JPH11155604A - 合成樹脂製靴底およびその製造方法 - Google Patents

合成樹脂製靴底およびその製造方法

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JPH11155604A
JPH11155604A JP34436197A JP34436197A JPH11155604A JP H11155604 A JPH11155604 A JP H11155604A JP 34436197 A JP34436197 A JP 34436197A JP 34436197 A JP34436197 A JP 34436197A JP H11155604 A JPH11155604 A JP H11155604A
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midsole
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幹雄 天海
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幸夫 岩崎
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】靴底(コンプレッションソール)1において、
例えば透明部品、中空部品、飾り部品を備えた種類であ
っても、靴底の外周デザインの変更により柔軟に対応す
ることができ、多品種少量生産体制により適するものと
する。特に、中空体4を備えた構造の靴底であって、中
空体4がソールの外周側面の中央より露出しており、意
匠効果の面に大変優れたものにする。 【解決手段】意匠が表面に賦形されたテープ部材3を、
ほぼ靴底形状に裁断されたミッドソール部材2の外周側
面に接着または融着し、さらにこれを、接地面を有する
アウトソール部材5上に積層接着してなる。テープ部材
3には、透明部品等を外より視認するための窓部8を形
成し、それらが嵌入された構造とする。エアクッション
等の中空体4の場合には、ミッドソール部材2に、中空
体4を収納するための凹溝部6を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般にコンプレッ
ションソールと称される合成樹脂製靴底、およびその靴
底の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、靴底
の外周デザインの変更により柔軟に対応することがで
き、よって多品種少量生産体制により適応するように改
良された靴底に関する。とりわけ本発明は、エアクッシ
ョン等の中空体を備えた構造の靴底であって、意匠効果
に優れた靴底に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコンプレッションソール
は、一般に、コンプレッション加工により、即ち、ほぼ
ソール形状に裁断されたエチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)配合物(仮発泡されている)を成形金型内に
載置し、続いてこれを高められた温度(約150℃)に
て上方より高い圧力で加圧することにより、該樹脂配合
物を軟化流動させて(同時に完全発泡させる)、靴底の
上部つまりミッドソールを成形し、その後、成形された
ミッドソールを、別途作られたアウトソール(ゴム配合
物またはエラストマー配合物より成り、接地面を有する
部材)上に積層接着するという製造手順により、作られ
ていた。而して、この製法で成形される従来のミッドソ
ールは、通常、立ち上り部をその外周縁の一部に有する
一体成形物であって、その立ち上り部を含む外周側面に
は、靴底側面の意匠が賦形されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、昨今、靴お
よび靴部品の製造にあっては、他の工業製品と同様、多
品種少量生産体制により適した製造法にすることが求め
られている。従って、コンプレッションソールの製造
も、かような生産様式により適するように改良すること
が要求されている。しかるに、従来のコンプレッション
ソールは、ミッドソール全体がEVA発泡配合物の一体
成形物より構成されているので、ソールデザイン、特に
外周部の意匠が異なれば、コンプレッション加工用の成
形型として異なる圧縮成形型を新たに準備する必要があ
った。すなわち、ソールデザインの種類ごとに各デザイ
ンに対応する靴底成形型を個々に、つまり、靴底アイテ
ムの数だけの成形型を準備する必要があった。しかし、
靴底成形型の製造には、一般に、多額の費用および相当
長期の時間がそれぞれ必要とされる。一方、消費者の嗜
好の多様細分化に伴い、靴製品並びにその内部構造のデ
ザインの多種多様化は近年著しく、その移り変りがます
