JPH11160715A - 液晶表示素子用着色スペーサ及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用着色スペーサ及び液晶表示素子

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JPH11160715A
JPH11160715A JP32444397A JP32444397A JPH11160715A JP H11160715 A JPH11160715 A JP H11160715A JP 32444397 A JP32444397 A JP 32444397A JP 32444397 A JP32444397 A JP 32444397A JP H11160715 A JPH11160715 A JP H11160715A
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liquid crystal
crystal display
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JP32444397A
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English (en)
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Toichi Yamada
都一 山田
Susumu Tanaka
進 田中
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い黒色度を有する高強度の着色架橋重合体
微粒子からなる液晶表示素子用着色スペーサ及びそれを
用いた液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 着色架橋重合体微粒子からなる液晶表示
素子用着色スペーサであって、上記着色架橋重合体微粒
子は、架橋性単量体を50重量%以上含有する重合性単
量体100重量部に対して顔料成分1〜100重量部を
混合分散して得られる重合性単量体・顔料成分混合物
を、上記重合性単量体100重量部に対して3〜10重
量部の有機過酸化物系ラジカル重合開始剤を用いること
により、水系媒体中で懸濁重合させることにより得られ
るものである液晶表示素子用着色スペーサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い黒色度を有す
る高強度の液晶表示素子用着色スペーサ及びそれを用い
た液晶表示素子に関する。
【0002】一般に、液晶表示素子は、液晶物質を間隙
に有する二枚のガラス基板を一定の間隙に保持する必要
がある。このため、ガラス基板の間にスペーサを介在さ
せ、両ガラス基板を所望のセルギャップになるまで押圧
することにより、両ガラス基板の間隔を一定に保持、固
定することが行われている。
【0003】このようなスペーサとしては、画像の表示
コントラスト低下を防止するため、黒色に着色されたス
ペーサが用いられている。このような着色スペーサとし
ては、従来より、顔料成分を混合、分散させたスチレン
系単量体等を懸濁重合させて得られるスチレン系のポリ
マー微粒子からなるものが広く用いられている。
【0004】しかしながら、スチレン系ポリマー微粒子
は一般に強度が低く、押圧時の圧力により破壊又は変形
してしまうので、適正なセルギャップが得られなかっ
た。また、耐溶剤性に乏しく液晶を汚染する等の問題も
発生していた。
【0005】このため、架橋性単量体をラジカル重合開
始剤を用いて懸濁重合させることにより得られる架橋重
合体微粒子からなる着色スペーサが提案されている。し
かしながら、このような従来の架橋重合体微粒子は、充
分に黒色に着色されていなかったり、強度が低かったり
するものであった。すなわち、高い黒色度と高強度とを
ともに満足するものは得られていないのが現状であっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、高い黒色度を有する高強度の着色架橋重合体微粒子
からなる液晶表示素子用着色スペーサ及びそれを用いた
液晶表示素子を提供することを目的とする。
【0007】本発明は、着色架橋重合体微粒子からなる
液晶表示素子用着色スペーサであって、上記着色架橋重
合体微粒子は、架橋性単量体を50重量%以上含有する
重合性単量体100重量部に対して顔料成分1〜100
重量部を混合分散して得られる重合性単量体・顔料成分
混合物を、上記重合性単量体100重量部に対して3〜
10重量部の有機過酸化物系ラジカル重合開始剤を用い
ることにより、水系媒体中で懸濁重合させることにより
得られるものである液晶表示素子用着色スペーサであ
る。以下に本発明を詳述する。
【0008】本発明の液晶表示素子用着色スペーサは、
着色架橋重合体微粒子からなる。上記着色架橋重合体微
粒子は、重合性単量体・顔料成分混合物を、常法に比ら
