JPH11166582A - 制振装置 - Google Patents

制振装置

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JPH11166582A
JPH11166582A JP33600397A JP33600397A JPH11166582A JP H11166582 A JPH11166582 A JP H11166582A JP 33600397 A JP33600397 A JP 33600397A JP 33600397 A JP33600397 A JP 33600397A JP H11166582 A JPH11166582 A JP H11166582A
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JP
Japan
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frame
dynamic vibration
additional mass
vibration absorber
mass
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Pending
Application number
JP33600397A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Ganmi
龍也 願海
Susumu Sugiura
杉浦  進
Koji Fukui
宏治 福井
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は限られた設置スペースに複数の動吸
振器を設置することが難しく異なる方向の振動を制振す
ることができないことを課題とする。 【解決手段】 第1の動吸振器31Aの枠体33Aは、
床面51に敷設された設置プレート52に固定される。
第2の動吸振器31Bは、第1の動吸振器31Aの上部
に重ねた状態で第1の動吸振器31Aと結合される。そ
の際、第2の動吸振器31Bは、付加質量32Bの移動
方向が第1の動吸振器31Aの付加質量32Aの移動方
向と直交する向きとなるように取り付けられる。よっ
て、X方向の振動が発生した場合には、第1の動吸振器
31Aの付加質量32AがX方向に駆動されてX方向の
振動を制振することができる。また、Y方向の振動が発
生した場合には、第2の動吸振器31Bの付加質量32
BがY方向に駆動されてY方向の振動を制振することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制振装置に係り、特
に構造物の振動状態に応じてアクチュエータが付加質量
を駆動して構造物の振動を制振する構成とした制振装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばビル等の構造物においては地震あ
るいは風圧等による振動を制振するための制振装置が設
けられている。この種の制振装置では、主にビルの質量
に応じた所定の重量を有する付加質量を、ビルの振動状
態に応じて変位させる動吸振器を動作させてビルで発生
した振動を制振するようになっている。そのため、ビル
の各階には、変位センサ、速度センサ又は加速度センサ
等の振動状態を検出するセンサが設置されている。
【0003】従来の制振装置の動吸振器としては、例え
ば付加質量をリニアベアリング等により摺動自在に支持
するとともに、付加質量に螺合するボールねじ等の伝達
機構をモータ等により駆動し、付加質量が水平方向に往
復動されるよう構成されたものがある。そして、動吸振
器は、ビルの各階毎の変位又は速度などの振動状態を検
出する複数のセンサからの出力値の大きさに応じた制御
量を演算する制御装置からの駆動信号によりモータが駆
動制御され、付加質量を移動させるようになっている。
【0004】図12は従来の制振装置が構造物に設置さ
れた一例を説明するための概略構成図である。また、図
13は従来の動吸振器の正面図である。また、図14は
図13中A−A’線に沿う動吸振器の縦断面図である。
図12に示す如く、制振装置1は、大略、構造物として
のビル2の屋上に設置された動吸振器3が制御装置4か
