって作動して第1指示圧を出力
    するブレーキバルブと、ブレーキ作動状態に保持すると
    きに作動して第2指示圧を出力するブレーキ作動保持用
    電磁切換弁と、前記第1指示圧が導入される第1指示圧
    導入口および前記第2指示圧が導入される第2指示圧導
    入口を有し、これらの第1および第2指示圧の少なくと
    も1つの指示圧が導入されたとき、前記エアタンクの圧
    縮空気をこの導入された指示圧に応じて調整してブレー
    キ作動圧を出力するデュアルリレーバルブと、このデュ
    アルリレーバルブのブレーキ作動圧が供給されることに
    より作動して車輪にブレーキをかけるブレーキ圧を出力
    するブレーキアクチュエータと、前記ブレーキ作動保持
    用電磁切換弁を作動制御する制御装置とを備え、前記ブ
    レーキ作動保持用電磁切換弁が作動したとき、このブレ
    ーキ作動保持用電磁切換弁の出力する第2指示圧が前記
    デュアルリレーバルブの第2指示圧導入口に導入される
    ことにより、前記車輪のブレーキが作動状態に保持され
    ることを特徴とする坂道発進補助装置を備えたブレーキ
    制御システム。
  2. 【請求項2】 前記ブレーキ作動保持用電磁切換弁とデ
    ュアルリレーバルブとが一体に組み込まれて電磁デュア
    ルリレーバルブが構成されていることを特徴とする請求
    項1記載の坂道発進補助装置を備えたブレーキ制御シス
    テム。
  3. 【請求項3】 更に、通常時に車両の積載荷重に応じた
    積載荷重圧である第3指示圧を出力する積載荷重圧供給
    電磁切換弁を備えるとともに、前記デュアルリレーバル
    ブに前記第3指示圧が導入される第3指示圧導入口を設
    け、また前記ブレーキアクチュエータは後輪にブレーキ
    をかける後輪ブレーキ圧を出力するブレーキアクチュエ
    ータであり、 前記積載荷重圧供給電磁切換弁の出力する第3指示圧が
    前記第3指示圧導入口に導入されることにより、前記デ
    ュアルリレーバルブが積載荷重に応じたリレーバルブ出
    力圧を出力し、このリレーバルブ出力圧が前記ブレーキ
    アクチュエータに供給されることにより、積載荷重に応
    じたブレーキ圧で後輪にブレーキをかけるとともに、前
    記ブレーキ作動保持用電磁切換弁の作動時に、前記積載
    荷重圧供給電磁切換弁の前記第3指示圧を出力停止する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の坂道発進補助
    装置を備えたブレーキ制御システム。
  4. 【請求項4】 前記第1指示圧導入口に導入される第1
    指示圧と前記第3指示圧導入口に導入される第3指示圧
    との圧力差が所定圧を超えたとき、前記リレーバルブ出
    力圧の上昇勾配が小さくなるように設定されていること
    を特徴とする請求項3記載の坂道発進補助装置を備えた
    ブレーキ制御システム。
  5. 【請求項5】 前記後輪は駆動輪であり、更に、トラク
    ションコントロール時に作動して第4指示圧を出力する
    トラクションコントロール用電磁弁と、アンチスキッド
    制御時に前記デュアルリレーバルブの出力するブレーキ
    作動圧を調整して前記ブレーキアクチュエータに供給す
    るアンチスキッド用モジュレータとを備え、前記トラク
    ションコントロール用電磁弁が作動したとき、このトラ
    クションコントロール用電磁弁の出力する第4指示圧が
    前記デュアルリレーバルブの前記第1指示圧導入口また
    は前記第2指示圧導入口に導入されることにより、前記
    駆動輪にブレーキをかけることを特徴とする請求項4記
    載の坂道発進補助装置を備えたブレーキ制御システム。
  6. 【請求項6】 更に、トラクションコントロール時に作
    動して第3指示圧を出力するトラクションコントロール
    用電磁弁と、アンチスキッド制御時に前記デュアルリレ
    ーバルブの出力するブレーキ作動圧を調整して前記ブレ
    ーキアクチュエータに供給するアンチスキッド用モジュ
    レータとを備え、また前記ブレーキアクチュエータは駆
    動輪にブレーキをかけるブレーキ圧を出力するブレーキ
    アクチュエータであり、前記トラクションコントロール
    用電磁弁が作動したとき、このトラクションコントロー
    ル用電磁弁の出力する第3指示圧が前記デュアルリレー
    バルブの前記第1指示圧導入口または前記第2指示圧導
