JPH1114327A - 3次元形状計測方法及びその装置 - Google Patents

3次元形状計測方法及びその装置

Info

Publication number
JPH1114327A
JPH1114327A JP9168321A JP16832197A JPH1114327A JP H1114327 A JPH1114327 A JP H1114327A JP 9168321 A JP9168321 A JP 9168321A JP 16832197 A JP16832197 A JP 16832197A JP H1114327 A JPH1114327 A JP H1114327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
phase
dimensional shape
image
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9168321A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3454088B2 (ja
Inventor
Ryosuke Mitaka
良介 三高
Yuji Sakuma
▲祐▼治 佐久間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP16832197A priority Critical patent/JP3454088B2/ja
Publication of JPH1114327A publication Critical patent/JPH1114327A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3454088B2 publication Critical patent/JP3454088B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】ノイズ等による誤計測の発生を抑えることがで
きる3次元形状計測方法及びその装置を提供する。 【解決手段】液晶表示部3に表示する正弦波状(縞模
様)のパターンを対象物(頭部H)に投影し、パターン
の位相をπ/2ずつシフトしながら対象物の画像(パタ
ーン画像G1 〜G4 )を取り込む。パターン画像G1
各位置の位相を1周期(0〜2π)毎に求めた画像(以
下、「位相画像」と呼ぶ。)を生成する。ここで、位相
画像に対して1次元の縁点検出フィルタによるフィルタ
処理を行うことにより、ノイズや毛髪等の局所的な明度
の乱れに影響されることなく、正しい位相境界位置を検
出することができ、信頼性の高い位相復元が可能とな
る。さらに、各位置の位相値をもとに三角測量の原理に
よって対象物の3次元形状を計測できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物、特に人体
のような半透明の物体の3次元形状を高精度に計測する
ことが可能な3次元形状計測方法及びその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】美容器具の分野において、その効果を定
量的に評価するにあたっては、計測の対象物が生体であ
るため非侵襲的に計測が行えることが望ましい。例え
ば、美肌器具のように人体表面形状に変化が現れるもの
の評価をする場合、その形状を計測する目的において、
生体は柔軟な物体であるために物理的接触を伴う計測方
法では接触圧力による対象物の変形が生じ、正確な計測
が行えない。従って、人体の計測は非接触で行う必要が
ある。
【0003】一般的な工業部品等の3次元形状を非接触
で計測する計測装置においては、安価であり且つ高い精
度が得られることから所謂光切断法が最も頻繁に使用さ
れる。しかしながら、上記光切断法では人体、特に目に
対して有害なレーザ光線を使用するため、対象物を人体
とする場合には使用できない。そこで、人体の3次元形
状を計測する方法としては、従来より人体にほぼ無害な
白色光源を利用して高精度の計測が可能な位相シフト法
(縞走査法)が用いられている。
【0004】上記位相シフト法は、正弦波状の明暗分布
を有するパターンを位相シフトさせながら複数回にわた
って対象物に投影し、位相シフトに同期させてパターン
の投影方向と異なる方向から対象物を撮像して複数のパ
ターン画像を得るとともに、各パターン画像の同一位置
で位相シフトにより生じる明度変化に基づいてパターン
画像の各位置に対する1周期分の位相を求め、1周期分
の位相の境界となる位置を検出し、この位相境界位置で
の位相を連結することによりパターン画像の各位置にお
ける位相を復元するとともに、復元された位相から三角
測量の原理によって前記対象物の3次元形状を計測する
ものである。
【0005】かかる位相シフト法を用いて人体の3次元
形状を計測する従来例として、TVカメラを用いて、1
画素当たり100μm程度の粗い分解能により人体の目
尻部分に生じる比較的に大きなしわの計測を行う方法
が、粧技誌第28巻第2号153頁〜162頁(199
4)に記載されている。また、上記の位相復元のための
技術としては、特公平3ー38524号公報において開
示されているように計測対象物の近くにパターン全体を
捉えることができるような広い基準面を配置し、この基
準面に投影される歪みのないパターンを基準位相として
計測し、これをもとにして対象物に投影されたパターン
の歪みを求めるという方法がある。
【0006】さらに位相シフト法による3次元形状計測
装置の従来例としては、特開平4ー98111号公報に
開示されているように、光を遮断して明暗を有するパタ
ーンを対象物に投影するため、格子の背後から照明装置
により照明するとともに格子の前面に配置した集光レン
ズにより対象物に対して格子状のパターンを投影するも
のがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記文献〔粧技誌第2
8巻第2号153頁〜162頁(1994)〕に記載さ
れている従来例では比較的に大きなしわを計測の対象と
しているが、所謂小じわと呼ばれる微細なしわの幅は1
00μmを下回る場合が多く、かかる従来例の分解能で
は上記のような小じわを計測することができない。ゆえ
に、小じわの計測のためにはより高い分解能での計測が
必要となる。
【0008】しかしながら、高い分解能で計測を行うと
人体の皮膚表面に散在する毛髪やほくろ等の黒色の物体
によってパターン画像の明度変化が局所的に不明瞭とな
ることの影響が大となる。また、人体の皮膚は半透明で
あるために光を透過しやすく、投影した光(パターン)
が皮膚内部に浸透・拡散し、パターンの明度変化と撮像
される対象物表面の明度変化に差異が生じる。このよう
にパターン画像の明度変化が不明瞭となったり、明度変
化に差異が生じることの影響は、きわめて微細な凹凸形
状を計測するために画像取得手段を高分解能とすると、
より顕著に現れる。
【0009】以上のような理由により、位相シフト法に
よる高分解能での3次元形状計測においては、パターン
が投影された対象物を撮像したパターン画像にノイズや
歪みが生じやすいという問題が生じていた。このノイズ
や歪みの影響は、複数のパターン画像間で同一位置の明
度変化から1周期分(0〜2π)ごとに求められるパタ
ーン画像の位相を連結する処理において、位相の境界位