べて非常に多量のラジカル重合開始剤を用いて懸濁重合
させることにより得られるものである。
【0009】上記重合性単量体・顔料成分混合物は、重
合性単量体に顔料成分を混合分散して得られるものであ
る。上記重合性単量体は、主構成成分である架橋性単量
体と、非架橋性単量体とからなるものである。
【0010】上記架橋性単量体としては、ラジカル重合
可能な不飽和二重結合を2個以上有するものであれは持
に限定されず、例えは、ジビニルベンゼン、1,4−ジ
ビニロキシブタン、ジビニルスルホン等のビニル化合
物;ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ト
リアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテ
ート等のアリル化合物;(ポリ)エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)オキシアルキレン
グリコールジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アク
リレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート等が挙
げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0011】上記非架橋性単量体としては、ラジカル重
合可能なものであれば特に限定されず、例えば、スチレ
ン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−エ
チルスチレン、m−エチルスチレン、p−クロロスチレ
ン、m−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、
m−クロロメチルスチレン、スチレンスルホン酸、p−
t−ブトキシスチレン、m−t−ブトキシスチレン、α
−メチル−p−t−アミロキシスチレン、p−t−アミ
ロキシスチレン等のスチレン系モノマー;(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオ
ールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸
エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸
等の不飽和カルボン酸系モノマー;メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル等のアルキレンビニルエーテ
ル;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系モノ
マー;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル
(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル置換(メタ)
アクリルアミド系モノマー;(メタ)アクリロニトリル
等のニトリル系モノマー等が挙げられる。これらは単独
で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0012】上記重合性単量体において、上記架橋性単
量体の含有量は、50重量%以上である。50重量%未
満であると、得られる液晶表示素子用着色スペーサの強
度が不充分となるので、上記範囲に限定される。好まし
くは、70重量%以上である。
【0013】上記顔料成分としては特に限定されない
が、本発明においては、カーボンブラック及び有機着色
顔料からなる顔料成分、表面処理されたカーボンブラッ
ク、又は、表面処理されたカーボンブラック及び有機着
色顔料からなる顔料成分が好適に用いられる。
【0014】一般にカーボンブラックは、不純物とし
て、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、
硫酸イオン等の微量成分を含有する。この不純物が液晶
表示素子用着色スペーサ中に溶出拡散すると、液晶表示
素子用着色スペーサの電気抵抗を低下させる。このカー
ボンブラックからの不純物の溶出拡散を防止するために
は、カーボンブラックの配合量を少なくするか、又は、
カーボンブラックの表面を処理することが有効である。
【0015】すなわち、上記顔料成分として、カーボン
ブラック及び有機着色顔料からなる顔料成分を用いるこ
とにより、カーボンブラックの配合量を少なくすること
ができ、カーボンブラックからの不純物の溶出拡散を少
なくし、得られる液晶表示素子用着色スペーサの電気抵
抗の低下を防止することができるとともに、充分な黒色
度、良好な物性を確保することができる。
【0016】上記カーボンブラックとしては特に限定さ
れず、例えば、チャンネルブラック、ロールブラック、
ファーネスブラック、サーマルブラック等が挙げられ
る。
【0017】上記有機着色顔料としては、比較的透明性
