JPH11166475A - プランジャアセンブリ - Google Patents

プランジャアセンブリ

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Publication number
JPH11166475A
JPH11166475A JP9330559A JP33055997A JPH11166475A JP H11166475 A JPH11166475 A JP H11166475A JP 9330559 A JP9330559 A JP 9330559A JP 33055997 A JP33055997 A JP 33055997A JP H11166475 A JPH11166475 A JP H11166475A
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JP
Japan
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plunger
slipper
hydraulic
motor
oil
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Pending
Application number
JP9330559A
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English (en)
Inventor
Toru Kamoshita
徹 鴨志田
Masahiro Imamura
正広 今村
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 シリンダ孔内の油圧が低圧で、シリンダが高
速回転するときに、スリッパとプランジャ本体との嵌合
状態を維持する。 【解決手段】 凸球面状外周面及び凹球面状内周面を有
して椀状に形成されたスリッパ205、凸球面状外周面
と摺動自在に嵌合する球状凹面201bが形成されたプ
ランジャ本体201、並びに凹球面状内周面と摺接する
頭部212、頭部212に繋がって延びる棒部材21
1、及びスリッパを貫通してプランジャ本体と連結され
る連結部材210を有し、プランジャ本体201内に配
設されてシリンダの回転により作用する遠心力を軸方向
力に変換して連結部材211に与え、プランジャ本体2
01をスリッパ205に押し付ける力を押圧力付与機構
220によって付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜板プランジャ式
の油圧ポンプ、モータ等に用いられるプランジャアセン
ブリに関し、さらに詳しくは、円筒状のプランジャ本体
の端部にスリッパが首振り自在に摺接結合されてなるプ
ランジャアセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】斜板プランジャ式油圧ポンプ、モータ
は、例えば、回転自在なシリンダに、その回転軸を囲む
環状配列で複数のシリンダ孔が形成され、このシリンダ
孔にそれぞれ軸方向に摺動自在に円筒状のプランジャが
嵌合挿入され、プランジャの端部に取り付けられたスリ
ッパを斜板に摺接させて構成される。油圧ポンプの場合
には、シリンダを回転させることによりスリッパが斜板
上を摺動してプランジャがシリンダ孔内で往復されて油
の吐出、吸入を行うようになっており、油圧モータの場
合には、シリンダ孔内への油の供給、排出を行うことに
より、スリッパを斜板上で移動させ、シリンダを回転さ
せる。
【0003】このような斜板プランジャ式油圧ポンプ、
モータにおいては、スリッパは斜板に摺接しながらプラ
ンジャとともにシリンダの回転軸を中心として回転移動
するため、スリッパはプランジャ端部に首振り自在に連
結する必要がある。このような連結部の構造について、
従来から種々の提案がなされており、例えば、実開昭5
8−189377号公報、実公昭60−3350号公
報、米国特許第4,454,802号等に開示の構造が
ある。
【0004】これらにおいては、凸球面状外周面および
凹球面状内周面を有して椀状に形成され、軸方向端部に
リング状スリッパ面を有してなるスリッパと、軸方向一
端部に凸球面状外周面と摺動自在に嵌合する球状凹面が
形成され、内部が軸方向他端部に開口する中空の円筒状
に形成されたプランジャ本体と、このプランジャ本体内
に、他端部から軸方向に延びるとともに一端部およびス
リッパを貫通して配設され、凸球面状外周面と球状凹面
が摺動自在に嵌合した状態でスリッパとプランジャ本体
とを連結させる連結部材とから構成されるプランジャア
センブリが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような連結部材を
介してスリッパとプランジャ本体とを連結させる構成の
場合、スリッパとプランジャ本体との摺動性を確保する
ため、両者の間には若干のクリアランスが設けられる。
ところがこのようなクリアランスを設けると、シリンダ
が高速回転するときに、スリッパに加わる遠心力が、ス
リッパをプランジャ本体から引き離す方向に作用し、ス
リッパの凸球面状外周面とプランジャ本体の球状凹面と
の嵌合部が離れて隙間が生じ、この隙間を介して油が漏
れ出すという現象が発生することがあることが分かっ
た。通常では、シリンダ孔内の油圧がプランジャ本体を
スリッパの方に押し付けるように作用するため、シリン
ダ孔内の油圧が高い場合にはこのような油の漏れの問題
は生じないのであるが、シリンダ孔内の油圧が低く、且
つシリンダが高速回転するときにこのような問題が生じ
ることも分かった。
【0006】例えば、斜板プランジャ型の油圧ポンプお
よびモータから油圧式無段変速機構を構成し、これと並
列に機械的な動力伝達機構を設けて無段変速機を構成
し、さらに、機械動力伝達機構のみにより動力伝達を行
わせるロックアップ機構を設けてなる無段変速機が知ら
れている。このような無段変速機において、ロックアッ
プ機構を作動させたときには、油圧式無段変速機構によ
る動力伝達は行われないので油圧ポンプおよびモータ間
の油圧が低くなり、且つ油圧ポンプおよびモータシリン
ダが高速回転される状態が発生する。この場合に、スリ
ッパに加わる遠心力によりスリッパがプランジャ本体か
ら離れ、上記のような油の漏れの問題が発生しやすい。
【0007】なお、実開昭58−189377号公報、
実公昭60−3350号公報に開示の構造では、連結部
材を介してスリッパをプランジャ本体側に引っ張るスプ
リングを設け、スリッパがプランジャ本体から離れにく
くするようになっている。しかしながら、スリッパに作
用する遠心力はシリンダの回転速度に応じて変化するの
に対して、スプリング力は一定の値である。このため、
上述のような油の漏れを防止するには、最大の遠心力が
作用したときにスリッパが離れないようなスプリング力
を設定する必要があり、スプリング力が大きくなりすぎ
て、スリッパとプランジャ本体との摺動性が低下した
り、この摺動部の磨耗が発生したりするという問題があ
る。
【0008】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
シリンダ孔内の油圧が低圧でシリンダが高速回転するよ
うな場合にもスリッパとプランジャ本体との嵌合状態が
維持され、油の漏れの問題が生じることがないようなプ
ランジャ式油圧ユニットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明においては、凸球面状外周面および凹球面状
内周面を有して椀状に形成されたスリッパと、軸方向一
端部に凸球面状外周面と摺動自在に嵌合する球状凹面が
形成されたプランジャ本体と、軸方向一端側に凹球面状
内周面と摺接する頭部を有するとともにこの頭部に繋が
って軸方向他端側に延びる脚部がスリッパを貫通してプ
ランジャ本体内に突出してプランジャ本体と連結される