置を検出する際に誤りを生じ、その誤りが結果として大
きな計測誤差を生じる要因となる点が最大の問題であ
る。
【0010】一方、特公平3−38524号公報に記載
されている従来例においては、TVカメラの視野内に基
準面の全体を捉える必要があるが、対象物(人体)は画
面の一部にしか捉えられないためにTVカメラの分解能
が十分に活用されないという問題があった。また、計測
装置の構成上も基準面を設置する必要があり、人体のよ
うに加工することのできない対象物に対しては適用が困
難であるという問題があった。
【0011】さらに、特開平4−98111号公報に記
載されている従来例においては、上記のような基準面を
設置する必要はないものの、指向性の低い光源の光を対
象物に投影するために集光レンズを用いる必要があり、
かつパターンを位相シフトさせるために格子を物理的手
段により移動させる機構が必要となり、そのためにパタ
ーンの投影装置が大型になるという問題があった。
【0012】また、人体を対象とする3次元形状計測方
法においては、工業部品と違って対象物が生体であるた
めに計測中に対象物(人体又はその一部)を完全に固定
することが困難であり、対象物が静止している必要があ
る上記位相シフト法を適用するにあたっては間題が生じ
る。さらに、上記のような人体を対象とした3次元形状
計測装置は、多数の被験者に対して広く計測を行う必要
があることから、小型・軽量で運搬が容易であることが
不可欠である。
【0013】本発明は上記問題に鑑みて為されたもので
あり、その目的とするところは、ノイズ等による誤計測
の発生を抑えることができる3次元形状計測方法を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、正弦波状の明暗分布を有するパ
ターンを位相シフトさせながら複数回にわたって対象物
に投影し、前記位相シフトに同期させて該パターンの投
影方向と異なる方向から対象物を撮像して複数のパター
ン画像を得るとともに、各パターン画像の同一位置で前
記位相シフトにより生じる明度変化に基づいて前記パタ
ーン画像の各位置に対する1周期分の位相を求め、該1
周期分の位相の境界となる位置を検出し該位相境界位置
での位相を連結することにより前記パターン画像の各位
置における位相を復元するとともに、復元された該位相
から三角測量の原理によって前記対象物の3次元形状を
計測する3次元形状計測方法において、前記パターン画
像の各位置に対して求めた1周期分の位相に対し該周期
の切り換わりを検出するフィルタを用いて前記位相境界
位置を検出することを特徴とし、ノイズや毛髪等の局所
的な明度の乱れに影響されることなく、正しい位相境界
位置を検出することができ、信頼性の高い位相復元が可
能となる。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、対象物の移動方向と速度とに基づいて上記複数のパ
ターン画像間での対象物の移動量を求めて、パターン画
像の位置情報を補正することを特徴とし、撮像の際に対
象物が完全に静止していない場合にも、対象物の移動が
等速直線運動であるとみなせるときには簡易な補正処理
により位相シフト法による3次元形状計測を行うことが
できる。
【0016】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、上記各パターン画像同士を照合処理することにより
パターン画像間での対象物の移動量を求めて、パターン
画像の位置情報を補正することを特徴とし、撮像の際に
対象物が完全に静止しておらず、且つその移動が不規則
な場合であっても位置情報を補正することで位相シフト
法による3次元形状計測を行うことができる。
【0017】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、半透明の対象物に対して光の散乱により生じるパタ
ーンの変形を考慮し、対象物に投影するパターンを補正
することを特徴とし、対象物が半透明であることにより
投影されたパターンに歪みが発生する場合に、その歪み
を予め予測し、パターン表示手段に表示するパターンを
補正することにより正しい計測が行える。
【0018】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、半透明の対象物に対して光の散乱により生じる3次
元の高さ情報の歪みを該歪みの周期性に基づいて補正す
ることを特徴とし、対象物が半透明であることにより投
影されたパターンに歪みが発生する揚合に、その歪みが
周期性を有することに基づいて処理結果を補正すること
により正しい計測が行える。
【0019】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、計測された対象物の3次元の高さ情報に対して周波
数分離処理を行うことを特徴とし、対象物から大域的な
特徴と局所的な特徴を分離し、また周期的に発生する歪
みを除去することが可能となる。請求項7の発明は、請
求項1の発明において、光学系の構成により発生する上
記パターン画像の幾何学的な歪みを画像処理により補正
することを特徴とし、光学系の構成に伴って定常的に発
生する計測誤差を打ち消すことが可能となる。
【0020】請求項8の発明は、線状あるいは点状の光
源を有し対象物に光を照射する光照射手段と、前記光照
射手段の前面に配置され且つ部分的に光の透過率が可変
できるパターン表示手段と、該パターン表示手段により
パターンが投影された対象物を視野全体に捉えて撮像す
る撮像手段と、該撮像手段により撮像されたパターン画
像を量子化する量子化手段と、量子化されたパターン画
像を格納する記憶手段と、該記憶手段に格納されたパタ
ーン画像に画像処理を行う画像処理手段とを備え、前記
パターン表示手段により正弦波状の明暗分布を有するパ
ターンを位相シフトさせながら複数回にわたって対象物
に投影し、前記位相シフトに同期させて前記撮像手段に
より該パターンの投影方向と異なる方向から対象物を撮
像して複数のパターン画像を得るとともに、前記画像処
理手段にて、各パターン画像の同一位置で前記位相シフ
トにより生じる明度変化に基づいて前記パターン画像の
各位置に対する1周期分の位相を求め、該1周期分の位
相の境界となる位置を検出し該位相境界位置での位相を
連結することにより前記パターン画像の各位置における
位相を復元するとともに、復元された該位相から三角測
量の原理によって前記対象物の3次元形状を計測する3
次元形状計測装置であって、前記パターン画像の各位置
に対して求めた1周期分の位相に対し該周期の切り換わ
りを検出するフィルタを備え、該フィルタを用いて前記
位相境界位置を検出して成ることを特徴とし、ノイズや
毛髪等の局所的な明度の乱れに影響されることなく、正
しい位相境界位置を検出することができ、信頼性の高い
位相復元が可能となる。また、対象物を撮像手段の視野
全体に捉えることにより撮像手段の分解能を完全に活用
できる。さらに、線状あるいは点状の光源を有する光照
射手段を備えているため、光照射手段から照射される光
自体に指向性があり、投影用のレンズを使用することな
く対象物に明暗のパターンを投影でき、装置全体を小型
化することができる。
【0021】請求項9の発明は、請求項8の発明におい
て、前記パターン表示手段に液晶パネルを用いて成るこ
とを特徴とし、パターンの位相をシフトするために機械
的な機構が不要となり、装置全体を小型化することがで