がよく、かつ、耐熱性、耐候性及び耐溶剤性に優れたも
のが好適に用いられる。このような有機着色顔料として
は特に限定されず、例えば、ブリリアントカーミンB
S、レーキカーミンFB、ブリリアントファーストスカ
ーレット、レーキレッド4R、パーマネントレッドR、
ファーストレッドFGR、トルイジンマロン、ビスアゾ
イエロー、ファーストイエローG、ビスアゾオレンジ、
バルカンオレンジ、ピラゾロンレッド等のアゾ系や縮合
アゾ系有機着色顔料;フタロシアニンブルー、ファース
トスカイブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシ
アニン系有機着色顔料;イエローレーキ、ローズレー
キ、バイオレットレーキ、ブルーレーキ、グリーンレー
キ等の染色レーキ系有機着色顔料;オクサジン系有機着
色顔料;キノフタロン系有機着色顔料等が挙げられる。
【0018】上記有機着色顔料は、光透過性、膜表面の
均一性等の観点から、その粒径が、1μm以下のものが
好ましい。上記有機着色顔料は、均一に混合して実質的
に黒色を示すように組み合わせて使用される。また、こ
のような実質的に黒色を示すように組み合わされた有機
着色顔料の組を複数組用いることも可能である。
【0019】上記有機着色含量の組み合わせとしては、
上記カーボンブラックと共に用いられた場合に、本発明
の液晶表示素子用着色スペーサの約400〜700nm
の範囲の可視域全波長における分光透過率の最大値が3
%未満となり、かつ、可視域全波長における全光線透過
率が0.1〜2.5%となるような組み合わせが好まし
い。より好ましくは、分光透過率の最大値が2.7%未
満となり、かつ、全光線透過率が0.2〜2.0%とな
るような組み合わせである。
【0020】このような組み合わせとしては特に限定さ
れず、例えば、青色顔料と紫色顔料、赤色顔料と青色顔
料、黄色顔料と青色顔料と紫色顔料、緑色顔料と青色顔
料と紫色顔料、赤色顔料と青色顔料と紫色顔料等の組み
合わせ等が挙げられる。
【0021】また、上記顔料成分として、表面処理され
たカーボンブラックを用いることにより、その配合量が
多くなっても、得られる液晶表示素子用着色スペーサの
電気抵抗の低下が防止され、更には、カーボンブラック
の分散性が向上するので、より少ない配合量で、液晶表
示素子用着色スペーサを黒色に着色することが可能とな
る。
【0022】上記表面処理の方法としては特に限定され
ず、例えば、上記カーボンブラックを熱可塑性樹脂等に
より被覆する方法等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂と
しては特に限定されず、例えば、アルキド樹脂、変性ア
ルキド樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール
樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、
フマル酸樹脂、エステルガム、ロジン、石油樹脂、クマ
ロン樹脂、インデン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、エ
ポキシ樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹
脂、塩化ゴム、べンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂等が挙
げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0023】上記熱可塑性樹脂を用いて上記カーボンブ
ラックの表面を被覆する方法としては特に限定されず、
例えば、上記熱可塑性樹脂を含む疎水性媒体中で上記カ
ーボンブラックをボールミル等の粉砕機器を用いて微粉
化する方法;上記熱可塑性樹脂を含む疎水性媒体中に上
記カーボンブラックの水分散物を添加混合し乳化した
後、加熱によって水を留去する方法;上記熱可塑性樹脂
を含む疎水性媒体をあらかじめ加熱しておき、上記カー
ボンブラックの水分散物を添加し混合すると同時に水を
留去する方法等が挙げられる。上記方法で得られる表面
処理されたカーボンブラックは、疎水性媒体と混合可能
であるエタノール、イソプロパノール等の低級アルコー
ルを混合することにより沈殿させることができ、濾過、
デカンテーション等により回収することができる。
【0024】また、上記顔料成分として、上記表面処理
されたカーボンブラック及び上記有機着色顔料からなる
顔料成分を用いることにより、カーボンブラックの配合
量を少なくすることができ、また、カーボンブラックか
らの不純物の溶出拡散を少なくすることができるので、
得られる液晶表示素子用着色スペーサの電気抵抗の低下
をより効果的に防止することができ、充分な黒色度、良
好な物性を確保することができる。
【0025】上記表面処理されたカーボンブラック及び
上記有機着色顔料からなる顔料成分においては、上記表
