JPH11164832A - 超音波造影剤の製造方法、超音波造影剤および超音波撮像方法 - Google Patents

超音波造影剤の製造方法、超音波造影剤および超音波撮像方法

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JPH11164832A
JPH11164832A JP9332921A JP33292197A JPH11164832A JP H11164832 A JPH11164832 A JP H11164832A JP 9332921 A JP9332921 A JP 9332921A JP 33292197 A JP33292197 A JP 33292197A JP H11164832 A JPH11164832 A JP H11164832A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SNRの良い造影撮像を可能にする超音波造
影剤の製造方法、超音波造影剤、および、そのような超
音波造影剤を用いる超音波撮像方法を実現する。 【解決手段】 電子線架橋等により硬化した皮膜を有す
るマイクロバルーン、結合剤によりゆるやかに団塊化し
たマイクロバルーン、油滴に封入したマイクロバルーン
等を造影剤として利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波造影剤の製
造方法、超音波造影剤および超音波撮像方法に関し、特
に、マイクロバルーン(micro balloon) 超音波造影剤の
製造方法、マイクロバルーンを用いた超音波造影剤、磁
性体を用いた超音波造影剤、および、そのような超音波
造影剤を利用する超音波撮像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】造影剤を用いる超音波撮像では、直径が
数μm程度の多数の気泡(マイクロバルーン)を液体に
混入した造影剤を用い、マイクロバルーンの非線形なエ
コー(echo)源性に基づく第2高調波エコーを利用して造
影撮像を行うようにしている。マイクロバルーンの皮膜
(殻)は、例えばポリ乳酸等、生体内で分解可能な物質
によって構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなマイクロ
バルーンは、通常のBモード(mode)撮像に用いるような
瞬時音圧が±1MPa程度の超音波を照射すると破壊さ
れて消滅して造影作用をなくすので、照射レベル(leve
l) を±50KPa以下まで下げる必要があるといわれ
ている。超音波の照射レベルをここまで下げると、エコ
ーレベルの低下により受信のSNR(signal-to-noise r
atio) が悪くなり、造影画像の品質が低下するという問
題がある。
【0004】マイクロバルーンには、本発明者が発見し
た、仮にシンチレーション(scintillation) と呼ぶ現象
に由来する信号がある。ここで、「シンチレーション」
とは、エコー信号がその位相および振幅にランダム(ran
dom)な変調を受ける現象であり、エコー信号のドップラ
ー(Doppler) 成分として検出することができる。このよ
うな「シンチレーション」を画像化する場合も、エコー
レベルの低下は画像品質を劣化させる。
【0005】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、SNRの良い造影撮像を可
能にする超音波造影剤の製造方法、超音波造影剤、およ
び、そのような超音波造影剤を用いる超音波撮像方法を
実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1)上記の課題を解決
する第1の発明は、架橋硬化性を有する物質からなる皮
膜を持つ気泡を形成する工程と、前記気泡に波動エネル
ギーを照射する工程と、を有することを特徴とする超音
波造影剤の製造方法である。
【0007】(2)上記の課題を解決する第2の発明
は、生体内で経時的に分解する物質からなる皮膜を持つ
気泡を形成する工程と、前記気泡の表面に結合剤を付加
する工程と、を有することを特徴とする超音波造影剤の
製造方法である。
【0008】(3)上記の課題を解決する第3の発明
は、生体内で経時的に分解する物質からなる皮膜を持つ
気泡を形成する工程と、前記気泡を油滴の中に封入する
工程と、を有することを特徴とする超音波造影剤の製造
方法である。
【0009】(4)上記の課題を解決する第4の発明
は、架橋硬化性を有する物質からなる皮膜を持つ気泡、
を有することを特徴とする超音波造影剤である。 (5)上記の課題を解決する第5の発明は、生体内で経
時的に分解する物質からなる皮膜を持つ気泡と、前記気
泡の表面に付加された結合剤と、を有することを特徴と
する超音波造影剤である。
【0010】(6)上記の課題を解決する第6の発明
は、生体内で経時的に分解する物質からなる皮膜を持つ
気泡と、前記気泡を内包する油滴と、を有することを特
徴とする超音波造影剤である。
【0011】(7)上記の課題を解決する第7の発明
は、磁性体と、生体内で経時的に分解する物質からなり
前記磁性体を包む皮膜と、を有することを特徴とする超
音波造影剤である。
【0012】(8)上記の課題を解決する第8の発明
は、有機強磁性体を有することを特徴とする超音波造影
剤である。 (9)上記の課題を解決する第9の発明は、被検体に超
音波を送波してそのエコーに基づいて画像を生成する超
音波撮像方法であって、前記被検体に第4の発明による
超音波造影剤乃至第6の発明による超音波造影剤のうち
のいずれかを注入して撮像を行う、ことを特徴とする超
音波撮像方法である。
【0013】(10)上記の課題を解決する第10の発
明は、被検体に第7の発明による超音波造影剤または第
8の発明による超音波造影剤を注入し、前記超音波造影
剤を磁気的に刺激して超音波を発生させ、前記発生した
超音波に基づいて画像を生成する、ことを特徴とする超
音波撮像方法である。
【0014】第1の発明において、前記波動エネルギー
は電子線であることが、架橋硬化の制御性が良い点で好
ましい。第2の発明または第5の発明において、前記結