きる。請求項10の発明は、請求項8の発明において、
光照射手段の光軸上にシリンドリカルレンズを配置する
ことを特徴とし、パターン表示手段に照射される光を平
行光線とすることができるためにパターンが歪むことが
なく、奥行き方向の深い対象物も計測可能となる。
【0022】請求項11の発明は、請求項8の発明にお
いて、光照射手段から対象物までの光路又は対象物から
撮像手段までの光路中の少なくとも一方に配置されるミ
ラーを備えたことを特徴とし、光路をミラーで折り返す
ことによって光照射手段と撮像手段を並列させて設置す
ることができ、装置全体を小型化することができる。請
求項12の発明は、請求項8の発明において、前記光路
中に色の通過帯域の狭い光学フィルタを配置して成るこ
とを特徴とし、光照射系及び撮像系のレンズの色収差に
伴う計測誤差の発生を抑制することができる。
【0023】請求項13の発明は、請求項8の発明にお
いて、前記撮像手段の光を取り込む部分の前面に偏光フ
ィルタを配置して成ることを特徴とし、表面に光沢のあ
る対象物の計測の際に外乱光の影響を低滅することがで
きる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)以下、本発明の3次元形状計測方法及び
計測装置を人の顔面の3次元形状、特に目尻部分のしわ
を計測する方法並びに計測装置に適用した実施形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。
【0025】まず、本発明の3次元形状計測装置の構成
を説明する。図1は本発明装置を示すブロック図であ
り、CCDカメラなどの撮像部1と、白色光のように人
体に照射しても安全な光を極めて細い線状の光として照
射する光照射部2と、光照射部2の照射方向前方に配置
されて正弦波状のパターンを形成する液晶表示部3と、
液晶表示部3を駆動する液晶駆動部4と、撮像部1で撮
像したアナログ画像を量子化する量子化部(フレームグ
ラバ)5と、量子化部5で量子化されたディジタル画像
の画素データが格納されるメモリ部6と、メモリ部6に
格納されたディジタル画像(画素データ)に対して後述
する各種の処理を行う画像処理部7と、画像処理部7か
らのパターン制御命令を液晶駆動部4に伝送するインタ
フェース部8とを備え、撮像部1、光照射部2、液晶表
示部3並びに液晶駆動部4がハウジング9内に収納され
て計測ヘッドAが構成してある。なお、量子化部5、メ
モリ部6、画像処理部7並びにインタフェース部8は、
例えばディスプレイ装置を備えたパーソナルコンピュー
タにて構成される。
【0026】計測ヘッドAのハウジング9には開口部9
aが設けてあり、開口部9aを含む平面(開口面)の法
線方向に撮像部1の光軸を略一致させるとともに、開口
面の法線方向から所定の角度だけ傾いた方向に光照射部
2の光軸を一致させてある。而して、計測の対象物であ
る人体の頭部Hを固定台10によってハウジング9の開
口部9aに近接して固定することにより、撮像部1の光
軸を頭部Hの目尻部分に略直交させるようになってい
る。
【0027】図2に示すように光照射部2は極めて細い
線状の発光部2aを有している。この発光部2aは、例
えば光ファイバアレイによって構成され、計測ヘッドA
の外部に設けた光源(図示せず)から光ファイバを用い
てハウジング9内に導入された光を液晶表示部3に向け
て出射するものである。一方、液晶表示部3は多階調表
示が可能な液晶パネルで構成されており、表示濃度に応
じて任意のパターンが表示できるものであって、後方か
ら光照射部2の光が照射されることで、表示濃度に応じ
たパターンをハウジング9の開口部9aを通して対象物
(頭部Hの目尻部分)に投影することができる。ここ
で、上記パターンは、光照射部2の発光部2a長手方向
と略直交する方向に表示濃度が正弦波状に変化する縞模
様としてある(図3参照)。なお、このパターンの位相
はインタフェース部8を介して画像処理部7から伝送さ
れてくるパターン制御命令に基づいて液晶駆動部4によ
って瞬時に切り換えることができる。
【0028】而して、開口部9aに対向する頭部Hの目
尻部分には横方向の明度が正弦波状に変化する縞模様の
パターンが投影され、このパターンの投影方向と異なる
方向から撮像している撮像部1の画像(以下、「パター
ン画像」と呼ぶ。)には、頭部H表面(顔面)の凹凸に
よって生じる変形(歪み)が観測される。上述のように
光照射部2の発光部2aの長手方向が液晶表示部3に表
示される縞模様のパターンの縦方向(縞の方向)と略一
致するように光照射部2と液晶表示部3を配置すること
で、投影用レンズを用いることなく液晶表示部3に表示
された縞模様のパターンを対象物に投影することができ
る。しかも、外部に設けた光源の光を光ファイバ等を使
って光照射部2に導く上記構成を採ることにより、大型
化の原因となる光源を外部に配置し、投影用レンズを不
要としたことと相まって計測ヘッドAの小型化並びに軽
量化が図れるものである。
【0029】次に本発明装置を用いた3次元形状計測方
法について、図4に示すフローチャートを参照して説明
する。まず、本発明装置を図1に示すようにセッティン
グし、対象物(頭部Hの目尻部分)に図3に示すような
縞模様のパターンを投影するとともに、パターンが投影
された対象物の画像(パターン画像)を撮像部1にて取
り込む。取り込んだパターン画像は量子化部5で量子化
されてメモリ部6に格納される。CPUを主構成要素と
する画像処理部7は、パターン画像が取り込まれるとイ
ンタフェース部8を介して液晶駆動部4にパターン制御
命令を出力し、縞模様の位相をπ/2だけシフトした新
たなパターンを液晶表示部3に表示させ、かかるパター
ンを対象物に投影させる。以後、位相をπ/2ずつシフ
トさせながらパターン画像を4回取り込むことにより、
図5に示すような4つのパターン画像G1 〜G4 を得
る。
【0030】ここで、パターン画像G1 〜G4 の任意の
位置(画素)Pに着目すると、その位置Pの明度(濃度
値のデータ)の変化とパターンの位相変調量との間には
図6に示すような関係がある。但し、図6では位置Pの
明度Iを縦軸、位相変調量を横軸としている。この明度
変化を正弦関数で近似することにより、元のパターン
(位相変調量がゼロのパターン)のパターン画像G1
おける位置Pの位相を求めることができる。
【0031】いま、位置Pを2次元直交座標系でP
(x,y)、位置Pの位相をα(x,y)、各パターン
画像G1 〜G4 における位置P(x,y)の明度を各々
1 (x,y)〜I4 (x,y)とすれば、位相α
(x,y)は下記式1により求められる。
【0032】
【式1】
【0033】画像処理部7は、上記式1によりパターン
画像G1 の全ての位置に対して位相α(x,y)を求め
ることにより、図7に示すようにパターン画像G1 にお
ける各位置の位相を1周期(0〜2π)毎に求めた画像
(以下、「位相画像」と呼ぶ。)を生成する。さらに、
これら1周期毎の位相の切り換わりの位置S1 …を求
め、各周期毎に位相に2πずつ加算することでパターン
画像G1 における位相が完全に復元され、各位置の位相
値をもとに三角測量の原理によって対象物の3次元形状
を計測できる。なお、各位置の位相値から3次元形状
(3次元直交座標系における各座標値)を求める演算に
ついては、従来技術(粧技誌第28巻第2号153頁〜
162頁(1994)又は特開平4ー98111号公報
