JPH11160295A - 配管検査装置 - Google Patents

配管検査装置

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JPH11160295A
JPH11160295A JP9329867A JP32986797A JPH11160295A JP H11160295 A JPH11160295 A JP H11160295A JP 9329867 A JP9329867 A JP 9329867A JP 32986797 A JP32986797 A JP 32986797A JP H11160295 A JPH11160295 A JP H11160295A
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Hirotaka Nakahara
宏尊 中原
Takashi Hayata
隆 早田
Yuji Matsui
祐二 松井
Shinichi Hisatsune
眞一 久恒
Norihisa Takamura
則久 高村
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】保温材で包囲された高温配管を超音波検査可能
として、プラント運転中であっても点検作業を実施す
る。 【解決手段】外周を保温材2で包囲された配管1にあっ
て、スペーサ3によって保温材2が配管1に間隙1aを
有して係止されるとともに、配管外表面にあって、配管
内部を点検する超音波探触子4と、前記超音波探触子4
を保温材2と配管1の間隙1aで移動する駆動手段6
と、前記駆動手段6の温度を調節する温度調整手段9
と、計測手段7と、制御手段8とを有し、アクチュエー
タを断熱ケースに封入冷却し高温配管でも超音波検査を
可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保温材で囲われた
配管の検査手段に係わり、特には、配管が高温の状態で
使用されている期間中において保温材を撤去することな
く配管を検査するのに好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発電プラントでは、配管などに割
れや減肉などの不具合が発生していないかを非破壊検査
するために、超音波探触子を用いた超音波検査法が広く
用いられている。
【0003】この方法は、探触子を配管に押し付け走査
させながら超音波を配管内部に送信し、割れや配管内面
から反射する超音波を受信することで、外観からでは判
らない配管内部の健全性を確認する方法である。
【0004】例えば原子力発電プラントの運転中、原子
炉圧力容器周りの温度は摂氏250度から摂氏300度
となっている。
【0005】さらに、プラントの熱損失を抑制し熱効率
を向上させるために原子炉圧力容器は隙間を介して保温
材に包まれている。
【0006】このため、例えば原子炉が稼働中で、即ち
使用状態で高温となる原子炉圧力容器の検査装置とし
て、特公昭63−24854 号公報に記載のように、耐高温性
を持たせた軌道を予め原子炉圧力容器と保温材との隙間
に設置し、原子炉の運転を休止し原子炉圧力容器が常温
に近くなった温度環境で、超音波探触子等の検査手段を
備えた移動体を軌道に取り付けて移動体に装備した駆動
手段で軌道沿いに移動しつつ原子炉圧力容器をその検査
手段で検査することが知られている。
【0007】使用状態では、高温となる配管にあって
は、その配管を検査するに先立ち、その配管が含まれる
プラントの運転を止めて配管を常温近くまで低下させ、
さらには、配管の検査部位を囲っている保温材を取り外
し、その後に駆動手段で配管の周方向と軸方向とに移動
できる超音波探触子を、その駆動手段毎配管に設置し、
その探触子を駆動手段で走査させながら配管を超音波で
検査する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように保温材で囲
われた高温状態の容器を検査するに際しては、検査手段
やその駆動手段が動作不良を起こさないように、プラン
トの運転を止めて常温に近い温度環境にせざる得ない。
【0009】また、配管を検査対象とする場合には、更
に保温材を取り外す作業が必要であった。
【0010】特に高い健全性の確保が要請されている原
子力発電プラントでは、配管や機器の検査のために、計
画的に一定期間プラントを休止させて定期検査を実施し
ている。
【0011】検査環境温度の低下や保温材の取り外しな
どを待っていては一層のことプラントの休止期間を延長
する要素を生じる。
【0012】プラントを休止させることは、プラントの
運転稼働率の低下を招きかねない課題を生じる。
【0013】従って、本発明の目的は、プラントが運転
中であってもそのプラント内の配管に適用できる配管検
査装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ための第1手段は、検査機器と、検査機器を移動させる
駆動手段とを、配管とその保温手段との間の間隙に常備
してある配管検査装置であり、保温材の取り外しや、配
管への検査手段と駆動手段との据え付けを経過すること
なく、配管と保温手段との間隙空間内で検査機器を駆動
手段で移動させながら、検査機器で配管を検査できる。
【0015】同じく第2手段は、第1手段において、前
記駆動手段に前記駆動手段の温度を調節する温度調整手
段を備えている配管検査装置であり、第1手段による作
用効果に加えて、温度調整手段で駆動手段を動作不良を
起こさない温度に維持し、高温環境下での検査手段の移
動を確実に成すという作用効果が得られる。
【0016】同じく第3手段は、第2手段において、前
記検査機器として、超音波探触子と、前記超音波探触子
と配管との間にカップラントを供給するカップラント供
給手段とを有し、前記カップラント供給手段による前記
カップラントの供給口を、前記探触子の中央よりも前記
探触子の移動方向寄りに、前記供給口から出たカップラ
ントが前記探触子の下方に至る間に前記カップラントに
気泡が生じない前記探触子からの近さに配備してあるこ
とを特徴とする配管検査装置であり、第2手段による作
用効果に加えて、供給口から出されたカップラントが探
触子の移動によって探触子の下方に至っても、その至る
時間間隔内でカップラントが配管から受ける熱がカップ
ラントに気泡を発生するにまで至らず、探触子の下方の
カップラントが探触子から配管への超音波の伝達媒質と
して確実に機能するという作用効果が得られる。
【0017】同じく第4手段は、第3手段において、前
記超音波探触子には、振動子と配管外表面との間に液体
の封入容器を有し、さらには前記封入容器内の前記液体
に対する加圧手段を設けることを特徴とする配管検査装
置であり、第3手段による作用効果に加えて、振動子か
ら発信した超音波は加圧された液体を伝搬して屈折して
配管に伝搬して送信されたり、その逆に受信されたりす
ることになるが、その液体は加圧されているから、配管
からの熱を受けても気泡が発生しにくく、気泡の発生に
よる超音波の送受信特性の劣化を防止できるという効果
が得られる。
【0018】同じく第5手段は、第1手段から第4手段
までのいずれか一手段において、保温手段を配管に取り
付けるスペーサが通過できる空間をあけて前記配管周囲
沿いに沿った形状の本体と、前記本体に取り付けた検査
機器と、前記検査機器を移動させる駆動手段として、前
記本体を前記配管の軸方向に移動させる軸駆動手段及び
前記本体を前記配管の周囲に周方向に移動させる周駆動
手段と、を備えたことを特徴とする配管検査装置であ
り、第1手段から第4手段までのいずれか一手段による
作用効果に加えて、スペーサの位置と本体にあけられた
空間との周方向の位置が一致するように周駆動手段で本
体を回転させ、しかる後に、軸駆動手段で配管の軸沿い
に移動させると、その移動中に本体にあけた空間がスペ
ーサを通過して、その後に、周駆動手段と軸駆動手段で
検査手段の配管沿いの位置を変えて検査に従事すること
ができ、従って保温材と配管との間隙内に本体の移動の
障害となるスペーサが存在しても、そのスペーサとの干
渉を避けて通過して検査範囲を拡大できる。
【0019】同じく第6手段は、第5手段において、軸
駆動手段を周方向に分散して本体に配備し、前記本体に
前記本体の姿勢を計測する姿勢計測手段を備え、前記姿
勢計測手段の計測結果に基づいて前傾側に分散している
前記軸駆動手段よりも後傾側に分散している前記軸駆動
手段を相対的に速度を速める制御を前記軸駆動手段に加
える姿勢安定制御手段を備えていることを特徴とする配
管検査装置であり、第5手段による作用効果に加えて、
本体の姿勢が傾斜した場合には、姿勢計測手段がその姿
勢を計測して、その計測結果を受けて、姿勢安定制御手
段が分散した軸駆動手段を駆動制御して本体を配管軸に
対して常に垂直に維持させ本体のスムーズな移動と、検
査手段の姿勢を正しい姿勢に維持させる効果が得られ
る。
【0020】同じく第7手段は、第5手段又は第6手段
において、前記配管の既知の位置に超音波を表面波とし
て付与する送信子と、本体側に装備されて前記表面波を
受信する受信子と、前記既知の位置を基準にして前記受
信子による前記表面波の受信結果で測定した前記受信子
までの位置情報を加味して前記本体の配管上での位置を
計測する第1の位置計測手段を有することを特徴とする
配管検査装置であり、第5手段又は第6手段による作用
効果に加えて、既知の位置からの超音波信号を受けて本
体の位置を前記既知の位置を基準に正確に計測できると
いう作用効果が得られる。
【0021】同じく第8手段は、第7手段において、周
駆動手段と軸駆動手段とに周駆動量と軸駆動量とから位
置を計測する第2の位置計測手段を備え、第1の位置計
測手段による計測結果から、前記第2の位置計測手段に
よる計測位置を校正する第1の校正手段を備えたことを
特徴とする配管検査装置であり、第7手段による作用効
果に加えて、本体を移動させる各駆動手段の駆動量から
計測される位置情報を既知の静止位置を基準にして計測
して得られた第1の計測手段による位置情報で校正し、
駆動量中に含まれる駆動スリップ量等に基づく計測誤差
にて生じる位置情報の累積誤差をなくし、位置計測の精
度を上げ、検査位置の位置評定精度を向上するという作
用効果が得られる。
【0022】同じく第9手段は、第7手段又は第8手段
