JPH11160554A - ファイバグレーティング - Google Patents

ファイバグレーティング

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JPH11160554A
JPH11160554A JP9324167A JP32416797A JPH11160554A JP H11160554 A JPH11160554 A JP H11160554A JP 9324167 A JP9324167 A JP 9324167A JP 32416797 A JP32416797 A JP 32416797A JP H11160554 A JPH11160554 A JP H11160554A
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JP
Japan
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coating layer
core
optical fiber
grating
ultraviolet
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Pending
Application number
JP9324167A
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English (en)
Inventor
Kazuo Imamura
一雄 今村
Tadahiko Nakai
忠彦 中井
Takahide Sudo
恭秀 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Publication date
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Priority to CA002311725A priority patent/CA2311725A1/en
Priority to EP98955930A priority patent/EP1035425A4/en
Priority to PCT/JP1998/005311 priority patent/WO1999027399A1/ja
Priority to US09/554,599 priority patent/US6751380B1/en
Publication of JPH11160554A publication Critical patent/JPH11160554A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝送特性の悪化を招くことなく容易にブラッ
ググレーティングの書き込みを可能とし、加えて、伝送
特性の安定化のみならず温度特性の安定化をも図り得て
信頼性の高いファイバグレーティングを提供する。 【解決手段】 コア2として、接続対象の光ファイバの
コアと同等の通常濃度のGe に加え、所定濃度のSn 及
びAl を共ドープしたものを用いる。コア及びクラッド
3のガラス部Fに対し、240nm〜270nmの紫外
線を透過する一方、240nmよりも短い波長域または
270nmよりも長い波長域の紫外線を吸収して硬化す
る紫外線透過型樹脂により一次被覆層4を施す。一次被
覆層の外側から紫外線を照射してコアに対しブラッググ
レーティングの書き込みを行う。一次被覆層に対し、温
度変化に伴いガラス部の正の線膨張係数に起因する伸び
縮みを打ち消して抑制するように負の線膨張係数を有す
る樹脂により2次被覆層7を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバのコア
に対し縞状に屈折率に差をつけた回折格子(グレーティ
ング)を書き込み、このグレーティングによってそのグ
レーティングに対応した特定波長(Bragg 反射波長)の
光を反射させるデバイスもしくはフィルタとして用いら
れるファイバグレーティングに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のファイバグレーティ
ングとして、光ファイバのコアに対しグレーティングを
2光束干渉法もしくは位相マスク法等によって書き込ま
れたものが知られている(例えば、特開平6−2358
08号公報、特開平7−140311号公報、特許第2
521708号参照)。このようなファイバグレーティ
ングでは、ゲルマニュウム(Ge )をドープした石英ガ
ラス(コア)に対しコヒーレントな紫外レーザー光を照
射することにより該当箇所に光誘起屈折率変化を生ぜし
めてブラッグ(Bragg )グレーティングが生成(書き込
み)されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、書き込み対
象である光ファイバは、一般に、コア及びクラッドに対
し紫外線を吸収して硬化反応を生じる紫外線硬化型樹脂
等による被覆層が被覆されたものであり、紫外線照射に
より上記のブラッググレーティングを書き込むには、上
記の2光束干渉法もしくは位相マスク法等にしても通常
は書き込み対象部位の被覆層を除去した状態で行われ、
ブラッググレーティングの書き込み終了後に、その被覆
層除去部分に対し再被覆が行われている。
【0004】ところが、上記被覆層を除去すると、光フ
ァイバ素線の外表面(クラッドの外表面)が外気と接触
することになり、書き込み作業期間における空気との接
触により光ファイバ素線に劣化が進行して伝送特性の悪
化を招くおそれがある。その上に、上記書き込み対象部
