JP2004209061A - 呼吸用マスク - Google Patents
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Abstract
【課題】呼吸用気体を使用者の鼻もしくは鼻口へ陽圧で供給する従来マスクに必須とされるヘッドギアに係る問題を解消するためのものであって、ヘッドギア着用時に使用者が感じる強い圧迫感や蒸れを解消し、更には、睡眠時に着用した時に着用者が寝返りなどを行った際に生じるマスクのずれを防止するための改善されたマスクを提供する。
【解決手段】使用者(4)の鼻もしくは鼻口へ陽圧の呼吸用気体を供給する呼吸用マスク本体(10)と、マスク本体(10)の骨格フレームと連結させて設けられ且つ前記使用者の額部に接触して前記マスク本体(10)を支持して固定する額部固定部材(11)と、前記使用者(4)の鼻孔部もしくは鼻口部を囲むようにして設けられ且つ前記マスク本体(10)と使用者(4)の顔面部との接触部が気密となるように設けられた緩衝部材(13)と、前記使用者(4)の耳部(41)で前記マスク本体(10)を固定する耳部固定部材(14)とを少なくとも具備する呼吸用マスク(1)である。
【選択図】 図1
【解決手段】使用者(4)の鼻もしくは鼻口へ陽圧の呼吸用気体を供給する呼吸用マスク本体(10)と、マスク本体(10)の骨格フレームと連結させて設けられ且つ前記使用者の額部に接触して前記マスク本体(10)を支持して固定する額部固定部材(11)と、前記使用者(4)の鼻孔部もしくは鼻口部を囲むようにして設けられ且つ前記マスク本体(10)と使用者(4)の顔面部との接触部が気密となるように設けられた緩衝部材(13)と、前記使用者(4)の耳部(41)で前記マスク本体(10)を固定する耳部固定部材(14)とを少なくとも具備する呼吸用マスク(1)である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は呼吸用マスクに関する。更に詳細には、睡眠時無呼吸症候群の治療に適するCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法、換気不全に適するNIPPV(Nasal Intermittent Positive Pressure Ventilation)療法などにおいて呼吸用気体の吸入に使用する呼吸用マスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、睡眠時無呼吸症候群の患者に対して、睡眠時に使用者の鼻孔部に4〜20cmH2O程度に加圧された呼吸用気体を供給する経鼻式持続陽圧呼吸法(CPAP)が行われている。また、同様に換気不全患者に対しても、睡眠時などに、使用者の鼻孔部に4〜24cmH2O程度に加圧された呼吸用気体が間欠的に供給される経鼻式間欠陽圧換気呼吸法(NIPPV)が行われている。
【0003】
このような経鼻式持続陽圧呼吸法(CPAP)や経鼻式間欠陽圧換気呼吸法(NIPPV)においては、患者に呼吸器用気体を供給するための呼吸補助装置が用いられており、この装置の使用にあたっては、患者の鼻孔部に持続的に陽圧の呼吸用気体を供給するために、各種の呼吸用鼻マスク及び鼻口マスクが開発されている。
【0004】
例えば、USP5,243,971号明細書には、CPAP用の鼻マスクとして、陽圧により膨らんだ薄膜を有するマスクを、使用者の鼻部に押しつけることで呼吸用気体を供給する箇所にフィットさせるマスクが提案されている。また、特開平9−10311号公報には、睡眠時無呼吸症候群治療用のマスク手段として、図3に示したように、患者の不快感防止、軽量化などを目的として、鼻孔に隣接した鼻の側面部、先端部分、及び上唇との間を覆うマスクをヘッドギアで固定するものが提案されている。
【0005】