合剤は界面活性剤であることが、結合性がゆるやかであ
る点で好ましい。
【0015】第7の発明において、前記皮膜を有する前
記磁性体は磁性細菌によって生産したものであること
が、微粒子性が良い点で好ましい。 (作用)第1の発明または第4の発明では、波動エネル
ギーの照射による架橋硬化により気泡の皮膜の強度を増
す。
【0016】第2の発明または第5の発明では、結合剤
により複数の気泡が団塊化する。団塊化した気泡では、
超音波の各照射ごとに矢面に立つものから順に壊れ、全
部の気泡が消滅するまでの時間を長引かせる。
【0017】第3の発明または第6の発明では、超音波
の照射により気泡の皮膜が破れても、放出された気体は
油滴内に気泡として留められ、消滅までの時間を長引か
せる。
【0018】第7の発明または第8の発明では、磁性体
が磁気的刺激によって振動し、超音波を発生する。第9
の発明では、超音波に対して耐性がある気泡を用い、高
レベルの超音波照射による造影撮像を行う。
【0019】第10の発明では、磁気的刺激によって超
音波を発生する造影剤により造影撮像を行う。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態
に限定されるものではない。
【0021】(超音波造影剤)図1にマイクロバルーン
を用いた超音波造影剤の概念図を示す。本剤は本発明の
実施の形態の一例である。同図に示すように、本剤は液
体2の中にマイクロバルーン4を所定の濃度で混入した
ものである。マイクロバルーン4は、本発明における気
泡の実施の形態の一例である。マイクロバルーン4は中
空の球状体である。マイクロバルーン4の直径は例えば
1〜5μmである。このような直径を持つことにより、
マイクロバルーン4は毛細血管をも通過することができ
る。
【0022】図2にマイクロバルーン4の断面図を示
す。同図に示すように、マイクロバルーン4は殻40を
有する。殻40は、本発明における皮膜の実施の形態の
一例である。殻40は生体内で経時的に分解する物質に
よって構成される。そのような物質の例としては、加水
分解性ポリマーが生体内での経時的な分解が確実に行わ
れる点で好ましい。具体的には、例えば乳酸、グリコー
ル(glycol)酸、リンゴ酸等のオキシ(oxy) 酸の重合体ま
たはそれらの共重合体が、分解によって生成する物質が
生体に無害である点で好ましい。
【0023】乳酸の重合体はポリ乳酸(polylactide(PL
A))と呼ばれる。グリコール酸の重合体はポリグリコー
ル酸(polyglycolide(PGA))と呼ばれる。乳酸とグリコー
ル酸の共重合体としては、例えばPGA/PLLA(gly
colide/L-lactide copolymers)がある。
【0024】殻40の内部には気体42が封入されてい
る。気体としては、例えば空気、窒素ガス、炭酸ガス等
が用いられる。空気は調達容易な点で好ましい。窒素ガ
スは不活性な点で好ましい。炭酸ガスは生体に無害な点
で好ましい。
【0025】このようなマイクロバルーン4は、例えば
次のようにして形成される。図3にマイクロバルーン製
造装置の一例の模式図を示す。同図に示すように、本装
置は、2重管によって構成されるノズル(nozzle)300
の先を、容器302の天井を貫通して内部に挿入したも
のとなっている。
【0026】ノズル300の内管304にはマイクロバ
ルーン4に封入する気体42が供給される。ノズル30
0の外管306にはマイクロバルーン4の殻40を構成
するポリマー308が供給される。内管304の先端は
外管306の先端より適宜の距離だけ奥に後退してい
る。気体42の圧力P1と温度T1、ポリマー308の
圧力P2と温度T2および容器302内に供給する空気
310の圧力P3と温度T3は適宜の関係に保たれる。
【0027】このような装置において、気体42を吹き
込むと、あたかもシャボン玉ができるように、気体42
を封入したポリマー308の中空球(マイクロバルー
ン)4ができる。ノズル300の内管304と外管30
6の口径、気体42の圧力P1と温度T1、ポリマー3
08の粘度(重合度)と圧力P2と温度T2、および、
容器302内の空気310の圧力P3と温度T3等を適
宜に定めることにより、所望の直径、殻厚および内圧を
有するマイクロバルーン4を形成することができる。
【0028】マイクロバルーン4は容器302の底に滴
下して多数個の溜まりを作る。それらのマイクロバルー
ン4を適宜のフィルタ(filter)等で選り分けて1〜5μ
mの直径を有するマイクロバルーン群を得る。それを例
えば生理的食塩水等の適宜の液体に適量混入することに
より、所望の濃度の超音波造影剤を得る。
【0029】本剤を生体の被検体に注入したとき、マイ
クロバルーン4の殻40は、生体内での加水分解反応等
により外側から徐々に分解して行く。このため殻40の
強度が次第に弱くなりやがて破壊する。すなわちマイク
ロバルーン4が自ら破壊する。
【0030】例えば、殻厚が0.5μm程度の場合、マ
イクロバルーン4は体内注入後1時間程度で破壊する。
この時間は、殻厚やポリマーの重合度等を選ぶことによ
り、所望の時間となるように設定することができる。こ
のように、加水分解性ポリマーは、生体内での破壊の経
時性が明確な点で好ましい。
【0031】このままのマイクロバルーン4を造影撮像
に用いた場合、前述した通り、超音波によって破壊し易
いので、次のようにして超音波に対する破壊の耐性を持
たせる。
【0032】1つの方法は、電子線架橋により殻40を
硬化させる方法である。すなわち、例えば図4に示すよ
うに、電子線照射装置312から、容器314内のマイ
クロバルーン4に電子線を照射する。電子線は、本発明
における波動エネルギー(energy)の実施の形態の一例で
ある。殻40を構成するポリマーは電子線架橋により硬
化する性質を有するので、電子線照射によってマイクロ
バルーン4の機械的強度を増すことができ、超音波に対
する耐性を上げることができる。
【0033】電子線の照射エネルギーや照射時間等を図
示しない制御装置で制御することにより、殻40の硬化
度すなわちマイクロバルーン4の機械的強度を適宜に調
節する。電子線は、殻40の硬化度の制御性が良い点で