位の被覆層の除去は光ファイバ素線に対する損傷防止の
ために機械的手段ではなく例えば薬品により溶解させる
化学的処理により行われ、この被覆層の除去工程に手間
がかかるためブラッググレーティング書き込みを大量処
理する上で効率を阻害する要因となっている。
【0005】一方、被覆層を除去しないで被覆層の外側
から紫外線を照射することによりブラッググレーティン
グの書き込みを有効に行うには、書き込み対象の光ファ
イバのコア部分の光誘起屈折率変化に対する感度(フォ
トセンシティビティ)を高めることが考えられる。この
フォトセンシティビティを高める、すなわち、比較的大
きな光誘起屈折率変化を生じさせる手法として、書き込
み対象のコアとして、通常濃度(コア/クラッドの比屈
折率差が例えば0.9%になる程度の濃度)よりも高濃
度(比屈折率差が例えば1.5〜2.0%になる程度の
濃度)のGe をドープしたコアを用いるか、もしくは、
通常濃度のGe をドープした後に高圧下で水素を充填し
たコアを用いることが提案されている(電子情報通信学
会論文誌Vol.J79-C-1 ,No.11 ,415 頁,1996年1
1月参照)。
【0006】しかしながら、上記の高濃度のGe をドー
プしたコアを用いてファイバグレーティングを製作した
場合、このファイバグレーティングをフィルタ等として
使用するために通常の光ファイバに介装すると、上記フ
ァイバグレーティングに対し接続(融着)される光ファ
イバのコアが通常濃度でGe ドープされた通常仕様のも
のであるため両コア間の整合がとれず、Ge ドープの濃
度の差に起因して接続損失が増大してしまうという不都
合が生じることになる。一方、上記の高圧水素充填を施
したコアを用いてファイバグレーティングを製作しよう
とすると、充填した水素が時間の経過と共に拡散し、比
較的短期間(例えば数日間)で水素充填前の状態に戻っ
てしまうため、紫外線照射によるブラッググレーティン
グの形成期間がかなり短期間に制限されてしまう上に、
上記の水素抜けを考慮して書き込む必要があるため紫外
線照射の波長制御が困難になるという不都合が生じる。
【0007】さらに、ブラッググレーティングが書き込
まれたファイバグレーティングが温度変化の影響を受け
たり、外部からの張力の影響を受けて伸び縮みするとブ
ラッググレーティングの反射波長がシフトしてしまうた
め、ファイバグレーティングとしては機械的強度特性及
び温度変化が生じても伸び縮みしないような安定した温
度特性を具備する必要がある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、伝送特性の悪
化を招くことなく容易にブラッググレーティングの書き
込みを可能とし得るファイバグレーティングを提供する
ことにある。加えて、伝送特性の安定化のみならず温度
特性の安定化をも図り得て信頼性の高いファイバグレー
ティングを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、書き込み対象である光ファ
イバをコア及びクラッドに対し紫外線透過型樹脂の被覆
層により被覆されたものとし、上記紫外線透過型樹脂の
被覆層の外側から紫外線を照射することにより上記コア
に対しブラッググレーティングが書き込まれてなる構成
とするものである。
【0010】上記の構成の場合、コア及びクラッドに対
し被覆されている被覆層が紫外線透過型樹脂により形成
されているため、上記被覆層の外側から紫外線を照射し
てもその紫外線が被覆層を透過してコアまで有効に照射
されてそのコアに対しブラッググレーティングを有効に
書き込むことが可能になる。従って、ブラッググレーテ
ィングの書き込みが被覆層を除去することなしに可能で
あるため、被覆層の除去に伴う伝送特性の悪化を招くこ
となく、しかも、その被覆層除去の工程を省略して容易
にファイバグレーティングの製造が可能になる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明における紫外線透過型樹脂の被覆層として、少なくと
もブラッググレーティング書き込み用の特定波長帯の紫
外線を透過する特性を有する構成とするものである。
【0012】上記の構成の場合、紫外線透過型樹脂の被
覆層として好ましいものが具体的に特定される。すなわ
ち、上記被覆層としてはブラッググレーティング書き込
み用の特定波長帯、例えば240nm〜270nmの波
長帯の紫外線を透過するものであればよい。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明における紫外線透過型樹脂の被覆層として、ブラッグ
グレーティング書き込み用の特定波長帯よりも短い波長
域または長い波長域の紫外線を吸収して硬化する特性を
有する構成とするものである。
【0014】上記の構成の場合、紫外線透過型樹脂の被
覆層としてより好ましいものが具体的に特定される。す
なわち、上記被覆層としては上記の特定波長帯の紫外線
を透過するためブラッググレーティングの書き込みが被
覆層の外側からの紫外線照射により可能になると同時
に、被覆層形成時において紫外線を吸収して被覆層が硬
化されて光ファイバの保護被覆としての役割を果たすこ
とになる。
【0015】また、請求項4記載の発明は、請求項1ま
たは請求項2記載の発明におけるコアとして、接続対象
の光ファイバのコアと同等のGe に加え少なくともSn
が共にドープされて製造されたものとするものである。
なお、上記のGe 及びSn のドープ量としては、Ge を
クラッドに対するコアの比屈折率差が0.9%になる程
度の量とする一方、Sn を濃度10000ppm以上と
