JPH11148312A - 海洋深層水利用発電システム - Google Patents

海洋深層水利用発電システム

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JPH11148312A
JPH11148312A JP9310651A JP31065197A JPH11148312A JP H11148312 A JPH11148312 A JP H11148312A JP 9310651 A JP9310651 A JP 9310651A JP 31065197 A JP31065197 A JP 31065197A JP H11148312 A JPH11148312 A JP H11148312A
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JP
Japan
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water
sea
pipe
deep
power generation
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JP9310651A
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English (en)
Inventor
Sanae Sekida
早苗 関田
Tooru Kaiji
徹 海治
Yutaka Watanabe
裕 渡邊
Nobuo Okita
信雄 沖田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

Landscapes

  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】海水を利用する火力発電プラントあるいは原子
力発電プラント等における発電効率を改善し、また、保
守の容易化、メンテナンス性などにおいても大幅な改善
を図り、さらに、発電システムを漁業上においても有効
に活用できるようにする。 【解決手段】火力発電プラントまたは原子力発電プラン
トの冷却水として海水を利用する発電システムにおい
て、海底部2から海面部3まで立上り、かつ海底部2上
の一定高さ位置に深層水汲み上げ用の取水口4を有する
取水管5を配設するとともに、取水管5の上端に発電プ
ラント1への深層水供給用の給水管6を海面に沿ってほ
ぼ水平に連結する。熱交換後の戻り水を網11内の領域
に放出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば火力発電プ
ラントや原子力発電プラント等のようにランキンサイク
ルを用いた発電サイクルにおいて、低温側凝縮器(復水
器)の冷却水その他各種の冷却用水として低温の海洋深
層水を利用する発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化や化石燃料枯渇などの
問題に鑑み、新エネルギーや未利用エネルギーなどの活
用が求められている。これらは太陽熱、太陽光、風力、
潮力、水力、廃棄物焼却熱、工場排熱、発電プラント余
剰熱、下水排熱などである。これらの新エネルギーや未
利用エネルギーは主に化石燃料の節約を念頭とした電力
確保の観点から期待されている。
【0003】しかしながら、視点を変えれば我々の周囲
には、エネルギーとして認識されなくとも、それを活用
することで新たにエネルギーを発生させたり、電力の使
用を節約する効果を有する対象物が存在する。
【0004】例えば、火力発電プラントや原子力発電プ
ラントでは主に水(水蒸気)を作動流体としたランキン
サイクルにより発電が行われているが、ランキンサイク
ルの出力は作動流体の高温側の温度および圧力と、低温
側の温度および圧力とによって規定される。即ち、投入
したエネルギーを如何に電力(動力)に変換できるか
は、高温側と低温側の温度差を如何に大きくとれるかに
依存することを示している。
【0005】燃料消費を増加させずに発電出力を高める
手段として、冷却水温度を低く取ることが重要であり、
この観点から、我国では殆どの発電プラントが沿岸部に
設置され、海水を冷却水として低温側熱源に使用してい
る。
【0006】しかしながら、海水を冷却水として使用す