ます激しいものとなってきている。従って、従来のコン
プレッションソールおよびその製造方法は、最近の消費
者ニーズの変化に即対応するのが難しく、必ずしも多品
種少量生産体制に十分適応していないという欠点を有し
ていた。
【0004】また、従来より、靴底樹脂とは異なる素材
からなる部品、例えば透明な樹脂部品とか、金属調の表
面を有する飾り部材などが、靴底の外周面とその内側の
部分との間に、それら部品が外から見えるように付設さ
れた構造の靴も、市販されている。また、最近では、エ
アクッション(中空体)が靴底内に収納され、その一部
が靴外周面に露出している構造の靴も、開発され市販さ
れている。しかし、この種の構造を有する靴、特にエア
クッション内蔵の靴を従来のコンプレッションソールの
製造法に従い作ろうとするとき、製作の容易さから、ミ
ッドソールを先に製造し、そのミッドソールにエアクッ
ションを組み付ける(いわゆる後付け)という手順が通
常採られる。このため、製作される靴は、エアクッショ
ンがミッドソール外周縁の立ち上がり部より上側の位置
に配設され、それが靴底の外周側面の上縁より上側の位
置にて露出する構造の靴となるか、または、エアクッシ
ョン収納用の凹部がミッドソールの下面に設けられ、エ
アクッションが該ミッドソールとアウトソールの間に配
設され、それらの間より露出する構造の靴となる。従っ
て、従来の技術では、コンプレッション加工靴の外周側
面において、エアクッション(中空体)がミッドソール
の丁度中央部分より露出する構造の靴を製造することが
できなかった。
【0005】本発明は、上述の諸背景に基づいてなされ
たものであって、その課題は、例えば中空部品、透明部
品または飾り部品をも備えた種類の靴底であっても、靴
底の外周デザインの変更により柔軟に対応することがで
き、多品種少量生産体制により適するところの合成樹脂
製靴底(コンプレッションソール)を提供することにあ
る。特に、本発明は、エアクッション等の中空体を備え
た構造を有する靴底(コンプレッションソール)であっ
て、中空体がソールの外周側面の中央より露出してお
り、この点で意匠効果に大変優れている靴底を提供する
ことを課題とするものである。また、本発明は、本発明
の合成樹脂製靴底を確実に製造することができ、しかも
多品種少量生産体制に適する経済的な該靴底の製造方法
を提供することを課題とするものである。本発明のその
他の課題、効果および利点は、以下の記載および特許請
求の範囲の記載より導かれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明は、
明確には、エチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡配合物
よりなり、ほぼ靴底形状に裁断されたミッドソール部材
と、該ミッドソール部材とは物性が異なるエチレン−酢
酸ビニル共重合体の発泡配合物よりなり、コンプレッシ
ョン加工によって意匠がその表面に賦形されたテープ部
材と、ゴム配合物またはエラストマー配合物よりなり、
接地面を有する靴底形状に成形されたアウトソール部材
とを備えてなり、そして、前記テープ部材を前記ミッド
ソール部材の外周側面にその周縁の少なくとも一部に接
着または融着し、さらに、これを前記アウトソール部材
上に積層接着してなる、合成樹脂製靴底に関する。本発
明は、いくつかのより好ましい態様を有する。その一つ
の態様は、エアクッション等の中空体をさらに備えた靴
底であって、上記ミッドソール部材は該中空体を収納す
るための凹溝部を設けるとともに、上記テープ部材は該
中空体を外より視認するための窓部を形成してなり、そ
して、前記中空体は、前記凹溝部に載置されるととも
に、その側部が前記窓部に嵌入されていることを特徴と
する、上記の合成樹脂製靴底に関する。また、本発明の
より好ましい態様は、中空部品、透明部品および/また
は飾り部品をさらに備えた靴底であって、上記テープ部
材はこれら部品を外より視認するための窓部を形成して
なり、そして、前記中空部品、透明部品および/または
飾り部品が該窓部に嵌入されていることを特徴とする、
上記の合成樹脂製靴底に関する。また、本発明の別のよ
り好ましい態様は、エチレン−酢酸ビニル共重合体の発
泡配合物よりなり、ほぼ靴底形状に裁断されたミッドソ
ール部材と、該ミッドソール部材とは物性が異なるエチ
レン−酢酸ビニル共重合体の発泡配合物よりなるテープ
基材と、繊維布、皮革もしくはその他の異素材シート物
とが接着または融着一体化されてなるテープ部材と、ゴ
ム配合物またはエラストマー配合物よりなり、接地面を
有する靴底形状に成形されたアウトソール部材とを備え
てなり、そして、前記テープ部材を前記ミッドソール部
材の外周側面にその周縁の少なくとも一部に接着または
融着し、さらに、これを前記アウトソール部材上に積層