らの制御信号により制振動作してビル2の水平方向(A
方向)の振動を制振する。
【0005】図13,図14に示す如く、動吸振器3は
ビル2の屋上に設置された基台5上に付加質量6がX方
向に摺動する構成であり、付加質量6はビル2の総質量
に対し約0.5%程度の質量を有し、例えば5〜10t
程度の重量を有する。そのため、付加質量6は、低負荷
で駆動されるように基台5上のリニアベアリング7によ
り摺動自在に支持されている。
【0006】また、基台5上にはアクチュエータとして
のACサーボモータ(以下「モータ」と言う)8、電磁
ブレーキ9が設けられており、モータ8の出力軸8aは
カップリング10を介して軸受11,12に軸承された
ボールねじ13に結合されている。ボールねじ13は付
加質量6に螺合して貫通している。従って、付加質量6
はボールねじ13の回転により基台5の凹部5a内を移
動する。
【0007】風圧又は地震発生によりビル2が振動する
と、制御装置4は後述するように振動の大きさに応じた
制御量を演算して動吸振器3のモータ8へ駆動信号を出
力する。モータ8は駆動信号の供給によりボールねじ1
3を回転させ、付加質量6をX方向(振動方向)に移動
させる。このとき、発生する付加質量6の慣性力の反作
用によりビル2の振動が制振される。
【0008】尚、電磁ブレーキ9は制振モード時オフ状
態であり、電源をオフにされた停止モード時にボールね
じ13を回転不可状態に制動する。ビル2の複数の階、
例えば奇数階及び屋上には、地震あるいは風圧による振
動状態を変位、速度、あるいは加速度により検出する振
動状態検出センサ(以下単に「センサ」という)14
(141 〜145 )が設置されている。
【0009】また、動吸振器3には付加質量6の変位、
速度及び加速度を検出するセンサ18が設けられてい
る。各センサ14(141 〜145 )及びセンサ18か
らの各検出信号は増幅器191 〜196 により増幅され
る。各増幅器191 〜196 により増幅された信号は、
A/D変換器20に出力され、A/D変換器20でデジ
タル信号に変換されて演算装置21に出力される。
【0010】演算装置21は、各センサ14(141
145 )の出力を比較し、その出力差が許容範囲内であ
る場合にはセンサ正常と判定し、出力差が所定以上であ
る場合にはセンサ異常と判定する。そして、演算装置2
1は、各センサ14(141〜145 )の出力によりビ
ル2の振動状態を判定すると共に、A/D変換器20か
ら入力されたデジタル信号に基づいて動吸振器3への制
御量を演算する。
【0011】さらに、演算装置21の演算結果は、D/
A変換器22によりアナログ信号に変換されてモータ8
のドライブ回路23に供給され、ドライブ回路23は演
算装置21で演算された制御量に応じた駆動信号として
の指令電流を動吸振器3のモータ8に出力する。これ
で、付加質量6はモータ8に回転駆動されるボールねじ
13により駆動されて制振動作する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の制
振装置においては、付加質量6を一方向にのみ移動させ
る構成であるので、ビル2の振動のうち制振できる方向
が決められており、例えば2方向の振動が発生する構造
物の場合、各方向を制振するための動吸振器3を2台設
置する必要がある。そのため、複数の方向を制振させる
には、複数の動吸振器3を設置するための設置スペース
を確保しなければならない。
【0013】さらに、ビル2の設置スペースが小さい場
合には、複数の動吸振器3を設置することが難しいの
で、最も振幅の大きい振動が発生する方向に対して制振
できるように設置している。そのため、動吸振器3が設
けられているにも拘わらず、ビル2の他の方向の振動を
制振できなかった。また、従来の制振装置において、付
加質量6はビル2の大きさに応じて予め決められた大き
さに製作されるため、動吸振器3が設置される各ビル2
によって個別に製作している。そのため、従来は、工場
で量産することができず、生産効率を上げることができ
ず、製造コストが高価であった。
【0014】また、従来は、付加質量6の重量を増やし
たい場合でも、対応することができなかった。そこで、