連結部材とを有し、さらに、プランジャ本体内に配設さ
れてシリンダの回転により発生する遠心力を軸方向力に
変換して連結部材に与え、連結部材を介してプランジャ
本体をスリッパに押し付ける力を付与する押圧力付与手
段を備えてプランジャアセンブリが構成される。
【0010】このような構成のプランジャアセンブリの
場合には、シリンダの回転に応じてスリッパに作用する
遠心力がプランジャ本体をスリッパから引き離すように
作用しても、押圧力付与手段によりこれと対向してプラ
ンジャ本体をスリッパに押し付ける力から付与されるた
め、プランジャ本体がスリッパから離れて隙間が生じる
ようなことが確実に防止される。しかも、押圧力付与手
段により加えられる押圧力はスリッパに作用する遠心力
に対応する力であり、プランジャ本体とスリッパとの摺
接面圧を常に適切な値に設定可能である。
【0011】なお、プランジャ本体内に、連結部材を介
してプランジャ本体をスリッパに押し付ける力を付与す
るスプリング部材を配設するのが好ましい。このスプリ
ング部材は常時一定の押圧力を与えるため、シリンダ孔
内の油圧が零となるような場合でも、このスプリング部
材により付与される押圧力が作用してプランジャ本体が
スリッパと嵌合摺接し、両者の間に隙間が生じることが
ない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るプランジャア
センブリの好ましい実施形態について説明する。図1に
本発明に係るプランジャアセンブリを用いて構成された
油圧ポンプ、モータを有する無段変速機Tの構成を示す
が、この図から分かるように、本例では変速機TはFF
駆動方式もしくはRR駆動方式として用いられる。無段
変速機Tは、いわゆるハイドロメカニカル式無段変速機
であり、機械伝動ユニット1とハイドロスタティック式
無段変速ユニット2とを組み合わせて構成される。この
無段変速機Tを駆動するエンジンEは、機械伝動ユニッ
ト1を挟むようにして無段変速ユニット2と反対側に配
設されている。
【0013】機械伝動ユニット1は、動力分割装置3、
動力伝達装置4、終減速装置5を第1ケーシング1c内
に配設して構成される。動力分割装置3は、エンジンE
の出力軸7とトルクダンパ8を介して接続された変速機
入力軸9と、この入力軸9に直結されたキャリア11
と、このキャリア11に対向するとともに入力軸9と同
軸に延びたポンプ入力軸10とを有する。さらに、キャ
リア11には入力軸9の周りを公転する位置に複数のピ
ニオン軸12が一体に設けられ、これら各ピニオン軸1
2の上には、一体結合された大小一対のビニオンギヤ1
3,14が回転自在に配設されている。ポンプ入力軸1
0には大径ピニオン13と噛合する小径サンギヤ15が
結合配設されており、さらに、小径ピニオン14と噛合
する大径サンギヤ16がポンプ入力軸10の上に回転自
在に配設されている。
【0014】大径サンギヤ16と一体結合した中間ドラ
イブギヤ18がポンプ入力軸10の上に回転自在に配設
され、この中間ドライブギヤ18と噛合する中間ドリブ
ンギヤ19がモータ出力軸17に結合して配設されてい
る。なお、これらドライブおよびドリブンギヤ18,1
9により動力伝達装置4が構成されている。モータ出力
軸17にはファイナルドライブギヤ20も結合されてお
り、ディファレンシャル機構22を内蔵するファイナル
ドリブンギヤ21がこのファイナルドライブギヤ20と
噛合し、これにより終減速装置5が構成されている。デ
ィファレンシャル機構22からは左右の車輪駆動軸23
L,23Rが延びており、これら駆動軸23L,23Rを介
して左右の車輪(図示せず)に駆動力が伝達され、車両
が駆動される。
【0015】無段変速ユニット2は、可変斜板プランジ
ャタイプの油圧ポンプ24、可変斜板プランジャタイプ
の油圧モータ25およびこれらを相互に連通する油圧閉
回路26を形成した制御盤27から構成される。制御盤
27は機械伝動ユニット1の側部に接合配設されてお
り、ポンプ入力軸10およびモータ出力軸17を回転自
在に支持する。このため、制御盤27は、機械伝動ユニ
ット1と油圧ポンプ24および油圧モータ25との間に
配置される。
【0016】油圧ポンプ24は、ポンプ入力軸10と同
軸に連結されるとともに制御盤27のバルブプレート面
27aに回転摺接自在に配設されたポンプシリンダ28
と、このポンプシリンダ28の回転軸を囲む環状配列で
形成された複数のシリンダ孔29に摺動自在に嵌合挿入
された複数のポンププランジャ30と、各ポンププラン
ジャ30の先端に首振り自在に取り付けられたシュー3
1が摺動可能に当接する可変揺動可能なポンプ斜板32
とを備えて構成されている。すなわち、この油圧ポンプ
24は、可変容量タイプの斜板プランジャポンプであ
る。
【0017】ポンプ斜板32はポンプ入力軸10に直交
する(図1における紙面に直交する)トラニオン軸33
を中心として揺動可能であり、図において実線で示すよ
うにポンプ入力軸10と直交する直立位置(このときポ
ンプ斜板角α=0)と、二点鎖線で示すように左右に揺
動傾斜した所定の左右各最大傾斜位置(α=αR(MAX),
αF(MAX))との間で揺動し得るようになっており、これ
によりポンプシリンダ28が回転されたときにおけるポ
ンププランジャ30の往復ストロークが変化する。直立
位置でポンプ入力軸10がエンジンEにより回転駆動さ
れても、往復ストロークは零でポンプ吐出油量は零であ
り、最大傾斜位置に向かって揺動角を増加させるに応じ
て往復ストロークが増加してポンプ吐出量が増加する。
なお、左右いずれに傾斜するかによって吐出方向が逆転
し、後述するように、この傾斜方向により車両の前後進
方向が決まる。
【0018】油圧モータ25は、モータ出力軸17と同
軸に連結されるとともに制御盤27のバルブプレート面
27aに回転摺接自在に配設されたモータシリンダ34
と、このモータシリンダ34の回転軸を囲む環状配列で
形成された複数のシリンダ孔35に摺動自在に嵌合挿入
された複数のモータププランジャ200と、各モータプ
ランジャ200の先端に首振り自在に取り付けられたシ
ュー37が摺動可能に当接する可変揺動可能なモータ斜
板38とを備えて構成されている。すなわち、この油圧
モータ25は、可変容量タイプの斜板プランジャモータ
である。
【0019】モータ斜板38はモータ出力軸17に直交
する(図1における紙面に直交する)トラニオン軸39
を中心として揺動可能であり、図において二点鎖線で示
すようにモータ出力軸17と直交する直立位置(モータ
斜板角β=0)と、実線で示すように右方に揺動傾斜し
た所定の最大傾斜位置(β=β(MAX))との間で揺動し
得るようになっている。
【0020】上記油圧ポンプ24および油圧モータ25
を収容する第2ケーシング2cは制御盤27及び機械伝
動ユニット1が収容される第1ケーシングに結合され
る。
【0021】
【変速機の作動】以上の構成の無段変速機の作動を説明
する。エンジンEが駆動されると、その出力軸7からト
ルクダンパ8を介して変速機にエンジン出力が伝達さ
れ、変速機入力軸9およびキャリア11がエンジン出力
軸7と同一の速度で回転駆動される。キャリア11が回
転駆動されると、エンジン動力は大小径ピニオン13,
14を介して小径および大径サンギヤ15,16に分割
して伝達される。
【0022】このような動力の分割は、油圧ポンプ24
および油圧モータ25の斜板角に応じて異なるので、両
斜板角α,βと変速機の総合速度比eとの関係を図2に
示し、この図を参照して説明する。なお、総合速度比e
は変速機Tの入出力回転数の比であり、式(1)により
求められる。また、図2における縦軸がポンプおよびモ
ータ斜板角度を表し、プラス側が右方向揺動、マイナス
側が左方向揺動を意味する。横軸は総合速度比eを表
し、プラス側が前進方向の速度比、マイナス側が後進方
向の速度比を意味する。図において実線がポンプ斜板角
を示し、破線がモータ斜板角を示す。