接着してなる、合成樹脂製靴底に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、靴底のミッド
ソールは、ソール中央部のミッドソール部材とソール外
周縁部のテープ部材との二つの部材より構成され、そし
て、テープ部材はミッドソール部材の外周側面に接着ま
たは融着され、その周縁の全部または一部に(通常、踵
部の周縁部に)付設されている。これらのミッドソール
部材およびテープ部材は、ともにエチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)の発泡配合物より成るが、その各々
の物性、特に硬度および密度は互いに異なっている。ミ
ッドソール部材およびテープ部材は、靴底として、特に
コンプレッションソールにおいて要求されるところの強
度、柔軟さ並びに履き心地などの性能を備えるために、
通常、30度ないし60度の硬度および0.1g/cm
3 ないし0.3g/cm3 の密度を各々有する。従っ
て、硬度および密度が上記の範囲外であるとき、得られ
る靴底は、コンプレッションソールの要求性能を備えた
ものとはならない。なお、この硬度は、JIS K63
01に定めるスプリング式硬さ試験(A形)によって測
定される。そして、より好ましくは、ミッドソール部材
は、より硬く、より弾力性に富むEVA発泡配合物から
なり、一方、テープ部材は、より柔らかく、より変形し
やすいEVA発泡配合物からなる。具体的には、テープ
部材の硬度がミッドソール部材の硬度よりも硬度差5な
いし30度だけより低く、また、テープ部材の密度がミ
ッドソール部材の密度よりも密度差0.02g/cm3
ないし0.20g/cm3 だけより低いものとなるよう
に、それぞれの部材に使用されるEVA発泡配合物の組
成および物性が選択される。硬度差が5度未満であると
き、または密度差が0.02g/cm3 未満であると
き、得られる靴底は、弾力性(クッション性)は必要な
水準以上であるものの、靴底の外周側面に成形皺や欠け
等が所々に見られ、意匠の賦形性に劣るものになるか、
あるいは、成形皺や欠け等は靴底の外周側面に殆ど見ら
れないが、弾力性に劣り、長期間の使用による弾力性の
低下が著しく、所謂ヘタリが生じやすいものになり、い
ずれにしても、不満足な性能を有するものになる。した
がって、使用材料の性質の側面から考慮すると、本発明
のより好ましい態様は、テープ部材およびミッドソール
部材が、硬度30度ないし60度を有する部材であっ
て、しかもテープ部材の硬度がミッドソール部材の硬度
よりも硬度差5ないし30度だけより低く、また、テー
プ部材およびミッドソール部材が、密度0.1g/cm
3 ないし0.3g/cm3 を有する部材であって、しか
もテープ部材の密度がミッドソール部材の密度よりも密
度差0.02g/cm3 ないし0.20g/cm3 だけ
より低いところの態様である。
【0008】また、本発明は、上記の合成樹脂製靴底
(コンプレッションソール)を製造する方法、すなわ
ち、ミッドソール部材をほぼ靴底形状に裁断する工程
と、テープ部材をコンプレッション加工により、意匠が
その表面に賦形されるように作る工程と、アウトソール
部材を、接地面を有する靴底形状に成形する工程と、場
合により中空体を形成する工程と、前記テープ部材を前
記ミッドソール部材の外周側面に、その周縁の少なくと
も一部に付設されるように接着または融着し、場合によ
り、同時に前記中空体を、その側部が前記テープ部材の
前記窓部に嵌入されるように、前記ミッドソール部材の
前記凹溝部に載置する工程と、そして、こうして作られ
た組付け体を前記アウトソール部材上に積層接着する工
程よりなる、合成樹脂製靴底の製造方法に関する。この
製造方法においては、各靴底サイズのミッドソールが、
一つのミッドソール部材と、これとは別個にコンプレッ
ション加工によって夫々の意匠がその表面に賦形された
テープ部材との二つの部材より成るので、靴底の外周デ
ザインが各々異なるいくつかの靴底アイテムに対して、
一つのミッドソール部材で、つまりそれ用の一つの成形
金型で対応することができる。従って、本方法によれ
ば、たとえ靴底の外周デザインがある程度変更されたと
しても、そのようなデザイン変更に柔軟に対応すること
ができ、靴底の多品種少量生産体制に対してより好都合
に適応させることができる。その上、本方法により、成
形金型の製作の費用が減少され、よって生産設備の費用
全体が低減され、より経済的な生産が可能になる。ま
た、本製法においては、テープ部材をミッドソール部材
の外周側面に接着または融着すると同時に、エアクッシ
ョン等の中空体を、その側部がテープ部材の窓部に嵌入
されるように、ミッドソール部材の凹溝部に載置するこ
とにより、作られる靴底(コンプレッションソール)
は、中空体がソールの外周側面の中央より露出している