る場合には幾つかの不都合な点が発生している。
【0007】先ず、ここで言う海水は海洋表層部の海水
であり、季節によりその温度が変化するので、特に夏季
には海水温度が上昇して発電出力が低下する傾向とな
る。また、取水する海水中には多くの微生物や稚貝類を
含むため、これらの生物が取水管内部や蒸気復水器内部
で繁殖することによって伝熱性能が阻害され、またこれ
らの生物は海水の流通抵抗となる害を誘起する。
【0008】この対策として、復水器伝熱面に特殊なス
ポンジボールを循環させて伝熱面洗浄を実施し、定期的
な貝除去作業を行う技術が知られているが、スポンジボ
ールが海水と共に発電プラント外へ流出したり、除去さ
れた貝などの廃棄に費用が必要となる等の副次的問題が
発生することもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、これまで
の火力発電プラントや原子力発電プラントにおいては、
主に海洋表層域の海水を復水器の冷却水として用いるた
め、発電出力の制約を受けたり、定期的な貝除去作業あ
るいは頻繁な伝熱面洗浄作業が必要となり、さらには夏
季の出力低下を余儀なくされる等の不具合があった。
【0010】本発明はこのような不具合な点を解消する
ためになされたものであり、第1の目的は、海水を利用
する火力発電プラントあるいは原子力発電プラント等に
おける発電効率を改善することができるシステムを提供
することにある。
【0011】また、本発明の第2の目的は、同システム
において、保守の容易化、メンテナンス性などにおいて
も大幅な改善を図ることにある。
【0012】さらに、本発明の第3の目的は、発電シス
テムを漁業上においても有効に活用できるようにするこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】一般に、海水温度とその
組成は、水深に依存した変化をするものの、一定の深さ
より深い条件では、年間を通して水温が一定化してい
る。
【0014】例えば、我国の周囲海域では非常に低速で
あるが南北の極地を流出源とする低温海水が、海水の比
重差により深海部に流れ込むと考えられている。そし
て、水深が300mを超えると海流の影響が少なくな
り、その水温も年間を通じて約4℃前後となることが知
られている。
【0015】また、このような深海域では太陽光が到達
せず、水中の微生物や稚貝の数が激減する。
【0016】一方、この深海域での海水移動は極めて緩
慢な温度差による自然対流に起因するが、何らかの原因
で砂埃が舞ったとしても、その高さは海底から20m以
内であり、それ以上の高さで海水を取水すれば、砂塵な
どを吸引することはないと考えられる。
【0017】本発明は、このような知見のもとに、海洋
深層水を汲上げるためのシステムを提供するものであ
る。即ち、請求項1の発明では、火力発電プラントまた
は原子力発電プラントの冷却水として海水を利用する発
電システムにおいて、海底部から海面部まで立上り、か
つ前記海底部上の一定高さ位置に深層水汲み上げ用の取
水口を有する取水管を配設するとともに、この取水管の
上端に前記プラントへの深層水供給用の給水管を海面に
沿ってほぼ水平に連結したことを特徴とする海洋深層水
利用発電システムを提供する。
【0018】本発明のシステムを例えば1000MW級
の発電プラントに適用する場合、取水管および給水管と
して、直径を約3mのものを2本設置すればよい。
【0019】この複数本の取水管から深海水を汲上げ
て、発電プラントへ冷却水である海水を確実に供給する
ためには、中継位置に海水供給用のポンプを設けること
が望ましい。
【0020】そこで、請求項2の発明では、請求項1記
載の海洋深層水利用発電システムにおいて、給水管の海
側端部に給水用ポンプを設け、この給水用ポンプを支持
するための浮き台を、取水管の上端部に取付けたことを
特徴とする海洋深層水利用発電システムを提供する。
【0021】本発明では取水管が浮き台の支柱としての
機能も発揮することになる。そして、この浮き台から発
電プラントまでの給水管は海面付近に浮遊設置される。
なお、給水管が海流に流されないようにするため、海底
からのワイヤおよび錨等で給水管を係留させることが望
ましい。
【0022】また、本発明において望ましくは、取水管
の海水取水口を水深300mを超える深さで、かつ海底
から20m以上の高さに設置する。
