JP2011519284A5 - - Google Patents

Description

一般的には、目覚め症状発現の頻度は、およそ１０〜６０回である。深刻なＯＳＡに罹っている人は、一晩に１００回を超える目覚め症状発現があることもある。
気道陽圧は、閉塞性睡眠時無呼吸のためのきわめて有効な治療であることが実証されている。この気道陽圧には、３つの形態、すなわち、持続的気道陽圧（ＣＰＡＰ）、自動タイトレーション（autotitration）、および二相性気道陽圧（ＢＩＰＡＰ）がある。ほとんどの場合、気道陽圧は、圧力が低いほどより耐えやすい。患者ごとに相異なる圧力が必要である。個々の患者の最適な気道圧を正確に決定するためには、睡眠ポリグラフの間に個々の患者それぞれへの圧力をタイトレーションすることが必要である。睡眠ポリグラフは、呼吸事象が終わったときだけでなく、呼吸事象からの覚醒が起きるときもまた、示されるであろう。
上記３つの療法モードのうちのより一般的なものであるＣＰＡＰは、患者の頭部の周りにストラップによって定位置に保持された顔マスクを通して、就寝中に行われるのが普通である。このマスクは、チューブによって、ほぼ靴箱の大きさの小さい空気圧縮機へ接続されている。このＣＰＡＰ機によって、圧力をかけられた空気がチューブを通してマスクへ送られ、陽圧が上気道へ与えられる。この圧力によって、上気道は、基本的に「副木が当て」られて開放し、また、陥没から保護される。

鼻詰まりはしばしば、上記機械の中に配置された鼻ステロイドスプレーおよび加湿器で削減しあるいは排除することができる。鼻漏は、鼻ステロイドスプレーあるいは臭化イプラトロピウム鼻スプレーで排除することができる。鼻血は、普通は乾燥粘膜のためであり、また、加湿で予防することができる。ドライアイは、普通はマスクの漏れによって引き起こされ、また、より良好に適合するマスクに交換することで排除することができる。
上記の如く、また、本発明の概念および開発に先立って、睡眠障害に罹っている患者の中では、患者の顔面に置かれたマスクであって、装着者の頭部および／または首部の周りにそのマスクから延びているストラップから形成されたハーネスによって定位置に保持されたマスクを使用することは、従来技術において知られている。従来技術では、そのマスクは、患者の皮膚と相まって密閉を行って患者の気道へ流体の流れをもたらすためのインターフェイスを形成する柔軟なプラスチックからなる皮膚接触部分を用いて形成されている。この柔軟なプラスチックからなる「インターフェイス」は、フェースプレート、クッション支持体あるいはプロング支持体の形態を採ることのできる何種類かの剛性構造体あるいは半剛性構造体で支持されている。

この構成にはいくつかの不都合がある。第１に、上記クッションは、それぞれの患者が異なる顔構造を有しているため、患者へ適合させるのが困難である。マスクの適合が芳しくないときには、療法を弱める空気漏れが生じ、また、ドライアイのような不利な副作用が起きることがある。
第２に、上記プラスチック製インターフェイス部分は、液体・気体不浸透性である。この構成によって、患者に接触しているマスクの部分における皮膚の毛穴が塞がれる。これによって、皮膚の油が皮膚と上記インターフェイスとの間に集まることになり、患者に締め付け感を引き起こす。
第３に、顔の周りに剛性あるいは半剛性の支持構造体を使用することは、患者にとっては不快である。マスクの剛性部分は、就寝中に患者の顔を圧迫して、不快感を引き起こすことがある。患者が動くときにはいつも、そのマスクは取り外されるようになる傾向がある。
第４に、上記呼気弁の構成には、その剛性支持構造体に何らかの型の穴あるいは隙間が含まれるのが普通である。この穴によって、騒音が引き起こされ、患者あるいは彼らのベッドパートナーの睡眠を妨げるおそれのある空気の噴流がそのマスクから排出することになる。また、この空気の噴流は、そのベッドパートナーの上に吹き付けることがあり、彼らの睡眠をさらに妨げる。