しかしながら、このような従来の鼻マスクでは、睡眠時の寝返りなどの体動に伴ってマスクの装着位置のズレが発生しやすく、陽圧ガスが供給された時に鼻マスクと顔との界面からガス漏れが発生し、眼部への刺激や、漏れ気流による悪寒など、使用者に不快感を与え、場合によっては治療を中止せざるを得ない例もあるといった問題がある。このとき、従来技術による鼻マスクからのガス漏れ箇所としては、鼻根部、鼻翼部などにおいて顕著であり、このようなガス漏れを防ぐためには、漏れ場所に関係なく、マスク固定用ベルトをさらに強く締めるしか方法がなく、睡眠時など終夜長時間着用する時には、マスクが使用者の顔を傷付けてしまうことも指摘される。
【0006】
そこで、特開平11−397号公報において、マスクの顔に密着する面とマスクを取り付けるフレームとの間に蛇腹状弾性体を設けて、睡眠時の寝返りなどの体動に伴ってマスクの装着位置のズレを紡糸することが提案されている。しかしながら、この技術においても、鼻マスクを固定するためのヘッドギアの着用が必須とされており、使用者によっては、ヘッドギアを着用することによる圧迫感や頭部の蒸れを感じて不快感を持つ場合があるという問題を有する。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5,243,971号明細書
【0008】
【特許文献2】
特開平9−10311号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平11−397号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、前記CPAPや前記NIPPVにおいて、呼吸用気体を使用者の鼻もしくは鼻口へ陽圧で供給する従来マスクに必須とされるヘッドギアに係る問題を解消するためのものであって、ヘッドギア着用時に使用者が感じる強い圧迫感や蒸れを解消し、更には、睡眠時に着用した時に着用者が寝返りなどを行った際に生じるマスクのずれを防止するための改善されたマスクを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
ここに、以上に述べた目的を達成するために、請求項1に記載の発明のように、「使用者の鼻もしくは鼻口へ陽圧の呼吸用気体を供給する呼吸用マスク本体と、マスク本体の骨格フレームと連結させて設けられ且つ前記使用者の額部に接触して前記マスク本体を支持して固定する額部固定部材と、前記使用者4の鼻孔部もしくは鼻口部を囲むようにして設けられ且つ前記マスク本体と使用者の顔面部との接触部が気密となるように設けられた緩衝部材と、前記使用者の耳部で前記マスク本体を固定する耳部固定部材とを少なくとも具備する呼吸用マスク」が提供される。
【0012】
その際、請求項2記載の発明のように、前記耳部固定部材が眼鏡式もしくは風邪マスク式固定部材である請求項1記載の呼吸用マスクとすることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1及び2は、本発明の呼吸用マスクを使用者が装着した場合の概略システム構成を示した説明図であって、図2は図1の要部拡大図である。ここで、これらの図において、参照符号1は本発明の呼吸用マスク、参照符号2は呼吸用気体供給装置、参照符号3はフレキシブルホース、そして、参照符号4は使用者をそれぞれ示す。ただし、前記呼吸用マスク1は、本体フレーム10、額部固定部材11、前記本体フレーム10と前記額部固定部材11とを連結する連結部材12、緩衝部材13、耳部固定部材14、後頭部固定部材15、そして、回転自在継手16などを含んで構成される。なお、参照符号10aは、使用者が吐き出す呼気を排出するための排気孔である。
【0014】
以上に述べた実施形態例のように構成される本発明の呼吸用マスク1に対して、呼吸用気体が供給される状況について以下に詳細に説明すると、先ず、使用者4は呼吸用マスク1を着用する。そして、呼吸用マスク1の着用か完了すると、呼吸用気体供給装置2の電源を入れてフレキシブルホース3を介して呼吸用気体を呼吸用マスク1に供給する。このようにして、使用者4は最終的に呼吸用マスクから呼吸用気体を吸引することができる。なお、使用者4が吸引する前記呼吸用気体としては、陽圧にされた空気、濃縮酸素空気、あるいは酸素ガスなどを例として挙げることができる。
【0015】