好ましい。これによって、用途に合わせて種々の強度の
マイクロバルーン4を得ることができる。
【0034】ポリマーは、また、紫外線およびγ線で架
橋する性質を持つので、電子線照射装置312の代わり
に、紫外線照射装置またはγ線照射装置を用いるように
しても良い。紫外線およびγ線は、それぞれ、本発明に
おける波動エネルギーの実施の形態の一例である。
【0035】耐性を持たせる他の方法は、複数個のマイ
クロバルーン4を、例えば図5に示すように、結合剤4
4で結び付けて団塊化する方法である。結合剤44は、
本発明における結合剤の実施の形態の一例である。結合
剤44として例えば界面活性剤等を用いる。界面活性剤
は、比較的弱い力でマイクロバルーン4同士を結び付け
るので、団塊の形状の自由な変形を許容し、毛細血管等
の通過を容易にする点で好ましい。また、血管壁等の生
体組織に弱く張りついてその位置にとどまり易い点でも
好ましい。
【0036】界面活性剤としては、例えば、糖エステ
ル、脂肪アルコール、脂肪族アミンオキシド、ヒアルロ
ン酸脂肪族エステル、ヒアルロン酸脂肪族エステル塩、
ドデシルボリ(エチレンオキシ)エタノール、ノニルフ
ァノキシボリ(エチレンオキシ)エタノール、澱粉誘導
体、ヒドロキシエチル澱粉脂肪酸エステル、市販の食品
植物澱粉、デキストラン、デキストラン脂肪酸エステ
ル、ソルビトール、ソルビトール脂肪酸エステル、ゼラ
チン、血清アルブミン、およびこれらの組み合わせ等を
用いる。
【0037】マイクロバルーン4の団塊に、例えば図5
に矢印で示すように超音波を照射すると、超音波に関し
矢面になるマイルロバルーン4aは破壊する可能性が高
いが、その背後のマイクロバルーン群は破壊を免れる確
率が高い。すなわち、超音波の照射に対して、マイルロ
バルーンの生き残り量が多くなり、実質的に超音波への
耐性が増す。
【0038】マイクロバルーン4の団塊化は、例えば図
6に示すように、容器316中の結合剤(界面活性剤)
44を弁318の開閉により、容器320中のマイクロ
バルーン4に適量添加することによって行う。その際、
容器320の内容物を適宜の手段で攪拌し、マイクロバ
ルーン4と結合剤44とをよく混和することが、団塊化
を効果的に行う点で好ましい。
【0039】耐性を持たせるさらに他の方法は、例えば
図7の(a)に示すように、マイクロバルーン4を油滴
46中に封入する方法である。油滴46は、本発明にお
ける油滴の実施の形態の一例である。このようにした場
合、超音波の照射によってマイクロバルーン4が破壊し
たとき、同図の(b)に示すように、破壊した殻40か
ら放出された気体42が気泡として油滴46の中にとど
まる。この気泡が第2高調波エコー源として機能するの
で、造影剤としての機能が保たれ、実質的に超音波への
耐性が増す。
【0040】マイクロバルーン4を封入した油滴46を
得るには、例えば図8に示すように、容器322中の油
460を、弁324の開閉により、容器326中のマイ
クロバルーン4に適量注ぎ、適宜の手段でよく攪拌して
油460とマイクロバルーン4の懸濁液を作る。そし
て、この懸濁液を、弁328の開閉およびポンプ330
の運転により、容器332の水334の中にノズル33
6から噴射する。油性のの懸濁液を水334の中に噴射
したことにより油滴46が形成され、この油滴46の中
にマイクロバルーン4が含まれる。
【0041】マイクロバルーン4を封入した油滴46の
形成は、例えば図9に示すような器具を用いて行うこと
もできる。すなわち、同図に示すように、注射器338
の先端に3方弁340を介して注射針342を取り付
け、3方弁340の第3の入口に、油460とマイクロ
バルーン4の懸濁液を入れた柔軟な容器344(アイド
ルチェンバー(idle chamber))を接続した器具を用い
る。
【0042】この器具の使用にあたり、3方弁340
を、注射器338とアイドルチェンバー344が連通
し、注射針342が封止されるように切り換える。この
状態で、注射器338のピストンを引き、アイドルチェ
ンバー344内の懸濁液を適量シリンダ内に吸引する。
【0043】次に、3方弁340を、注射器338と注
射針342が連通し、アイドルチェンバー344が封止
されるように切り換える。この状態で注射器338のピ
ストンを押して懸濁液を注射針342の先端まで行き渡
らせる。
【0044】次に、注射針342を患者の静脈等に穿刺
し、注射器338のピストンを押して懸濁液を注射す
る。注射された懸濁液は血液中で油滴を形成する。この
油滴の中にマイクロバルーン4が含まれる。以後、3方
弁340を切り換えながらピストンを往復させて、所望
の量の造影剤を注射する。
【0045】次に、磁性体を用いた超音波造影剤につい
て説明する。微小な磁石を被検体内に注入して対外から
磁気的に刺激することにより、被検体内に超音波振動を
発生させることができる。そこで、この超音波を受信
し、受信信号に基づいて磁石の分布像すなわち造影画像
を生成することができる。
【0046】図10に、そのような超音波造影剤として
用いる磁石の実施の形態の一例を示す。同図に示すよう
に、この超音波造影剤は、皮膜48で表面が覆われた磁
石50で構成される。皮膜48は、本発明における皮膜
の実施の形態の一例である。皮膜48は例えばタンパク
質の2分子膜等で構成される。磁石50は、本発明にお
ける磁性体の実施の形態の一例である。磁石50は、磁
極方向の長さが例えば50〜100nm程度の微粒子で
ある。このようなタンパク質の皮膜を持つ磁石は、例え
ば磁性細菌を利用してつくり出せることが知られてい
る。
【0047】タンパク質の皮膜48を有することにより
分散性が良く、複数の磁石50同士が寄り固まることが
ないので、毛細血管等を詰まらせるようなことはない。
また、タンパク質の皮膜48を有することにより生体へ
の適合性が良い。
【0048】磁石は、有機強磁性体によっても実現でき
ることが知られている。有機強磁性体は平行な複数の電
子スピンを有し、それら電子スピンにより磁気を生じ
る。有機強磁性体としては、例えばポリアセチレン、ポ
リジアセチレン、電荷移動錯塩等がある。これら有機強
磁性体は、有機物であるから生体への適合性が良く、ま