本発明は上記課題を解決した制振装置を提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下のような特徴を有する。上記請求項1
記載の発明は、構造物に応じた第1の質量を有する第1
の付加質量と、前記構造物に設置され前記第1の付加質
量を往復動自在に支持する第1の枠体と、前記構造物に
応じた第2の質量を有する第2の付加質量と、前記第1
の枠体に積重され前記第2の付加質量を往復動自在に支
持する第2の枠体と、前記第1の枠体に第2の枠体を積
重させた状態で前記両枠体同志を結合させる枠結合部材
と、前記構造物の振動を制振するように前記第1、第2
の付加質量を同時に駆動する一の駆動部と、からなるこ
とを特徴とするものである。
【0016】従って、上記請求項1記載の発明によれ
ば、第1の枠体に第2の枠体を積重させた状態で前記両
枠体同志を結合させた状態で第1、第2の付加質量を同
時に駆動させるため、構造物の複数の方向の振動を同時
に制振することができ、しかも設置スペースの小さい場
所でも設置することができる。また、上記請求項2記載
の発明は、前記請求項1記載の制振装置であって、前記
第1の枠体に前記第2の枠体を積重させた状態で前記第
1の付加質量と前記第2の付加質量とを結合させる付加
質量結合部材を設けたことを特徴とするものである。
【0017】従って、上記請求項2記載の発明によれ
ば、第1の枠体に第2の枠体を積重させた状態で第1の
付加質量と第2の付加質量とを結合させるため、同一の
駆動部で第1、第2の付加質量を駆動させることが可能
となり、構造物の大きさに応じた任意の重量となるよう
に付加質量の数を変更することができる。また、上記請
求項3記載の発明は、構造物に応じた第1の質量を有す
る第1の付加質量と、前記構造物に設置され前記第1の
付加質量を往復動自在に支持する第1の枠体と、前記構
造物に応じた第2の質量を有する第2の付加質量と、前
記第1の枠体に積重され前記第2の付加質量を往復動自
在に支持する第2の枠体と、前記第1の枠体に第2の枠
体を積重させた状態で前記両枠体同志を結合させる枠結
合部と、前記構造物の振動を制振するように前記第1の
付加質量を駆動する第1の駆動部と、前記構造物の振動
を制振するように前記第2の付加質量を駆動する第2の
駆動部と、からなることを特徴とするものである。
【0018】従って、上記請求項3記載の発明によれ
ば、第1の枠体に第2の枠体を積重させた状態で第1の
付加質量と第2の付加質量とを個別に駆動させるため、
構造物の複数の方向の振動を同時に制振することができ
る。また、上記請求項4記載の発明は、前記請求項1又
は請求項3記載の制振装置であって、前記第1、第2の
枠体は、輪郭形状が4N角形(Nは整数)であることを
特徴とするものである。
【0019】従って、上記請求項4記載の発明によれ
ば、枠体の輪郭形状が4N角形であるので、積重される
枠体同士の各辺をずらすことにより各付加質量の移動方
向を容易に変更することができる。また、上記請求項5
記載の発明は、前記請求項1又は請求項3記載の制振装
置であって、前記第1、第2の枠体は、輪郭形状が円形
であることを特徴とするものである。
【0020】従って、上記請求項5記載の発明によれ
ば、枠体の輪郭形状が円形であるので、積重される枠体
同士の相対位置を自由に調整することが可能になり、各
付加質量の移動方向を構造物の振動方向に合わせて変更
することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の一実施
例について説明する。図1は本発明となる制振装置の一
実施例を構成する動吸振器の平面図である。また、図2
は図1に示す動吸振器の側断面図である。図1及び図2
に示されるように、制振装置を構成する動吸振器31
は、構造物の大きさに応じた質量を有する付加質量32
と、構造物に設置され付加質量32を往復動自在に支持
するフレームとしての枠体33と、枠体33に他の枠体
を積重させた状態で枠体同志を結合させる結合部34
と、構造物の振動を制振するように付加質量32を駆動
する駆動部としてのACサーボモータ(以下「モータ」
という)35とから構成されている。尚、動吸振器31
を駆動制御する制御装置は、従来のものと同様な構成で
あるので、ここではその説明を省略する。
