JPH11159466A - 積込作業車両の油圧回路 - Google Patents

積込作業車両の油圧回路

Info

Publication number
JPH11159466A
JPH11159466A JP9369867A JP36986797A JPH11159466A JP H11159466 A JPH11159466 A JP H11159466A JP 9369867 A JP9369867 A JP 9369867A JP 36986797 A JP36986797 A JP 36986797A JP H11159466 A JPH11159466 A JP H11159466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic
steering
hydraulic circuit
working
oil pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9369867A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Ikari
政典 碇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP9369867A priority Critical patent/JPH11159466A/ja
Publication of JPH11159466A publication Critical patent/JPH11159466A/ja
Priority to US09/742,702 priority patent/US6321535B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Electromagnetic Pumps, Or The Like (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンロード時に作業機用油圧回路に最適油量
を補充でき、またエンジントルクを変更することなく必
要油圧トルクを確保でき、もって余裕トルクを大きくで
きる積込作業車両の油圧回路を提供する。 【解決手段】 作業機用油圧ポンプ(30)の吐出油量(Qw)
を受けて作業機の油圧駆動を司る作業機用油圧回路(10)
と、ステアリング用油圧ポンプ(40)の吐出油量(Qst) を
受けてステアリングの油圧駆動を司るステアリング用油
圧回路(20)と、ステアリング用油圧回路(20)を優先しつ
つ両油圧回路(19,20) 間のいずれか一方に補助用油圧ポ
ンプの吐出油量(Qs)を切り換え供給する分流弁(60)とを
有する積込作業車両の油圧回路において、作業機用油圧
回路(10)の作業油圧(Pw)を受けて作業油圧(Pw)が所定油
圧(Pu)を越えるとき(Pw>Pu) 、作業油圧(Pw)が高くなる
ほど押し退け容積(Vs)が小さくなる可変容積形の補助用
油圧ポンプ(50A) を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積込作業車両の油
圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】積込作業車両、例えばホイールローダ
(以下、単に「例機」とする)は、知られる通り、車体
前部に作業機を有する。作業機は車体前部に後端をピン
連結されたブームと、ブームの先端にピン連結されたバ
ケットとを有する。そして図9に示すように、ブームシ
リンダ11の作動によってブームを、バケットシリンダ
12の作動によってバケットを夫々のピン連結回りに回
転自在とする。つまり例機は作業機用油圧回路10を有
する。またステアリング用油圧回路20を併せて有する
のが普通である。
【0003】ところでステアリングはブレーキと共に車
両の保安要素である。このため車両には、作業機用油圧
回路10は作業機用油圧ポンプ30の吐出油量Qw を受
け、ステアリング用油圧回路20はステアリング用油圧
ポンプ40の吐出油量Qstを受け、これにより両回路1
0、20が互いに独立したものがある。このような車両
ではエンジントルクを効率良く使うために両回路10、
20間にさらに補助用油圧ポンプ50及び分流弁60を
有する。分流弁60の作用は次の通り。
【0004】エンジン70の中速回転時や高速回転時で
は、ステアリング用油圧ポンプ40の吐出油量Qstはス
テアリング用油圧回路20にとって十分である。従って
このとき分流弁60は補助用油圧ポンプ50の吐出油量
Qs を作業機用油圧回路10に供給する。ところがエン
ジン70の低速回転時(いわゆるローアイドル時)にス
テアリング操作を行うと、吐出油量Qstだけではステア
リング用油圧回路20が油量不足となり、速いステアリ
ング操作を行えない。そこでこのとき分流弁60は吐出
油量Qs をステアリング用油圧回路20に供給する。
尚、両回路10、20を経た油はドレン回路80を経て
タンク90に戻る。油圧ポンプ30、40、50は総て
固定容積形である。勿論、可変容積形の油圧ポンプを搭
載する車両も有るが、その可変制御は、詳細を後述する
本発明の目的に叶うものではなく、そのような可変容積
形の油圧ポンプについては本願では固定容積形と見做し
ている。
【0005】ところで例機は低負荷作業時(例えばバケ
ットに積荷してのブーム上昇作業時)、作業油圧Pw が
低圧となる。そしてこのとき作業機用油圧回路10は油
量が多いほどブーム上昇速度が速く、従って作業速度が
速くなる。一方、例機は高負荷作業時(例えばバケット
による岩盤掘削時)、作業機用油圧回路10の油圧(以
下「作業油圧Pw 」とする)が高圧となる。そしてこの
とき作業機用油圧回路10での必要油量は少なくて良
い。そこで作業油圧Pw が予め定めた所定油圧Pu (以
下「アンロード開始圧Pu 」とする)を越えて昇圧する
と(即ち「Pmax≧Pw >Pu 」、尚、「Pmax 」は作
業機用油圧回路10のリリーフ油圧である)、分流弁6
0から作業機用油圧回路10へ向かう油量Qs をタンク
90にドレンするためのアンロード回路100を有する
例がある。詳しくは次の通り。
【0006】例えば図9のアンロード回路100は、分
流弁60から作業機用油圧回路10に向けて一方向開の
チェックバルブ101と、分流弁60とチェックバルブ
101との間から分岐してタンク90に接続される油路
102と、油路102に設けた開閉弁103とを有す
る。開閉弁103はアンロード開始圧Pu に相当する付
勢力で初期設定されたバネ104を有し、バネ104の
付勢力に対抗するように作業油圧Pw を作業機用油圧回
路10から受け、作業油圧Pw の大小によって切換えら