するのが好ましい。中でも、共ドープするSn の量とし
ては、濃度10000〜15000ppmとするのが好
ましい。
【0016】上記の構成の場合、共ドープされたSn
(錫)によってコアの光誘起屈折率変化が通常濃度のG
e をドープしただけのコアと比べ定常的に増大すること
になり、この結果、紫外線を照射した場合に通常濃度の
Ge をドープしただけのコアと比べ増大して反射率が増
大することになる。すなわち、ブラッググレーティング
により反射される特定波長(ブラッグ波長)λB は次の
(1) 式により表され、そのブラッグ波長の光を反射する
反射率RB は(2) 式により表される。
【0017】
【数1】
【0018】
【数2】
【0019】ここで、上記のSn を共ドープすることに
より紫外線を照射した場合に上記の(2) 式における屈折
率変調分Δn が通常濃度のGe をドープしただけのコア
と比べ増大し、その結果、反射率RB が増大することに
なる。従って、被覆層を紫外線透過型樹脂により形成す
ることによって被覆層を除去することなしにブラッググ
レーティングの書き込みを有効に行い得ることになる上
に、上記のSn の共ドープによって書き込まれるブラッ
ググレーティングの反射率の増大効果が得られることに
なる。
【0020】しかも、Ge ドープの濃度は接続対象の光
ファイバのコアと同等であるため、通常仕様の光ファイ
バと接続しても接続損失の増大を招くこともない。さら
に、高圧水素充填を行わなくても、上記のSn の共ドー
プによって反射率の増大が定常的に得られるため、上記
の高圧水素充填を行った場合のブラッググレーティング
の形成期間に対する制限を受けることもない。
【0021】ここで、紫外線照射に対する光誘起屈折率
変化のメカニズムについては、Ge原子とSi O2 (石
英ガラス)との結合が紫外線照射により変化して屈折率
変化を生じるとするクラマース−クローニッヒ機構に基
づく考え方、ガラス結合が紫外線照射により切断されて
ガラス構造の潰れが生じ、これにより、密度が増大して
屈折率が上昇するとする圧縮モデルに基づく考え方、ま
たは、双極子モデルに基づく考え方等の種々のものが提
案されているが、未だ完全には解明されていないのが実
情である。そして、上記のSn の共ドープにより光誘起
屈折率変化が増大するメカニズムについても定かではな
いが、本願発明者は、手間とかなりの期間(例えば2週
間)を要する上にブラッググレーティングの形成期間に
制限がある高圧水素充填という手段を用いることなく、
しかも、接続損失を招くことのないようにGe のドープ
量を通常仕様と同等にすることを前提にして、コアに対
するドープ物質について種々の検討・試験を行った結
果、上記のSn の共ドープを行えば従来の不都合を招く
ことなく反射率を増大させ得ることを見出だした。
【0022】さらに、請求項5記載の発明は、請求項
1、請求項2または請求項4のいずれかに記載の発明に
おける光ファイバとして、ブラッググレーティングが書
き込まれた状態で紫外線透過型樹脂の被覆層の外表面が
2次被覆層により被覆されたものとし、上記2次被覆層
として、正の線膨張係数を有する光ファイバのガラス部
の温度変化に対する膨張を打ち消すよう負の線膨張係数
を有する素材により形成する構成とするものである。上
記の如き負の線膨張係数を有する2次被覆層としては、
例えば液晶高分子ポリマー(LCP;Liquid Crystal P
olymer)を用いて形成すればよい。
【0023】上記の構成の場合、温度変化、例えば温度
上昇が生じてコア及びクラッドが膨張傾向になっても、
2次被覆が収縮傾向となって上記コア及びクラッドの膨
張傾向を抑制してその膨張傾向を打ち消すことになる。
その結果、ファイバグレーティングは温度変化を受けて
も伸縮することなく温度変化前の状態と同じ状態に保持
され、すなわち、温度変化に対する安定性の向上が図ら
れ、これにより、伸縮に起因する反射波長のシフトも防
止・抑制され、確実に同じ反射機能の維持が図られる。
ここで、上記の膨張傾向となるコア及びクラッドと、収
縮傾向となる2次被覆との間で両境界面に密着する紫外
線透過型樹脂による一次被覆層が伸び縮みを打ち消し合
う緩衝層としての役割を果たすことになる。また、この
2次被覆層をブラッググレーティングの書き込み部位の
みならず、ファイバグレーティングを構成する光ファイ
バの全長に亘り連続して形成することにより、上記の温
度変化に対する安定性向上のみならず、外部張力に対す
る機械的強度特性の向上をも図られることになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0025】図1は、本発明の実施形態に係るファイバ
グレーティングの製造方法の一例を説明するものであ
り、1はファイバグレーティングを構成する書き込み対
象の光ファイバとしての所定長さの光ファイバ心線、2
はブラッググレーティング(回折格子)21が書き込ま
れるコア、3は上記光ファイバ心線1のクラッド、4は
このクラッド3の外表面に被覆された一次被覆層であ
る。
【0026】上記光ファイバ心線1のコア2は、通常仕
様の光ファイバと同等のGe に加えSn 、或いは、Sn
及びAl が共ドープされて製造されたものである。ここ
で、通常仕様の光ファイバとは上記光ファイバ心線1に
対し接続される接続対象の光ファイバ心線のことであ
り、このような光ファイバ心線はそのコアに対し比屈折
率差が0.9%となる程度の量のGe がドープされて製
造されたものである。そして、上記光ファイバ心線1の
コア2には、上記の通常仕様の光ファイバのコアと同量