面処理されたカーボンブラックの配合割合は、5〜60
重量%であり、上記有機着色顔料の配合割合は、95〜
40重量%であることが好ましい。上記表面処理された
カーボンブラックの配合割合が5重量%未満であり、上
記有機着色顔料の配合割合が95重量%を超えると、上
記有機着色顔料の配合量が多くなり、本発明の液晶表示
素子用着色スペーサの強度が低下することがある。
【0026】また、上記表面処理されたカーボンブラッ
クの配合割合が60重量%を超え、上記有機着色顔料の
配合割合が40重量%未満であると、上記表面処理され
たカーボンブラックの配合量が多くなって、カーボンブ
ラックから溶出拡散する不純物の影響が大きくなり、本
発明の液晶表示素子用着色スペーサの電気抵抗が低下す
ることがある。より好ましくは、上記表面処理されたカ
ーボンブラックの配合割合が、10〜40重量%であ
り、上記有機着色顔料の配合割合が、90〜60重量%
である。
【0027】上記重合性単量体・顔料成分混合物におい
て、上記顔料成分の配合量は、上記重合性単量体100
重量部に対して、1〜100重量部である。1重量部未
満であると、得られる液晶表示素子用着色スペーサが濃
い黒色に着色されにくく、100重量部を超えると、得
られる液晶表示素子用着色スペーサの強度が低下するこ
とがあるので、上記範囲に限定される。好ましくは、3
〜80重量部である。
【0028】上記重合性単量体に、上記顔料成分を均一
に分散させるには、例えば、ボールミル、ビーズミル、
サンドミル、アトライター、サンドグラインダー、ナノ
マイザー等を使用することができる。この場合において
は、これらの顔料成分の分散性を高めるために、分散剤
を添加してもよい。
【0029】上記分散剤としては、公知の各種の顔料用
分散剤を用いることができる。上記分散剤の配合量は、
上記重合性単量体に対して、0.01〜20重量%が好
ましい。
【0030】本発明の液晶表示素子用着色スペーサは、
上記重合性単量体に、上記顔料成分を混合分散して得ら
れる重合性単量体・顔料成分混合物を、有機過酸化物系
ラジカル重合開始剤を用いることにより、水系媒体中で
懸濁重合させることにより得られる着色架橋重合体微粒
子からなるものである。
【0031】上記有機過酸化物系ラジカル重合開始剤と
しては特に限定されず、例えば、過酸化ベンゾイル、過
酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化デカノイル、
過酸化オクタノイル、オルトメトキシ過酸化ベンゾイ
ル、過酸化p−クロロベンゾイル、過酸化2,4−ジク
ロロベンゾイル、過酸化アセチルシクロヘキシルスルフ
ォニル、過イソ酪酸t−ブチル、過ビバリン酸t−ブチ
ル、過酸化2−エチルヘキサン酸t−ブチル、過酸化ジ
t−ブチル、過酸化t−ブチルクミル、過酸化ジクミ
ル、過酸化メチルエチルケトン、クメンハイドロパーオ
キサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げ
られる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0032】本発明においては、上記有機過酸化物系ラ
ジカル重合開始剤の配合量は、上記重合性単量体100
重量部に対して、3〜10重量部である。3重量部未満
であっても、10重量部を超えても、得られる液晶表示
素子用着色スペーサの強度が低下するので、上記範囲に
限定される。好ましくは、3.5〜7.5重量部であ
る。
【0033】従来、架橋重合体微粒子の重合は、アゾ系
のラジカル重合開始剤を重合性単量体100重量部に対
して0.1〜3重量%程度の少量添加して行うことが一
般的であった。これは、アゾ系のラジカル重合開始剤で
は、添加量を多くしても得られる架橋重合体微粒子の強
度の向上はさほどみられないからである。本発明におい
ては、ラジカル重合開始剤として有機過酸化物系ラジカ
ル重合開始剤を用いるため、従来よりも多量の重合開始
剤を添加することにより、得られる着色架橋重合体微粒
子の強度を向上させることが可能となる。
【0034】上記水系媒体中での懸濁重合は、常法に従
い、例えば、上記重合性単量体・顔料成分混合物、及
び、上記有機過酸化物系ラジカル重合開始剤を、分散安
定剤の存在下に攪拌しつつ、好ましくは、25〜100
℃、より好ましくは、50〜90℃の範囲で行われる。
【0035】上記分散安定剤としては特に限定されず、
例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル硫酸ナトリウム等の界面活性剤;ゼラチン、デンプ
ン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルキル
エーテル、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子;硫
酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム等の難水溶
