JPH11160144A - 3次元地震応答解析方法 - Google Patents

3次元地震応答解析方法

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JPH11160144A
JPH11160144A JP9324023A JP32402397A JPH11160144A JP H11160144 A JPH11160144 A JP H11160144A JP 9324023 A JP9324023 A JP 9324023A JP 32402397 A JP32402397 A JP 32402397A JP H11160144 A JPH11160144 A JP H11160144A
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邦一郎 橋本
Atsuhiko Tabuchi
敦彦 田渕
Yoshihito Fushimi
義仁 伏見
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間、且つ小容量で、精度良く、鉄塔等の
3次元的な地震応答解析を行うことのできる、新しい3
次元地震応答解析方法を提供する。 【解決手段】 以下に記載する各ステップに沿って塔体
と電線連成系を3次元的に地震応答解析する。立体トラ
スモデルを作成し(ステップ1)、立体トラスモデルに
単位荷重をかけて剛性を評価し(ステップ2)、塔体の
ねじれに対するバネ定数を多質点系で取り扱い(ステッ
プ3)、立体トラスモデルの剛性と同じ剛性を有する多
質点モデルを作成し(ステップ4)、多質点モデルに、
鉄塔3基で2径間として多質点モデルに置換した電線を
つけ(ステップ5)、固有値解析を行い(ステップ
6)、塔体の強度評価に必要最小限な固有値を選択し
(ステップ7)、任意方向の地震動を入力し(ステップ
8)、振動モード別に減衰率を適用し(ステップ9)、
モード重ね合わせ法により応答値を求め(ステップ1
0)、応答値から各質点の地震外力を求め(ステップ1
1)、地震外力を単位荷重による立体トラスモデルの軸
力にかけることにより地震応答部材力を求める(ステッ
プ12)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、3次元地震応答
解析方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来において、地震力による
送電鉄塔に対する被害は、直接的なものでなく、基礎地
盤の損壊などによる二次的な被害のみであり、よって、
風荷重で設計された送電鉄塔は、地震荷重に対しても十
分安全に耐えられるものであるとされていた。
【0003】しかしながら、送電線の高電圧化や大容量
化に伴い、電線の多導体化、高鉄塔化が進み、従来の鉄
塔に比べて大規模なものとなって、トップヘビーの傾向
が増してきており、このために、従来規模の鉄塔の動特
性と異なってくることが考えられる。また、兵庫県南部
地震を契機に上下地震動による塔体への影響をも検討す
る必要性が指摘され、主要幹線に使用される大型鉄塔
は、従来にも増して高い信頼性が求められるため、耐震
性についてより精度良く十分に検討する必要性が要求さ
れてきている。
【0004】従来より、塔体の耐震検討を行う地震応答
解析方法としては多くのものが開発・研究されており、
この発明の発明者も、すでに一方法を開発している。こ
の方法は、2次元解析法であり、多質点系によるモード
重ね合わせ法として開発され、以下の手順で解析を行
う。 (1)塔体を線路方向から見た投影面と線路直角方向か
ら見た投影面の2種類の平面トラスモデルを作成する。
【0005】(2)各平面トラスモデルに水平方向の単
位荷重をかけて剛性を評価する。 (3)各平面トラスモデルと剛性が同じ、荷重方向が線
路方向と線路直角方向の2種類の多質点モデルを作る。 (4)各多質点モデルそれぞれに、鉄塔3基で2径間と
して多質点モデルに置換した電線をつける。
【0006】(5)固有値解析を行う。 (6)線路方向と線路直角方向の2種類の水平方向地震
動を各方向に対応した多質点モデルに入力する。 (7)地震外力を平面トラスモデルの単位荷重による軸
力にかけて、地震応答部材力を算出する。
【0007】以上のような手順で解析する解析法は、質
点数が少なく、計算時間および記憶容量の大幅な短縮を
図ることができるものの、2次元解析であるために、上
下地震動に対する応答が鉄塔・電線連成系では正確に表
現することができず、また鉄塔のねじれ作用に対する解
析も不可能であり、さらには荷重方向でない副構面応力
を得ることもできないといった問題があった。
【0008】このような2次元解析に起因する問題を解
消するために、3次元解析を行う方法が研究、開発され
てきており、たとえば、立体モデルによる直接積分法が
知られている。この立体モデルによる直接積分法は、上
述したモード重ね合わせ法と同様に、鉄塔3基で2径間
として多質点モデルに置換した電線を付けており、この
鉄塔の並び方の形態は多質点モデル−立体モデル−多質
点モデルとして部材強度評価をする鉄塔を中央において
立体モデルで解析する。
【0009】送電線は、通常、架渉線を支持する鉄塔が
連続して設置され、経過地の地形によって鉄塔の形式、
がいしの吊り型、電線の角度などが様々に変化する。こ
のような送電線の任意の鉄塔の地震応答解析を検討する
場合、上下地震動に対する応答および鉄塔の相互位置関
係の影響を正確に表現するためには3次元の地震応答解
析が必要であるが、上述したような3次元解析方法で
は、自由度数の増加に伴い計算時間、記憶容量等が膨大
なものとなってしまう。
【0010】そこで、この発明は、以上の通りの事情に
鑑みてなされたものであり、短時間、且つ小容量で、精
度良く、鉄塔等の3次元的な地震応答解析を行うことの
できる、新しい3次元地震応答解析方法を提供すること
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、以下に記載する各ステップに沿
って塔体と電線連成系を3次元的に地震応答解析するこ
とを特徴とする3次元地震応答解析方法を提供する。 ステップ1:立体トラスモデルを作成する。
【0012】ステップ2:立体トラスモデルに単位荷重
をかけて剛性を評価する。 ステップ3:塔体のねじれに対するバネ定数を多質点系
で取り扱う。 ステップ4:立体トラスモデルの剛性と同じ剛性を有す
る多質点モデルを作成する。 ステップ5:多質点モデルに、鉄塔3基で2径間として
多質点モデルに置換した電線をつける。
【0013】ステップ6:固有値解析を行う。 ステップ7:塔体の強度評価に必要最小限な固有値を選
択する。 ステップ8:任意方向の地震動を入力する。 ステップ9:振動モード別に減衰率を適用する。 ステップ10:モード重ね合わせ法により応答値を求め
る。
【0014】ステップ11:応答値から各質点の地震外
力を求める。 ステップ12:地震外力を単位荷重による立体トラスモ
デルの軸力にかけることにより地震応答部材力を求め
る。 また、この発明は、上記の解析方法において、ステップ
3におけるバネ定数の多質点系での取り扱いを、立体ト
ラスモデルの腕金の荷重点に塔体の水平ねじれ方向に単
位荷重をかけてねじれ剛性を算出するサブステップ3−
1、および剛性と多質点モデルの水平方向のねじれ剛性
を同一にするサブステップ3−2に沿って行うことを態
様としている。
【0015】さらにまた、上記の解析方法において、ス
テップ7における固有値の選択を、任意値以下の固有振
動数を有する固有値を選択するサブステップ7−1、任
意値以上の刺激係数を有する固有値を選択するサブステ
ップ7−2、選択された各固有値に関して3次元の振動
モード図を作成し、塔体主体の振動モードと電線主体の
振動モードを判別するサブステップ7−3、および塔体
主体の振動モードから、1次振動モード、2次振動モー
ド、3次振動モード、4次以上振動モードを選別するサ
ブステップ7−4に沿って行うことをもその一つの態様
としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、実施例を示し、さらに詳し
くこの発明の実施の形態について説明する。
【0017】
【実施例】ここでは、この発明の3次元地震応答解析方
法における各ステップを説明する。まず、鉄塔などの塔
体について、図1に例示したような立体トラスモデル
(ステップ1)を作成し、この立体トラスモデルに単位
荷重をかけて剛性を評価する(ステップ2)。図1の立
体トラスモデルには、パネル番号が1〜19まで付され
ている。
【0018】次いで、塔体のねじれに対するバネ定数を
多質点系で取り扱う(ステップ3)。このステップ3に
おいては、たとえば、サブステップ3−1として、立体
トラスモデルの腕金の荷重点に塔体の水平ねじれ方向に
単位荷重をかけてねじれ剛性を算出し、サブステップ3
−2として、剛性と多質点モデルの水平方向のねじれ剛
性を同一にする。
【0019】そして、ステップ4において、立体トラス
モデルの剛性と同じ剛性を有する多質点モデルを作成
し、ステップ5において、この多質点モデルに、塔体3
基で2系間として多質点モデルに置換した電線をつけ
る。図2は、図1の立体トラスモデルに対する多質点モ
デルの一例を示したものである。このように塔体および
電線を多質点モデルに置換することにより質点数はある
程度減少されており、この多質点モデルで固有値解析を
行う(ステップ6)。
【0020】固有値解析により得られた固有値は、その
全てが塔体の強度評価に必要となるものではない。そこ
で、以下の各ステップに従って塔体の強度評価に必要最
小限な固有値を選択し(ステップ7)、さらなる計算時
間および記憶容量の減少を図る。このステップ7におい
ては、たとえば以下のような各サブステップを行う。
【0021】サブステップ7−1:任意の固有振動数以
下である固有値を選択する。 図3および図4は、それぞれ、構造物の地震応答解析の
入力地震動として一般に用いられるエルセントロ(EL
CENTRO)1940NSとタフト(TAFT)1
952EWの加速度記録波形のスペクトルを示したもの
である。これら図3および図4から明らかなように、た
とえば固有振動数が20Hzでは地震動の影響がほとん
ど無いことがわかる。
【0022】ここで、固有値解析により求めた各固有値
の固有振動数に対して、a.全て選択、b.20Hz以
下を選択、c.15Hz以下を選択するという3ケース
における地震応答解析を行い、最下節の主柱材の地震応
答軸力を算出した。表1はこの地震応答解析の結果を示
したものである。
【0023】
【表1】
【0024】この表1から明らかなように、実際の地震
応答解析の結果、20Hz以下の固有振動数を選択した
場合の解析値は、地震応答軸力は全ての固有値を用いた
場合の解析値に対してほぼ100%で一致している。よ
って、たとえば20Hz以下の固有振動数を有する固有
値のみを選択して塔体の強度評価に用いても、全固有値
を用いた強度評価と同様な評価精度を得ることができ
る。
【0025】サブステップ7−2:任意の刺激係数以上
の固有値を選択する。 図5は、モード重ね合わせ方を3質点系モデルを例にと
って図式的に例示したものである。(この図3は、「実
務家のための建築物の耐震設計法」大崎順彦著、コロナ
社 1982から抜粋したものである)。この図5にお
いて、j i は固有モードであり、この固有モードの前
に掛けられているβj は刺激係数である。この刺激係数
βj は、地震動によりモデル基部が単位量だけ振動した
際に、各次jの振動がどれだけ刺激されるかを表す数値
であり、以下の数1により求められる。
【0026】
【数1】
【0027】上式において、2次、3次振動モードのよ
うにj i が同符号でない場合は各i項j i の和と差
とが混合して分子の値が小さくなる。さらに高次の振動
モードになると分子の値は分母に比べて極めて小さな値
となり、その刺激係数は1次振動モードのβ1 の値に比
べて無視できるほど小さな値となる。たとえば鉄塔の場
合、この刺激係数の最大値は0.5〜0.3程度であ
り、刺激係数が0.01ならばほとんど無視できること
になる。したがって、この発明では、たとえば約0.0
1以上の刺激係数を有する固有値を選択する。
【0028】サブステップ7−3:サブステップ7−1
およびサブステップ7−2において選択された各固有値
に関して3次元の振動モード図を作成し、塔体主体の振
動モードと電線主体の振動モードを判別する。 ステップ7−4:塔体主体の振動モードから、塔体に影
響が大きい1次から3次までの振動モードを選別し、影
響が少ない3次を超える振動モードについては4次以上
として選別する。
【0029】図6は、塔体の固有値解析による各振動モ
ードを例示したものであり、また図7は、地震動の応答
スペクトルの共通した傾向を例示したものである。この
図7において、変位スペクトルは周期Tの増大と共に増
大する。つまり、振動次数が高くなると固有振動数1/
Tも高くなり応答変位は低くなる。また、図8および図
9は、各々、鉄塔の頂部に強制変位を与えて自由振動試
験を行った結果の一例を示しており、図8は1次振動モ
ード、図9は2次振動モードの場合を例示したものであ
る。
【0030】これら図8および図9に例示したように、
2次振動モードになると変位は極端に落ちてしまう。以
上のことから、この発明では、鉄塔の振動モードは1次
から3次まで選択し、4次以上の振動モードは全て3次
の振動モードと同一に扱うこととする。このようにして
選択された各振動モードを有する固有値によりなる多質
点モデルに任意方向、たとえば水平2方向と垂直方向、
の地震動を入力する(ステップ8)。
【0031】次いで、ステップ9において、振動モード
別に減衰率を適用する。図5におけるqj (t)は固有
振動数と減衰定数とによって定まる。前述したように、
3次以上の振動モードになると応答変位が極めて低くな
り、刺激係数も低下するので、塔体に与える影響が少な
く、よって減衰率を一律としても、塔体の強度評価を十
分に精度良く行うことができる。
【0032】したがって、この発明では、塔体の3次以
上の振動モードについてはその減衰率を一律とする。ま
た、電線主体の振動についても一律の電線の減衰率を適
用する。そして、このようにステップ9にて適用された
減衰率を用いて、塔体を構成している主柱材や腹材等の
地震応答部材力、つまり地震時応答軸力を得る。
【0033】この地震応答部材力である地震時応答軸力
を得るためには、まず、モード重ね合わせ方により各質
点毎の応答値を解析して(ステップ10)、得られた応
答値から各質点の地震外力を算出する(ステップ1
1)。そして、各質点での最大転倒モーメント発生時、
最大水平力発生時、最大ねじりモーメント発生時および
最大鉛直力発生時に最大応答軸力が主柱材または腹材に
生ずるとして、地震外力を単位荷重作用時における立体
トラスモデルの部材軸力にかけ合わすことにより地震応
答部材力を求める(ステップ12)。
【0034】応答値は、たとえば速度応答、または質点
に加わる全慣性力を求めるために必要な絶対加速度応答
であり、それぞれ、モード重ね合わせ解析において以下
の数2および数3により算出される。
【0035】
【数2】
【0036】
【数3】
【0037】そして、各質点での地震外力は、求められ
た各応答値を用いて、たとえば以下のように算出され
る。まず、時刻tでの鉄塔の各質点iの応答変位を、
【0038】
【数4】
【0039】とする。この時、各質点iに作用する地震
外力は次式の数5により算出される。
【0040】
【数5】
【0041】塔体の各質点iに作用する線路直角方法、
線路方向および上下方向の地震荷重をそれぞれ、
【0042】
【数6】
【0043】とした時、塔体の各質点iに作用する外力
は以下の5つの成分を含んでいる。 1)転倒モーメント
【0044】
【数7】
【0045】2)水平力
【0046】
【数8】
【0047】3)腕金取付部のねじりモーメント
【0048】
【数9】
【0049】4)腕金取付部以外のねじりモーメント
【0050】
【数10】
【0051】5)鉛直力
【0052】
【数11】
【0053】また、図10は、上述した各式により表さ
れる地震外力の各成分を例示した概念図であり、図11
は、各質点に作用する地震外力を例示したものである。
図11における各変数の説明は以下の表2に示してあ
る。
【0054】
【表2】
【0055】このような転倒モーメントMi が最大の
時、または鉛直力Ni が最大の時には、i層パネルの主
柱材の軸力が最大となり、水平力Piが最大の時、また
はねじりモーメントTiが最大の時には、i層パネルの
腹材軸力が最大となる。質点iは塔体の各パネルを代表
した位置に取られており、i層とは塔体の各質点位置の
ことである。
【0056】たとえば転倒モーメントMi が最大時の場
合について説明すると、上記の数5を用いて求められた
地震外力が塔体の各質点iに働いている場合では、時刻
tでの塔体の質点iにおける転倒モーメントは次式によ
り示される。
【0057】
【数12】
【0058】そして、i層パネルの最大転倒モーメント
は、次式により求めることができる。
【0059】
【数13】
【0060】また、これらの最大転倒モーメントに対応
する地震外力ベクトルを
【0061】
【数14】
【0062】とすると、地震外力PT は次式で表され
る。
【0063】
【数15】
【0064】この数15は、単位荷重ベクトルの重ね合
わせに分解できる。ここで、立体トラスモデルのi層に
単位荷重を作用させた時の部材軸力をfiで表すと、上
記の地震外力PT が作用する時の部材軸力Fは次式によ
り求められる。
【0065】
【数16】
【0066】すなわち、地震外力を単位荷重による立体
トラスモデルの部材軸力にかけることにより地震応答部
材軸力が算出される。ここで、以上のような各ステップ
に沿ったこの発明の3次元地震応答解析方法により、1
次振動モード、2次振動モードおよび3次振動モードそ
れぞれの減衰率を変化させて、各減衰率に対する図1の
立体トラスモデルにおける各パネル番号毎の地震時最大
応答軸力を求めた。図12は、この結果を例示したもの
である。
【0067】この図12において、参考値としての降伏
強度との差が広いほど塔体は安全であり、各減衰率の地
震時最大応答軸力は十分に安全範囲にある。また、上述
したこの発明の3次元地震応答解析方法および従来の3
次元トラスモデルによる解析方法それぞれを用いて得ら
れた主柱材最大応答軸力および腹材最大応答軸力を比較
した。図13および図14は、各々、得られた主柱材最
大応答軸力および腹材最大応答軸力を比較例示したもの
である。
【0068】これら図13および図14から明らかなよ
うに、この発明の解析方法によって、従来の3次元の解
析方法よりも少ない計算量、計算容量で、高精度な応答
解析を行うことできることがわかる。もちろん、この発
明は以上の例に限定されるものではなく、細部について
は様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0069】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明の3
次元地震応答解析方法によって、短時間、且つ小容量
で、精度良く、鉄塔の3次元的な地震応答解析を行うこ
とができ、さらには、塔体を多質点モデルにしているた
め、ビジュアル化により振動性状の把握おも容易に行う
ことができる。また、ねじりモーメント成分を含む地震
外力を用いて地震応答部材力を求めるので、ねじれ作用
に対する解析も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】立体トラスモデルの一例を示した図である。
【図2】図1の立体トラスモデルに対する多質点モデル
の一例を示した図である。
【図3】構造物の地震応答解析の入力地震動として一般
に用いられるエルセントロ(EL CENTRO)19
40NSの加速度記録波形のスペクトルを例示した図で
ある。
【図4】構造物の地震応答解析の入力地震動として一般
に用いられるタフト(TAFT)1952EWの加速度
記録波形のスペクトルを例示した図である。
【図5】モード重ね合わせ方を3質点系モデルを例にと
って示した図である。
【図6】鉄塔の固有値解析による各振動モードを例示し
た図である。
【図7】地震動の応答スペクトルの共通した傾向を例示
した図である。
【図8】塔体の上部に強制変位を与えて自由振動試験に
より得られた1次振動モードにおける塔高と振幅との関
係を例示した図である。
【図9】塔体の上部に強制変位を与えて自由振動試験に
より得られた2次振動モードにおける塔高と振幅との関
係を例示した図である。
【図10】地震外力の各成分を例示した概念図である。
【図11】塔体の各質点に作用する地震外力を例示した
概念図である。
【図12】1次振動モード、2次振動モードおよび3次
振動モードそれぞれの減衰率を変化させて、各減衰率に
対する図1の立体トラスモデルにおける各パネル番号毎
の地震時最大応答軸力を例示した図である。
【図13】この発明の3次元地震応答解析方法および従
来の立体モデル方法それぞれを用いて得られた主柱材最
大応答軸力を比較例示した図である。
【図14】この発明の3次元地震応答解析方法および従
来の立体モデル方法それぞれを用いて得られた腹材最大
応答軸力を比較例示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田渕 敦彦 大阪府堺市出島西町3番地の1 株式会社 酒井鉄工所内 (72)発明者 伏見 義仁 大阪府堺市出島西町3番地の1 株式会社 酒井鉄工所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下に記載する各ステップに沿って塔体
    と電線連成系を3次元的に地震応答解析することを特徴
    とする3次元地震応答解析方法。 ステップ1:立体トラスモデルを作成する。 ステップ2:立体トラスモデルに単位荷重をかけて剛性
    を評価する。 ステップ3:塔体のねじれに対するバネ定数を多質点系
    で取り扱う。 ステップ4:立体トラスモデルの剛性と同じ剛性を有す
    る多質点モデルを作成する。 ステップ5:多質点モデルに、鉄塔3基で2径間として
    多質点モデルに置換した電線をつける。 ステップ6:固有値解析を行う。 ステップ7:塔体の強度評価に必要最小限な固有値を選
    択する。 ステップ8:任意方向の地震動を入力する。 ステップ9:振動モード別に減衰率を適用する。 ステップ10:モード重ね合わせ法により応答値を求め
    る。 ステップ11:応答値から各質点の地震外力を求める。 ステップ12:地震外力を単位荷重による立体トラスモ
    デルの軸力にかけることにより地震応答部材力を求め
    る。
  2. 【請求項2】ステップ3におけるバネ定数の多質点系で
    の取り扱いを以下に記載する各サブステップに沿って行
    う請求項1の3次元地震応答解析方法。 サブステップ3−1:立体トラスモデルの腕金の荷重点
    に塔体の水平ねじれ方向に単位荷重をかけてねじれ剛性
    を算出する。 サブステップ3−2:剛性と多質点モデルの水平方向の
    ねじれ剛性を同一にする。
  3. 【請求項3】 ステップ7における固有値の選択を以下
    に記載する各サブステップに沿って行う請求項1ないし
    2の3次元地震応答解析方法。 サブステップ7−1:任意値以下の固有振動数を有する
    固有値を選択する。 サブステップ7−2:任意値以上の刺激係数を有する固
    有値を選択する。 サブステップ7−3:選択された各固有値に関して3次
    元の振動モード図を作成し、塔体主体の振動モードと電
    線主体の振動モードを判別する。 サブステップ7−4:塔体主体の振動モードから、1次
    振動モード、2次振動モード、3次振動モード、4次以
    上振動モードを選別する。
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