(比屈折率差が0.9%となる程度の量)のGe に加
え、濃度10000ppm以上、好ましくは濃度100
00〜15000ppmのSn 、或いは、このような濃
度のSn 及び濃度1000ppm以上のAl が共ドープ
されている。
【0027】上記のドープは種々の公知の方法により行
えばよく、例えば浸漬により行う場合には、上記Ge や
Sn の化合物(Sn の場合、例えばSn Cl2 ・2H2
O)をメチルアルコールと混合し、その溶液の中に浸漬
すればよい。
【0028】また、上記一次被覆層4は紫外線を透過す
る特性を有する紫外線透過型の樹脂により形成されたも
のである。この一次被覆層4としては、ブラッググレー
ティング21の書き込みのために照射される紫外線の特
定波長帯(例えば240nm〜270nmの波長帯)を
少なくとも透過させるものであればよく、特に好ましく
は上記特定波長帯の紫外線を殆ど吸収せずに透過させる
一方、上記特定波長帯よりも短い波長または長い波長の
紫外線を吸収して硬化反応を生じさせるものが用いられ
る。つまり、同じ樹脂ではあるが波長によって紫外線吸
収特性が異なり、上記特定波長帯では紫外線透過型であ
る一方、上記特定波長帯よりも短い波長域または長い波
長域では紫外線硬化型であるような樹脂により上記一次
被覆層4を形成するのが最も好ましい。このような樹脂
としては、ウレタン系アクリレートもしくはエポキシ系
アクリレートに対し例えば240nmよりも短い波長域
または270nmよりも長い波長域の紫外線を受けて硬
化反応を開始・促進させるような光開始剤(フォトイニ
シエータ)を配合したものを用いればよい。
【0029】次に、上記の如くGe と、所定濃度のSn
またはSn 及びAl とが共ドープされて製造されたコア
2と、紫外線透過型樹脂により被覆された一次被覆層4
とを有する光ファイバ心線1に対しブラッググレーティ
ング21の書き込みを行う。このブラッググレーティン
グ21の書き込みは周知の種々の方法を採用して行えば
よく、例えば位相マスク法により行う場合には、図1に
示すように上記光ファイバ心線1の側方直前に格子状の
位相マスク5を配設し、この位相マスク5に対し紫外レ
ーザー光をシリンドリカルレンズ系6を介して照射すれ
ばよい。この場合、例えばNd-YAGレーザの4倍波長
である266nmのコヒーレント紫外光を照射すればよ
い。これにより、コア2に対し上記の位相マスク5の格
子ピッチに対応したグレーティングピッチのブラッググ
レーティング21が書き込まれることになる。
【0030】このブラッググレーティング21の書き込
みに際し、光ファイバ心線1の外表面層を構成する一次
被覆層4が紫外線透過型樹脂により形成されているた
め、照射された紫外レーザ光を透過させて書き込み対象
のコア2に対し有効に照射させることができ、そのコア
21に対しブラッググレーティング21の書き込みを有
効に行うことができるようになる。従って、一次被覆層
を除去することなしにブラッググレーティング21の書
き込みを容易に行うことができ、従来の如く面倒な被覆
層の除去作業を省略することができる。これにより、フ
ァイバグレーティングの大量製造が容易にかつ効率的に
行い得るようになる。
【0031】その上に、書き込み対象のコア2がGe に
加え、Sn もしくはSn 及びAl が共ドープされたもの
であるため、上記紫外レーザー光の照射を受けて比較的
大きな光誘起屈折率変化を生じさせ(フォトセンシティ
ビティの高感度化)、高反射率のブラッググレーティン
グ21の形成が可能になる。しかも、このようなブラッ
ググレーティング21の高反射率化が通常仕様の光ファ
イバのものと同等のGe ドープ量のままで達成できるた
め、ファイバグレーティングを構成する光ファイバ心線
1の両端に対し通常仕様の光ファイバ心線を接続しても
Ge ドープ量の非整合に伴う接続損失が発生するおそれ
もなく、さらに、上記光誘起屈折率変化の増大化が定常
的なものであるため、高圧水素充填による高反射率化の
場合に受けるブラッググレーティングの形成期間の制限
が生じることはない。
【0032】そして、上記の如くブラッググレーティン
グ21が書き込まれた光ファイバ心線1の一次被覆層4
の外表面に対し、図2に示すように、さらに負の線膨張
係数を有する2次被覆層7を上記光ファイバ心線1の全
長に対し連続して被覆することにより、ファイバグレー
ティングを構成する最終的な光ファイバ心線1′とされ
る。
【0033】上記2次被覆層7は、コア2及びクラッド
3からなるガラス部Fの温度変化に対する伸び縮みを抑
制してそれを打ち消す方向に伸び縮みをし、結果として
ファイバグレーティング全体の温度変化に対する伸び縮
みを可及的に抑制・防止し得る温度特性を有するように
構成されている。具体的には、上記2次被覆層7は、上
記ガラス部Fが有する正の線膨張係数とバランスするよ
うな値の負の線膨張係数を有する樹脂により形成され
る。より詳しくは、上記ガラス部Fの正の線膨張係数に
その硬さ(ヤング率)及び断面積をも加味したガラス部
Fの温度特性に対し、上記2次被覆層7の負の線膨張係
数にその硬さ(ヤング率)及び断面積を加味した2次被
覆層7の温度特性がバランス、すなわち、正負の温度特
性がバランスするように上記2次被覆層7の負の線膨張
係数、ヤング率、及び、断面積(2次被覆層7の外径も
しくは層厚)が定められる。
【0034】このような方針の基に定められる上記2次
被覆層7の具体仕様の例を図3に基づいて説明する。上
記ガラス部Fの正の線膨張係数を0.6ppm/℃、ヤ
ング率を73GPa 、断面積を0.0123mm2 (外
径0.125mm)、及び、一次被覆層4の外径を0.