において、既知の位置に存在するスペーサの通過を検出
するスペーサ検出手段を本体に備え、前記スペーサ検出
手段の検出結果を受けて前記既知の位置に関する情報で
本体の配管上での軸方向の位置を校正する第2の校正手
段を備えたことを特徴とする配管検査装置であり、第7
手段又は第8手段による作用効果に加えて、スペーサ検
出手段でスペーサを検出してからスペーサの固定された
絶対位置の情報で計測した本体の配管軸方向の位置情報
を校正し、本体の配管軸方向の位置の精度を向上し、検
査位置の位置評定精度を一層向上するという作用効果が
得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に説明する実施例は、原子力
発電プラントの保温材に被覆される高温配管の点検作業
を行う配管検査装置を提供しており、特にプラント運転
中高温となる配管であっても運転中に検査を継続可能と
し、運転中に配管が破壊に至る前にバルブ閉止やポンプ
あるいはプラントの停止等を行わせると共に、プラント
の安全性を損なうことなく休止中に配管の検査を実施
し、プラント休止中における検査項目ないしや工数を減
少させてプラント休止期間が極力短くなるようにしてい
る。
【0024】検査手段としては超音波探傷装置が採用さ
れる。
【0025】超音波探傷装置の超音波探触子が検査対象
の配管に接近させて用いられ、他の構成は超音波探触子
と電気的接続関係にあるものの高熱となる検査対象の配
管から離された遠隔地点に設置されている。
【0026】超音波探傷装置は、超音波探触子の部分か
ら超音波を配管に伝搬させて検査領域からの反射波を超
音波探触子の部分で受信して、その受信波に基づく信号
を超音波探傷装置が分析して配管の傷や配管の管壁の減
肉状態などの状況を非破壊的に検査することができるも
のである。
【0027】このような超音波探傷装置は既存のいかな
るものであっても良い。
【0028】但し、検査対象の配管が高温となることを
考慮し、その高温環境下に接近する超音波探触子は、例
えば図3に示す特願平8−313337 号公報に記載の超音波
探触子4が採用される。この超音波探触子4は高いキュ
リー点単結晶振動子LiNbO3(4a)とLiNbO3 とほ
ぼ一致した熱膨張係数を持つ保護板4bとを重畳する構
成からなって、上記振動子4aと保護板4bの接合面4
cにそれぞれ金薄膜層を形成した後、振動子4aと保護
板4bの間にろう材を加熱溶融後、10℃/分以下の冷
却速度で徐冷して振動子4aと保護板4bを接合するこ
とで、摂氏350度の高温の被検体に対しても利用で
き、配管1の減肉監視やき裂の進展監視といったプラン
ト運転中の長時間の監視用センサとして使用できる。
【0029】本発明に係る配管検査装置の最初の実施例
を図1,図2,図3,図4を用いて以下に説明する。
【0030】図1にあって、本体5は、外周を保温材2
で包囲された配管1にあって、保温材2がスペーサ3に
よって配管1に間隙1aを有して係止されるとともに、
配管外表面にあって、配管内部を点検する超音波探触子
4と、前記超音波探触子4を保温材2と配管1の間隙1
aで移動する駆動手段6と、前記駆動手段6の温度を調
節する温度調整手段9と、計測手段7と、制御手段8と
を構成したものである。
【0031】配管1には、その全周を塞がぬよう周方向
に間隔を開けてスペーサ3を装備し、スペーサ3は保温
材2を支持する。
【0032】保温材2はさらにその外周を例えばアルミ
やステンレス材の薄板などによる外装板2aで覆い、保
温材2を保護するとともに強度を持たせる。
【0033】こうすることで、配管1の外周に周方向及
び軸方向にわたって配管1と保温材2の間隙1aを形成
できる。
【0034】本体5は、少なくとも前記間隙1a内に収
納される大きさとする。
【0035】装置本体5aは、配管1の周囲に嵌め合っ
て固定される軌道台座5b上に周方向移動可能に取り付
けられる。
【0036】好ましくは、軌道台座5bをばね(図示せ
ず)で支持する当て具5cを介して配管1に固定するこ
とで、配管1の熱膨張収縮による寸法変化を吸収し、台
座5bの固定を確実とし高温配管の検査に好適となる。
【0037】また、図2に装置の部分詳細図を示す。
【0038】図2の(A)は装置本体5aを横から見た
断面図、図2の(C)は装置本体5aを上から見た断面
図である。
【0039】装置本体5a内部にはモータ6aとそれに
接続するピニオンギヤ6bを設けるとともに、前記ピニ
オンギヤ6bに噛合うよう軌道台座5bにラック5dを
設ける。
【0040】こうして、モータ6aを回転させピニオン
ギヤ6bを回転させることで本体5aは軌道台座5b上
の適切な位置に移動できる。
【0041】さらに本体5aは、軸方向へ伸ばしたアー
ム5eと、ボールねじ6cとこれに回転を与えるモータ
6dと、アーム5eに軸方向移動可能に取り付けられる
とともに、ボールねじ6cに嵌合しねじ上を摺動する軸
台座5fを備える(図2(B)参照)。
【0042】したがって、モータ6dを回転させること
で、ボールねじ6cが回転し軸台座5fをアーム5e上
の適切な位置に移動できる。
【0043】なお、好ましくは各軸の駆動量を計測可能
とするためエンコーダ6e,6fなどの位置計測器を各
軸に取り付けることで、精密な、より適切な駆動が可能
となる。
【0044】また、軸台座5fには特願平8−313337 号
公報に示されるような高温用の超音波探触子(図3)が
ばね5gを介して支持されるので、配管が高温であって
も特別な冷却が不要なので、超音波探触子4を配管外表
面に適切に押し付けて走査可能となる。
【0045】さらに超音波探触子4は、ジンバル機構5
hで支持しても良い。
【0046】これにより、超音波探触子4の配管表面へ
の倣い性が向上し、超音波の配管内部への送受信が効率
よく実施できるので、検査の精度が良くなるので好適で
ある。
【0047】また、装置本体5aにあって、前述のモー
タ6a,6dやエンコーダ6e,6fをまとめて断熱ケ
ース5iに収納し、この断熱ケース5iに外部から温度
調節手段9を接続する(図2(D)参照)。
【0048】さらに言えば、モータ6a,6dとボール
ねじ6cやラック5dもしくはピニオンギヤ6b、ある
いは駆動軸車輪の間には断熱材を用いることが望まし
い。
【0049】温度調節手段9は装置制御部8aからの駆
動信号に応じて、断熱ケース5iにクーラント9aをポ
ンプ9cで供給するとともに、断熱ケース5iから回収
されるクーラント9aは空冷設備9bで冷却され、排熱
されることで断熱ケース5i内を冷却し、断熱ケース内
の機器が正常に機能するように維持する。
【0050】モータ6a,6dなど電機部品では、雰囲
気の温度が上昇すると性能劣化が生じる場合があるが、
温度調節される断熱ケース5iに封入したので、外側の
雰囲気がそれら電機部品の機能が維持できない程の高温
であっても本来の性能で使用できる。
【0051】さらに温度調節手段9は装置制御部8aか
ら、クーラント供給用のポンプ9cの送りだし流量ある
いは空冷設備9bの空冷程度を調節できるので、信号処
理部8bは、装置制御部8aにモータの発生トルク低下
など異常信号が発生した場合、装置制御部8aを経由し
てクーラント9aの供給量、あるいは排熱量を増減する
ことで、断熱ケース5i内の温度を適切に調節できる。
【0052】これにより駆動手段6に構成されるモータ
6a,6dなど部品の温度を適切に制御でき、装置の動
作を安定とし、検査の精度が良くなるので高温配管の検
査に好適である。
【0053】さて、再び図1において、この超音波探触
子4は外部で計測手段7に接続され、さらに制御手段8
へと接続される。
【0054】制御手段8は、計測手段7からの出力信号
が信号処理部8bを経由してプラント10の運転制御部
8cよりプラント10へ、例えばバルブ10a及びポン
プ10bへの運転制御信号を出力するよう構成してい
る。
【0055】また計測手段7からの出力信号は、信号処
理部8bを経由して装置制御部8aより本体5の駆動手
段6へ各軸の駆動信号を出力するようにも構成してい
る。
【0056】配管1にき裂や減肉あるいは孔蝕が発生す
ると、超音波探触子4によってこれら不具合から反射す
る超音波信号が受信され、計測手段7での演算により検
出し、信号処理部8bで超音波探触子4の位置信号と照
合し、異状発生の種類や程度,位置を知ることができ、
配管1が破壊に至る前に微少なき裂や孔蝕の発生といっ
た予兆を捕えることが可能となる。
【0057】こうして、運転中の配管1を検査できるの
で、異状配管の破壊、あるいは減肉の速度や分布といっ
た不具合発生の継続監視や、関連するバルブ10a及び
ポンプ10bを制御してプラント10の運転状態を調整
したり停止させることでプラントの安全性を向上でき
る。
【0058】さらに、これら配管の健全性を運転中に既
に確認しておくことができるので、プラントの安全性を
損なうことなく休止中に実施すべき検査工数を低減する
ことが可能となる。
【0059】超音波探触子4には、カップラント供給手
段10を有し、前記カップラント10aの供給ノズル4
dを探触子移動方向+X,+Θに設ける。
【0060】カップラント供給手段10は装置制御部8
aからの駆動信号に応じて、超音波探触子4と配管1表
面との接触面にカップラント10aを供給する。
【0061】通常、カップラント10aは超音波探触子
4からの超音波の配管内部への送受信を効率よく実施す
るために、たとえば水やグリセリンなどが用いられる
が、これらは高温配管では速やかに蒸発してしまうので
カップラントとしての効果がない。
【0062】また高温下で用いられるカップラントとし
ては耐熱製剤入りグリセリンが知られているが、配管が
300℃にもなると数分で気泡を発し蒸発してしまう。
【0063】探触子と配管表面の接触面の隙間にあるカ
ップラント10a中に気泡が発生すると超音波探触子4
からの超音波の配管内部への送受信特性上好ましくな
い。
【0064】しかしながら、前記カップラント10aの
供給ノズル4dを探触子移動方向+X,+Θに設けてい
るので、超音波探触子4は常に供給されたばかりのまだ
気泡の発生していないカップラント4eの上に走査され
ることになる。
【0065】このとき、余分なカップラントが探触子の
周りにあると、これらが加熱され発生する気泡の影響を
受けるので、たとえば探触子の周りを覆わないなどカッ
プラントを速やかに流失せしめる構成としても良い。
