JPH11151297A - 呼吸用鼻マスク - Google Patents

呼吸用鼻マスク

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JPH11151297A
JPH11151297A JP9319699A JP31969997A JPH11151297A JP H11151297 A JPH11151297 A JP H11151297A JP 9319699 A JP9319699 A JP 9319699A JP 31969997 A JP31969997 A JP 31969997A JP H11151297 A JPH11151297 A JP H11151297A
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Tongou Chin
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 呼吸用鼻マスクの日本人の使用者に痛み、不
快感を与えず、鼻マスクと顔との界面からのガス漏れが
最小限に押さえられるような鼻マスク、かつ、日本人の
使用者の睡眠中のどのような動きに対しても安定性を保
つことのできる鼻マスクを提供する。 【解決手段】 使用者の鼻周辺を覆う薄膜を備え、該薄
膜の使用者面の反対側にマスク保持用弾性体を備えた呼
吸用鼻マスクにおいて、使用者鼻下部に対応する該マス
ク保持用弾性体の下方形状が、曲率半径30mm以上、
40mm以下の円弧状の窪み形状であり、該円弧の両終
端点を結ぶ直線長が50mm以上、60mm以下である
ことを特徴とする呼吸用鼻マスク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は呼吸用鼻マスクに関
する。更に詳細には、睡眠時無呼吸症候群の治療に適す
るCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療
法、換気不全に適するNIPPV(Nasal Intermittent
Positive Pressure Ventilation)療法などに使用する、
日本人に適した形状、大きさの呼吸用鼻マスクに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】睡眠時無呼吸症候群の患者を治療するた
め、経鼻型の持続気道陽圧力付加療法CPAP(Contin
uous Positive Airway Pressure)が行われ、睡眠時に
使用者の鼻孔部に4〜20cmH2O程度の陽圧空気が供
給される呼吸補助装置(以下「CPAP装置」とも言う)
が採用される。
【0003】かかる装置の使用にあたっては、鼻孔部に
持続的に陽圧をかけるための各種マスク手段が開発され
ている。
【0004】例えば、USP5,243,971号公報
には、CPAP装置用の鼻マスクとして、陽圧により膨
らんだ薄膜を有するマスクが記載され、使用時に鼻に押
し付けることによりフィットさせることが出来るマスク
が開示されている。また、特開平9−10311号公報
には睡眠時無呼吸症候群治療用のマスク手段として、患
者の不快感防止、軽量化などを目的として、鼻孔に隣接
した鼻の側面部、先端部分、上唇との間を覆うマスクが
開示されている。
【0005】既製品の鼻マスクの多くは使用者の鼻およ
び鼻周辺の形状を反映しておらず、着用時、陽圧ガスが
供給された場合には鼻マスクと顔との界面からガスの漏
れが発生しやすいという問題点を有する。とりわけ、使
用者の鼻翼周辺からの漏れ発生が多く、特に使用者が頭
部を動かした場合にその漏れ量が増大する。
【0006】また、容易に変形できる薄膜を使用した鼻
マスクにおいても、その形状が鼻および鼻周辺の形状を
反映していないため、着用時、薄膜部分は無理な変形を
強いられ、薄膜上の何処かに皺が発生してしまう。鼻マ
スク内に陽圧ガスが供給されたとしても、薄膜に発生し
た皺は容易になくなるものではなく、その皺の部分を通
してガスの漏れが発生してしまう。
【0007】また、このような薄膜で作成された鼻マス
クは、荷重が加わると容易に変形するという性質のた
め、使用者が頭部を動かすだけで着用状態が崩れてしま
い、安定性に欠けている。特開平9−10311号公報
に記載のマスク手段においてもその形状の小ささが故
に、頭部が移動した際のマスク安定性が十分であるとは
言えない。
【0008】鼻マスクと顔との界面からのガスの漏れ
は、使用者の顔に不快感を与える原因となり、更に漏れ
量が大きくなると治療効果自体が減少してしまう。ま
た、鼻根部(鼻の左右目間近傍)周辺においてガス漏れ
が発生した場合には、使用者の目に対して刺激をもたら
してしまう。
【0009】この問題に対して、顔に鼻マスクを強く押
し付けることで鼻マスクと顔との界面からのガス漏れを
一時的に防ぐこともできるが、使用者の鼻マスク着用部
位には傷みが発生し、長時間の使用は不可能となる。
【0010】さらに、鼻マスクが顔の上で安定するよう
に比較的丈夫な材料で作成された鼻マスクでは、着用
時、鼻マスクと顔との接触部分において使用者の皮膚を
傷めてしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、陽圧換気補
助療法(CPAP、NIPPV等)を必要とする日本人
患者に、患者の鼻を通して呼吸用の陽圧ガスを供給でき
る改良された呼吸用鼻マスクを提供しようとするもので
ある。
【0012】鼻マスクの使用者である患者の治療効果を
考えると、使用者に痛み、不快感を与えず、使用者の皮
膚を傷付けないような鼻マスク、また、鼻マスクと顔と
の界面からのガス漏れが最小限に押さえられるような鼻
マスク、かつ、使用者の睡眠中のどのような動きにも適
用でき、使用者の顔面上で安定性を保つことのできる鼻
マスクが求められる。
【0013】さらに、鼻マスクは消耗品であることか
ら、個人用のカスタムメイドではなく、数種類のサイズ
でほとんどの日本人の使用者に適用できる鼻マスクであ
ることが望まれる。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するた
め、本発明者は鋭意検討した結果、少なくとも使用者の
鼻周辺を覆うことのできる薄膜を有し、該薄膜には使用
者の鼻孔に呼吸用の陽圧ガスを送ることができる穴を有
し、使用者側から見て該薄膜の内側には、鼻マスクが使
用者の顔の上で安定するように取り付けられたマスク保
持用弾性体を有する呼吸用鼻マスクにおいて、該マスク
保持用弾性体の鼻下部に対応する個所の形状が使用者の
一般的な鼻下部の形状を反映し、該マスク保持用弾性体
の鼻根部に対応する個所が使用者の鼻根部に圧迫を加え
ることのない形状であり、かつ、該薄膜の鼻根部に対応
する個所の形状が使用者の一般的な鼻根部の形状を反映
することによって、かかる課題を解消することを見出し
たものである。
【0015】即ち、本願発明は、鼻マスクの使用者を成
人した日本人であると設定し、鼻マスクが使用者の顔の
上で安定するように取り付けられたマスク保持用弾性体
の鼻下部に対応する個所の形状が、鼻マスクを下方から
見上げた場合、曲率半径30mm以上、40mm以下の
円弧状の窪みを持った形状をなし、該円弧の両終端点を
結ぶ直線長が50mm以上、60mm以下であることを
特徴とする呼吸用鼻マスクを提供するものである。
【0016】また、該マスク保持用弾性体の鼻根部に対
応する個所の形状が、鼻マスクを上方より見下ろした場
合、該呼吸用鼻マスクが使用者の鼻左右外側を保持する
部分で形成される面から、10mm以上、20mm以下
の深さの窪みを付け、該窪みの幅が20mm以上、30
mm以下であることを特徴とする呼吸用鼻マスクを提供
するものである。
【0017】さらに、本願発明は、少なくとも使用者の
鼻周辺を覆うことのできる薄膜の鼻根部に対応する個所
の形状が、鼻マスクを上方より見下ろした場合、該呼吸
用鼻マスクが使用者の鼻左右外側を保持する部分で形成
される面から、5mm以下の深さで窪みを付けたことを
特徴とする呼吸用鼻マスクを提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の鼻マスクが、鼻マスクと
使用者の鼻下部周辺の界面からのガスの漏れを防ぎ、か
つ、鼻マスクが使用者の顔の上で安定性を保つために
は、鼻マスクの使用者鼻下部に接触する個所の形状が重
要である。すなわち、使用者鼻下部に対応するマスク保
持用弾性体の形状を、使用者、特に日本人の該位置にお
ける形状に沿わすことにより、薄膜の皺の発生を最小限
に抑え、鼻マスクと使用者との界面からのガスの漏れを
防ぐことが出来る。
【0019】また、使用者の鼻の下の左右、鼻幅最大幅
よりも外側において鼻マスクの下方を保持することによ
り、頭部を左右に回転させた際においても、鼻マスクの
着用位置のズレを防ぐことが出来る。使用者の鼻の下の
左右、鼻幅最大幅よりも外側においてマスク保持用弾性
体の下部が使用者に薄膜を介して接触するためには、マ
スク保持用弾性体の鼻下部に対応する個所の形状は凹面
形状でなければならず、かつ、マスク保持用弾性体の鼻
下部に対応する個所の幅は、使用者の鼻幅最大幅よりも
広くなければならない。
【0020】さらに、本発明は、使用者の鼻根部に障害
が発生することを避けるため、使用者の鼻根部周辺にマ
スク保持用弾性体が当たることを防止し、薄膜部分のみ
が鼻根部周辺に接触する鼻マスクである。
【0021】鼻根部周辺からのガスの漏れを防ぐために
は、該薄膜の鼻根部周辺の形状が使用者の一般的な鼻根
部周辺の形状を反映する必要がある。本願発明における
呼吸用鼻マスクの着用部位の最上部は、使用者の両目頭
を結ぶ直線上近傍であると想定しているため、鼻根部に
対応する薄膜部分には窪みをつけなければならない。た
だし、該窪みが深すぎると、使用者と該薄膜との間に隙
間が生じ、ガスの漏れを発生させてしまう。
【0022】本発明者は、上記の鼻マスクのマスク保持
用弾性体の鼻下部に対応する個所、及び、薄膜の鼻根部
に対応する個所の形状、大きさを決定するために、成人
した日本人200名(男性100名、女性100名)の鼻
下部(鼻の最下点と上唇の中間付近)と、両目頭間の鼻
根部の形状調査を実施した。
【0023】成人した日本人の鼻下部周辺を調査した結
果、鼻の最下点と上唇の中間付近の領域における顔面左
右方向への断面は、鼻翼の端から唇の端までをつなぐよ
う顔面上に存在する左右の皺の間において円弧形状を成
し、曲率半径30mm〜40mmの間に調査対象の男性
の90%以上、女性の65%以上が入ることを見出し
た。
【0024】また、鼻下部が該範囲の曲率半径である調
査対象の日本人の場合、該円弧の両終端点を結ぶ直線長
50mm〜60mmの間に、男性の約70%、女性の約
50%が入ることを見出した。もちろん、該直線長は調
査対象全体の鼻幅最大幅を超えている。
【0025】さらに、成人した日本人の両目頭間の鼻根
部の形状調査の結果、該個所における鼻根部の突出(両
目頭間を結ぶ直線上からの、鼻根部の顔面前方への最大
高)は、5mm〜10mmの間に調査対象全体の90%
以上が入ることを見出した。また、該個所における鼻根
部の幅は、調査対象全体の約70%が20mm以下であ
ることを見出した。
【0026】以上の結果をもとに、前述したマスク保持
用弾性体の鼻下部、鼻根部に対応する個所の形状、ま
た、前述した薄膜の鼻根部に対応する個所の形状を、以
下の実施例に示すように決定することにより、装着時の
安定性に優れ、ガス漏れのない呼吸用鼻マスクを見出し
たものである。
【0027】本願発明の呼吸用鼻マスクは、薄膜部分が
使用者側から見て中央部分が鼻形状を反映した凹面形状
を成すようにシリコンゴム等の伸縮自在な材料で形成さ
れ、使用者側から見て、その輪郭は角の丸まった二等辺
三角形であり、該薄膜には、使用者の鼻孔へ呼吸用の陽
圧ガスを送ることができるよう、適切な位置、大きさの
穴が開いており、使用者側から見て凹面形状の薄膜の内
側には、鼻マスクが使用者の顔の上で安定性を保つこと
ができるように、押し付けると鼻マスクの内側に巻き込
みやすい形状をした、シリコンゴム等の材料で形成され
たマスク保持用弾性体を取り付けた鼻マスクにおいて好
適である。
【0028】鼻マスクの使用者側が薄膜で形成された鼻
マスクは、薄膜を成形する材料の伸縮自在性によって、
鼻マスク内に陽圧ガスが供給されると、薄膜部分は使用
者の着用部位の形状に自己順応できる。したがって、陽
圧ガスの供給下において、薄膜部分が鼻マスクと顔との
界面をほぼ完全にシールすることが可能となり、ガスの
漏れを最小限に抑えることができる。
【0029】さらに、マスク保持用弾性体を持つ鼻マス
クは、使用者の頭部が動いても鼻マスク自身の変形量を
最小限に抑えることができ、使用者の睡眠中のどのよう
な動きに対しても、鼻マスクと顔との界面におけるガス
の漏れを最小限に抑えることができるという特徴を持
つ。
【0030】本願発明においては、該マスク保持用弾性
体の鼻下部に対応する個所の形状を、鼻マスクを下方か
ら見上げた場合、曲率半径30mm〜40mmの円弧状
の窪みを持った形状をなし、該円弧の両終端点を結ぶ直
線長が50mm〜60mmとなるように形成する。
【0031】また、該マスク保持用弾性体の鼻根部に対
応する個所の形状は、鼻マスクを上方より見下ろした場
合、該呼吸用鼻マスクが使用者の鼻左右外側を保持する
部分で形成される面から、10mm以上、20mm以下
の深さで窪みを付け、該窪みの幅が20mm以上、30
mm以下となるように形成する。
【0032】尚、マスク保持用弾性体の先端をマスク装
着時に容易に変形できるように内側にカールさせること
が可能であり、かかる場合にはマスク保持用弾性体の内
径が小さくなる傾向がある。本願発明は、このような容
易に変形できるように薄く形成した部分を除いた、実質
的に使用者鼻下部に対応する部分の曲率半径、直線長、
実質的に使用者鼻根部に対応する部分の窪みの深さ、幅
をいう。
【0033】マスク保持用弾性体は、例えばシリコンゴ
ム等の弾性のある材料で成形し、その厚みは、例えば使
用者の顔側では0.5mm程度であるが、顔と反対側の
終端部分では5mm程度といった具合に、連続的に変化
させておく。マスク保持用弾性体の、使用者の顔側にあ
たる先端部分は、押し付けられても使用者の顔面に痛み
を発生させないよう、先端部分が容易に変形できるよう
に内側に軽くカールさせておく。使用者の鼻下部に対応
する個所の形状を使用者である日本人の平均的な形状に
形成しておけば、少々鼻下形状の異なる使用者が該鼻マ
スクを使用したとしても、発生する隙間はマスク保持用
弾性体の上に接続されている伸縮自在性のある薄膜が完
全にその隙間をシール可能であるため、ほとんどの日本
人に適することになる。
【0034】さらに本願発明においては、該薄膜の鼻根
部に対応する個所の形状を、鼻マスクを上方より見下ろ
した場合、該呼吸用鼻マスクが使用者の鼻左右外側を保
持する部分で形成される面から、0〜5mmの深さで窪
みを付けるように形成する。とりわけ問題となる使用者
の鼻根部に対応する個所の薄膜の窪みを、使用者である
日本人の一般的な鼻根部の高さよりも浅く形成しておけ
ば、薄膜を形成する材料の伸縮自在性によって、マスク
保持用弾性体まで使用者の鼻根部が到達しないかぎり、
鼻根部の高い使用者が鼻マスクを着用しても、薄膜は使
用者の鼻根部の形状に容易に順応可能である。
【0035】薄膜の凹面形状の形成方法は、例えば、ま
ず使用者の中から代表的な一人を選び、その人の鼻型を
石膏などで取る。取れた鼻型は凹面形状を成しているこ
とになるが、その鼻型を元に薄膜の凹面形状を形成すれ
ばよい。もちろん、鼻型を取る代表者を何人か選んで、
複数のサイズを作成してもよいし、使用者以外の人を鼻
型の代表者に選んでもよい。また、実際の人の鼻を利用
しなくとも、何かしら鼻に関するデータがあるならば、
それに基づいて薄膜を形成してもよい。薄膜は、例えば
薄いシリコンゴム等の伸縮しやすい材料で、膜厚を0.
1〜0.3mm程度にして形成する。ただし、該薄膜の
鼻根部に対応する個所については、窪みの深さが0〜5
mmとなるように薄膜を形成するための型を修正する。
【0036】
【実施例】[実施例1]図1は、呼吸用鼻マスク1の使
用例である。図2は、使用者6を正面から見たときの、
鼻マスク1の着用部位13を示している。本発明におけ
る呼吸用鼻マスク1は、マスクシェル2、陽圧ガス供給
チューブ3を介して、陽圧ガス供給装置4に接続し、使
用される。マスクシェル2に何本かの長さ調節が可能な
ストラップ5を取り付けることで、使用者6の鼻マスク
着用部位13に鼻マスク1を固定できる。マスクシェル
2には、呼気排出孔7が開けられている。また、マスク
シェル2の上部から使用者6の額方向へ伸びるアーム8
を接続し、その先端に使用者6の額と密着できる柔軟な
材質で作られた、高さ調整が可能な額パッド9を取り付
けることで、使用者6の顔の上での鼻マスク1の安定性
がさらに増す。
【0037】図3は、本発明における呼吸用鼻マスク1
の好適な例の外観斜視図を、ワイヤーフレームで表現し
たもの、図4は好適な例を平面投影した外観概略図、図
5は平面投影した透視・断面概略図、図6はマスク保持
用弾性体のみを取り出して平面投影した外観概略図であ
る。
【0038】使用者6側から見て、中央部分が一般的な
使用者の鼻形状を反映した凹面形状である薄膜10は、
マスクシェル2との接続部分近傍において、マスク保持
用弾性体11と接着される。薄膜10とマスク保持用弾
性体11はシリコンゴムから成形する。薄膜10は0.
2mmの厚みとし、マスク保持用弾性体11の厚みは、
顔側が0.6mm、その反対側が4mmになるように連
続的に変化させる。また薄膜10は、使用者6の鼻孔に
呼吸用のガスを送ることができるような、適切な位置、
大きさの穴12を有する。
【0039】使用者の鼻根部に対応する個所の薄膜の窪
みは、図4に示すように4mmの深さとする。使用者の
鼻根部に対応する個所のマスク保持用弾性体の窪みは、
図6に示すように深さ15mm、幅25mmとする。ま
た、使用者の鼻下部に対応するマスク保持用弾性体の窪
みは、図6に示すように曲率半径35mmの円弧状の形
状とし、該円弧の両端点を結ぶ直線長は60mmとす
る。
【0040】このようにして作成した呼吸用鼻マスクを
成人日本人男性7名に装着して、CPAP装置により2
0cmH2Oの陽圧空気を供給した結果、いずれも空気
漏れは認められなかった。
【0041】[比較例1]実施例1と同様の呼吸用鼻マ
スクについて、マスク保持用弾性体の使用者の鼻下部に
対応する部分の曲率半径を45mmの円弧状とし、直線
長を65mmとしたものを作成した。かかる呼吸用鼻マ
スクを装着し、実施例1と同様にCPAP装置により陽
圧空気を供給した結果、鼻下部からの空気漏れが発生し
た。
【0042】[比較例2]実施例1と同様の呼吸用鼻マ
スクについて、マスク保持用弾性体の使用者鼻根部に対
応する窪み形状の深さを25mm、幅を40mmとした
呼吸用鼻マスクを作成した。かかる呼吸用鼻マスクの装
着時、頭部を動かすとマスクのずれが生じることが認め
られた。
【0043】[比較例3]実施例1と同様の呼吸用鼻マ
スクについて、マスクの薄膜の鼻根部に対応する個所の
窪みの深さを10mmとした呼吸用鼻マスクを作成し
た。かかる呼吸用鼻マスクを装着し、CPAP装置によ
り陽圧空気を供給した結果、鼻根部からの空気漏れが発
生し、かかる空気が目を刺激した。
【0044】
【発明の効果】本願発明による呼吸用鼻マスクは、使用
者との接触面を使用者である日本人の鼻形状を反映した
形状にすることで、鼻マスク表面の薄膜が無理な変形を
強いられる事はなく、従来の呼吸用鼻マスクと比較し
て、薄膜上にはほとんど皺が発生しない。鼻マスク使用
時においてとりわけ問題となる鼻根部からのガス漏れに
関しては、薄膜の鼻根部に対応する個所の形状を日本人
の一般的な鼻根部の高さよりも浅く形成することで、薄
膜の伸縮自在性によって解決可能である。
【0045】また、この薄膜は陽圧ガスの供給によって
風船のように膨らむことができるので、マスク保持用弾
性体の鼻下部に対応する個所の形状を使用者である日本
人の平均的な形状に形成しておけば、少々使用者とマス
ク保持用弾性体との間に隙間ができたとしても、使用者
の鼻マスク着用部位を完全にシールすることが可能であ
る。
【0046】さらに、使用者の鼻下部に対応する個所を
日本人の平均的な形状、大きさに形成したマスク保持用
弾性体の存在により、使用者の頭部が動いても鼻マスク
の変形量を最小限に抑えることができる。
【0047】したがって、本発明による鼻マスクは、使
用者の睡眠中のどのような動きにも対応でき、使用者が
顔面に痛みや不快感を感じさせるほど強く押し付けて使
用する必要もなく、鼻マスクと顔との界面におけるガス
の漏れを防ぐことができる。
【0048】すなわち、本願発明によって、陽圧換気補
助療法(CPAP、NIPPV等)を必要とする日本人
の鼻マスク使用者の治療効果を最大限にまで引き上げる
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】呼吸用鼻マスク使用例の概略図
【図2】呼吸用鼻マスク着用部位の概略図
【図3】呼吸用鼻マスクの外観斜視図
【図4】呼吸用鼻マスクの外観概略図
【図5】呼吸用鼻マスクの透視・断面概略図
【図6】マスク保持用弾性体の外観概略図
【符号の説明】
1 呼吸用鼻マスク 2 マスクシェル 3 陽圧ガス供給チューブ 4 陽圧ガス供給装置 5 ストラップ 6 使用者 7 呼気排出孔 8 アーム 9 額パッド 10 薄膜 11 マスク保持用弾性体 12 ガス供給用の穴 13 鼻マスク着用部位 14 使用者鼻下部対応個所 15 使用者鼻根部対応箇所

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用者の顔と接触し、使用者の鼻へ呼吸
    用の陽圧ガスを供給するため、少なくとも使用者の鼻周
    辺を覆うことのでき、かつ使用者の鼻孔に呼吸用の陽圧
    ガスを送ることができる穴を有する薄膜を備え、該薄膜
    の使用者面の反対側にマスク保持用弾性体を備えた呼吸
    用鼻マスクにおいて、使用者鼻下部に対応する該マスク
    保持用弾性体の下方形状が、曲率半径30mm以上、4
    0mm以下の円弧状の窪み形状であり、該円弧の両終端
    点を結ぶ直線長が50mm以上、60mm以下であるこ
    とを特徴とする呼吸用鼻マスク。
  2. 【請求項2】 該マスク保持用弾性体の使用者鼻根部に
    対応する個所の上方形状が、該呼吸用鼻マスクの使用者
    の鼻左右外側を保持する部分で形成される面からの深さ
    が10mm以上、20mm以下の窪み形状であり、該窪
    みの幅が20mm以上、30mm以下であることを特徴
    とする請求項1に記載の呼吸用鼻マスク。
  3. 【請求項3】 該薄膜の使用者鼻根部に対応する個所の
    上方形状が、該呼吸用鼻マスクの使用者の鼻左右外側を
    保持する部分で形成される面から、5mm以下の深さを
    有する窪み形状であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の呼吸用鼻マスク。
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