JPH11156487A - アルミニウムの半連続鋳造方法および装置 - Google Patents

アルミニウムの半連続鋳造方法および装置

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JPH11156487A
JPH11156487A JP32280097A JP32280097A JPH11156487A JP H11156487 A JPH11156487 A JP H11156487A JP 32280097 A JP32280097 A JP 32280097A JP 32280097 A JP32280097 A JP 32280097A JP H11156487 A JPH11156487 A JP H11156487A
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浩司 芦田
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征 前田
Terukazu Yamauchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色アルミニウム製品の自然発色皮膜の色調
むらの発生を防止する。JIS A1100およびA105
0からなるアルミニウム製品の陽極酸化皮膜の樅の木組
織模様の発生を防止する。 【解決手段】 溶湯移送樋の下方に配置された平面から
見て長方形状の鋳型1と、溶湯移送樋に設けられかつ下
端部が鋳型1内に臨んだ注湯スパウト2と、鋳型1内に
配されかつ注湯スパウト2の下端部を囲む第1袋状体3
と、鋳型1内に配されかつ第1袋状体3を囲む第2袋状
体4と、鋳型1内に配されかつ第2袋状体4を囲む第3
袋状体とを備えている。全ての袋状体3〜5をそれぞれ
ガラスクロスで鋳型1の長さ方向に長い形状に形成す
る。各袋状体3〜5における鋳型1長辺側を向いた部分
の少なくとも下部および下方を向いた部分に形成された
孔の大きさを0.09mm2 以下とし、その他の部分に
形成された孔の大きさを0.8〜4mm2 とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、角型ビレットお
よびスラブのような横断面長方形のアルミニウム鋳塊を
半連続鋳造する方法および装置に関する。
【0002】この明細書において、「アルミニウム」と
いう語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を
含むものとする。
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】たとえ
ば、建材、器物等の着色アルミニウム製品は、Fe、S
i等の発色性元素を含有させたアルミニウムからなるス
ラブや角型ビレットを用いて所定形状に成形した後、こ
の成形物に陽極酸化処理を施すことにより自然発色皮膜
を形成することにより製造されている。しかしながら、
このような着色アルミニウム製品の場合、陽極酸化処理
を施すことにより形成された自然発色皮膜に色調むらが
発生し、商品価値がなくなるという問題があった。
【0004】また、JIS A1100およびA1050等
のFe、Si含有量が少ないアルミニウムから製造され
たアルミニウム製品においては、陽極酸化処理を施した
場合の色調むらが発生することはないが、陽極酸化処理
を施したさいに、陽極酸化皮膜の表面に樅の木組織と呼
ばれる模様が現れるという問題があった。
【0005】上述したAl−Fe系合金およびAl−F
e−Si系合金からなる着色アルミニウム製品の自然発
色皮膜に発生する色調むらや、JIS A1100およびA
1050からなるアルミニウム製品の陽極酸化皮膜に現
れる樅の木組織と呼ばれる模様は、スラブや角型ビレッ
トを半連続鋳造するさいに、凝固組織が不均一になるこ
とを原因として発生することは知られている。
【0006】そこで、従来、このような問題を解決する
ために、アルミニウム溶湯を2段の袋状フィルタを介し
て鋳型内に供給する方法が提案されている(特開平2−
211937号公報参照)。この方法に用いられる2つ
のフィルタは、それぞれガラスクロスのような耐熱性を
有するとともにアルミニウムを汚染することのない材料
からなる多孔性シートで形成されている。そして、両フ
ィルタの孔の大きさは等しいか、あるいは外側フィルタ
の孔の大きさが内側フィルタの孔の大きさよりも大きく