このとき、本発明の呼吸用マスク1では、図3に例示した従来技術のように、鼻孔部40’に隣接した鼻の側面部、先端部分、及び上唇との間を覆うマスク1’をヘッドギア2’で固定する方法を採用しない。つまり、図3に示すように、従来の鼻マスク1’では、前記CPAP及びNIPPV療法を主として行なう睡眠時に、寝返りなどに伴う頭の左右運動などが生じた時、頭に取り付けているヘッドギア2’の一部が枕またはベッドと接触しているため、摩擦力によってヘッドギア2’と頭との相対移動が発生し、右ベルト23a’と左ベルト23b’とに加わる力のバランスが崩れ、鼻マスク1’のフレームは適正な位置から外れ、移動及び/又は回転し、フレームに固定されているマスクも元の位置から外れることになる。このような理由から、図3に示し前記特許文献に記載されている技術では、鼻マスク1’のズレを防止するために、後頭部41’を取り巻くベルト22’や頭頂部42’を取り巻くベルト20’が必要となると共に、耳部43’でも鼻マスク1’の移動及び/又は回転を防止する必要がある。したがって、このようなヘッドギア2’付きの鼻マスク1’では、鼻マスク1’の着用者にヘッドギア2’を強く締め付けるために生じる圧迫感、頭部の蒸れなどが発生し、着用者によっては強い違和感を抱く場合がある。また、着用者の体動により、フレキシブルホース3’からの力も直接マスク1’に加わり、同様にマスクが元の位置から外れることがある。
【0016】
以上に述べた従来の鼻マスク1’の特徴を念頭において、前記図1及び2に示した本発明の鼻及び/又は鼻口に押し当てて使用する呼吸用マスク1とを比較すると、本発明の呼吸用マスク1の特長が良く理解できる。つまり、本発明は、前記図1及び2に図示されているように、使用者4の鼻40もしくは鼻口へ陽圧の呼吸用気体を供給する呼吸用マスク本体10と、マスク本体10の骨格フレームと連結させて設けられ且つ前記使用者4の額部44に接触して前記マスク1を支持し、額部44に固定する額部固定部材11と、前記使用者4の鼻孔部40もしくは鼻口部を囲むようにして設けられ且つ前記マスク1と使用者4の顔面部との接触部が気密となるように設けられた緩衝部材13と、前記使用者4の耳部41で前記マスク1を固定する耳部固定部材14とを少なくとも具備することを一大特徴とする。
【0017】
本発明においては、前記緩衝部材13を設けることによって、マスク本体1の骨格フレームにズレを発生させる寝返りなどによって生ずる力が作用したとしても、この緩衝材13が変形することによって吸収される。したがって、この緩衝材13は伸縮自在のテレスコープ構造あるいは蛇腹構造などを有していることが好ましいが、フェルトやゴムなどの柔軟な材料で構成しても良い。ただし、このとき、呼吸用気体が緩衝材13と顔面部との間の接触界面から洩れるのを防止するために、前記緩衝材13には着用者に直接接触する界面部には、気密性を向上させるためにシリコンゴムなどのシール部材を付設しておくことが好ましい。
【0018】
さらに、本発明においては、前述のように、マスク本体10の骨格フレームと連結部材12によって連結させられて設けられ且つ前記使用者4の額部44に接触して前記マスク1を支持し、額部44に固定する額部固定部材11を具備することも大きな特徴である。この額部固定部材11を本発明のマスク1が具備することによって、マスク1を支持する面積を増加させ、睡眠時の寝返りなどの際にマスク1に掛かる力を分散させると共に、支持固定点を多くした効果によって、不意の外力がマスク本体10に作用しても、このような外力が取り去られるとマスク本体10のズレが容易に復元回復する構造を具現化している。なお、この額部固定部材11については、着用者4の額部44取り付けられるために、シリコンゴムあるいはフェルトなどで構成されるパッド材を介して、使用者4の額部44に固定することが、使用者4の着用感を向上させる上で好ましいことはいうまでもない。
【0019】