25mmとした場合の2次被覆層7の具体仕様は、その
2次被覆層7の断面積、線膨張係数及びヤング率をパラ
メータとして図3の如くなる。すなわち、2次被覆層7
のヤング率を10GPa 、30GPa 、50GPa 、に
設定し、外径を種々変化させて断面積を変化させた場合
に、ガラス部Fの正の温度特性とバランスさせる上で必
要となる2次被覆層7の負の線膨張係数が図3から得ら
れることになる。これによると、断面積が0.1mm2
以下の極めて小さい領域を除き、断面積の如何に拘らず
−5ppm/℃〜−10ppm/℃の線膨張係数を2次
被覆層7が有していればよいことになる。加えて、特性
としてはヤング率の値が高い(硬い)程、絶対値でより
小さい負の線膨張係数でよい一方、ヤング率の値が低い
(軟らかい)程、温度変化に対しより大きく縮む必要の
あることから絶対値でより大きな負の線膨張係数を有す
ることが必要となるものの、ヤング率の高低に対する負
の線膨張係数の変動は比較的狭い範囲に限られている。
しかも、上記の断面積が極めて小さい場合をも含め、2
次被覆層7が必要とする線膨張係数は−5ppm/℃以
下に設定すればよいことになる。このような2次被覆層
7の形成に用いる樹脂としては、例えば、−5ppm/
℃以下の線膨張係数と、10GPa 以上のヤング率を有
する液晶高分子材料であるVectra A950(ポリプラ
スチックス株式会社製品名)を用いればよい。
【0035】なお、上記図3の場合における一次被覆層
4の線膨張係数は100ppm/℃、また、ヤング率は
1〜500MPa である。
【0036】上記の如き負の線膨張係数を有する2次被
覆層7がファイバグレーティングを構成する光ファイバ
心線1′に対し被覆されているため、上記ファイバグレ
ーティングが温度変化を受けても伸び縮みの発生が抑制
・防止され、書き込まれたブラッググレーティング21
の機能、つまり、特定波長の光を反射する機能を所期の
ものと同じに維持させることができるようになる。すな
わち、上記ファイバグレーティングのガラス部は正の線
膨張係数を有しているため雰囲気温度の上昇に伴い膨張
して伸びようとするものの、2次被覆層7が負の線膨張
係数を有しているため上記温度上昇に伴い縮もうとす
る。このため、上記ガラス部Fの伸長力と、2次被覆層
7の縮小力とが一次被覆層4を介して互いに干渉してバ
ランスすることになり、この結果、上記ガラス部Fの伸
長が抑制・防止されて温度上昇前の状態と同じ状態に維
持されることになる。
【0037】加えて、上記の2次被覆層7がファイバグ
レーティングを構成する光ファイバ心線1′に対しブラ
ッググレーティング21の書き込み部位の局部的にでは
なくその光ファイバ心線1′の全長に亘り連続して被覆
されているため、上記のガラス部Fの伸長力と、2次被
覆層7の縮小力とのバランスが光ファイバ心線1′の全
長に亘り発揮されることになり、この結果、ファイバグ
レーティング全体としての機械的強度特性の安定化をも
図ることができるようになる。
【0038】以上のようなブラッググレーティング21
が書き込まれたファイバグレーティングの用途として
は、以下のようなものがある。例えば、分波器もしくは
合波器として用いる場合には、図4に示すように比較的
狭い幅の多くの異なる波長λ1〜λn の光を伝送する場
合に、その内の特定波長λi の光だけを反射させその特
定波長λi の光をサーキュレータ8を介して分波させれ
ばよく、このような構成にして例えばAdd-Drop型波長多
重通信の分野において用いられる。
【0039】また、図5に示すようにチャープトファイ
バグレーティング21′とすることで多層膜フィルタの
代用品として用いることができる。すなわち、複数の波
長帯(λ1 〜λn )の内から特定波長帯(中心波長λi
)の光を反射させることにより上記特定波長帯の光を
カットし、その特定波長帯を除く波長帯の光を透過させ
るようにするものである。上記のチャープトファイバグ
レーティング21′の応用例としては、特定波長帯の内
でも長波長側の光が早期に反射される一方、短波長の光
が遅れて反射されるという遅延特性を利用して、そのよ
うな反射波をサーキュレータにより取り出して分散状態
で伝送させるという分散補償器として用いることもでき
る。
【0040】さらに、図6に示すように増幅媒体9を挟
んで両側にブラッググレーティング21,21を形成す
ることにより、各ブラッググレーティング21をレーザ
ーミラーとしての役割を果たさせて共振器を構成するこ
とができる。すなわち、特定波長の光を増幅媒体9を挟
んで両側のブラッググレーティング21,21で相互に
反射させるようにするものである。
【0041】本実施形態では、上記の如き各用途におい
てブラッググレーティング21,21′の高反射率化が
図られるため、特定波長もしくは特定波長帯の光をほぼ
完全に反射させることができ、その特定波長もしくは特
定波長帯の光のほぼ全てを取り出しもしくは遮断するこ
とができるようになる。
【0042】<他の実施形態>なお、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、
Ge に対し共ドープする金属元素をSn 或いはSn 及び
Al としているが、これに限らず、例えばセシウム(C
e )、プラセオジウム(Pr )、テルビウム(Tb )も
しくはボロン(B)の各種金属元素の内の一種もしくは