なっている。なお、各フィルタにおける孔の大きさは全
て等しい。
【0007】上述した従来の方法は、鋳型内でのアルミ
ニウム溶湯の急激な流動を阻止すれば、上述した凝固組
織の不均一を解消することができるとの知見に基づいて
なされたものである。しかしながら、本発明の発明者等
が実験を行ったところ、従来の方法において鋳造された
スラブや角型ビレットを用いて製造した着色アルミニウ
ム製品の自然発色皮膜における色調むらの発生やJIS A
1100およびA1050からなるアルミニウム製品の
陽極酸化皮膜における樅の木組織模様の発生を確実に防
止できないことが判明した。これは、従来方法によれ
ば、注湯スパウトから鋳型内に注がれたアルミニウム溶
湯が、各方向に等しい速さで流動するので、鋳型の長辺
側に達するまでの時間と短辺側に達するまでの時間とに
差が生じるとともに、鋳型長辺側に達した溶湯は同短辺
側に達した溶湯よりも下方へ流れやすくなり、その結果
鋳型内で溶湯の流れの不均一および鋳型内での溶湯の温
度分布の不均一が発生するからであることも分かった。
【0008】この発明の目的は、上記問題を解決し、着
色アルミニウム製品を製造したさいの自然発色皮膜の色
調むらの発生防止およびJIS A1100およびA105
0からなるアルミニウム製品の陽極酸化皮膜における樅
の木組織模様の発生防止に有効なアルミニウムの半連続
鋳造方法および装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段と発明の効果】この発明に
よるアルミニウムの半連続鋳造方法は、横断面長方形の
アルミニウム鋳塊を半連続鋳造する方法であって、注湯
スパウトから鋳型内に注がれたアルミニウム溶湯が、鋳
型短辺側に比べて鋳型長辺側および下方に流れにくくな
るようにして鋳造を行うことを特徴とするものである。
【0010】この発明の方法によれば、注湯スパウトか
ら鋳型内に注がれたアルミニウム溶湯における鋳型短辺
側および同長辺側に達する時間をほぼ等しくすることが
できるとともに、鋳型短辺側および同長辺側に達した後
下方に流れる速度と、直接下方に流れる速度とをほぼ等
しくすることができるので、鋳型内での溶湯の流れの均
一化および鋳型内での温度分布の均一化を図ることがで
きる。したがって、鋳塊の凝固組織が均一になり、発色
性元素を含むアルミニウムからなる着色アルミニウム製
品の自然発色皮膜に色調むらが発生するのを確実に防止
することができる。また、JIS A1100およびA10
50等の発色性元素の含有量が少ないアルミニウムから
なるアルミニウム製品の陽極酸化皮膜に発生する樅の木
組織と呼ばれるアルマイト模様の発生防止にも有効であ
る。
【0011】この発明によるアルミニウムの半連続鋳造
装置は、横断面長方形のアルミニウム鋳塊を半連続鋳造
する装置であって、溶湯移送樋の下方に配置された平面
から見て長方形状の鋳型と、溶湯移送樋に設けられかつ
下端部が鋳型内に臨んだ注湯スパウトと、鋳型内に配さ
れかつ注湯スパウトの下端部を囲む第1の袋状体と、鋳
型内に配されかつ第1袋状体を囲む第2の袋状体と、鋳
型内に配されかつ第2袋状体を囲む第3の袋状体とを備
えており、全ての袋状体がそれぞれ耐熱性を有するとと
もにアルミニウムを汚染することのない材料からなる多
孔性シートで鋳型の長さ方向に長い形状に形成され、各
袋状体における鋳型長辺側を向いた部分の少なくとも下
部および下方を向いた部分に形成された孔の大きさが
0.09mm2 以下であり、その他の部分に形成された
孔の大きさが0.8〜4mm2 であることを特徴とする
ものである。
【0012】この発明の装置によれば、第1袋状体によ
り注湯スパウトから鋳型内に注がれたアルミニウム溶湯
の下方への強い流れを水平方向に変え、さらに第2およ
び第3袋状体により流速を緩和するとともに、鋳型短辺
側に比べて鋳型長辺側および下方に流れにくくなるよう
にすることができ、その結果注湯スパウトから鋳型内に
注がれたアルミニウム溶湯における鋳型短辺側および同
長辺側に達する時間をできるだけ等しくすることができ
るとともに、鋳型短辺側および同長辺側に達した後下方
に流れる速度と、直接下方に流れる速度とをできるだけ
等しくすることができる。したがって、鋳型内での溶湯
の流れの均一化および鋳型内での温度分布の均一化を図
ることができ、上記方法と同様な効果を奏する。
【0013】しかも、注湯スパウトから鋳型内への注湯
時の波立ちに起因する酸化物の巻き込みを防止すること
ができる。
【0014】この発明の装置において、各袋状体におけ