た、生体内での経時的分解性を有する。したがって被検
体に注入する超音波造影剤として利用することができ
る。
【0049】(超音波撮像)上記のような造影剤を用い
る超音波撮像について説明する。図11に、超音波撮像
装置のブロック(block) 図を示す。本装置の動作によっ
て、本発明の超音波撮像方法に関する実施の形態の一例
が示される。
【0050】本装置の構成を説明する。図11に示すよ
うに、本装置は、超音波プローブ(probe) 72を有す
る。超音波プローブ72は、図示しない超音波振動子ア
レイ(array) を有する。超音波振動子アレイは、例えば
前方に張り出した円弧に沿って形成されている。すなわ
ち、超音波プローブ72はコンベックスプローブ(conve
x probe)となっている。超音波プローブ72は、図示し
ない操作者により被検体74に当接されて使用される。
【0051】被検体74にはマイクロバルーン造影剤7
40が注入されている。マイクロバルーン造影剤740
は、前述のように、電子線架橋等により殻40の機械的
強度を増したマイクロバルーン、結合剤44でゆるやか
に団塊化されたマイクロバルーン、または、油滴46中
に封入されたマイクロバルーンのいずれかを用いたもの
である。
【0052】超音波プローブ72は送受信部76に接続
されている。送受信部76は、超音波プローブ72に駆
動信号を与えて被検体74内に超音波を送波させるよう
になっている。送受信部76は、また、超音波プローブ
72が受波した被検体74からのエコー信号を受信する
ようになっている。
【0053】送受信部76のブロック図を図12に示
す。同図において、送波タイミング(timing)発生回路6
02は、送波タイミング信号を周期的に発生して送波ビ
ームフォーマ(beamformer)604に入力するようになっ
ている。
【0054】送波ビームフォーマ604は、送波タイミ
ング信号に基づいて、送波ビームフォーミング(beam fo
rming)信号、すなわち、超音波振動子アレイ中の複数の
超音波トランスデューサ(transducer)を時間差をもって
駆動する複数の駆動信号を発生し、送受切換回路606
に入力するようになっている。
【0055】送受切換回路606は、複数の駆動信号を
セレクタ(selector)608に入力するようになってい
る。セレクタ608は、超音波トランスデューサのアレ
イの中から送波アパーチャ(aperture)を構成する複数の
超音波トランスデューサを選択し、それらに複数の駆動
信号をそれぞれ与えるようになっている。
【0056】複数の超音波トランスデューサは、複数の
駆動信号の時間差に対応した位相差を持つ複数の超音波
をぞれぞれ発生する。それら超音波の波面合成によって
超音波ビームが形成される。超音波ビームの送波方向
は、セレクタ608が選択する送波アパーチャによって
定まる。
【0057】超音波ビームの送波は、送波タイミング発
生回路602が発生する送波タイミング信号により、一
定の時間間隔で繰り返し行われる。超音波ビームの送波
方向は、セレクタ608で送波アパーチャを切り換える
ことにより順次変更される。それによって、被検体74
の内部が、超音波ビームが形成する音線によって走査さ
れる。すなわち被検体74の内部が音線順次で走査され
る。
【0058】セレクタ608は、また、超音波トランス
デューサのアレイの中から受波アパーチャを構成する複
数の超音波トランスデューサを選択し、それら超音波ト
ランスデューサが受信した複数のエコー信号を送受切換
回路606に入力するようになっている。
【0059】送受切換回路606は、複数のエコー信号
を受波ビームフォーマ610に入力するようになってい
る。受波ビームフォーマ610は、複数のエコー受信信
号に時間差を付与して位相を調整し、次いでそれら加算
して受波のビームフォーミング、すなわち、受波音線上
のエコー受信信号を形成するようになっている。セレク
タ608により、受波の音線も送波に合わせて走査され
る。
【0060】超音波プローブ72および送受信部76に
よって、例えば図13に示すような走査が行われる。す
なわち、同図に示すように、放射点200から発する音
線202が円弧204上を移動することにより、扇面状
の2次元領域206がθ方向に走査され、いわゆるコン
ベックススキャンが行われる。音線202を超音波の送
波方向(z方向)とは反対方向に延長したとき、全ての
音線が一点208で交わるようになっている。点208
は全ての音線の発散点となる。
【0061】送受信部76はBモード処理部710およ
びドップラ処理部712に接続されている。送受信部7
6から出力される音線毎のエコー受信信号は、Bモード
処理部710およびドップラ処理部712に入力され
る。
【0062】Bモード処理部710はBモード画像デー
タ(data)を形成するものである。Bモード処理部710
は、図14に示すように2系統のフィルタ(filter)10
0,102と、各フィルタに接続されたシグナルコンデ
ィショナ(signal conditioner)110,112を備えて
いる。フィルタ100,102に受波ビームフォーマ6
10の出力信号が入力される。
【0063】フィルタ100,102は、それぞれ、図
15に示す周波数通過帯域B1,B2を有する。帯域B
1は、送波超音波の基本周波数f0に合わせてある。帯
域B2は、送波超音波の第2高調波2f0に合わせてあ
る。
【0064】シグナルコンディショナ110,112
は、それぞれ、フィルタ100,102を通過した信号
について、対数増幅、包絡線検波、レベル調整、遅延時
間調整等の処理を行うようになっている。
【0065】シグナルコンディショナ110,112
は、いずれも、対数増幅および包絡線検波により音線上
の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号、すなわち
Aスコープ(scope) 信号を得て、このAスコープ信号の
各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード(mode)
画像データを形成するようになっている。これによっ
て、2系統のBモード画像データを得るようになってい
る。