【0022】付加質量32は、左右両側が枠体33内に
装架されたリニアガイド36,37により摺動可能に支
持されている。また、付加質量32の中央部には、リニ
アガイド36,37と平行に延在するボールねじ38が
挿通される凹部39がA方向に延在形成され、この凹部
39の端部にはボールねじ38が螺合するナット部40
が取り付けられている。
【0023】枠体33は、断面がコ字状に形成された鉄
骨33a〜33bを直交する方向に延在するように組み
合わせた正方形の枠体である。鉄骨33a〜33bは、
枠体33の側壁を形成する垂直部33a1 〜33b
1 と、垂直部33a1 〜33b1の上端から水平方向に
延在された上部水平部33a2 〜33b2 と、垂直部3
3a1 〜33b1 の下端から水平方向に延在された下部
水平部33a3 〜33b3とを有する。
【0024】鉄骨33a〜33bは、垂直部33a1
33b1 が枠体33の内壁を形成する向きに組み合わさ
れる。上部水平部33a2 〜33b2 は、他の枠体が積
重されるための取付部となる。また、下部水平部33a
3 〜33b3 は、枠体33を床面又は他の枠体に固定す
るための固定部となる。尚、上部水平部33a2 〜33
2 及び下部水平部33a3 〜33b3 には、締結用ボ
ルト(枠結合部材)54が挿通されるボルト挿通孔56
が上下方向に貫通されている。そのため、上部水平部3
3a2 〜33b2 及び下部水平部33a 3 〜33b
3 は、他の枠体を重ね合わす際の結合部34を構成す
る。
【0025】そして、付加質量32は、上面が枠体33
を構成する鉄骨33a〜33bの上部水平部33a2
33b2 より低くなるように形成されている。また、鉄
骨33cの垂直部33c1 に固定されるモータ35も上
部水平部33c2 から上方に突出しない高さ位置に取り
付けられている。そのため、枠体33の上部水平部33
2 〜33b2 から上方に突出するものが無いので、す
なわち他の枠体を積重する際に障害となるものがないの
で、他の枠体を安定した状態で積重することができる。
【0026】上記のように構成された枠体33の内部に
は、一対のリニアガイド36,37が付加質量32の移
動方向(A方向)に延在するように装架されており、付
加質量32の底面にはリニアガイド36,37を低摩擦
でころがるブロック42が取り付けられている。尚、リ
ニアガイド36,37は、断面がU字状に形成された梁
43に内部に固定された状態で強固に支持されている。
【0027】そして、付加質量32の移動方向(A方
向)の端面には、付加質量32が枠体33に当接する直
前位置に移動したとき鉄骨33a,33cに当接してそ
の検出信号を出力する第1のリミットスイッチ45a,
45bと、付加質量32が枠体33に対してある距離ま
で移動したとき、鉄骨33a,33cに当接してその検
出信号を出力する第2のリミットスイッチ44a,44
bとが取り付けられている。尚、モータ35は、第1の
リミットスイッチ45a,45bからの検出信号により
付加質量32の駆動を停止し、電磁ブレーキ(図示せ
ず)が作動して付加質量32の移動を停止させる。
【0028】また、動吸振器31の起動時に第2のリミ
ットスイッチ44a,44bが鉄骨33a,33cに当
接するまでに付加質量32が移動することにより、モー
タ35の回転数信号と第2のリミットスイッチ44a,
44bからの検出信号により付加質量32の原点位置を
算出する。また、ボールねじ38は、先端が鉄骨33a
に取り付けられた軸受47に嵌合して軸承され、基端が
鉄骨33cに取り付けられた軸受48に嵌合して軸承さ
れている。さらに、ボールねじ38の基端が鉄骨33c
に固定された取付チューブ49の内部でカップリング5
0を介してモータ35のモータ軸35aに連結されてい
る。
【0029】ここで、上記のように構成された動吸振器
31を重ね合わせた状態に取り付ける場合について説明
する。図3は2つの動吸振器31を重ね合わせた取付状
態を示す縦断面図である。また、図4は2つの動吸振器
31を重ね合わせた取付状態を一部切断して示す平面図
である。
【0030】図3及び図4に示されるように、互いに直
交するX,Y方向の振動を制振する場合は、2つの上記
動吸振器31を90°回動させた向きで重ね合わせた状