る鋳型長辺側を向いた部分の少なくとも下部および下方
を向いた部分に形成された孔の大きさを0.09mm2
以下に限定し、その他の部分に形成された孔の大きさを
0.8〜4mm2 に限定したのは、この範囲内になけれ
ば注湯スパウトから鋳型内に注がれたアルミニウム溶湯
が、鋳型短辺側に比べて鋳型長辺側および下方に流れに
くくならず、その結果注湯スパウトから鋳型内に注がれ
たアルミニウム溶湯における鋳型短辺側および同長辺側
に達する時間が等しくならないとともに、鋳型短辺側お
よび同長辺側に達した後下方に流れる速度と、直接下方
に流れる速度とも等しくすることができないからであ
る。
【0015】この発明の装置において、各袋状体の全体
が0.8〜4mm2 の大きさの孔を有する多孔性シート
で形成され、各袋状体における鋳型長辺側を向いた部分
の少なくとも下部および下方を向いた部分に、孔の大き
さが0.09mm2 以下である多孔性シートが重ね合わ
されていることが好ましい。
【0016】また、この発明の装置において、多孔性シ
ートがガラスクロスであり、そのたて糸とよこ糸との間
の間隙が孔となっていることが好ましい。この場合、各
袋状体における鋳型長辺側を向いた部分の少なくとも下
部および下方を向いた部分に形成された孔の大きさを
0.09mm2 以下とし、その他の部分に形成された孔
の大きさを0.8〜4mm2 とするには、各袋状体の全
体を、孔の大きさが0.8〜4mm2 であるガラスクロ
スで形成し、さらに鋳型長辺側を向いた部分の少なくと
も下部および下方を向いた部分に、孔の大きさが0.0
9mm2 のガラスクロスを重ね合せることにより、この
部分の実際に溶湯が通過する孔の大きさが0.09mm
2 以下となる。また、各袋状体における鋳型長辺側を向
いた部分の少なくとも下部および下方を向いた部分を、
孔の大きさが0.09mm2 以下であるガラスクロスで
形成し、他の部分を、孔の大きさが0.8〜4mm2
あるガラスクロスで形成してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、
図1の上下、左右をそれぞれ上下、左右といい、図2の
下側を前、これと反対側を後というものとする。
【0018】図1および図2はアルミニウムの半連続鋳
造装置の全体構成を示し、図3〜図5は袋状体を示す。
【0019】図1および図2において、半連続鋳造装置
は、左右方向に長い横断面長方形状の鋳塊を鋳造する装
置であって、平面から見て左右方向に長い長方形状の鋳
型(1) と、上方から鋳型(1) 内の中央部に臨みかつ図示
しない溶湯移送樋によって運ばれて来たアルミニウム溶
湯を鋳型(1) 内に注ぐ注湯スパウト(2) と、鋳型(1)内
に配されかつ注湯スパウト(2) の下端部を囲む第1の袋
状体(3) と、鋳型(1)内に配されかつ第1袋状体(3) を
囲む第2の袋状体(4) と、鋳型(1) 内に配されかつ第2
袋状体(4) を囲む第3の袋状体(5) とを備えている。
【0020】鋳型(1) の内周面における上端から高さの
中央部よりも若干下方に至るまでの部分が断熱材(6) に
より覆われている。また、鋳型(1) における断熱材(6)
よりも下方の部分に水ジャケット(7) が設けられてい
る。さらに、鋳型(1) には下斜め内向きの2次冷却水吹
出口(8) が長辺部および短辺部の長さ方向に間隔をおい
て複数形成されている。
【0021】注湯スパウト(2) の下端部にはテーパ部(2
a)を介して小径部(2b)が形成されている。また、注湯ス
パウト(2) 内には上下動自在のコントロールピン(9) が
配され、これにより注湯量を調節しうるようになってい
る。
【0022】図3に示すように、第1袋状体(3) は、左
右方向に長くかつ両端が閉鎖された円筒状であり、その
周壁部分上部における長さの中央部には貫通孔が形成さ
れ、貫通孔の周囲に上方にのびた短円筒状部(11)が設け
られている。短円筒状部(11)の直径は注湯スパウト(2)
におけるテーパ部(2a)よりも上方の部分の外径よりも若
干大きくなっており、この短円筒状部(11)が注湯スパウ
ト(2) の下端部に嵌め被せられて適当な手段で注湯スパ
ウト(2) に固定されている。第1袋状体(3) はその全体
が0.8〜4mm2 の大きさの孔を有するガラスクロス
(12)(多孔性シート)で形成されている。また、第1袋
状体(3) の左右両端部を除いて鋳型(1)長辺側を向いた
部分の少なくとも下部および下方を向いた部分に、0.
