JPH11152238A - ヒドロホルミル化法 - Google Patents

ヒドロホルミル化法

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JPH11152238A
JPH11152238A JP10238530A JP23853098A JPH11152238A JP H11152238 A JPH11152238 A JP H11152238A JP 10238530 A JP10238530 A JP 10238530A JP 23853098 A JP23853098 A JP 23853098A JP H11152238 A JPH11152238 A JP H11152238A
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JP10238530A
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English (en)
Inventor
Peter Arnoldy
ペーテル・アルノルデイ
Cornelis Mark Bolinger
コーネリス・マーク・ボリンジヤー
Wilhelm Petrus Mul
ウイルヘルム・ペトラス・ムル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shell Internationale Research Maatschappij BV
Original Assignee
Shell Internationale Research Maatschappij BV
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/49Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide
    • C07C45/50Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide by oxo-reactions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C29/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring
    • C07C29/16Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by oxo-reaction combined with reduction

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン系不飽和化合物をヒドロホルミル化
する方法の改善を提供する。 【解決手段】 a)白金族金属カチオンの給源、 b)非ハロゲン化物アニオンの給源、 c)式 R121RM234 (I) 〔式中、M1およびM2は独立的にリン、ヒ素またはアン
チモン原子を表し、Rは架橋部において1〜4個の原子
を含有する二価架橋基を表す〕の少なくとも1種の二座
配位子の給源、および d)塩化物、ヨウ化物および臭化物並びにそれらの混合
物の群から選ばれたハロゲン化物アニオンの給源 からなる触媒系の存在下でエチレン不飽和化合物を一酸
化炭素および水素でヒドロホルミル化する方法におい
て、反応混合物の総量を基準として0.6重量%より多
くかつ反応条件下における溶解限度までの量の水の追加
的存在を特徴とする上記方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒の存在下での
エチレン不飽和化合物と一酸化炭素および水素との反応
によるエチレン系不飽和化合物のヒドロホルミル化法に
関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン系不飽和化合物をヒドロホルミ
ル化してアルデヒドおよび/またはアルコールを形成さ
せることは、きわめて工業的に重要である。その方法は
何十年間も商業的に操業されてきており、そして反応条
件、触媒系および装置を最適化するために何年間にもわ
たって多くの開発研究がなされてきた。一層高い収率お
よび生成物選択性に向けて大きな進歩があったけれど
も、該方法の更なる改善が依然必要とされる。
【0003】EP−B0,495,547において、触
媒系がパラジウムカチオンの給源、アニオンの給源およ
び下記に定められるような二座ジホスフィンを含んでな
るモノカルボニル化法が開示されている。オレフィンを
ヒドロホルミル化する際、この触媒系の活性および選択
性は依然完全には満足でない。
【0004】WO95/05354において、触媒系が
白金族金属カチオンの給源、ハロゲン化物アニオン以外
のアニオンの給源、下記に定められるような二座配位子
の給源、および多くとも3:1のハロゲン化物アニオ
ン:白金族金属カチオンのモル比のハロゲン化物アニオ
ンの給源からなる触媒促進剤を含んでなるヒドロホルミ
ル化法が開示されている。ハロゲン化物イオンの存在が
所望アルコール生成物への該方法によって活性および選
択性の著しい向上が説明されるということが示されてい
る。しかしながら、WO95/05354による方法は
また、ハロゲン化物イオン濃度の小さい変動に過度に敏
感であるように思われ、しかしてその正的効果は約0.