性無機塩等が挙げられる。
【0036】本発明の液晶表示素子用着色スペーサは、
例えば、上記懸濁重合により得られる着色架橋重合体微
粒子を、ろ過、遠心分離等の手段で分離し、水等で洗浄
した後、加熱、減圧等により乾燥させることにより得る
ことができる。
【0037】この場合においては、上記着色架橋重合体
微粒子を乾燥させた後に、更に分級することが好まし
い。上記着色架橋重合体微粒子を分級することにより得
られる本発明の液晶表示素子用着色スペーサは、粒径分
布がより向上したものとなるので、セルギャップムラの
発生等、粒径分布が広いことに起因する不具合の発生が
防止される。上記分級は、例えば、特願平8−1691
54号、特願平8−169155号等に開示されている
分級装置等を用いることにより行うことができる。
【0038】本発明の液晶表示素子用着色スペーサの強
度は、特公平7−95165号公報に開示されているK
値及び回復率により表すのが好都合である。上記K値及
び上記回復率の定義及び測定方法の詳細に関しては、上
記公報に記載されているのでここでは概略のみを記載す
る。
【0039】上記K値は、下記式により求められる値で
ある。 K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2
【0040】上記式において、F、Sは、それぞれ、微
球体の20℃における10%圧縮変形時の荷重値(Kg
f)、圧縮変位(mm)であり、Rは微球体の半径(m
m)である。
【0041】上記回復率は微球体に対する一定荷重の負
荷除荷試験より求められる値である。上記回復率は、微
球体の塑性変形の程度を示し、値が低い程、塑性変形性
が大きいことを意味する。
【0042】本発明の液晶表示素子用着色スペーサにお
ける上記K値は、250〜1000Kgf/mm2 が好
ましい。250Kgf/mm2 未満であると、セル押圧
時のスペーサの変形が塑性変形となるため、セルギャッ
プの再現性が不良で信頼性の低下を招き、更には押圧時
の圧力によりスペーサが破壊される等の不都合な現象を
引き起こすことがある。また、1000Kgf/mm2
を超えると、変形性に乏しく、スペーサの粒径分布がそ
のままセルギャップのムラに反映されることがある。
【0043】従来のスチレン系ポリマー微粒子からなる
液晶表示素子用着色スペーサにおける上記K値は、高々
240Kgf/mm2 程度であったが、本発明の液晶表
示素子用着色スペーサは、上記K値を上記範囲とするこ
とが可能であり、極めて高強度のものである。
【0044】本発明の液晶表示素子用着色スペーサの平
均粒径は、目的によって適宜に設計し得るが、通常、1
〜20μmが好ましい。
【0045】本発明の液晶表示素子用着色スペーサは、
粒径分布の標準偏差がその平均粒径の20%以下のもの
であることが好ましい。20%を超えると、セルギャッ
プムラが発生しやすく、多数個のスペーサのうち、特に
セルギャップよりも粒径の小さいスペーサがパネルの空
間内で移動し、電極の周辺に凝集する等の不都合が生じ
る。より好ましくは、10%以下である。
【0046】本発明2は、本発明1の液晶表示素子用着
色スペーサを用いてなる液晶表示素子である。本発明2
の液晶表示素子は、スペーサとして本発明1の液晶表示
素子用着色スペーサを用いること以外は、従来一般的な
液晶表示素子と同様の構成からなるものである。
【0047】本発明2の液晶表示素子は、例えば、配向
膜及び透明電極が配置された2枚のガラス基板を、本発
明1の液晶表示素子用着色スペーサを介して対向させ、
上記ガラス基板間に液晶を封入することにより得ること
ができる。
【0048】本発明2の液晶表示素子は、スペーサとし
て、高強度であり、かつ、高い黒色度を有する本発明1
の液晶表示素子用着色スペーサを用いてなるものである
ので、高コントラストであり、表示品質に優れたもので
ある。
【0049】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0050】実施例1 テトラメチロールメタントリアクリレート60重量部、
ジビニルベンゼン20重量部及びアクリロニトリル20
重量部を均一に混合し、更に、ポリエチレンにより表面
が被覆されたカーボンブラック12重量部を添加し、ビ
ーズミルを用いて48時間かけて表面が被覆されたカー
ボンブラックを均一に分散させた。この表面が被覆され
たカーボンブラックが分散された重合性単量体・顔料成
分混合物に、過酸化ベンゾイル5重量部を均一に混合
し、これを3重量%濃度のポリビニルアルコール水溶液
850重量部に投入し、充分に攪拌した後、ホモジナイ
ザーで重合性単量体・顔料成分混合物液滴の粒径が3〜
10μmの微粒状になるように懸濁させ、懸濁液を得
た。得られた懸濁液を攪拌しながら窒素気流下80℃で
15時間重合を行った。得られた微球体を濾過し充分に
水洗し乾燥させて、平均粒径が3〜10μmである着色
架橋重合体微粒子を得た。この着色架橋重合体微粒子を
分級して、平均粒径5.95μm、粒径の変動係数2.