その上、本発明においては、前記フレキシブルホース3がマスク本体10と回転自在継手16によって接続されている。このため、使用者4の寝返りなどによって、フレキシブルホース3に捩れが発生しても、このような捩れを容易に吸収することができる構造となっている。 以上に述べたように、本発明の呼吸用マスク1は、使用者4の寝返りなどに伴う体動が起こり、その際にマスク本体10に外力が加わるような場合においても、加わった外力に柔軟に対応できる構造を具現化している。このため、従来の鼻マスク1’のように、鼻マスク1’にズレを発生させるような外力に対抗するためにヘッドギア2’を使用して、使用者の頭部を締め付ける必要がない。このため、使用者4の耳部41で呼吸用マスク1を固定するための耳部固定部材14を設けるだけの簡単な構成を現実化することが可能となったものである。
【0020】
その際、前記耳部固定部材14としては、人が風邪をひいた場合に、外耳部にループ状の紐など掛けて固定する風邪マスクのような固定部材(本発明ではこのような固定部材を“風邪マスク式固定部材”と称する)、あるいは眼鏡を外耳部に固定する眼鏡フレームのような固定部材(本発明ではこのような固定部材を“眼鏡式固定部材”と称する)のような簡単な構造のものを使用することができる。このとき、寝返りなどの体動が大きな着用者4などに対しては、外耳部から着用した呼吸用マスク1が外れるのを予防するために、着用者4の後頭部42を取り巻くバンドや紐などのような後頭部固定部材15を取り付けておくことは、本発明においては好ましい態様である。
【0021】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の呼吸用マスクでは、体動によるマスクのズレを抑え、呼吸用ガスの漏れを最小限に減少でき、特にヘッドギアを必要としないために、固定用ベルトをきつく絞めつける必要はなく、顔面接触部分での痛みが減少し、快適で長時間使用可能なマスクを提供することが可能になる。しかも、前述のように、従来の鼻マスクなどと比較すると、本発明の呼吸用マスクでは極めて容易かつ短時間に装着できるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の呼吸用マスク適用するための一実施形態を例示した概略構成図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】従来の鼻マスクの実施形態を模式的に例示した説明図である。
【符号の説明】
1 : 呼吸用マスク
2 : 呼吸用気体供給装置
3 : フレキシブルホース
4 : 使用者
10 : マスク本体
11 : 額部固定部材
12 : 連結部材
13 : 緩衝部材
14 : 耳部固定部材
15 : 後頭部固定部材
16 : 回転自在継手
41 : 耳部
【発明の属する技術分野】
本発明は呼吸用マスクに関する。更に詳細には、睡眠時無呼吸症候群の治療に適するCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法、換気不全に適するNIPPV(Nasal Intermittent Positive Pressure Ventilation)療法などにおいて呼吸用気体の吸入に使用する呼吸用マスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、睡眠時無呼吸症候群の患者に対して、睡眠時に使用者の鼻孔部に4〜20cmH2O程度に加圧された呼吸用気体を供給する経鼻式持続陽圧呼吸法(CPAP)が行われている。また、同様に換気不全患者に対しても、睡眠時などに、使用者の鼻孔部に4〜24cmH2O程度に加圧された呼吸用気体が間欠的に供給される経鼻式間欠陽圧換気呼吸法(NIPPV)が行われている。
【0003】
このような経鼻式持続陽圧呼吸法(CPAP)や経鼻式間欠陽圧換気呼吸法(NIPPV)においては、患者に呼吸器用気体を供給するための呼吸補助装置が用いられており、この装置の使用にあたっては、患者の鼻孔部に持続的に陽圧の呼吸用気体を供給するために、各種の呼吸用鼻マスク及び鼻口マスクが開発されている。
【0004】