参照)と共通であるから詳しい説明は省略する。
【0034】次に本発明の要旨となる部分について説明
する。上述のように1周期毎の位相の切り換わりの位置
1 …を求める際には、通常は位相が2πから0に変化
する位置をもってその周期の位相境界位置(位相の切り
換わり位置)とする方法が用いられる。しかしながら、
対象物である人の頭部Hの表面には毛髪やほくろ等の黒
色の特徴が散在しており、かかる部分では位置の明度が
極めて低くなるために正しい位相値が得られない場合が
ある。また、人の皮膚が半透明であることから、対象物
に投影されたパターン光が内部に浸透・拡散し、パター
ン画像G1 〜G4 の各位置の明度値I1 (x,y)〜I
4 (x,y)が実際よりも低下してしまうことがある。
そのために位相境界位置においては、図8に示すように
位相境界近傍での位相値が0と2πの何れに近い値とな
るかが不定になり易く、位相境界位置が不明瞭になって
しまい、単純に位相値が2πから0に変化する位置をも
って位相境界位置とする方法では正しい位相復元が行え
ない場合がある。
【0035】一方、全ての位置について1周期毎に位相
を求めて得られる位相画像は、図7に示すように横方向
の各位置に対する位相が1周期毎に不連続となった鋸歯
状の画像となる。そこで、本発明ではかかる特徴を抽出
するフィルタを上記位相画像に適用することにより、上
述のように位相境界位置が不明瞭であっても正しい位相
復元が行えるようにしている。
【0036】具体的には、図9に示すような所謂1次元
の縁点検出フィルタを適用し、ある注目画素P(x,
y)の位置において、上記縁点検出フィルタと当該画像
との畳み込み演算を画像処理部7にて行うことにより、
鋸歯の検出値V(x,y)が得られる。すなわち、縁点
検出フィルタの幅をn(本実施形態ではn=6)とする
とき、上記検出値V(x,y)は下記式2で表される。
【0037】V(x,y)=-P(x-n/2,y)-P(x-n/2+1,y) ……-P
(x-1,y)+P(x,y)+P(x+1,y) ……+P(x+n/2-1,y)+P(x+n/2,
y) 図7に示した位相画像に対して上記フィルタ処理を行っ
た結果で得られる画像を図10に示す。この検出値V
(x,y)の横方向(X方向)でのピーク値を検出する
ことにより、上述のようなノイズや毛髪等の局所的な明
度の乱れに影響されることなく、正しい位相境界位置を
検出することができ、信頼性の高い位相復元が可能とな
る。
【0038】図11は画像処理部7にて上記フィルタ処
理により位相境界位置を求める場合のフローチャートを
示しており、上記位相画像に対し縁点検出フィルタとの
畳み込み演算を実行して検出値V(x,y)を求め、求
めた検出値V(x,y)がしきい値以下となる領域の検
出値V(x,y)のピーク値をとる位置を抽出し、さら
に抽出した検出値V(x,y)のピーク値同士の間で最
大値をとる位置を検出することにより位相境界位置を求
め、それを位相境界位置として登録する処理が行われ
る。
【0039】上述のように本発明に係る3次元形状検出
方法によれば、全ての位置について1周期毎に位相を求
めて得られる位相画像に対して1次元の縁点検出フィル
タを適用することにより、1周期毎の位相の境界位置を
検出してパターン画像の位相を復元する処理を、特公平
3−38524号公報に記載されている従来装置のよう
に基準面を設置することなく、且つノイズや毛髪等の局
所的な明度の乱れに影響されることなく行うことがで
き、信頼性の高い位相復元が可能となる。
【0040】ところで、本発明装置の構成では光照射部
2の発光部2aが有する指向性を移用して縞模様のパタ
ーンの投影を行うため、発光部2aと液晶表示部3との
距離が離れる程に対象物に投影されるパターンの寸法が
大きくなるという特徴が現れる。よって、パターンの縦
方向のレンジが大きい場合等にはこれがパターン画像G
1 …の歪みを生じる原因となる可能性がある。そこで、
このような場合には光照射部2の発光部2aの前面にシ
リンドリカルレンズを配置し、発光部2aからの線状光
を略平行光線とするようにすれば、上記のような歪みの
ないパターンを投影することができる。なお、上記の如
くシリンドリカルレンズを使用する場合には、パターン
の周辺部で色収差を生じるという欠点がある。これに対
処するためには、線状光の光路中、例えばシリンドリカ
ルレンズと発光部2aとの間に金属薄膜干渉フィルタの
ような特定の帯域(色)の光を選択的に透過するフィル
タを挿入することによって、かかる色収差の影響を除去
することができる。
【0041】また本実施形態においては、対象物(頭部
H)に対して光軸がほぼ正対するように計測ヘッドAの
ハウジング9内に撮像部1を配置するとともに、撮像部
1の光軸から所定の角度だけ光軸が傾くようにハウジン
グ9内に光照射部2及び液晶表示部3を配置する必要が
ある。このため、撮像部1と光照射部2及び液晶表示部
3を一つのハウジング9内に収納しようとすると計測ヘ
ッドA全体のサイズが大型となってしまう。そこで、光
照射部2から開口面あるいは開口面から撮像部1までの
少なくとも一方の光路中にミラーを配設し、このミラー
にて少なくとも一方の光路を折り返すことにより、上記
2つの光軸の方向差を小さくするように設定すれば、計
測ヘッドAの小型化が可能となる。
【0042】ところで、人間の皮膚表面には皮脂が付着
していて艶があるため、光源や周辺の光等が映り込んで
計測の邪魔となることが考えられる。このような場合に
は、撮像部1のレンズの前面に偏光フィルタを取り付け
ることにより、上記のような映り込みを除去して計測誤
差の発生を防ぐことができる。 (実施形態2)本発明の3次元形状計測方法の基本とな
る位相シフト法においては、各パターン画像G1 〜G4
の同一位置(画素)の明度を比較する処理が必要なた
め、撮像部1にてパターン画像G1 〜G4 を取り込む間
は対象物が静止している必要がある。しかしながら、本
実施形態では対象物が人(頭部H)であることから、完
全に固定することが困難でパターン画像G1 〜G4 を取
り込む間に対象物が移動したしまう可能性があり、この
ような対象物の移動によって各パターン画像G1 〜G4
の同一位置の座標値が対象物の同一位置とならない場合
が生じる。よって、かかる対象物の移動量を求めて補正
する必要がある。
【0043】そこで本実施形態では、所謂テンプレート
マッチングによって各パターン画像G1 〜G4 間での対
象物の移動量を求め、求めた移動量に基づいて各パター
ン画像G1 〜G4 の位置補正を行うようにしている。図
12は画像処理部7にて行う上記位置補正の処理を示す
フローチャートである。画像処理部7にて最初のパター
ン画像G1 が基準画像として図示しないディスプレイ装
置等の画面に表示され、計測者によって画面上の任意の
場所にマッチング用のテンプレートとして切り出す矩形
部分が選択されるとともに、マッチング用のテンプレー
トとして登録される。そして、他のパターン画像G2
4 に対して登録したテンプレートを適用し、テンプレ
ートに類似する部分を各パターン画像G2 〜G4 から探
し出すとともに、基準画像(パターン画像G1 )からテ
ンプレートを切り出した位置と、他のパターン画像G2
〜G4 において当該テンプレートがマッチした位置との
差をもって移動量とする。但し、対象物には縞模様のパ
ターンが投影されており、かつそのパターンが各パター