態で結合する。2つの上記動吸振器31のうち床面に固
定された方を第1の動吸振器31Aとする。また、第1
の動吸振器31Aの上部に積重されるように取り付けら
れた方を第2の動吸振器31Bとする。
【0031】第1の動吸振器31Aと第2の動吸振器3
1Bとは、全く同一の構成であるが、制振方向が直交す
るように一体化されている。第1の動吸振器31Aの枠
体33Aは、床面51に敷設された設置プレート52に
固定される。すなわち、枠体33Aは、下部水平部33
3 〜33b3 が締結ボルト53により設置プレート5
2に締結される。
【0032】第2の動吸振器31Bは、第1の動吸振器
31Aの上部に重ねた状態で第1の動吸振器31Aと結
合される。すなわち、第2の動吸振器31Bの枠体33
Bは、が締結ボルト54により第1の動吸振器31Aの
枠体33Aに結合される。その際、第2の動吸振器31
Bは、付加質量32Bの移動方向が第1の動吸振器31
Aの付加質量32Aの移動方向と直交する向きとなるよ
うに取り付けられる。そのため、第2の動吸振器31B
の枠体33Bの下部水平部33a3 〜33d3は、第1
の動吸振器31Aの枠体33Aの上部水平部33d2
33a2 ,33b2 ,33c2 に結合される。
【0033】また、第2の動吸振器31Bの枠体33B
の上部には、平板状に形成されたカバー55が取り付け
られている。また、第2の動吸振器31Bの枠体33B
の上面とカバー55との間にシール部材を介在させるこ
とにより防水性、防塵性を高めることができ、屋外に設
置された場合でも風雨から動吸振器31A,31Bの内
部に設けられた可動部分を保護することができる。この
カバー55は、第2の動吸振器31Bの枠体33Bの上
部が平面状であるので、1枚の板で構成され、安価に製
作できる。また、設置後のメンテナンスを行う際は、カ
バー55を外すだけで動吸振器31A,31Bの内部を
点検・修理等の作業を容易に行うことができる。
【0034】上記第1の動吸振器31Aでは、付加質量
32AがX方向に移動可能に設けられているのに対し、
第2の動吸振器31Bでは、付加質量32BがY方向に
移動可能に設けられている。よって、X方向の振動が発
生した場合には、第1の動吸振器31Aの付加質量32
AがX方向に駆動されてX方向の振動を制振することが
できる。また、Y方向の振動が発生した場合には、第2
の動吸振器31Bの付加質量32BがY方向に駆動され
てY方向の振動を制振することができる。
【0035】さらに、上記X方向及びY方向に対して所
定角度回動された向きの振動に対しては、夫々第1の動
吸振器31Aにおいて、付加質量32Aの移動によりX
方向の振動成分が制振され、第2の動吸振器31Bにお
いて、付加質量32Bの移動によりY方向の振動成分が
制振される。このように、第1の動吸振器31Aの制振
動作と第2の動吸振器31Bの制振動作とを組み合わせ
ることにより、どの方向からの振動でも制振することが
可能となる。
【0036】しかも、第1の動吸振器31Aの上部に第
2の動吸振器31Bが重ね合わせた状態で設置されるた
め、設置スペースは1台分で済む。よって、1台分の設
置スペースしか確保できない狭い場所でも、2台の動吸
振器31を設置することが可能となり、設置スペースが
限られた構造物において、一方向の振動だけでなく構造
物で発生する水平方向の振動であれば振動方向に拘わら
ず制振することができる。
【0037】なお、上記説明では、2台の動吸振器31
を重ね合わせた構成を一例として挙げたが、これに限ら
ず、例えば制振すべき構造物の大きさに応じて3台ある
いは4台の動吸振器31を積重して設置することができ
る。このように、同一構成の動吸振器31を重ね合わす
ことにより、どの方向の振動でも制振することが可能と
なるため、構造物の大きさに応じて動吸振器31の設置
数を選択すれば良い。そのため、動吸振器31を規格化
することにより量産化を実現することができ、動吸振器
31の製造コストを大幅に下げることができる。
【0038】図5は本発明の変形例1の構成を示す平面
図である。図5に示されるように、変形例1の動吸振器
61は、枠体62の輪郭形状が八角形に形成されてい
る。この動吸振器61は、枠体62以外の各部が上記動
吸振器31と同一構成である。動吸振器61では、枠体