れる2位置切換弁である。即ち作業油圧Pw が「Pw ≦
Pu 」のとき、開閉弁103は油路102を遮断して分
流弁60からの油量Qs を作業機用油圧回路10に供給
する(非アンロードである)。一方、作業油圧Pw が
「Pmax ≧Pw >Pu 」のとき、開閉弁103は油路1
02を連通して分流弁60からの油量Qs をタンク90
にドレンする(アンロード時である)。尚、作業油圧P
w の大小に係わらず、ローアイドル時にステアリング操
作されると、分流弁60は油量Qs をステアリング用油
圧回路20に供給する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来技術
には次のような問題が有る。図10、図11を参照し説
明する。先ず図10、図11を説明する。尚、説明を容
易にするため、特に明示しないときは、図10、図11
において、吐出油量Qs は作業機用油圧回路10側に流
れているものとし、またエンジンから各油圧ポンプまで
の減速比は「1」とする。
【0008】図10(a)は縦軸に作業油圧Pw を、横
軸にエンジン1回転当たりの作業機用油圧ポンプ30の
押し退け容積Vw を、図10(b)は縦軸に作業油圧P
w を、横軸にエンジン1回転当たりの補助用油圧ポンプ
50の押し退け容積Vs を、図10(c)は縦軸にステ
アリング油圧Pstを、横軸にエンジン1回転当たりのス
テアリング用油圧ポンプ40の押し退け容積Vstを示
す。尚、両回路10、20のリリーフ油圧は互いに同圧
である必要はないが、本例では共に同圧Pmax とした
(以下同じ)。
【0009】図10(a)にエンジン70の1回転当た
りの作業機用油圧ポンプ30の油圧トルクTw (=Pw
・Vw )を示す。図10(b)にエンジン70の1回転
当たりの補助用油圧ポンプ50の油圧トルクTs (=P
w ・Vs )を示す。そしてこれらを合計した油圧トルク
Tws(図示せず)は、非アンロード時(Pw ≦Pu )で
は「Tws=Tw +Ts 」、つまり「Tws=Pw ・(Vw
+Vs )」となる。尚、非アンロード時の油圧トルクT
wsの最大値は「Pw =Pu 」時に生ずる(同図(a)、
(b)の右上がりハンチング部)。一方、アンロード時
(Pmax ≧Pw>Pu )では、補助用油圧ポンプ50の
吐出油量Qs がアンロード回路100によってタンク9
0にドレンされるため、「Ts =0」である。従って油
圧トルクTwsは「Tws=Tw 」、つまり「Tws=Pw ・
Vw 」となる。尚、アンロード時の油圧トルクTwsの最
大値は「Pw =Pmax 」時に生ずる(同図(a)の左上
がりハンチング部)。一方、エンジン70の1回転当た
りのステアリング用油圧ポンプ40の油圧トルクTstは
「Tst=Pst・Vst」である。
【0010】図11は例機のエンジントルクに対する余
裕トルクΔT1を示す図であり、縦軸にエンジントルク
Te を、横軸にエンジン回転数Ne を示す。そして図内
に、エンジントルクTe に対する油圧トルクの総計(T
w +Ts +Tst=Tws+Tst)、余裕トルクΔT1及び
走行トルクTd の配分例を示す。
【0011】即ち従来技術の問題点は次の通り。
【0012】(1)高負荷作業時(例えばバケットによ
る岩盤掘削時、即ちアンロード時(Pmax ≧Pw >Pu
))、もう少し油量が有れば、はかどる作業でありな
がら、作業機用油圧回路10が分流弁60から吐出油量
Qs を受けないため、待ち時間が生じて作業効率が低下
する問題がある。
【0013】(2)例機の実作業は、バケットに積荷し
てのブーム上昇等の低負荷作業が殆どである。つまり実
作業では非アンロード時(Pw ≦Pu )の割合が極めて
高い。そこで例機は通常、非アンロード時(Pw ≦Pu
)での作業速度を速めるために、さらにはアンロード
時における「Pw =Pmax 」時の油圧のリリーフロスを
少なくするために「Pu ・(Vw +Vs )>Pmax ・V
w 」となるように設計されるのが普通である。そしてエ
ンジントルクTe を有効に使うために、例機は通常、
「Tws=Pu ・(Vw +Vs )」に近い状態(即ち、P
w =Pu に近い状態)が常態となるように、バケットの
容積や各シリンダ11、12の内径等が設計される。そ
して実作業ではさらに走行及びステアリングも併せて同
時操作する機会が極めて多い。従って図11に示す通
り、余裕トルクΔT1(=Te −(Tw+Ts +Tst+
Td ))が小さくなる。しかも例機では上記常態におい
て、さらに前後進の切換え操作も多用される。このとき
オペレータはアクセルペダルを戻してエンジン回転数N
e を下げ、次いで前後進を切換えた後に直ちにアクセル
ペダルを踏み込んでエンジン回転数Ne を上昇させよう
とする。ところが余裕トルクΔT1が小さいために、エ
ンジン回転数Ne の上昇加速性が悪く、このためエンジ
ン70が黒煙を生じたり、燃料消費率が悪くなる等問題
が生じている。勿論、余裕トルクΔT1は限られたエン
ジントルクTe 内で確保されるため無闇に大きくできな
いのが実情である。
【0014】(3)さらに上記(2)において、オペレ
ータがアクセルペダルを戻してエンジン70をローアイ
ドルまで下げたとき、かつこのときステアリング操作さ
れていると、分流弁60によって補助用油圧ポンプ50
の吐出油量Qs が作業機用油圧回路10からステアリン
グ用油圧回路20へと切換わって流入する。従って作業
機速度は遅くなるものの、ステアリング速度が速くな
る。ところがこのような作業では、バケットからの荷溢
れを防止するためにもステアリング速度は遅い方が好ま
しい。ところが前記したように、分流弁60によって吐
出油量Qs がステアリング用油圧回路20に供給されて
ステアリング用油圧回路20の油量が十分に確保され
る。このためオペレータがステアリング速度を速くしが
ちとなり、荷溢れが生ずる。そこでオペレータがステア
リング速度を抑えて荷溢れを防止するように操作する
と、ステアリング用油圧回路20で補助用油圧ポンプ5
0の吐出油量Qs が余ることになる。そして余った油量
が分流弁60内に設けたオリフィス等の油圧トルク損失
部を経て作業機用油圧回路10へ分流されることとな
る。つまり荷溢れは防止できるものの、油圧トルクが損
失することになる。勿論、余裕トルクΔT1が増加する
訳でもない。
【0015】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
アンロード時に作業機用油圧回路に最適油量を補充でき
る積込作業車両の油圧回路を提供することを第1の目的
とする。そして、エンジントルクを変更することなく必
要油圧トルクを確保でき、もって余裕トルクを大きくで