36%の着色架橋重合体微粒子を得た。
【0051】得られた着色架橋重合体微粒子の10%圧
縮変形時のK値を測定したところ、480Kgf/mm
2 であった。また、回復率として73%の値が得られ
た。また、得られた着色架橋重合体微粒子の黒色度を次
のようにして測定した。この着色架橋重合体微粒子と同
一組成の重合性単量体及び顔料成分の混合組成物を重合
させてなる1mmの厚みを有する薄片状物を調製し、こ
の薄片状物について、分光光度計を用いて400〜70
0nmの可視域全波長における分光透過率を測定し、そ
の最大値をもって着色架橋重合体微粒子の黒色度とし
た。得られた着色架橋重合体微粒子の黒色度をこのよう
にして測定したところ、2.5%であった。これらの測
定値から、得られた着色架橋重合体微粒子は、強度も黒
色度も充分なものであり、液晶表示素子用着色スペーサ
として好適なものであることが確認された。
【0052】実施例2 過酸化ベンゾイルを7重量部としたこと以外は、実施例
1と同様にして、平均粒径5.57μm、粒径の変動係
数2.54%の着色架橋重合体微粒子を得た。
【0053】得られた着色架橋重合体微粒子の10%圧
縮変形時のK値は470Kgf/mm2 であり、回復率
は71%であり、黒色度は2.2%であった。これらの
測定値から、得られた着色架橋重合体微粒子は、強度も
黒色度も充分なものであり、液晶表示素子用着色スペー
サとして好適なものであることが確認された。
【0054】実施例3 ジビニルベンゼンの代わりにエチレングリコールジメタ
アクリレート、過酸化ベンゾイルの代わりに過酸化ラウ
ロイルを6重量部用いたこと以外は、実施例1と同様に
して、平均粒径5.71μm、粒径の変動係数2.47
%の着色架橋重合体微粒子を得た。
【0055】得られた着色架橋重合体微粒子の10%圧
縮変形時のK値は460Kgf/mm2 であり、回復率
は68%であり、黒色度は2.5%であった。これらの
測定値から、得られた着色架橋重合体微粒子は、強度も
黒色度も充分なものであり、液晶表示素子用着色スペー
サとして好適なものであることが確認された。
【0056】実施例4 被覆されたカーボンブラック12重量部の代わりに、被
覆されたカーボンブラック8重量部、フタロシアニンブ
ルー10重量部、ジオキサジンバイオレット10重量部
及びイソインドリノイエロー10重量部を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして、平均粒径5.66μm粒
径、変動係数2.52%の着色架橋重合体微粒子を得
た。
【0057】得られた着色架橋重合体微粒子の10%圧
縮変形時のK値は460Kgf/mm2 であり、回復率
は68%であり、黒色度は2.5%であった。これらの
測定値から、得られた着色架橋重合体微粒子は、強度も
黒色度も充分なものであり、液晶表示素子用着色スペー
サとして好適なものであることが確認された。
【0058】比較例1 過酸化ベンゾイルを1重量部としたこと以外は、実施例
1と同様にして、平均粒径5.19μm粒径、変動係数
3.42%の着色架橋重合体微粒子を得た。
【0059】得られた着色架橋重合体微粒子の10%圧
縮変形時のK値は230Kgf/mm2 であり、回復率
は25%であった。これらの測定値から、得られた着色
架橋重合体微粒子は、強度が低いものであり、液晶表示
素子用着色スペーサとして使用に耐えないものであるこ
とが確認された。
【0060】比較例2 過酸化ベンゾイルを15重量部としたこと以外は、実施
例1と同様にして、平均粒径5.38μm、粒径の変動
係数3.66%の着色架橋重合体微粒子を得た。
【0061】得られた着色架橋重合体微粒子の10%圧
縮変形時のK値は220Kgf/mm2 であり、回復率
は27%であった。これらの測定値から、得られた着色
架橋重合体微粒子は、強度が低いものであり、液晶表示
素子用着色スペーサとして使用に耐えないものであるこ
とが確認された。
【0062】比較例3 被覆されたカーボンブラックを120重量部としたこと
以外は、実施例1と同様にして、平均粒径5.09μ
m、粒径の変動係数3.94%の着色架橋重合体微粒子
を得た。
【0063】得られた着色架橋重合体微粒子の10%圧
縮変形時のK値は170Kgf/mm2 であり、回復率