例えば、USP5,243,971号明細書には、CPAP用の鼻マスクとして、陽圧により膨らんだ薄膜を有するマスクを、使用者の鼻部に押しつけることで呼吸用気体を供給する箇所にフィットさせるマスクが提案されている。また、特開平9−10311号公報には、睡眠時無呼吸症候群治療用のマスク手段として、図3に示したように、患者の不快感防止、軽量化などを目的として、鼻孔に隣接した鼻の側面部、先端部分、及び上唇との間を覆うマスクをヘッドギアで固定するものが提案されている。
【0005】
しかしながら、このような従来の鼻マスクでは、睡眠時の寝返りなどの体動に伴ってマスクの装着位置のズレが発生しやすく、陽圧ガスが供給された時に鼻マスクと顔との界面からガス漏れが発生し、眼部への刺激や、漏れ気流による悪寒など、使用者に不快感を与え、場合によっては治療を中止せざるを得ない例もあるといった問題がある。このとき、従来技術による鼻マスクからのガス漏れ箇所としては、鼻根部、鼻翼部などにおいて顕著であり、このようなガス漏れを防ぐためには、漏れ場所に関係なく、マスク固定用ベルトをさらに強く締めるしか方法がなく、睡眠時など終夜長時間着用する時には、マスクが使用者の顔を傷付けてしまうことも指摘される。
【0006】
そこで、特開平11−397号公報において、マスクの顔に密着する面とマスクを取り付けるフレームとの間に蛇腹状弾性体を設けて、睡眠時の寝返りなどの体動に伴ってマスクの装着位置のズレを紡糸することが提案されている。しかしながら、この技術においても、鼻マスクを固定するためのヘッドギアの着用が必須とされており、使用者によっては、ヘッドギアを着用することによる圧迫感や頭部の蒸れを感じて不快感を持つ場合があるという問題を有する。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5,243,971号明細書
【0008】
【特許文献2】
特開平9−10311号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平11−397号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、前記CPAPや前記NIPPVにおいて、呼吸用気体を使用者の鼻もしくは鼻口へ陽圧で供給する従来マスクに必須とされるヘッドギアに係る問題を解消するためのものであって、ヘッドギア着用時に使用者が感じる強い圧迫感や蒸れを解消し、更には、睡眠時に着用した時に着用者が寝返りなどを行った際に生じるマスクのずれを防止するための改善されたマスクを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
ここに、以上に述べた目的を達成するために、請求項1に記載の発明のように、「使用者の鼻もしくは鼻口へ陽圧の呼吸用気体を供給する呼吸用マスク本体と、マスク本体の骨格フレームと連結させて設けられ且つ前記使用者の額部に接触して前記マスク本体を支持して固定する額部固定部材と、前記使用者4の鼻孔部もしくは鼻口部を囲むようにして設けられ且つ前記マスク本体と使用者の顔面部との接触部が気密となるように設けられた緩衝部材と、前記使用者の耳部で前記マスク本体を固定する耳部固定部材とを少なくとも具備する呼吸用マスク」が提供される。
【0012】
その際、請求項2記載の発明のように、前記耳部固定部材が眼鏡式もしくは風邪マスク式固定部材である請求項1記載の呼吸用マスクとすることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1及び2は、本発明の呼吸用マスクを使用者が装着した場合の概略システム構成を示した説明図であって、図2は図1の要部拡大図である。ここで、これらの図において、参照符号1は本発明の呼吸用マスク、参照符号2は呼吸用気体供給装置、参照符号3はフレキシブルホース、そして、参照符号4は使用者をそれぞれ示す。ただし、前記呼吸用マスク1は、本体フレーム10、額部固定部材11、前記本体フレーム10と前記額部固定部材11とを連結する連結部材12、緩衝部材13、耳部固定部材14、後頭部固定部材15、そして、回転自在継手16などを含んで構成される。なお、参照符号10aは、使用者が吐き出す呼気を排出するための排気孔である。