62の輪郭形状が八角形であるため、枠体62の上部に
他の動吸振器61を積重させる際、周方向に45°ずつ
回動させて設置することができる。上記動吸振器31の
場合は、枠体33の輪郭形状が正方形であるため、制振
方向が互いの直交する方向となる向きで積重されるのに
対し、動吸振器61の場合には、X,Y方向に対して4
5°の角度となる向きにも重ね合わせることができる。
【0039】そのため、構造物の振動方向がX,Y方向
だけでなくX,Y方向に対して45°の角度である場合
には、下段の動吸振器61の上部に設置される上段の動
吸振器61の向きをX,Y方向に対して45°の角度と
なるように設置することにより同方向の振動を効果的に
制振することができる。尚、枠体62の輪郭形状は、上
記八角形に限らず、例えば12角形又は16角形等、4
N角形(Nは整数)とすることもできる。
【0040】図6は本発明の変形例2の構成を示す平面
図である。図6に示されるように、変形例2の動吸振器
71は、枠体72の輪郭形状が円形に形成されている。
この動吸振器71は、枠体72以外の各部が上記動吸振
器31と同一構成である。動吸振器71では、枠体72
の輪郭形状が円形であるため、枠体72の上部に他の動
吸振器71を積重させる際、枠体72の周縁部に設けら
れたボルト挿通孔73の間隔で周方向に回動させて設置
することができる。
【0041】そのため、上部の動吸振器71の設置方向
を上記変形例1よりも小さい角度で任意の方向に変更す
ることができ、構造物の振動方向が建設時と異なる方向
に発生した場合でも上部の動吸振器71の制振方向をそ
の方向と一致する向きに変更することができ、構造物の
経年変化等による振動方向の変化にも対応することがで
きる。
【0042】図7は本発明の変形例3の構成を示す平面
図である。図7に示されるように、変形例3では上記動
吸振器31の上部に駆動部が除かれた構成の動吸振器8
1が積重されている。この動吸振器81は、動吸振器3
1に対しモータ35、カップリング50、ボールねじ3
8、ナット40等の駆動部が削除された構成であり、付
加質量32B、枠体33B、リニアガイド36B,37
Bから構成されている。
【0043】そして、上段の動吸振器81の付加質量3
2Bは、下段の動吸振器31の付加質量32Aと一体的
に結合されている。すなわち、上段の付加質量32Bの
側面と下段の付加質量32Aの側面との間には、結合プ
レート(付加質量結合部材)82が装架されている。結
合プレート82は、固定ボルト83により付加質量32
Bの側面及び付加質量32Aの側面に締結されている。
【0044】そのため、動吸振器31の付加質量32A
が制振動作する際、上段の付加質量32Bも同一方向に
駆動される。このように、2つの付加質量32A,32
Bは、1台のモータ35により駆動される。例えば、構
造物の質量が建設当初よりも増築等により増大した場
合、付加質量32を増やすことで対応することができ
る。この場合、動吸振器81がモータ35、カップリン
グ50、ボールねじ38、ナット40等の駆動部を外し
た構成であるので、2台の動吸振器31を設置する場合
よりも製作コストを安価にできる。
【0045】図8は本発明の変形例4の構成を示す平面
図である。また、図9は本発明の変形例4の構成を示す
側断面図である。図8及び図9に示されるように、変形
例4の上記動吸振器91では、上記動吸振器31に対し
ボールねじ38が片持ち構造で支持されている。すなわ
ち、ボールねじ38は、モータ35側の軸受48のみに
より軸承されているだけである。そのため、上記動吸振
器31において、ボールねじ38の先端を軸承する軸受
47は削除されている。
【0046】従って、ボールねじ38は、先端側が自由
端となっており、付加質量32の重量は、リニアガイド
36,37により支持されるため、ボールねじ38には
殆ど作用していない。そのため、ボールねじ38には、
付加質量32がリニアガイド36,37を摺動する際の
軸方向推力が負荷として作用する。このように、ボール
ねじ38を片持ち構造とすることにより、ボールねじ3
8の負担を軽減してボールねじ38の寿命を延ばすこと
ができると共に、軸受47のメンテナンスを不要にして
保守、点検作業を簡略化することができる。