ン画像G1 〜G4によって位相がシフトされているた
め、テンプレートマッチング処理を行う前処理として一
旦各パターン画像G1 〜G4 のエッジを検出する処理を
行っておくことが望ましい。このようにエッジが検出さ
れた画像に対してパターンマッチングを行うことによ
り、投影されたパターンによる明度変化の影響を除外す
ることが可能となる。そして、求めた移動量の符号を反
転させた分だけパターン画像G2〜G4 をスクロールす
る処理を行うことによって位置補正が完了する。
【0044】ところで、本実施形態のように人の目尻部
分のしわを計測する場合においては、複数のパターン画
像G1 〜G4 を短時間で取り込むことができることか
ら、対象物(頭部H)の移動を等速直線運動とみなすこ
とができる。このように対象物の移動が等速直線運動で
あるとみなせる場合には、上記テンプレートマッチング
処理を最初のパターン画像G1 と最後のパターン画像G
4 に対してのみ実行し、他のパターン画像G2 ,G3
対する移動量は上記パターン画像G1 ,G4 間での移動
から内挿により求めることができる。
【0045】(実施形態3)既に説明したように、本実
施形態の対象物である人体の皮膚は半透明のため、投影
されたパターンが多少にじんだように観測される。この
状態を図13に示す。同図中イは投影したパターンの曲
線、ロは観測された明度値の曲線である。人体の場合、
投影した光が皮膚内部に浸透し拡散することにより、図
13に示すように観測される明度値の曲線ロでは投影さ
れるパターンに比較して明るい部分が狭く観測されると
いう特徴が現れる。このため、当該部分で計測される位
相値は変化が真の値よりも急峻となり、結果として計測
された3次元形状が周期性のある歪みを有することとな
る(図14参照)。
【0046】そこで、本実施形態では上記のような特徴
を考慮して、対象物に投影するパターンを予め正弦波か
ら変形しておくことにより(パターンの曲線イ’)、図
15に示すように観測される明度値の曲線ロ’がほぼ正
弦波に近いものとなって、歪みのない3次元形状を得る
ことができる。あるいは、前述の歪みが投影されるパタ
ーンの周期と一致した周期で現れることを利用し、パタ
ーンの1周期毎に生じる位相値の歪みを補正する係数を
位相値の関数として予め設定しておき、前述の縁点検出
フィルタによって検出された位相境界値の情報を利用し
て位相値を補正する方法が有効である。
【0047】または、周波数分離を行うことによって同
様の効果を得る方法も考えられる。前述のとおり、歪み
はある特定の周期性をもって発生するため、フーリエ変
換などによる空間周波数フィルタリングにより除去する
ことが可能である。なお、パターン画像G1 …の歪みに
関しては、以上のような要因の他に、撮像部1のレンズ
の収差に伴う歪みの影響も生じる。このような歪みは常
に同じ量の歪みとなってパターン画面G1 …全体に現れ
るので、まず基準となる平面を計測し、基準平面に対す
る計測結果と毎回の計測結果を差分することにより歪み
を効果的に補正することができる。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明は、正弦波状の明暗分布
を有するパターンを位相シフトさせながら複数回にわた
って対象物に投影し、前記位相シフトに同期させて該パ
ターンの投影方向と異なる方向から対象物を撮像して複
数のパターン画像を得るとともに、各パターン画像の同
一位置で前記位相シフトにより生じる明度変化に基づい
て前記パターン画像の各位置に対する1周期分の位相を
求め、該1周期分の位相の境界となる位置を検出し該位
相境界位置での位相を連結することにより前記パターン
画像の各位置における位相を復元するとともに、復元さ
れた該位相から三角測量の原理によって前記対象物の3
次元形状を計測する3次元形状計測方法において、前記
パターン画像の各位置に対して求めた1周期分の位相に
対し該周期の切り換わりを検出するフィルタを用いて前
記位相境界位置を検出するので、ノイズや毛髪等の局所
的な明度の乱れに影響されることなく、正しい位相境界
位置を検出することができ、信頼性の高い位相復元が可
能となるという効果がある。
【0049】請求項2の発明は、対象物の移動方向と速
度とに基づいて上記複数のパターン画像間での対象物の
移動量を求めて、パターン画像の位置情報を補正するの
で、撮像の際に対象物が完全に静止していない場合に
も、対象物の移動が等速直線運動であるとみなせるとき
には簡易な補正処理により位相シフト法による3次元形
状計測を行うことができるという効果がある。
【0050】請求項3の発明は、上記各パターン画像同
士を照合処理することによりパターン画像間での対象物
の移動量を求めて、パターン画像の位置情報を補正する
ので、撮像の際に対象物が完全に静止しておらず、且つ
その移動が不規則な場合であっても位置情報を補正する
ことで位相シフト法による3次元形状計測を行うことが
できるという効果がある。
【0051】請求項4の発明は、半透明の対象物に対し
て光の散乱により生じるパターンの変形を考慮し、対象
物に投影するパターンを補正するので、対象物が半透明
であることにより投影されたパターンに歪みが発生する
場合に、その歪みを予め予測し、パターン表示手段に表
示するパターンを補正することにより正しい計測が行え
るという効果がある。
【0052】請求項5の発明は、半透明の対象物に対し
て光の散乱により生じる3次元の高さ情報の歪みを該歪
みの周期性に基づいて補正するので、対象物が半透明で
あることにより投影されたパターンに歪みが発生する揚
合に、その歪みが周期性を有することに基づいて処理結
果を補正することにより正しい計測が行えるという効果
がある。
【0053】請求項6の発明は、計測された対象物の3
次元の高さ情報に対して周波数分離処理を行うので、対
象物から大域的な特徴と局所的な特徴を分離し、また周
期的に発生する歪みを除去することが可能となるという
効果がある。請求項7の発明は、光学系の構成により発
生する上記パターン画像の幾何学的な歪みを画像処理に
より補正するので、光学系の構成に伴って定常的に発生
する計測誤差を打ち消すことが可能となるという効果が
ある。請求項8の発明は、線状あるいは点状の光源を有
し対象物に光を照射する光照射手段と、前記光照射手段
の前面に配置され且つ部分的に光の透過率が可変できる
パターン表示手段と、該パターン表示手段によりパター
ンが投影された対象物を視野全体に捉えて撮像する撮像
手段と、該撮像手段により撮像されたパターン画像を量
子化する量子化手段と、量子化されたパターン画像を格
納する記憶手段と、該記憶手段に格納されたパターン画
像に画像処理を行う画像処理手段とを備え、前記パター
ン表示手段により正弦波状の明暗分布を有するパターン
を位相シフトさせながら複数回にわたって対象物に投影
し、前記位相シフトに同期させて前記撮像手段により該
パターンの投影方向と異なる方向から対象物を撮像して
複数のパターン画像を得るとともに、前記画像処理手段
にて、各パターン画像の同一位置で前記位相シフトによ
り生じる明度変化に基づいて前記パターン画像の各位置
に対する1周期分の位相を求め、該1周期分の位相の境
界となる位置を検出し該位相境界位置での位相を連結す
ることにより前記パターン画像の各位置における位相を
復元するとともに、復元された該位相から三角測量の原
理によって前記対象物の3次元形状を計測する3次元形