は21%であった。これらの測定値から、得られた着色
架橋重合体微粒子は、強度が低いものであり、液晶表示
素子用着色スペーサとして使用に耐えないものであるこ
とが確認された。
【0064】比較例4 被覆されたカーボンブラックを0.5重量部としたこと
以外は、実施例1と同様にして、平均粒径6.17μ
m、粒径の変動係数2.18%の着色架橋重合体微粒子
を得た。
【0065】得られた着色架橋重合体微粒子の10%圧
縮変形時のK値は510Kgf/mm2 であり、回復率
は75%であり、黒色度は74.4%であった。これら
の測定値から、得られた着色架橋重合体微粒子は、強度
は充分なものであるが、黒色度が極めて低いものであ
り、液晶表示素子用着色スペーサとして使用に耐えない
ものであることが確認された。
【0066】比較例5 単量体として、テトラメチロールメタントリアクリレー
ト15重量部、ジビニルベンゼン15重量部、スチレン
50重量部及びアクリロニトリル20重量部を用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして、平均粒径5.90μ
m、粒径の変動係数2.39%の着色架橋重合体微粒子
を得た。
【0067】得られた着色架橋重合体微粒子の10%圧
縮変形時のK値は200Kgf/mm2 であり、回復率
は21%であった。これらの測定値から、得られた着色
架橋重合体微粒子は、強度が低いものであり、液晶表示
素子用着色スペーサとして使用に耐えないものであるこ
とが確認された。
【0068】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子用着色スペーサ
は、上述の構成からなるので、高強度でかつ黒色度の高
いものである。従って、本発明の液晶表示素子用着色ス
ペーサを用いてなる液晶表示素子は、高コントラストで
あり、表示品質に優れたものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色架橋重合体微粒子からなる液晶表示
    素子用着色スペーサであって、前記着色架橋重合体微粒
    子は、架橋性単量体を50重量%以上含有する重合性単
    量体100重量部に対して顔料成分1〜100重量部を
    混合分散して得られる重合性単量体・顔料成分混合物
    を、前記重合性単量体100重量部に対して3〜10重
    量部の有機過酸化物系ラジカル重合開始剤を用いること
    により、水系媒体中で懸濁重合させることにより得られ
    るものであることを特徴とする液晶表示素子用着色スペ
    ーサ。
  2. 【請求項2】 着色架橋重合体微粒子を、更に分級する
    ことにより得られることを特徴とする請求項1記載の液
    晶表示素子用着色スペーサ。
  3. 【請求項3】 顔料成分が、カーボンブラック及び有機
    着色顔料からなるものであることを特徴とする請求項1
    又は2記載の液晶表示素子用着色スペーサ。
  4. 【請求項4】 顔料成分が、表面処理されたカーボンブ
    ラックであることを特徴とする請求項1又は2記載の液
    晶表示素子用着色スペーサ。
  5. 【請求項5】 顔料成分が、表面処理されたカーボンブ
    ラック及び有機着色顔料からなるものであることを特徴
    とする請求項1又は2記載の液晶表示素子用着色スペー
    サ。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶
    表示素子用着色スペーサを用いてなることを特徴とする
    液晶表示素子。
JP32444397A 1997-11-26 1997-11-26 液晶表示素子用着色スペーサ及び液晶表示素子 Pending JPH11160715A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257180A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Hayakawa Rubber Co Ltd 着色粒子の製造方法

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