きる積込作業車両の油圧回路を提供することを第2の目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段及び効果】上記第1の目的
を達成するため、本発明に係る積込作業車両の油圧回路
の第1は、作業機用油圧ポンプ30の吐出油量Qw を受
けて作業機の油圧駆動を司る作業機用油圧回路10と、
ステアリング用油圧ポンプ40の吐出油量Qstを受けて
ステアリングの油圧駆動を司るステアリング用油圧回路
20と、ステアリング用油圧回路20を優先しつつ両油
圧回路10、20間のいずれか一方に補助用油圧ポンプ
の吐出油量Qs を切り換え供給する分流弁60とを有す
る積込作業車両の油圧回路において、作業機用油圧回路
10の作業油圧Pw を受けて作業油圧Pwが所定油圧Pu
を越えるとき(Pw >Pu )、作業油圧Pw が高くな
るほど押し退け容積Vs が小さくなる可変容積形の補助
用油圧ポンプ50Aを有することを特徴としている。
【0017】上記第1構成によれば、次のような作用効
果を奏する。従来技術ではアンロード時(Pw >Pu
)、補助用油圧ポンプ50の吐出油量Qs がタンク9
0にドレンした。これに対し第1構成はアンロード時
(Pw >Pu )、補助用油圧ポンプ50Aが押し退け容
積Vs を変化しつつ、吐出油量Qs を作業機用油圧回路
10に供給する。従ってアンロード時(Pw >Pu )で
あっても作業速度を速めることができる。また補助用油
圧ポンプ50Aの押し退け容積Vs の変化によって必要
量の吐出油量Qs しか生じないようにできるので、油圧
トルクの損失も防止できる。
【0018】第2に、作業機用油圧ポンプ30の吐出油
量Qw を受けて作業機の油圧駆動を司る作業機用油圧回
路10と、ステアリング用油圧ポンプ40の吐出油量Q
stを受けてステアリングの油圧駆動を司るステアリング
用油圧回路20と、ステアリング用油圧回路20を優先
しつつ両油圧回路10、20間のいずれか一方に補助用
油圧ポンプの吐出油量Qs を切り換え供給する分流弁6
0とを有する積込作業車両の油圧回路において、(a) 励
磁用電流Iを受けて押し退け容積Vs を変更自在とされ
た電磁式可変容積形の補助用油圧ポンプ50Cと、(b)
作業機用油圧回路10の作業油圧Pw を検出する作業油
圧検出手段P1と、(c) 所定油圧Pu を予め記憶すると
共に、作業油圧検出手段P1から作業油圧Pw を受けて
作業油圧Pw が所定油圧Pu を越えるとき(Pw >Pu
)、作業油圧Pw が高くなるほど押し退け容積Vs を
小さくする励磁用電流Iを生成して補助用油圧ポンプ5
0Cに入力する励磁用電流生成手段110とを有するこ
とを特徴としている。
【0019】上記第2構成は、第1構成を電気的に具現
化した例である。従って第1構成と同様の作用効果を奏
する。
【0020】上記第2の目的を達成するため、本発明に
係る積込作業車両の油圧回路の第3は、作業機用油圧ポ
ンプ30の吐出油量Qw を受けて作業機の油圧駆動を司
る作業機用油圧回路10と、ステアリング用油圧ポンプ
40の吐出油量Qstを受けてステアリングの油圧駆動を
司るステアリング用油圧回路20と、ステアリング用油
圧回路20を優先しつつ両油圧回路10、20間のいず
れか一方に補助用油圧ポンプの吐出油量Qs を切り換え
供給する分流弁60とを有する積込作業車両の油圧回路
において、作業機用油圧回路10の作業油圧Pw を受け
る作業油圧受圧面積Aw と、ステアリング用油圧回路2
0のステアリング油圧Pstを受けるステアリング油圧受
圧面積Astとを「Aw >Ast」の関係で個別に有すると
共に、「Pw ・Aw +Pst・Ast」が所定値を越えると
き、「Pw ・Aw +Pst・Ast」の値が高くなるほど押
し退け容積Vs が小さくなる可変容積形の補助用油圧ポ
ンプ50Bを有することを特徴としている。
【0021】上記第3構成によれば、次のような作用効
果を奏する。これを説明の便宜上、第1構成と比較し説
明する。尚、比較のための設定条件を先ず述べる。
【0022】第3構成での「ステアリング油圧Pstを受
けるステアリング油圧受圧面積Ast」の要素は第1構成
に無いが、他の要素は第1構成と同じである。というこ
とは、第1、第3構成との比較上の同一条件として、第
3構成での「所定値」を、第1構成での「Pu 」と第3
構成での「Aw 」とを乗じた「Pu ・Aw 」とする必要
がある(即ち「所定値=Pu ・Aw 」)。ここで第3構
成での「Pw ・Aw +Pst・Ast」が所定値を越えると
き(即ち「Pw ・Aw +Pst・Ast>所定値)とはアン
ロード時を意味する。従って「>」を「=」としてなる
「Pw ・Aw +Pst・Ast=所定値」はアンロード開始
時を示すことになる。ここで前記の通り「所定値=Pu
・Aw 」であるから「Pw ・Aw +Pst・Ast=所定
値」は「Pw ・Aw +Pst・Ast=Pu ・Aw 」とな
る。これが比較のための設定条件である。
【0023】(1)先ず作業機単独操作時(Pst=0、
尚、ステアリング用油圧回路20の管内抵抗は無いもの
と見做す)について説明する。「Pst=0」であるから
「Pw ・Aw +Pst・Ast=Pu ・Aw 」は「Pw ・A
w =Pu ・Aw 」となる。これは「Pw =Pu 」であ
り。そしてこの「Pw 」が作業機単独操作時のアンロー
ド開始圧(以下「アンロード開始圧Puu」とする)とな
る。そしてこのアンロード開始圧Puuは第1構成でのア
ンロード開始圧Pu と同じ値である。つまり第3構成に
おいて、作業機を単独操作すると、第1構成と同様のア
ンロード機能が得られることが分かる。
【0024】(2)次にステアリング単独操作時(Pw
=0、尚、作業機用油圧回路10の管内抵抗は無いもの
と見做す)について説明する。「Pw =0」であるか
ら、「Pw ・Aw +Pst・Ast=Pu ・Aw 」は「Pst
・Ast=Pu ・Aw 」となる。そしてこれは「Pst=
(Aw /Ast)Pu 」に変形できる。そしてこの「Ps
t」がステアリング単独操作時のアンロード開始圧Puu
となる(Puu=(Aw /Ast)Pu )。ところで第3構
成では両受圧面積Aw 、Astを「Aw >Ast」の関係と
してある。つまり第3構成において、ステアリングを単
独操作すると、そのアンロード開始圧Puuが第1構成の
アンロード開始圧Pu よりも高くなる。このため、第3
構成において、ステアリングを単独操作すると、ステア
リング油圧Pstが高圧の時に必要十分なステアリング流
量に制御されることで第1構成は元より、従来技術より
もさらに軽快なステアリング操作を行えるようになる。
【0025】さらに上記作用によれば、次のように構成
することで設計の自由度を向上できる。先ず符号「Pma