【0066】さらに、超音波探触子4が配管上では配管
軸方向+X,−Xと周方向+Θ,−Θ合わせて高々4方
向にしか走査されないので、その4個所にカップラント
の供給ノズル4dを備えるとともに、カップラント供給
手段10に供給ノズルの切替器10bを設けて、探触子
移動方向のノズルからカップラントを供給させることが
望ましい。
【0067】もっと言えば、ノズルを探触子の対角2個
所4d,4fに設け、探触子移動方向(+X,+Θ)あ
るいは(−X,−Θ)に近いノズル4dあるいは4fか
らカップラント10aを供給させることを妨げるもので
はない。
【0068】また、カップラント供給手段10は装置制
御部8aからの駆動信号に応じて、超音波探触子4と配
管1表面との接触面にカップラント10aをポンプ10
cで供給するよう構成されている。
【0069】そこで、計測手段7(図示しない)におい
て超音波探触子4からの超音波信号の強度が弱い場合、
信号処理部8bは装置駆動制御部8aを経由してカップ
ラントの供給量をポンプ10cを制御して増減させる信
号をカップラント供給手段10へ出力してポンプ10c
によるカップラントの供給量を調整するようにしても良
い。
【0070】これにより、超音波探傷の精度が良くなる
ので検査に好適である。
【0071】こうして、運転中の高温配管を効率よく超
音波探傷検査できるので、異状配管の破壊、あるいは減
肉の速度や分布といった不具合発生の継続監視や、関連
するバルブ及びポンプを制御してプラントの運転状態を
調整したり停止させることでプラントの安全性を向上で
きる。
【0072】さらに、これら配管の健全性を運転中に既
に確認しておくことができるので、プラントの安全性を
損なうことなく休止中に実施すべき検査工数を低減する
ことが可能となる。
【0073】また、超音波探触子とし図11(A)に示
したものを用いても良い。
【0074】図11(A)にあって、超音波探触子4に
は、振動子4aと配管1外表面との間に液体4hの封入
容器4iを有し、前記液体4hを加圧する加圧手段4j
を設けたものである。この加圧手段4jは、加圧ボンベ
から圧力を封入容器4i内に供給する設備であっても、
液体4hを加圧して供給する設備であっても良い。
【0075】前述のカップラントは探触子からの超音波
の配管内部への送受信を効率よく実施するために用いら
れるが、配管内部への送受信に用いられる超音波の種類
は、前記超音波探触子内の振動子特有の種類のままのも
のである。
【0076】例えば前述の特願平8−313337 号に記載の
探触子(図3)は縦波WLを発生する。
【0077】しかしながら、検査の目的によっては横波
や表面波といった種類の超音波を用いて検査することが
行われており、縦波を発生させる振動子から別の種類,
横波や表面波を配管内部へ送受信する際には、通常、楔
型のシュー4kと呼ばれる屈折材を振動子と配管外表面
との間に用いることが多い(図12参照)。
【0078】一般にシュー4kには、加工し易さ,シュ
ー材中の音速が検査対象材中の音速よりも遅く超音波の
屈折角が大きいものが用いられ、アクリル材が通常よく
用いられている。
【0079】しかしながら、運転中温度が300℃にも
なると短時間でアクリルが焼け解けてしまうので、高温
配管で用いるシュー材としては好ましくない。例えば前
述の超音波探触子4で表面波WSを送受信する場合で
は、少なくともシュー材は融点300℃以上であって、
材中の音速が検査対象の鋼材の表面波の音速3000m
/s以下のものを選ぶ必要がある。
【0080】これには特殊な銅などの合金やセラミック
材が考えられるが一般的ではない。本発明では、超音波
探触子4には、振動子4aと配管1外表面との間に液体
4hの封入容器4iを有しているので、適切な音速のも
のとして、液体4hとして例えば音速1500m/sで
ある水,音速1400m/sであるマシン油,音速18
80m/sであるグリセリンを前記容器4i内に供給し
て加圧状態に封入することで、好ましい屈折材として用
いることが可能となる。
【0081】この際、高温配管によって液体4hが加熱
され沸騰し気泡を生じると超音波の送受信特性が劣化す
る恐れがあるが、前記封入容器4iは耐圧性材、例えば
銅やアルミ,鉄鋼材で製作することで、前記液体4hを
加圧する加圧手段4j、ここでは、液体を与圧して封止
せしめておくだけでも良いのだが、前記加圧手段4jで
液体4hを加圧することで沸騰による気泡の発生を抑止
可能となる。
【0082】こうして、運転中の高温配管を適切な種類
の超音波を用いて超音波探傷検査できるので、異状配管
の破壊、あるいは減肉の速度や分布といった不具合発生
の継続監視や、関連するバルブ及びポンプを制御してプ
ラントの運転状態を調整したり停止させることでプラン
トの安全性を向上できる。
【0083】さらに、これら配管の健全性を運転中に既
に確認しておくことができるので、プラントの安全性を
損なうことなく休止中に実施すべき検査工数を低減する
ことが可能となる。
【0084】さらに、本発明の他の実施例を図5,図
6,図7,図8を用いて説明する。
【0085】保温材2を配管1に係止するスペーサ3は
配管外表面上に千鳥状に配列される。
【0086】配管検査装置の本体の駆動手段6には、本
体を配管1の周方向に移動する周駆動手段6bと、配管
の軸方向に移動する軸駆動手段6cを有し、本体が前記
周及び軸駆動手段6及び超音波探触子4を保持するとと
もに配管1を挟持し自走する。本体5aは円弧状のフレ
ームを有し、そのフレームで検査手段を支持している。
【0087】図5において、すなわち、本体5aは円弧
つまり一部を開口した環形状で構成され、配管1の軸方
向に駆動する車輪6cと、周方向に駆動する車輪6bと
を、各々少なくとも2個(6bと6g,6cと6h)備
える。
【0088】好ましくは、各方向駆動輪を対向し配置す
ると、配管1を挟持した際に装置本体5aが安定し、精
密な、より適切な駆動が可能となるので望ましい。
【0089】図6に駆動手段の詳細を示す。
【0090】これら車輪6gは各々ギヤなど伝達機構6
iを介してモータ6jに接続する。さらに各々車輪6g
はエアシリンダ6kを介して本体5aに昇降自在に支持
されるので、各エアシリンダ6kの伸縮駆動を制御する
ことによって軸駆動車輪、あるいは周駆動車輪を配管外
表面に押し付けることができる。
【0091】したがって、図7(B)に示すごとく例え
ば軸駆動車輪6c,6hに繋がるエアシリンダ6mを伸
長し本体5aから配管1に降ろすとともに、周駆動車輪
6b,6gに繋がるエアシリンダ6kを収縮し本体5a
へ引上げ、これらと接続するモータ6lを回転させこれ
ら車輪6c,6hを駆動することで、本体5aを配管の
軸方向の適切な位置に移動できる。
【0092】同様に、図7(A)のように、周駆動車輪
6b,6gに繋がるエアシリンダ6kを伸長し本体5a
から配管1に降ろすとともに、軸駆動車輪6c,6hに
繋がるエアシリンダ6mを収縮し本体5aへ引上げ、こ
れらと接続するモータ6jを回転させこれら車輪6b,
6gを駆動することで、本体5aを配管1の周方向の適
切な位置に移動できる。
【0093】好ましくは各軸の駆動量を計測可能とする
ためエンコーダなどの位置計測器6nを各軸に取り付け
ることで、精密な、より適切な駆動が可能となる。この
場合、図7(C)(D)のように、計測された車輪の駆
動量に基づいて装置本体の走行制御を正確に行えるの
で、配管1にベント部分1aがあってもベントの内側及
び外側の車輪6c及び6hの駆動量をベント1aの曲率
に応じて各々調整することで、ベント配管1aに沿った
走行が可能となる。
【0094】もっと言えば、図5で示すように、本体に
幾つかの関節5r,5jを設け、各関節にばね(図示し
ない)を配してリンク構造5k,5lを構成すると、本
体の車輪6b,6c,6g,6hを介して配管1を挟む
力が増大しより確実に車輪を押し付けでき、垂直配管の
軸方向走行であっても車輪がスリップすることなく精密
な、より適切な駆動が可能となる。
【0095】また、本体5aには、周方向に伸びた円弧
状アーム5mと、アーム5m上を周方向に摺動する円弧
状の台座5nと台座5nにばね5oを介して支持される
超音波探触子4を備えるとともに、台座5nにラックを
設け、このラックに噛合うピニオンギヤ5pを介して接
続するモータ5qを本体5a内に設ける。
【0096】これにより、車輪6b,6c,6g,6h
を駆動させ本体5aを動かすことなく超音波探触子4を
走査することができ、車輪の駆動に伴うスリップ発生を
抑止でき精密な探傷検査が可能となる。
【0097】一方、図8に示すように、保温材2を配管
1に係止するスペーサ3は配管外表面上に千鳥状に配列
3a,3b、すなわち、ある軸位置で周方向の1個所に
配置し、円弧状本体5の一部開口部をスペーサ3が通過
できる大きさとすることで、装置本体5はスペーサ3が
あっても配管1の軸方向に移動できる(図8(B)参照)。
【0098】こうして、装置が配管に沿って自走移動で
きるように構成したから、プラント運転中に行う検査範
囲を拡大することができるので、休止中に実施すべき検
査工数を低減することが可能となる。
【0099】各駆動手段は、図6にみられるように、断
熱ケース5i内に収められ、その断熱ケース5i内には
温度調整手段が接続されている。即ち、温度調整手段と
しては図2の(C)(D)の図で示した構成と実質的に同
じであり、図2の(C)(D)の図を用いて説明すると、
図中のクーラント9aがポンプ9cで図6(A)(B)中
のクーラント受け入れ口Aから断熱ケース5iに入り、
内部のモータ等の電機部品を冷却してクーラント排出口
Bから図2の(C)(D)の図中の空冷設備9bに出され
て冷却され、元に戻されるということを繰り返し行われ
る。これによって断熱ケース内の駆動手段は正常に機能
する。
【0100】また、本体の傾きを抑制したい場合には、
以下の構成が図5から図8までの構成に付加される。
【0101】付加される構成を図9,図10に基づいて
以下に説明する。
【0102】本体5には、それが挟持する配管1との傾
きを検出する本体姿勢計測手段7を有し、制御手段8に
は、本体5を配管1軸に対して垂直とする姿勢安定制御
手段8bを設ける。
【0103】すなわち、少なくとも本体5の周方向に2
個所で、さらに、各々本体の軸方向へずらした位置、例
えば本体両側面にコイルと、コイル内孔部に嵌合し摺動
