JPH11142076A - 大容量型地下温冷熱蓄熱装置 - Google Patents

大容量型地下温冷熱蓄熱装置

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JPH11142076A
JPH11142076A JP9306940A JP30694097A JPH11142076A JP H11142076 A JPH11142076 A JP H11142076A JP 9306940 A JP9306940 A JP 9306940A JP 30694097 A JP30694097 A JP 30694097A JP H11142076 A JPH11142076 A JP H11142076A
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JP
Japan
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heat
cavity
cold
underground
rock
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JP9306940A
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Yoshiaki Inada
善紀 稲田
Kazushige Kajikawa
和滋 梶川
Norimichi Oki
紀通 大木
Takao Ueda
貴夫 上田
Hisashi Hanzawa
久 半沢
Mitsuki Yamamoto
光起 山本
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Takenaka Komuten Co Ltd
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Takenaka Komuten Co Ltd
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
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    • Y02E60/14Thermal energy storage

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  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、地下空洞における地下蓄熱を利
用した大容量型地下温冷熱蓄熱装置に関し、大容量の冷
熱,温熱を地下の1つの蓄熱領域に蓄熱することができ
る大容量型地下温冷熱蓄熱装置を提供することを目的と
する。 【解決手段】 地下に大容量の冷熱または温熱を蓄熱
した後、放熱する大容量型地下温冷熱蓄熱装置におい
て、地下の岩盤に、空洞壁面で囲まれた空洞を形成し、
空洞内に、2つの分割空洞に区画する熱遮断仕切壁を設
置したことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下空洞における
地下蓄熱を利用した大容量型地下温冷熱蓄熱装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、夏期には冷房等の冷熱の供給が著
しく増大するとともに、冬季には暖房等の温熱の供給が
著しく増大しており、季節間にまたがる大容量の冷熱蓄
熱,温熱蓄熱が要求されている。蓄熱システムとして
は、冷水または温水に熱エネルギを蓄える方式が一般的
なものとされているが、特に、冷熱蓄熱の能力が問題と
されている。
【0003】例えば冷熱蓄熱として利用される氷蓄熱プ
ラントは、夜間電力を用いて製氷した熱を昼間の電力利
用ピーク時に適用することによって省エネルギ効果を狙
うといった1日をサイクルとしたものであった。この氷
蓄熱プラントの蓄熱槽は、1日で使用する量の蓄熱規模
であるため、季節間にまたがる大容量の熱供給に対して
は不足していた。
【0004】そこで、季節間にまたがる大容量の熱供給
として、地下に蓄熱することが考えられる。大容量の冷
熱蓄熱,温熱蓄熱を同時に行なうためには、複数の蓄熱
領域が必要となり、例えば、特開昭60−162141
号公報に示す地下水循環利用システムが知られている。
この地下水循環利用システムは、地下にある複数の帯水
層に連通する夏期用及び冬季用の各井戸のうちの一方か
ら汲み上げた地下水を熱交換した後、他方の井戸に注入
して蓄熱を行なうものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この地下水
循環利用システムでは、大容量の冷熱,温熱を蓄熱する
ために、冷熱蓄熱用の帯水層,温熱蓄熱用の帯水層から
なる2つの蓄熱領域が必要とされている。蓄熱領域とし
ての地下水に代えて、地下に大容量の冷熱,温熱を同時
に蓄熱することが考えられる。しかし、例えば、夏期、
太陽熱等により温熱を地下に蓄熱し、冬季に利用するこ
とはできるが、地下に1つの蓄熱領域しかない場合に
は、地下の1つの蓄熱領域に大容量の温熱と冷熱を同時
に蓄熱することは困難とされている。すなわち、大容量
の冷熱,温熱の同時蓄熱は困難であった。
【0006】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、大容量の冷熱,温熱を地
下の1つの蓄熱領域に蓄熱することができる大容量型地
下温冷熱蓄熱装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
地下に大容量の冷熱または温熱を蓄熱した後、放熱する
大容量型地下温冷熱蓄熱装置において、地下の岩盤に、
空洞壁面で囲まれた空洞を形成し、空洞内に、2つの分
割空洞に区画する熱遮断仕切壁を設置したことを特徴と
する。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の大