x 」をステアリング用油圧回路20のリリーフ油圧であ
る。そして両受圧面積Aw 、Astを、上記「Aw >As
t」の関係に対してさらに「Aw /Ast≧Pmax /Pu
」の関係を加味し設定して構成する。このような構成
とすると、次のような効果が得られる。
【0026】即ち前記「Aw /Ast≧Pmax /Pu 」は
「(Aw /Ast)Pu ≧Pmax 」に変形できる。ここで
左辺「(Aw /Ast)Pu 」は、前記の通り、第3構成
におけるステアリング単独操作時のアンロード開始圧P
uuである。つまりアンロード開始圧Puuが「Puu≧Pma
x 」に設定されたことになる。ところで実際のステアリ
ング油圧Pstはリリーフ油圧Pmax を越えることはな
い。言い換えれば、「Puu≧Pmax 」に設定すると、ス
テアリング単独操作時、ステアリング油圧Pstの大小に
係わらず、補助用油圧ポンプ50Bが最大容積Vs を維
持することになり(即ち可変容積形の補助用油圧ポンプ
50Bが固定容積形となり)、従来と同様の速いステア
リングを達成できるようにすることができる。
【0027】(3)次に作業及びステアリングの複合操
作時(「Pst>0」かつ「Pw >0」)について説明す
る。「Pst>0」かつ「Pw >0」であるから、「Pw
・Aw +Pst・Ast=Pu ・Aw 」はそのままである。
そこでこれを変形して「Pw=Pu −(Ast/Aw )Ps
t」とする。この「Pw 」が作業及びステアリングの複
合操作時におけるアンロード開始圧Puuとなる(Puu=
Pu −(Ast/Aw )Pst)。ところでこのアンロード
開始圧Puuは、その式(Puu=Pu −(Ast/Aw )P
st)に示す通り、第1構成のアンロード開始圧Pu より
も「(Ast/Aw )Pst」だけ低い値である。従って次
のような効果を奏する。
【0028】アンロード開始圧Puuが低くなると、その
分、補助用油圧ポンプ50Bの吐出油量Qs が減ること
になり、その分だけエンジンでの余裕トルクが大きくな
る。但し、必要吐出油量Qs は確保される。作業及びス
テアリングの複合操作時は、例えば前記の通り、前後進
の切換時にアクセルペダルを戻してローアイドルに下げ
るが、この第3構成によれば、このローアイドル時の余
裕トルクが大きくなる。従ってローアイドルに戻した
後、オペレータがアクセルペダルを踏み込んだとき、エ
ンジン回転数Ne の上昇加速性が良くなる。引いてはエ
ンジンの黒煙発生や、燃料消費率の悪化を防止できる。
さらにまたこのとき補助用油圧ポンプ50Bの容積が小
さく変化しているために、ステアリング速度が速くなる
こともない。つまりバケットの荷溢を防止できる。勿
論、ステアリング用油圧回路20に余剰油が流入するこ
ともなくなるため、油圧トルクの損失も防止できる。
尚、余裕トルクが大きくなるといっても、この大きな余
裕トルクは、従来技術において不必要であった油圧トル
クを初めから発生させずに獲得したものである。従って
エンジン回転数Ne の不必要な低下も防止でき、不必要
なエンジン回転数Ne の変動も防止できる。
【0029】(4)即ち第3構成によれば、エンジント
ルクを変更することなく、必要油圧トルクを確保でき、
もって余裕トルクを大きくできる。
【0030】第4に、作業機用油圧ポンプ30の吐出油
量Qw を受けて作業機の油圧駆動を司る作業機用油圧回
路10と、ステアリング用油圧ポンプ40の吐出油量Q
stを受けてステアリングの油圧駆動を司るステアリング
用油圧回路20と、ステアリング用油圧回路20を優先
しつつ両油圧回路10、20間のいずれか一方に補助用
油圧ポンプの吐出油量Qs を切り換え供給する分流弁6
0とを有する積込作業車両の油圧回路において、(a) 励
磁用電流Iを受けて押し退け容積Vs を変更自在とされ
た電磁式可変容積形の補助用油圧ポンプ50Cと、(b)
作業機用油圧回路10の作業油圧Pw を検出する作業油
圧検出手段P1と、(c) ステアリング用油圧回路20の
ステアリング油圧Pstを検出するステアリング油圧検出
手段P2と、(d) 所定油圧Pu を予め記憶すると共に、
作業油圧検出手段P1から作業油圧Pw を、ステアリン
グ油圧検出手段P2からステアリング油圧Pstを受けて
「Pw+k・Pst」を演算し(但し、k<1)、「Pw
+k・Pst>Pu 」ならば、「Pw +k・Pst」の値が
高くなるほど押し退け容積Vs を小さくする励磁用電流
Iを生成し補助用油圧ポンプ50Cに入力する励磁電流
生成手段110とを有することを特徴としている。
【0031】上記第4構成は、第3構成での両受圧面積
Aw 、Astの構成を、電気制御に置き換えた具現化例で
ある。即ち第3構成での「Pw ・Aw +Pst・Ast>所
定値」及び「所定値=Pu ・Aw 」で得られる「Pw ・
Aw +Pst・Ast>Pu ・Aw 」の両辺を「Aw 」で除
すと、「Pw +(Ast/Aw )Pst>Pu 」となる。こ
こで「Ast/Aw =k」とすれば、「Pw +k・Pst>
Pu 」となり、第3構成となる。即ち第4構成によれ
ば、第3構成と同様の作用効果を奏する。
【0032】
【発明の実施の形態及び実施例】実施例を図1〜図8に
示す。尚、実施例は説明を容易にするため図9の殆どを
用いて構成した。従って図1〜図8において、図9〜図
11と同一の要素には同一符号を附して重複説明を省略
する。
【0033】第1実施例を図1、図2を参照し説明す
る。図1は図9に対応し、図2の(a)〜(c)は図1
0の(a)〜(c)に対応する。図9と図1とでは、補
助用油圧ポンプが図9では固定容積形であるに対し、図
1では可変容積形である点が相違する。従って図2と図
11とでは、図2(b)と図10(b)とが作用効果上
で相違する。尚、図2(a)と図10(a)、及び、図
2(c)と図10(c)は図示内容は互いに異ならせた
が、その作用効果は互いに同じである。詳しくは次の通
り。尚、両油圧回路10、20のリリーフ油圧Pmax は
同圧としてある。そして説明を容易にするため、両油圧
回路10、20の油の流れに基づく管内抵抗は無いもの
としてある。
【0034】図1の第1実施例は、図9と同様、作業機
用油圧ポンプ30の吐出油量Qw によって作業機を油圧
駆動する作業機用油圧回路10と、ステアリング用油圧
ポンプ40の吐出油量Qstによってステアリングを油圧
駆動するステアリング用油圧回路20と、ステアリング
用油圧回路20を優先しつつ両油圧回路10、20間の
いずれか一方に補助用油圧ポンプ50Aの吐出油量Qs
を切り換え供給する分流弁60とを有する。油圧ポンプ
30、40、50Aはエンジン70によって回転駆動さ
れる。また両油圧回路10、20及び分流弁60はステ
アリング用油圧ポンプ40の不使用油をタンク90にド
