JPH11166552A - Frp製シャフトと継手との接合構造および接合方法 - Google Patents

Frp製シャフトと継手との接合構造および接合方法

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JPH11166552A
JPH11166552A JP9354198A JP35419897A JPH11166552A JP H11166552 A JPH11166552 A JP H11166552A JP 9354198 A JP9354198 A JP 9354198A JP 35419897 A JP35419897 A JP 35419897A JP H11166552 A JPH11166552 A JP H11166552A
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JP
Japan
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joint
boss
shaft
frp
frp shaft
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Application number
JP9354198A
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English (en)
Inventor
Hokoyuki Oguri
矛志 小栗
Koji Hisamoto
浩二 久本
Shinichiro Uotani
眞一郎 魚谷
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Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】面倒な加工を必要とせず、低コストの接合構造
を提供することを目的とする。 【解決手段】FRP製シャフト10の端部に挿入される
継手11のボス13の外周面の一部にローレット歯19
によって凹凸加工を施すとともに、凹凸部20の外表面
を砥石24によって研削して案内部14を形成し、該案
内部14によって継手11をFRP製シャフト10に対
してセンタリングした状態でボス13とFRP製シャフ
ト10との間に介在される接着剤によって接着固定する
ようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はFRP(Fiber
Reinforced Plastic 繊維強化プ
ラスチック)製シャフトと継手との接合構造および接合
方法に係り、とくに中空のFRP製シャフトの端部の内
周面に継手のボスを嵌合させて取付け、接着剤で固着す
るようにしたFRP製シャフトと継手との接合構造およ
び接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FRPは比強度および比剛性に優れた材
料である。しかしFRP単独で構造材として使用される
ことは少なく、FRP同士あるいは異種材料と接合し、
構造部材として使用されることが多い。例えば自動車の
駆動軸にFRP製シャフトを適用する場合には、FRP
製のシャフトとこのシャフトにトルクを伝えるための金
属製のフランジ継手とを接合して使用することになる。
【0003】FRP製の中空シャフトに金属製のフラン
ジ継手を接合すると、FRP製シャフトの軽量化効果に
よって、危険回転数が高くなるとともに、回転に伴う振
動やブレが減少する等の利点が得られることになる。
【0004】従来の鋼製シャフトと金属製継手とを接合
する場合には、溶接によって両者を結合させていた。溶
接法による接合を用いると、高い寸法高精度でシャフト
と継手とを接合するとともに、その接合強度も大きくな
る。しかしFRP製シャフトと異種材料の継手との接合
においては、溶接の手法を用いることができない。
【0005】そこで例えば特開平7−83240号公報
に開示されているように、フランジ継手のボスの外周面
上に軸線方向に延びる複数の突条を形成し、これらの突
条をFRP製シャフトの内周面に嵌合させるようにする
とともに、両者の間に塗布されている接着剤によって継
手を中空シャフトの端部に挿入して接着固定するように
した接合構造が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−83240
号公報に開示されている接合構造によると、とくに突条
の部分において中空のFRP製シャフトと継手との間の