【0066】Aスコープ信号は、シグナルコンディショ
ナ110,112のレベル調整機能によりそのレベルが
調整できるようになっている。また、遅延時間調整機能
により遅延量を調整できるようになっている。
【0067】ドップラ処理部712はドップラ画像デー
タを形成するものである。ドップラ処理部712は、図
16に示すように直交検波回路120、MTIフィルタ
(moving target indication filter) 122、自己相関
回路124、平均流速演算回路126、分散演算回路1
28およびパワー(power) 演算回路130を備えてい
る。
【0068】ドップラ処理部712は、直交検波回路1
20でエコー受信信号を直交検波し、MTIフィルタ1
22でMTI処理し、自己相関回路124で自己相関演
算を行い、平均流速演算回路126で自己相関演算結果
から平均流速を求め、分散演算回路128で自己相関演
算結果から流速の分散を求め、パワー演算回路130で
自己相関演算結果からドプラ信号のパワーを求めるよう
になっている。
【0069】これによって、被検体74内の血流やその
他のドップラ信号源(以下、血流等という)の平均流速
とその分散およびドプラ信号のパワーを表すそれぞれの
データ(ドップラ画像データ)が音線毎に得られる。な
お、流速は音線方向の成分として得られる。流れの方向
は、近づく方向と遠ざかる方向とが区別される。
【0070】マイクロバルーン造影剤740も、前述の
「シンチレーション」によりドップラ信号源となる。し
たがって、それについてのドップラ画像データも得るこ
とができる。
【0071】Bモード処理部710およびドップラ処理
部712は画像処理部714に接続されている。画像処
理部714は、Bモード処理部710およびドップラ処
理部712からそれぞれ入力されるデータに基づいて、
それぞれBモード画像およびドップラ画像を生成するも
のである。
【0072】画像処理部714は、図17に示すよう
に、バス(bus) 140によって接続された音線データメ
モリ(data memory) 142、ディジタル・スキャンコン
バータ(digital scan converter)144、画像メモリ1
46および画像処理プロセッサ(prosessor) 148を備
えている。
【0073】Bモード処理部710およびドップラ処理
部712から音線毎に入力されたBモード画像データお
よびドップラ画像データは、音線データメモリ142に
それぞれ記憶される。音線データメモリ142内に音線
データ空間が形成される。
【0074】ディジタル・スキャンコンバータ144
は、走査変換により音線データ空間のデータを物理空間
のデータに変換するものである。ディジタル・スキャン
コンバータ144によって変換された画像データは、画
像メモリ146に記憶される。すなわち、画像メモリ1
46は物理空間の画像データを記憶する。画像処理プロ
セッサ148は、音線データメモリ142および画像メ
モリ146のデータについてそれぞれ所定のデータ処理
を施すものである。データ処理については、のちにあら
ためて説明する。
【0075】画像処理部714には表示部716が接続
されている。表示部716は、画像処理部714から画
像信号が与えられ、それに基づいて画像を表示するよう
になっている。表示部716は、カラー(color)画像が
表示可能なものとなっている。
【0076】以上の送受信部76、Bモード処理部71
0、ドップラ処理部712、画像処理部714および表
示部716は制御部718に接続されている。制御部7
18は、それら各部に制御信号を与えてその動作を制御
するようになっている。また、制御部718には、被制
御の各部から各種の報知信号が入力されるようになって
いる。制御部718の制御の下で、Bモード動作および
ドップラモード動作が遂行される。
【0077】制御部718には操作部720が接続され
ている。操作部720は操作者によって操作され、制御
部718に所望の指令や情報を入力するようになってい
る。操作部720は、例えばキーボード(keyboard)やそ
の他の操作具を備えた操作パネル(panel) で構成され
る。
【0078】本装置の動作を説明する。操作者は、予め
マイクロバルーン造影剤740を被検体74に注入し、
超音波プローブ2を被検体74の所望の個所に当接し、
操作部720を操作して、例えばBモードとドップラモ
ードとの併用による撮像を行う。
【0079】撮像は、制御部718による制御の下で、
Bモードとドップラモードの時分割動作により行われ
る。すなわち、例えばドップラモードのスキャンを数回
行う度にBモードのスキャンを1回行う割合で、Bモー
ドとドップラモードの混合スキャンを行う。
【0080】Bモードにおいては、送受信部76は、超
音波プローブ72を通じて音線順次で被検体74の内部
を走査して逐一そのエコーを受信する。音線がマイクロ
バルーン造影剤740の注入部位を走査したとき、エコ
ーには、体内組織からの基本波エコーに加えて、マイク
ロバルーン造影剤740からの第2高調波エコーが含ま
れる。これらのエコーの混在した信号が、送受信部76
からBモード処理部710に入力される。
【0081】マイクロバルーン造影剤740中のマイク
ロバルーンは、超音波に対する耐性が高いので、超音波
の送波レベルを上げることができる。このため、高レベ
ルのエコーすなわちSNRの良いエコーを得ることがで
きる。
【0082】Bモード処理部710は、フィルタ100
および102で、基本波エコーおよび第2高調波エコー
をそれぞれ抽出する。このとき、マイクロバルーンのエ
コー発生メカニズム(mechanism) により、第2高調波エ
コーは、基本波エコーよりも超音波振動の半サイクルま
たはそれ以上遅れて発生する。また、第2高調波エコー
を抽出するフィルタ102の狭帯域性は当然に信号の遅
延量を大きくする。
【0083】このような遅れは、画像を形成したときの
各画像間の位置ずれとなって表れるので、シグナルコン
ディショナ110,112の遅延時間調整機能により、
それぞれの信号の遅延時間を調整して相互間の遅れを無
くす。そして、そのような信号に基づいて、それぞれの
エコーに対応する2種類のBモード画像データを形成す