【0023】ところで、本発明においては、例えば30
0mを超える深さから海水を取水することとなるため、
ポンプの吸い込み位置をできるだけ海面に近付け、ポン
プ動力を低減することが望ましい。
【0024】そこで、請求項3の発明では、請求項1記
載の海洋深層水利用発電システムにおいて、浮き台によ
って支持するポンプは海面付近に配置し、かつそのポン
プは、取水管および給水管内を流れる冷却水の流れ方向
を切替え可能とし、これにより前記取水管および給水管
内での逆流洗浄を可能としたことを特徴とする海洋深層
水利用発電システムを提供する。
【0025】本発明によれば、浮き台で支持するポンプ
が海面に近い位置であることにより、ポンプ吸い込み圧
力は、配管長さ約300mの管路抵抗と海面からの数メ
ートル程度の水頭圧力だけとなるため、ポンプ動力の低
減が図れるようになる。
【0026】また、浮き台の上のポンプの接続配管の入
口および出口等にて海水の流動方向を切り替えることに
より、取水管および給水管内の流れを容易に逆流させる
ことができるため、管内の逆流洗浄が容易に行える。し
たがって、管内の逆流洗浄が容易に行えるため、保守の
容易化、メンテナンス性などにおいても大幅な改善が図
れる。
【0027】以上の本発明による海洋深層水利用発電シ
ステムによると、通年して温度変化が少なく、かつ低温
の海水を発電プラントの冷却水として使用することがで
きる。例えば夏期には冷却水温度がこれまで20℃以上
の状態であったのに対し、10℃以下まで低下した冷却
水を使用できるため、発電効率を約1ポイント上昇する
ことができる。
【0028】なお、海洋深層水とは一般に、水深200
m〜300mを超える深海の水をいい、この特徴として
「低温性」、「富栄養性」、「清浄性」等が挙げられ
る。したがって、本発明によれば、配管系や復水器内部
での汚れや、貝の成長および付着問題などが発生しにく
く、清掃や貝除去作業を実施する時間間隔が長期化でき
る利点もある。また、取水に際して取水口の位置を海底
から20m以上高くすることにより、砂や塵などの海底
堆積物を吸い込みむことを防止でき、効率的な発電プラ
ントの運営が可能となる。
【0029】さらに、取水管は鉛直に海底から立上らせ
るように設置するが、この取水管は内部をそのまま冷却
水の導管として利用することができるとともに、浮き台
の支持用としても機能させることができるので、資材の
有効利用により建設費を低減することができる。
【0030】さらに、取水管から発電プラントまでの給
水管は、浮き台を利用して海水中に浮遊設置することが
できる。そして、この給水管については、海流によって
流動しないように、例えば海底からワイヤ、錨等で係留
させればよい。したがって、給水管は海面に浮遊してい
る状態で良く、この点でも建設費の低減が図れる。
【0031】また、浮き台から発電プラントまでの冷却
水配管である給水管は、海側先端をポンプとともに浮き
台によって同一高さ位置に支持されることから、ポンプ
から受ける力は押し込み圧力となるため、配管材質は幅
広く選択することが可能となる。
【0032】そこで、請求項4の発明では、請求項1か
ら3までのいずれかに記載の海洋深層水利用発電システ
ムにおいて、取水管または給水管は、織布製の管または
樹脂成形による管であることを特徴とする海洋深層水利
用発電システムを提供する。
【0033】このように、比重の小さい織布製の管、あ
るいは樹脂成形による管が適用できるので、海面に沿っ
て容易に敷設することができる。
【0034】ところで、発電プラントで熱交換されて温
度上昇した海水の戻り水は、海洋深層水の持つ「富栄養
性」および「清浄性」を有することから養殖場用海水と
して好適なものである。つまり、海洋深層水水域は太陽
光が到達しないことから有機成分には乏しいものの、ミ
ネラルなどの無機栄養分に富む。したがって、この深層
海水を用いれば、従来にない養殖や独特の海洋牧場が形
成され、生物の活性的育成が可能となる。
【0035】そこで、請求項5の発明では、請求項1か
ら4までのいずれかに記載の海洋深層水利用発電システ
ムにおいて、プラントから熱交換後に戻される冷却水戻
り水を海側に導く戻り配管を取水管の近傍に配置すると
ともに、前記取水管、給水管または戻り配管の少なくと
も1つを用いて一定海域を囲む網を設置し、その海域に
前記戻り配管の出口から放出される温水を流し込むこと