09mm2 以下の大きさの孔を有するガラスクロス(13)
(多孔性シート)が重ね合わされて2重構造となされ、
その結果2重構造部分には大きさが0.09mm2 以下
である孔が形成されている。
【0023】図4に示すように、第2袋状体(4) は、上
方に向かって開口しかつ平面から見て左右方向に長い長
方形状となされた箱状である。第2袋状体(4) はその全
体が0.8〜4mm2 の大きさの孔を有するガラスクロ
ス(12)で形成されている。また、第2袋状体(4) の長側
壁部の左右両端部を除いた部分および底壁部の左右両端
部を除いた部分に、0.09mm2 以下の大きさの孔を
有するガラスクロス(13)が重ね合わされて2重構造とな
され、その結果2重構造部分には大きさが0.09mm
2 以下である孔が形成されている。
【0024】図5に示すように、第3袋状体(5) は、上
方に向かって開口しかつ平面から見て左右方向に長い長
方形状となされた箱状である。第3袋状体(5) はその全
体が0.8〜4mm2 の大きさの孔を有するガラスクロ
ス(12)で形成されている。また、第3袋状体(5) の長側
壁部全体および底壁部の左右両端部を除いた部分に、
0.09mm2 以下の大きさの孔を有するガラスクロス
(13)が重ね合わされて2重構造となされ、その結果2重
構造部分には大きさが0.09mm2 以下である孔が形
成されている。第3袋状体(5) の長側壁部と鋳型(1) の
長辺部分との間隔S1は50mm以上であり、同じく短
側壁部と短辺部分との間隔S2は100mm以上である
ことが好ましい。上記間隔S1が50mm未満であり、
間隔S2が100mm未満であると、注湯スパウト(2)
から注がれた溶湯の鋳型(1) 内周面に到達する時間が短
くなり、その結果着色アルミニウム製品の自然発色皮膜
に色調むらが発生したり、JIS A1100およびA10
50等のFe、Si含有量が少ないアルミニウムから製
造されたアルミニウム製品の陽極酸化皮膜の表面に樅の
木組織と呼ばれる模様が現れ易くなる。
【0025】上記間隔S1およびS2の上限、ならびに
各袋状体(3) 〜(5) の寸法と鋳型(1) の空所(1a)の寸法
とは、次のような関係となれば色調むら発生防止および
樅の木模様発生防止に有効であることが、実験により得
られた。
【0026】鋳型(1) の空所(1a)の左右方向の長さL、
第1袋状体(3) の左右方向の長さL1、第2袋状体(4)
の左右方向の長さL2および第3袋状体(5) の左右方向
の長さL3の関係は、L3=L×1/1.7、L2=L
3−(40〜100mm)、L1=L2−(40〜60
mm)であることが好ましい。また、鋳型(1) の空所(1
a)の前後方向の幅W、第1袋状体(3) の前後方向の幅W
1、第2袋状体(4) の前後方向の幅W2および第3袋状
体(5) の前後方向の幅W3の関係は、W3=W×1/
1.8、W2=W3−(5〜10mm)、W1=W2−
(5〜10mm)であることが好ましい。また、第1袋
状体(3) の周壁部下端と第2袋状体(4) の底壁部との間
隔D1および第2袋状体(4) の底壁部と第3袋状体(5)
の底壁部との間隔D2はそれぞれ10mm以上に設定す
ることがよく、この場合、各袋状体(3) 〜(5) 内の溶湯
の流動通路が確保され、流れが均一安定化する。
【0027】各袋状体(3) 〜(5) を構成するガラスクロ
ス(12)(13)では、そのたて糸とよこ糸との間の間隙が孔
となっている。
【0028】なお、第2袋状体(4) および第3袋状体
(5) は、図示しない溶湯移送樋に吊持される。
【0029】上記構成の半連続鋳造装置を用いたアルミ
ニウムの半連続鋳造方法は次の通りである。
【0030】水素ガス等の溶存有害ガスや非金属介在物
を除去する溶湯処理が施された後、図示しない溶湯移送
樋により送られ来たアルミニウム溶湯を注湯スパウト
(2) を通して鋳型(1) 内に注ぐ。すると、第1袋状体
(3) により注湯スパウト(2) から鋳型(1) 内に注がれた
