JPH11170354A - プリフォームの結晶化方法及び装置 - Google Patents

プリフォームの結晶化方法及び装置

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JPH11170354A
JPH11170354A JP9363102A JP36310297A JPH11170354A JP H11170354 A JPH11170354 A JP H11170354A JP 9363102 A JP9363102 A JP 9363102A JP 36310297 A JP36310297 A JP 36310297A JP H11170354 A JPH11170354 A JP H11170354A
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neck
preform
cavity mold
neck portion
elastic member
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Masaru Matsui
大 松井
Tomomi Tsuchiya
知巳 土屋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形時のネックキャビティ型を加熱して
プリフォームのネック部を結晶化した後、冷却する際
に、そのネック部の形状を再成形することで、ネック部
の賦形性を向上させて、寸法精度を高め、かつ、冷却ポ
ットをネック部相当部分のみとして、コストを削減でき
るようにする。 【解決手段】 プリフォーム10のネック部12をネッ
クキャビティ型20内に保持したまま、ネックキャビテ
ィ型20を加熱して、ネック部12を結晶化する。ネッ
ク部12を加熱結晶化した後、冷却部16において、ネ
ック部12の内側に筒状の弾性部材48を挿入し、この
筒状の弾性部材48を押圧ロッド50を用いてネック部
12の径方向に拡張させてネック部12の内面に押し付
けることで、結晶化して収縮したネック部12の形状を
再成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリフォームの結
晶化方法及び装置に関し、特に、結晶化して収縮したプ
リフォームのネック部の形状を再成形するプリフォーム
の結晶化方法及び装置に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】特に、耐
熱性容器を成形するにあたり、その容器あるいは該容器
成形用のプリフォームのネック部あるいは口部などと称
される未配向もしくは著しく低配向の領域を、結晶化さ
せて耐熱性を持たせる方法がある。
【0003】この方法は、特に、高温内容物を充填する
ポリエチレンテレフタレート(PET)製の容器で実用
化されている。
【0004】この実用化されたネック部の結晶化方法
は、例えば、特公昭62−25491に開示されるよう
に成形されたびん体(もしくはプリフォーム)のネック部
の周りにヒータを配置させて結晶化するという方法であ
る。
【0005】この様な方法で結晶化されたネック部は、
加熱時に歪みや熱による収縮などの変形を受けやすく、
そのため、良品を得るためには熟練した成形者によるプ
リフォームの射出成形条件の設定、製品(びん体もしく
はプリフォーム)の保管の管理、収縮を予測したネック
部の設計などの多くの課題があり、中小の容器成形業者
では導入に耐えない。
【0006】特に、ネック部は内容物の漏れを防ぐ目的
で高い寸法精度が多くの規格で要求されている。
【0007】本発明者等は、これらの課題を解決するた
めに、射出成形後のネックキャビティ型を用いて、プリ
フォームのネック部を結晶化することを課題して、本発
明に至った。
【0008】従って、本発明の目的は、射出成形時のネ
ックキャビティ型を加熱してプリフォームのネック部を
結晶化した後、そのネック部の形状を再成形すること
で、ネック部の賦形性を向上させて、寸法精度を高める
ことのできるプリフォームの結晶化方法及び装置を提供
することにある。
【0009】本発明の他の目的は、結晶化したネック部
を冷却する際に、ネック部相当部分のみの冷却部材を用