状計測装置であって、前記パターン画像の各位置に対し
て求めた1周期分の位相に対し該周期の切り換わりを検
出するフィルタを備え、該フィルタを用いて前記位相境
界位置を検出して成るので、ノイズや毛髪等の局所的な
明度の乱れに影響されることなく、正しい位相境界位置
を検出することができ、信頼性の高い位相復元が可能と
なるという効果がある。また、対象物を撮像手段の視野
全体に捉えることにより撮像手段の分解能を完全に活用
できるという効果がある。さらに、線状あるいは点状の
光源を有する光照射手段を備えているため、光照射手段
から照射される光自体に指向性があり、投影用のレンズ
を使用することなく対象物に明暗のパターンを投影で
き、装置全体を小型化することができるという効果があ
る。
【0054】請求項9の発明は、前記パターン表示手段
に液晶パネルを用いて成るので、パターンの位相をシフ
トするために機械的な機構が不要となり、装置全体を小
型化することができるという効果がある。請求項10の
発明は、光照射手段の光軸上にシリンドリカルレンズを
配置するので、パターン表示手段に照射される光を平行
光線とすることができるためにパターンが歪むことがな
く、奥行き方向の深い対象物も計測可能となるという効
果がある。
【0055】請求項11の発明は、光照射手段から対象
物までの光路又は対象物から撮像手段までの光路中の少
なくとも一方に配置されるミラーを備えたので、光路を
ミラーで折り返すことによって光照射手段と撮像手段を
並列させて設置することができ、装置全体を小型化する
ことができるという効果がある。請求項12の発明は、
前記光路中に色の通過帯域の狭い光学フィルタを配置し
て成るので、光照射系及び撮像系のレンズの色収差に伴
う計測誤差の発生を抑制することができるという効果が
ある。
【0056】請求項13の発明は、前記撮像手段の光を
取り込む部分の前面に偏光フィルタを配置して成るの
で、表面に光沢のある対象物の計測の際に外乱光の影響
を低滅することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る3次元形状計測装置の実施形態を
示すブロック構成図である。
【図2】同上における光照射部及び液晶表示部を示す斜
視図である。
【図3】同上における液晶表示部に表示される縞模様の
パターンを示す図である。
【図4】同上における3次元形状計測のための処理を示
すフローチャートである。
【図5】同上を説明するための説明図である。
【図6】同上を説明するための説明図である。
【図7】同上を説明するための説明図である。
【図8】同上を説明するための説明図である。
【図9】同上において用いられる1次元の縁点検出フィ
ルタを説明するための説明図である。
【図10】同上において縁点検出フィルタを用いて位相
境界位置を求める処理を説明するための説明図である。
【図11】同上において縁点検出フィルタを用いて位相
境界位置を求める処理を説明するためのフローチャート
である。
【図12】実施形態2における位置補正の処理を示すフ
ローチャートである。
【図13】実施形態3を説明するための説明図である。
【図14】同上を説明するための説明図である。
【図15】同上を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 撮像部 2 光照射部 3 液晶表示部 4 液晶駆動部 5 量子化部 6 メモリ部 7 画像処理部 8 インタフェース部 9 ハウジング 9a 開口部 10 固定台 A 計測ヘッド
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】かかる位相シフト法を用いて人体の3次元
形状を計測する従来例として、TVカメラを用いて、1
画素当たり100μm程度の粗い分解能により人体の目
尻部分に生じる比較的大きなしわの計測を行う方法が、
粧技誌第28巻第2号153頁〜162頁(1994)
に記載されている。また、上記の位相復元のための技術
としては、特公平3ー38524号公報において開示さ
れているように計測対象物の近くにパターン全体を捉え
ることができるような広い基準面を配置し、この基準面
に投影される歪みのないパターンを基準位相として計測
し、これをもとにして対象物に投影されたパターンの歪
みを求めるという方法がある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】一方、特公平3−38524号公報に記載
されている従来例においては、TVカメラの視野内に基
準面の全体を捉える必要があるが、対象物は画面の一部
にしか捉えられないためにTVカメラの分解能が十分に
活用されないという問題があった。また、計測装置の構
成上も基準面を設置する必要があり、人体のように加工
することのできない対象物に対しては適用が困難である
という問題があった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】請求項13の発明は、請求項8の発明にお
いて、前記撮像手段の光を取り込む部分の前面に偏光フ
ィルタを配置して成ることを特徴とし、表面に光沢のあ
る対象物の計測の際に外乱光の影響を低減することがで
きる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】次に本発明の要旨となる部分について説明
する。上述のように1周期毎の位相の切り換わりの位置
1 …を求める際には、通常は位相が2πから0に変化
する位置をもってその周期の位相境界位置(位相の切り
換わり位置)とする方法が用いられる。しかしながら、
対象物である人の頭部Hの表面には毛髪やほくろ等の黒
色の特徴が散在しており、かかる部分では明度が極めて
低くなるために正しい位相値が得られない場合がある。
また、人の皮膚が半透明であることから、対象物に投影
されたパターン光が内部に浸透・拡散し、パターン画像
1 〜G4 の各位置の明度値I1 (x,y)〜I
4 (x,y)が実際よりも低下してしまうことがある。
そのために位相境界位置においては、図8に示すように
位相境界近傍での位相値が0と2πの何れに近い値とな
るかが不定になり易く、位相境界位置が不明瞭になって
しまい、単純に位相値が2πから0に変化する位置をも
って位相境界位置とする方法では正しい位相復元が行え
ない場合がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】図11は画像処理部7にて上記フィルタ処
理により位相境界位置を求める場合のフローチャートを
示しており、上記位相画像に対し縁点検出フィルタとの
畳み込み演算を実行して検出値V(x,y)を求め、求
めた検出値V(x,y)がしきい値以下となる領域の検
出値V(x,y)のピーク値をとる位置を抽出し、さら
に抽出した検出値V(x,y)の下方向のピーク値同士
の間で最大値をとる位置を検出することにより位相境界
位置を求め、それを位相境界位置として登録する処理が
行われる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正弦波状の明暗分布を有するパターンを
    位相シフトさせながら複数回にわたって対象物に投影
    し、前記位相シフトに同期させて該パターンの投影方向
    と異なる方向から対象物を撮像して複数のパターン画像
    を得るとともに、各パターン画像の同一位置で前記位相