    入口に導入されることにより、前記駆動輪にブレーキを
    かけることを特徴とする請求項1または2記載の坂道発
    進補助装置を備えたブレーキ制御システム。
  7. 【請求項7】 圧縮空気を貯蔵するエアタンクと、 ブレーキ操作を行うブレーキ操作部材と、このブレーキ
    操作部材のブレーキ操作によって作動して第1指示圧を
    出力するブレーキバルブと、 アンチスキッド制御時にこの第1指示圧を制御するアン
    チスキッド制御弁、トラクションコントロール時および
    ブレーキ作動状態に保持するときに作動して第2指示圧
    を出力するトラクションコントロール・ブレーキ作動保
    持用電磁切換弁、および前記第1指示圧が導入される第
    1指示圧導入口および前記第2指示圧が導入される第2
    指示圧導入口を有し、これらの第1および第2指示圧の
    少なくとも1つの指示圧が導入されたとき、前記エアタ
    ンクの圧縮空気をこの導入された指示圧に応じて調整し
    てブレーキ作動圧を出力するデュアルリレーバルブが一
    体にされて構成されたアンチスキッド・トラクションコ
    ントロール・坂道発進制御バルブと、 前記デュアルリレーバルブのブレーキ作動圧が供給され
    ることにより作動して車輪にブレーキをかけるブレーキ
    圧を出力するブレーキアクチュエータと、 前記アンチスキッド制御弁および前記トラクションコン
    トロール・ブレーキ作動保持用電磁切換弁を作動制御す
    る制御装置とを備えていることを特徴とする坂道発進補
    助装置を備えたブレーキ制御システム。
  8. 【請求項8】 前記アンチスキッド制御弁は、前記第1
    指示圧を保持するアンチスキッド制御用保持弁と、前記
    第1指示圧を減圧するアンチスキッド制御用減圧弁とか
    らなることを特徴とする請求項7記載の坂道発進補助装
    置を備えたブレーキ制御システム。
  9. 【請求項9】 前記デュアルリレーバルブは、前記第1
    指示圧を受けて作動する第1リレーピストンと、前記第
    2指示圧を受けて作動する第2リレーピストンとを備
    え、前記第1および第2リレーピストンの少なくとも一
    方が作動したとき、前記デュアルリレーバルブが出力す
    るようになっており、更に前記第1リレーピストンの第
    1指示圧受圧面積と前記第2リレーピストンの第2指示
    圧受圧面積とは、互いに等しいかまたは異なるように設
    定されていることを特徴とする請求項1ないし8のいず
    れか1記載の坂道発進補助装置を備えたブレーキ制御シ
    ステム。
  10. 【請求項10】 ブレーキバルブから出力される第1指
    示圧が導入される第1指示圧導入口、常時エアタンクか
    らの所定圧のエアが導入されているエア導入口、前記エ
    アタンクのエア圧による第2指示圧が導入される第2指
    示圧導入口、車両の積載荷重に応じた積載荷重圧を発生
    する積載荷重圧源、前記積載荷重圧が導入される積載荷
    重圧導入口、ブレーキアクチュエータに接続される出力
    口、大気に連通する排出口、前記エア導入口および前記
    出力口間の通路と前記出力口および前記排出口間の通路
    との交差部に設けられ、これらの通路の連通を制御する
    切換制御弁、この切換制御弁を制御する第1および第2
    リレーピストン、これらの第1および第2リレーピスト
    ンの間に配設されたバランスピストン、前記第1リレー
    ピストンと前記バランスピストンとにより画成され、前
    記第1指示圧導入口に連通する第1指示圧室、前記第2
    リレーピストンにより画成され、前記第2指示圧導入口
    に連通する第2指示圧室、前記第2リレーピストンと前
    記バランスピストンとにより画成され、前記積載荷重圧
    導入口に連通する積載荷重圧室、および前記第1指示圧
    と前記積載荷重圧との圧力差が所定圧より低いときは、
    前記第1リレーピストンを単独で作動させ、前記圧力差
    が前記所定圧以上のときは、前記第1リレーピストンと
    前記バランスピストンとを互いに連結して一体的に作動
    させる連結手段からなるデュアルリレーバルブと、 前記第2指示圧導入口と前記エアタンクとの間に設けら
    れ、ブレーキ作動保持制御時に前記第2指示圧導入口を
    前記エアタンクに連通するとともに、ブレーキ作動保持
    制御以外のときに前記第2指示圧導入口を前記エアタン
    クから遮断して前記大気に連通させるブレーキ作動保持