センタリングを行ないながら、しかも突条間の凹部に充
填されている接着剤によって継手のボスの部分を中空の
FRP製シャフトの内周面に強固に接着することが可能
になる。
【0007】ところが上記の接合構造の場合には、フラ
ンジ継手のボスの部分に軸線方向に延びる突条を形成す
る加工を要する。このような加工は通常フライス盤によ
って行なわれるが、加工に時間を要するばかりでなく、
加工コストが高くなる問題がある。
【0008】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、長時間の面倒な加工を必要とせず、コ
スト的に有利なFRP製シャフトと継手との接合構造お
よび接合方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、中空のFRP
製シャフトの端部の内周面に継手のボスを嵌合させて取
付け、接着剤で固着するようにしたFRP製シャフトと
継手との接合構造において、前記継手のボスの外周面上
の一部の領域に凹凸を有する案内部を具備し、該案内部
の外径が前記FRP製シャフトの内径よりも小さくしか
も前記継手のボスの外径よりも大きな値に設定され、前
記案内部によって前記FRP製シャフトに対して前記継
手がセンタリングされ、前記ボスの外周面と前記FRP
製シャフトの内周面との間の隙間に充填されている接着
剤によって前記継手が前記FRP製シャフトに固着され
ていることを特徴とするFRP製シャフトと継手との接
合構造に関するものである。
【0010】前記案内部が前記継手のボスの外周面上に
円周方向に沿って帯状に形成されていてよい。また前記
案内部が前記継手のボスの外周面上において、先端部、
根元部分、および中間部分の内の1個所または2個所以
上に形成されていてよい。あるいはまた前記案内部が前
記継手のボスの外周面上において螺旋状に形成されてい
てよい。
【0011】前記案内部の凹凸は軸線方向と平行な縦溝
によって形成されていてよい。また前記継手のボスの外
周面上においてその先端部に凹凸を有する案内部が形成
されるとともに、その根元部分に平坦な案内部が形成さ
れていてよい。さらには前記継手のボスの外周面上に形
成されている嵌着用凹部に嵌着されるリングの外周面に
前記案内部が形成されていてよい。
【0012】次に方法に関する発明は、中空のFRP製
シャフトの端部内周面に継手のボスを嵌合させて取付
け、接着剤で固着するようにしたFRP製シャフトと継
手との接合方法において、前記継手のボスの外径を前記
FRP製シャフトの内径よりも小さな値とし、前記継手
のボスの外周面の一部の領域に転造加工によって細かい
凹凸を形成し、前記凹凸の部分を仕上げ加工して凸の部
分の外径が前記FRP製シャフトの内径よりも小さくし
かも前記ボスの転造加工を施す前の外径よりも大きな値
とし、前記ボスの少なくとも凹凸が形成されていない領
域に接着剤を塗布して前記FRP製シャフトに固着する
ようにしたことを特徴とするFRP製シャフトと継手と
の接合方法に関するものである。
【0013】前記ボスの転造加工を施す前の外径が前記
FRP製シャフトに対して0.05〜0.6mmのクリ
アランスを有するように前記継手のボスが加工されてい
てよい。また前記ボスの転造加工によって形成された凹
凸の凸の部分を仕上げ加工したときの外径が前記FRP
製シャフトに対して0.02〜0.3mmのクリアラン
スを有するように前記凹凸が形成された領域が加工され
ていてよい。またここで転造加工は、転造用ダイスによ
る狭義の転造加工の他ローレット加工やセレーション加
工を含むものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本実施の形態において用いられる
FRP製シャフトは、強化繊維とマトリックス樹脂とか
ら構成されるものである。そしてシャフトの使用目的に
よっては、その曲げ剛性およびねじり剛性が高く、さら
に所要のねじり強度を有する必要がある。
【0015】強化繊維は、引張り強度および引張り弾性
率の高い繊維が望ましく、炭素繊維、ガラス繊維、アラ
ミド繊維、ボロン繊維、セラミック繊維等の繊維から選
ばれる1種あるいは2種以上の組合わせで使用される。
とくに比強度および比剛性に優れ、しかも軽量化の効果
の大きい炭素繊維がより好ましく用いられる。
【0016】このような強化繊維によって強化されるマ
トリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミ
ド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビ
ニールエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、ABS樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂(ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、
ナイロン6・11、ナイロン6・12)等の熱可塑性樹
脂が挙げられる。これらの中で取扱い性に優れたエポキ
シ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が好ましく使用されて
よい。
【0017】このようなマトリックス樹脂を強化繊維で
補強したFRP製シャフトの製造方法は、従来公知の方
法によって行なわれる。生産性および製作コストを考慮
し、フィラメントワインド法やシートワインド法が用い
られてよい。
【0018】これに対して中空のFRP製シャフトの端
部に接合される継手は、鋼、アルミニウム合金、FRP
等の転造可能な材料で製作されたものであってよい。継
手の材料はFRP製シャフトの使用目的や伝達トルク、
寸法等に応じて適宜選択される。また継手には、軸線方
向の一端にボスが連設され、このボスが中空のFRP製
シャフトの端部の内周面に嵌合されて取付けられるよう
になる。
【0019】図1は炭素繊維を強化繊維とし、エポキシ
樹脂をマトリックス樹脂とする中空のFRP製シャフト
10と鋼製の継手11との接合構造を示している。ここ
で継手11はフランジ12を備えるとともに、このフラ
ンジ12の中心部にはボス13が突出して形成されてい
る。ボス13はその先端側外周面に案内部14が形成さ
れている。
【0020】このような案内部14を外周面であってそ
の先端側に備えるボス13が図2に示すように、FRP
製シャフト10の端部の内周面に挿入されて嵌合され
る。そして案内部14によってFRP製シャフト10に
対して継手11がセンタリングされるとともに、ボス1
3の外周側の部分とFRP製シャフト10の内周面との
間の隙間に充填される接着剤15によってFRP製シャ
フト10と継手11のボス13とが互いに接着固定され
る。
【0021】次にこの実施の形態の大きな特徴をなす継
手11のボス13上の案内部14の形成について図3〜
図7によって説明する。鋼製の継手11は図3に示すよ
うに、フランジ12の中心部にボス13を立設した状態
で作製される。ここでボス13の外径は、FRP製シャ
フト10の内径に対して0.05〜0.6mmのクリア
ランスを有するように切削加工が行なわれてよい。より
好ましくはFRP製シャフト10の内径よりも0.10
〜0.3mm小さな外径を有するようにボス13の外径
が加工される。
【0022】この後に図4に示すように、転造用ダイス
19を継手11のボス13の外周側の部分であってその
少なくとも一部の領域に圧着させ、ボス13の外周面上
を相対的にダイス19が転動するようにする。これによ
ってダイスの目による軸線方向の縦溝から成る凹凸部2
0をボス13の外周面上に円周方向に沿って形成する。
【0023】ボス13の外周面上における案内部14の
面積比あるいは軸線方向の長さの比は全長に対して3〜
50%の範囲内であることが好ましい。またここで転造
用ダイス19によって行なわれる凹凸部20の形成は、
そのピッチが1.0〜5.0mmの範囲内であって、し
かもその深さは0.3〜3.0mmの範囲内であること
が好ましい。
【0024】またこのような転造用ダイス19による凹
凸部20の形成は、この凹凸部20の部分における外径
がFRP製シャフト10の内径よりも大きな値になるよ
うにダイス19の目の粗さおよび圧着力を調整して行な
う。ダイス19を圧着すると縦溝から成る凹凸部20が
図5に示すようにボス13の外周面上に形成される。こ
のときに凹凸部20の山の部分はFRP製シャフト10
の内周の径よりも大きな値になるとともに、凹凸の凹部
はボス13の元の外径よりも小さな値になる。すなわち
局部的な塑性流動によって半径方向の多数の凹凸から成
る凹凸部20が形成される。
【0025】この後に図6に示すように、砥石24によ
って凹凸部20を研削して所定の寸法に仕上げる。する
と図7に示すように、凹凸部20はその山の頂部のみが
削られて谷の部分が残るようになり、これによって案内
部14が形成される。ここで案内部14はその外径がF
RP製シャフト10に対して0.02〜0.3mmのク
リアランスを有するような値に設定されてよい。より好