する鉄心からなる差動変圧器7a,7bを配す一方で、
この鉄心はばね7c,7dを介して本体5に固定すると
ともに、前記鉄心はロッド7e,7fを介して配管1に
接触させる。
【0104】ロッド7e,7fは常にばね7c,7dに
よって配管へ押し付けられているが、本体5と配管の距
離変化にしたがって上下して前記鉄心のコイル中での相
対位置を変化させる。
【0105】これら差動変圧器7a,7bへ交流の励磁
電源を接続することで、コイルの中での鉄心の相対位置
変化に応じた交流起電力を得る。
【0106】予め本体側面にそれぞれ設けられた距離計
7a,7b間の位置関係を知っておくことで、これら距
離計の検出距離の差から本体の配管に対する傾きを知る
ことができる。
【0107】ここで、前記ロッドの先端に車輪7g,7
hを設けて配管1表面への倣い性を向上させても良く、
これは検出する距離の精度を向上させるので本体の姿勢
制御に好適である。
【0108】さらに、もっと言えば、本体の姿勢を配管
軸に対して垂直に安定するよう制御するのには本体の傾
きを知る必要はない。
【0109】図10にあって、すなわち、姿勢安定制御
手段8bには、本体周方向の2個所にある、本体両側面
に設けた距離計の出力をそれぞれ減算器8d,8eに接
続し、さらにこれら2つの減算器の出力を1つの減算器
8fに接続する。
【0110】そして、この出力を装置制御部8aに入力
し、この入力にしたがって、装置制御部8aがモータな
どの駆動手段6へ供給している駆動電源を調整するよう
に制御手段8が構成されている。
【0111】これによって、例えば本体の1個所が配管
に対して前傾(図10中A)すれば他方が後傾(図10
中B)するが、前傾姿勢側では駆動輪6Aに減速を、後
傾姿勢側では駆動輪6Bに加速を指令するので本体5の
姿勢を配管1軸に垂直とできる。
【0112】なお、計測手段7としては、レーザ干渉測
長器や機械接点式ゲージなどを用いても構わない。
【0113】こうして、円弧状の装置が配管に嵌合して
スムーズに自走移動できるよう、また、本体姿勢を安定
させ精度よく検査できるよう構成したから、プラント運
転中に行う検査範囲を拡大することができるので、休止
中に実施すべき検査工数を低減することが可能となる。
【0114】また、配管面上を車輪で移動する場合に
は、車輪の回転駆動量を用いて移動位置を計測すると車
輪のスリップ等で計測結果に狂いが生じ、正確な位置評
定が困難となる。
【0115】この困難性を克服するために、以下の構成
が図5から図8までの構成乃至は、図5から図8に図
9,図10の構成を付加した上で更に付加される。
【0116】個々で新たに付加される構成を図11,図
12,図13,図14,図15を用いて説明する。
【0117】複数のスペーサ3には、順次切替えられな
がら配管1外表面上を配管軸方向に表面波を送信する送
信子Tを備える一方、本体5側にも前記送信子Tに対向
し表面波を受信する受信子Rを備え、予め記録された送
信子Tの位置と、該送信子Tからの伝播距離Lの測定値
とから、本体5の配管1上での位置を計測する計測手段
7とを構成したものである。
【0118】すなわち、図11(B)に示すように、ス
ペーサ3の内部に貫通して、配管表面に表面波を送受信
する超音波探触子Tを設ける。
【0119】この探触子並びにシューは耐高温性を有し
ており配管1に直接接触させても良いので、これらをス
ペーサ3の下端部へ埋設する。
【0120】なお、探触子Tをスペーサ3の上端部ある
いは保温材2の外側に設けて配管1表面までにステンレ
ス鋼材などの導波棒を配置しても良い。
【0121】これは探触子の耐高温性に余裕を生むため
高温配管への超音波の送受信に好適である。
【0122】また、高温での使用に鑑み、超音波を配管
に非接触で送受信する電磁超音波(EMAT)プローブ
を配管面に近付けても構わない。
【0123】さて、図13のごとく、これらの探触子
(以下、送信子Tと呼ぶ)を備えるスペーサ3を配管1
に複数、好ましくは周方向にずらせながら千鳥状あるい
は螺旋状に配置(...,T(i−1),T(i),T(i
+1),...)させて、外部で切替え器7iを介して
送信器7jと接続する。
【0124】送信器7jは送信子Tの振動子が超音波を
発生するようパルス電圧を発生し、前記切替え器7iで
順次送信子(...,T(i−1),T(i),T(i+
1),...)との接続を切替えながら選択的にパルス
電圧を送信子Tに印加する。
【0125】これとともに装置本体5にも配管表面に表
面波を送受信する超音波探触子(以下、受信子Rと呼
ぶ)を設ける。
【0126】表面波は一般に強い指向性を有しており、
超音波の進行方向での広がりは数度程度である。
【0127】そこで、送信子T,受信子Rを互いに対向
するよう配管軸方向に平行に配置する。
【0128】次に、受信子Rを外部で受信器7kに接続
し、前記受信器7kには検波器7lを介して受信波有無
判定器7mに接続する。
【0129】さらに、受信波有無判定器7mはしきい値
設定器7nと接続されるとともに伝播距離測定器7oに
接続する。
【0130】受信子Rに超音波が受信されるとその振動
子によって受信超音波の振動エネルギーに応じた交流電
圧が発生するので、検波器7lを通して受信波形を得
る。
【0131】この波形を入力される受信波有無判定器7
mは、送信器7jの出力に適当にタイミングを取り、ま
た、出力に応じて受信波形を適当に増幅した後、しきい
値設定器7nで予め設定された電圧以上の入力があると
受信があったとして受信した波形を伝播距離測定器7o
に出力する。
【0132】さらに、受信波有無判定器7nは切替え器
7jにも接続されており、ある送信子(i−1番目)T
(i−1)から送信された表面波の受信がなかったと判定
すると、送信器7jとの接続を次の送信子(i番目)T
(i)に切替えるよう切替え器7iに指示信号を入力す
る。前記切替え器7iは、マルチプレクサあるいはリレ
ーなどの切替え手段で構成されるので、受信波有無判定
器7mからの切替え指示信号に応じて送信器とある送信
子への接続を次の送信子に切替え可能である。
【0133】次に、伝播距離測定器7oは、受信波有無
判定器7mから入力された受信波形の例えばピーク波形
の受信時間Triと送信子のパルス電圧印可時間Tti
の時間差Tti−Tri、及び音速Vsを用いて伝播距
離Li=Vs×(Tti−Tri)を測定する。
【0134】また、伝播距離測定器7oは、比較器7p
へ接続され、前記比較器7pは送信子位置記録器7qに
接続する。
【0135】送信子位置記録器7qには、送信子あるい
はスペーサ(i番目)T(i)の配管軸方向の位置Xi,
周方向の位置Θiが、送信子あるいはスペーサ毎のデー
タベースとして予め記録されている。
【0136】前記比較器7pは、伝播距離測定器7oか
ら対象の送信子(i番目)T(i)と、その送信子T(i)
からの伝播距離Liを入力されると、そのi番目の送信
子位置情報Xi,Θiを読出し、これと伝播距離Liと
を比較演算し受信子Rの位置情報を、配管軸方向の位置
Xr=Xi+Li,周方向の位置Θr=Θiで算出す
る。
【0137】なお、好ましくは、受信子Rは本体に備わ
っており、受信子位置の本体との相対的な位置関係X
d,Θdは既知であるから、受信子位置情報Xr,θr
とから本体の位置情報Xo=Xr+Xd,Θo=Θr+
Θdを算出するようにしても良い。さらに、比較器7p
は表示器7rにも接続している。
【0138】したがって、前記受信子の位置情報、ある
いは本体の位置情報を表示することができる。
【0139】このように計測手段7を構成したので、図
15の流れ図に示す手順によって装置の位置をスペーサ
という固定された構造物を基準として正確に測定可能と
なる。
【0140】こうして、装置の位置測定を行えるように
構成したから、保温材に包囲された高温配管の検査精度
が向上し、さらにプラント運転中に行う検査範囲あるい
は検査時間を拡大することができるので、休止中に実施
すべき検査工数を低減することが可能となる。
【0141】位置の測定に関し、図16,図17に示し
た以下の構成を採用しても良い。
【0142】装置にあって、本体5には、本体の配管上
での周及び軸方向位置を計測する計測手段6nを内蔵す
るとともに、前記計測手段の測定値を、予め記録された
送信子Tの位置と、該送信子からの伝播距離Lの測定値
とから算出した位置情報から、本体の配管上での周方向
位置を校正する計測手段7とを構成したものである。送
信子T,切替え器7i,受信子R,受信器7k,検波器
7l,受信波有無判定器7m,しきい値設定器7n,伝
播距離測定器7o,比較器7p,送信子位置記録器7q
の部分は前記載内容と重複するので説明を省略する。
【0143】さて、本体5の周及び軸方向駆動手段6
b,6cに計測手段を、例えばエンコーダ6nをモータ
6j出力軸に接続するなどして設けて、本体各軸の駆動
量を常時計測し積算することで、本体5の配管上での周
方向位置及び軸方向位置の測定値θr,xrを得る(図
7(A),図6参照)。
【0144】前記駆動手段6b,6cあるいは計測手段
6nは本体位置記録器7tに接続する。
【0145】本体位置記録器7tは、少なくとも随時書
込み読出し自在なメモリで構成されるので、前記駆動手
段6b,6cあるいは計測手段6nから少なくとも本体
の配管上での周方向位置が入力されるとその測定値θr
を記録する。
【0146】一方、伝播距離測定器7o及び送信子位置
記録器7qから接続されている比較器7pは、本体周位
置校正器7sに接続する。
【0147】前記比較器7pは、伝播距離測定器7oか
ら対象の送信子(i−1番目)T(i−1)と、その送信
子からの伝播距離L(i−1)を入力されると、そのi−
1番目の送信子位置情報X(i−1),Θ(i−1)を読
出し、これと伝播距離L(i−1)とを比較演算し受信
子の位置情報を、配管軸方向の位置Xr=X(i−1)+
L(i−1)で算出する。
【0148】これとともに、比較器7pは、送信子位置
記録器7qから次のi番目の送信子の位置情報Xi,Θ
iを読出して受信子の伝播距離の予測値li=L(i−
1)+(Xi―X(i−1))を算出し本体周位置校正器
7sへ出力する。
【0149】なお、ここでは簡単のために配管の周方向
走査、受信子の位置を装置の位置代表点として説明す
る。本体周位置校正器7sでは、既知である配管の半径
rと比較器からの入力Li,liとから、受信子がi−