【0023】
【数1】 総合速度比e=(No)/(Ni) ・・・(1) 但し、Ni : 変速機入力軸9の回転速度 No : ファイナルドリブンギヤ21の回転速度
【0024】ここでポンプ斜板32が直立位置(α=
0)にあり、モータ斜板38が最大揺動位置(β=β(M
AX))にあるときには、ポンプシリンダ28はフリー回
転可能で吐出が零となり、モータシリンダ34は油圧ポ
ンプ24からの供給油がないため油圧的にロックした状
態となり固定保持される。このため、大径サンギヤ16
および中間ドライブギヤ18が静止した状態で、キャリ
ア11の回転に応じて小径サンギヤ15(およびこれに
繋がるポンプ入力軸10とポンプシリンダ28)が自由
に回転し、エンジン出力は空転消費され、左右車輪駆動
軸23L,23Rには伝えられない。この状態は図2に
おける縦線aで示す状態であり、総合速度比e=0であ
り、変速機Tは無限大の変速比の状態となる。
【0025】但し、この状態はシフトレバー(運転席に
おいて運転者が操作するシフトレバー)ポジションが
D,Rレンジのように走行レンジにあるときに設定され
る状態である。シフトレバーがPもしくはNレンジ位置
にあるときには、モータ斜板角β=0として、モータシ
リンダ34もフリー回転可能になし、中立状態を作り出
す制御が行われる。
【0026】この状態からポンプ斜板32を右方向に揺
動させると、この揺動に応じて油圧ポンプ24から作動
油の吐出が開始され、この吐出作動油が油圧モータ25
に供給されて油圧モータ25のモータ出力軸17(およ
びモータシリンダ34)が駆動される。なお、このとき
の回転駆動力がモータ出力軸17から左右の車輪駆動軸
23L,23Rを介して車輪に伝達されると車輪は前進方
向に駆動されるようになっている。モータ出力軸17の
回転速度はポンプ斜板角αが大きくなるのに応じて増加
し、これが最大斜板角αF(MAX)となると図2の縦線bで
示す状態となる。このため、総合速度比eは、零(縦線
a)から、e1(縦線b)まで増加する。但し、このよ
うにモータ出力軸17の回転が増加するとき、小径ピニ
オン14、大径サンギヤ16、中間ドライブギヤ18お
よび中間ドリブンギヤ19を介して(動力伝達装置を介
して)機械的な動力伝達が同時に行われ、それに対応し
てポンプ入力軸10の回転は減少する。
【0027】ポンプ斜板角が最大斜板角αF(MAX)となる
と(縦線bの状態に達すると)、次に、モータ斜板角β
が最大角から徐々に小さくなるように揺動される。これ
によりモータ出力軸17の回転速度が縦線bの状態から
さらに増加し、モータ斜板角βが零(直立位置)となっ
た時点で最大となる(縦線cの状態であり、このとき総
合速度比e2となる)。
【0028】但し、上述のように、このようにモータ出
力軸17の回転速度が増加するのに応じて動力伝達装置
4を介して行われる機械的な動力伝達も増加し、ポンプ
入力軸10の回転は減少し、モータ斜板角βが零(直立
位置)となった時点でポンプ入力軸10(およびポンプ
シリンダ28)の回転が零となるように、動力分割装置
3および動力伝達装置4のギヤ比が設定されている。な
お、モータ斜板角βが零(直立位置)となった時にはモ
ータシリンダ34はフリー回転可能な状態となり、且つ
ポンプシリンダ28は油圧ロック状態となり静止保持さ
れる。このため、この状態(縦線cの状態)では動力伝
達装置4により機械的な動力伝達のみが行われる。この
状態のときに、後述するようにロックアップブレーキが
作動され、油圧ポンプおよびモータからなる無段変速ユ
ニット2の作動を機械的に制限し、動力伝達装置4のみ
により確実に動力伝達を行わせる。
【0029】一方、縦線aの状態からポンプ斜板32を
左方向に揺動させると、油圧ポンプ24から作動油が油
圧閉回路26において上記と逆方向に吐出される。この
ため、この作動油の供給により油圧モータ25のモータ
出力軸17(およびモータシリンダ34)が上記と逆方
向(後進方向)に駆動される。モータ出力軸17の回転
速度はポンプ斜板角αが大きくなるのに応じて増加し、
これが最大斜板角αR(MAX)となると図2の縦線dで示す
状態となる。このため、総合速度比eは、零(縦線a)
から、e3(負の値)まで変化する。
【0030】
【動力伝達用油圧閉回路】上記油圧式無段変速ユニット
2における油圧閉回路26およびその制御油圧回路系に
ついて図3を参照して説明する。この図においては油圧
ポンプ24および油圧モータ25を記号化して表してお
り、油圧ポンプ24の一方のポート24bと油圧モータ
25の一方のポート25aとを繋ぐ第1油路26aと、
油圧ポンプ24の他方のポート24aと油圧モータ25
の他方のポート25bとを繋ぐ第2油路26bとから油
圧閉回路26が構成される。
【0031】前述のように、油圧ポンプ24のポンプ斜
板32は直立位置(中立位置)を中心として左右に揺動
可能であり、これを右方向(前進方向)に揺動させると
ポート24aから吸入した作動油をポート24bから吐
出し、油圧モータ25のポート25aに供給して油圧モ
ータ25を前進方向に回転駆動する。駆動後は作動油は
ポート25bから排出されてポート24aに供給され、
閉回路26内を循環される。このとき、油圧モータ25
の回転駆動により車輪を駆動しているのであれば、第1
油路26a内の油圧が駆動力に対応した高圧となり、第
2油路26b内の油圧が低圧となる。一方、コースティ
ング走行を行っているときのように、車輪の回転をエン
ジンブレーキ作用により減速する状態の場合には、第2
油路26b内の油圧がエンジンブレーキ力に対応した高
圧となり、第1油路26a内の油圧が低圧となる。
【0032】なお、ポンプ斜板32を左方向(後進方
向)に揺動させると、上記と全く逆の作動油の流れが発
生して、油圧モータは後進方向に回転駆動される。この
ときの第1および第2油路26a,26b内の油圧も上
記と逆関係となる。
【0033】上記のように油圧ポンプ、モータ間で駆動
力伝達が行われるのであるが、油圧閉回路26内を循環
される作動油は動力伝達に応じて発熱して油温が上昇
し、ゴミなどが溜まり、且つ一部はプランジャの隙間等
を通ってタンク内に漏れ出すため、油圧閉回路内の作動
油の一部を交換して作動油の冷却、補給、および清浄化
(フラッシング)を行うようになっている。そのため、
オイルタンク41内の作動油をサクションフィルター4
2を介して第1ライン100に供給するチャージポンプ
43が配設されている。なお、チャージポンプ43はエ
ンジンEにより直接駆動されるものであり、エンジン回
転数に比例した吐出量となる。
【0034】チャージポンプ43から第1ライン100
に吐出された作動油は、レギュレータバルブ60により
調圧されて所定のライン圧PLとなる。第1ライン10
0は図示のように分岐されており、分岐第1ライン10
0aには減圧バルブからなるモジュレータバルブ65が
繋がっており、このモジュレータバルブ65の出力側に
繋がる第2ライン101の油圧を所定のモジュレート圧
Pmに調圧する。このモジュレータバルブ65の構成を
図5に示しており、ハウジング内にスプリング67によ
り左方に付勢された状態でスプール66を配設して構成
される。ポート65aに繋がる分岐第1ライン100a
の作動油圧が、スプリング67の押力と制御ライン10
1の油圧力とがバランスする油圧(一定油圧)まで減圧
されて制御ライン101内にモジュレート圧Pmが作り
出される。なお、図における×印はドレンに繋がること
を意味する。
【0035】第2ライン101も複数に分岐しており、
分岐第2ライン101aには第1リニアソレノイドバル
ブ51が繋がる。第1リニアソレノイドバルブ51は制
御電流(I)に基づいてモジュレート圧Pmを調圧し、
図6に示すように制御電流(I)に比例する制御圧PCL
を制御ライン110を介してレギュレータバルブ60に
作用させる。
【0036】レギュレータバルブ60の構成を図4に示
しており、図において左右に摺動するスプール61と、