ましくは0.05〜0.15mmのクリアランスが形成
されてよい。そしてこのような案内部14がこの継手1
1のボス13をFRP製シャフト10に嵌合した際に、
継手11をFRP製シャフト10に対してセンタリング
する機能を生ずることになる。
【0026】このように転造用ダイス19によって凹凸
部20を形成するとともに、凹凸部20を砥石24によ
って研削して案内部14をボス13上に形成したなら
ば、継手11のボス13の外周面であって少なくとも案
内部14が形成されていない部分に接着剤を塗布する。
なお必要に応じて案内部14の外周面上にも接着剤を塗
布してよい。
【0027】このような状態において、継手11のボス
13を図2に示すようにFRP製シャフト10の端部に
挿入する。するとFRP製シャフト10と継手11のボ
ス13との間に介在する接着剤15によって両者が接着
固定されることになる。
【0028】なおここで用いられる接着剤は液状タイプ
のものが好ましい。用いる接着剤の粘度はシャフトの中
に継手を挿入する際の作業性、および硬化時の粘度等を
考慮し、室温で100〜1000ポイズの範囲内のもの
を使用することが好ましい。接着剤としては、例えばア
ラルダイト(チバ・ガイギー社製)、ソニーボンド(ソ
ニーケミカル株式会社製)、スリーロイ(スリーボンド
社製)等が挙げられる。
【0029】本実施の形態に係るFRP製シャフト10
と継手11との接合構造によれば、とくに継手11のボ
ス13上に突条を形成するためのフライス加工を行なう
ことを要しない。すなわち転造用ダイス19を圧着させ
ながら回転させて凹凸部20を形成するとともに、この
凹凸部20を砥石24によって軽く研削するだけで案内
部14が形成されることになる。従ってこのような接合
構造および接合方法によれば、継手11のボス13上に
案内部14を形成する工程が非常に簡略化されるように
なり、しかも低コストの接合構造を提供することが可能
になる。
【0030】図8は別の実施の形態を示すものである。
この実施の形態は継手11のボス13上であってその先
端側の部分と根元部分とにそれぞれ案内部14を形成
し、前後の案内部14間の部分をボス13の外径のまま
で残すようにしたものである。このような構成によれ
ば、とくに先端側の部分と根元側の部分とにそれぞれ形
成されている案内部14によって継手11のFRP製シ
ャフト10に対するセンタリングが行なわれることにな
る。
【0031】図9はさらに別の実施の形態を示してい
る。この実施の形態は継手11のボス13の根元側の部
分のみに案内部14を形成するようにしたものである。
この場合には根元側の案内部14のみによって継手11
のFRP製シャフト10に対するセンタリングが行なわ
れた状態で両者が接着固定される。
【0032】図10は継手11のボス13上にその先端
側の部分、中間部分、および根元側の部分にそれぞれ案
内部14を形成するようにしたものである。これらの案
内部14は何れもボス13上に円周方向に延びるように
帯状に形成されており、3個所の案内部14によって継
手11が位置決めされた状態でFRP製シャフト10と
接合されることになる。
【0033】図11はさらに別の実施の形態を示してい
る。この実施の形態は、フランジ12のボス13上に螺
旋状に案内部14を形成するようにしたものである。こ
のような案内部14は、転造用ダイス19をボス13の
外周面上に圧着して凹凸部20を形成する際に、継手1
1またはダイス19を相対的に軸線方向に移動させなが
ら回転させて圧着させることによって達成される。
【0034】次に別の実施の形態を図12および図13
によって説明する。この実施の形態は、継手11のボス
13の外周面上であってその先端側の部分に案内部14
を形成するとともに、根元側の部分には凹凸を有しない
平坦な案内部36を形成するようにしたものである。
【0035】このような継手11はフランジ12を有す
るボス13の根元側の部分と先端側の部分とにそれぞれ
図12に示すように大径部36、37を構成し、根元側
の部分はそのまま平坦な案内部36にする。そしてこの
後に図13に示すように、先端側の大径部37のみを転
造用ダイス19によって転造加工して縦溝から成る凹凸
を有する案内部14を形成するようにしたものである。
【0036】このような構成によれば、この継手11と
組合わされるFRP製シャフト10はその内径部分であ
って先端側の部分が平坦な案内部36によって案内さ
れ、しかも奥の部分が凹凸を有する案内部14によって
案内されることになる。従ってFRP製シャフト10と