る。
【0084】画像処理部714は、Bモード処理部71
0から入力される2種類のBモード画像データを音線デ
ータメモリ142にそれぞれ記憶する。これによって、
音線データメモリ142内に、Bモード画像データにつ
いての2系統の音線データ空間がそれぞれ形成される。
【0085】ドップラモードにおいては、送受信部76
は超音波プローブ72を通じて音線順次で被検体74の
内部を走査して逐一そのエコーを受信する。その際、1
音線当たり複数回の超音波の送波とエコーの受信が行わ
れる。
【0086】ドップラ処理部712は、エコー受信信号
を直交検波回路120で直交検波し、MTIフィルタ1
22でMTI処理し、自己相関回路124で自己相関を
求め、自己相関結果から、平均流速演算回路126で平
均流速を求め、分散演算回路128で分散を求め、パワ
ー演算回路130でパワーを求める。
【0087】これらの算出値は、それぞれ、例えば血流
等の平均流速とその分散およびドップラ信号のパワーを
音線毎に表すドップラ画像データとなる。また、マイク
ロバルーン造影剤740の「シンチレーション」を示す
ドップラ画像データとなる。なお、MTIフィルタ12
2でのMTI処理は1音線当たりの複数回のエコー受信
信号を用いて行われる。
【0088】画像処理部714は、ドップラ処理部71
2から入力される音線毎のドップラ画像データを音線デ
ータメモリ142に記憶する。これによって、音線デー
タメモリ142内にドップラ画像データについての音線
データ空間が形成される。
【0089】画像処理プロセッサ148は、音線データ
メモリ142の2系統のBモード画像データとドップラ
画像データを、ディジタル・スキャンコンバータ144
でそれぞれ走査変換して画像メモリ146に書き込む。
その際、ドップラ画像データを、流速に分散を加えたC
FM(color flow mapping)画像用の画像データおよびパ
ワードップラ画像用の画像データとしてそれぞれ書き込
む。
【0090】画像処理プロセッサ148は、2系統のB
モード画像、CFM画像およびパワードップラ画像を別
々な領域に書き込む。基本波エコーによるBモード画像
は、走査面における体内組織の断層像を示すものとな
る。第2高調波エコーによるBモード画像は、走査面に
おけるマイクロバルーン造影剤740の広がりを示すも
のとなる。
【0091】CFM画像は、走査面における血流等の速
度およびマイクロバルーン造影剤740の「シンチレー
ション」の2次元分布を示す画像となる。パワードップ
ラ画像は、走査面における血流等および「シンチレーシ
ョン」の所在を示す画像となる。この「シンチレーショ
ン」も、マイクロバルーン造影剤740の像を独特の態
様で示すものとなり、Bモード画像とは異なった観点で
の有用性がある。
【0092】操作者は、操作部720を操作して、上記
のような各種のBモード画像ないしドップラ画像を表示
部716に表示させる。すなわち、例えば図18に示す
ように、組織の断層像160と第2高調波エコー像16
2との合成画像、および、組織の断層像160とCFM
像(またはパワードップラ像)164との合成画像を1
画面中に並べて表示させる。これにより、組織に対する
位置関係が明確な造影剤像をそれぞれ得ることができ
る。エコーのSNRが良いのでこれらの表示画像は高品
質のものとなる。
【0093】組織の断層像160、第2高調波エコー像
162およびCFM像(またはパワードップラ像)16
4は、それぞれ表示の色等を違えるのが区別を容易にす
る点で好ましい。このような2つの態様の表示画像を比
較対照することにより、病理診断等を効果的に行うこと
ができる。
【0094】次に、前述の磁石型の造影剤を用いる超音
波撮像について説明する。図19に、超音波撮像装置の
ブロック図を示す。本装置の動作によって、本発明の超
音波撮像に関する実施の形態の一例が示される。
【0095】図19に示すように、本装置は、超音波プ
ローブ52を有する。超音波プローブ52は、被検体5
4に当接されて超音波の受波に使用される。被検体54
には前述の磁性造影剤540が予め注入されている。超
音波プローブ52の近辺には、磁界発生器522が配置
されている。磁界発生器522は、例えばソレノイドコ
イル(solenoide coil)等によって構成される。磁界発生
器522は、駆動部524から駆動信号が与えられ、磁
性造影剤540に作用させる磁界を発生するようになっ
ている。
【0096】超音波プローブ52は、図20に示すよう
な超音波トランスデューサ530の2次元アレイ532
を備えている。2次元アレイ532は例えば128×1
28個の超音波トランスデューサ530のマトリクス(m
atrix)によって構成される。個々の超音波トランスデュ
ーサ530は、例えばPZT(チタン(Ti)酸ジルコン(Z
r)酸鉛)セラミックス(ceramics)等の圧電材料によって
構成される。
【0097】超音波プローブ52は受信部56に接続さ
れている。受信部56は、超音波プローブ52の個々の
超音波トランスデューサ530が受波した超音波信号を
それぞれ受信するものである。
【0098】受信部56は、図21に示すように複数の
増幅器561〜56nと複数のA/D(analog-to-digit
al) 変換器571〜57nとを備えている。増幅器56
1〜56nとA/D変換器571〜57nは、2次元ア
レイ532における個々の超音波トランスデューサ53
0に対応して設けられている。
【0099】増幅器561〜56nは、個々の超音波ト
ランスデューサ530が受波した超音波信号をそれぞれ
増幅するものである。A/D変換器571〜57nは増
幅器561〜56nの個々の出力信号をそれぞれアナロ
グ・ディジタル変換するものである。
【0100】これによって個々の超音波トランスデュー
サ530が受波した超音波信号がそれぞれディジタルデ
ータ(digital data)に変換される。これらのディジタル
データは、2次元アレイ532が受信した超音波信号の
ホログラム(hologram)を形成する。
【0101】受信部56は画像形成部514に接続され
ている。受信部56から出力されるディジタルデータが
画像形成部514に入力される。画像形成部514は、