このスプール61を左方に付勢するスプリング62と
を、ハウジング内に配設して構成される。ハウジングに
は図示のように複数のポート60a〜60eが設けられ
ており、ポート60a,60bが第1ライン100に繋
がり、ポート60cがチャージライン130に繋がり、
ポート60dが排出ライン131に繋がり、ポート60
eが上記制御ライン110に繋がる。
【0037】このため、スプール61は内部連通孔61
aを介して左端部に第1ライン100からのライン圧P
L を受け、右端にはスプリング62の付勢力と制御圧P
CLを受ける。上述のように制御圧PCLは第1リニアソレ
ノイドバルブ51により調圧可能であるため、第1リニ
アソレノイドバルブ51に通電される制御電流(I)を
制御することによりライン圧PL を図7に示すように制
御可能である。レギュレータバルブ60においてはこの
ようにしてライン圧PL の調圧が行われるが、このと
き、余剰油はスプール61が右動してまずボート60c
側がポート60a側と連通してチャージライン130に
流れ、さらに余剰油があるときにはポート60d側がポ
ート60b側と連通して排出ライン131に排出され
る。
【0038】チャージライン130は、図3に示すよう
に、第1および第2油路26a,26bに繋がるチャー
ジ供給ライン105a,106aと、チェックバルブ4
4a,44bを介して繋がっている。このため、チャー
ジライン130に流れる作動油は、チャージライン13
0からいずれかのチェックバルブ44a,44bを介し
て第1および第2油路26a,26bのうちの低圧側の
油路に供給され、これにより油圧閉回路26内への作動
油の補給が行われる。
【0039】また、排出ライン131に排出された作動
油は、オイルクーラー151により冷却された後、潤滑
部152を通ってタンク41に戻される。
【0040】図3に示すように、油圧閉回路26を構成
する第1および第2油路26a,26bにはそれぞれチ
ャージ排出ライン105b,106bが繋がっており、
これら排出ライン105b,106bにはシャトルバル
ブ70が接続されている。シャトルバルブ70の構成を
図8に示しており、ハウジング内に左右に摺動自在に配
設されたスプール71と、このスプール71を左右から
付勢する一対のスプリング72,73とから構成され
る。
【0041】両排出ライン105b,106bの油圧は
それぞれスプール71の右端および左端に作用するよう
になっており、第1および第2油路26a,26bのい
ずれか一方が高圧で他方が低圧となると、スプール71
は高圧側の押圧力により押されて移動する。これにより
ポート70a,70bのうちの低圧側の作動油を受ける
側がポート70c側と連通し、低圧側の油路の作動油が
排出ライン132に排出される。これにより、油圧閉回
路26内の作動油の補給分に対応する量の作動油が排出
され、作動油の冷却、フラッシング等が行われる。但
し、この排出ライン132には低圧リリーフバルブ74
が設けられており、低圧側の油路の油圧はこのリリーフ
バルブ74により設定される。なお、排出ライン132
に排出された作動油もオイルクーラー151で冷却され
た後、潤滑部152を通ってタンク41に戻される。
【0042】この油圧閉回路26には、さらに、第1お
よび第2油路26a,26b内の最大油圧を設定する高
圧リリーフバルブ75F,75Rがリリーフライン10
5c,106cを介して接続配設されている。これら高
圧リリーフバルブはその構成が同一なので、一方のバル
ブ75Fを例にして図9を参照して説明する。
【0043】このバルブ75Fはハウジング内に二つの
独立したスプール76,77を有し、第1スプール76
は第1スプリング79aにより右方に付勢されており、
この付勢力により右動されるとポート75aとポート7
5bとを遮断し、この付勢力に抗して左動されると両ポ
ート75a,75bを連通させる。ポート75aはリリ
ーフライン105cを介して第1油路26aと連通し、
ポート75bは分岐チャージライン130aと連通す
る。第1スプール76にはオリフィス76aが設けられ
ており、ポート75aに作用する第1油路26aの油圧
は定常状態においては第1スプール76の左右両側に作
用し、第1スプリング79aの付勢力を受けて第1スプ
ール76は右動した状態となる。
【0044】一方、第2スプール77は第2スプリング
79bにより左方に付勢されている。第2スプリング7
9bは右端部において閉塞弁部材78を右方に付勢して
おり、これにより閉塞弁部材78は、第1スプール79
aの挿入空間と連通するとともにオリフィスを有した連
通路79cを閉塞する。第2スプール77の左端部が対
向するポート75cは制御ライン107を介して第2リ
ニアソレノイドバルブ52と繋がっている。第2リニア
ソレノイドバルブ52は分岐ライン100bからのライ
ン圧PL を調圧して制御電流に応じた制御油圧PCHを制
御ライン107に供給するものであり、これにより第2
スプール77の左端に作用する油圧力を第2リニアソレ
ノイドバルブ52の制御電流に基づいて制御することが
できる。
【0045】この高圧リリーフバルブ75Fにおいて、
閉塞弁部材78には、右方向から第1油路26a内の油
圧が作用し、左方向から第2スプリング79bの付勢力
が作用する。ところで、第2スプリング79bは左端部
が第2スプール77に当接しており、制御ライン107
からの制御油圧PCHにより押圧力が加算された付勢力と
なる。このことから分かるように、第2リニアソレノイ
ドバルブ52により制御油圧PCHを制御すれば、閉塞弁
部材78を右方向に押圧する力を制御することができ
る。
【0046】このような右方向への押圧力を受けて閉塞
弁部材78は連通路79cを閉塞しているが、連通路7
9cに作用する第1油路26a内の油圧がこの押圧力よ
り高くなると閉塞弁部材78は左動されて連通路79c
をドレンに連通させる。これにより第1スプール76の
オリフィス76aを通る油の流れが生じて第1スプール
76の左右に油圧差が発生し、第1スプール76は左動
され、ポート75aと75bとが連通する。この結果、
第1油路26a内の作動油は分岐チャージライン130
aに排出され、チェックバルブ44bを介して第2油路
26bに送られる。
【0047】すなわち、第1油路26a内の油圧が所定
圧以上となると、閉塞弁部材78が開放されて第1スプ
ール76が左動し、第1油路26a内の作動油が低圧側
の第2油路26bに排出され、第1油路26a内の油圧
を所定圧以下に保持する。なお、第2油路26b内の油
圧が高圧の場合には、他方の高圧リリーフバルブ75R
により低圧側となる第1油路26aに排出され、第2油
路26b内が所定圧以上となるのが抑制される。このよ
うに高圧リリーフバルブ75F,75Rにより第1およ
び第2油路26a,26b内の油圧が所定圧以上となる
のを防止するのであるが、この所定圧は上記説明から分
かるように、第2および第3リニアソレノイドバルブ5
2,53の電流制御により可変設定可能である。なお、
本例では、図10に示すように、制御電流(I)に比例
して、高圧リリーフ圧(PHF,PHR)を可変設定可能で
ある。
【0048】本例の油圧ポンプ24および油圧モータ2
5の制御盤27のバルブプレート面27aには、それぞ
れ図11に示すような形状のバルブ板が形成されてい
る。なお、油圧ポンプおよび油圧モータのバルブ板はサ
イズ等は異なるが基本形状およびその役割は同一なの
で、油圧ポンプ24のバルブ板150を例にして図11
を参照しながら説明する。
【0049】油圧ポンプ24においてはポンプシリンダ
28の端面がバルブ板150と摺接しながらエンジン駆
動により図における矢印A方向(時計回り)に回転す
る。ここで、ポンプ斜板32が前進側に傾動されるとポ
ンプシリンダ28の回転に応じてポンププランジャ30
はシリンダ孔内で往復動される。このとき、ポンププラ
ンジャ30は、図11における下端において上死点(T.