継手11との間の相互のセンタリングがより確実に行な
われた状態で接着による接合が行なわれることになる。
【0037】次にさらに別の実施の形態を図14〜図1
6によって説明する。この実施の形態においては、継手
11のボス13の先端側の部分に小径の嵌着用凹部40
を予め形成しておく。これに対して外周面に転造によっ
て凹凸を有する案内部14が形成されている案内用リン
グ41を別に用意しておく。なおこのようなリングは、
筒状をなすとともに、その外周面に転造によって縦溝が
形成された筒体を輪切りにして製作してよい。
【0038】案内用リング41は図16に示すように、
継手11のボス13の先端側の嵌着用凹部40に圧入等
の方法によって固定され、これによってボス13の先端
側の外周面に案内部14が形成されることになる。この
ような構造によっても、第1の実施の形態と同様の作用
効果を奏することが可能になる。そしてこのような構造
によれば、継手11のコストをより低減することが可能
になる。
【0039】
【実施例】高強度炭素繊維束にビスフェノール型エポキ
シ樹脂を35重量%含浸させたものをフィラメントワイ
ンド法により、マンドレル上に90°/+45°/−4
5°/0°の構成で積層した。その後に加熱硬化させて
内径が60mmであって、外径が70mmであり、しか
も長さが1000mmのCFRP(CarbonFib
er Reinforced Plastic)製の中
空シャフト10を得た。中空シャフトは駆動軸として用
いられるものである。
【0040】このようなCFRP製シャフトの両端の内
周面に挿入する鋼製の継手11を用意した。継手11は
図3に示すようにフランジ12の中心部から突出するよ
うにボス13を備えており、しかもこのボス13の先端
部と根元部分にそれぞれ図8に示すように案内部14を
形成した。なお先端側の案内部14と根元側の案内部1
4との間の部分がボス13の外径をそのまま残存させた
部分になっている。
【0041】先端側の案内部14および根元側の案内部
14は何れも転造加工によって形成されたものである。
ここで継手11のボス13の先端部に設けられる案内部
14の凹凸は、その周方向にピッチが2.5mmであっ
て深さが1mmになるように縦溝が形成されたものであ
る。しかもボス13の軸線方向の長さを100mmと
し、その先端部および根元部分にそれぞれ形成されてい
る案内部14の軸線方向の長さをそれぞれ10mmとし
ている。
【0042】このようにして外径が60mmであって接
着剤の厚みが0.1mmになるように凹部を有するフラ
ンジ継手11を作製した。この場合においてボス13の
円周上において継手11をセンタリングするための案内
部14の占める面積の割合は22%であって、ボス13
の元の外径部分が占める割合が78%であった。
【0043】次に上記のCFRP製シャフト10の端部
の内周面およびフランジ継手11のボス13の外周面上
にそれぞれ住友スリーエム株式会社製接着剤SW221
4を直接塗布した。そしてこの後にCFRP製シャフト
10の端部の内周面に継手11のボス13を挿入し、接
着剤を硬化することによって固着した。
【0044】このようにCFRP製シャフト10の両端
に構成フランジ継手11を接合したCFRP製シャフト
10をねじり試験に供した結果、両者の接合部は約11
50kgf・mのトルクで破壊した。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明は、継手のボスの外
周面上の一部の領域に凹凸を有する案内部を具備し、該
案内部の外径がFRP製シャフトの内径よりも小さくし
かも継手のボスの外径よりも大きな値に設定され、案内
部によってFRP製シャフトに対して継手がセンタリン
グされ、ボスの外周面とFRP製シャフトの内周面との
間の隙間に充填されている接着剤によって継手がFRP
製シャフトに固着されていることを特徴とするFRP製
シャフトと継手との接合構造に関するものである。
【0046】従ってこのような構成によれば、案内部に
よってFRP製シャフトに対して継手が正しくセンタリ
ングされた状態で両者が接着剤によって接着固定される
ことになり、高精度で信頼性の高い接合構造が提供され
る。
【0047】案内部が継手のボスの外周面上に円周方向
に沿って帯状に形成されている構成によれば、円周方向
に沿って帯状に形成されている案内部によって継手がF
RP製シャフトに対してセンタリングされる。
【0048】案内部が継手のボスの外周面上において、
先端部、根元部分、および中間部分の内の1個所または