ディジタルデータに基づいて被検体54内における超音
波発生源の分布を示す画像を形成するものである。画像
形成部514は、図22に示すように、データ処理回路
550、ホログラムメモリ(hologram memory) 552、
データメモリ554および画像メモリ556を備えてい
る。データ処理回路550、ホログラムメモリ552、
データメモリ554および画像メモリ556は、バス(b
us) 558によって接続されている。
【0102】受信部56から入力されたディジタルデー
タは、ホログラムメモリ552に記憶される。これによ
って、ホログラムメモリ552には受波した超音波のホ
ログラムが記憶される。
【0103】データ処理回路550は、ホログラムメモ
リ552、データメモリ554および画像メモリ556
のデータデータについて所定のデータ処理を行うもので
ある。このデータ処理により、ホログラムメモリ552
に記憶されたホログラムデータに基づいて、超音波発生
源の3次元位置が算出される。そのような計算は例えば
逆伝播法または逆フーリエ変換法等の手法を利用して行
われる。算出された超音波発生源の3次元位置はデータ
メモリ554に記憶される。
【0104】データ処理回路550は、また、データメ
モリ554に記憶された3次元位置データに基づいて、
超音波発生源の分布を表す画像を形成する。画像は、所
定の視点から眺めた3次元像または所定の断面における
断層像として形成される。この画像が画像メモリ556
に記憶される。
【0105】画像形成部514には表示部516が接続
されている。表示部516は画像形成部514から画像
データが与えられ、それに基づいて画像を表示するよう
になっている。
【0106】以上の受信部56、画像形成部514、表
示部516および駆動部524は制御部518に接続さ
れている。制御部518は、それら各部に制御信号を与
えてその動作を制御するものである。制御部518の制
御の下で超音波撮像が実行される。
【0107】制御部518には操作部520が接続され
ている。操作部520は操作者によって操作され、制御
部518に所望の指令や情報を入力するようになってい
る。操作部520は、例えばキーボードやその他の操作
具を備えた操作パネルで構成される。
【0108】次に、本装置の動作を説明する。磁性造影
剤540の注入から所定時間経過後に、操作者は、超音
波プローブ52および磁界発生器522を被検体54の
所望の個所に位置決めし、操作部520を操作して撮像
を開始させる。
【0109】これにより、制御部518による制御の下
で撮像が遂行される。制御部518は、駆動部524を
制御して磁界発生器522にパルス的な磁界を発生させ
る。このパルス磁界によって磁性造影剤540中の個々
の微小磁石が振動し、被検体54内から超音波が発生す
る。発生する超音波の強度は、印加する磁界の強さによ
って適宜に調節することができるので、所望の高レベル
の超音波を発生させることが容易である。超音波は球面
波として超音波プローブ52の2次元アレイ532に到
達し、その波面が同心円を描いて2次元アレイ532の
面上を伝播する。
【0110】このような超音波が、2次元アレイ532
の各超音波トランスデューサ530によって受波され
る。高レベルの超音波を発生させることにより、SNR
の良い受信信号を得ることができる。受信部56は、こ
のような2次元アレイ532の個々の超音波トランスデ
ューサ530の受波信号に基づいて、超音波のホログラ
ムを形成する。
【0111】ホログラムは画像形成部514のホログラ
ムメモリ552に記憶される。データ処理回路550
は、ホログラムメモリ552に記憶されたホログラムデ
ータを用い、逆伝播法もしくは逆フーリエ変換法によっ
て超音波発生源の3次元位置、すなわち、磁性造影剤5
40中の個々の微小磁石の3次元位置を算出する。算出
された3次元位置データはデータメモリ554に記憶さ
れる。
【0112】データ処理回路550は、このような3次
元位置データに基づいて、所定の視点から見た3次元像
を形成し、それを画像メモリ556に記憶する。視点は
操作部520を通じて操作者によって適宜に指定され
る。
【0113】画像メモリ556に記憶された画像データ
が表示部516に与えられ、可視像として表示される。
これによって、例えば図23に示すような磁性造影剤5
40についての3次元造影画像542が得られる。視点
の設定を様々に変えることにより、種々の視点から見た
3次元造影画像を表示させることができる。受信信号の
SNRが高いので、品質の良い画像を得ることできる。
【0114】操作者がこの画面上でラインカーソル(lin
e curser) 544によって所望の断面を指定すると、デ
ータ処理回路550によって、指定断面における造影画
像が形成される。これによって、例えば図24に示すよ
うな断層造影画像546が得られる。受信信号のSNR
が高いので、品質の良い画像を得ることできる。
【0115】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、SNRの良い造影撮像を可能にする超音波造影剤
の製造方法、超音波造影剤、および、そのような超音波
造影剤を用いる超音波撮像方法を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例のマイクロバルーン
造影剤の模式図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の造影剤に含まれる
マイクロバルーンの模式図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の造影剤に含まれる
マイクロバルーンを製造する装置の模式図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例の造影剤に含まれる
マイクロバルーンに処理を施す装置の模式図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の造影剤に含まれる
団塊化したマイクロバルーンを示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の造影剤に含まれる
マイクロバルーンに処理を施す装置の模式図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例の造影剤に含まれる
マイクロバルーンの油滴封入状態を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態の一例の造影剤に含まれる
マイクロバルーンに処理を施す装置の模式図である。
【図9】本発明の実施の形態の一例の造影剤に含まれる
マイクロバルーンに処理を施す装置の模式図である。
【図10】本発明の実施の形態の一例の磁性造影剤の模
式図である。
【図11】超音波撮像装置のブロック図である。
【図12】超音波撮像装置における送受信部のブロック
図である。
【図13】超音波撮像装置による音線走査の概念図であ
る。
【図14】超音波撮像装置におけるBモード処理部のブ
ロック図である。
【図15】超音波撮像装置におけるフィルタの通過帯域
を示すグラフである。
【図16】超音波撮像装置におけるドップラ処理部のブ
ロック図である。
【図17】超音波撮像装置における画像処理部のブロッ
ク図である。
【図18】超音波撮像装置における表示画像の模式図で
ある。
【図19】超音波撮像装置のブロック図である。
【図20】超音波撮像装置における超音波トランスデュ
ーサの2次元アレイの模式図である。
【図21】超音波撮像装置における受信部のブロック図
である。
【図22】超音波撮像装置における画像形成部のブロッ
ク図である。
【図23】超音波撮像装置における表示画像の模式図で
ある。
【図24】超音波撮像装置における表示画像の模式図で
ある。
【符号の説明】
2 液体 4 マイクロバルーン 40 殻 42 気体 300 ノズル 302 容器 304 内管 306 外管 308 ポリマー 310 空気 312 電子線照射装置 314 容器 44 結合剤 316 容器 318 弁 320 容器 46 油滴 322 容器 460 油 324 弁 326 容器 328 弁 330 ポンプ 332 容器 334 水 336 ノズル 338 注射器 340 3方弁 342 注射針 344 容器 48 皮膜 50 磁石 72 超音波プローブ 74 被検体 740 マイクロバルーン造影剤 76 送受信部 710 Bモード処理部 712 ドップラ処理部 714 画像処理部 716 表示部 718 制御部 720 操作部 602 送波タイミング発生回路 604 送波ビームフォーマ 606 送受切換回路 608 セレクタ 610 受波ビームフォーマ 200 放射点 202 音線 204 円弧 206 2次元領域 208 発散点 100,102 フィルタ 110,112 シグナルコンディショナ 120 直交検波回路 122 MTIフィルタ 124 自己相関回路 126 平均流速演算回路 128 分散演算回路 130 パワー演算回路 140 バス 142 音線データメモリ 144 ディジタル・スキャンコンバータ 146 画像メモリ 148 画像処理プロセッサ 160 組織の断層像 162 第2高調波エコー像 164 CFM(パワードップラ)像 52 超音波プローブ 54 被検体 540 磁性造影剤 56 受信部 514 画像形成部 516 表示部 518 制御部 520 操作部 522 磁界発生器 524 駆動部 530 超音波トランスデューサ 532 2次元アレイ 561〜56n 増幅器 571〜57n A/D変換器 550 データ処理回路 552 ホログラムメモリ 554 データメモリ 556 画像メモリ 558 バス 542 3次元造影画像 544 ラインカーソル 546 断層造影画像

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋硬化性を有する物質からなる皮膜を
    持つ気泡を形成する工程と、 前記気泡に波動エネルギーを照射する工程と、を有する
    ことを特徴とする超音波造影剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 生体内で経時的に分解する物質からなる
    皮膜を持つ気泡を形成する工程と、 前記気泡の表面に結合剤を付加する工程と、を有するこ
    とを特徴とする超音波造影剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 生体内で経時的に分解する物質からなる
    皮膜を持つ気泡を形成する工程と、 前記気泡を油滴の中に封入する工程と、を有することを
    特徴とする超音波造影剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 架橋硬化性を有する物質からなる皮膜を
    持つ気泡、を有することを特徴とする超音波造影剤。
  5. 【請求項5】 生体内で経時的に分解する物質からなる
    皮膜を持つ気泡と、 前記気泡の表面に付加された結合剤と、を有することを
    特徴とする超音波造影剤。
  6. 【請求項6】 生体内で経時的に分解する物質からなる
    皮膜を持つ気泡と、 前記気泡を内包する油滴と、を有することを特徴とする
    超音波造影剤。
  7. 【請求項7】 磁性体と、 生体内で経時的に分解する物質からなり前記磁性体を包
    む皮膜と、を有することを特徴とする超音波造影剤。
  8. 【請求項8】 有機強磁性体を有することを特徴とする
    超音波造影剤。
  9. 【請求項9】 被検体に超音波を送波してそのエコーに
    基づいて画像を生成する超音波撮像方法であって、 前記被検体に請求項4乃至請求項6に記載の超音波造影
    剤のうちのいずれかを注入して撮像を行う、ことを特徴
    とする超音波撮像方法。
  10. 【請求項10】 被検体に請求項7または請求項8に記
    載の超音波造影剤を注入し、 前記超音波造影剤を磁気的に刺激して超音波を発生さ
    せ、 前記発生した超音波に基づいて画像を生成する、ことを
    特徴とする超音波撮像方法。
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