二種以上をGe と共ドープしてもよい。さらに、Ge に
対し、Sn と上記各種金属元素との組み合わせを共ドー
プしてもよい。
【0043】
【実施例】<試験例1>紫外線透過樹脂による一次被覆
層4の外側からの紫外線照射により、ブラッググレーテ
ィングが有効に書き込まれるか否かを調べた。
【0044】すなわち、Ge とSn 及びAl とを共ドー
プしたコア2を有する光ファイバ素線を用い、その光フ
ァイバ素線に対し紫外線透過型樹脂による一次被覆層4
を施した光ファイバ心線1にその一次被覆層4の外側か
ら紫外線を照射してブラッググレーティングを書き込ん
だ試料1と、上記光ファイバ素線のコア2に対し高圧水
素充填を施し、その光ファイバ素線に第1実施例と同様
の紫外線透過型樹脂による一次被覆層4を施した光ファ
イバ心線1に対しその一次被覆層4の外側から紫外線を
照射してブラッググレーティングを書き込んだ試料2
と、この第2実施例と同様の高圧水素充填(水素処理)
を施したコア2を有する光ファイバ素線に対し一次被覆
層4を施すことなしに紫外線を直接照射してブラッググ
レーティングを書き込んだ試料3とを作成し、そのブラ
ッググレーティングの反射率と、波長と反射率との関係
で表される反射スペクトルにおいて最大反射波長帯域に
おける中心波長とその波長幅とを調べた。
【0045】以下、具体的に上記の試料1,2,3につ
いて説明すると、それぞれ光ファイバ素線は外径125
μm、モードフィールド径6.2μm、カットオフ波長
1.28μmのものを用い、そのコアに対し、比屈折率
差Δが0.9%になる程度の量のGe と15000pp
mのSn と1000ppmのAl とを共ドープした。そ
して、試料1は、この光ファイバ素線に対し通常の紫外
線硬化型樹脂の透過率に比べ250nm付近の透過特性
が10倍以上となるように設定した紫外線透過型樹脂に
より一次被覆層4を施した。また、試料2は、上記の光
ファイバ素線のコアに対し高圧水素充填を施したものを
用い、この光ファイバ素線に対し試料1と同じ紫外線透
過型樹脂により一次被覆層4を施した。さらに、試料3
は、試料2と同様にコアに対し高圧水素充填を施す一
方、一次被覆層4を形成することなしにその光ファイバ
素線のままで用いた。なお、上記の高圧水素充填は20
0気圧の高圧水素を充填した密封容器中に1〜2週間の
範囲で一定期間封入することにより行った。
【0046】次に、上記の各試料1,2,3に対するフ
ラッググレーティングの書き込みはYAG レーザの4倍波
長である266nm,パルス幅10ns,繰り返し周波
数10Hz の紫外レーザ光源を用い、レーザー出射パワ
ー10mWのレンズ系6で集光し位相マスク5を用いた
位相マスク法により行った(図1参照)。なお、紫外線
照射によるブラッググレーティング21は、共に10m
mのグレーティング長のものを形成した。
【0047】フラッググレーティングの書き込みの結
果、上記の各試料1,2,3共に1549nm付近を中
心波長とするブラケットグレーティングが形成され、そ
れらの反射率及び波長幅は表1の通りであった。
【0048】
【表1】
【0049】表1によれば、一次被覆層4の外側から紫
外レーザ光を照射した本発明の実施例である試料1及び
2では波長幅が0.10nm及び0.12nmとなって
おり、これら試料1及び2では、水素処理(高圧水素充
填)の有無に拘らず、一次被覆層4を施さずに光ファイ
バ素線に対し紫外線レーザ光を照射した試料3の0.1
5nmと比較しても波長幅は広がってはおらず、このた
め、紫外レーザ光を一次被覆層4の外側から照射して
も、コア2に対しブラッググレーティングの書き込みが
有効に行われていると考えられる。特に水素処理を施さ
なかった試料1においても、反射率が8%と若干劣りは
するものの一次被覆層4の外側からの紫外線照射によっ
てブラッググレーティングの書き込みが有効に行われて
いると考えられる。なお、試料1の反射率が8%と低い
値となったのは紫外レーザ光の照射時間が比較的短かっ
たためと考えられる。
【0050】さらに、上記の試料1及び2に対し所定の
負の線膨張係数を有する樹脂により2次被覆層7をそれ
ぞれ施したものを、−20℃〜+100℃の範囲で10
℃ずつ温度変化を与えて歪み量の測定と、最大反射波長
帯域の中心波長の変化(シフト)とを調べた。具体的な
試験方法は、有効心線長100mの光ファイバ心線1′
を恒温室に入れ、入力端から変調周波数500MHz に
より周波数変調した変調光を入力する一方、出力端から
の出力光の位相を測定した。そして、入力光と出力光と
の位相変化量から上記歪み量を求めた。
【0051】その結果、図7に示すように上記−20℃
〜+100℃の範囲の温度変化量を受けても、線膨張係
数にして1ppm/℃の変化に止まり、温度変化に対す
る中心波長のシフトも極めて小さいものに抑制すること
ができた。
【0052】なお、上記の試料1,2の一次被覆層7の
形成に用いた紫外線透過樹脂についてその透過特性につ
いて調べた結果を図8に示す。これは、20μmの層厚
にした上記紫外線透過樹脂について各波長に対する吸収
量を調べたものであり、図8に実線で示すようにブラッ
ググレーティングの書き込みに用いられる240nm〜
270nmの波長域では極めて低い吸収量となってその
波長域の紫外線を透過させている一方、240nmより
も短い波長域の紫外線を十分に吸収して硬化反応の促進