2個所以上に形成されている構成によれば、先端部、根
元部分、および中間部分の内の1個所または2個所以上
に形成されている案内部によって案内された状態で継手
がFRP製シャフトに正しくセンタリングされるように
なる。
【0049】案内部が継手のボスの外周面上において螺
旋状に形成されている構成によれば、螺旋状の案内部に
よって継手がFRP製シャフトに対してセンタリングさ
れる。
【0050】案内部の凹凸が軸線方向と平行な縦溝によ
って形成されている構成によれば、縦溝によって形成さ
れている凹凸から成る案内部によって継手がFRP製シ
ャフトに対してセンタリングされるようになる。
【0051】継手のボスの外周面上においてその先端部
に凹凸を有する案内部が形成されるとともに、その根元
部分に平坦な案内部が形成されている構成によれば、ボ
スの先端側の凹凸を有する案内部と根元側の平坦な案内
部とによって継手がFRP製シャフトに対してセンタリ
ングされる。
【0052】継手のボスの外周面上に形成されている嵌
着用凹部に嵌着されるリングの外周面に案内部が形成さ
れている構成によれば、このようなリングの外周面上の
案内部によって案内された状態で継手がFRP製シャフ
トに対してセンタリングされる。
【0053】方法に関する発明は、継手のボスの外径を
FRP製シャフトの内径よりも小さな値とし、継手のボ
スの外周面の一部の領域に転造加工によって細かい凹凸
を形成し、凹凸の部分を仕上げ加工して凸の部分の外径
がFRP製シャフトの内径よりも小さくしかもボスの転
造加工を施す前の外径よりも大きな値とし、ボスの少な
くとも凹凸が形成されていない領域に接着剤を塗布して
FRP製シャフトに固着するようにしたことを特徴とす
るFRP製シャフトと継手との接合方法に関するもので
ある。
【0054】従ってこのような構成によれば、転造加工
を施した後に仕上げ加工を行なうことによって案内部が
形成されるようになり、案内部の形成のための工数を低
減して加工コストを削減することが可能になる。
【0055】ボスの転造加工を施す前の外径がFRP製
シャフトに対して0.05〜0.6mmのクリアランス
を有するように継手のボスが加工されている構成によれ
ば、接着剤を保持するための適正な隙間が与えられるこ
とになる。
【0056】ボスの転造加工によって形成された凹凸の
凸の部分を仕上げ加工したときの外径がFRP製シャフ
トに対して0.02〜0.3mmのクリアランスを有す
るように凹凸が形成された領域が加工されている構成に
よれば、継手をFRP製シャフトに対して正しくセンタ
リングするための適正なクリアランスが与えられるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】FRP製シャフトと継手との接合構造を示す分
解斜視図である。
【図2】接合構造の縦断面図である。
【図3】案内部を形成する前の状態の継手の外観斜視図
である。
【図4】継手のボスにローレット加工を行なう状態を示
す斜視図である。
【図5】継手のボスの部分の要部拡大断面図である。
【図6】継手のボスの部分の研削加工を行なう状態を示
す斜視図である。
【図7】研削加工が行なわれたボスの部分の拡大縦断面
図である。
【図8】別の実施の形態の継手の側面図である。
【図9】さらに別の実施の形態の継手の側面図である。
【図10】さらに別の実施の形態の継手の側面図であ
る。
【図11】さらに別の実施の形態の継手の側面図であ
る。
【図12】さらに別の実施の形態の継手の転造加工を行
なう前の側面図である。
【図13】同継手の加工後の側面図である。
【図14】さらに別の実施の形態の継手のリングを嵌着
する前の状態の側面図である。
【図15】案内用リングの外観斜視図である。
【図16】案内用リングを嵌着した継手の側面図であ
る。
【符号の説明】 10 FRP製シャフト 11 継手 12 フランジ 13 ボス 14 案内部 15 接着剤 19 転造用ダイス 20 凹凸部 24 砥石 28 保持枠 29 凹部 30 支軸 31 軸受 32 圧縮コイルばね 36 平坦な案内部 37 大径部 40 嵌着用凹部 41 案内用リング

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空のFRP製シャフトの端部の内周面に
    継手のボスを嵌合させて取付け、接着剤で固着するよう
    にしたFRP製シャフトと継手との接合構造において、 前記継手のボスの外周面上の一部の領域に凹凸を有する
    案内部を具備し、 該案内部の外径が前記FRP製シャフトの内径よりも小