によりその内側を魚貝類の養殖池として利用することを
特徴とする海洋深層水利用発電システムを提供する。
【0036】このような構成によると、発電プラントか
らの温度上昇した深層水を網の内部に排水することによ
り、栄養豊富な養殖場として活用することができ、養殖
や独特の海洋牧場が形成される。
【0037】また、請求項6の発明では、請求項1から
5までのいずれかに記載の海洋深層水利用発電システム
において、海底部から立上る取水管およびそれに支持さ
れる浮き台に代え、浮き台は浮力によって海面に浮く構
成とし、この浮き台に対し、取水管を宙吊状態で海中に
配置する一方、給水管を海面上で連結し、これら浮き
台、取水管および給水管を、ワイヤ類を介して海底から
係留したことを特徴とする海洋深層水利用発電システム
を提供する。
【0038】本発明によれば、浮き台および支柱となる
取水管を直接海底に固定するのではなく、海中に宙吊状
態とし、浮き台そのものを海底からワイヤ類で係留させ
るとともに、浮き台から発電プラントまでの配管である
給水管も海底からのワイヤ等で係留させて浮遊固定させ
ることにより、全体構成を軽量化できるとともに設置を
容易化することができる。また、ワイヤ類の部分を利用
して網を設置することができ、魚貝類の養殖場としての
活用がさらに容易に行えるようになる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。
【0040】図1は海洋深層水を用いた火力発電プラン
トのシステム構成を示す概略図である。
【0041】本実施形態の発電システムは、海岸部に発
電プラント1が設置され、冷却水として海洋深層水を利
用するものであり、海底部2から海面部3まで立上り、
かつ海底部2上の一定高さ位置に深層水汲み上げ用の取
水口4を有する垂直な取水管5が配設されている。この
取水管5の上端に発電プラント1への深層水供給用の給
水管6が海面に沿ってほぼ水平に連結されている。給水
管6の海側端部には給水用ポンプ7が設けられ、この給
水用ポンプ7を支持するための浮き台8が、取水管5の
上端部に取付けられている。
【0042】なお、本実施形態では取水管5および給水
管6が例えば直径3mで、一定の間隔でそれぞれ2本ず
つ設けられている。そして、取水管5が設置される海洋
の水深aは例えば300mであり、取水口4の海底部2
からの高さbは約20m以上とされている。このような
取水口4の位置では、水温が年間を通じて約4〜5℃で
ある。
【0043】また、取水管5は金属製(例えばスチール
等)で、下端部が海底部2に固定され、上端部が海面部
3上方に突出してポンプ7に接続されている。給水管6
は、例えば織布製の管または樹脂成形による管によって
構成されている。
【0044】浮き台8によって支持されるポンプ7は海
面付近に配置され、かつこのポンプ7は、取水管5およ
び給水管6内を流れる冷却水の流れ方向を切替え可能と
され、これにより取水管5および給水管6内での逆流洗
浄が可能となっている。
【0045】また、発電プラント1から熱交換後に戻さ
れる冷却水戻り水を海側に導く垂直な戻り配管9が取水
管5の近傍に配置され、この戻り配管9の上下方向中間
位置のやや下側位置に、海岸側に向って戻り水を放出す
る戻り水出口10が設けられている。
【0046】そして、取水管5、給水管6または戻り配
管9の少なくとも1つを用いて一定海域を囲む網11が
設置され、その海域に戻り配管9の出口から放出される
温水を流し込むことによりその内側を魚貝類の養殖池1
2として利用するようにしてある。
【0047】さらに、海面部3の給水管6の配設部位に
は複数の浮き13が給水管6の長さ方向に沿って間隔的
に配置されており、これらの各浮き13は、ワイヤ類1
4およびその先端に設けた錨15によって海底部12に
係留されるとともに、給水管6を接続保持し、これによ
り給水管6が海流等によって漂流することを防止するよ
うになっている。
【0048】以上の構成を有する本実施形態のシステム
によれば、ポンプ7の駆動により取水管5の取水口4か
ら吸引された約4〜5℃の深層水が、その取水管5およ
び給水管6を介して発電プラント1の例えば復水器等に
取込まれ、熱交換作用に供される。この場合、取込まれ
る深層水は従来の海面付近の海水に比べて低い。したが
って、約4〜5℃の海洋深層水の持つ冷熱を復水器にて