アルミニウム溶湯の下方への強い流れが水平方向に変え
られ、さらに第2および第3袋状体(4)(5)により流速が
緩和されるとともに、アルミニウム溶湯が3つの袋状体
(3) 〜(5) の孔を通過することによって鋳型(1) 短辺側
に比べて鋳型(1) 長辺側および下方に流れにくくなり、
鋳型(1) 短辺側および同長辺側に達する時間がほぼ等し
くなるとともに、鋳型(1) 短辺側および同長辺側に達し
た後下方に流れる速度と、直接下方に流れる速度とがほ
ぼ等しくなる。その結果、鋳型(1) 内での溶湯の流れの
均一化および温度分布の均一化が図られる。そして、ア
ルミニウム溶湯が断熱材(6) よりも下方に来ると、水ジ
ャケット(7) 内の冷却水により1次冷却されて鋳塊殻(1
4)が形成される。このとき、鋳型(1) 内での溶湯の流れ
および温度分布が均一となるので、鋳塊殻(14)の凝固組
織が均一になる。さらに、鋳塊殻(14)が鋳型(1) から出
たところで、2次冷却水吹出口(8) から吹出された冷却
水により2次冷却されて中心部まで凝固が完了し、横断
面長方形のアルミニウム鋳塊(I) が形成される。鋳塊殻
(14)の凝固組織が均一であること、鋳型(1) 内溶湯の流
れが均一であること、および鋳型(1) 内溶湯の温度分布
が均一であることによって、アルミニウム鋳塊(I) の凝
固組織も均一になる。したがって、このアルミニウム鋳
塊(I) を用いて製造された着色アルミニウム製品の自然
発色皮膜に色調むらが発生するのを確実に防止すること
ができる。しかも、JIS A1100およびA1050等
の発色性元素の含有量が少ないアルミニウムからなるア
ルミニウム製品の陽極酸化皮膜に樅の木組織と呼ばれる
アルマイト模様の発生防止に有効である。
【0031】上記実施形態においては、多孔性シートと
してガラスクロスが用いられているが、これに限るもの
ではない。また、各袋状体(3) 〜(5) は2種類のガラス
クロスで形成されているが、これに限るものではなく、
各袋状体(3) 〜(5) における2重構造となっている部分
を、孔の大きさが0.09mm2 以下であるガラスクロ
スのみで形成してもよい。
【0032】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を比較例とと
もに説明する。
【0033】実施例 第1袋状体(3) として、左右方向の長さL1=350m
m、直径(左右方向の幅W1)100mm、短円筒状部
(11)の長さ70mm、短円筒状部(11)の直径100mm
の寸法を有するものを用意した。この第1袋状体(3)
は、全体をM330(商品名、ユニチカ社製)からなる
ガラスクロス(12)で形成し、左右両端部をそれぞれ55
mmずつ除いた長さ240mmの部分における下端から
40mmの高さまでの部分に、YEH2501(商品
名、ユニチカ社製)からなるガラスクロス(13)を重ね合
わせたものである。
【0034】第2袋状体(4) として、左右方向の長さL
2=430mm、前後方向の幅W2=170mm、高さ
85mmの寸法を有するものを用意した。この第2袋状
体(4) は、全体をM330(商品名、ユニチカ社製)か
らなるガラスクロス(12)で形成し、前後長側壁部および
底壁部における左右両端部をそれぞれ40mmずつ除い
た長さ350mmの部分に、ECV404(商品名、ユ
ニチカ社製)からなるガラスクロス(13)を重ね合わせた
ものである。
【0035】第3袋状体(5) として、左右方向の長さL
3=530mm、前後方向の幅W3=180mm、高さ
105mmの寸法を有するものを用意した。この第3袋
状体(5) は、全体をM380(商品名、ユニチカ社製)
からなるガラスクロス(12)で形成し、前後長側壁部の全
体、および底壁部における左右両端部を40mmずつ除
いた長さ450mmの部分に、YEH2501(商品
名、ユニチカ社製)からなるガラスクロス(13)を重ね合
わせたものである。
【0036】そして、Al−1.35wt%Fe−0.
03wt%Si合金溶湯を使用し、鋳造温度690〜7
05℃、鋳造速度85mm/分、吹出冷却水量8リット
ル/kg.Al、湯面高さ(図1にHで示す。)80m
mの鋳造条件で、長さ4000mm、幅830mm、厚
さ320mmの横断面長方形状スラブを鋳造した。
【0037】得られたスラブを用いて厚さ1.2mmの
圧延板を製造し、この圧延板に5wt%水酸化ナトリウ
ム溶液による前処理を施した後、150g/l硫酸浴で
電流密度150A/m2 、浴温20℃の条件で陽極酸化
処理を施し、皮膜厚さ20μmの陽極酸化皮膜を形成し
た。形成された自然発色皮膜の色はグレー色であり、色
調むらは全く見られなかった。
【0038】比較例1 3つの袋状体(3) 〜(5) を用いる代りに、上記実施例の
第3袋状体(5) と同じ袋状体を用いたことを除いては、
上記実施例と同様にして同サイズの横断面長方形状スラ
ブを鋳造した。
【0039】得られたスラブを用いて圧延板を製造し、
この圧延板に上記実施例と同様にして自然発色皮膜を形
成したところ、色調むらによる不合格品が50%以上発
生した。
【0040】比較例2 3つの袋状体(3) 〜(5) を用いる代りに、上記実施例の
第1袋状体(3) および第3袋状体(5) と同じ2つの袋状
体を用いたことを除いては、上記実施例と同様にして同
サイズの横断面長方形状スラブを鋳造した。
【0041】得られたスラブを用いて圧延板を製造し、
この圧延板に上記実施例と同様にして自然発色皮膜を形
成したところ、色調むらによる不合格品が50%以上発
生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による半連続鋳造装置の一部分を示す
垂直断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】第1の袋状体を示す斜視図である。
【図4】第2の袋状体を示す斜視図である。
【図5】第3の袋状体を示す斜視図である。
【符号の説明】 (1):鋳型 (2):注湯スパウト (3):第1袋状体 (4):第2袋状体 (5):第3袋状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 輝和 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横断面長方形のアルミニウム鋳塊を半連
    続鋳造する方法であって、注湯スパウトから鋳型内に注
    がれたアルミニウム溶湯が、鋳型短辺側に比べて鋳型長
    辺側および下方に流れにくくなるようにして鋳造を行う
    ことを特徴とするアルミニウムの半連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 横断面長方形のアルミニウム鋳塊を半連
    続鋳造する装置であって、溶湯移送樋の下方に配置され
    た平面から見て長方形状の鋳型と、溶湯移送樋に設けら
    れかつ下端部が鋳型内に臨んだ注湯スパウトと、鋳型内
    に配されかつ注湯スパウトの下端部を囲む第1の袋状体
    と、鋳型内に配されかつ第1袋状体を囲む第2の袋状体
    と、鋳型内に配されかつ第2袋状体を囲む第3の袋状体
    とを備えており、全ての袋状体がそれぞれ耐熱性を有す
    るとともにアルミニウムを汚染することのない材料から
    なる多孔性シートで鋳型の長さ方向に長い形状に形成さ
    れ、各袋状体における鋳型長辺側を向いた部分の少なく
    とも下部および下方を向いた部分に形成された孔の大き
    さが0.09mm2 以下であり、その他の部分に形成さ
    れた孔の大きさが0.8〜4mm2 であることを特徴と
    するアルミニウムの半連続鋳造装置。
  3. 【請求項3】 各袋状体の全体が0.8〜4mm2 の大
    きさの孔を有する多孔性シートで形成され、各袋状体に
    おける鋳型長辺側を向いた部分の少なくとも下部および
    下方を向いた部分に、孔の大きさが0.09mm2 以下
    である多孔性シートが重ね合わされている請求項2記載
    のアルミニウムの半連続鋳造装置。
  4. 【請求項4】 多孔性シートがガラスクロスであり、そ
    のたて糸とよこ糸との間の間隙が孔となっている請求項
    2または3記載のアルミニウムの半連続鋳造装置。
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