ものとなり、従って、意匠効果の面で大変優れた靴底を
製作することができる。
【0009】
【実施例】次に、本発明の最良と思われる一つの実施例
を図面に基づいて説明する。図1は、本実施例の合成樹
脂製靴底1を備えたスニーカ靴を示す。この例の靴底1
は、コンプレッションソールであって、図1および図2
に示すように、ミッドソール部材2と、テープ部材3
と、中空体(エアクッション)4と、アウトソール部材
5より成る。即ち、ミッドソールがソール中央のミッド
ソール部材2とソール外周縁のテープ部材3との二つの
部材より構成されている。ミッドソール部材2は、図3
に示すように、ほぼ靴底形状に裁断されており、さらに
その踵部側には、上記の中空体4を収納するための凹溝
部6が設けられている。テープ部材3は、図4に示すよ
うな帯状の部材であって、その表面には、コンプレッシ
ョン加工によって所望の意匠7が賦形されている。さら
に、テープ部材3は、上記の中空体4を外より視認する
ための雲形の窓部8、8を左右一対ずつ形成してなる。
そして、この帯状のテープ部材3は、図3に示すよう
に、ミッドソール部材2の外周側面に接着または融着さ
れ、その踵部を含む周縁部に立ち上がり形態で付設され
ている。ミッドソール部材2およびテープ部材3は、と
もにエチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡配合物より成
るが、これら各々の物性は互いに異なっている。具体的
には、ミッドソール部材2およびテープ部材3は、硬度
30度ないし60度を有する部材であって、しかも、テ
ープ部材3の硬度はミッドソール部材2の硬度よりも硬
度差5ないし30度だけより低いものとなっており、さ
らに、これら両部材2、3は、密度0.1g/cm3
いし0.3g/cm3 を有する部材であって、しかも、
テープ部材3の密度はミッドソール部材2の密度よりも
密度差0.02g/cm3 ないし0.20g/cm3
けより低いものとなっている。また、中空体4は、エア
クッションとして機能する部材であって、図5に示すよ
うに、ほぼ直方体形状をなし、そしてその左右両側に、
突出した側部9、9を有する透明な合成樹脂製の中空体
である。そして、この中空体4は、図6に示すように、
ミッドソール部材2の凹溝部6に載置されるとともに、
その左右の側部9、9がテープ部材3の窓部8、8にそ
れぞれ嵌入されることにより、靴底1内に、ミッドソー
ル部材2の上面と中空体4の上面とが面一となる状態に
て、収納されている。最後に、アウトソール部材5は、
接地面を有する靴底形状に成形された部材であって、ゴ
ム配合物またはエラストマー配合物よりなる。上記の中
空体4を組み付けたミッドソールがアウトソール部材5
の上に積層接着されることにより、靴底(コンプレッシ
ョンソール)1に仕上げられている。なお、上記の例の
靴底1は、テープ部材3がその表面に意匠7が賦形され
たエチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡配合物のみから
成るが、図7に示すように、テープ部材3に代えて、テ
ープ基材11の表面側に、繊維布12を積層接着し、一
体化されたテープ部材13を使用することもできる。テ
ープ基材11は、ミッドソール部材2とは物性が異なる
エチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡配合物よりなる。
また、繊維布12に代えて、皮革もしくはその他の異素
材シート物を適用してもよい。
【0010】而して、この例の靴底1を備えたスニーカ
靴は、詳細には図示しないが、次の各工程を経て製造す
ることができる。まず、ミッドソール部材2を、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体の発泡配合物のブロックより、
ほぼ靴底形状であって凹溝部6を有する形状のものに裁
断して作る工程と、一方、テープ部材3を、ミッドソー
ル部材2とは物性が異なるエチレン−酢酸ビニル共重合
体の発泡配合物のコンプレッション加工によって、帯形
状にかつ所望の意匠7がその表面に賦形されるように作
る工程と、別途にて、中空体4を形成する工程と、さら
に、かかるミッドソールとは別のプロセスにて、アウト
ソール部材5を、接地面を有する靴底形状に成形する工
程と、そして、上記のテープ部材3をミッドソール部材
2の外周側面に、その周縁の少なくとも一部に付設され
るように接着または融着し、同時に、中空体4を、その
側部9、9がテープ部材3の窓部8、8に嵌入されるよ
うに、ミッドソール部材2の凹溝部6に載置する工程
と、その後、こうして作られた組付け体をアウトソール
部材5上に積層接着する工程と、しかる後、製造された
靴底1を、ラストモールドに吊り込まれた甲被10に圧