1番目からi番目の送信子と対向した位置に走査される
間に生じた配管周方向の測定誤差偏差ΔΘ(i−1)=
(√(Li2−li2))/rを算出する。
【0150】次に、本体位置記録器7tに記録されてい
る配管上での周方向位置の測定値Θ(i−1)を読出し
て、受信子がi番目の送信子と対向した位置での本体の
周位置Θi=Θ(i−1)+ΔΘ(i−1)を算出し、周方
向の位置Θr=Θiを算出する。
【0151】さらに、本体周位置校正器7sは表示器7
rにも接続している。
【0152】したがって、前記本体の位置情報、あるい
は本体の位置情報を表示することができる。
【0153】表面波の指向性は数度と狭いのだが、一般
に送信子からの距離が大きくなると超音波の分布幅が広
くなり、周方向の位置測定の精度が劣化する。
【0154】また、装置内蔵のエンコーダを用いた位置
測定では、装置が長時間あるいは長距離自走する間に測
定精度が誤差の累積により劣化する。
【0155】しかし、上述のように位置計測手段を構成
したので、本体の配管上での誤差を適宜校正できるの
で、周方向位置Θrの測定値θrの精度を向上できる。
【0156】こうして、装置の周位置測定を正確に行え
るように構成したから、図17の流れ図に示す手順によ
って送信子あるいはスペーサの配置が疎であっても保温
材に包囲された高温配管の検査精度が向上し、さらに、
プラント運転中に行う検査範囲を拡大することができる
ので、休止中に実施すべき検査工数を低減することが可
能となる。
【0157】さらにまた、図18,図19,図20で示
し以下に説明する位置測定手段を採用しても良い。
【0158】本体5には、スペーサ3の通過を検出する
スペーサ検出手段7zを内蔵し、本体の配管上での周及
び軸方向位置を計測する計測手段6nを内蔵するととも
に、前記計測手段の測定値を、予め記録されたスペーサ
Tの位置と、該スペーサTを本体5が通過したことの検
出情報から、本体の配管上での軸方向位置を校正する計
測手段7とを構成したものである。
【0159】送信子T,切替え器7i,受信子R,受信
器7k,検波器7l,受信波有無判定器7m,しきい値
設定器7n,伝播距離測定器7o,比較器7p,送信子
位置記録器7q,本体周位置校正器7s,本体周位置記
録器7tの部分は前記載内容と重複するので説明を省略
する。
【0160】さて、図20のように本体5の周方向の一
部開口部の両側にピックアップコイル7zを設け、交流
の励磁電源を接続する。
【0161】スペーサ3には通常鉄材などの磁性材を用
いるので、本体5がスペーサ3との衝突を回避し前記開
口部にスペーサ3が通過する際には、前記ピックアップ
コイル7zのインダクタンスが変化する。
【0162】したがって、これらのコイル電流を検出す
ることでスペーサ3の通過を検出できる。
【0163】好ましくは、スペーサ3が開口部に入る時
及び出る時がインダクタンスの変化が大きいので、各タ
イミング位置の中間位置を以ってスペーサ中心軸位置と
判定すると、スペーサ位置を精度よく検出できるので好
適である。
【0164】さらに、ピックアップコイル7zに替えて
前記開口部に光電管式スイッチを備えても構わない。
【0165】もっと言えば、機械式接触スイッチを用い
てスペーサ3との接触検出を以ってスペーサ通過の位置
を検出しても良い。
【0166】このようにスペーサ検出手段7zを構成す
る一方、図18に示すごとく、本体5の周及び軸方向駆
動手段6b,6cに計測手段を、例えばエンコーダ6n
をモータ6j出力軸に接続するなどして設けて、本体周
方向及び軸方向の駆動量を常時計測し積算することで、
本体5の配管上での周方向位置及び軸方向位置の測定値
θr,xrを得る(図7(A),図6参照)。前記駆動手
段6b,6cあるいは計測手段6nは本体周位置記録器
7t及び軸位置記録器7vに接続する。
【0167】各本体位置記録器は、少なくとも随時書込
み読出し自在なメモリで構成されるので、前記駆動手段
あるいは計測手段から入力された本体の配管上での周方
向位置測定値θr及び軸方向位置測定値xrがそれぞれ
記録される。
【0168】さらに、送信子位置記録器7q(以下、ス
ペーサ位置記録器)とスペーサ検出手段7zが軸位置比
較器7xに接続し、軸位置比較器7xは本体軸位置校正
器7uに接続する。軸位置比較器7xは、前記スペーサ
検出手段7zからのi番目のスペーサ通過検出信号が入
力されると、本体軸さらには周位置記録器が記録してい
る本体の位置情報xr,θrをもとにスペーサ位置記録
器7qに記録されているスペーサ位置情報Xi,Θiを
読出し、本体軸位置校正器7uに出力する。次に、前記
本体軸位置校正器7uは、本体軸位置記録器7vに接続
されており、軸位置比較器7xからの入力Xiで本体の
軸位置Xr=Xiを、また、本体軸位置記録器7vに記
録されている本体5の軸位置測定値xr=Xrを更新す
る。さらに、本体軸位置校正器7uは表示器7yにも接
続している。したがって、前記本体の軸及び周位置情報
を表示することができる。
【0169】表面波を用いた距離測定の精度は、配管の
表面性状やベント,エルボなど溶接部の影響で劣化す
る。また、装置内蔵のエンコーダを用いた位置測定で
は、装置が長時間あるいは長距離自走する間に測定精度
が誤差の累積により劣化する。
【0170】しかし、上述のように計測手段7を構成し
たので、本体の配管上での誤差を適宜校正できるので、
周方向及び軸方向位置Θr,Xrの測定値θr,xrの
精度を向上できる。
【0171】こうして、装置の周及び軸位置測定を正確
に行えるように構成したから、図19の流れ図に示す手
順によって、送信子あるいはスペーサの配置が疎であっ
たり配管の表面性状やベント,エルボなどの影響を受け
る位置であっても保温材に包囲された高温配管の検査精
度が向上し、さらに、プラント運転中に行う検査範囲を
拡大することができるので、休止中に実施すべき検査工
数を低減することが可能となる。
【0172】以上の各実施例から明らかなように、請求
項1や請求項2に対応した具体的内容が実施例の中に以
下の様に盛り込まれている。
【0173】配管には、その全周を塞がぬよう周方向に
間隔を開けてスペーサを周配し、スペーサは保温材を支
持する。保温材はさらにその外周を例えばアルミやステ
ンレス材の薄板などによる外装板で覆い、保温材を保護
するとともに強度を持たせる。こうすることで、配管の
外周に周方向及び軸方向にわたって配管と保温材の間隙
を形成できる。装置は、少なくとも前記間隙内に収納さ
れる大きさとする。
【0174】装置本体は、配管の周囲に嵌め合って固定
される軌道台座上に周方向移動可能に取り付けられる。
好ましくは、軌道台座をばねで支持する当て具を介して
配管に固定することで、配管の熱膨張収縮による寸法変
化を吸収し、台座の固定を確実とし高温配管の検査に好
適となる。また、本体内部にはモータとそれに接続する
ピニオンギヤを設けるとともに、前記ピニオンギヤに噛
合うよう軌道台座にラックを設ける。こうして、モータ
を回転させピニオンギヤを回転させることで本体は軌道
台座上の適切な位置に移動できる。さらに本体は、軸方
向へ伸ばしたアームと、ボールねじとこれに回転を与え
るモータと、アームに軸方向移動可能に取り付けられる
とともに、ボールねじに嵌合しねじ上を摺動する軸台座
を備える。したがって、モータを回転させることで、ボ
ールねじが回転し軸台座をアーム上の適切な位置に移動
できる。なお、好ましくは各軸の駆動量を計測可能とす
るためエンコーダなどの位置計測器を各軸に取り付ける
ことで、精密な、より適切な駆動が可能となる。また、
軸台座には特願平8−313337 号に示されるような高温用
の超音波探触子がばねを介して支持されるので、配管が
高温であっても特別な冷却が不要なので、探触子を配管
外表面に適切に押し付けて走査可能となる。さらに探触
子は、ジンバル機構で支持しても良い。これにより、探
触子の配管表面への倣い性が向上し、超音波の配管内部
への送受信が効率よく実施できるので、検査の精度が良
くなるので好適である。また、装置本体にあって、前述
のモータやエンコーダをまとめて断熱ケースに収納し、
この断熱ケースに外部から温度調節手段を接続する。さ
らに言えば、モータとボールねじやラックもしくはピニ
オンギヤ、あるいは駆動軸車輪の間には断熱材を用いる
ことが望ましい。温度調節手段は装置制御部からの駆動
信号に応じて、断熱ケースにクーラントを供給するとと
もに、断熱ケースから回収されるクーラントの排熱を行
って断熱ケースを冷却する。モータなど電機部品では、
雰囲気の温度が上昇すると性能劣化が生じる場合がある
が、温度調節される断熱ケースに封入したので、装置の
雰囲気が高温であっても本来の性能で使用できる。さら
に温度調節手段は装置制御部から、クーラント供給量あ
るいは排熱量を調節できるので、信号処理部は、装置制
御部にモータの発生トルク低下など異常信号が発生した
場合、装置制御部を経由してクーラントの供給量、ある
いは排熱量を増減することで、断熱ケース内の温度を適
切に調節できる。これにより駆動手段に構成されるモー
タなど部品の温度を適切に制御でき、装置の動作を安定
とし、検査の精度が良くなるので高温配管の検査に好適
である。さて、この超音波探触子は外部で計測手段に接
続され、さらに制御手段へと接続される。制御手段は、
計測手段からの出力信号が信号処理部を経由してプラン
トの運転制御部よりプラントへ、例えばバルブ及びポン
プへの運転制御信号を出力するよう構成している。また
計測手段からの出力信号は、信号処理部を経由して装置
制御部より装置の駆動手段へ各軸の駆動信号を出力する
ようにも構成している。配管にき裂や減肉あるいは孔蝕
が発生すると、超音波探触子によってこれら不具合から
反射する超音波信号が受信され、計測手段での演算によ
り検出し、信号処理部で探触子の位置信号と照合し、異
状発生の種類や程度,位置を知ることができ、配管が破
壊に至る前に微少なき裂や孔蝕の発生といった予兆を捕
えることが可能となる。こうして、運転中の高温配管を
検査できるので、異状配管の破壊、あるいは減肉の速度
や分布といった不具合発生の継続監視や、関連するバル
ブ及びポンプを制御してプラントの運転状態を調整した
り停止させることでプラントの安全性を向上できる。さ
らに、これら配管の健全性を運転中に既に確認しておく
ことができるので、プラントの安全性を損なうことなく