いて冷却することで、冷却部材のコストを削減すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1のプリフォーム
の結晶化方法は、プリフォームのネック部をネックキャ
ビティ型内に保持したまま、前記ネックキャビティ型を
加熱して、前記ネック部を結晶化するプリフォームの結
晶化方法において、前記ネック部を加熱結晶化した後、
前記ネック部の内側に拡張部材を挿入し、前記拡張部材
を前記ネック部の径方向に拡張させて前記ネック部内面
に押し付けることで、結晶化して収縮した前記ネック部
の形状を再成形することを特徴とする。
【0011】本発明によれば、射出成形時にプリフォー
ムのネック部外形を規定するネックキャビティ型内にネ
ック部を保持した状態で、ネック部を加熱して結晶化さ
せ、この結晶化によって収縮したネック部を拡張部材に
よりネックキャビティ型に押し付けることで、確実にネ
ック部の賦形性を向上させて、寸法精度を高めることが
できる。
【0012】また、拡張部材によりネック部をネックキ
ャビティ型に押し付けるため、ネック部以外のプリフォ
ームの外面を規制する手段を用いることなく再成形を行
うことができる。さらに、拡張部材をネック部の内側に
挿入する際は、拡張部材がネック部の内径よりも小さい
ので、ネック部の内側を傷つけたり、変形させるおそれ
もない。
【0013】請求項2の発明は、請求項1において、前
記拡張部材は、圧縮により外径が拡張変形する弾性部材
であることを特徴とする。
【0014】本発明によれば、請求項1の状態に加え、
圧縮により弾性部材の外形を拡張変形させるという単純
な構成で、確実にネック部をネックキャビティ型に押し
付けることができる。また弾性体なので、ネック部内側
の変形程度に合わせた押し付けが可能である。
【0015】請求項3の発明は、請求項1において、前
記拡張部材は、圧縮エアの供給により膨張して外径が拡
張変形する袋状の弾性部材であることを特徴とする。
【0016】本発明によれば、請求項1の状態に加え、
袋状の弾性部材内に圧縮エアを供給し、弾性部材の外形
を拡張変形させるという単純な構成で、確実にネック部
をネックキャビティ型に押し付けることができる。ま
た、圧縮エアの力で押し付けるので、ネック部内側の変
形程度に合わせた押し付けが可能である。
【0017】請求項4の発明は、請求項1において、前
記拡張部材は、軸方向に伸びるスリットを周方向に所定
間隔で複数有し、前記スリットを広げることにより径方
向に拡張する筒体であることを特徴とする。
【0018】本発明によれば、請求項1の状態に加え、
筒体のスリットを広げて筒体の外形を拡張変形させるこ
とで、弾性体の圧縮や圧縮エアによる変形に比べて再現
性が高く、繰り返し使用による劣化が少ない。
【0019】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かにおいて、前記ネック部の再成形は、冷却部材にて前
記ネックキャビティ型を冷却することで前記ネック部を
冷却する際に行われることを特徴とする。
【0020】本発明によれば、請求項1〜4のいずれか
の状態に加え、ネック部が接触しているネックキャビテ
ィ型を冷却することで、確実にネック部の冷却を行うと
ともに、ネック部を再成形した状態で、ネック部が冷却
されるので、確実にネック部の形状を出すことができ
る。しかも、冷却部材は、ネックキャビティ型を冷却で
きるだけの大きさで済み、冷却部材を小さくして、コス
トを削減することができる。
【0021】請求項6のプリフォームの結晶化装置は、
プリフォームのネック部を保持した前記ネックキャビテ
ィ型を加熱して、前記ネックキャビティ型内にて前記ネ
ック部を前記熱可塑性樹脂の結晶化温度に達するように
加熱する加熱部と、前記ネックキャビティ型を冷却して
前記ネック部を冷却する冷却部とを有し、前記冷却部
は、前記ネックキャビティ型を受け入れて前記ネックキ
ャビティ型外面と接触し、前記ネックキャビティ型を介
して前記ネック部の外面を冷却する冷却部材と、前記ネ
ックキャビティ型内より前記ネック部内に挿入される拡
張部材及びこの拡張部材を前記ネック部の径方向に外径
を拡張変形させて前記ネック部内面を押し付ける変形手
段を有する賦形機構と、を備えることを特徴とする。
【0022】本発明によれば、ネックキャビティ型を加
熱する加熱部により、射出成形時にプリフォームのネッ