着貼り付ける工程により、図1に示されるスニーカ靴が
完成する。
【0011】上述の製造方法においては、各靴底サイズ
についてミッドソールが一つのミッドソール部材2と別
個に賦形されたテープ部材3との二つの部材より成るの
で、靴底の外周デザインが各々異なるいくつかの靴底ア
イテムに対して、一つのミッドソール部材2で、つまり
それ用の一つの成形金型で対応することができる。従っ
て、本方法によれば、たとえ靴底の外周デザインがある
程度変更されたとしても、そのようなデザイン変更に柔
軟に対応することができ、靴底の多品種少量生産体制に
対してより好都合に適応させることができる。その上、
本方法により、成形金型の製作の費用が減少され、よっ
て生産設備の費用全体が低減され、より経済的な生産が
可能になる。また、本実施例においては、中空体(エア
クッション)4がミッドソール部材2内に載置される
際、テープ部材3の窓部8、8に嵌入されるので、作ら
れる靴底(コンプレッションソール)1は、中空体4が
ソールの外周側面の中央より露出している意匠となり、
優れた靴底意匠となる。また、中空体(エアクッショ
ン)4に代えて、中空部品、透明部品、飾り部品などを
靴底の外周部に備えた構成の靴底においても、テープ部
材はこれらの部品を外より視認するための窓部を形成し
た部材とし、そして靴底の製作の際、中空部品、透明部
品、飾り部品などをその窓部に嵌入することにより、作
られる靴底(コンプレッションソール)は、それらの部
品がソールの外周側面の中央より露出している意匠とな
り、優れた靴底意匠が得られる。
【0012】なお、本例におけるミッドソール部材2お
よびテープ部材3としては、例えば次の表に示す組成よ
りなるものが使用される。一方、アウトソール部材5と
しては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)配
合物(比重1.10)より成るものが使用される。各組
成例の靴底について、比重、硬度、圧縮永久歪および反
撥弾性率をそれぞれ測定した結果、並びに、靴底の外周
側面の意匠の視認による評価を、併せて、次の表に示
す。 注) EVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体を表わす。 EPDMは、エチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体を表わす。 ジエン重合体は、1,2−ポリブタジエンを表わす。 Ca CO3 は、炭酸カルシウムで、その白色粉末が使用される。 チタン白は、別名チタンホワイトで、酸化チタン顔料である。 発泡剤は、n−ペンタンである。 過酸化物には、ジクミルパーオキサイドが使用された。 表中、各成分の含有量を示す数値は、重量部を表わす。 硬度は、JIS K 6301に定めるスプリング式硬さ試験(A
形)にて測定され、測定値の単位は(度)である。圧縮
永久歪は、圧縮永久歪み試験(JIS K 6301)に準じた試
験にて測定され、測定値の単位は%である。反撥弾性率
は、反撥弾性率試験(JIS K 6301)に準じた試験にて測
定され、測定値の単位は%である。意匠の賦形性の評価
は、靴底の外周側面の意匠(テープ部材の表面の意匠)
についてなされ、表中の◎は、計画通りに正確に意匠が
賦形されていることを表わし、×は、成形皺、欠け等が
見られ、意匠の賦形が正確でないことを表わす。圧縮歪
みについては、上記の圧縮永久歪の測定値が10〜20
%であるとき、◎、該測定値がその範囲外であるとき、
×という基準により、評価した。反撥弾性については、
上記の反撥弾性率の測定値が35〜45%であるとき、
◎、該測定値がその範囲外であるとき、×という基準に
より、評価した。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明(請求項1
ないし4に係る発明)によれば、例え中空部品、透明部
品または飾り部品をも備えた種類の靴底(コンプレッシ
ョンソール)であっても、靴底の外周デザインの変更に
対して、より柔軟に対応することができ、多品種少量生
産体制により適応しうるという効果が得られる。特に、
請求項2に係る発明によれば、エアクッション等の中空
体がソールの外周側面の中央より露出し、この点で意匠
効果に大変優れた靴底(コンプレッションソール)にな
るという効果が得られる。また、本発明の製造法(請求
項5に係る発明)によれば、デザイン変更に対して柔軟
に対応でき、しかも意匠効果にも優れた靴底を確実にか
つ経済的に製造することができ、多品種少量生産体制に
より適した製法になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の靴底を備えたスニーカ靴を
示す斜視図である。
【図2】図1に図示された実施例の靴底を備えたスニー
カ靴を示す断面図である。