休止中に実施すべき検査工数を低減することが可能とな
る。
【0175】さらに、請求項3に対応した具体的内容が
実施例の中に以下のよに盛り込まれている。
【0176】カップラント供給手段は装置制御部からの
駆動信号に応じて、探触子と配管表面との接触面にカッ
プラントを供給する。通常、カップラントは探触子から
の超音波の配管内部への送受信を効率よく実施するため
に、たとえば水やグリセリンなどが用いられるが、これ
らは高温配管では速やかに蒸発してしまうのでカップラ
ントとしての効果がない。また高温下で用いられるカッ
プラントとしては耐熱製剤入りグリセリンが知られてい
るが、配管が300℃にもなると数分で気泡を発し蒸発
してしまう。探触子と配管表面の接触面の隙間にあるカ
ップラント中に気泡が発生すると探触子からの超音波の
配管内部への送受信特性上好ましくない。しかしなが
ら、前記カップラントの供給ノズルを探触子移動方向に
設けているので、探触子は常に供給されたばかりのまだ
気泡の発生していないカップラントの上に走査されるこ
とになる。このとき、余分なカップラントが探触子の周
りにあると、これらが加熱され発生する気泡の影響を受
けるので、たとえば探触子の周りを覆わないなどカップ
ラントを速やかに流失せしめる構成としても良い。さら
に、探触子が配管上では配管軸方向と周方向合わせて高
々4方向にしか走査されないので、その4個所にカップ
ラントの供給ノズルを備えるとともに、カップラント供
給手段に供給ノズルの切替器を設けて、探触子移動方向
のノズルからカップラントを供給させることが望まし
い。もっと言えば、ノズルを探触子の対角2個所に設
け、探触子移動方向に近いノズルからカップラントを供
給させることを妨げるものではない。また、カップラン
ト供給手段は装置制御部からの駆動信号に応じて、探触
子と配管表面との接触面にカップラントを供給するよう
構成されている。そこで、計測手段において探触子から
の超音波信号の強度が弱い場合、信号処理部は装置駆動
制御部を経由してカップラントの供給量を増減させる信
号をカップラント供給部へ出力するようにしても良い。
これにより、超音波探傷の精度が良くなるので検査に好
適である。
【0177】こうして、運転中の高温配管を効率よく超
音波探傷検査できるので、異状配管の破壊、あるいは減
肉の速度や分布といった不具合発生の継続監視や、関連
するバルブ及びポンプを制御してプラントの運転状態を
調整したり停止させることでプラントの安全性を向上で
きる。さらに、これら配管の健全性を運転中に既に確認
しておくことができるので、プラントの安全性を損なう
ことなく休止中に実施すべき検査工数を低減することが
可能となる。
【0178】さらに、請求項4に対応した具体的内容が
実施例の中に以下のよに盛り込まれている。
【0179】前述のカップラントは探触子からの超音波
の配管内部への送受信を効率よく実施するために用いら
れるが、配管内部への送受信に用いられる超音波の種類
は、前記超音波探触子内の振動子特有の種類のままのも
のである。例えば前述の特願平8−313337 号に記載の探
触子は縦波を発生する。しかしながら、検査の目的によ
っては横波や表面波といった種類の超音波を用いて検査
することが行われており、縦波を発生させる振動子から
別の種類、横波や表面波を配管内部への送受信の際に
は、通常、楔型のシューと呼ばれる屈折材を振動子と配
管外表面との間に用いることが多い。一般にシューに
は、加工し易さ、シュー材中の音速が検査対象材中の音
速よりも遅く超音波の屈折角が大きいものが用いられ、
アクリル材が通常よく用いられている。しかしながら、
運転中温度が300℃にもなると短時間でアクリルが焼
け解けてしまうので、高温配管で用いるシュー材として
は好ましくない。例えば前述の探触子で表面波を送受信
する場合では、少なくともシュー材は融点300℃以上
であって、材中の音速が検査対象の鋼材の表面波の音速
3000m/s以下のものを選ぶ必要がある。これには
特殊な銅などの合金やセラミック材が考えられるが一般
的ではない。本発明では、超音波探触子には、振動子と
配管外表面との間に液体の封入容器を有しているので、
適切な音速のものとして、例えば音速1500m/sで
ある水,音速1400m/sであるマシン油,音速18
80m/sであるグリセリンを前記容器内に供給するこ
とで、好ましい屈折材として用いることが可能となる。
この際、高温配管によって液体が加熱され沸騰し気泡を
生じると超音波の送受信特性が劣化する恐れがあるが、
前記封入容器は耐圧性材、例えば銅やアルミ,鉄鋼材で
製作することで、前記液体を加圧する加圧手段、ここで
は、液体を与圧して封止せしめておくだけでも良いのだ
が、前記加圧手段で液体を加圧することで沸騰による気
泡の発生を抑止可能となる。
【0180】こうして、運転中の高温配管を適切な種類
の超音波を用いて超音波探傷検査できるので、異状配管
の破壊、あるいは減肉の速度や分布といった不具合発生
の継続監視や、関連するバルブ及びポンプを制御してプ
ラントの運転状態を調整したり停止させることでプラン
トの安全性を向上できる。さらに、これら配管の健全性
を運転中に既に確認しておくことができるので、プラン
トの安全性を損なうことなく休止中に実施すべき検査工
数を低減することが可能となる。
【0181】さらに、請求項5に対応した具体的内容が
実施例の中に以下のよに盛り込まれている。
【0182】すなわち、本体は円弧つまり一部を開口し
た環形状で構成され、配管の軸方向に駆動する車輪と、
軸方向に駆動する車輪とを、各々少なくとも2個備え
る。好ましくは、各方向駆動輪を対向し配置すると、配
管を挟持した際に装置本体が安定し、精密な、より適切
な駆動が可能となるので望ましい。これら車輪は各々ギ
ヤなど伝達機構を介してモータに接続する。さらに各々
車輪はエアシリンダを介して本体に昇降自在に支持され
るので、各エアシリンダの伸縮駆動を制御することによ
って軸駆動車輪、あるいは周駆動車輪を配管外表面に押
し付けることができる。したがって、例えば軸駆動車輪
に繋がるエアシリンダを伸長し本体から配管に降ろすと
ともに、周駆動車輪に繋がるエアシリンダを収縮し本体
へ引上げ、これらと接続するモータを回転させこれら車
輪を駆動することで、本体を配管の軸方向の適切な位置
に移動できる。同様に、周駆動車輪に繋がるエアシリン
ダを伸長し本体から配管に降ろすとともに、軸駆動車輪
に繋がるエアシリンダを収縮し本体へ引上げ、これらと
接続するモータを回転させこれら車輪を駆動すること
で、本体を配管の周方向の適切な位置に移動できる。好
ましくは各軸の駆動量を計測可能とするためエンコーダ
などの位置計測器を各軸に取り付けることで、精密な、
より適切な駆動が可能となる。この場合、計測された車
輪の駆動量に基づいて装置本体の走行制御を正確に行え
るので、配管にベント部分があってもベントの内側及び
外側の車輪の駆動量をベントの曲率に応じて各々調整す
ることで、ベント配管に沿った走行が可能となる。もっ
と言えば、本体に幾つかの関節を設け、各関節にばねを
配してリンク構造を構成すると、本体の車輪を介して配
管を挟む力が増大しより確実に車輪を押し付けでき、垂
直配管の軸方向走行であっても車輪がスリップすること
なく精密な、より適切な駆動が可能となる。
【0183】また、本体には、周方向に伸びた円弧状ア
ームと、アーム上を周方向に摺動する円弧状の台座と台
座にばねを介して支持される探触子を備えるとともに、
台座にラックを設け、このラックに噛合うピニオンギヤ
を介して接続するモータを本体内に設ける。これによ
り、車輪を駆動させ本体を動かすことなく探触子を走査
することができ、車輪の駆動に伴うスリップ発生を抑止
でき精密な探傷検査が可能となる。
【0184】一方、保温材を配管に係止するスペーサは
配管外表面上に千鳥状に配列、すなわち、ある軸位置で
周方向の1個所に配置し、円弧状本体の一部開口部をス
ペーサが通過できる大きさとすることで、装置本体はス
ペーサがあっても配管の軸方向に移動できる。
【0185】こうして、装置が配管に沿って自走移動で
きるように構成したから、プラント運転中に行う検査範
囲を拡大することができるので、休止中に実施すべき検
査工数を低減することが可能となる。
【0186】また、請求項6に対応した具体的内容が実
施例の中に以下のよに盛り込まれている。
【0187】すなわち、少なくとも本体の周方向に2個
所で、さらに、各々本体の軸方向へずらした位置、例え
ば本体両側面にコイルと、コイル内孔部に嵌合し摺動す
る鉄心からなる差動変圧器を配す一方で、この鉄心はば
ねを介して本体に固定するとともに、前記鉄心はロッド
を介して配管に接触させる。ロッドは常にばねによって
配管へ押し付けられているが、本体と配管の距離変化に
したがって上下して前記鉄心のコイル中での相対位置を
変化させる。これら差動変圧器へ交流の励磁電源を接続
することで、コイルの中での鉄心の相対位置変化に応じ
た交流起電力を得る。予め本体側面にそれぞれ設けられ
た距離計間の位置関係を知っておくことで、これら距離
計の検出距離の差から本体の配管に対する傾きを知るこ
とができる。ここで、前記ロッドの先端に車輪を設けて
配管表面への倣い性を向上させても良く、これは検出す
る距離の精度を向上させるので本体の姿勢制御に好適で
ある。さらに、もっと言えば、本体の姿勢を配管軸に対
して垂直に安定するよう制御するのには本体の傾きを知
る必要はない。すなわち、姿勢安定制御手段には、本体
周方向の2個所にある、本体両側面に設けた距離計の出
力をそれぞれ減算器に接続し、さらにこれら2つの減算
器の出力を1つの減算器に接続する。そして、この出力
を装置制御部に入力し、この入力にしたがって、装置制
御部がモータなどの駆動手段へ供給している駆動電源を
調整するように制御手段が構成されている。これによっ
て、例えば本体の一個所が配管に対して前傾すれば他方
が後傾するが、前傾姿勢側では駆動輪に減速を、後傾姿
勢側では加速を指令するので装置の姿勢を配管軸に垂直
とできる。なお、距離計としては、レーザ干渉測長器や
機械接点式ゲージなどを用いても構わない。
【0188】こうして、円弧状の装置が配管に嵌合して
スムーズに自走移動できるよう、また、本体姿勢を安定
させ精度よく検査できるよう構成したから、プラント運
転中に行う検査範囲を拡大することができるので、休止
中に実施すべき検査工数を低減することが可能となる。
【0189】また、請求項7に対応した具体的内容が実
施例の中に以下の様に盛り込まれている。
【0190】すなわち、スペーサの内部に貫通して、配
管表面に表面波を送受信する超音波探触子を設ける。こ
の探触子並びにシューは耐高温性を有しており配管に直
接接触させても良いので、これらをスペーサの下端部へ
埋設する。なお、探触子をスペーサの上端部あるいは保
温材の外側に設けて配管表面までにステンレス鋼材など
の導波棒を配置しても良い。これは探触子の耐高温性に
余裕を生むため高温配管への超音波の送受信に好適であ
る。また、高温での使用に鑑み、超音波を配管に非接触
で送受信する電磁超音波(EMAT)プローブを配管面
に近付けても構わない。さて、これらの探触子(以下、
送信子と呼ぶ)を備えるスペーサを配管に複数、好まし
くは周方向にずらせながら千鳥状あるいは螺旋状に配置
させて、外部で切替え器を介して送信器と接続する。送
信器は送信子の振動子が超音波を発生するようパルス電
圧を発生し、前記切替え器で順次送信子との接続を切替
えながら選択的にパルス電圧を送信子に印加する。これ
とともに装置本体にも配管表面に表面波を送受信する超
音波探触子(以下、受信子と呼ぶ)を設ける。表面波は
一般に強い指向性を有しており、超音波の進行方向での
広がりは数度程度である。そこで、送信子,受信子を互
いに対向するよう配管軸方向に平行に配置する。次に、
受信子を外部で受信器に接続し、前記受信器には検波器
を介して受信波有無判定器に接続する。さらに、受信波
有無判定器はしきい値設定器と接続されるとともに伝播
距離測定器に接続する。受信子に超音波が受信されると
その振動子によって受信超音波の振動エネルギーに応じ
た交流電圧が発生するので、検波器を通して受信波形を
得る。この波形を入力される受信波有無判定器は、送信
器の出力に適当にタイミングを取り、また、出力に応じ
て受信波形を適当に増幅した後、しきい値設定器で予め
設定された電圧以上の入力があると受信があったとして
受信した波形を伝播距離測定器に出力する。さらに、受
信波有無判定器は切替え器にも接続されており、ある送
信子(i−1番目)から送信された表面波の受信がなか
ったと判定すると、送信器との接続を次の送信子(i番
目)に切替えるよう切替え器に指示信号を入力する。前
記切替え器は、マルチプレクサあるいはリレーなどの切
替え手段で構成されるので、受信波有無判定器からの切
替え指示信号に応じて送信器とある送信子への接続を次
の送信子に切替え可能である。次に、伝播距離測定器
は、受信波有無判定器から入力された受信波形の例えば
ピーク波形の受信時間Triと送信子のパルス電圧印加
時間Ttiの時間差Tti−Tri、及び音速Vsを用
いて伝播距離Li=Vs×(Tti−Tri)を測定す
る。また、伝播距離測定器は、比較器へ接続され、前記
比較器は送信子位置記録器に接続する。送信子位置記録
器には、送信子あるいはスペーサ(i番目)の配管軸方
向の位置Xi、周方向の位置Θiが、送信子あるいはス
ペーサ毎のデータベースとして予め記録されている。前
記比較器は、伝播距離測定器から対象の送信子(i番
目)と、その送信子からの伝播距離Liを入力される
と、そのi番目の送信子位置情報Xi,Θiを読出し、
これと伝播距離Liとを比較演算し受信子の位置情報
を、配管軸方向の位置Xr=Xi+Li,周方向の位置
Θr=Θiで算出する。なお、好ましくは、受信子は本
体に備わっており、受信子位置の本体との相対的な位置
関係Xd,Θdは既知であるから、受信子位置情報X
r,θrとから本体の位置情報Xo=Xr+Xd,Θo
=Θr+Θdを算出するようにしても良い。さらに、比
較器は表示器にも接続している。したがって、前記受信
子の位置情報、あるいは本体の位置情報を表示すること
ができる。このように位置計測手段を構成したので、装
置の位置をスペーサという固定された構造物を基準とし
て正確に測定可能となる。
【0191】こうして、装置の位置測定を行えるように
構成したから、保温材に包囲された高温配管の検査精度
が向上し、さらにプラント運転中に行う検査範囲あるい
は検査時間を拡大することができるので、休止中に実施
すべき検査工数を低減することが可能となる。
【0192】また、請求項8に対応した具体的内容が実
施例の中に以下のように盛り込まれている。
【0193】前述の送信子,切替え器,受信子,受信
器,検波器,受信波有無判定器,しきい値設定器,伝播
距離測定器,比較器,送信子位置記録器の部分は前記載
内容と重複するので説明を省略する。
【0194】さて、本体の周及び軸方向駆動手段に計測
手段を、例えばエンコーダをモータ出力軸に接続するな
どして設けて、本体各軸の駆動量を常時計測し積算する
ことで、本体の配管上での周方向位置及び軸方向位置の
測定値θr,xrを得る。前記駆動手段あるいは計測手
段は本体位置記録器に接続する。本体位置記録器は、少
なくとも随時書込み読出し自在なメモリで構成されるの
で、前記駆動手段あるいは計測手段から少なくとも本体
の配管上での周方向位置が入力されるとその測定値θr
を記録する。一方、伝播距離測定器及び送信子位置記録
器から接続されている比較器は、本体周位置校正器に接
続する。前記比較器は、伝播距離測定器から対象の送信
子(i−1番目)と、その送信子からの伝播距離L(i
−1)を入力されると、そのi−1番目の送信子位置情
報X(i−1),Θ(i−1)を読出し、これと伝播距離L
(i−1)とを比較演算し受信子の位置情報を、配管軸方
向の位置Xr=X(i−1)+L(i−1)で算出する。こ
れとともに、比較器は、送信子位置記録器から次のi番
目の送信子の位置情報Xi,Θiを読出して受信子の伝
播距離の予測値li=L(i−1)+(Xi―X(i−1))
を算出し本体周位置校正器へ出力する。なお、ここでは
簡単のために配管の周方向走査、受信子の位置を装置の
位置代表点として説明する。本体周位置校正器では、既
知である配管の半径rと比較器からの入力Li,liと
から、受信子がi−1番目からi番目の送信子と対向し
た位置に走査される間に生じた配管周方向の測定誤差偏
差ΔΘ(i−1)=(√(Li2−li2))/rを算出する。
次に、本体位置記録器に記録されている配管上での周方
向位置の測定値Θ(i−1)を読出して、受信子がi番目
の送信子と対向した位置での本体の周位置Θi=Θ(i
−1)+ΔΘ(i−1)を算出し、周方向の位置Θr=Θ
iを算出する。さらに、本体周位置校正器は表示器にも
接続している。したがって、前記本体の位置情報、ある
いは本体の位置情報を表示することができる。表面波の
指向性は数度と狭いのだが、一般に送信子からの距離が
大きくなると超音波の分布幅が広くなり、周方向の位置
測定の精度が劣化する。また、装置内蔵のエンコーダを
用いた位置測定では、装置が長時間あるいは長距離自走
する間に測定精度が誤差の累積により劣化する。しか
し、上述のように位置計測手段を構成したので、本体の
配管上での誤差を適宜校正できるので、周方向位置Θr
の測定値θrの精度を向上できる。
【0195】こうして、装置の周位置測定を正確に行え
るように構成したから、送信子あるいはスペーサの配置
が疎であっても保温材に包囲された高温配管の検査精度
が向上し、さらに、プラント運転中に行う検査範囲を拡
大することができるので、休止中に実施すべき検査工数
を低減することが可能となる。
【0196】また、請求項9に対応した具体的内容が実
施例の中に以下の様に盛り込まれている。
【0197】前述の送信子,切替え器,受信子,受信
器,検波器,受信波有無判定器,しきい値設定器,伝播
距離測定器,比較器,送信子位置記録器,本体周位置校
正器,本体周位置記録器の部分は前記載内容と重複する
ので説明を省略する。
【0198】さて、本体の周方向の一部開口部の両側に
ピックアップコイルを設け、交流の励磁電源を接続す
る。スペーサには通常鉄材などの磁性材を用いるので、
装置がスペーサとの衝突を回避し前記開口部にスペーサ
が通過する際には、前記ピックアップコイルのインダク
タンスが変化する。したがって、これらのコイル電流を
検出することでスペーサの通過を検出できる。好ましく
は、スペーサが開口部に入る時及び出る時がインダクタ
ンスの変化が大きいので、各タイミング位置の中間位置
を以ってスペーサ中心軸位置と判定すると、スペーサ位
置を精度よく検出できるので好適である。さらに、ピッ
クアップコイルに替えて前記開口部に光電管式スイッチ
を備えても構わない。もっと言えば、機械式接触スイッ
チを用いてスペーサとの接触検出を以ってスペーサ通過
の位置を検出しても良い。このようにスペーサ検出手段
を構成する一方、本体の周及び軸方向駆動手段に計測手
段を、例えばエンコーダをモータ出力軸に接続するなど
して設けて、本体周方向及び軸方向の駆動量を常時計測
し積算することで、本体の配管上での周方向位置及び軸
方向位置の測定値θr,xrを得る。前記駆動手段ある
いは計測手段は本体周位置記録器及び軸位置記録器に接
続する。各本体位置記録器は、少なくとも随時書込み読
出し自在なメモリで構成されるので、前記駆動手段ある
いは計測手段から入力された本体の配管上での周方向位
置測定値θr及び軸方向位置測定値xrがそれぞれ記録
される。さらに、送信子位置記録器(以下、スペーサ位
置記録器)とスペーサ検出手段が軸位置比較器に接続
し、軸位置比較器は本体軸位置校正器に接続する。軸位
置比較器は、前記スペーサ検出手段からのi番目のスペ
ーサ通過検出信号が入力されると、本体軸さらには周位
置記録器が記録している本体の位置情報xr,θrをも
とにスペーサ位置記録器に記録されているスペーサ位置
情報Xi,Θiを読出し、本体軸位置校正器に出力す
る。次に、前記本体軸位置校正器は、本体軸位置記録器
に接続されており、軸位置比較器からの入力Xiで本体
の軸位置Xr=Xiを、また、本体軸位置記録器に記録
されている本体の軸位置測定値xr=Xrを更新する。
さらに、本体軸位置校正器は表示器にも接続している。
したがって、前記本体の軸及び周位置情報を表示するこ
とができる。表面波を用いた距離測定の精度は、配管の
表面性状やベント,エルボなど溶接部の影響で劣化す
る。また、装置内蔵のエンコーダを用いた位置測定で
は、装置が長時間あるいは長距離自走する間に測定精度
が誤差の累積により劣化する。しかし、上述のように位
置計測手段を構成したので、本体の配管上での誤差を適