【0047】図10は変形例4の動吸振器91を重ね合
わせた取付状態を示す平面図である。また、図11は変
形例4の2つの動吸振器91を重ね合わせた取付状態を
一部切断して示す縦断面図である。図10及び図11に
示されるように、2つの動吸振器91は、互いに直交す
るX,Y方向の振動を制振するように90°回動させた
向きで重ね合わせた状態で結合される。2つの上記動吸
振器91のうち床面に固定された方を第1の動吸振器9
1Aとする。また、第1の動吸振器91Aの上部に積重
されるように取り付けられた方を第2の動吸振器91B
とする。
【0048】第1の動吸振器91Aと第2の動吸振器9
1Bとは、全く同一の構成であるが、制振方向が直交す
るように結合されている。第1の動吸振器91Aの枠体
33Aは、床面に固定される。そして、第2の動吸振器
91Bの枠体33Bは、締結ボルト(図示せず)により
第1の動吸振器91Aの枠体33Aに結合される。その
際、第2の動吸振器91Bは、付加質量32Bの移動方
向が第1の動吸振器91Aの付加質量32Aの移動方向
と直交する向きとなるように取り付けられる。
【0049】上記第1の動吸振器91Aでは、付加質量
32AがX方向に移動可能に設けられているのに対し、
第2の動吸振器91Bでは、付加質量32BがY方向に
移動可能に設けられている。よって、X方向の振動が発
生した場合には、第1の動吸振器91Aの付加質量32
AがX方向に駆動されてX方向の振動を制振することが
できる。また、Y方向の振動が発生した場合には、第2
の動吸振器91Bの付加質量32BがY方向に駆動され
てY方向の振動を制振することができる。
【0050】このように、第1の動吸振器91Aの上部
に第2の動吸振器91Bが重ね合わせた状態で設置され
るため、設置スペースは1台分で済む。よって、1台分
の設置スペースしか確保できない狭い場所でも、2台の
動吸振器91を設置することが可能となり、設置スペー
スが限られた構造物において、一方向の振動だけでなく
構造物で発生する水平方向の振動であれば振動方向に拘
わらず制振することができる。
【0051】尚、上記実施例では、モータ35の回転駆
動力がボールねじ38を介して付加質量32を駆動する
構成を一例として挙げたがこれに限らず、他の駆動手段
(例えばリニアモータ等)を用いた構成とすることもで
きる。また、上記実施例では、枠体33Aの上面に他の
動吸振器の枠体33Bを直接重ね合わせる構成とした
が、これに限らず、枠体33Aと枠体33Bとの間に仕
切り板等を介在させるような構成とすることもできる。
【0052】
【発明の効果】上述の如く、上記請求項1記載の発明に
よれば、第1の枠体に第2の枠体を積重させた状態で前
記両枠体同志を結合させた状態で第1、第2の付加質量
を同時に駆動させるため、構造物の複数の方向の振動を
同時に制振することができ、しかも設置スペースの小さ
い場所でも設置することができる。
【0053】また、上記請求項2記載の発明によれば、
第1の枠体に第2の枠体を積重させた状態で第1の付加
質量と第2の付加質量とを結合させるため、同一の駆動
部で第1、第2の付加質量を駆動させることが可能とな
り、構造物の大きさに応じた任意の重量となるように付
加質量の数を変更することができる。また、上記請求項
3記載の発明によれば、第1の枠体に第2の枠体を積重
させた状態で第1の付加質量と第2の付加質量とを個別
に駆動させるため、構造物の複数の方向の振動を同時に
制振することができる。
【0054】また、上記請求項4記載の発明によれば、
枠体の輪郭形状が4N角形であるので、積重される枠体
同士の各辺をずらすことにより各付加質量の移動方向を
容易に変更することができる。また、上記請求項5記載
の発明によれば、枠体の輪郭形状が円形であるので、積
重される枠体同士の相対位置を自由に調整することが可
能になり、各付加質量の移動方向を構造物の振動方向に
合わせて変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明となる制振装置の一実施例を構成する動
吸振器の平面図である。
【図2】図1に示す動吸振器の側断面図である。
【図3】2つの動吸振器を重ね合わせた取付状態を示す
縦断面図である。
【図4】2つの動吸振器を重ね合わせた取付状態を一部