    用電磁切換弁と、 前記積載荷重圧導入口と前記積載荷重圧源との間に設け
    られ、ブレーキ作動保持制御時に前記積載荷重圧導入口
    を前記積載荷重圧源から遮断して前記大気に連通させる
    とともに、ブレーキ作動保持制御以外のときに前記積載
    荷重圧導入口を前記積載荷重圧源に連通する積載荷重圧
    供給用電磁切換弁と、からなることを特徴とする電磁デ
    ュアルリレーバルブ。
  11. 【請求項11】 前記積載荷重圧源は車両の後輪を支持
    するエアサスペンションのベローズであり、前記積載荷
    重圧はこのベローズのベローズ圧であることを特徴とす
    る請求項10記載の電磁デュアルリレーバルブ。
  12. 【請求項12】 前記バランスピストンは、前記積載荷
    重圧室に面する大径部と前記第1指示圧室に面する小径
    部とからなる段付ピストンからなるとともに、前記連結
    手段は、一端が第1リレーピストンに連結されるととも
    に、他端に前記第1リレーピストンが当接可能とされて
    おり、更に中間に係合部を有するロッドからなり、 前記バランスピストンが、このロッドに、前記第1リレ
    ーピストンと前記係合部との間に位置して遊嵌されてい
    て、前記第1指示圧と前記積載荷重圧との圧力差が所定
    圧より低いときは、前記係合部と前記バランスピストン
    とが互いに係合しなく、前記圧力差が前記所定圧以上の
    ときは、前記係合部とと前記バランスピストンとを互い
    に係合するようになっていることを特徴とする請求項1
    0または11記載の電磁デュアルリレーバルブ。
  13. 【請求項13】 ブレーキバルブから出力される第1指
    示圧が導入される第1指示圧導入口、前記第1指示圧導
    入口に連通する第1指示圧室を上面で区画形成する第1
    リレーピストン、常時エアタンクからの所定圧のエアが
    導入されている第1および第2エア導入口、常時ブレー
    キアクチュエータに接続される出力口、大気に連通する
    排出口、前記エア導入口および前記出力口間の通路と前
    記出力口および前記排出口間の通路との交差部に設けら
    れた切換制御弁、前記第2エア導入口からの第2指示圧
    が供給される第2指示圧導入口、および前記第2指示圧
    導入口に連通する第2指示圧室を上面で区画形成すると
    ともに前記第1指示圧室を下面で区画形成する、前記第
    1リレーピストンより小径の第2リレーピストンからな
    るデュアルリレーバルブと、 前記第1指示圧導入口および前記第1指示圧室間の通路
    に設けられた電磁弁からなる常開のアンチスキッド制御
    用保持弁と、 前記第1指示圧室の指示圧を大気に排出する第1指示圧
    排出口と、 前記第2指示圧室の指示圧を大気に排出する第2指示圧
    排出口と、 前記第1指示圧室および前記第1指示圧排出口間の通路
    に設けられた電磁弁からなる常閉のアンチスキッド制御
    用減圧弁と、 前記第2エア導入口および前記第2指示圧導入口の通路
    と前記第2指示圧導入口および前記第2指示圧排出口間
    の通路との交差部に設けられた電磁切換弁からなるトラ
    クションコントロール/ブレーキ作動保持用制御弁とを
    備え、 前記トラクションコントロール/ブレーキ作動保持用制
    御弁が前記第2リレーピストンの上方中央に配置される
    とともに、前記アンチスキッド制御用保持弁および前記
    アンチスキッド制御用減圧弁が前記トラクションコント
    ロール/ブレーキ作動保持用制御弁の両外側に配置さ
    れ、 前記トラクションコントロール/ブレーキ作動保持用制
    御弁、前記アンチスキッド制御用保持弁および前記アン
    チスキッド制御用減圧弁が前記デュアルリレーバルブの
    ハウジングとカバーとで挟み込まれて設けられており、 前記アンチスキッド制御用保持弁が設けられる通路およ
    び前記アンチスキッド制御用減圧弁が設けられる通路
    が、ともに前記第2リレーピストンの側方を通るように
    して設けられていることを特徴とする電磁デュアルリレ
    ーバルブ。
  14. 【請求項14】前記第1指示圧排出口と前記第2指示圧
    排出口とが、1つの共通の指示圧排出口で構成されてい
    ることを特徴とする請求項13記載の電磁デュアルリレ
    ーバルブ。
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