D.C.)に位置し、上端において下死点(B.D.C.)に位置
し、左半分における上死点から下死点まで移動する行程
では油の吸入を行い、右半分における下死点から上死点
まで移動する行程では油の吐出を行う。
【0050】このため、バルブ板150の左半分には第
2油路26bに繋がる半円形状の第1ポート151が形
成され、右半分には第1油路26aに繋がる半円形上の
第2ポート152が形成されている。ここで、第1ポー
ト151の回転方向入口側および第2ポート152の回
転方向入口側には、ポンプシリンダ28の回転に応じて
各シリンダ孔29が各ポート151,152と連通を開
始するときの急激な油圧変化を抑えるためのメインノッ
チ151a,152aが入口側に向かって延びて形成さ
れている。さらに、これらメインノッチ151a,15
2aに並んでサブノッチ153,154が図示のように
独立して形成されている。
【0051】サブノッチ153,154はメインノッチ
151a,152aおよび両ポート151,152から
は離れて独立しているため、このままでは、ノッチとし
ての役割は果たさない。しかしながら、サブノッチ15
3,154は図において破線で示すように、それぞれ短
絡油路155a,155bおよび156a,156bを
介して吸入および第2ポート151,152と連通して
いる。但し、両短絡路にはそれぞれ可変ノッチバルブ8
0A,80Bが設けられており、この短絡油路の連通・
遮断を制御する。
【0052】可変ノッチバルブ80A,80Bは同一構
成であり、図12に示すように構成される(この図では
可変ノッチバルブ80Aを例にして示している)。この
バルブ80Aは、ハウジング内に左右に摺動自在に配設
されたバルブスプール81と、このバルブスプール81
を右方に付勢するスプリング82と、バルブスプール8
1の左端部に摺動自在に嵌合する支持スプール83とか
ら構成される。ハウジングには、短絡油路155aと連
通する第1ポート80aと、短絡油路155bと連通す
る第2ポート80bと、制御ライン102と連通する第
3ポート80cが設けられている。バルブスプール81
がスプリング82に付勢されて図示のように右動した状
態では、スプール81の右端により第1および第2ポー
ト80a,80b間が遮断され、バルブスプール81が
左動されると両ポート80a,80bが連通する。な
お、第1ポート80aに作用する油圧はスプール81内
の小孔81aを介して支持スプール83との間の空間8
4にも作用するため、バルブスプール81がこの油圧に
よりスラスト力を受けることがない。
【0053】制御ライン102は、図3に示すように、
オリフィス45aを介して分岐第2ライン101bと繋
がるとともに、開閉制御ソレノイドバルブ45と繋が
る。開閉制御ソレノイドバルブ45は制御ライン102
をドレンに開放可能なバルブであり、これをドレンに開
放させることにより制御ライン102内を低圧にする。
一方、開閉制御ソレノイドバルブ45により制御ライン
102がドレンから遮断されるときには制御ライン10
2内には分岐第2ライン101bからのモジュレート圧
Pmが発生する。
【0054】開閉制御ソレノイドバルブ45により制御
ライン102が低圧に保持された状態では、可変ノッチ
バルブ80A内において、バルブスプール81はスプリ
ング82に付勢されて右動して短絡油路155a,15
5b間は遮断される。このため、このときにはサブノッ
チ153は作用しない。一方、開閉制御ソレノイドバル
ブ45により制御ライン102にモジュレート圧Pmが
発生すると、この油圧によりバルブスプール81は左動
されて短絡油路155a,155bが連通し、サブノッ
チ153が使用可能となる。
【0055】なお、ここでは、可変ノッチバルブ80A
について説明したが可変ノッチバルブ80Bについても
同様の制御が同時に行われる。また、油圧モータ25に
ついても同様のサブノッチが設けられており、開閉制御
ソレノイドバルブ46により制御ライン103内の油圧
を可変設定して可変ノッチバルブ80C,80Dの作動
を制御し、サブノッチの使用制御がなされる。
【0056】
【斜板角制御系】次に、ポンプ斜板32およびモータ斜
板38の揺動角制御系について、図13を参照して説明
する。この制御は分岐第1ライン100dからのライン
圧PL と、分岐第2ライン101cからのモジュレート
圧Pmとを用いて行われる。なお、図3および図13の
丸囲み記号aおよびb同士がそれぞれ接続していること
を意味する。
【0057】ポンプ斜板32の揺動を行わせるために、
一対のサーボシリンダ92a,92bが図示のように設
けられており、これらが摺合配設されたサーボシリンダ
孔91a,91bには、サーボ制御ライン121,12
2を介してポンプコントロールバルブ84が繋がる。こ
のバルブ84は四方弁からなり、スプール85の位置に
応じて分岐第1ライン100dからのライン圧PL をサ
ーボ制御ライン121,122に振り分け供給する。ス
プール85はスプリング86により右方に付勢されると
ともに、左端ポート84aに作用する油圧力を受け、両
者のバランスによりその位置が設定される。
【0058】すなわち、左端ポート84aに作用する油
圧力を制御すれば、スプール85の位置制御が可能であ
り、これによりサーボシリンダ92a,92bの作動を
制御してポンプ斜板32の角度制御が可能である。この
ため、左端ポート84aには制御ライン111を介して
第4リニアソレノイドバルブ54からのポンプ制御油圧
PCPが供給される。第4リニアソレノイドバルブ54は
分岐第2ライン101cからのモジュレート圧Pmを制
御電流に基づいて調圧し、制御電流に比例するポンプ制
御油圧PCPを作り出し、これを制御ライン111に供給
するバルブである。このため、第4リニアソレノイドバ
ルブ54の通電電流制御によりポンプコントロールバル
ブ84の作動制御を行い、ポンプ斜板32の角度制御が
可能となっている。
【0059】モータ斜板38の角度制御も同様であり、
一対のサーボシリンダ96a,96bが摺合配設された
サーボシリンダ孔95a,95bに、サーボ制御ライン
123,124を介してモータコントロールバルブ87
が繋がる。このバルブ87もポンプコントロールバルブ
84と同様に、左端ポート87aに作用する油圧力を制
御して、スプール88の位置制御が可能であり、これに
よりサーボシリンダ96a,96bの作動を制御してモ
ータ斜板38の角度制御が可能である。左端ポート87
aには制御ライン112を介して第5リニアソレノイド
バルブ55からモータ制御油圧PCMが供給される。この
ため、第5リニアソレノイドバルブ55の通電電流制御
によりモータコントロールバルブ87の作動制御を行
い、モータ斜板38の角度制御が可能となっている。
【0060】本例の油圧ポンプ24にはさらに、ポンプ
シリンダ28を静止保持するロックアップブレーキ93
が設けられている。前述のように、前進側においてポン
プ斜板角α=αF(MAX)で且つモータ斜板角β=0となっ
た状態(図2における縦線cの状態)では、理論的には
(伝達ロスがない場合には)ポンプシリンダ28の回転
は零となり動力伝達装置4により機械的な動力伝達のみ
が行われる。しかしながら、実際には油の漏れ等による
ロスがあるため、ポンプシリンダ28が若干回転し、そ
れだけ動力伝達装置4による動力伝達が低下する。そこ
で、このようなときに、ロックアップブレーキ93によ
りポンプシリンダ28を強制的に静止保持し、機械的な
動力伝達のみを行わせて、伝達効率を高めるようにして
いる。
【0061】ロックアップブレーキ93は湿式多板式ブ
レーキからなり、ピストン104の押圧力を受けてブレ
ーキを作動させる。このピストン104に押圧力を付与