活用し、ランキン発電サイクルの作動温度幅を従来に比
して約10℃以上拡大することが可能となり、これりに
より発電効率の改善が図れ、化石燃料を大幅に節約する
ことに寄与できる。
【0049】また、本実施形態によれば、浮き台8で支
持するポンプ7が海面に近い位置であることにより、ポ
ンプ吸い込み圧力は、取水管長さ約300mの管路抵抗
と、海面からの数メートル程度の水頭圧力だけとなるた
め、ポンプ動力の低減が図れるようになる。
【0050】また、浮き台8上のポンプ7の接続配管の
入口および出口等にて海水の流動方向を切り替えること
により、各管5,6,8内の流れを容易に逆流させるこ
とができるため、管内の逆流洗浄が容易に行える。した
がって、管5,6,8内の逆流洗浄が容易に行えるた
め、保守の容易化、メンテナンス性などにおいても大幅
な改善が図れる。
【0051】また、本実施形態においては、海洋深層水
の「低温性」、「富栄養性」、「清浄性」等により、各
管5,6,8や復水器内部での汚れ、あるいは貝の成長
および付着問題などが発生しにくく、清掃や貝除去作業
を実施する時間間隔が長期化できる利点もある。また、
取水に際して取水口4の位置を海底から20m以上高く
することにより、砂や塵などの海底堆積物を吸い込むこ
とを防止でき、効率的な発電プラントの運営が可能とな
る。
【0052】さらに、取水管5は鉛直に海底から立上ら
せ、そのまま冷却水の導管として利用することができる
とともに、浮き台8の支持用としても機能させることが
できるので、資材の有効利用により建設費を低減するこ
とができる。
【0053】さらに、取水管5から発電プラント1まで
の給水管6は、浮き台8を利用して海水中に浮遊設置す
ることができる。そして、この給水管6については、海
流によって漂流しないように、海底からワイヤ類12お
よび錨15によって係留させたので、給水管6は海面に
浮遊している状態で良く、この点でも建設費の低減が図
れる。
【0054】また、浮き台8から発電プラント1までの
冷却水配管である給水管6は、海側先端をポンプ7とと
もに浮き台8によって同一高さ位置に支持されることか
ら、ポンプ7から受ける力は押し込み圧力となるため、
比重の小さい織布製の管、あるいは樹脂成形による管を
適用して、海面に沿って容易に敷設することができる。
【0055】さらに本実施形態では、発電プラント1か
らの温度上昇した深層水を網11の内部に排水すること
により、栄養豊富な養殖場として活用することができ、
養殖や独特の海洋牧場が形成できる。即ち、本実施形態
によれば、養殖池(多くは海上に生け簀として設置)等
とした場合の水質が大幅に改善でき、衛生上からも病原
菌などの繁殖が防止できることから魚の発育も良く、養
殖事業が安全かつ経済的に行えるようになる。
【0056】なお、本発明においては、浮き台8および
支柱となる取水管5を直接海底部2に固定するのではな
く、海中に宙吊状態とし、浮き台8そのものを海底部2
からワイヤ類で係留させるとともに、浮き台8から発電
プラント1までの給水管6も海底部2からのワイヤ等で
係留させて浮遊固定させるようにしてもよい。ワイヤ類
の部分を利用して網を設置すれば、全体構成の軽量化お
よび設置の容易化等が図れ、魚貝類の養殖場としての活
用がさらに容易に行えるようになる。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、我国の
周囲に無尽蔵にある天然の冷熱源である海洋深層水を発
電プラントの冷却水に利用することにより、発電プラン
トの効率が大幅に改善され、また取水管や復水器での貝
除去や伝熱面清掃などを行う時間間隔を大幅に改善でき
る等の効果もある。
【0058】しかも、海洋深層水の持つ「富栄養性」お
よび「清浄性」等の特性を活用して、発電プラントの冷
却水利用による取水海水の温度上昇作用を取り込むこと
により、養殖漁業に有効に利用することができる。
【0059】よって本発明によれば、発電プラントを中
心として、そのエネルギー効率を改善することによる新
エネルギー導入と同様の電力量確保の効果が奏されると
ともに、周辺地域の漁業活性化等を併せた総合的効果が
奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による海洋深層水利用発電システムの一
実施形態を示す構成図。