【0014】
以上に述べた実施形態例のように構成される本発明の呼吸用マスク1に対して、呼吸用気体が供給される状況について以下に詳細に説明すると、先ず、使用者4は呼吸用マスク1を着用する。そして、呼吸用マスク1の着用か完了すると、呼吸用気体供給装置2の電源を入れてフレキシブルホース3を介して呼吸用気体を呼吸用マスク1に供給する。このようにして、使用者4は最終的に呼吸用マスクから呼吸用気体を吸引することができる。なお、使用者4が吸引する前記呼吸用気体としては、陽圧にされた空気、濃縮酸素空気、あるいは酸素ガスなどを例として挙げることができる。
【0015】
このとき、本発明の呼吸用マスク1では、図3に例示した従来技術のように、鼻孔部40’に隣接した鼻の側面部、先端部分、及び上唇との間を覆うマスク1’をヘッドギア2’で固定する方法を採用しない。つまり、図3に示すように、従来の鼻マスク1’では、前記CPAP及びNIPPV療法を主として行なう睡眠時に、寝返りなどに伴う頭の左右運動などが生じた時、頭に取り付けているヘッドギア2’の一部が枕またはベッドと接触しているため、摩擦力によってヘッドギア2’と頭との相対移動が発生し、右ベルト23a’と左ベルト23b’とに加わる力のバランスが崩れ、鼻マスク1’のフレームは適正な位置から外れ、移動及び/又は回転し、フレームに固定されているマスクも元の位置から外れることになる。このような理由から、図3に示し前記特許文献に記載されている技術では、鼻マスク1’のズレを防止するために、後頭部41’を取り巻くベルト22’や頭頂部42’を取り巻くベルト20’が必要となると共に、耳部43’でも鼻マスク1’の移動及び/又は回転を防止する必要がある。したがって、このようなヘッドギア2’付きの鼻マスク1’では、鼻マスク1’の着用者にヘッドギア2’を強く締め付けるために生じる圧迫感、頭部の蒸れなどが発生し、着用者によっては強い違和感を抱く場合がある。また、着用者の体動により、フレキシブルホース3’からの力も直接マスク1’に加わり、同様にマスクが元の位置から外れることがある。
【0016】
以上に述べた従来の鼻マスク1’の特徴を念頭において、前記図1及び2に示した本発明の鼻及び/又は鼻口に押し当てて使用する呼吸用マスク1とを比較すると、本発明の呼吸用マスク1の特長が良く理解できる。つまり、本発明は、前記図1及び2に図示されているように、使用者4の鼻40もしくは鼻口へ陽圧の呼吸用気体を供給する呼吸用マスク本体10と、マスク本体10の骨格フレームと連結させて設けられ且つ前記使用者4の額部44に接触して前記マスク1を支持し、額部44に固定する額部固定部材11と、前記使用者4の鼻孔部40もしくは鼻口部を囲むようにして設けられ且つ前記マスク1と使用者4の顔面部との接触部が気密となるように設けられた緩衝部材13と、前記使用者4の耳部41で前記マスク1を固定する耳部固定部材14とを少なくとも具備することを一大特徴とする。
【0017】
本発明においては、前記緩衝部材13を設けることによって、マスク本体1の骨格フレームにズレを発生させる寝返りなどによって生ずる力が作用したとしても、この緩衝材13が変形することによって吸収される。したがって、この緩衝材13は伸縮自在のテレスコープ構造あるいは蛇腹構造などを有していることが好ましいが、フェルトやゴムなどの柔軟な材料で構成しても良い。ただし、このとき、呼吸用気体が緩衝材13と顔面部との間の接触界面から洩れるのを防止するために、前記緩衝材13には着用者に直接接触する界面部には、気密性を向上させるためにシリコンゴムなどのシール部材を付設しておくことが好ましい。
【0018】