【図3】図1に図示された靴底のうち、ミッドソールを
示す斜視図である。
【図4】図3のミッドソールに使用されるテープ部材を
示す平面図である。
【図5】図1に示された靴底の中に収納される中空体
(エアクッション)を示す斜視図である。
【図6】図1に図示された靴底のうち、ミッドソールお
よびその中に載置収納された中空体を示す斜視図であ
る。
【図7】テープ部材の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・靴底(コンプレッションソール) 2・・・ミッドソール部材 3・・・テープ部材 4・・・中空体(エアクッション) 5・・・アウトソール部材 6・・・凹溝部 7・・・意匠 8・・・窓部 9・・・側部 10・・・甲被 11・・・テープ基材 12・・・繊維布 13・・・テープ部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡配合
    物よりなり、ほぼ靴底形状に裁断されたミッドソール部
    材と、 該ミッドソール部材とは物性が異なるエチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体の発泡配合物よりなり、コンプレッション
    加工によって意匠がその表面に賦形されたテープ部材
    と、 ゴム配合物またはエラストマー配合物よりなり、接地面
    を有する靴底形状に成形されたアウトソール部材とを備
    えてなり、そして、 前記テープ部材を前記ミッドソール部材の外周側面にそ
    の周縁の少なくとも一部に接着または融着し、さらに、
    これを前記アウトソール部材上に積層接着してなる、合
    成樹脂製靴底。
  2. 【請求項2】エアクッション等の中空体をさらに備えた
    靴底であって、上記ミッドソール部材は該中空体を収納
    するための凹溝部を設けるとともに、上記テープ部材は
    該中空体を外より視認するための窓部を形成してなり、
    そして、前記中空体は、前記凹溝部に載置されるととも
    に、その側部が前記窓部に嵌入されていることを特徴と
    する、請求項1記載の合成樹脂製靴底。
  3. 【請求項3】中空部品、透明部品および/または飾り部
    品をさらに備えた靴底であって、上記テープ部材は、こ
    れら部品を外より視認するための窓部を形成してなり、
    そして、前記中空部品、透明部品および/または飾り部
    品が該窓部に嵌入されていることを特徴とする、請求項
    1記載の合成樹脂製靴底。
  4. 【請求項4】エチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡配合
    物よりなり、ほぼ靴底形状に裁断されたミッドソール部
    材と、 該ミッドソール部材とは物性が異なるエチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体の発泡配合物よりなるテープ基材と、繊維
    布、皮革もしくはその他の異素材シート物とが接着また
    は融着一体化されてなるテープ部材と、 ゴム配合物またはエラストマー配合物よりなり、接地面
    を有する靴底形状に成形されたアウトソール部材とを備
    えてなり、そして、 前記テープ部材を前記ミッドソール部材の外周側面にそ
    の周縁の少なくとも一部に接着または融着し、さらに、
    これを前記アウトソール部材上に積層接着してなる、合
    成樹脂製靴底。
  5. 【請求項5】請求項1、請求項2または請求項4記載の
    合成樹脂製靴底を製造する方法において、 ミッドソール部材をほぼ靴底形状に裁断する工程と、 テープ部材をコンプレッション加工により、意匠がその
    表面に賦形されるように作る工程と、 アウトソール部材を、接地面を有する靴底形状に成形す
    る工程と、 場合により中空体を形成する工程と、 前記テープ部材を前記ミッドソール部材の外周側面に、
    その周縁の少なくとも一部に付設されるように接着また
    は融着し、場合により、同時に前記中空体を、その側部
    が前記テープ部材の前記窓部に嵌入されるように、前記
    ミッドソール部材の前記凹溝部に載置する工程と、 そして、こうして作られた組付け体を前記アウトソール
    部材上に積層接着する工程よりなることを特徴とする、
    合成樹脂製靴底の製造方法。
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CN111070749A (zh) * 2019-12-23 2020-04-28 蓝世梁 一种高分子气囊鞋底及其制造方法

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