4:1の該カチオンに対するモル比においてシャープな
ピークを有する。WO95/05354の実施例10〜
12において、塩化スズが使用される促進剤であり、そ
して水が反応混合物の総量を基準として計算して0.6
重量%の量まで添加された。しかしながら、この文献か
らは、該水のいかなる特別な効果も認められず、また演
繹され得ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水が、反応混合物の総
量を基準として0.6重量%より多くかつ反応条件下の
反応混合物中における溶解限度まで、特に3重量%まで
の量にて添加されるとき、ハロゲン化物アニオンの強力
な共促進剤として作用する、ということが今般見出され
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】従って本発明は、 a)白金族金属カチオンの給源、 b)非ハロゲン化物アニオンの給源、 c)式 R121RM234 (I) 〔式中、M1およびM2は独立的にリン、ヒ素またはアン
チモン原子を表し、Rは架橋部において1〜4個の原子
を含有する二価架橋基を表し、R1およびR2は独立的に
置換もしくは未置換ヒドロカルビル基を表し、または一
緒に2つの自由原子価がM1に結合した二価の置換もし
くは未置換環式基を表し、そしてR3およびR4は独立的
に置換もしくは未置換ヒドロカルビル基を表しまたは一
緒に2つの自由原子価がM2に結合されている二価の置
換もしくは未置換環式基を表す〕の少なくとも1種の二
座配位子の給源、および d)塩化物、ヨウ化物および臭化物並びにそれらの混合
物の群から選ばれたハロゲン化物アニオンの給源 からなる触媒系の存在下でエチレン系不飽和化合物を一
酸化炭素および水素でヒドロホルミル化する方法におい
て、反応混合物の総量を基準として0.6重量%より多
くかつ反応条件下における溶解限度までの量の水の追加
的存在を特徴とする上記方法に関する。
【0007】好ましくは、ハロゲン化物アニオンと白金
族金属の間のモル比は、0.02:1と3:1の間にあ
る。
【0008】好ましくは、水の量は、反応混合物の総量
を基準として0.7〜3.0重量%の間にある。
【0009】本明細書において、白金族の金属は、原子
番号28、46および78を有する金属、即ちニッケ
ル、パラジウムおよび白金と定義される。これらのう
ち、パラジウムおよび白金が好ましい。
【0010】適当な金属給源の例は、パラジウムと硝
酸、硫酸もしくはスルホン酸の塩、白金もしくはパラジ
ウムと12個までの炭素原子を有するカルボン酸の塩、
パラジウムもしくは白金の錯体、例えば一酸化炭素もし
くはアセチルアセトネートとの錯体、またはイオン交換
体もしくはカーボンのような固体物質と結合されたパラ
ジウムのような、白金またはパラジウムの化合物であ
る。パラジウム(II)アセテートおよび白金(II)
アセチルアセトネートが、好ましい金属給源の例であ
る。
【0011】ハロゲン化物アニオン以外のアニオン給源
として、これらのアニオンを発生するいずれの化合物も
用いられ得る。酸またはそれらの塩、例えば上記に挙げ
られた酸のいずれかがアニオンの給源として用いられる
ことが適当であり、しかしてそれらはまた白金族の金属
の塩に関与し得る。
【0012】本発明の触媒系において、好ましくは強酸
がアニオン給源として用いられ、即ち18℃において水
溶液にて測定して3未満、好ましくは2未満のpKa値
を有する酸である。これらの酸に由来するアニオンは、
白金族の金属に対して非配位性または弱配位性である。
【0013】適当なアニオンの典型的な例は、リン酸、
硫酸、スルホン酸およびトリフルオロ酢酸のようなハロ
ゲン化カルボン酸のアニオンである。
【0014】スルホン酸が特に好ましく、例えばメタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、tert
−ブタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸および
2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸である。
【0015】錯体アニオンもまた適当であり、しかして
BF3、AlCl3、SnF2、Sn(CF3SO32、S
nCl2もしくはGeCl2のようなルイス酸とスルホン
酸、例えばCF3SO3HもしくはCH3SO3Hのような
プロトン酸またはHFもしくはHClのようなハロゲン
化水素酸との組合わせ、あるいはルイス酸とアルコール
との組合わせにより発生されるアニオンのようなもので
ある。かかる錯体アニオンの例は、BF4 -、SnC
3 -、[SnCl2・CF3SO3-およびPF6 -であ
る。
【0016】式(I)の二座配位子、即ち触媒系の成分
cにおいて、M1およびM2は好ましくは同じであり、そ
して一層好ましくは両方共リン原子であり、この場合配
位子はビスホスフィンである。
【0017】Rにより表される架橋基において、典型的
には、すべての架橋基が炭素原子である。好ましくは、
架橋基は、架橋部において2個または3個一層好ましく
は2個の炭素原子を含有する。例えば、典型的な有機架
橋基Rは、CH2−CH2およびCH2−CH2−CH2
ある。
【0018】R2と一緒にR1により表される二価(置
換)環式基は、一般に、少なくとも5個の環原子を含
み、そして好ましくは6〜9個の環原子を含有する。一
層好ましくは、環式基は、8個の環原子を含有する。置
換基は、もしあるとすれば、通常、1〜4個の炭素原子
を有するアルキル基である。概して、すべての環原子は
炭素原子であるが、しかし環において1個または2個の
ヘテロ原子(酸素原子または窒素原子のような)を含有
する二価環式基は排除されない。適当な二価環式基の例
は、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘプチ
レン、1,3−シクロヘプチレン、1,2−シクロオク
チレン、1,3−シクロオクチレン、1,4−シクロオ
クチレン、1,5−シクロオクチレン、2−メチル−
1,5−シクロオクチレン、2,6−ジメチル−1,4
−シクロオクチレンおよび2,6−ジメチル−1,5−
シクロオクチレン基である。
【0019】好ましい二価環式基は、1,4−シクロオ
クチレン、1,5−シクロオクチレンおよびそれらのメ
チル(二)置換誘導体から選択される。
【0020】異なる二価環式基を含む配位子の混合物も
また用いられ得、例えば1,4−シクロオクチレン基を
有する配位子および1,5−シクロオクチレン基を有す
る配位子の混合物である。
【0021】式(I)の配位子において、R3およびR4
は独立的に、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ
基、ハロゲン原子もしくは(C1〜C4アルキル)アミノ
基のような置換基で随意に置換された様々な非環式また
は環式基を表し得る。
【0022】それらの例は、エチル、イソプロピル、s
ec−ブチルおよびtert−ブチル基のようなアルキ
ル基、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基のような
シクロアルキル基、フェニルおよびトリル基のようなア
リール基およびヘキサメチレン基のような二価の基であ
る。しかしながら、好ましくは、R3はR4と一緒に、二
価環式基、特にR2と一緒にR1により表される基と同じ
基(この場合、該二価環式基の2つの自由原子価は無論
1の代わりにM2に結合される)を表す。かくして、式
(I)の好ましい二座配位子は、1,2−ビス(1,4
−シクロオクチレン−ホスフィノ)エタン、1,2−ビ
ス(1,5−シクロオクチレン−ホスフィノ)エタンお
よびそれらの混合物である。
【0023】二座配位子の製造については、公知の技
法、例えばGB−A−1,127,965に開示されて
いる方法が参照される。
【0024】触媒系が用いられる量は臨界的ではなく、
広範囲内で変動し得る。通常、エチレン不飽和化合物1
モル当たり白金族金属10-8〜10-1モル原子の範囲好
ましくは10-7〜10-2モル原子の範囲の量が用いられ
る。触媒系における関与物質の量は、白金族金属1モル
原子当たり0.5〜10、好ましくは1〜6モルの二座
配位子そして0.5〜15、好ましくは1〜8モルのア
ニオン給源または錯体アニオン給源が用いられるように
選択されることが好都合である。
【0025】ハロゲン化物アニオンと白金族金属カチオ
ンの間のモル比は、好ましくは3:1より大きくない。
一層多い量のハロゲン化物アニオンが存在する場合、触
媒系の活性は、おそらくパラジウム部とハロゲン化物部
の間で起こる配位の為、悪影響を受ける傾向にある。
【0026】好ましくは、ハロゲン化物アニオンと白金
族金属カチオンの間のモル比は、多くとも2:1、一層
好ましくは1:1未満、例えば0.02:1ないし1:
1である。
【0027】ハロゲン化物アニオンの給源として、反応
条件下でハロゲン化物アニオンを発生するいずれの化合
物も用いられ得る。
【0028】推奨されるものは、ハロゲン化水素、例え
ばHCl、HBrおよびHI並びにハロゲン化金属、例
えばNaCl、MgBr2、ZnCl2、ZnI2、KB
r、RbCl、CsCl、CsI、MgI2およびCu
Clのような無機化合物である。
【0029】推奨されるハロゲン化物アニオンの給源の
別のカテゴリーは、ハロゲン化物アニオンを反応媒質に
提供することの可能なハロゲン含有有機化合物から成
る。適当なものは、例えば、トリアリールアルキルホス
ホニウムクロライドのような有機ホスホニウムハライド
並びに5−ハロ安息香酸、例えば5−クロロ安息香酸、
2,5−ジクロロ安息香酸、2,3,5−トリヨード安
息香酸、3,5−ジ−ヨード安息香酸、m−ハロフタル
酸およびそれらのエステルのようなハロゲン含有芳香族
化合物である。
【0030】塩化物アニオンの給源を含む触媒促進剤が
特に好ましい。
【0031】出発物質として用いられるエチレン系不飽
和化合物は、好ましくは、1分子当たり2〜30個の炭
素原子を有するオレフィンまたはそれらの混合物であ
る。それらは、1分子当たり1つまたはそれ以上の二重
結合を含み得る。好ましいものは、4〜24個の炭素原
子を有する内部オレフィンまたはそれらの混合物であ
る。かかるオレフィン混合物は、例えばエチレンをオリ
ゴマー化しそしてその後二重結合異性化および不均化反
応を行う方法の生成物として、商業的に容易に入手でき
る。本発明の方法において、これらの内部オレフィン、
通常1分子当たり6〜20個の炭素原子を有する線状内
部オレフィンの混合物またはかかる混合物の比較的沸点
の近い留分は、高い反応速度にておよびほぼ完全な転化
度にてヒドロホルミル化され得る。それらの例は、線状
内部C6〜C8オレフィンの混合物および線状内部C10
14オレフィンの混合物である。
【0032】置換オレフィンもまた用いられ得、例えば
不飽和カルボン酸、かかる酸のエステル、またはカルボ
ン酸の不飽和エステル、例えばアリルアセテートであ
る。
【0033】所望するなら、プロペン三量体または異性
体ブテン二量体(“ダイマーソル(DIMERSO
L)”,商標)のような分枝状オレフィンが用いられ得
るが、しかしその際ヒドロホルミル化生成物もまた無論
分枝構造を含有する。
【0034】また、“シュベ(Shube)”(C16
レフィンのオリゴマーの混合物)、“ナプヴィス(NA
PVIS)”および“ハイヴィス(HYVIS)”(低
分子量ポリイソブチレンの商標)のようなアタクチック
ポリオレフィン並びにスチレン−ブタジエン(ブロッ
ク)コポリマーのようなオレフィン系不飽和ポリマー供
給原料は、興味あるアルコール(合成潤滑剤、機能化添
加剤、等の中間体として)に転化され得る。
【0035】最後に、1−オクテンおよびプロペンのよ
うなアルファ−オレフィン並びにノルボルナジエン、ジ
シクロペンタジエン、1,5−ヘキサジエンおよび1,
7−オクタジエンのようなジオレフィンは用いられ得
る。ジオレフィンは無論(主として)ジヒドロホルミル
化生成物を生じるけれども、モノヒドロホルミル化生成
物もまた形成され得る。
【0036】水素および一酸化炭素は、等モル比または
非等モル比にて例えば8:1ないし1:4、典型的には
4:1ないし1:2の範囲内の比率にて供給され得る。
好ましくは、それらは、3:1ないし1:2の範囲内の
比率にて供給される。
【0037】ヒドロホルミル化は、適当には、適度の反
応条件にて行われ得る。従って、50〜200℃の範囲
の温度が推奨され、好ましい温度は70〜160℃の範
囲にある。5〜100バールの範囲の反応圧が好まし
く、より低いまたはより高い圧力は選択され得るが、特
に有利であるとは考えられない。更に、より高い圧力
は、特殊な装置上の設備を必要とする。
【0038】本発明の方法において、エチレン系不飽和
出発物質および形成されたヒドロホルミル化生成物は、
反応希釈剤として作用し得る。従って、別個の溶媒の使
用は必要でない。しかしながら、好都合には、ヒドロホ
ルミル化反応は、溶媒の追加的存在下で行われ得る。か
かるものとして、飽和炭化水素、例えばパラフィンおよ
びイソアルカンが推奨され、そして更にブタノール、1
−エチルヘキサノール、1−ノナノールのような好まし
くは1分子当たり4〜10個の炭素原子を有するアルコ
ール、または一般的にヒドロホルミル化生成物として形
成されたアルコール;2,5,8−トリオキサノナン
(ジグライム)、ジエチルエーテルおよびアニソールの
ようなエーテル、メチルブチルケトンのようなケトンが
推奨される。
【0039】EP−A−0,495,547による方法
のような以前のヒドロホルミル化法においては、溶媒と
してのアルコールの使用は、用いられるヒドロホルミル
化触媒がオレフィン、一酸化炭素および溶媒アルコール
が関与する反応においてエステルの形成にも触媒活性で
あったので、望ましくないとしばしば考えられた。しか
しながら、本発明の触媒系は、所望のヒドロホルミル化
生成物への高選択性にかんがみて、溶媒としてのアルコ
ールの使用を許容する。
【0040】強極性基を含有する溶媒は、不飽和出発物
質が比較的低分子量を有する場合、即ち5〜7個の炭素
原子を有するエチレン系不飽和化合物が用いられる場合
特に好ましい。
【0041】比較的高分子量の不飽和化合物、例えば1
0〜18個の炭素原子を有するオレフィンのヒドロホル
ミル化については、通常比較的極性の低い不活性溶媒の
使用で十分である。
【0042】スルホンを含むか、または実質的にスルホ
ンから成る溶媒が好ましい。スルホンが特に好ましく、
例えばジメチルスルホンおよびジエチルスルホンのよう
なジアルキルスルホン並びにスルホラン(テトラヒドロ
チオフェン−2,2−ジオキシド)、スルホレン、2−
メチルスルホランおよび2−メチル−4−エチルスルホ
ランのような環式スルホンである。
【0043】スルホランは、多相液状反応媒質の形成に
とって非常に有効な溶媒であることが分かった。
【0044】溶媒の混合物もまた用いられ得、例えばス
ルホンとプロトン性溶媒(例えばアルコール)との混合
物である。オレフィンのヒドロホルミル化において、典
型的には、ヒドロホルミル化反応において得られるアル
コールと同一または同様であるアルコールが選択され
る。
【0045】本発明の方法において用いられるべき溶媒
の量は、著しく変動し得る。各場合において多相液状反
応媒質の形成のために必要とされる冷却の度合いおよび
溶媒の最適量を確立することは、当業者の達成し得る範
囲内にある。以後に提供される実験結果もまた、好まし
くは用いられるべき溶媒の量の指摘となる。
【0046】本発明の方法は、特に白金族金属としてパ
ラジウムを基剤とした上記に定められた触媒系を用い
て、高反応速度にて内部オレフィンからアルコールを製
造することに非常に適している。
【0047】更に、本方法は、特に白金族金属として白
金を基剤とした上記に定められた触媒系を用いることに
より、高線状度を有するアルデヒドの製造のために非常
に有用である。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明は、次の例により例示され
る。略記は、次の意味を有する。
【0049】BCPE=1,2−ビス(1,4−シクロ
オクチレンホスフィノ)エタン TFSA=トリフルオロメタンスルホン酸 EH=2−エチルヘキサン−1−オール実施例 これらの実施例において、平衡になるまで異性化された
11/C12オレフィン混合物(即ち、主に内部線状オレ
フィン)の、Pd/BCPE/TFSA触媒組成物並び
に変動量の塩化物および水の存在下での一酸化炭素およ
び水素によるヒドロホルミル化を、サンプルをガスクロ
マトグラフィー(GC)分析することにより追跡した。
【0050】反応の終わりに(その持続時間は触媒系の
活性に依存する)、すべての場合で、C12/C13アルコ
ール最終生成物への選択度は98モル%を上回り、生成
アルコールの線状度は75モル%であり、そして生成パ
ラフィンの量は1モル%未満であった。
【0051】結果の相違は、一次反応速度定数kにより
表されるときの活性度にある。アルコールへのオレフィ
ンの転化がオレフィンおよび金属(Pd)の両方におい
て一次であるとすると、kはPd1モル当たり1時間に
ついて表され、式k=−(1/[Pd])・ln{(1
00−X)/t}〔式中、[Pd]は用いられたPdの
モル量であり、Xは転化されたオレフィンのモル%であ
り、そしてtはhrでの時間である〕により回分操作に
ついて算出される。
【0052】実施例1(NaCl/Pd=0.1,H 2
O=0.6重量%) 実験を、300mlの撹拌回分型オートクレーブにて行
った。オートクレーブに、77.68mlのC11/C12
異性化オレフィン、64.47mlのEHおよび0.8
1mlの水を装填した。フラッシした後、オートクレー
ブを2:1のモル比の水素および一酸化炭素で5000
kPaの圧力に加圧し、そして105℃に加熱した。触
媒溶液(16.4mlのスルホラン中に溶解された0.
475ミリモルのパラジウム(II)アセテート、0.
665ミリモルのBCPE、0.0475ミリモルのN
aClおよび1.09ミリモルのTFSA)を、オート
クレーブの内容物に添加した。
【0053】反応速度定数k=950実施例2(NaCl/Pd=0.3,H 2O=0.6重
量%) 実験を実質的に実施例1と同様に行ったが、0.143
ミリモルのNaClを用いた点が相違した。
【0054】反応速度定数k=2200実施例3(NaCl/Pd=0.8,H 2O=0.6重
量%) 実験を実質的に実施例1と同様に行ったが、0.38ミ
リモルのNaClを用いた点が相違した。
【0055】反応速度定数k=650実施例4(NaCl/Pd=0.3,H 2O=1.6重
量%) 実験を実質的に実施例1と同様に行ったが、2.16m
lの水を適用したことおよび触媒溶液が16.4mlの
スルホラン中に溶解された0.25ミリモルのパラジウ
ム(II)アセテート、0.3ミリモルのBCPE、
0.075ミリモルのNaClおよび0.575ミリモ
ルのTFSAから成っていた点が相違した。
【0056】反応速度定数k=2200実施例5(NaCl/Pd=0.43,H 2O=1.6
重量%) 実験を実質的に実施例4と同様に行ったが、0.108
ミリモルのNaClを用いた点が相違した。
【0057】反応速度定数k=3200実施例6(NaCl/Pd=0.7,H 2O=1.6重
量%) 実験を実質的に実施例4と同様に行ったが、0.175
ミリモルのNaClを用いた点が相違した。
【0058】反応速度定数k=2600実施例7(NaCl/Pd=0.3,H 2O=2.4重
量%) 実験を実質的に実施例1と同様に行ったが、0.143
ミリモルのNaClおよび3.24mlの水を用いた点
が相違した。
【0059】反応速度定数k=3500実施例8(NaCl/Pd=0.55,H 2O=2.4
重量%) 実験を実質的に実施例1と同様に行ったが、0.261
ミリモルのNaClおよび3.24mlの水を用いた点
が相違した。
【0060】反応速度定数k=4100実施例9(NaCl/Pd=0.8,H 2O=2.4重
量%) 実験を実質的に実施例1と同様に行ったが、0.38ミ
リモルのNaClおよび3.24mlの水を用いた点が
相違した。
【0061】反応速度定数k=3300 これらの例およびそれらの結果は、次の表に要約されて
いる。
【0062】
【表1】
【0063】これらの結果から、0.6重量%を越える
水の添加はハロゲン化物の活性促進効果を高めると結論
され得る。最大活性度が観測されるハロゲン化物/金属
のモル比も上げられる。
フロントページの続き (72)発明者 コーネリス・マーク・ボリンジヤー アメリカ合衆国、テキサス・77478、シユ ガー・ランド、オイスター・クリーク・ド ライブ・514 (72)発明者 ウイルヘルム・ペトラス・ムル オランダ国、1031・セー・エム・アムステ ルダム、バドハイスウエヒ・3

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)白金族金属カチオンの給源、 b)非ハロゲン化物アニオンの給源、 c)式 R121RM234 (I) 〔式中、M1およびM2は独立的にリン、ヒ素またはアン
    チモン原子を表し、Rは架橋部において1〜4個の原子
    を含有する二価架橋基を表し、R1およびR2は独立的に
    置換もしくは未置換ヒドロカルビル基を表し、または一
    緒に2つの自由原子価がM1に結合した二価の置換もし
    くは未置換環式基を表し、そしてR3およびR4は独立的
    に置換もしくは未置換ヒドロカルビル基を表し、または
    一緒に2つの自由原子価がM2に結合されている二価の
    置換もしくは未置換環式基を表す〕の少なくとも1種の
    二座配位子の給源、および d)塩化物、ヨウ化物および臭化物並びにそれらの混合
    物の群から選ばれたハロゲン化物アニオンの給源 からなる触媒系の存在下でエチレン系不飽和化合物を一
    酸化炭素および水素によりヒドロホルミル化する方法に
    おいて、反応混合物の総量を基準として0.6重量%よ
    り多く且つ反応条件下における溶解限度までの量の水の
    追加的存在を特徴とする上記方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化物アニオンと白金族金属カチ
    オンの間のモル比が0.02:1と3:1の間にあるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 a)がパラジウムカチオンまたは白金カ
    チオンの給源であることを特徴とする、請求項1または
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 b)が、3未満のpKaを有する強酸で
    あることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】 式(I)の二座配位子においてM1およ
    びM2の両方がリンでありそしてRがCH2−CH2また
    はCH2−CH2−CH2であることを特徴とする、請求
    項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 式(I)の二座配位子においてR2と一
    緒にR1により、およびR4と一緒にR3によりそれぞれ
    表される二価環式基の各々が、6〜9個、好ましくは8
    個の環原子を有するシクロアルキレン基であることを特
    徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 ハロゲン化物アニオンが塩化物であるこ
    とを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 水の量が反応混合物の総量を基準として
    0.7〜3.0重量%の間にあることを特徴とする、請
    求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
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