本発明によれば、本願の好ましい実施形態では、睡眠時無呼吸症状を緩和することと酸素を必要とする苦痛に悩まされている患者へ酸素を供給することとの少なくとも一方のために、流体圧を、患者の口と流体流通するように位置する患者の鼻腔あるいは気道へ伝達するための装置が提供される。この装置には、第１開口端および第２開口端のそれぞれを有するマスクが含まれている。このような第１手段の第１開口端は、空気、酸素および空気と酸素との混合物のうちの少なくとも１つを、そのような患者の口と流体流通するように位置するそのような患者の鼻腔あるいは気道へ伝達するために配置されている。空気は、例えば睡眠時無呼吸に悩まされている患者へ供給されるであろうし、酸素は、さまざまな肺の疾患に悩まされている患者へ供給されるであろう。このようなマスクの第１開口端は、患者の口と流体流通するように位置する、そのような患者の鼻気道の近くの区域の少なくとも一部と係合することができる。そのような空気、酸素および空気と酸素との混合物のうちの少なくとも１つをそのようなマスクの第２開口端へ伝達するために、そのようなマスクの第２開口端に係合することのできる空気陽圧伝達手段が存在している。このマスクは、流体不透過性の内側層としなやかで自由変形する（compliant）外側層とがある複合材料から製造されている。作動中、流体流通手段およびマスクは膨張し（inflates）、マスクの第１開口端は患者の鼻腔の近くの区域に係合する。好ましい実施形態では、軟質プラスチックからなる内側層と布地からなる外側層とがある。

Claims (16)

1. 膨張可能なマスクと流体流通構成とを具えた装置であって、
   膨張可能なマスクは、第１開口端部および第２開口端部を有し、前記マスクの第１開口端部は患者の鼻腔を囲む大きさであり、
   流体流通構成は、膨張可能なマスクの第２開口端部に配置され、
   マスクは剛性はないが呼吸用の陽圧気体を受ける作動時は膨張し、
   マスクは気体不透過性の軟質プラスチック製内層としなやかで自由変形可能な布製外層とからなる複合材料によって構成されている、装置。
2. 前記装置は、実質的に気体不透過性である、請求項１に記載の装置。
3. 前記外側層は、前記第１開口端部にて前記内側層に折り重ねられて、前記マスクの使用時に、前記外側層のみが前記患者の顔に触れる、請求項１に記載の装置。
4. 呼気弁構成をさらに具えている、請求項１に記載の装置。
5. 前記呼気弁構成は、所定寸法の複数の窓穴を具えている、請求項４に記載の装置。
6. 前記複数の窓穴のそれぞれの所定寸法は、直径が０．１２７ｍｍである、請求項５に記載の装置。
7. 調節可能なように構成される保持構成であって、使用中に前記マスクの前記第１開口端部が、前記患者の顔に合致し、実質的に気密な密閉を形成できるように構成される保持構成をさらに具えている、請求項１に記載の装置。
8. 前記保持構成は、
   前記装置の少なくとも一方の側部に取り付けられる少なくとも１つのストラップ、および
   さまざまな患者の相異なる寸法の頭部へ前記装置を取り付けるように構成されている少なくとも１つの調節構成
   を具えている、請求項７に記載の装置。
9. 前記少なくとも１つのストラップは、エラストマー系布地から形成された単一片として前記装置と一体に形成されている、請求項８に記載の装置。
10. 前記少なくとも１つの調節構成は、第１端部及び第２端部を有する調節ストラップであり、該調節ストラップの両端部は、フック・ループ型固締具または紐型固締具を有することで、前記第２のストラップが前記少なくとも１つのストラップに係合する、請求項８に記載の装置。
11. 前記保持構成はさらに、
    前記マスクの上端部に取り付けられるフラップであって、該フラップを貫通して形成される窓穴を有するフラップ、および
    第１端部が前記フラップの前記窓穴に通されており、第２端部が前記第２ストラップに摺動可能に配置されている弾性バンド構成
    を具えている、請求項１０に記載の装置。
12. 前記流体流通構成は、前記装置に空気陽圧を供給するために、空気陽圧の供給源に接続される空気ホースコネクタを具えている、請求項１に記載の装置。
13. 前記流体流通構成は、前記装置に空気陽圧を供給するために、空気陽圧の供給源に接続される少なくとも１つの空気チューブを具えている、請求項１に記載の装置。
14. 前記マスクは、剛性構造体を有していない、請求項１に記載の装置。
15. 呼吸可能な陽圧気体を患者の鼻腔へ送出するための膨張式装置であって、
    柔軟な材料から製造され、かつ、第１開口端部および第２開口端部を有している膨張式マスクであって、前記第１開口端部は陽圧気体を送出する作動中は膨張して、患者の鼻腔の近くの患者の顔の区域に密閉して係合することができ、そして患者の鼻腔をほぼ取り囲む膨張式マスクであり、軟質プラスチック製内層と布地製外層からなる複合材料によって構成されているマスク、ならびに
    剛性がない流体流通構成であって、マスクへの呼吸可能な陽圧気体を確実に受けるように前記第２開口端部に配置される流体流通構成、
    前記マスクを前記患者に配置するための保持手段、ならびに
    前記マスクの内側から過剰な気体と湿気を放出するための呼気構成
    を具えている膨張式装置。
16. 前記柔軟な材料は、不透過性である、請求項１５に記載の膨張式装置。
    

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