レンさせるドレン回路80を有する。
【0035】補助用油圧ポンプ50Aは、上記の通り可
変容積形であり、そのためにサーボシリンダ51と、制
御弁52Aとを有する。サーボシリンダ51はロッド側
室(図示左側室)に第1バネ51aを有すると共に、作
業油圧Pw を受ける。そして第1バネ51aが伸び切っ
たとき(即ちサーボシリンダ51が縮み切ったとき)補
助用油圧ポンプ50Aの押し退け容積Vs が最大とな
る。一方、ボトム側室(図示右側室)は作業油圧Pw を
出入り自在とされている。制御弁52Aは第1位置(図
示左側)及び第2位置(図示右側)を有するパイロット
油圧式2位置切換弁である。第1位置はその外端の受圧
面に作業油圧Pw を受けると共に、サーボシリンダ51
のボトム側室に作業油圧Pw を導入するポートを有す
る。第2位置(図示右側)はその外端面に第2バネ52
aを有すると共に、サーボシリンダ51のボトム側室と
タンク90とを連通するポートを有する。第2バネ52
aの他端はサーボシリンダ51のロッドに直結され、作
業油圧Pw が所定油圧Pu を越えたときに縮むように初
期設定されている。このような構成の補助用油圧ポンプ
50Aの作動は次の通り。
【0036】作業油圧Pw が「Pw ≦Pu 」であると
き、第2バネ52aの付勢力が作業油圧Pw による油圧
力に打ち勝って制御弁52Aを第2位置としている。従
ってサーボシリンダ51のボトム側室は、第2位置を介
してタンク90に連通し、ロッド側室に入った作業油圧
Pw が第1バネ51aと協同してサーボシリンダ51を
縮める。これにより補助用油圧ポンプ50Aの押し退け
容積Vs を最大としている(即ち、非アンロード時であ
る)。
【0037】一方、作業油圧Pw が昇圧して「Pw >P
u 」になると、作業油圧Pw は第2バネ52aを縮めて
制御弁52Aを第2位置から第1位置に切換える。する
と、作業油圧Pw が第1位置を経てサーボシリンダ51
のボトム側室に流れ込む。サーボシリンダ51のロッド
側室の受圧面積はボトム側室の受圧面積よりも狭い。従
ってボトム側室の油圧力が、ヘッド側室の油圧力と第1
バネ51aのバネ力との合力に対して平衡するまでサー
ボシリンダ51を伸ばし、もって補助用油圧ポンプ50
Aの押し退け容積Vs を減らす。サーボシリンダ51が
伸びて第2バネ52aのバネ力が強くなり、このバネ力
が第1位置の外端の作業油圧Pw による油圧力に打ち勝
つと、制御弁52Aは第2位置に復帰する。この復帰に
伴い、ボトム側室の油がタンク90に抜ける。少しでも
抜けると、第1位置の外端の作業油圧Pw による油圧力
が再び第2バネ52aのバネ力よりも大きくなり、従っ
て制御弁52Aを第2位置から第1位置に戻す。つまり
制御弁52Aは、力の平衡を維持するように、第1、第
2位置間でシャトル運動する。即ち「Pmax ≧Pw>Pu
」において、補助用油圧ポンプ50Aの押し退け容積
Vs (つまり吐出油量Qs )は、第1バネ51aのバネ
定数に基づき、図2(b)の斜線aに示すように、作業
油圧Pw に比例して増減する(即ち、アンロード時であ
る)。尚、押し退け容積Vs は「Pw =Pmax 」時に最
小となる(本例では「Vs =0」となる。尚、油圧回路
の保全上「Vs =0」は無いが、説明の便宜上「Vs =
0」としたものである。以下同じ)。
【0038】即ち第1実施例は、作業機用油圧回路10
の作業油圧Pw を受けて作業油圧Pw が所定油圧Pu を
越えるとき(Pw >Pu )、作業油圧Pw が高くなるほ
ど押し退け容積Vs が小さくなる可変容積形の補助用油
圧ポンプ50Aを有する。
【0039】上記第1実施例によれば、高負荷作業時
(例えばバケットによる岩盤掘削時等のアンロード時
(Pmax ≧Pw >Pu ))、従来技術では得られない
「もう少しの油量(図2(b)のハッチング部)を作業
機用油圧回路10に供給する」ことができ、作業速度が
速まる。即ちアンロード時に作業機用油圧回路10に最
適油量を補充できる。また補助用油圧ポンプ50Aの押
し退け容積Vs の変化によって必要量の吐出油量Qs し
か生じないようにできるので、油圧トルクの損失も防止
できる。
【0040】第2実施例を図3〜図7を参照し説明す
る。図3は図1に対応し、図4〜図6夫々の(a)〜
(c)は図2の(a)〜(c)に対応し、図7は図6に
おける図11に対応する。尚、図3と図1とは共に可変
容積形の補助用油圧ポンプであるが、制御弁の受圧面だ
けが相違する。従って相違点のみ詳述し、同一要素には
同一符号を付して重複説明を省略する。
【0041】補助用油圧ポンプ50Bの制御弁52B
は、第1実施例の制御弁52Aと比較して図3に示すよ
うに、第1位置の外端の受圧面が異なる。即ち第1位置
の外端の受圧面は、作業油圧Pw を受ける作業油圧受圧
面積Aw と、ステアリング用油圧回路20のステアリン
グ油圧Pstを受けるステアリング油圧受圧面積Astとを
互いに独立して有する。尚、両受圧面積Aw 、Astは
「Aw >Ast」の関係としてある。一方、第2位置の外
端の第2バネ52aは第1実施例と同じであり、従って
「Pu ・Aw 」相当の初期設定バネ力を有する。
【0042】従って第2実施例でのアンロード開始圧P
uuは、次の数1から導き出せる。尚、数1の左辺は作業
油圧受圧面積Aw での作業油圧Pw に基づく油圧力(第
1項)と、ステアリング油圧受圧面積Astでのステアリ
ング油圧Pstに基づく油圧力(第2項)との和を示し、
一方、右辺は第2バネ52aの初期設定バネ力(=Pu
・Aw )を示す。また数1に続いて列記する数2、数3
は数1の条件付き変形式、数4は数1の単なる変形式で
ある。
【0043】 数1:Pw ・Aw +Pst・Ast=Pu ・Aw 数2:Pw =Pu (数1において、Pst=0) 数3:Pst=(Aw /Ast)Pu (数1において、Pw =0) 数4:Pw =Pu −(Ast/Aw )Pst (数1の単なる変形式) 以下、図4〜図7を参照しつつ説明する。
【0044】上記数2(Pw =Pu 、かつ、Pst=0、
尚、前記の通り、説明を容易にするため、ステアリング
用油圧回路20の管内抵抗は無いものと見做す)は作業
機単独操作時を示す。そしてこのときの油圧トルクは図
4に示される。つまりステアリング用油圧トルクTst
は、図4(c)の空白に示す通り、零(Tst=0)であ
る。そして数2から明らかなように、作業油圧Pw が
「Pw =Pu 」となったときがアンロード開始圧Puuで
ある。ところでこのアンロード開始圧Puuは、第1実施
例のアンロード開始圧Pu に等しい(Puu=Pu )。こ
のため図4(a)は図2(a)に対して図示内容は互い
に異ならせたが、作用効果は互いに等しく、かつ図4