が図られていることが分かる。
【0053】<試験例2>Ge のドープ量を通常濃度に
しつつもSn 等を共ドープすることにより、反射率の増
大が図られることの確認を行った。
【0054】すなわち、通常仕様の濃度のGe とSn と
を共ドープしたコアに対しブラッググレーティングを書
き込んだ本発明の実施例としての試料4と、通常仕様の
濃度でGe のみをドープしたコアに対しブラッググレー
ティングを書き込んだ試料5と、通常仕様よりも高濃度
のGe のみをドープしたコアに対しブラッググレーティ
ングを書き込んだ試料6とを作成し、反射率の性能比較
を行った。
【0055】以下、具体的に上記の試料4,5,6につ
いて説明すると、それぞれ光ファイバ素線は外径125
μm、モードフィールド径6μm、カットオフ周波数
1.3μm程度のものを用い、そのコアに対し、試料4
については光ファイバ素線の比屈折率差Δが0.9%に
なる程度の量のGe と10000ppmのSn とを共ド
ープし、比屈折率差Δを1.0%とした。試料5につい
ては比屈折率差Δが0.9%になる程度の量のGe のみ
を、試料6については比屈折率差Δが2.0%になる程
度の量のGe のみをそれぞれドープした。
【0056】また、上記の各コアに対し高圧水素充填を
施したものと、施さないもの(水素未処理)との2種類
を用意し、水素未処理と高圧水素充填との比較をも行っ
た。従って、試料4,5,6の水素未処理のものをそれ
ぞれE−1,N−1,H−1とし、試料4,5,6の高
圧水素充填のものをそれぞれE−2,N−2,H−2と
する。なお、上記の高圧水素充填は200気圧の高圧水
素を充填した密封容器中に1〜2週間の範囲で一定期間
封入することにより行った。
【0057】これら試料のE−1,2、N−1,2、H
−1,2の各光ファイバ素線に対するブラッググレーテ
ィングの書き込みは、第1試験例と同様にYAG レーザの
4倍波長である266nm,パルス幅10ns,繰り返
し周波数10Hz の紫外レーザ光源を用い、レーザー出
射パワー10mWのレンズ系6で集光し位相マスク5を
用いた位相マスク法により照射時間を種々変化させて行
った(図1参照)。なお、この際、試料E−1,N−1
及びH−1についてはグレーティング長がそれぞれ0.
3mmのブラッググレーティングを形成し、試料E−
2,N−2及びH−2についてはグレーティング長が
2.0mmのブラッググレーティングを形成した。
【0058】上記の3種類のドープの違いと、高圧水素
充填の有無による6種類の試料E−1,N−1,H−
1,E−2,N−2,H−2についての紫外光の照射時
間に対する反射率特性を図9に示す。
【0059】この図9に基づいて水素未処理のものにつ
いて比較すると、Geに加えSnを共ドープした試料E
−1では照射時間の増加と共に反射率が増大し40分〜
50分の照射時間でほぼ70%の反射率に到達したのに
対し、通常濃度のGe のみをドープした試料N−1では
照射時間の増加と共に反射率が増大するものの40分〜
50分の照射時間で30%前後の反射率までしか到達せ
ず、また、高濃度のGe のみをドープした試料H−1で
は照射時間の増加と共に反射率が増大し40分〜50分
の照射時間でほぼ75%の反射率に到達した。
【0060】従って、高圧水素充填を施さなくても、試
料E−1では通常濃度のGeに加えSn を共ドープする
ことにより、通常濃度のGe のみをドープした試料N−
1と比べ大幅に反射率を増大させることができる上に、
比屈折率差で2.0%と高濃度のGeをドープした試料
H−1とほぼ同等の高反射率を得ることができた。
【0061】また、高圧水素充填のものについて比較す
ると、試料E−2では照射の開始直後から反射率が急激
に増大し数分の照射時間で95%以上の反射率に到達し
たのに対し、通常濃度のGe のみをドープした試料N−
2では照射時間の増加と共に反射率が増大するものの3
0分以上の照射時間が経過しないと95%程度の反射率
には到達せず、また、高濃度のGe のみをドープした試
料H−2では上記試料E−2よりも僅かに劣るものの試
料E−2とほぼ同様の傾向を示した。
【0062】従って、高圧水素充填を施こした場合であ
っても、試料E−2では通常濃度のGeに加えSn を共
ドープすることにより、高濃度のGeをドープした試料
H−2とほぼ同等の高反射率を得ることができる上に、
通常濃度のGe のみをドープした試料N−2と比べ極め
て短時間の紫外光の照射により95%以上という高反射
率を得ることができた。
【0063】なお、上記の試料E−1及びE−2におい
て、共ドープするSnの濃度を上記の如く10000p
pmではなく15000ppmにした場合においても、
高反射率化の効果は10000ppmにした場合とほぼ
同等であった。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明におけるファイバグレーティングによれば、コア及び
クラッドに対し被覆される被覆層を紫外線透過型樹脂に
より形成するようにしているため、上記被覆層の外側か
ら紫外線を照射してもその紫外線が被覆層を透過してコ
アまで有効に照射されてそのコアに対しブラッググレー
ティングを有効に書き込むことができるようになる。従
って、ブラッググレーティングの書き込みが被覆層を除
去することなしに可能であるため、被覆層の除去に伴う