    さくしかも前記継手のボスの外径よりも大きな値に設定
    され、 前記案内部によって前記FRP製シャフトに対して前記
    継手がセンタリングされ、前記ボスの外周面と前記FR
    P製シャフトの内周面との間の隙間に充填されている接
    着剤によって前記継手が前記FRP製シャフトに固着さ
    れていることを特徴とするFRP製シャフトと継手との
    接合構造。
  2. 【請求項2】前記案内部が前記継手のボスの外周面上に
    円周方向に沿って帯状に形成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載のFRP製シャフトと継手との接合構
    造。
  3. 【請求項3】前記案内部が前記継手のボスの外周面上に
    おいて、先端部、根元部分、および中間部分の内の1個
    所または2個所以上に形成されていることを特徴とする
    請求項2に記載のFRP製シャフトと継手との接合構
    造。
  4. 【請求項4】前記案内部が前記継手のボスの外周面上に
    おいて螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載のFRP製シャフトと継手との接合構造。
  5. 【請求項5】前記案内部の凹凸は軸線方向と平行な縦溝
    によって形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載のFRP製シャフトと継手との接合構造。
  6. 【請求項6】前記継手のボスの外周面上においてその先
    端部に凹凸を有する案内部が形成されるとともに、その
    根元部分に平坦な案内部が形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載のFRP製シャフトと継手との接合
    構造。
  7. 【請求項7】前記継手のボスの外周面上に形成されてい
    る嵌着用凹部に嵌着されるリングの外周面に前記案内部
    が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のF
    RP製シャフトと継手との接合構造。
  8. 【請求項8】中空のFRP製シャフトの端部内周面に継
    手のボスを嵌合させて取付け、接着剤で固着するように
    したFRP製シャフトと継手との接合方法において、 前記継手のボスの外径を前記FRP製シャフトの内径よ
    りも小さな値とし、 前記継手のボスの外周面の一部の領域に転造加工によっ
    て細かい凹凸を形成し、 前記凹凸の部分を仕上げ加工して凸の部分の外径が前記
    FRP製シャフトの内径よりも小さくしかも前記ボスの
    転造加工を施す前の外径よりも大きな値とし、 前記ボスの少なくとも凹凸が形成されていない領域に接
    着剤を塗布して前記FRP製シャフトに固着するように
    したことを特徴とするFRP製シャフトと継手との接合
    方法。
  9. 【請求項9】前記ボスの転造加工を施す前の外径が前記
    FRP製シャフトに対して0.05〜0.6mmのクリ
    アランスを有するように前記継手のボスが加工されてい
    ることを特徴とする請求項8に記載のFRP製シャフト
    と継手との接合方法。
  10. 【請求項10】前記ボスの転造加工によって形成された
    凹凸の凸の部分を仕上げ加工したときの外径が前記FR
    P製シャフトに対して0.02〜0.3mmのクリアラ
    ンスを有するように前記凹凸が形成された領域が加工さ
    れていることを特徴とする請求項8に記載のFRP製シ
    ャフトと継手との接合方法。
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US8863616B2 (en) 2006-02-14 2014-10-21 Campagnolo S.R.L. Bicycle pedal crank, intermediate product and method for manufacturing such a pedal crank
US10105916B2 (en) 2003-06-11 2018-10-23 Campagnolo S.R.L. Bicycle component and method for manufacturing such a component

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