(b)も図2(b)に対して図示内容は互いに異ならせ
たが、この作用効果も互いに等しくなる。
【0045】即ち第2実施例において作業機を単独操作
すると、第1実施例と同様のアンロード機能が得られ
る。
【0046】上記数3(Pst=(Aw /Ast)Pu 、か
つ、Pw =0、尚、前記の通り、説明を容易にするた
め、作業機用油圧回路10の管内抵抗は無いものと見做
す)はステアリング単独操作時を示す。そしてこのとき
の油圧トルクは図5に示される。つまり作業用油圧トル
クTw は、図5(a)の空白に示す通り、零(Tw =
0)である。ところがこのとき油圧トルクTs 、Tstに
おいて、次のような作用効果を奏する。
【0047】前記の通り、両受圧面積Aw 、Astは「A
w >Ast」の関係を有する。従って数3によれば、「P
st>Pu 」となる。つまりステアリング油圧Pstが「P
max>Pst>Pu 」であるときにアンロードが生ずる。
言い換えれば、第1実施例のアンロード開始圧Pu より
も高いアンロード開始圧Puuを得ることができる(Puu
>Pu )。さらにまた次のような効果も派生できる。
【0048】実際のステアリング油圧Pstがステアリン
グ用油圧回路20のリリーフ油圧Pmax を越えることは
ない。しかしながらアンロード開始圧Puuとしてのステ
アリング油圧Pstをリリーフ油圧Pmax 以上に設定する
ことに何ら問題は無い(Puu>Pmax )。つまり「Puu
=(Aw /Ast)Pu 」において「(Aw /Ast)Pu
≧Pmax 」に設定することに何ら問題は無い。そこで両
受圧面積Aw 、Astを、前記「Aw >Ast」の関係に加
え、「Aw /Ast≧Pmax /Pu 」の関係を加味して設
定する。このようにすると、ステアリング油圧Pstがど
のように変化しても、「Puu>Pmax 」であるから、補
助用油圧ポンプ50の容積Vs は最大容積を維持する。
従って図5(b)に示すように、可変容積形の補助用油
圧ポンプ50Bをあたかも固定容積形のように振る舞わ
すことができる。即ちステアリング単独操作時は補助用
油圧ポンプ50Bの最大吐出油量Qs を利用でき、快速
なステアリング操作を達成できる。
【0049】上記数4(Pw =Pu −(Ast/Aw )P
st)は作業及びステアリングの複合操作時を示す。そし
てこのときの油圧トルクは図6に示される。作業油圧ト
ルクTw は図6(a)に示され、ステアリング油圧トル
クTstは図6(c)に示される。補助用油圧ポンプ50
Bの油圧トルクTs はアンロード開始圧Puuによって変
化する。即ち数4に示す通り、作業油圧Pw が「Pu −
(Ast/Aw )Pst」となったときがアンロード開始圧
Puuである(Puu=Pu −(Ast/Aw )Pst)。この
場合、図6(b)及び前記「Puu=Pu −(Ast/Aw
)Pst」に示す通り、固定値なる第1実施例でのアン
ロード開始圧Pu から「(Ast/Aw )Pst」を減じた
値がアンロード開始圧Puuとなる。尚、第1バネ52a
のバネ定数は第1実施例のままであるから補助用油圧ポ
ンプ50Bの押し退け容積Vs (つまり、吐出油量Qs
)は、図6(b)に示す通り、作業油圧Pw が「Pw
≦Puu」のときは最大値を維持し、作業油圧Pw が「P
max −(Ast/Aw )Pst≧Pw >Puu」のときは第1
バネ52aのバネ定数に基づき斜線bに示すように作業
油圧Pw に比例して増減し、作業油圧Pw が「Pmax ≧
Pw >Pmax −(Ast/Aw )Pst」のときは最小とな
る(本例では「Vs =0」となる)。尚、第1バネ52
aのバネ定数が第1、第2実施例も共に同じであるか
ら、斜線bの傾きは、第1実施例の斜線aの傾きと同じ
である。即ち第2実施例において作業及びステアリング
を複合操作すると、次のような作用効果を奏する。
【0050】アンロード開始圧Puuが、図2(b)及び
図4(b)に示した作業機単独操作時のアンロード圧P
u よりも「(Ast/Aw )Pst」だけ低くなる。従って
その分、図7に示すように、余裕トルクΔT2 (=Te
−(Tw +Tss+Tst+Td))を、図2(b)及び図
4(b)での余裕トルクΔT1 (=Te −(Tw +Ts
+Tst+Td ))よりも、「Ts −Tss」分だけ大きく
できる。具体的にはローアイドル時、オペレータがアク
セルペダルを踏み込んでエンジン回転数Ne を上昇復帰
させるとき、余裕トルクΔT2 が大きいためにエンジン
回転数Ne の上昇加速性が良くなる。従ってエンジン7
0の黒煙発生や、燃料消費率の悪化も改善できる。さら
にまたこのときは補助用油圧ポンプ50Bの容積Vss
(図6(b)参照)が小さくなっているために、ステア
リング速度が速くなることもなく、従ってバケット上の
荷物の荷溢を防止できる。勿論、ステアリング用油圧回
路20に余剰油が流入しないため、油圧トルクの損失を
防止できる。尚、上記作用効果を言い換えれば、図7に
示す通り、エンジン回転数Ne の低下が抑えられ、もっ
てエンジン回転数Ne の大きな変動が防止できる。
【0051】第3実施例を図8を参照し説明する。図8
の第3実施例は、図3の第2実施例を電気要素を付加し
て構成したものである。従ってこれら相違点のみ詳述
し、同一要素には同一符号を付して重複説明を省略す
る。
【0052】符号50cは可変容積形の補助用油圧ポン
プ、符号110はマイコン等でなるコントローラ、符号
120は電源、符号P1は作業機用油圧回路10の作業
油圧Pw を検出しコントローラ110に入力する油圧
計、符号P2はステアリング用油圧回路20のステアリ
ング油圧Pstを検出しコントローラ110に入力する油
圧計である。詳しくは次の通り。
【0053】補助用油圧ポンプ50Cの電気式サーボ機
構53は、電源120に接続されたアンプ53aと、ア
ンプ53aからの出力を受けるソレノイド53bとを有
する。コントローラ110からの励磁用電流Iはアンプ
53aに入力して増幅され、この増幅された励磁用電流
によってソレノイド53bが作動し、これにより補助用
油圧ポンプ50Cの押し退け容積Vs が変更する構成と
されている。本実施例では励磁用電流Iが無いとき、押
し退け容積は最大Vs であり、励磁用電流Iに反比例し
て押し退け容積が小さくなるように構成されている。そ
して励磁用電流Iが所定値以上となっとき、押し退け容
積Vs が最小となるようにしてある(本実施例では「V
s =0」、尚、前記の通り、油圧回路の保全上「Vs =
0」は無いが、説明の便宜上「Vs =0」としたもので
ある)。そして励磁用電流Iを生成するコントローラ1
10の作動は次の通り。
【0054】コントローラ110は第1実施例でのアン
ロード開始圧Pu を予め記憶している。そしてコントロ