さらに、本発明においては、前述のように、マスク本体10の骨格フレームと連結部材12によって連結させられて設けられ且つ前記使用者4の額部44に接触して前記マスク1を支持し、額部44に固定する額部固定部材11を具備することも大きな特徴である。この額部固定部材11を本発明のマスク1が具備することによって、マスク1を支持する面積を増加させ、睡眠時の寝返りなどの際にマスク1に掛かる力を分散させると共に、支持固定点を多くした効果によって、不意の外力がマスク本体10に作用しても、このような外力が取り去られるとマスク本体10のズレが容易に復元回復する構造を具現化している。なお、この額部固定部材11については、着用者4の額部44取り付けられるために、シリコンゴムあるいはフェルトなどで構成されるパッド材を介して、使用者4の額部44に固定することが、使用者4の着用感を向上させる上で好ましいことはいうまでもない。
【0019】
その上、本発明においては、前記フレキシブルホース3がマスク本体10と回転自在継手16によって接続されている。このため、使用者4の寝返りなどによって、フレキシブルホース3に捩れが発生しても、このような捩れを容易に吸収することができる構造となっている。 以上に述べたように、本発明の呼吸用マスク1は、使用者4の寝返りなどに伴う体動が起こり、その際にマスク本体10に外力が加わるような場合においても、加わった外力に柔軟に対応できる構造を具現化している。このため、従来の鼻マスク1’のように、鼻マスク1’にズレを発生させるような外力に対抗するためにヘッドギア2’を使用して、使用者の頭部を締め付ける必要がない。このため、使用者4の耳部41で呼吸用マスク1を固定するための耳部固定部材14を設けるだけの簡単な構成を現実化することが可能となったものである。
【0020】
その際、前記耳部固定部材14としては、人が風邪をひいた場合に、外耳部にループ状の紐など掛けて固定する風邪マスクのような固定部材(本発明ではこのような固定部材を“風邪マスク式固定部材”と称する)、あるいは眼鏡を外耳部に固定する眼鏡フレームのような固定部材(本発明ではこのような固定部材を“眼鏡式固定部材”と称する)のような簡単な構造のものを使用することができる。このとき、寝返りなどの体動が大きな着用者4などに対しては、外耳部から着用した呼吸用マスク1が外れるのを予防するために、着用者4の後頭部42を取り巻くバンドや紐などのような後頭部固定部材15を取り付けておくことは、本発明においては好ましい態様である。
【0021】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の呼吸用マスクでは、体動によるマスクのズレを抑え、呼吸用ガスの漏れを最小限に減少でき、特にヘッドギアを必要としないために、固定用ベルトをきつく絞めつける必要はなく、顔面接触部分での痛みが減少し、快適で長時間使用可能なマスクを提供することが可能になる。しかも、前述のように、従来の鼻マスクなどと比較すると、本発明の呼吸用マスクでは極めて容易かつ短時間に装着できるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の呼吸用マスク適用するための一実施形態を例示した概略構成図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】従来の鼻マスクの実施形態を模式的に例示した説明図である。
【符号の説明】
1 : 呼吸用マスク
2 : 呼吸用気体供給装置
3 : フレキシブルホース
4 : 使用者
10 : マスク本体
11 : 額部固定部材
12 : 連結部材
13 : 緩衝部材
14 : 耳部固定部材
15 : 後頭部固定部材
16 : 回転自在継手
41 : 耳部
Claims (2)
- 使用者の鼻もしくは鼻口へ陽圧の呼吸用気体を供給する呼吸用マスク本体と、マスク本体の骨格フレームと連結させて設けられ且つ前記使用者の額部に接触して前記マスク本体を支持して固定する額部固定部材と、前記使用者の鼻孔部もしくは鼻口部を囲むようにして設けられ且つ前記マスク本体と使用者の顔面部との接触部が気密となるように設けられた緩衝部材と、前記使用者の耳部で前記マスク本体を固定する耳部固定部材とを少なくとも具備する呼吸用マスク。
- 前記耳部固定部材が眼鏡式もしくは風邪マスク式固定部材である請求項1記載の呼吸用マスク。
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