    シフトにより生じる明度変化に基づいて前記パターン画
    像の各位置に対する1周期分の位相を求め、該1周期分
    の位相の境界となる位置を検出し該位相境界位置での位
    相を連結することにより前記パターン画像の各位置にお
    ける位相を復元するとともに、復元された該位相から三
    角測量の原理によって前記対象物の3次元形状を計測す
    る3次元形状計測方法において、前記パターン画像の各
    位置に対して求めた1周期分の位相に対し該周期の切り
    換わりを検出するフィルタを用いて前記位相境界位置を
    検出することを特徴とする3次元形状計測方法。
  2. 【請求項2】 対象物の移動方向と速度とに基づいて上
    記複数のパターン画像間での対象物の移動量を求めて、
    パターン画像の位置情報を補正することを特徴とする請
    求項1記載の3次元形状計測方法。
  3. 【請求項3】 上記各パターン画像同士を照合処理する
    ことによりパターン画像間での対象物の移動量を求め
    て、パターン画像の位置情報を補正することを特徴とす
    る請求項1記載の3次元形状計測方法。
  4. 【請求項4】 半透明の対象物に対して光の散乱により
    生じるパターンの変形を考慮し、対象物に投影するパタ
    ーンを補正することを特徴とする請求項1記載の3次元
    形状計測方法。
  5. 【請求項5】 半透明の対象物に対して光の散乱により
    生じる3次元の高さ情報の歪みを該歪みの周期性に基づ
    いて補正することを特徴とする請求項1記載の3次元形
    状計測方法。
  6. 【請求項6】 計測された対象物の3次元の高さ情報に
    対して周波数分離処理を行うことを特徴とする請求項1
    記載の3次元形状計測方法。
  7. 【請求項7】 光学系の構成により発生する上記パター
    ン画像の幾何学的な歪みを画像処理により補正すること
    を特徴とする請求項1記載の3次元形状計測方法。
  8. 【請求項8】 線状あるいは点状の光源を有し対象物に
    光を照射する光照射手段と、前記光照射手段の前面に配
    置され且つ部分的に光の透過率が可変できるパターン表
    示手段と、該パターン表示手段によりパターンが投影さ
    れた対象物を視野全体に捉えて撮像する撮像手段と、該
    撮像手段により撮像されたパターン画像を量子化する量
    子化手段と、量子化されたパターン画像を格納する記憶
    手段と、該記憶手段に格納されたパターン画像に画像処
    理を行う画像処理手段とを備え、前記パターン表示手段
    により正弦波状の明暗分布を有するパターンを位相シフ
    トさせながら複数回にわたって対象物に投影し、前記位
    相シフトに同期させて前記撮像手段により該パターンの
    投影方向と異なる方向から対象物を撮像して複数のパタ
    ーン画像を得るとともに、前記画像処理手段にて、各パ
    ターン画像の同一位置で前記位相シフトにより生じる明
    度変化に基づいて前記パターン画像の各位置に対する1
    周期分の位相を求め、該1周期分の位相の境界となる位
    置を検出し該位相境界位置での位相を連結することによ
    り前記パターン画像の各位置における位相を復元すると
    ともに、復元された該位相から三角測量の原理によって
    前記対象物の3次元形状を計測する3次元形状計測装置
    であって、前記パターン画像の各位置に対して求めた1
    周期分の位相に対し該周期の切り換わりを検出するフィ
    ルタを備え、該フィルタを用いて前記位相境界位置を検
    出して成ることを特徴とする3次元形状計測装置。
  9. 【請求項9】 前記パターン表示手段に液晶パネルを用
    いて成ることを特徴とする請求項8記載の3次元形状計
    測装置。
  10. 【請求項10】 光照射手段の光軸上にシリンドリカル
    レンズを配置することを特徴とする請求項8記載の3次
    元形状計測装置。
  11. 【請求項11】 光照射手段から対象物までの光路又は
    対象物から撮像手段までの光路中の少なくとも一方に配
    置されるミラーを備えたことを特徴とする請求項8記載
    の3次元形状計測装置。
  12. 【請求項12】 前記光路中に色の通過帯域の狭い光学
    フィルタを配置して成ることを特徴とする請求項8記載
    の3次元形状計測装置。
  13. 【請求項13】 前記撮像手段の光を取り込む部分の前
    面に偏光フィルタを配置して成ることを特徴とする請求
    項8記載の3次元形状計測装置。
JP16832197A 1997-06-25 1997-06-25 3次元形状計測方法及びその装置 Expired - Fee Related JP3454088B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16832197A JP3454088B2 (ja) 1997-06-25 1997-06-25 3次元形状計測方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16832197A JP3454088B2 (ja) 1997-06-25 1997-06-25 3次元形状計測方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1114327A true JPH1114327A (ja) 1999-01-22
JP3454088B2 JP3454088B2 (ja) 2003-10-06

Family

ID=15865877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16832197A Expired - Fee Related JP3454088B2 (ja) 1997-06-25 1997-06-25 3次元形状計測方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3454088B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020094308A (ko) * 2001-06-08 2002-12-18 삼성테크윈 주식회사 부품 검사 장치 및, 방법
KR100468869B1 (ko) * 2002-06-12 2005-01-29 삼성테크윈 주식회사 모아레 간섭 무늬를 이용한 부품 검사 장치 및, 방법
JP2010039912A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Sony Corp 静脈パターン取得装置、静脈パターン取得方法および静脈テンプレート
JP2010096568A (ja) * 2008-10-15 2010-04-30 Fujifilm Corp 測距装置および測距方法並びにプログラム
JP2010181299A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Ckd Corp 三次元計測装置
JP2011242304A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Niigata Univ 表面形状の測定方法及び測定装置