するためのロックアップ油圧PLBは、第6リニアソレノ
イドバルブ56により作り出されて、ロックアップライ
ン113を介して供給される。なお、第6リニアソレノ
イドバルブ56は制御電流に比例するロックアップ油圧
PLBを作り出すことが可能であり、これによりロックア
ップブレーキ93を部分係合から完全係合までの間で任
意に制御可能である。
【0062】ロックアップブレーキ93が完全係合され
たときには、動力伝達装置4のみにより動力伝達がなさ
れ、油圧式無段変速ユニット2には駆動力が作用しない
ため、油圧閉回路26内の油圧は低下する。このとき、
油圧閉回路26内の油圧はシャトルバルブ70を介して
接続された低圧リリーフバルブ74により設定される低
い油圧となる。
【0063】
【プランジャ構成】以上のような構成の無段変速機Tに
おいて、無段変速ユニット2を構成する油圧ポンプ24
および油圧モータ25に用いられているプランジャアセ
ンブリの構成について以下に説明する。但し、ポンププ
ランジャ30とモータプランジャ200とは寸法が相違
するのみで、その構成は同一なので、モータプランジャ
200を例にしてその構造などを詳しく説明する。
【0064】このモータプランジャ200を図14に示
しており、このモータプランジャ200は、有底中空円
筒状のプランジャ本体201と、椀状のスリッパ205
と、これら両部材201,205を連結する連結部材2
10と、遠心力に対応する軸方向押圧力を作り出す押圧
力付与機構(押圧力付与手段)220とから構成され
る。プランジャ本体201は斜板38とは反対側(図に
おける左側)端部に開口を有した有底の中空円筒形状を
しており、底部すなわち図における右側端部に球状凹面
201bが形成されており、さらに、底部に軸方向に貫
通する貫通孔が形成されている。
【0065】プランジャ本体201の右端部にスリッパ
205が嵌合配設されており、この部分を拡大して図1
5に示している。スリッパ205は、プランジャ本体2
01の球状凹面201bと嵌合する凸球面状外周面20
5aと、この外周面205aと同心の凹球面状内周面2
05bとを有した椀状に形成されており、軸方向右端部
にリング状スリッパ面205cを有している。また、ス
リッパ205を軸方向に貫通する貫通孔207が図示の
ように左側に広がるテーパ形状を有し形成されている。
【0066】連結部材210は、棒部材(脚部)211
と頭部部材212とから構成される。棒部材211の左
端部は押圧力付与機構220を構成する受け部材221
と一体に繋がり、右方向に延びてプランジャ本体の底部
貫通孔とスリッパの貫通孔207を貫通し、右端部は頭
部部材212の貫通孔に圧入されて溶接結合されてい
る。また、頭部部材212は球状の外周面を有し、これ
がスリッパ205の凹球面状内周面205bと嵌合摺接
する。
【0067】プランジャ本体201の円筒状中空空間内
には、押圧力付与機構220が取り付けられた後、アル
ミ製のインナープラグ部材203が圧入されるとともに
蓋部材202が圧入され、蓋部材202はプランジャ本
体201と溶接結合される。なお、両部材202,20
3には軸方向に貫通する連通孔202a,203aが形
成され、さらに、連結部材210にも軸方向に貫通する
連通孔225が形成されており、これらの連通孔を介し
てモータシリンダ孔35内の油がスリッパ205側に潤
滑油として導入される。
【0068】押圧力付与機構220は、上述のように棒
部材211の左端に一体に繋がった受け部材221と、
この受け部材221の右側面221aとプランジャ本体
201の円筒状中空空間の底面201aとの間に配設さ
れた複数のボール(もしくは一つのリング)222およ
び圧縮スプリング223とから構成される。圧縮スプリ
ング223はその圧縮力をプランジャ本体201に対し
て受け部材221に作用させ、プランジャ本体201を
スリッパ205に押し付ける力を与える。一方、受け部
材の右側面221aとプランジャ本体の底面201aと
は図示のような外周側に向かって狭くなるテーパを有し
ており、これらの間に配設されたボール223が外側に
押し出されると、プランジャ本体201に対して受け部
材221を左に押し、プランジャ本体201をスリッパ
205に押し付ける力を与える。
【0069】このように構成されたモータプランジャ2
00に作用する力のバランスについて図15を参照して
説明する。モータプランジャ200はモータシリンダ孔
35内の油圧力を受け、プランジャ本体201をスリッ
パ205の方に押圧する(図において軸方向右方に押圧
する)第1軸方向力F1を受ける。この力F1は、プラ
ンジャ本体201の軸直角の断面積をAcとし、シリン
ダ孔35内の油圧をPcとすると、F1=Pc×Acで
表される。
【0070】モータシリンダ孔35内の作動油は連通孔
202a,203a,225を介してスリッパ側に導入
され、スリッパ205の凸球面状外周面205aとプラ
ンジャ本体201の球状凹面201bとの間にもこの油
圧が作用し、これが、スリッパ205からプランジャ本
体201を引き離すように作用する第2軸方向力F2と
して作用する。
【0071】通常は、モータシリンダ孔35内の油圧が
高圧であり、スリッパ205の凸球面状外周面205a
とプランジャ本体201の球状凹面201bとの嵌合面
積がシリンダ孔35におけるプランジャ本体201の受
圧面積より小さく、且つ、この嵌合部に作用する油圧は
シリンダ孔35内の油圧より低くなるため、F1>F2
という関係が成立し、プランジャ本体201はスリッパ
205の方に押し付けられ、モータプランジャ200は
モータ斜板38の摺動面38aに押し付けられる。な
お、両軸方向力F1,F2の差は、シリンダ孔35内の
油圧が高い程大きく、この油圧が低くなるとその差も小
さくなる。
【0072】ここで上述のように、ロックアップブレー
キ93が係合された状態では、モータシリンダ孔35内
の油圧が低圧となるため、第1および第2軸方向力F
1,F2の差が小さくなる。この状態で、モータシリン
ダ34は高速回転されるため、モータプランジャ200
にこの回転の対応する遠心力Fcが作用する。プランジ
ャ本体201はシリンダ孔35内に摺合されているた
め、モータシリンダ34によりこの遠心力は受け止めら
れる。
【0073】ところが、スリッパ205に作用する遠心
力Fcはプランジャ本体201の先端(右端)に首振り
自在に取り付けられているため、スリッパ205の凸球
面状外周面205aとプランジャ本体201の球状凹面
201bとの嵌合部における最も外端点Pに作用する。
この遠心力Fcは、モータシリンダ34の回転中心に対
するプランジャ200の回転半径Rと、スリッパ205
の質量Msと、シリンダ34の回転角速度ωにより決ま
り、Fc=M・R・ω2 となる。
【0074】この遠心力Fcは、スリッパ205の重心
位置Gにおいて外周方向に作用する力であり、点Pにお
いては、重心位置Gと点Pとを結ぶ方向の合力となり、
その軸方向分力F3が、スリッパ205からプランジャ
本体201を引き離すように作用する第3軸方向力F3
(=Fc/tanα)となる。このため、この状態で
は、第1軸方向力F1がプランジャ本体201をスリッ
パ205に押し付ける力として作用し、第2軸方向力F
2と第3軸方向力F3とがプランジャ本体201をスリ
ッパ205から引き離す力として作用する。
【0075】この場合において、ロックアップブレーキ
93が係合された状態ではモータシリンダ孔35内の油
圧が低圧で、第1および第2軸方向力F1,F2の差が
小さくなっており、ここに遠心力に伴う第3軸方向力F
3が加わると、プランジャ本体201をスリッパ205
から引き離す力(=F2+F3)が第1軸方向力F1よ