ク部外形を規定するネックキャビティ型内にネック部を
保持した状態で、ネック部を加熱して結晶化させること
ができるので、ネック部が加熱によって大きく変形する
ことがなく、この結晶化によって収縮したネック部を冷
却部で冷却する際に、賦形機構が拡張部材外形を拡張変
形させてネック部をネックキャビティ型に押し付けるこ
とにより、確実にネック部の賦形性を向上させて、寸法
精度を高めることができる。
【0023】また、賦形機構は、ネック部のみをネック
キャビティ型に対して押し付けるため、冷却部材は、プ
リフォームの外形を規制する必要がなく、ネックキャビ
ティ型を冷却できるだけの大きさで済み、冷却部材を小
さくして、コストを削減することができる。
【0024】請求項7の発明は、請求項6において、前
記賦形機構は、前記プリフォームの前記ネック部天面付
近の形状を規制する天面規制部を有することを特徴とす
る。
【0025】本発明によれば、請求項6の状態に加え、
シール部となる天面付近を、拡張部材とは別の賦形機構
の天面規制部により、ネック部の天面を規制して、より
賦形性を向上させることができる。
【0026】請求項8の発明は、請求項6または7にお
いて、前記拡張部材は、一端の位置が規制された筒状の
弾性部材にて形成され、前記変形手段は、前記弾性部材
を貫通して前記弾性部材の他端を押圧することで前記弾
性部材の外径を拡張変形させる押圧ロッドにて形成され
ることを特徴とする。
【0027】本発明によれば、請求項6または7の状態
に加え、押圧ロッドにより弾性部材を押圧して、弾性部
材の外形を拡張変形させることで、簡単な機構で、確実
にネック部をネックキャビティ型に対して押し付けて所
望の形状を得ることができる。
【0028】請求項9の発明は、請求項6または7にお
いて、前記拡張部材は、袋状の弾性部材にて形成され、
前記変形手段は、前記弾性体内に圧縮エアを供給するこ
とで前記弾性体の外径を拡張変形させるエア供給手段に
て形成されることを特徴とする。
【0029】本発明によれば、請求項6または7の状態
に加え、エア供給手段により袋状の弾性体内に圧縮エア
を供給し、弾性体の外形を拡張変形させることで、簡単
な機構で、確実にネック部をネックキャビティ型に対し
て押し付けることができる。
【0030】請求項10の発明は、請求項6または7に
おいて、前記拡張部材は、軸方向に伸びるスリットを周
方向に所定間隔で複数有する筒体にて形成され、前記変
形手段は、前記筒体内に挿入されて前記筒体の前記スリ
ットを広げることにより、前記筒体の外径を拡張変形さ
せるピンにて形成されることを特徴とする。
【0031】本発明によれば、請求項6または7の状態
に加え、ピンを筒体内に挿入し、筒体のスリットを広げ
て筒体の外形を拡張変形させることで、簡単な機構で、
確実にネック部をネックキャビティ型に対して押し付け
ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照して説明する。
【0033】図1〜図3は、本発明の一実施の形態に係
るプリフォームの結晶化装置を示す図である。
【0034】このプリフォームの結晶化装置によって処
理されるプリフォーム10は、例えば図1に示すよう
に、大別して開口側のネック部12と、その下方に続く
有底胴部14とを有する。ネック部12は、例えばねじ
部12aと、ロッキングリング12bと、サポートリン
グ12cとを有する。ねじ部12a及びロッキングリン
グ12bの領域は、このプリフォーム10を用いて成形
された容器内に内容物が充填された後に、プラスチック
製または金属製のキャップが装着されるキャップ装着領
域となる。一方、サポートリング12cの領域は非キャ
ップ装着領域であり、内容物の充填工程あるいはキャッ
ピング工程時に容器本体を支えるために用いられる。
【0035】このプリフォームの結晶化装置は、プリフ
ォーム10のネック部12を結晶化するもので、少なく
ともプリフォーム10を射出成形する図示せぬ射出成形
部と、図3に示す加熱部16と、図1及び図2に示す冷
却部18とを備えている。
【0036】加熱部16は、プリフォーム10のネック
部12を、射出成形時のネック部12の外形を規定する
ネックキャビティ型20内に保持したまま、加熱ポット
22及び加熱コア24によりネックキャビティ型20を
加熱して、ネック部12を熱可塑性樹脂の結晶化温度に
達するように加熱するようになっている。
【0037】ネックキャビティ型20は、割型20a、
20bから構成され、この割型20a、20bがそれぞ
れ2つの開閉可能な分割板26a、26bから構成され
るネック型固定板26に取り付けられ、このネック型固
定板24の分割板26a、26bを開閉駆動すること
で、ネックキャビティ型20の開閉駆動が可能にされて
いる。
【0038】加熱ポット22は、プリフォーム10のネ
ック部12付近に相当する筒状のもので、内面にネック
キャビティ型20の外面形状に対応したテーパ部28を
有し、このテーパ部28付近外周にヒータ30を鋳込ん
で形成されている。
【0039】また、この加熱ポット22には、熱電対3
2が設けられ、加熱温度を検出して温度調節し得るよう
になっている。
【0040】さらに、加熱ポット22は、ネックキャビ
ティ型20に対し相対移動して、ネックキャビティ型2
0を受け入れてネックキャビティ型20の外面と接触
し、ネックキャビティ型20を介してプリフォーム10
のネック部12を加熱するようになっている。
【0041】加熱コア24は、内部にロッドヒータ34
を有し、このロッドヒータ34の下端部に加熱ピース3
6が取り付けられた状態となっている。
【0042】そして、加熱コア24がネックキャビティ
型20内に挿入されて、ネック部12の内面とは非接触
でネック部12の内面を加熱するようになっている。こ
の場合、加熱ピース36の外面がネックキャビティ型2
0の内面に接触してネックキャビティ型20を加熱する
ようになっている。
【0043】冷却部18は、加熱部16でネック部12
が加熱されて結晶化したプリフォーム10のネック部1
2を冷却するもので、冷却部材38と、賦形機構40と
を備えている。
【0044】冷却部材38は、プリフォーム10のネッ
ク部12付近に相当する筒状のもので、内面にネックキ
ャビティ型20の外面形状に対応したテーパ部44を有
し、このテーパ部44付近外周に冷却水路42が形成さ
れ、その中を冷却水が循環するようになっている。
【0045】そして、冷却部材38がネックキャビティ
型20に対して相対移動して、ネックキャビティ型20
の外面と接触し、ネックキャビティ型20を介してネッ
ク部12の外面を冷却するようになっている。
【0046】賦形機構40は、ネックキャビティ型20
内に挿入可能にされた支持部材46に取り付けられ、結
晶化によって収縮したプリフォーム10のネック部12
の形状を再成形するもので、拡張部材としての筒状の弾
性部材48と、弾性部材48を変形させる変形手段とし
ての押圧ロッド50とを有している。
【0047】押圧ロッド50は、支持部材46及び弾性
部材48を貫通して、下端に押圧部材52を取り付けて
形成されている。また、この押圧ロッド50は、図示せ
ぬ駆動装置により、上方にスライド可能にされている。
【0048】弾性部材48は、その上端が支持部材46
の下面に当接し、下端が押圧部材52の上面に当接して
配置されている。また、この弾性部材48は、プリフォ
ーム10のネック部12の長さよりも若干長く形成され
ると共に、ネック部12の内径よりも若干小さな外径に
形成されている。さらに、この弾性部材48は、例え
ば、シリコンゴムや、フッ素ゴムなどの耐熱性、耐久性
の高い材料にて形成されることが好ましい。
【0049】そして、押圧ロッド50を上方にスライド
させることで、押圧部材52が弾性部材48の下面を押
圧して弾性部材48の外径を拡張変形させ、弾性部材4
8によりネック部12の内面を押し付けて、ネックキャ
ビティ型20の内面にネック部12の外面を押し付け、
ネック部12を再成形するようにしている。
【0050】このように、弾性部材48及び押圧ロッド
50という簡単な機構で、ネック部12の賦形性を確実
に向上させることができる。弾性部材48は、ネック部
12の内側に押し付けられてもなお変形可能であるた
め、収縮量の大小によってネック部12の内面に凹凸を
形成するように変形し、無理なく再成形できる。しか
も、冷却部材38はネックキャビティ型20のみを冷却
するため、冷却部材38を小さくして、コストを削減す
ることができる。
【0051】また、支持部材46の下面には、プリフォ
ーム10のネック部12の天面付近の形状を規制する天
面規制部54が形成され、天面付近の形状を確実に規制
できるようにしている。
【0052】次に、前述のプリフォームの結晶化装置を
用いたプリフォームの結晶化方法について説明する。
【0053】まず、図示せぬ射出成形部で、ネックキャ
ビティ型20と、射出キャビティ型と、射出コア型とを
用いて、熱可塑性樹脂にてプリフォームを射出成形す
る。
【0054】次に、図3に示すように、射出成形された
プリフォーム10のネック部12を前記ネックキャビテ
ィ型20で保持したまま、プリフォーム10を加熱部1
6へと搬送し、加熱部16においてプリフォーム10の
ネック部12を保持したネックキャビティ型20を加熱
して、ネックキャビティ型20内にてネック部12を熱
可塑性樹脂の結晶化温度に達するように加熱する。
【0055】この場合、加熱ポット22を、ネックキャ
ビティ型20に対し相対移動させてネックキャビティ型
20の外面と接触させ、ネックキャビティ型20を介し
てプリフォーム10のネック部12外面側を加熱すると
共に、加熱コア24をネックキャビティ型20内に挿入
してネック部12の内面と非接触でネック部12の内面
を加熱する。また、加熱ピース36は、外面がネックキ
ャビティ型20の内面に接触してネックキャビティ型2
0を加熱する。
【0056】次いで、加熱部16でネック部12が加熱
されて結晶化したプリフォーム10をネックキャビティ
型20で保持したまま冷却部18へと搬送して冷却す
る。
【0057】この場合、冷却部材38がネックキャビテ
ィ型20に対して相対移動してネックキャビティ型20
の外面に接触してネックキャビティ型20を冷却し、こ
のネックキャビティ型20を介してネック部12を外面
側から冷却する。
【0058】また、この冷却の際に、支持部材46に支
持された賦形機構40がネックキャビティ型20内に挿
入され、支持部材46下面に形成された天面規制部54
がネック部12の天面付近の形状を規制することとなる
(図1参照)。
【0059】そして、この状態から、図2に示すよう
に、図示せぬ駆動装置により、押圧ロッド50を上方に
スライドさせ、押圧部材52により弾性部材48の下面
を押圧して圧縮すると、弾性部材48の外径が拡張変形
し、弾性部材48がネック部12の内面を押し付け、こ
れによってネックキャビティ型20の内面にネック部1
2の外面が押し付けられ、ネック部12が再成形され
る。
【0060】このように、結晶化によって収縮したプリ
フォーム10のネック部12を賦形機構40によって再
成形することにより、確実に賦形性を向上させることが
でき、しかも、賦形機構40はネック部12内面部分の
みを加圧するため、冷却部材38によってネック部12
以外の部分を保持する必要がなく、冷却部材38を小さ
くすることができる。
【0061】そして、冷却後に、ネック型固定板26に
よりネックキャビティ型20を開いてネックキャビティ
型20からプリフォームを取り出せばよい。
【0062】図4及び図5は、冷却部における賦形機構
の他の実施の形態を示す図である。
【0063】この賦形機構60は、拡張部材として袋状
の弾性部材62を用いるようにしている。
【0064】この袋状の弾性部材62は、支持部材46
の下端部にネック部12相当分突出して取り付けられる
取付け部材64の側面に、周方向にわたって取り付けら
れている。なお、この弾性部材62は、かしめリング等
によって取り付けられるようになっている。また、この
弾性部材62としては、例えば、樹脂製の糸などでラジ
アル状あるいはバイアス状に補強されたゴム材を採用す
ることができる。
【0065】取付け部材64の弾性部材62取付部分に
は、弾性部材62の袋内に臨むエア供給口66が形成さ
れ、このエア供給口66から、支持部材46及び取付け
部材64内に形成されたエア供給路68を経て図示せぬ
エア供給源に至る変形手段としてのエア供給手段が形成
される。
【0066】そして、図4に示すように、圧縮エアの非
供給状態では、袋状の弾性部材62は、収縮した状態
で、プリフォーム10のネック部12内面とは非接触状
態にある。
【0067】この状態から、図5に示すように、エア供
給源からエア供給路68、エア供給口66を経て、袋状
の弾性部材62内に圧縮エアを供給すると、袋状の弾性
部材62が圧縮エアにより膨張して、弾性体62の外径
が拡張変形し、ネック部12の内面を押し付けてネック
部12を再成形することとなる。
【0068】図6〜図9は、冷却部における賦形機構の
さらに他の実施の形態を示す図である。
【0069】この賦形機構70は、支持部材46の下端
部に取り付けられた拡張部材としての筒体72と、この
筒体72を拡張させる変形手段としてのピン74とを有
している。
【0070】筒体72は、支持部材46内に組み込まれ
る基端側部76と、この基端側部76に連続して、支持
部材46の下端からプリフォーム10のネック部12相
当分突出する拡張部78とを有している。
【0071】基端側部76及び拡張部78には、それぞ
れ軸方向に伸びるスリット80、82が周方向に所定間
隔で複数形成されている。
【0072】拡張部78側のスリット82は、図8及び
図9に示すように、内方部分が拡張したほぼ三角状に形
成され、図8に示すように、常時は拡張部78の外径が
縮径した状態になっている。
【0073】基端側部76のスリット80は、図8及び
図9に示すように、拡張部76側のスリット82に対応
したほぼ三角状のスリット挿入部材84を各スリット8
2対応位置で撓み可能にしている。
【0074】ピン74は、先端部付近にテーパ部86を
有し、図示せぬ駆動装置により、図8及び図9に示すよ
うに、先端部が拡張部76内に挿入されることで、テー
パ部86によりスリット挿入部材84をスリット82内
に挿入してスリット82を広げ、拡張部78の外径を拡
張するようになっている。
【0075】この場合、スリット挿入部材84の表面と
拡張部76の表面が隙間なく一致してネック部12の内
面に縦状の線がでないようにされている。
【0076】なお、筒体72は、金属または合成樹脂等
の材料を用いて形成することができる。
【0077】そして、図6及び図8に示すように、駆動
装置によりピン74の先端部が拡張部76内から抜かれ
た状態で、拡張部78のスリット82からスリット挿入
部材84が抜け出てスリット82が狭められ、拡張部7
8の外径が縮径した状態で、拡張部78がネック部12
内に挿入される。この状態で、拡張部78は、ネック部
12の内面に接触していない。
【0078】この状態から、図7及び図9に示すよう
に、駆動装置により、ピン74の先端部を拡張部78内
に挿入し、テーパ部86によりスリット挿入部材84を
スリット82内に挿入してスリット82を広げれば、拡
張部78の外径が拡張してネック部12の内面を押し付
けてネック部12の形状を規制することとなる。
【0079】本発明は前記各実施の形態に限られるもの
ではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形
実施が可能である。
【0080】例えば、拡張部材として筒状の弾性部材を
用いたものについて、押圧ロッドで引っ張ることで弾性
部材を圧縮する場合について説明したが、逆に弾性部材
の下面を固定して上面から押し付けることで圧縮するよ
うにすることも可能である。
【0081】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるプリフォームの
結晶化装置における冷却部の賦形機構による賦形前の状
態を示す断面図である。
【図2】図1の状態から賦形機構により賦形した状態を
示す断面図である。
【図3】本実施の形態にかかるプリフォームの結晶化装
置における加熱部の状態を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態にかかる冷却部におけ
る賦形機構による賦形前の状態を示す断面図である。
【図5】本実施の形態における賦形機構による賦形後の
状態を示す断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態にかかる冷却部
における賦形機構による賦形前の状態を示す断面図であ
る。
【図7】本実施の形態における賦形機構による賦形後の
状態を示す断面図である。
【図8】図6のXIII-XIII線に沿う断面図である。
【図9】図7のIX-IX線に沿う断面図である。
【符号の説明】 10 プリフォーム 12 ネック部 16 加熱部 18 冷却部 20 ネックキャビティ型 38 冷却部材 40、60、70 賦形機構 48 筒状の弾性部材 50 押圧ロッド 54 天面規制部 62 袋状の弾性部材 66 エア供給口 68 エア供給路 72 筒体 74 ピン 82 スリット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリフォームのネック部をネックキャビ
    ティ型内に保持したまま、前記ネックキャビティ型を加
    熱して、前記ネック部を結晶化するプリフォームの結晶
    化方法において、 前記ネック部を加熱結晶化した後、前記ネック部の内側
    に拡張部材を挿入し、前記拡張部材を前記ネック部の径
    方向に拡張させて前記ネック部内面に押し付けること
    で、結晶化して収縮した前記ネック部の形状を再成形す
    ることを特徴とするプリフォームの結晶化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記拡張部材は、圧縮により外径が拡張変形する弾性部
    材であることを特徴とするプリフォームの結晶化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記拡張部材は、圧縮エアの供給により膨張して外径が
    拡張変形する袋状の弾性部材であることを特徴とするプ
    リフォームの結晶化方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記拡張部材は、軸方向に伸びるスリットを周方向に所
    定間隔で複数有し、前記スリットを広げることにより径
    方向に拡張する筒体であることを特徴とするプリフォー
    ムの結晶化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記ネック部の再成形は、冷却ポットにて前記ネックキ
    ャビティ型を冷却することで前記ネック部を冷却する際
    に行われることを特徴とするプリフォームの結晶化方
    法。
  6. 【請求項6】 プリフォームのネック部を保持した前記
    ネックキャビティ型を加熱して、前記ネックキャビティ
    型内にて前記ネック部を前記熱可塑性樹脂の結晶化温度
    に達するように加熱する加熱部と、 前記ネックキャビティ型を冷却して前記ネック部を冷却
    する冷却部とを有し、前記冷却部は、前記ネックキャビ
    ティ型を受け入れて前記ネックキャビティ型外面と接触
    し、前記ネックキャビティ型を介して前記ネック部の外
    面を冷却する冷却部材と、 前記ネックキャビティ型内より前記ネック部内に挿入さ
    れる拡張部材及びこの拡張部材を前記ネック部の径方向
    に外径を拡張変形させて前記ネック部内面を押し付ける
    変形手段を有する賦形機構と、 を備えることを特徴とするプリフォームの結晶化装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記賦形機構は、前記プリフォームの前記ネック部天面
    付近の形状を規制する天面規制部を有することを特徴と
    するプリフォームの結晶化装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、 前記拡張部材は、一端の位置が規制された筒状の弾性部
    材にて形成され、 前記変形手段は、前記弾性部材を貫通して前記弾性部材
    の他端を押圧することで前記弾性部材の外径を拡張変形
    させる押圧ロッドにて形成されることを特徴とするプリ
    フォームの結晶化装置。
  9. 【請求項9】 請求項6または7において、 前記拡張部材は、袋状の弾性部材にて形成され、 前記変形手段は、前記弾性体内に圧縮エアを供給するこ
    とで前記弾性体の外径を拡張変形させるエア供給手段に
    て形成されることを特徴とするプリフォームの結晶化装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項6または7において、 前記拡張部材は、軸方向に伸びるスリットを周方向に所
    定間隔で複数有する筒体にて形成され、 前記変形手段は、前記筒体内に挿入されて前記筒体の前
    記スリットを広げることにより、前記筒体の外径を拡張
    変形させるピンにて形成されることを特徴とするプリフ
    ォームの結晶化装置。
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