宜校正できるので、周方向及び軸方向位置Θr,Xrの
測定値θr,xrの精度を向上できる。
【0199】こうして、装置の周及び軸位置測定を正確
に行えるように構成したから、送信子あるいはスペーサ
の配置が疎であったり配管の表面性状やベント,エルボ
などの影響を受ける位置であっても保温材に包囲された
高温配管の検査精度が向上し、さらに、プラント運転中
に行う検査範囲を拡大することができるので、休止中に
実施すべき検査工数を低減することが可能となる。
【0200】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、配管と保温材
との間隙間に検査装置が常設されているから、保温材を
取り外すことなく迅速に配管の検査が実施できる。
【0201】請求項2の発明によれば、検査手段の駆動
手段が動作不良を起こさないように温度管理してあるの
で、配管を包囲する保温材を取り外すことなく、さらに
はその配管を含むプラントの運転中高温環境下であって
も配管の検査が確実に実施できる。
【0202】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
による効果に加えて、高温環境下でもカップラントが正
常な状態である内に配管に対する超音波の送受信を行い
その配管の検査を確実に行える。
【0203】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
による効果に加えて、振動子と配管との間の超音波屈折
材が温度の影響を受けにくい状態に維持されるから、従
来その屈折材が温度の影響を受け易い環境温度でも、配
管を適切な種類の超音波を用いて確実に検査することが
できる。
【0204】請求項5の発明によれば、請求項1から請
求項4までのいずれか一項の発明による効果に加えて、
検査装置がスペーサを通過して配管に沿って移動可能と
して、検査範囲を拡大できる。
【0205】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
による効果に加えて、配管を検査する装置の姿勢を制御
して配管沿いの移動を円滑に行い、さらには、装置全体
の姿勢を制御することで検査手段の姿勢も正して、精度
よく配管を検査できる。
【0206】請求項7の発明によれば、請求項5又は請
求項6の発明による効果に加えて、既知の位置を基準に
して保温材に包囲されていても、位置測定を行える配管
検査装置を提供できる。
【0207】請求項8の発明によれば、請求項7の発明
による効果に加えて、検査装置に内蔵した位置計測手段
による位置情報を校正して位置測定を正確に行える配管
検査装置を提供できる。
【0208】請求項9の発明によれば、請求項7又は請
求項8による効果に加えて、既知のスペーサの位置情報
で検査装置の配管軸方向の位置情報を校正して位置測定
を一層正確に行える配管検査装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す配管検査装置の全体図で
ある。
【図2】図1の配管検査装置の部分詳細図であり、
(A)図は各駆動手段の縦断面図を、(B)図は超音波
探触子の近傍を示した断面図を、(C)図は(A)図の
駆動手段の平断面図を、(D)図は温度調整手段の保温
材の外側の構成を示す系統図をそれぞれ示している。
【図3】本発明の実施例で採用される従来技術による高
温用探触子の縦断面図である。
【図4】図3の(B)図に示した超音波探触子に対する
カップラントの供給系統図であって、(A)図は超音波
探触子の近傍を表し、(B)図は保温材の外側に配備さ
れた部分を表し、(C)図及び(D)図は超音波探触子
の移動方向毎に使用するカップラント供給口を示した概
念図である。
【図5】本発明の他の実施例による配管検査装置の図で
あり、(A)図は配管軸方向からみて表した図、(B)
図はその側面からみて表した図である。
【図6】図5に示した駆動手段の詳細図であり、(A)
図は配管へ車輪がタッチしている状況を示し、(B)図
は配管から車輪を浮かせている状況を示している図であ
る。
【図7】図5の検査装置が移動している状況を示した図
であり、(A)図は周方向に、(B)図は軸方向に、
(C)図は配管のエルボ部分(曲管部分)を配管軸方向
に移動している状況を、(D)図は(C)図の状況を配
管軸方向から見た図を表している。
【図8】検査対象の配管と周囲の保温材と両者の間に装
備されたスペーサとの配置関係を示した図であり、
(A)図は配管軸方向からみた図であり、(B)図は縦
断面で且つ検査装置を含めて表した図である。
【図9】図5,図6に示した検査装置に姿勢計測手段を
装備した場合のその計測手段近傍断面図であり、(A)
図は姿勢が傾斜していない場合を、(B)図は姿勢が傾
斜している場合を表している。
【図10】図9の姿勢計測手段に接続された姿勢の制御
手段の模式図である。
【図11】図11(A)図は超音波の屈折材を用いた超
音波探触子の断面図であり、(B)図は(A)図の探触子
を位置計測用の発信源として用いた場合のスペーサ部分
の縦断面図である。
【図12】図11の超音波探触子の送受信状態を示した
概念図である。
【図13】図11(B)図の発信源を装備した設備の全
体図である。
【図14】本発明の実施例で用いられる位置計測システ
ムの概念構成図である。
【図15】図14の位置計測システムの機能フローチャ
ート図である。
【図16】本発明の他の実施例による位置計測システム
の概念構成図である。
【図17】図16の位置計測システムの機能フローチャ
ート図である。
【図18】本発明の更に他の実施例による位置計測シス
テムの概念構成図である。
【図19】図18の位置計測システムの機能フローチャ
ート図である。
【図20】図18に示したスペーサ検出手段配置を示し
た図であり、(A)図は配管軸方向から見た図を、
(B)図は縦断面で且つ複数の検査装置位置を同時に表
示して表した図である。
【符号の説明】
1…配管、1a…間隙、2…保温材、3…スペーサ、4
…超音波探触子、5…本体、6…駆動手段、7…計測手
段、8…制御手段、9…温度調整手段、10…カップラ
ント供給手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久恒 眞一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 高村 則久 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検査機器と、検査機器を移動させる駆動手
    段とを、配管とその保温手段との間の間隙に常備してあ
    る配管検査装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記駆動手段に前記駆
    動手段の温度を調節する温度調整手段を備えている配管
    検査装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記検査機器として、
    超音波探触子と、前記超音波探触子と配管との間にカッ
    プラントを供給するカップラント供給手段とを有し、前
    記カップラント供給手段による前記カップラントの供給
    口を、前記探触子の中央よりも前記探触子の移動方向寄
    りに、前記供給口から出たカップラントが前記探触子の
    下方に至る間に前記カップラントに気泡が生じない前記
    探触子からの近さに配備してあることを特徴とする配管
    検査装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記超音波探触子に
    は、振動子と配管外表面との間に液体の封入容器を有
    し、さらには前記封入容器内の前記液体に対する加圧手
    段を設けることを特徴とする配管検査装置。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4までのいずれか一項
    において、保温手段を配管に取り付けるスペーサが通過
    できる空間をあけて前記配管周囲沿いに沿った形状の本
    体と、前記本体に取り付けた検査機器と、前記検査機器
    を移動させる駆動手段として、前記本体を前記配管の軸
    方向に移動させる軸駆動手段及び前記本体を前記配管の
    周囲に周方向に移動させる周駆動手段と、を備えたこと
    を特徴とする配管検査装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、軸駆動手段を周方向に
    分散して本体に配備し、前記本体に前記本体の姿勢を計
    測する姿勢計測手段を備え、前記姿勢計測手段の計測結
    果に基づいて前傾側に分散している前記軸駆動手段より
    も後傾側に分散している前記軸駆動手段を相対的に速度
    を速める制御を前記軸駆動手段に加える姿勢安定制御手
    段を備えていることを特徴とする配管検査装置。
  7. 【請求項7】請求項5又は請求項6において、前記配管
    の既知の位置に超音波を表面波として付与する送信子
    と、本体側に装備されて前記表面波を受信する受信子
    と、前記既知の位置を基準にして前記受信子による前記
    表面波の受信結果で測定した前記受信子までの位置情報
    を加味して前記本体の配管上での位置を計測する第1の
    位置計測手段を有することを特徴とする配管検査装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、周駆動手段と軸駆動手
    段とに周駆動量と軸駆動量とから位置を計測する第2の
    位置計測手段を備え、第1の位置計測手段による計測結
    果から、前記第2の位置計測手段による計測位置を校正
    する第1の校正手段を備えたことを特徴とする配管検査
    装置。
  9. 【請求項9】請求項7又は請求項8において、既知の位
    置に存在するスペーサの通過を検出するスペーサ検出手
    段を本体に備え、前記スペーサ検出手段の検出結果を受
    けて前記既知の位置の情報で本体の配管上での軸方向の
    位置を校正する第2の校正手段を備えたことを特徴とす
    る配管検査装置。
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