切断して示す平面図である。
【図5】本発明の変形例1の構成を示す平面図である。
【図6】本発明の変形例2の構成を示す平面図である。
【図7】本発明の変形例3の構成を示す平面図である。
【図8】本発明の変形例4の構成を示す平面図である。
【図9】本発明の変形例4の構成を示す側断面図であ
る。
【図10】変形例4の動吸振器を重ね合わせた取付状態
を示す平面図である。
【図11】変形例4の2つの動吸振器を重ね合わせた取
付状態を一部切断して示す縦断面図である。
【図12】従来の制振装置が構造物に設置された一例を
説明するための概略構成図である。
【図13】従来の動吸振器の正面図である。
【図14】図13中A−A’線に沿う動吸振器の縦断面
図である。
【符号の説明】
31,61,71,81,91 動吸振器 31A,91A 第1の動吸振器 31B,92A 第2の動吸振器 32,32A,32B 付加質量 33,33A,33B,62,72 枠体 33a〜33b 鉄骨 34 結合部 35,35A,35B ACサーボモータ 36,37 リニアガイド 38,38A,38B ボールねじ 40 ナット部 53,54 締結ボルト 55 カバー 82 結合プレート 83 固定ボルト

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物に応じた第1の質量を有する第1
    の付加質量と、 前記構造物に設置され前記第1の付加質量を往復動自在
    に支持する第1の枠体と、 前記構造物に応じた第2の質量を有する第2の付加質量
    と、 前記第1の枠体に積重され前記第2の付加質量を往復動
    自在に支持する第2の枠体と、 前記第1の枠体に第2の枠体を積重させた状態で前記両
    枠体同志を結合させる枠結合部材と、 前記構造物の振動を制振するように前記第1、第2の付
    加質量を同時に駆動する一の駆動部と、 からなることを特徴とする制振装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の制振装置であって、 前記第1の枠体に前記第2の枠体を積重させた状態で前
    記第1の付加質量と前記第2の付加質量とを結合させる
    付加質量結合部材を設けたことを特徴とする制振装置。
  3. 【請求項3】 構造物に応じた第1の質量を有する第1
    の付加質量と、 前記構造物に設置され前記第1の付加質量を往復動自在
    に支持する第1の枠体と、 前記構造物に応じた第2の質量を有する第2の付加質量
    と、 前記第1の枠体に積重され前記第2の付加質量を往復動
    自在に支持する第2の枠体と、 前記第1の枠体に第2の枠体を積重させた状態で前記両
    枠体同志を結合させる枠結合部と、 前記構造物の振動を制振するように前記第1の付加質量
    を駆動する第1の駆動部と、 前記構造物の振動を制振するように前記第2の付加質量
    を駆動する第2の駆動部と、 からなることを特徴とする制振装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1又は請求項3記載の制振装
    置であって、 前記第1、第2の枠体は、輪郭形状が4N角形(Nは整
    数)であることを特徴とする制振装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1又は請求項3記載の制振装
    置であって、 前記第1、第2の枠体は、輪郭形状が円形であることを
    特徴とする制振装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002147050A (ja) * 2000-11-16 2002-05-22 Kajima Corp 成長変化する構造物群の制震方法
US20070051576A1 (en) * 2003-07-11 2007-03-08 Ikuo Shimoda Dynamic vibration absorber and dynamic vibration absorbing device using the same

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