り大きくなり、プランジャ本体201がスリッパ205
から離れ、この隙間からシリンダ孔35内の油が漏れ出
すおそれがある。
【0076】しかし、このプランジャアセンブリ200
内には、押圧力付与機構220および圧縮スプリング2
23が配設されており、これによりこのような問題の発
生を阻止している。まず、圧縮スプリング223の圧縮
力は上述のように、プランジャ本体201をスリッパ2
05に押し付ける第4軸方向力F4として作用する。さ
らに、シリンダ34が回転されている状態では、押圧力
付与機構220を構成するボール222はこの回転に伴
う遠心力により図15における下方に押され、図におけ
る下側のボール222が受け部材の右側面221aとプ
ランジャ本体の底面201aとで形成される外周側に向
かって狭くなるテーパ面の間を外周側に押し出され、プ
ランジャ本体201に対して受け部材221を左に押
し、プランジャ本体201をスリッパ205に押し付け
る第5軸方向力F5を与える。このことから分かるよう
に、第4軸方向力F4は一定の力であり、第5軸方向力
F5は遠心力、すなわち、シリンダ34の回転速度に応
じて増加する力である。
【0077】以上まとめると、第1、第4および第5軸
方向力F1,F4,F5がプランジャ本体201をスリ
ッパ205に押し付けるように作用する力であり、第2
および第3軸方向力F2,F3がプランジャ本体201
をスリッパ205から引き離すように作用する力であ
る。ここで、ロックアップブレーキ93が係合された状
態を考えると、シリンダ孔35内の油圧は低圧リリーフ
バルブ74により決まる低圧で一定の油圧であるため、
第1および第2軸方向力F1,F2は一定の値である。
また、第4軸方向力F4は圧縮スプリング223の力で
ありこれも一定である。
【0078】一方、第3軸方向力F3および第5軸方向
力F5はともにシリンダ回転速度に対応する力であり、
その方向が反対である。このため、F3<F5となるよ
うに押圧力付与機構220の構成を設定すれば、(F1
+F4+F5)>(F2+F3)という関係を常に維持
することができ、プランジャ本体201がスリッパ20
5から離れるようなことを確実に防止できる。なお、圧
縮スプリング223により設定される第4軸方向力F4
は、シリンダ孔35内の油圧が非常に低圧もしくは零の
ときにプランジャ本体201をスリッパ205に押し付
けて保持するに要求される最小必要限の小さな値であ
る。
【0079】以上のことから分かるように、遠心力によ
り作用する第3軸方向力F3と対向する第5軸方向力F
5を発生させる機構、すなわち、押圧力付与機構を設け
ることにより、(F1+F4+F5)>(F2+F3)
という関係を常に維持することができ、プランジャ本体
201がスリッパ205から離れるようなことを確実に
防止できる。このような押圧力付与機構を有したモータ
プランジャの異なる例を図16〜図20に示している。
【0080】図16のプランジャアセンブリ300に
は、上記構成と類似する押圧力付与機構320が設けら
れている。この機構320は、連結部材を構成する棒部
材311の左端に一体結合されて作られた第1受け部材
321と、この受け部材321の右側にこれと対向して
配設された第2受け部材323と、第1受け部材321
の右側テーパ面321aと第2受け部材323とに挟ま
れて配設されたボール322とから構成される。モータ
シリンダ34が回転されることによりボール322に作
用する遠心力はボール322を外周側(矢印A方向)に
押し出す。これにより、第1受け部材321のテーパ面
321aに沿ってボール322が移動するので、連結部
材を介してプランジャ本体がスリッパに押し付けられ
る。この押しつけ力はボール322の遠心力に対応する
ため、この場合にも、(F1+F4+F5)>(F2+
F3)という関係を常に維持することができる。
【0081】図17のプランジャアセンブリ400は、
コマ状の第1ウエイト部材421と連結部材410を構
成する棒部材411の右端に一体に結合された第2ウエ
イト部材422とからなる押圧力付与機構420を、プ
ランジャ本体の円筒状空間内に配設して構成される。第
1ウエイト部材421は両端に球面継手421a,42
1bを有しており、これらがそれぞれインナープラグ部
材403および第2ウエイト部材422と接続されてい
る。
【0082】このため、シリンダ34が回転されると、
第1および第2ウエイト部材421,422が外周方向
(矢印A方向)に遠心力を受け、外周側に膨らもうとす
る。このため、球面継手421aおよび連結部材410
の頭部部材412を中心として第1ウエイト部材421
と連結部材410(および第2ウエイト部材422)が
外方に揺動し、球面継手421bで折れ曲がるように外
周側(矢印A方向)に移動される。ここで、球面継手4
21aはインナープラグ部材403に接続されて軸方向
には移動しないため、頭部部材412が左方向に引っ張
られ、連結部材410を介してプランジャ本体がスリッ
パに押し付けられる。この押しつけ力は第1および第2
ウエイト部材421,422の遠心力に対応するため、
この場合にも、(F1+F4+F5)>(F2+F3)
という関係を常に維持することができる。
【0083】図18のプランジャアセンブリ500は、
連結部材510を構成する棒部材511の右端に一体に
結合されたウエイト部材521からなる押圧力付与機構
520を、プランジャ本体の円筒状空間内に配設して構
成される。シリンダ34が回転されると、ウエイト部材
521が外周方向(矢印A方向)に遠心力を受け、外周
側に膨らもうとする。このため、連結部材510の頭部
部材512を中心としてウエイト部材521が外方に揺
動し、ウエイト部材521の外周側端部521aがプラ
ンジャ本体の中空空間底面と当接する。これにより、連
結部材510が左方向に引っ張られ、プランジャ本体が
スリッパに押し付けられる。この押しつけ力はウエイト
部材521の遠心力に対応するため、この場合にも、
(F1+F4+F5)>(F2+F3)という関係を常
に維持することができる。なお、この場合、ウエイト部
材521の右端部形状に応じて端部が中空空間底面と接
触するタイミングおよび引っ張り力特性を任意に設定す
ることが可能である。
【0084】図19のプランジャアセンブリ600は、
連結部材610を構成する棒部材611の右端に球面継
手611aを介して揺動自在に接続されたウエイト部材
621からなる押圧力付与機構620を、プランジャ本
体の円筒状空間内に配設して構成される。シリンダ34
が回転されると、ウエイト部材621が外周方向(矢印
A方向)に遠心力を受け、外周側に膨らもうとする。こ
のため、球面継手611aを中心としてウエイト部材6
21が外方に揺動し、ウエイト部材621の外周側端部
621aがプランジャ本体の中空空間底面と当接する。
これにより、連結部材610が左方向に引っ張られ、プ
ランジャ本体がスリッパに押し付けられる。この押しつ
け力はウエイト部材621の遠心力に対応するため、こ
の場合にも、(F1+F4+F5)>(F2+F3)と
いう関係を常に維持することができる。なお、この場合
にも、ウエイト部材621の右端部形状に応じて端部が
中空空間底面と接触するタイミングおよび引っ張り力特
性を任意に設定することが可能である。また、この場合
は、図18の場合に比べて連結部材610の揺動は小さ
くて良いという利点がある。
【0085】図20のプランジャアセンブリ700は、
基本的な作動原理が図14のものと同一である押圧力付
与機構720を有する。この機構720は、棒部材71
1の左端に一体結合された受け部材721と、受け部材
721から一体に繋がって軸方向に延びインナープラグ