伝送特性の悪化を招くことなく、しかも、その被覆層除
去の工程を省略して容易にファイバグレーティングの製
造を行い得るようになる。
【0065】請求項2または請求項3記載の発明によれ
ば、紫外線透過型樹脂の被覆層の具体的特定により、請
求項1記載の発明による効果を具体的かつ確実に得るこ
とができるようになる。特に請求項3記載の発明によれ
ば、ブラッググレーティングの書き込みが被覆層の外側
からの紫外線照射により可能になると同時に、使用時に
は被覆層の硬化により保護被覆としての役割を果たさせ
ることができる。
【0066】また、請求項4記載の発明によれば、請求
項1または請求項2記載の発明による効果に加え、共ド
ープされたSn によってコアの光誘起屈折率変化を通常
濃度のGe をドープしただけのコアと比べ定常的に増大
させることができ、この結果、通常濃度のGe をドープ
しただけのコアよりも反射率が増大したブラッググレー
ティングの形成を行うことができるようになる。
【0067】しかも、Ge ドープの濃度が接続対象の光
ファイバのコアと同等であるため、通常仕様の光ファイ
バと接続しても接続損失の増大を招くこともない。さら
に、高圧水素充填を行わなくても、上記のSn の共ドー
プによって反射率の増大が定常的に得られるため、上記
の高圧水素充填を行った場合のブラッググレーティング
の形成期間に対する制限を受けることもない。
【0068】さらに、請求項5記載の発明によれば、請
求項1、請求項2または請求項4のいずれかに記載の発
明による効果に加え、温度変化に対する安定性の向上、
ひいては機械的強度特性の安定化を図ることができ、こ
れにより、伸縮に起因する反射波長のシフトの防止・抑
制を図って確実に同じ反射機能の維持を図ることがで
き、信頼性の高いファイバグレーティングを提供し得る
ことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるブラッググレーティ
ングの書き込み法を示す模式図である。
【図2】図1の光ファイバ心線に対しさらに2次被覆層
を施した光ファイバ心線の横断面図である。
【図3】2次被覆層の必要線膨張係数を断面積,ヤング
率との関係で示す図である。
【図4】実施形態の用途を示す模式図である。
【図5】図4とは異なる用途を示す模式図である。
【図6】図4及び図5とは異なる用途を示す模式図であ
る。
【図7】温度変化に対する歪み変化量及び位相変化量の
特性を示す図である。
【図8】波長に対する吸収量の特性を示す図である。
【図9】各種ファイバグレーティングの紫外光の照射時
間に対する反射率特性を示す図である。
【符号の説明】
1,1′ 光ファイバ心線(書き込み対象の光ファ
イバ) 2 コア 3 クラッド 4 一次被覆層(紫外線透過型樹脂の被覆
層) 7 2次被覆層 21,21′ ブラッググレーティング F ガラス部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 書き込み対象である光ファイバがコア及
    びクラッドに対し紫外線透過型樹脂の被覆層により被覆
    されたものであり、上記紫外線透過型樹脂の被覆層の外
    側から紫外線を照射することにより上記コアに対しブラ
    ッググレーティングが書き込まれてなることを特徴とす
    るファイバグレーティング。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 紫外線透過型樹脂の被覆層は、少なくともブラッググレ
    ーティング書き込み用の特定波長帯の紫外線を透過する
    特性を有していることを特徴とするファイバグレーティ
    ング。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 紫外線透過型樹脂の被覆層は、ブラッググレーティング
    書き込み用の特定波長帯よりも短い波長域または長い波
    長域の紫外線を吸収して硬化する特性を有していること
    を特徴とするファイバグレーティング。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2において、 コアが接続対象の光ファイバのコアと同等のGe に加え
    少なくともSn が共にドープされて製造されたものであ
    ることを特徴とするファイバグレーティング。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2または請求項4のい
    ずれかにおいて、 光ファイバは、ブラッググレーティングが書き込まれた
    状態で紫外線透過型樹脂の被覆層の外表面が2次被覆層
    により被覆されており、 上記2次被覆層は、正の線膨張係数を有する光ファイバ
    のガラス部の温度変化に対する膨張を打ち消すよう負の
    線膨張係数を有する素材により形成されていることを特
    徴とするファイバグレーティング。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109085675A (zh) * 2018-10-11 2018-12-25 宜昌睿传光电技术有限公司 一种双涂覆层弱光纤光栅阵列及其制备方法

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