ーラ110は作業油圧検出手段P1から作業油圧Pw を
受け、かつステアリング油圧検出手段P2からステアリ
ング油圧Pstを受ける。そしてコントローラ110は
「Pw +k・Pst」を演算し(但し、k<1)、「Pw
+k・Pst>Pu 」ならば、「Pw +k・Pst」の値が
高くなるほど押し退け容積Vs を小さくする励磁用電流
Iを生成し補助用油圧ポンプ50Cに入力する。このと
きのアンロード開始圧Puuは、前記「Pw +k・Pst>
Pu 」を「Pw +k・Pst=Pu 」とし、さらにこれを
「Pw =Pu −k・Pst」に変形したときの「Pw 」と
して与えられる。このアンロード開始圧Puu(=Pu −
k・Pst)は、第2実施例での作業及びステアリングの
複合操作時でのアンロード開始圧Puu(=Pu −(Ast
/Aw )Pst)に対応する。即ち第3構成は、第2実施
例での両受圧面積Aw 、Astの構成を、電気制御に置き
換えた具現化例である。即ち第3実施例によれば、第2
実施例と同様の作用効果を奏する。
【0055】第4実施例を、第3実施例を示した前記図
8を借用して説明する。即ち、第4実施例は、図8から
油圧計P2を除く。そしてコントローラ110は、作業
油圧検出手段P1から作業油圧Pw を受けて「Pw >P
u 」であるとき、作業油圧Pw が高くなるほど押し退け
容積Vs を小さくする励磁用電流Iを生成して補助用油
圧ポンプ50Cに入力するように構成してある。
【0056】つまり、第4実施例は、第1実施例を電気
制御的に達成したものである。従って第4実施例によれ
ば、第1実施例において図2を参照して説明した作用効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例なる積込作業車両の油圧回路図であ
る。
【図2】第1実施例の油圧トルク図であり、(a)は作
業機用油圧ポンプの油圧トルク、(b)は補助用油圧ポ
ンプの油圧トルク、(c)はステアリング用油圧ポンプ
の油圧トルクである。
【図3】第2実施例なる積込作業車両の油圧回路図であ
る。
【図4】第2実施例における作業機単独操作時の油圧ト
ルク図であり、(a)は作業機用油圧ポンプの油圧トル
ク、(b)は補助用油圧ポンプの油圧トルク、(c)は
ステアリング用油圧ポンプの油圧トルクである。
【図5】第2実施例におけるステアリング単独操作時の
油圧トルク図であり、(a)は作業機用油圧ポンプの油
圧トルク、(b)は補助用油圧ポンプの油圧トルク、
(c)はステアリング用油圧ポンプの油圧トルクであ
る。
【図6】第2実施例における作業及びステアリングの複
合操作時の油圧トルク図であり、(a)は作業機用油圧
ポンプの油圧トルク、(b)は補助用油圧ポンプの油圧
トルク、(c)はステアリング用油圧ポンプの油圧トル
クである。
【図7】図6での余裕トルク図である。
【図8】第3、第4実施例なる積込作業車両の油圧回路
である。
【図9】従来の積込作業車両の油圧回路図である。
【図10】図9の油圧トルク図であり、(a)は作業機
用油圧ポンプの油圧トルク、(b)は補助用油圧ポンプ
の油圧トルク、(c)はステアリング用油圧ポンプの油
圧トルクである。
【図11】図9の余裕トルク図である。
【符号の説明】
10 作業機用油圧回路 20 ステアリング用油圧回路 30 作業機用油圧ポンプ 40 ステアリング用油圧ポンプ 50、50A、50B、50C 補助用油圧ポンプ 60 分流弁 110 励磁用電流生成手段(コントローラ) Ast ステアリング油圧受圧面積 Aw 作業油圧受圧面積 I 励磁用電流 Pst ステアリング油圧 Pw 作業油圧 Pmax リリーフ油圧 Pu 所定油圧(アンロード開始圧) Puu アンロード開始圧 P1 作業油圧検出手段 P2 ステアリング油圧検出手段 P01 作業機用閾油圧 P02 ステアリング用閾油圧 Qs,Qst, Qw 吐出油量 Vs 押し退け容積

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業機用油圧ポンプ30の吐出油量Qw
    を受けて作業機の油圧駆動を司る作業機用油圧回路10
    と、ステアリング用油圧ポンプ40の吐出油量Qstを受
    けてステアリングの油圧駆動を司るステアリング用油圧
    回路20と、ステアリング用油圧回路20を優先しつつ
    両油圧回路10、20間のいずれか一方に補助用油圧ポ
    ンプの吐出油量Qs を切り換え供給する分流弁60とを
    有する積込作業車両の油圧回路において、作業機用油圧
    回路10の作業油圧Pw を受けて作業油圧Pw が所定油
    圧Pu を越えるとき(Pw >Pu )、作業油圧Pw が高
    くなるほど押し退け容積Vs が小さくなる可変容積形の
    補助用油圧ポンプ50Aを有することを特徴とする積込
    作業車両の油圧回路。
  2. 【請求項2】 作業機用油圧ポンプ30の吐出油量Qw
    を受けて作業機の油圧駆動を司る作業機用油圧回路10
    と、ステアリング用油圧ポンプ40の吐出油量Qstを受
    けてステアリングの油圧駆動を司るステアリング用油圧
    回路20と、ステアリング用油圧回路20を優先しつつ
    両油圧回路10、20間のいずれか一方に補助用油圧ポ
    ンプの吐出油量Qs を切り換え供給する分流弁60とを
    有する積込作業車両の油圧回路において、(a) 励磁用電
    流Iを受けて押し退け容積Vs を変更自在とされた電磁
    式可変容積形の補助用油圧ポンプ50Cと、(b) 作業機
    用油圧回路10の作業油圧Pw を検出する作業油圧検出
    手段P1と、(c) 所定油圧Pu を予め記憶すると共に、
    作業油圧検出手段P1から作業油圧Pw を受けて作業油
    圧Pw が所定油圧Pu を越えるとき(Pw >Pu )、作
    業油圧Pw が高くなるほど押し退け容積Vs を小さくす
    る励磁用電流Iを生成して補助用油圧ポンプ50Cに入
    力する励磁用電流生成手段110とを有することを特徴
    とする積込作業車両の油圧回路。
  3. 【請求項3】 作業機用油圧ポンプ30の吐出油量Qw
    を受けて作業機の油圧駆動を司る作業機用油圧回路10
    と、ステアリング用油圧ポンプ40の吐出油量Qstを受
    けてステアリングの油圧駆動を司るステアリング用油圧
    回路20と、ステアリング用油圧回路20を優先しつつ
    両油圧回路10、20間のいずれか一方に補助用油圧ポ
    ンプの吐出油量Qs を切り換え供給する分流弁60とを
    有する積込作業車両の油圧回路において、作業機用油圧
    回路10の作業油圧Pw を受ける作業油圧受圧面積Aw