部材703内に摺動自在に嵌合する連結棒724とから
構成される。受け部材721とプランジャ本体701の
中空空間底面との間にボール722が配設されており、
遠心力を受けたボールによりプランジャ本体がスリッパ
に押し付けられる作動は図14のプランジャアセンブリ
と同様である。但し、このプランジャアセンブリ700
では、図示のように、三つのシールリングが配設されて
おり、インナープラグ部材703により覆われた中空空
間701b内には作動油が流入せず、且つこの空間は連
通孔701aを介して外部に連通する。このように中空
空間内に作動油が流入しないため、シリンダ孔34内の
作動油が高圧となったときに圧縮される油の体積が小さ
くなり、油の圧縮性の影響による容積効率低下を小さく
することができる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
椀状のスリッパと、このスリッパと摺動自在に嵌合する
プランジャ本体と、スリッパの凹球面状内周面と摺接す
るとともにスリッパを貫通してプランジャ本体内に延び
てプランジャ本体と連結される連結部材とを有し、さら
に、プランジャ本体内に配設されてシリンダの回転によ
り作用する遠心力を軸方向力の変換して連結部材に与
え、連結部材を介してプランジャ本体をスリッパに押し
付ける力を付与する押圧力付与手段を備えてプランジャ
アセンブリが構成されるので、シリンダの回転に応じて
スリッパに作用する遠心力がプランジャ本体をスリッパ
から引き離すように作用しても、押圧力付与手段により
これと対向してプランジャ本体をスリッパに押し付ける
力から付与される。このため、プランジャ本体がスリッ
パから離れて隙間が生じるようなことが確実に防止さ
れ、しかも、押圧力付与手段により加えられる押圧力は
スリッパに作用する遠心力に対応する力であり、プラン
ジャ本体とスリッパとの摺接面圧を常に適切な値に設定
可能である。
【0087】なお、プランジャ本体内に、連結部材を介
してプランジャ本体をスリッパに押し付けるスプリング
力を付与するスプリング部材を配設するのが好ましい。
このスプリング部材は常時一定の押圧力を与えるため、
シリンダ孔内の油圧が零となるような場合でも、このス
プリング部材により付与される押圧力が作用してプラン
ジャ本体がスリッパと嵌合摺接し、両者の間に隙間が生
じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプランジャ式油圧ユニットを構成
する車両用油圧式無段変速機の構成を示す概略図であ
る。
【図2】この油圧式無段変速機におけるポンプおよびモ
ータの斜板角度と総合速度比との関係を表すグラフであ
る。
【図3】この油圧式無段変速機における油圧閉回路およ
びその制御油圧回路系の構成を示す油圧回路図である。
【図4】上記制御油圧回路系に用いられるレギュレータ
バルブの構成を示す概略断面図である。
【図5】上記制御油圧回路系に用いられるモジュレータ
バルブの構成を示す概略断面図である。
【図6】第1リニアソレノイドバルブにおける制御電流
(I)と制御圧(Pc)との関係を示すグラフである。
【図7】レギュレータバルブにおける制御圧(P)とラ
イン圧(PL )との関係を示すグラフである。
【図8】上記制御油圧回路系に用いられるシャトルバル
ブの構成を示す概略断面図である。
【図9】上記制御油圧回路系に用いられる高圧リリーフ
バルブの構成を示す概略断面図である。
【図10】この高圧リリーフバルブによる高圧リリーフ
圧(PH )と第2及び第3リニアソレノイドバルブの制
御電流(I)との関係を示すグラフである。
【図11】油圧ポンプのバルブ板のバルブプレート面形
状および可変ノッチバルブ配設構成を示す概略図であ
る。
【図12】可変ノッチバルブの構成を示す概略断面図で
ある。
【図13】ポンプ及びモータの斜板の揺動角制御系を示
す油圧回路図である。
【図14】上記油圧モータを構成するモータプランジャ
の構成を示す断面図である。
【図15】このモータプランジャのスリッパ部分を拡大
して示す断面図である。
【図16】上記油圧モータ用のモータプランジャの第2
実施例を示す断面図である。
【図17】上記油圧モータ用のモータプランジャの第3
実施例を示す断面図である。
【図18】上記油圧モータ用のモータプランジャの第4
実施例を示す断面図である。
【図19】上記油圧モータ用のモータプランジャの第5
実施例を示す断面図である。
【図20】上記油圧モータ用のモータプランジャの第6
実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 機械伝動ユニット 2 無段変速ユニット 3 動力分割装置 4 動力伝達装置 5 終減速装置 24 油圧ポンプ 25 油圧モータ 26 油圧閉回路 32 ポンプ斜板 38 モータ斜板 60 レギュレータバルブ 65 モジュレータバルブ 70 シャトルバルブ 75 高圧リリーフバルブ 80 可変ノッチバルブ 84 ポンプコントロールバルブ 87 モータコントロールバルブ 93 ロックアップブレーキ 200〜700 モータプランジャ 220〜720 押圧力付与機構

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を中心として回転するシリンダに
    前記回転軸を囲む環状配列で軸方向に延びて形成された
    シリンダ孔内に摺動自在に挿入されて用いられるプラン
    ジャアセンブリにおいて、 凸球面状外周面および凹球面状内周面を有して椀状に形
    成され、軸方向端部に斜板と摺接するスリッパ面を有し
    てなるスリッパと、 軸方向一端部に前記凸球面状外周面と摺動自在に嵌合す
    る球状凹面が形成されたプランジャ本体と、 軸方向一端側に前記凹球面状内周面と摺接する頭部を有
    するとともに、この頭部に繋がって軸方向他端側に延び
    る脚部が前記スリッパを貫通して前記プランジャ本体内
    に突出して前記プランジャ本体と連結される連結部材
    と、 前記プランジャ本体内に配設され、前記シリンダの回転
    により発生する遠心力を軸方向力に変換して、前記連結
    部材を介して前記プランジャ本体を前記スリッパに押し
    付ける力を付与する押圧力付与手段とを備えて構成され
    ることを特徴とするプランジャアセンブリ。
  2. 【請求項2】 前記押圧力付与手段を有するとともに、
    前記プランジャ本体内に、前記連結部材を介して前記プ
    ランジャ本体を前記スリッパに押し付ける力を付与する
    スプリング部材が配設されていることを特徴とする請求
    項1に記載のプランジャアセンブリ。
JP9330559A 1997-12-01 1997-12-01 プランジャアセンブリ Pending JPH11166475A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106040883A (zh) * 2016-07-29 2016-10-26 中国航空工业集团公司西安飞行自动控制研究所 一种柱塞组件收口用成套分级模装置
CN106694712A (zh) * 2016-12-16 2017-05-24 内蒙古机集团瑞特精密工模具有限公司 用于双头球铰链球销壳收口的专用模具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106040883A (zh) * 2016-07-29 2016-10-26 中国航空工业集团公司西安飞行自动控制研究所 一种柱塞组件收口用成套分级模装置
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