【符号の説明】
1 発電プラント 2 海底部 3 海面部 4 取水口 5 取水管 6 給水管 7 給水用ポンプ 8 浮き台 9 戻り配管 10 戻り水出口 11 網 12 養殖池 13 浮き 14 ワイヤ類 15 錨
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沖田 信雄 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火力発電プラントまたは原子力発電プラ
    ントの冷却水として海水を利用する発電システムにおい
    て、海底部から海面部まで立上り、かつ前記海底部上の
    一定高さ位置に深層水汲み上げ用の取水口を有する取水
    管を配設するとともに、この取水管の上端に前記プラン
    トへの深層水供給用の給水管を海面に沿ってほぼ水平に
    連結したことを特徴とする海洋深層水利用発電システ
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の海洋深層水利用発電シス
    テムにおいて、給水管の海側端部に給水用ポンプを設
    け、この給水用ポンプを支持するための浮き台を、取水
    管の上端部に取付けたことを特徴とする海洋深層水利用
    発電システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の海洋深層水利用発電シス
    テムにおいて、浮き台によって支持するポンプは海面付
    近に配置し、かつそのポンプは、取水管および給水管内
    を流れる冷却水の流れ方向を切替え可能とし、これによ
    り前記取水管および給水管内での逆流洗浄を可能とした
    ことを特徴とする海洋深層水利用発電システム。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載の
    海洋深層水利用発電システムにおいて、取水管または給
    水管は、織布製の管または樹脂成形による管であること
    を特徴とする海洋深層水利用発電システム。
  5. 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
    海洋深層水利用発電システムにおいて、プラントから熱
    交換後に戻される冷却水戻り水を海側に導く戻り配管を
    取水管の近傍に配置するとともに、前記取水管、給水管
    または戻り配管の少なくとも1つを用いて一定海域を囲
    む網を設置し、その海域に前記戻り配管の出口から放出
    される温水を流し込むことによりその内側を魚貝類の養
    殖池として利用することを特徴とする海洋深層水利用発
    電システム。
  6. 【請求項6】 請求項1から5までのいずれかに記載の
    海洋深層水利用発電システムにおいて、海底部から立上
    る取水管およびそれに支持される浮き台に代え、浮き台
    は浮力によって海面に浮く構成とし、この浮き台に対
    し、取水管を宙吊状態で海中に配置する一方、給水管を
    海面上で連結し、これら浮き台、取水管および給水管
    を、ワイヤ類を介して海底から係留したことを特徴とす
    る海洋深層水利用発電システム。
JP9310651A 1997-11-12 1997-11-12 海洋深層水利用発電システム Pending JPH11148312A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012017549A (ja) * 2010-07-06 2012-01-26 Osaka City Univ 閉鎖性水域における人工排熱処理システム
US8424307B2 (en) 2008-11-14 2013-04-23 Industrial Technology Research Institute Ocean thermal energy conversion system and condenser thereof
CN115147239A (zh) * 2022-06-10 2022-10-04 自然资源部第一海洋研究所 新建滨海电厂温升区环境本底水温推算方法及温升计算方法

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