    と、ステアリング用油圧回路20のステアリング油圧P
    stを受けるステアリング油圧受圧面積Astとを「Aw >
    Ast」の関係で個別に有すると共に、「Pw ・Aw +P
    st・Ast」が所定値を越えるとき、「Pw ・Aw+Pst
    ・Ast」の値が高くなるほど押し退け容積Vs が小さく
    なる可変容積形の補助用油圧ポンプ50Bを有すること
    を特徴とする積込作業車両の油圧回路。
  4. 【請求項4】 作業機用油圧ポンプ30の吐出油量Qw
    を受けて作業機の油圧駆動を司る作業機用油圧回路10
    と、ステアリング用油圧ポンプ40の吐出油量Qstを受
    けてステアリングの油圧駆動を司るステアリング用油圧
    回路20と、ステアリング用油圧回路20を優先しつつ
    両油圧回路10、20間のいずれか一方に補助用油圧ポ
    ンプの吐出油量Qs を切り換え供給する分流弁60とを
    有する積込作業車両の油圧回路において、(a) 励磁用電
    流Iを受けて押し退け容積Vs を変更自在とされた電磁
    式可変容積形の補助用油圧ポンプ50Cと、(b) 作業機
    用油圧回路10の作業油圧Pw を検出する作業油圧検出
    手段P1と、(c) ステアリング用油圧回路20のステア
    リング油圧Pstを検出するステアリング油圧検出手段P
    2と、(d) 所定油圧Pu を予め記憶すると共に、作業油
    圧検出手段P1から作業油圧Pw を、ステアリング油圧
    検出手段P2からステアリング油圧Pstを受けて「Pw
    +k・Pst」を演算し(但し、k<1)、「Pw +k・
    Pst>Pu 」ならば、「Pw +k・Pst」の値が高くな
    るほど押し退け容積Vs を小さくする励磁用電流Iを生
    成し補助用油圧ポンプ50Cに入力する励磁電流生成手
    段110とを有することを特徴とする積込作業車両の油
    圧回路。
JP9369867A 1997-11-21 1997-11-21 積込作業車両の油圧回路 Pending JPH11159466A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9369867A JPH11159466A (ja) 1997-11-21 1997-11-21 積込作業車両の油圧回路
US09/742,702 US6321535B2 (en) 1997-11-21 2001-02-23 Hydraulic circuit for working vehicle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9369867A JPH11159466A (ja) 1997-11-21 1997-11-21 積込作業車両の油圧回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11159466A true JPH11159466A (ja) 1999-06-15

Family

ID=18495518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9369867A Pending JPH11159466A (ja) 1997-11-21 1997-11-21 積込作業車両の油圧回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11159466A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007066602A1 (ja) * 2005-12-09 2007-06-14 Komatsu Ltd. 作業車両のエンジン負荷制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007066602A1 (ja) * 2005-12-09 2007-06-14 Komatsu Ltd. 作業車両のエンジン負荷制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6321535B2 (en) Hydraulic circuit for working vehicle
US6176083B1 (en) Apparatus and method for controlling displacement of steering pump for work vehicle
US4343151A (en) Series - parallel selector for steering and implement
US20170274930A1 (en) System architectures for steering and work functions in a wheel
US8833065B2 (en) Control device for hybrid construction machine
JP4799624B2 (ja) 油圧駆動制御装置
US8807155B2 (en) Control device for hybrid construction machine
WO2010147121A1 (ja) ハイブリッド型建設機械及びハイブリッド型建設機械の制御方法
KR101568441B1 (ko) 하이브리드 건설기계의 제어장치
WO2002050435A1 (fr) Dispositif de commande pour machine de construction
US9709076B2 (en) Hydraulic drive system
JPH07208404A (ja) 油圧式建設機械のエンジン−ポンプ制御装置及び制御方法
KR20140135690A (ko) 건설 기계
WO1991008395A1 (en) Hydraulic motor driving circuit device
JP2009275771A (ja) 流体圧アクチュエータ制御回路
WO2019142244A1 (ja) 建設機械
JP5129062B2 (ja) エンジン制御装置
JP2006027351A (ja) 作業車両の油圧駆動装置
JP2010048153A (ja) エンジン制御装置
JP3694355B2 (ja) ロードセンシング制御による油圧駆動装置
JPH11159466A (ja) 積込作業車両の油圧回路
KR20080060512A (ko) 지게차의 유압시스템
JPH02275101A (ja) ロードセンシング油圧駆動回路の制御装置
JP2001173025A (ja) 作業車両
CN113508207B (zh) 挖土机