JP2015132509A (ja) * 2014-01-10 2015-07-23 凸版印刷株式会社 画像データ取得システム及び画像データ取得方法
JP2016080393A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 キヤノン株式会社 三次元計測装置、三次元計測方法及びプログラム
JP2019045360A (ja) * 2017-09-04 2019-03-22 株式会社ミツトヨ 画像処理装置、画像処理システム及びプログラム

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020094308A (ko) * 2001-06-08 2002-12-18 삼성테크윈 주식회사 부품 검사 장치 및, 방법
KR100468869B1 (ko) * 2002-06-12 2005-01-29 삼성테크윈 주식회사 모아레 간섭 무늬를 이용한 부품 검사 장치 및, 방법
JP2010039912A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Sony Corp 静脈パターン取得装置、静脈パターン取得方法および静脈テンプレート
JP2010096568A (ja) * 2008-10-15 2010-04-30 Fujifilm Corp 測距装置および測距方法並びにプログラム
JP4629136B2 (ja) * 2008-10-15 2011-02-09 富士フイルム株式会社 測距装置および測距方法並びにプログラム
JP2010181299A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Ckd Corp 三次元計測装置
JP2011242304A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Niigata Univ 表面形状の測定方法及び測定装置
JP2015132509A (ja) * 2014-01-10 2015-07-23 凸版印刷株式会社 画像データ取得システム及び画像データ取得方法
JP2016080393A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 キヤノン株式会社 三次元計測装置、三次元計測方法及びプログラム
JP2019045360A (ja) * 2017-09-04 2019-03-22 株式会社ミツトヨ 画像処理装置、画像処理システム及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3454088B2 (ja) 2003-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190191141A1 (en) Motion blur compensation
US6549288B1 (en) Structured-light, triangulation-based three-dimensional digitizer
US7342668B2 (en) High speed multiple line three-dimensional digitalization
RU2521725C2 (ru) Система и способ трехмерного измерения формы материальных объектов
US6252623B1 (en) Three dimensional imaging system
EP2212645B1 (en) Method for optical measurement of the three dimensional geometry of objects
JP3525964B2 (ja) 物体の三次元形状計測方法
US8170297B2 (en) Face authentication system and face authentication method
US6377298B1 (en) Method and device for geometric calibration of CCD cameras
TW488145B (en) Three-dimensional profile scanning system
EP3497618B1 (en) Independently processing plurality of regions of interest
JP2003178297A (ja) 画像相関に基づいた変位測定システムにおける変位誤差を減少させるのに用いられる方法、装置、記憶媒体および搬送波
WO2012151173A1 (en) Three-dimensional scanner for hand-held phones
JP2000099711A (ja) ナビゲ―ション位置取得方法
JPH11242745A (ja) 顔画像の計測・処理方法
US11080511B2 (en) Contactless rolled fingerprints
JP3454088B2 (ja) 3次元形状計測方法及びその装置
TWI388797B (zh) Three - dimensional model reconstruction method and its system
JP2019190969A (ja) 画像処理装置、画像処理方法
JP6486083B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
RU125335U1 (ru) Устройство контроля линейных размеров трехмерных объектов
JPH07260451A (ja) 3次元形状測定システム
US10657665B2 (en) Apparatus and method for generating three-dimensional information
JP2002031511A (ja) 3次元デジタイザ
JPH07113623A (ja) 3次元形状データの位置合わせのための方法と装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030624

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070725

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090725

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090725

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090725

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090725

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100725

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100725

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees