JPH11169178A - ゲラニル二リン酸合成酵素遺伝子 - Google Patents

ゲラニル二リン酸合成酵素遺伝子

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JPH11169178A JP9346686A JP34668697A JPH11169178A JP H11169178 A JPH11169178 A JP H11169178A JP 9346686 A JP9346686 A JP 9346686A JP 34668697 A JP34668697 A JP 34668697A JP H11169178 A JPH11169178 A JP H11169178A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲラニル二リン酸合成酵素及び該酵素をコー
ドする遺伝子の提供。 【解決手段】 以下の(a)又は(b)の組換えタンパ
ク質、及び該タンパク質をコードする遺伝子。 (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタン
パク質 (b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において第8
2番目のアミノ酸を除く少なくとも1個のアミノ酸が欠
失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、か
つゲラニル二リン酸合成酵素活性を有するタンパク質

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲラニル二リン酸
合成酵素、該酵素をコードする遺伝子、該遺伝子を含む
組換えベクター、並びにゲラニル二リン酸合成酵素及び
ゲラニル二リン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内で重要な機能を持つ物質のうち、
イソプレン(isoprene:2-メチル-1,3-ブタジエン)を
構成単位として生合成される物質は数多い。これらの化
合物はイソプレノイド(isoprenoid)、テルペノイド
(terpenoid)又はテルペン(terpene)とも呼ばれ、炭
素数によりヘミテルペン(hemiterpene, C5)、モノテ
ルペン(monoterpene, C10)、セスキテルペン(sesqui
terpene, C15)、ジテルペン(diterpene, C20)、セス
タテルペン(sesterterpene, C25)、トリテルペン(tr
iterpene, C30)、テトラテルペン(tetraterpene, C4
0)などに分類される。
【0003】これらの物質の実際の生合成は、活性型イ
ソプレン単位であるイソペンテニル二リン酸(IPP: iso
pentenyl diphosphate)が合成されるところから始ま
る。架空の前駆体物質として提唱されたイソプレン単位
の真の姿は、結局、活性型イソプレン単位といわれるIP
Pである。IPPの異性体であるジメチルアリル二リン酸
(DMAPP: dimethylallyl diphosphate)は、IPPとの縮
合反応によってゲラニル二リン酸(GPP: geranyl dipho
sphate)、ネリル二リン酸(neryl diphosphate)、フ
ァルネシル二リン酸(FPP: farnesyl diphosphate)、
ゲラニルゲラニル二リン酸(GGPP: geranyl geranyl di
phosphate)、ゲラニルファルネシル二リン酸(GFPP: g
eranyl farnesyl diphosphate)、ヘキサプレニル二リ
ン酸(HexPP: hexaprenyl diphosphate)、ヘプタプレ
ニル二リン酸(HepPP: heptaprenyl diphosphate)など
の鎖状活性型イソプレノイドに合成されることが知られ
ている。
【0004】FPPやGGPPなどでは全トランス型(all-E
型)が活性型と考えられるが、cis縮合反応することに
よって天然ゴム、ドリコール・バクトプレノール(ウン
デカプレノール)、あるいは植物で見出される各種ポリ
プレノール等が合成される。これらの化合物は、分子内
に持つピロリン酸と炭素骨格とのリン酸エステル結合エ
ネルギーを用いて縮合反応が進行することにより合成さ
れるものと考えられ、反応副産物としてピロリン酸が生
成すると考えられている。
【0005】ゲラニオール及びその異性体ネロールはい
ずれも薔薇油主成分の香料であり、楠抽出物の樟脳は、
防虫剤としても利用されている。アリル性(allylic)
基質であるDMAPP、GPP、FPP、GGPP、GFPPなどにIPPを順
次縮合していく活性型イソプレノイド合成酵素は、プレ
ニル二リン酸合成酵素又はプレニルトランスフェラーゼ
と呼ばれている。プレニル二リン酸合成酵素は、主要反
応産物の炭素数の違いにより名称を区別している。例え
ば、炭素数15個のファルネシル二リン酸の生成を触媒す
る酵素はファルネシル二リン酸合成酵素(FPP synthas
e)と呼ばれ、炭素数20個のゲラニルゲラニル二リン酸
の生成を触媒する酵素はゲラニルゲラニル二リン酸合成
酵素(GGPP synthase)と呼ばれる。
【0006】すでに、バクテリア、アーキア(archae
a)、真菌、植物、動物から各種プレニル二リン酸合成
酵素遺伝子が得られており、ファルネシル二リン酸合成
酵素、ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素、ヘキサプレ
ニル二リン酸合成酵素、ヘプタプレニル二リン酸合成酵
素、オクタプレニル二リン酸合成酵素、ノナプレニル二
リン酸合成酵素(ソラネシル二リン酸合成酵素)、ウン
デカプレニル二リン酸合成酵素などについて、酵素の精
製、活性測定及び遺伝子クローニング・塩基配列決定が
報告されている。
【0007】産業的にも生命科学的にも重要かつ多岐に
わたる化合物合成の根本をなすこれらプレニル二リン酸
合成酵素は、一般的に不安定であり比活性も低く、工業
的に利用することが期待できなかった。ところが、ここ
数年、好熱性のバクテリアやアーキアから耐熱性のFPP
合成酵素やGGPP合成酵素遺伝子が単離され [ A. Chenan
d D. Poulter (1993), J Biol Chem, 268(15), 11002-1
1007; T. Koyama et al. (1993), J. Biochem. (Toky
o), 113(3), 355-363; S.-i. Ohnuma et al. (1994)
J. Biol. Chem., 269(20), 14792-14797]、プレニル二
リン酸合成酵素を利用するための条件が整ってきた。
【0008】炭素数10〜25のプレニル二リン酸を合成す
る酵素はホモダイマーであり、 invitro で反応させる
のは比較的容易でその報告例も多い。その中でも炭素数
10のプレニル二リン酸であるGPPを特異的に合成する活
性をもつ酵素は、部分精製の報告はあるが(L.Heide an
d U.Berger, 1989, Arch Biochem Biophys, 273(2),331
-8)単離されていない。豚の肝臓からGPP合成酵素の精
製に成功したとして報告されているが(J.K.Dorsey et
al., 1966, J Biol Chem, 241(22), 5353-5360.)、こ
の酵素はFPPの合成も同時に触媒してしまうため、現在
のプレニル二リン酸合成酵素の定義からはFPP合成酵素
と呼ぶべきものである。
【0009】GPPは、知られている多くのモノテルペン
のうち、最初の合成中間体であり、モノテルペンの生合
成経路で最も重要な化合物である。しかしながら、GPP
合成酵素遺伝子はいまだに単離されていない。そこで、
好熱性生物由来の安定で非活性の高いホモダイマー型の
プレニル二リン酸合成酵素のアミノ酸配列を人工的に改
変し、GPPの合成反応を特異的に触媒するホモダイマー
型耐熱性プレニル二リン酸合成酵素を人工的に作り出す
技術が要求されている。
【0010】好熱性生物由来のプレニル二リン酸合成酵
素としては、これまでに、バシルス・ステアロサーモフ
ィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のFPP合成
酵素とスルフォロバス・アシドカルダリウス(Sulfolob
us acidocaldarius)のGGPP合成酵素で改変された例が
ある。S.acidocaldariusのGGPP合成酵素の変異型酵素と
その遺伝子は、HexPP合成酵素活性欠損の出芽酵母サッ
カロミセス・セレビシエ(Saccharomyces serevisiae)
のグリセロール代謝能を相補することを指標にして選択
された[ S.-i. Ohnuma et al. (1996) J. Biol. Chem.,
271(31), 18831-18837 ]。リコペン(lycopene)合成
を指標に、GGPP合成活性をもつB. stearothermophilus
FPP合成酵素の変異型酵素とその遺伝子が得られ[ S.-i.
Ohnuma et al. (1996) ,J. Biol. Chem., 271(17), 10
087-10095]、更に、Asp-richドメイン保存配列I(DDXX
(XX)D)の5アミノ酸残基上流のアミノ酸残基をコードす
る遺伝子を部位特異的変異させることによって、GGPPか
らHexPPまでのプレニル二リン酸を様々な割合で合成す
る18種の変異型酵素とその遺伝子が得られた[ S.-i. Oh
numa et al. (1996) J. Biol. Chem., 271(48), 30748-
30754 ]。そして、Asp-richドメイン保存配列I(DDXX
(XX)D)の5アミノ酸残基上流に位置するアミノ酸残基が
反応産物の鎖長制御に関与することがわかった。しか
し、GPPを特異的に合成する活性を有する変異型酵素は
得られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゲラニル二
リン酸合成酵素及び該酵素をコードする遺伝子を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究を行った結果、ファルネシル二リ
ン酸合成酵素のアミノ酸配列の一部を置換することによ
りゲラニル二リン酸合成酵素及び該酵素をコードする遺
伝子を単離することに成功し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、以下の(a)又は(b)の組
換えタンパク質である。
【0013】(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列
からなるタンパク質 (b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において第8
2番目のアミノ酸 を除く少なくとも1個のアミノ酸が欠失、置換若しくは
付加されたアミノ酸配列からなり、かつゲラニル二リン
酸合成酵素活性を有するタンパク質 さらに、本発明は、上記(a)又は(b)の組換えタン
パク質をコードする遺伝子である。さらに、本発明は、
配列番号2で表される塩基配列を含む、ゲラニル二リン
酸合成酵素遺伝子である。さらに、本発明は、前記遺伝
子を含む組換えベクターである。さらに、本発明は、前
記組換えベクターによって形質転換された形質転換体で
ある。
【0014】さらに、本発明は、前記形質転換体を培地
に培養し、得られる培養物からゲラニル二リン酸合成酵
素を採取することを特徴とするゲラニル二リン酸合成酵
素の製造方法である。さらに、本発明は、前記形質転換
体を培地に培養し、得られる培養物からゲラニル二リン
酸を採取することを特徴とするゲラニル二リン酸の製造
方法である。さらに、本発明は、前記形質転換体の培養
物をイソペンテニル二リン酸又はその異性体に作用させ
ることを特徴とするゲラニル二リン酸の製造方法であ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】プレニル二リン酸合成酵素(ヘテ
ロダイマーの場合は一方のサブユニット)のアミノ酸配
列には5つの保存領域が存在することが知られている [
A. Chen et al. (1994) Protein Sci.,3(4), 600-607 ]
。この5つの保存領域には、反応産物又は反応基質が結
合していると考えられているアスパラギン酸残基に富む
領域が2箇所存在する。この領域を「アスパラギン酸リ
ッチドメイン」又は「Asp-richドメイン」といい、この
うち、プレニル二リン酸合成酵素のアミノ末端側に位置
するAsp-richドメイン(保存領域II)をAsp-richドメイ
ンI(配列:「DDXX(XX)D」(配列中、かっこ内の「X
X」は存在しない場合がある))とし、カルボキシル末端
側に位置するAsp-richドメイン(保存領域V)をAsp-ri
chドメインIIとして両者を区別する。
【0016】上記のようなアスパラギン酸リッチドメイ
ンを有するプレニル二リン酸合成酵素としては、ファル
ネシル二リン酸合成酵素、ゲラニルゲラニル二リン酸合
成酵素、ヘキサプレニル二リン酸合成酵素、ヘプタプレ
ニル二リン酸合成酵素、オクタプレニル二リン酸合成酵
素、ノナプレニル二リン酸合成酵素、ウンデカプレニル
二リン酸合成酵素などがあげられる。さらに具体的な例
として、バシルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus
stearothermophilus)のファルネシル二リン酸合成酵
素、大腸菌(Escherichia coli)のファルネシル二リン
酸合成酵素、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomy
ces cerevisiae)のファルネシル二リン酸合成酵素、ラ
ットのファルネシル二リン酸合成酵素、ヒトのファルネ
シル二リン酸合成酵素、サッカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)のヘキサプレニル二リン
酸合成酵素などが挙げられる。これらのうち、細菌型の
ファルネシル二リン酸合成酵素のアミノ酸配列における
領域I〜Vのアミノ酸配列を図4に示す。図4におい
て、1.はバシルス・ステアロサーモフィラス由来のフ
ァルネシル二リン酸合成酵素のアミノ酸配列を、2.は
大腸菌由来のファルネシル二リン酸合成酵素のアミノ酸
配列を示す。枠で囲まれた部分(四角内)はアスパラギ
ン酸リッチドメインI、星印(☆)はアスパラギン酸リ
ッチドメインIのN末端から4アミノ酸残基分N末端側の
アミノ酸残基を示す。
【0017】本発明は、前記Asp-richドメインIよりも
4アミノ酸残基上流に位置するアミノ酸残基を、そのア
ミノ酸よりも大きな分子量を持った他のアミノ酸残基に
改変することにより、ゲラニル二リン酸合成酵素を創出
し、当該酵素反応によりゲラニル二リン酸を製造するこ
とを特徴とする。すなわち、前記アスパラギン酸リッチ
ドメインIを構成するアミノ酸配列「DDXX(XX)D」のう
ち、N末端のアミノ酸(Asp)から4個N末端側に存在す
るアミノ酸残基(図4、☆印を付したSer)を、Serより
も分子量の大きい他のアミノ酸残基(Gly及びAlaを除く
いずれかのアミノ酸、すなわちVal、Leu、Ile、Thr、As
p、Glu、Asn、Gln、Lys、Arg、Cys、Met、Phe、Tyr、Tr
p、His及びProからなる群から選ばれるいずれかのアミ
ノ酸)に置換するものである。置換するアミノ酸はGly
及びAla以外であれば特に限定されないが、Pheが好まし
い。
【0018】具体的には、本発明のゲラニル二リン酸合
成酵素は、ファルネシル二リン酸合成酵素のアミノ酸配
列(配列番号5に記載のアミノ酸配列を参照)のうち第
82残基目のSer残基を、例えばPhe残基に置換することに
より得ることができる。かかる置換は、例えば、熱安定
性も高く比活性も高いと報告されているB. stearotherm
ophilus 由来のFPP合成酵素遺伝子の塩基配列を一部改
変することにより行うことができる。
【0019】(1) 変異導入の目的遺伝子の調製 変異を導入するための目的遺伝子は、バシルス・ステア
ロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由
来のFPP合成酵素(以下BstFPSと略す)遺伝子である。B
stFPS遺伝子の全塩基配列は公知であり(T.Koyama et a
l. (1993) J. Biochem, 113, 355-363;配列番号4)、ま
たDDBJなどの遺伝情報データベースでアクセッション番
号D13293として公開されている。
【0020】B. stearothermophilusもATCCなどの各種
微生物の寄託機関から入手可能であるため(ATCC 1014
9)、通常の遺伝子クローニング法(J.Sambrookら編(1
989)Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laborato
ry Press, New York)によってBstFPS遺伝子部分のDNA
を得ることができる。次に、得られたDNA断片を適当な
プラスミドベクター(例えばpTV118N;宝酒造)につな
いで変異導入のためのプラスミドDNAとする。このプラ
スミドDNAをpFPSとする。
【0021】(2) 変異導入用オリゴヌクレオチドの合成
及び変異の導入 変異導入のためのオリゴヌクレオチドは、BstFPSの82位
のアミノ酸残基をコードするSerコドンを、Gly及びAla
を除く任意の(Ser以外の) アミノ酸をコードするコドン
(例えばPheコドン)に置換する目的に加えて、新たにB
spHIの切断部位(5'TCATGA 3')が導入されるような設
計になっており、例えば以下の塩基配列が挙げられる。
【0022】5' CAT ACG TAC TTC TTG ATT CAT GAT GAT
TTG 3'(配列番号6) この塩基配列は、BspHI切断部位を導入してもBstFPS遺
伝子がコードするアミノ酸配列はコドンの縮重により変
化しないよう設計されている。この切断部位の導入によ
り、BspHI消化後のアガロースゲル電気泳動で置換変異
導入されたプラスミドを検出することができる。
【0023】なお、オリゴヌクレオチドの合成は通常の
化学合成装置を用いて行うことができ、さらに合成した
オリゴヌクレオチドをリン酸化した後失活処理(例えば
70℃で10分間)しておくことが好ましい。次に、前記オ
リゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、前記の通
り作製したプラスミドに置換変異を導入する。変異の導
入法は特に限定されず、例えばKunkel法(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.,USA(1985)82,488)に基づく市販のキット(Mut
an-Kキット;宝酒造社)を用いてもよく、ポリメラーゼ
連鎖反応法(PCR法)を用いてもよい。
【0024】得られた一本鎖DNAを鋳型にして、相補鎖
合成用プライマーDNAをアニーリングさせて二本鎖を合
成する。これをプラスミドに組み込んで大腸菌株に形質
転換を行う。本発明の遺伝子は、例えば、生来のアミノ
酸配列をコードするDNA(配列番号4)に部位特異的変
異やPCR法等の常法にしたがって変異を導入することに
より容易に得ることが出来る。得られたクローンについ
て塩基配列の決定を行う。塩基配列の決定はマキサム-
ギルバート法、ダイデオキシ法等の公知手法により行う
ことができるが、通常はダイデオキシ法に基づいた自動
塩基配列決定装置を用いて配列決定が行われる。
【0025】配列番号2に本発明の遺伝子の塩基配列
を、配列番号1及び3に本発明のゲラニル二リン酸合成
酵素のアミノ酸配列を例示するが、このアミノ酸配列か
らなるタンパク質がゲラニル二リン酸合成酵素活性を有
する限り、変異が導入されたアミノ酸配列(配列番号1
又は3)の第82番目のアミノ酸(例えばPhe)を除く当
該アミノ酸配列において少なくとも1個(例えば1若し
くは数個)のアミノ酸に欠失、置換、付加等の変異が生
じてもよい。例えば、配列番号1又は3で表わされるア
ミノ酸配列の第1番目のMetが欠失した配列を有するも
のなども、本発明のゲラニル二リン酸合成酵素に含まれ
る。また、これらのゲラニル二リン酸合成酵素をコード
する遺伝子も、本発明の遺伝子に含まれる。
【0026】ここで、ゲラニル二リン酸合成酵素活性と
は、IPP又はその異性体(例えばDMAPP)を基質としてGP
Pを合成する触媒活性を意味する。なお、変異の導入
は、前記と同様の手法により行うことができる。一旦本
発明のゲラニル二リン酸合成酵素遺伝子の塩基配列が確
定されると、その後は化学合成によって、又は該遺伝子
を鋳型としたPCRによって、あるいは該遺伝子の塩基配
列を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダイズさ
せることにより、本発明の遺伝子を得ることができる。
【0027】(3) ベクターの構築 本発明の組換えベクターは、適当なベクターに本発明の
遺伝子を連結(挿入)することにより得ることができる。
本発明の遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で
複製可能なものであれば特に限定されない。本発明の組
換えベクターを作製するのに使用できるベクターは、大
腸菌等からアルカリ抽出法(Birnboim, H.C. & Doly, J.
(1979) Nucleic acid Res 7: 1513)又はその変法等によ
り調製することができる。また、市販のものをそのまま
用いてもよく、目的に応じて誘導した各種ベクターを用
いてもよい。例えば、pMB1由来の複製開始点を持つpBR3
22、pBR327、pKK233-2、pKK233-3、pTrc99Aなどが挙げ
られる。また、コピー数が向上するように改変したpUC1
8、pUC19、pUC118、pUC119、pTV118N、pTV119N、pBlusc
ript、pHSG298、pHSG396など、さらには、pSC101、ColE
1、R1、F因子等に由来するプラスミドも挙げられる。さ
らに、発現後の精製がより容易な融合タンパク質発現ベ
クター、例えばpGEX系ベクターやpMal系ベクターも利用
できる。
【0028】また、プラスミド以外にもλファージやM1
3ファージのようなウィルスベクターやトランスポゾン
によっても遺伝子導入が可能である。ファージ DNAとし
ては、例えば M13mp18、M13mp19 、λgt10、λgt11等が
挙げられる。これらのベクターへのゲラニル二リン酸合
成酵素をコードする遺伝子断片の組込みは、適当な制限
酵素とリガーゼを用いる既知の方法で行うことが出来
る。例えば、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断
し、適当なベクター DNAの制限酵素部位に挿入してベク
ターに連結する方法などが採用される。
【0029】本発明の遺伝子は、その機能が発揮される
ようにベクターに組み込まれることが必要である。そこ
で、本発明のベクターには、宿主に応じた複製開始点、
発現制御配列などを含めることができる。さらに、転写
プロモーター、転写ターミネーター、リボソーム結合配
列等を組み込んでもよい。この場合、プロモーターとし
てはPtac、Plac、Ptrcが挙げられ、ターミネーターとし
てはrrnBターミネーターが挙げられ、リボソーム結合配
列としてはSD配列(5'-AGGAGG-3'で代表される)が挙げ
られる。こうして作製されるプラスミドベクターの具体
的なものとしては実施例中のpFPSmが挙げられる。
【0030】(4) 形質転換体の作製 本発明の形質転換体は、本発明の発現用組換えベクター
を、目的遺伝子が発現し得るように宿主中に導入するこ
とにより得ることができる。ここで、宿主としては、本
発明の遺伝子を発現できるものであれば特に限定される
ものではない。例えば、大腸菌(Escherichia coli)、
バシルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス
・ブレビス(Bacillus brevis)等のエッシェリヒア属又
はバシルス属に属する細菌、サッカロミセス・セレビシ
エ(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・パストリス
(Pichia pastris)等のサッカロミセス属又はピキア属
に属する酵母、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillu
s oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus ni
ger)等のアスペルギルス属に属する糸状菌、カイコの
培養細胞、COS細胞又はCHO細胞等の動物細胞、あるいは
植物細胞等が挙げられる。
【0031】大腸菌等の細菌を宿主とする場合は、本発
明の組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると
同時に、転写プロモーター、リボゾーム結合配列、本発
明のDNA、転写ターミネーターにより構成されているこ
とが好ましい。また、転写プロモーターを制御する遺伝
子が含まれていてもよい。DNAからmRNAの転写を開始す
るするプロモータ配列として、天然に存在する配列(例
えばlac、trp、bla、lpp、PL、PR、T3、T7など)を用い
ることができる。また、これらのプロモーター以外に
も、それらの変異体(例えばlacUV5)又は天然にあるプ
ロモーター配列を人工的に融合した配列(例えばtac、t
rcなど)が知られており、本発明にも使用できる。
【0032】ここで、mRNAから蛋白質を合成する能力を
調節する配列として、リボソーム結合部位(GAGGおよび
その類似配列)から開始コドンであるATGまたはGTGまで
の距離が重要であることは既知である。また、3'側に転
写終了を指令するターミネーター(例えば、rrnBT1T2)
が組換え体での蛋白質合成効率に影響することはよく知
られている。従って、本発明では、これらの配列を使用
することにより、遺伝子の発現を効率よく行わせること
ができる。細菌への外来遺伝子の導入方法としては、細
菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されない。例
えばカルシウムイオンを用いる方法(Proc. Natl. Acad.
Sci., USA, 69, 2110-2114(1972))、エレクトロポレー
ション法等が挙げられる。
【0033】酵母を宿主として用いる場合は、発現ベク
ターとして例えばYEp13、YEp24、YCp50等が用いられ
る。この場合のプロモーターとしては、酵母中で発現で
きるものであれば特に限定されず、例えばgal1プロモー
ター、gal10プロモーター、熱ショックタンパク質プロ
モーター、MFα1プロモーター等が挙げられる。酵母へ
の外来遺伝子の導入方法としては、酵母にDNAを導入す
る方法であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレ
ーション法(Methods. Enzymol.,194, 182-187 (199
0))、スフェロプラスト法(Proc. Natl. Acad. Sci.,US
A, 84,1929-1933 (1978)、酢酸リチウム法(J. Bacterio
l.,153,163-168(1983))等が挙げられる。
【0034】動物細胞を宿主として用いる場合は、発現
ベクターとして例えばpcDNAI/Amp、pcDNAI等が用いられ
る。この場合、プロモーターとしてヒトサイトメガロウ
イルスの初期遺伝子プロモーター等を用いてもよい。動
物細胞への外来遺伝子の導入方法としては、例えばエレ
クトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェ
クション法等が挙げられる。
【0035】植物細胞への外来遺伝子の導入方法として
は、アグロバクテリウムによる感染法が広く用いられ、
直接導入法としては例えばプロトプラスト法、エレクト
ロポレーション法、ボンバードメント法等が挙げられ
る。なお、本発明の組換えベクターは、大腸菌DH5αに
導入され(pFPSm(S82F)/DH5α)、工業技術院生命工学工
業技術研究所(茨城県つくば市東1丁目1番3号)に、FER
M P-16550として寄託されている。
【0036】(5)ゲラニル二リン酸合成酵素の製造 本発明のゲラニル二リン酸合成酵素は、前記形質転換体
を培地に培養し、その培養物から採取することにより得
ることができる。本発明の形質転換体を培地に培養する
方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行
われる。大腸菌や酵母菌等の微生物を宿主として得られ
た形質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し
得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体
の培養が効率的に行える培地であれば、天然培地、合成
培地のいずれを用いてもよい。
【0037】炭素源としては、グルコース、フラクトー
ス、スクロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピ
オン酸、クエン酸等の有機酸、グリセロール、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコール類が用い
られる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アン
モニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又
はその他の含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、
コーンスティープリカー等が用いられる。
【0038】無機物としては、リン酸第一カリウム、リ
ン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一
鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム、塩化カル
シウム等が用いられる。培養は、大腸菌を宿主として用
いた場合、通常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気
的条件下、37℃で16〜24時間行う。培養期間中、pHは
6〜8に保持する。pHの調整は、無機又は有機の酸、
アルカリ溶液、バッファー等を用いて行う。培養中は必
要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物
質を培地に添加してもよい。
【0039】プロモーターとして誘導性のプロモーター
を用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する
場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加して
もよい。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベクタ
ーで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピ
ル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)等を、trpプロ
モーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を
培養するときにはインドールアクリル酸(IAA)等を培地
に添加してもよい。動物細胞を宿主として得られた形質
転換体を培養する培地としては、一般に使用されている
RPMI1640培地、DMEM培地又はこれらの培地に牛胎児血清
等を添加した培地等が用いられる。
【0040】培養は、通常、5〜10%CO2存在下、37℃
で2〜20日行う。培養中は必要に応じてカナマイシン、
ペニシリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。植物
細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地と
しては、一般に使用されているMS培地、又はこの培地に
カナマイシン、各種植物ホルモン等を添加した培地等が
用いられる。培養は、通常、20〜30℃で3〜14日行う。
【0041】培養後、本発明のゲラニル二リン酸合成酵
素が菌体内又は細胞内に生産される場合には菌体又は細
胞を破砕して細胞抽出物を調製する。また、本発明のゲ
ラニル二リン酸合成酵素が菌体外又は細胞外に生産され
る場合には遠心分離等により菌体又は細胞を除去して培
養上清を調製する。次に、これらの培養物(細胞抽出物
又は培養上清)を、タンパク質の単離精製に用いられる
一般的な生化学的方法、例えば塩析、有機溶剤沈殿、ゲ
ル濾過、アフィニティークロマトグラフィー、疎水相互
作用クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、
当該培養物中から本発明のゲラニル二リン酸合成酵素を
単離精製することができる。但し、本発明のゲラニル二
リン酸合成酵素は、上記培養物から酵素を精製しなくて
もゲラニル二リン酸合成酵素活性を有する場合もあるた
め、当該酵素活性を有する限り、その細胞抽出物又は培
養液をそのまま粗酵素溶液として用いることもできる。
【0042】(6) プレニル二リン酸の製造 本発明によれば、実施例に示すように、本発明のDNAに
より形質転換した宿主を培養することにより、培養物中
にGPPを蓄積することができ、これを採取することによ
りGPPを製造することができる。本発明はまた、本発明
の酵素を基質となるIPP又はDMAPPに作用させることによ
ってもGPPを製造することができる。この方法において
は、溶媒、特に水溶液中で、本発明の酵素を反応基質に
作用させ、必要に応じて反応溶液中から目的とするプレ
ニル二リン酸を採取すればよい。酵素としては、生成酵
素だけではなく、種々の段階まで半精製して得られる粗
酵素、または培養菌体もしくは培養物などの酵素含有物
でもよい。また、前記の酵素、粗酵素または酵素含有物
を常法にしたがって固定した固定化酵素であってもよ
い。基質としてはIPP及び/又はDMAPPが用いられる。反
応用の溶媒としては水または水性緩衝液、例えばTris緩
衝液やリン酸緩衝液が用いられる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明は以下の実施例にその技術的範
囲が限定されるものではない。なお、本明細書中で、ア
ミノ酸残基は以下の1文字表記または3文字表記の略号で
示される。
【0044】A;Ala;アラニン C;Cys;システイン D;Asp;アスパラギン酸 E;Glu;グルタミン酸 F;Phe;フェニルアラニン G;Gly;グリシン H;His;ヒスチジン I;Ile;イソロイシン K;Lys;リジン L;Leu;ロイシン M;Met;メチオニン N;Asn;アスパラギン P;Pro;プロリン Q;Gln;グルタミン R;Arg;アルギニン S;Ser;セリン T;Thr;スレオニン V;Val;バリン W;Trp;トリプトファン Y;Tyr;チロシン
【0045】また、アミノ酸残基の置換は「置換前のア
ミノ酸残基」「アミノ酸残基番号」「置換後のアミノ酸
残基」の順番で1文字表記のアミノ酸残基記号で表す。
例えば、第82番目のSerをPheに置換する場合は、「S82
F」のように表示する。
【0046】〔実施例1〕 FPP合成酵素遺伝子を含むプ
ラスミドの作製 宝酒造より市販されているプラスミドベクターpTV118N
のNcoI-HindIII部位にバシルス・ステアロサーモフィラ
ス(Bacillus stearothermophilus)由来のFPP合成酵素
(BstFPS)遺伝子をサブクローニングした。このプラス
ミドDNAをpFPSとする。なお、BstFPS遺伝子の全塩基配
列は、T.Koyama et al. (1993) J. Biochem, 113, 355-
363、又はDDBJなどの遺伝情報データベースでアクセッ
ション番号D13293として公開されている。
【0047】〔実施例2〕変異導入用オリゴヌクレオチ
ドの合成 実施例1で得られた遺伝子に変異を導入するため、次の
オリゴヌクレオチドを合成した。 5' CAT ACG TAC TTC TTG ATT CAT GAT GAT TTG 3'(配
列番号6) 上記オリゴヌクレオチドの配列は、BstFPSの82位のアミ
ノ酸残基をコードするSerコドンをPheコドンに置換する
目的に加えて、新たにBspHIの切断部位(5'TCATGA 3')
が導入されるような設計になっている。このBspHI切断
部位の導入ではコドンの縮重のためBstFPS遺伝子がコー
ドするアミノ酸配列は変化しない。BspHI切断部位の導
入により、BspHI消化後のアガロースゲル電気泳動で置
換変異導入されたプラスミドを検出することができる。
合成したオリゴヌクレオチドは以下の反応溶液中で37℃
で30分間リン酸化をした後70℃で10分間失活処理した。
【0048】
【0049】〔実施例3〕BstFPS遺伝子の82位のアミノ
酸残基に対するコドンへの置換変異の導入 実施例2で作製したオリゴヌクレオチドをプライマーと
して用いてKunkel法によって実施例1で作製したプラス
ミドに置換変異を導入した。Kunkel法を行うにあたって
は、宝酒造から市販されているMutan-Kキットを用い
た。実験手順もMutan-Kキット添付の実験書に従った。
大腸菌CJ-236をホスト細胞としてプラスミドpFPS中のチ
ミン塩基がデオキシウラシル塩基に置き換わった一本鎖
DNAを調製した。得られた一本鎖DNAを鋳型にして相補鎖
合成用プライマーDNAを下記のようにアニーリングさせ
た。
【0050】
【0051】さらに、25μlの伸長緩衝液、60ユニット
の大腸菌DNA リガーゼ、1ユニットのT4 DNAポリメラー
ゼを加え、25℃で2時間相補鎖合成反応を行った。ただ
し、伸長緩衝液は、50 mM Tris-Cl (pH8.0)、60 mM酢酸
アンモニウム、5 mM MgCl2、5mM DTT、1 mM NAD、0.5 m
M dNTPである。反応後、3μlの0.2 M EDTA (pH8.0)を加
え、65℃で5分間処理することにより反応を停止させ
た。
【0052】〔実施例4〕BstFPS遺伝子の82位のアミノ
酸残基に対するコドンへ置換変異が導入された遺伝子を
持つ形質転換体の作製 実施例3により作製したDNA溶液を用いて、下記のよう
にして大腸菌DH5α株へCaCl2法により形質転換を行っ
た。すなわち、50mM CaCl2で処理したDH5αコンピテン
ト細胞懸濁液にDNA溶液を加え、氷上で30分保持した。
得られた形質転換体を、形質転換選択マーカーであるア
ンピシリン含有寒天プレートにまき、37℃で一晩培養し
た。アンピシリン耐性を表現型としてもつ形質転換体よ
りプラスミドDNAを調製し、BspHI消化後アガロースゲル
電気泳動にかけることにより、得られた形質転換体のう
ち、BspHI切断部位をBstFPSコード領域に持つ置換変異
型pFPSプラスミドを選択した。
【0053】次に、選択した置換変異型pFPSプラスミド
のBstFPS遺伝子の82位アミノ酸残基に対するコドン周辺
の塩基配列をダイデオキシ法によって決定した。その結
果、82位のSerコドン(TCT)がPhe(TTC)コドンに置き
換わった置換変異型BstFPS遺伝子(配列番号2)を含む
pFPSプラスミドが得られた。この変異体をS82Fと表示
し、プラスミドをpFPSmとする。
【0054】〔実施例5〕変異型BstFPSの活性測定 実施例4で得られた変異型および野生型BstFPS遺伝子を
含む2種の形質転換体、さらに、ベクターpTV118Nのみを
保持する形質転換体から下記のようにして粗酵素液を調
製した。2x LB培地で一晩培養した形質転換体を遠心に
より集菌し、菌体破砕用緩衝液(50mM Tris-Cl (pH8.
0)、 10 mMβ-メルカプトエタノール、1mM EDTA)に懸
濁した。これを超音波破砕処理し、さらに、4℃、10,00
0r.p.m.、10分遠心処理した上清を55℃で30分熱処理
し、大腸菌由来のプレニル二リン酸合成酵素活性を失活
させた。これをさらに同条件で遠心処理し、その上清を
粗酵素抽出液として下記の反応溶液中、55℃で15分反応
を行った。
【0055】
【0056】反応後、3mlの水飽和ブタノールを加えて
反応産物をブタノール層に抽出した。得られたブタノー
ル層1mlに液体シンチレーター3mlを加えて、液体シンチ
レーションカウンターにより放射活性を測定した。結果
を図1に示す。図1はS82F変異型BstFPSと野生型BsrFPS
の酵素活性を示すグラフである。サンプル番号1、4、7
はベクターpTV118Nのみを保持する宿主から調製したも
の、サンプル番号2、5、8はS82F変異型BstFPSをコード
する遺伝子を保持する宿主から調製したもの、サンプル
番号3、6、9は野生型BstFPSをコードする遺伝子を保持
する宿主から調製したものである。また、サンプル番号
1、2、3はアリル性基質としてDMAPPを用いたときの結果
を、サンプル番号4、5、6はアリル性基質としてFPPを用
いたときの結果を、サンプル番号7、8、9はアリル性基
質としてFPPを用いたときの結果を示す。
【0057】図1より、野生型酵素はDMAPPとGPPをアリ
ル性基質として利用できFPPを基質としないが、S82F変
異型酵素はGPPをアリル性基質として利用する能力が極
端に低下していることがわかる。次に、別途同様に作製
した反応液に、反応後すぐにジャガイモ酸性フォスファ
ターゼ溶液(2mg/mlジャガイモ酸性フォスファターゼ、
0.5M酢酸ナトリウム(pH4.7))1mlを加えて37℃で脱リ
ン酸化処理をした後、3mlのペンタンで抽出した。これ
を薄層クロマトグラフィー(逆相TLCプレート:LKC18
(Whatmam社製)、展開溶液:アセトン/水=9/1)
により解析した。展開された脱リン酸化された反応産物
をバイオイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィ
ルム社製)にかけ、放射活性の位置及び相対量を決定し
た。
【0058】結果を図2及び図3に示す。図2は、各アリ
ル性基質を用いたときの変異型BstFPS反応産物の脱リン
酸化物におけるTLC展開パターンを示す。比較として、
野生型BstFPSとベクターのみを保持する宿主より調製し
たサンプルを用いたときのものも示す。s.f.は溶媒先
端、ori.は展開開始点、GOHはゲラニオール標準試料の
展開位置、FOHはファルネソール標準試料の展開位置を
それぞれ表す。wild typeは野生型BstFPSを用いたとき
の結果、S82Fは変異型BstFPSを用いたときの結果、vect
orはベクターのみを保持する宿主を用いたときの結果を
示す。n.d.は活性が検出されなかったものを表す。図3
は、野生型BstFPSと変異型BstFPSの反応産物特異性を示
すグラフであって、IPP及びDMAPPを基質とした際のGGP
P、FPP及びGPPの生成割合を示すものである。図2及び図
3の結果より、野生型BstFPSはFPPを特異的に合成する反
応を触媒していたが、S82F変異型BstFPSではGPPを特異
的に合成する反応を触媒するようになった。すなわち、
S82F変異型BstFPSは、ゲラニル二リン酸合成酵素と呼び
うる酵素に変化したことになる。
【0059】
【発明の効果】本発明により、ゲラニル二リン酸合成酵
素、該酵素をコードする遺伝子、該遺伝子を含む組換え
ベクター、並びにゲラニル二リン酸合成酵素及びゲラニ
ル二リン酸の製造方法が提供される。本発明の遺伝子
は、モノテルペン類合成を目的とした代謝工学や酵素工
学に利用できる点で有用である。
【0060】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:297 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列の特徴 存在位置:82 他の情報:XaaはSer、Gly及びAlaを除く任意のアミノ酸
を表わす。 配列 Val Ala Gln Leu Ser Val Glu Gln Phe Leu Asn Glu Gln Lys Gln Ala 1 5 10 15 Val Glu Thr Ala Leu Ser Arg Tyr Ile Glu Arg Leu Glu Gly Pro Ala 20 25 30 Lys Leu Lys Lys Ala Met Ala Tyr Ser Leu Glu Ala Gly Gly Lys Arg 35 40 45 Ile Arg Pro Leu Leu Leu Leu Ser Thr Val Arg Ala Leu Gly Lys Asp 50 55 60 Pro Ala Val Gly Leu Pro Val Ala Cys Ala Ile Glu Met Ile His Thr 65 70 75 80 Tyr Xaa Leu Ile His Asp Asp Leu Pro Ser Met Asp Asn Asp Asp Leu 85 90 95 Arg Arg Gly Lys Pro Thr Asn His Lys Val Phe Gly Glu Ala Met Ala 100 105 110 Ile Leu Ala Gly Asp Gly Leu Leu Thr Tyr Ala Phe Gln Leu Ile Thr 115 120 125 Glu Ile Asp Asp Glu Arg Ile Pro Pro Ser Val Arg Leu Arg Leu Ile 130 135 140 Glu Arg Leu Ala Lys Ala Ala Gly Pro Glu Gly Met Val Ala Gly Gln 145 150 155 160 Ala Ala Asp Met Glu Gly Glu Gly Lys Thr Leu Thr Leu Ser Glu Leu 165 170 175 Glu Tyr Ile His Arg His Lys Thr Gly Lys Met Leu Gln Tyr Ser Val 180 185 190 His Ala Gly Ala Leu Ile Gly Gly Ala Asp Ala Arg Gln Thr Arg Glu 195 200 205 Leu Asp Glu Phe Ala Ala His Leu Gly Leu Ala Phe Gln Ile Arg Asp 210 215 220 Asp Ile Leu Asp Ile Glu Gly Ala Glu Glu Lys Ile Gly Lys Pro Val 225 230 235 240 Gly Ser Asp Gln Ser Asn Asn Lys Ala Thr Tyr Pro Ala Leu Leu Ser 245 250 255 Leu Ala Gly Ala Lys Glu Lys Leu Ala Phe His Ile Glu Ala Ala Gln 260 265 270 Arg His Leu Arg Asn Ala Asp Val Asp Gly Ala Ala Leu Ala Tyr Ile 275 280 285 Cys Glu Leu Val Ala Ala Arg Asp His 290 295
【0061】配列番号:2 配列の長さ:894 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類: genomic DNA 起源 生物名:バシルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus
stearothermophilus) 配列の特徴 特徴を表わす記号:CDS 存在位置:1..894 配列 GTG GCG CAG CTT TCA GTT GAA CAG TTT CTC AAC GAG CAA AAA CAG GCG 48 Val Ala Gln Leu Ser Val Glu Gln Phe Leu Asn Glu Gln Lys Gln Ala 1 5 10 15 GTG GAA ACA GCG CTC TCC CGT TAT ATA GAG CGC TTA GAA GGG CCG GCG 96 Val Glu Thr Ala Leu Ser Arg Tyr Ile Glu Arg Leu Glu Gly Pro Ala 20 25 30 AAG CTG AAA AAG GCG ATG GCG TAC TCA TTG GAG GCC GGC GGC AAA CGA 144 Lys Leu Lys Lys Ala Met Ala Tyr Ser Leu Glu Ala Gly Gly Lys Arg 35 40 45 ATC CGT CCG TTG CTG CTT CTG TCC ACC GTT CGG GCG CTC GGC AAA GAC 192 Ile Arg Pro Leu Leu Leu Leu Ser Thr Val Arg Ala Leu Gly Lys Asp 50 55 60 CCG GCG GTC GGA TTG CCC GTC GCC TGC GCG ATT GAA ATG ATC CAT ACG 240 Pro Ala Val Gly Leu Pro Val Ala Cys Ala Ile Glu Met Ile His Thr 65 70 75 80 TAC TTC TTG ATC CAT GAT GAT TTG CCG AGC ATG GAC AAC GAT GAT TTG 288 Tyr Phe Leu Ile His Asp Asp Leu Pro Ser Met Asp Asn Asp Asp Leu 85 90 95 CGG CGC GGC AAG CCG ACG AAC CAT AAA GTG TTC GGC GAG GCG ATG GCC 336 Arg Arg Gly Lys Pro Thr Asn His Lys Val Phe Gly Glu Ala Met Ala 100 105 110 ATC TTG GCG GGG GAC GGG TTG TTG ACG TAC GCG TTT CAA TTG ATC ACC 384 Ile Leu Ala Gly Asp Gly Leu Leu Thr Tyr Ala Phe Gln Leu Ile Thr 115 120 125 GAA ATC GAC GAT GAG CGC ATC CCT CCT TCC GTC CGG CTT CGG CTC ATC 432 Glu Ile Asp Asp Glu Arg Ile Pro Pro Ser Val Arg Leu Arg Leu Ile 130 135 140 GAA CGG CTG GCG AAA GCG GCC GGT CCG GAA GGG ATG GTC GCC GGT CAG 480 Glu Arg Leu Ala Lys Ala Ala Gly Pro Glu Gly Met Val Ala Gly Gln 145 150 155 160 GCA GCC GAT ATG GAA GGA GAG GGG AAA ACG CTG ACG CTT TCG GAG CTC 528 Ala Ala Asp Met Glu Gly Glu Gly Lys Thr Leu Thr Leu Ser Glu Leu 165 170 175 GAA TAC ATT CAT CGG CAT AAA ACC GGG AAA ATG CTG CAA TAC AGC GTG 576 Glu Tyr Ile His Arg His Lys Thr Gly Lys Met Leu Gln Tyr Ser Val 180 185 190 CAC GCC GGC GCC TTG ATC GGC GGC GCT GAT GCC CGG CAA ACG CGG GAG 624 His Ala Gly Ala Leu Ile Gly Gly Ala Asp Ala Arg Gln Thr Arg Glu 195 200 205 CTT GAC GAA TTC GCC GCC CAT CTA GGC CTT GCC TTT CAA ATT CGC GAT 672 Leu Asp Glu Phe Ala Ala His Leu Gly Leu Ala Phe Gln Ile Arg Asp 210 215 220 GAT ATT CTC GAT ATT GAA GGG GCA GAA GAA AAA ATC GGC AAG CCG GTC 720 Asp Ile Leu Asp Ile Glu Gly Ala Glu Glu Lys Ile Gly Lys Pro Val 225 230 235 240 GGC AGC GAC CAA AGC AAC AAC AAA GCG ACG TAT CCA GCG TTG CTG TCG 768 Gly Ser Asp Gln Ser Asn Asn Lys Ala Thr Tyr Pro Ala Leu Leu Ser 245 250 255 CTT GCC GGC GCG AAG GAA AAG TTG GCG TTC CAT ATC GAG GCG GCG CAG 816 Leu Ala Gly Ala Lys Glu Lys Leu Ala Phe His Ile Glu Ala Ala Gln 260 265 270 CGC CAT TTA CGG AAC GCC GAC GTT GAC GGC GCC GCG CTC GCC TAT ATT 864 Arg His Leu Arg Asn Ala Asp Val Asp Gly Ala Ala Leu Ala Tyr Ile 275 280 285 TGC GAA CTG GTC GCC GCC CGC GAC CAT TAA 894 Cys Glu Leu Val Ala Ala Arg Asp His 290 295
【0062】配列番号:3 配列の長さ:297 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Val Ala Gln Leu Ser Val Glu Gln Phe Leu Asn Glu Gln Lys Gln Ala 1 5 10 15 Val Glu Thr Ala Leu Ser Arg Tyr Ile Glu Arg Leu Glu Gly Pro Ala 20 25 30 Lys Leu Lys Lys Ala Met Ala Tyr Ser Leu Glu Ala Gly Gly Lys Arg 35 40 45 Ile Arg Pro Leu Leu Leu Leu Ser Thr Val Arg Ala Leu Gly Lys Asp 50 55 60 Pro Ala Val Gly Leu Pro Val Ala Cys Ala Ile Glu Met Ile His Thr 65 70 75 80 Tyr Phe Leu Ile His Asp Asp Leu Pro Ser Met Asp Asn Asp Asp Leu 85 90 95 Arg Arg Gly Lys Pro Thr Asn His Lys Val Phe Gly Glu Ala Met Ala 100 105 110 Ile Leu Ala Gly Asp Gly Leu Leu Thr Tyr Ala Phe Gln Leu Ile Thr 115 120 125 Glu Ile Asp Asp Glu Arg Ile Pro Pro Ser Val Arg Leu Arg Leu Ile 130 135 140 Glu Arg Leu Ala Lys Ala Ala Gly Pro Glu Gly Met Val Ala Gly Gln 145 150 155 160 Ala Ala Asp Met Glu Gly Glu Gly Lys Thr Leu Thr Leu Ser Glu Leu 165 170 175 Glu Tyr Ile His Arg His Lys Thr Gly Lys Met Leu Gln Tyr Ser Val 180 185 190 His Ala Gly Ala Leu Ile Gly Gly Ala Asp Ala Arg Gln Thr Arg Glu 195 200 205 Leu Asp Glu Phe Ala Ala His Leu Gly Leu Ala Phe Gln Ile Arg Asp 210 215 220 Asp Ile Leu Asp Ile Glu Gly Ala Glu Glu Lys Ile Gly Lys Pro Val 225 230 235 240 Gly Ser Asp Gln Ser Asn Asn Lys Ala Thr Tyr Pro Ala Leu Leu Ser 245 250 255 Leu Ala Gly Ala Lys Glu Lys Leu Ala Phe His Ile Glu Ala Ala Gln 260 265 270 Arg His Leu Arg Asn Ala Asp Val Asp Gly Ala Ala Leu Ala Tyr Ile 275 280 285 Cys Glu Leu Val Ala Ala Arg Asp His 290 295
【0063】配列番号:4 配列の長さ:894 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類: genomic DNA 起源 生物名:バシルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus
stearothermophilus) 配列の特徴 特徴を表わす記号:CDS 存在位置:1..894 配列 GTG GCG CAG CTT TCA GTT GAA CAG TTT CTC AAC GAG CAA AAA CAG GCG 48 Val Ala Gln Leu Ser Val Glu Gln Phe Leu Asn Glu Gln Lys Gln Ala 1 5 10 15 GTG GAA ACA GCG CTC TCC CGT TAT ATA GAG CGC TTA GAA GGG CCG GCG 96 Val Glu Thr Ala Leu Ser Arg Tyr Ile Glu Arg Leu Glu Gly Pro Ala 20 25 30 AAG CTG AAA AAG GCG ATG GCG TAC TCA TTG GAG GCC GGC GGC AAA CGA 144 Lys Leu Lys Lys Ala Met Ala Tyr Ser Leu Glu Ala Gly Gly Lys Arg 35 40 45 ATC CGT CCG TTG CTG CTT CTG TCC ACC GTT CGG GCG CTC GGC AAA GAC 192 Ile Arg Pro Leu Leu Leu Leu Ser Thr Val Arg Ala Leu Gly Lys Asp 50 55 60 CCG GCG GTC GGA TTG CCC GTC GCC TGC GCG ATT GAA ATG ATC CAT ACG 240 Pro Ala Val Gly Leu Pro Val Ala Cys Ala Ile Glu Met Ile His Thr 65 70 75 80 TAC TCT TTG ATC CAT GAT GAT TTG CCG AGC ATG GAC AAC GAT GAT TTG 288 Tyr Ser Leu Ile His Asp Asp Leu Pro Ser Met Asp Asn Asp Asp Leu 85 90 95 CGG CGC GGC AAG CCG ACG AAC CAT AAA GTG TTC GGC GAG GCG ATG GCC 336 Arg Arg Gly Lys Pro Thr Asn His Lys Val Phe Gly Glu Ala Met Ala 100 105 110 ATC TTG GCG GGG GAC GGG TTG TTG ACG TAC GCG TTT CAA TTG ATC ACC 384 Ile Leu Ala Gly Asp Gly Leu Leu Thr Tyr Ala Phe Gln Leu Ile Thr 115 120 125 GAA ATC GAC GAT GAG CGC ATC CCT CCT TCC GTC CGG CTT CGG CTC ATC 432 Glu Ile Asp Asp Glu Arg Ile Pro Pro Ser Val Arg Leu Arg Leu Ile 130 135 140 GAA CGG CTG GCG AAA GCG GCC GGT CCG GAA GGG ATG GTC GCC GGT CAG 480 Glu Arg Leu Ala Lys Ala Ala Gly Pro Glu Gly Met Val Ala Gly Gln 145 150 155 160 GCA GCC GAT ATG GAA GGA GAG GGG AAA ACG CTG ACG CTT TCG GAG CTC 528 Ala Ala Asp Met Glu Gly Glu Gly Lys Thr Leu Thr Leu Ser Glu Leu 165 170 175 GAA TAC ATT CAT CGG CAT AAA ACC GGG AAA ATG CTG CAA TAC AGC GTG 576 Glu Tyr Ile His Arg His Lys Thr Gly Lys Met Leu Gln Tyr Ser Val 180 185 190 CAC GCC GGC GCC TTG ATC GGC GGC GCT GAT GCC CGG CAA ACG CGG GAG 624 His Ala Gly Ala Leu Ile Gly Gly Ala Asp Ala Arg Gln Thr Arg Glu 195 200 205 CTT GAC GAA TTC GCC GCC CAT CTA GGC CTT GCC TTT CAA ATT CGC GAT 672 Leu Asp Glu Phe Ala Ala His Leu Gly Leu Ala Phe Gln Ile Arg Asp 210 215 220 GAT ATT CTC GAT ATT GAA GGG GCA GAA GAA AAA ATC GGC AAG CCG GTC 720 Asp Ile Leu Asp Ile Glu Gly Ala Glu Glu Lys Ile Gly Lys Pro Val 225 230 235 240 GGC AGC GAC CAA AGC AAC AAC AAA GCG ACG TAT CCA GCG TTG CTG TCG 768 Gly Ser Asp Gln Ser Asn Asn Lys Ala Thr Tyr Pro Ala Leu Leu Ser 245 250 255 CTT GCC GGC GCG AAG GAA AAG TTG GCG TTC CAT ATC GAG GCG GCG CAG 816 Leu Ala Gly Ala Lys Glu Lys Leu Ala Phe His Ile Glu Ala Ala Gln 260 265 270 CGC CAT TTA CGG AAC GCC GAC GTT GAC GGC GCC GCG CTC GCC TAT ATT 864 Arg His Leu Arg Asn Ala Asp Val Asp Gly Ala Ala Leu Ala Tyr Ile 275 280 285 TGC GAA CTG GTC GCC GCC CGC GAC CAT TAA 894 Cys Glu Leu Val Ala Ala Arg Asp His 290 295
【0064】配列番号:5 配列の長さ:297 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Val Ala Gln Leu Ser Val Glu Gln Phe Leu Asn Glu Gln Lys Gln Ala 1 5 10 15 Val Glu Thr Ala Leu Ser Arg Tyr Ile Glu Arg Leu Glu Gly Pro Ala 20 25 30 Lys Leu Lys Lys Ala Met Ala Tyr Ser Leu Glu Ala Gly Gly Lys Arg 35 40 45 Ile Arg Pro Leu Leu Leu Leu Ser Thr Val Arg Ala Leu Gly Lys Asp 50 55 60 Pro Ala Val Gly Leu Pro Val Ala Cys Ala Ile Glu Met Ile His Thr 65 70 75 80 Tyr Ser Leu Ile His Asp Asp Leu Pro Ser Met Asp Asn Asp Asp Leu 85 90 95 Arg Arg Gly Lys Pro Thr Asn His Lys Val Phe Gly Glu Ala Met Ala 100 105 110 Ile Leu Ala Gly Asp Gly Leu Leu Thr Tyr Ala Phe Gln Leu Ile Thr 115 120 125 Glu Ile Asp Asp Glu Arg Ile Pro Pro Ser Val Arg Leu Arg Leu Ile 130 135 140 Glu Arg Leu Ala Lys Ala Ala Gly Pro Glu Gly Met Val Ala Gly Gln 145 150 155 160 Ala Ala Asp Met Glu Gly Glu Gly Lys Thr Leu Thr Leu Ser Glu Leu 165 170 175 Glu Tyr Ile His Arg His Lys Thr Gly Lys Met Leu Gln Tyr Ser Val 180 185 190 His Ala Gly Ala Leu Ile Gly Gly Ala Asp Ala Arg Gln Thr Arg Glu 195 200 205 Leu Asp Glu Phe Ala Ala His Leu Gly Leu Ala Phe Gln Ile Arg Asp 210 215 220 Asp Ile Leu Asp Ile Glu Gly Ala Glu Glu Lys Ile Gly Lys Pro Val 225 230 235 240 Gly Ser Asp Gln Ser Asn Asn Lys Ala Thr Tyr Pro Ala Leu Leu Ser 245 250 255 Leu Ala Gly Ala Lys Glu Lys Leu Ala Phe His Ile Glu Ala Ala Gln 260 265 270 Arg His Leu Arg Asn Ala Asp Val Asp Gly Ala Ala Leu Ala Tyr Ile 275 280 285 Cys Glu Leu Val Ala Ala Arg Asp His 290 295
【0065】配列番号:6 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成 DNA) 配列: CATACGTACT TCTTGATTCA TGATGATTTG 30
【図面の簡単な説明】
【図1】変異型BstFPSと野生型BsrFPSの酵素活性の結果
を示す図である。
【図2】薄層クロマトグラフの写真である。
【図3】変異型BstFPSと野生型BsrFPSの反応産物特異性
を示す図である。
【図4】ファルネシル二リン酸合成酵素のアミノ酸配列
を比較した図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月18日
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【書類名】 受託番号変更届
【整理番号】 P97−0515
【提出日】 平成10年10月22日
【旧寄託機関の名称】 通商産業省工業技術院生命工学
工業技術研究所
【旧受託番号】 FERM P−16550
【新寄託機関の名称】 通商産業省工業技術院生命工学
工業技術研究所
【新受託番号】 FERM BP−6551
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 9/00 C12R 1:19) (72)発明者 大沼 信一 アメリカ合衆国 92037 カリフォルニア 州 ラホヤ,アパートメント−エイチ,ビ ア マロルカ ドライブ 8520

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)又は(b)の組換えタンパ
    ク質。 (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタン
    パク質 (b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において第8
    2番目のアミノ酸を除く少なくとも1個のアミノ酸が欠
    失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、か
    つゲラニル二リン酸合成酵素活性を有するタンパク質
  2. 【請求項2】 以下の(a)又は(b)の組換えタンパ
    ク質をコードする遺伝子。 (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタン
    パク質 (b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において第8
    2番目のアミノ酸を除く少なくとも1個のアミノ酸が欠
    失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、か
    つゲラニル二リン酸合成酵素活性を有するタンパク質
  3. 【請求項3】 配列番号2で表される塩基配列を含む、
    ゲラニル二リン酸合成酵素遺伝子。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の遺伝子を含む組換
    えベクター。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の組換えベクターによって
    形質転換された形質転換体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の形質転換体を培地に培養
    し、得られる培養物からゲラニル二リン酸合成酵素を採
    取することを特徴とするゲラニル二リン酸合成酵素の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の形質転換体を培地に培養
    し、得られる培養物からゲラニル二リン酸を採取するこ
    とを特徴とするゲラニル二リン酸の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の形質転換体の培養物をイ
    ソペンテニル二リン酸又はその異性体に作用させること
    を特徴とするゲラニル二リン酸の製造方法。
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