容量型地下温冷熱蓄熱装置において、熱遮断仕切壁に
は、該熱遮断仕切壁の空洞壁面との接続部に沿って帯状
断熱部が設けられていることを特徴とする。請求項3記
載の発明は、請求項1記載の大容量型地下温冷熱蓄熱装
置において、熱遮断仕切壁の端部は空洞壁面を貫通して
岩盤に埋め込まれていることを特徴とする。
【0009】(作用)請求項1記載の発明においては、
夏期には、温熱源により温熱が蓄熱され、冷熱源から冷
熱が負荷に供給される。冬季には、冷熱源により冷熱が
蓄熱され、温熱源から温熱が負荷に供給される。以下説
明する。 (1)夏期 温熱源から一方の分割空洞内に温熱が供給される。これ
により、一方の分割空洞内の温度は上昇し、高温にな
る。一方の分割空洞内に温熱が蓄熱される。
【0010】同時に、一方の分割空洞から空洞壁面を介
して岩盤に温熱が伝達される。岩盤は熱容量が大きく且
つ熱伝達度が小さいため、長期間中、岩盤の空洞壁面の
近くに温熱が蓄熱される。一方、冬季に蓄熱された冷熱
は、一方の分割空洞及び岩盤に蓄熱されており、負荷側
に放熱される。
【0011】ここで、両分割空洞は、熱遮断仕切壁で仕
切られているため、分割空洞間における熱貫流が少なく
なっている。 (2)冬期 冷熱源から他方の分割空洞内に冷熱が供給される。これ
により、他方の分割空洞内の温度は下降し、低温にな
る。他方の分割空洞内に冷熱が蓄熱される。
【0012】同時に、他方の分割空洞から空洞壁面を介
して岩盤に冷熱が伝達される。岩盤は熱容量が大きく且
つ熱伝達度が小さいため、長期間中、岩盤の空洞壁面の
近くに冷熱が蓄熱される。一方、夏期に蓄熱された温熱
は、他方の分割空洞及び岩盤に蓄熱されており、負荷側
に放熱される。
【0013】請求項2記載の発明においては、一方の分
割空洞における熱遮断仕切壁の付近の岩盤から、他方の
分割空洞における熱遮断仕切壁の付近の岩盤に、熱貫流
が生じようとするが、帯状断熱部により熱遮断仕切壁の
付近の岩盤も熱遮断の機能が生じ、熱貫流が少なくな
る。請求項3記載の発明においては、一方の分割空洞に
おける熱遮断仕切壁の付近の岩盤から、他方の分割空洞
における熱遮断仕切壁の付近の岩盤に、熱貫流が生じよ
うとするが、地中挿入熱遮断仕切壁の端部により、熱貫
流が少なくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態について説明する。図1ないし図4により、請求項
1記載の発明の実施の形態に係わる大容量型地下温冷熱
蓄熱装置について説明する。図1において、符号1は、
請求項1記載の発明の実施の形態に係わる大容量型地下
温冷熱蓄熱装置で、大容量型地下温冷熱蓄熱装置1は、
岩盤からなる地下内部2に形成された空洞3を有してい
る。空洞3の容積は、例えば、10万m3 となってい
る。
【0015】空洞3は、水平地下面4とこの水平地下面
4の上方を覆う半球状のドーム壁面5とからなる空洞壁
面とで囲まれて構成されている。水平地下面4,ドーム
壁面5からなる空洞壁面は、岩盤になっており、空洞3
内に入れられた水が地下内部2に浸透するのを防止する
止水壁としての機能を果たし、岩盤からなる地下内部2
は、冷熱,温熱を蓄熱する機能を有している。
【0016】ドーム壁面5の頂部5Tから地面6にかけ
て縦孔7が掘られている。ドーム壁面5の頂部5Tに
は、縦孔7の下端との境界に空洞3内から縦孔7への熱
拡散を防ぐために、熱遮断蓋7Aが配設されている。空
洞3に、半円状の熱遮断仕切壁8が水平地下面4からド
ーム壁面5にかけて立設され、熱遮断仕切壁8は例え
ば、2枚のコンクリート壁層の間に断熱材を充填した平
板構造となっており、空洞3を一方の分割空洞9,他方
の分割空洞10に区画している。両分割空洞9,10の
容積は等しくなっている。
【0017】一方の分割空洞9の内部は、熱遮断仕切壁
8の図1上の左面8Aと、水平地下面4の熱遮断仕切壁
8より図1上の左側の岩盤部4Aと、ドーム壁面5の図
1上の左側の岩盤部5Aとで囲まれている温熱蓄熱槽9
Aとなっている。温熱蓄熱槽9Aには、岩盤部4A,岩
盤部5Aへの温熱伝達の機能と温熱蓄熱の機能を果たす
ため、温水が入れられている。
【0018】温熱蓄熱槽9Aには、第1仕切板11,第
2仕切板12,第3仕切板13が設けられている。第1
区画11A,第2区画12A,第3区画13A,第4区
画14Aが連続して形成され、温熱蓄熱槽9A内の温水
が第1区画11A→第2区画12A→第3区画13A→
第4区画14Aのように流れるようになっている。温熱
蓄熱槽9Aの第1区画11Aに、第1温水管15の一端
15Aが挿入されている。
【0019】温熱蓄熱槽9Aの第4区画14Aに、第2
温水管16の一端16Aが挿入されている。第2温水管
16の途中には第1温水用ポンプ16Cが介装されてい
る。他方の分割空洞10の内部は、熱遮断仕切壁8の図
1上の右面8Bと、水平地下面4の熱遮断仕切壁8より
図1上の右側の岩盤部4Bと、ドーム壁面5の図1上の
左側の岩盤部5Bとで囲まれている冷熱蓄熱槽10Aと
なっている。冷熱蓄熱槽10Aには、岩盤部4B,岩盤
部5Bへの冷熱伝達の機能と冷熱蓄熱の機能を果たすた
め、雪氷水が入れられている。
【0020】冷熱蓄熱槽10Aには、第1冷水管17の
一端17Aが挿入されるとともに、第2冷水管18の一
端18Aが挿入されている。第1冷水管17の途中には
第1冷水用ポンプ17Cが介装されている。第1冷水管
17の一端17Aは、水平地下面4の近くにまで伸びて
いる。第2冷水管18の一端18Aはドーム壁面5の頂
部5Tの近傍に配置され、第1冷水管17の一端17A
より上方に位置している。
【0021】第1温水管15,第2温水管16,第1冷
水管17,第2冷水管18は空洞3から縦孔7を貫通
し、地上側に突き出ている。地上側には、熱交換機群1
9が設置されている。熱交換機群19は、第1熱交換機
20と、第2熱交換機21と、第3熱交換機22とで構
成されている。第2熱交換機21と第3熱交換機22は
第1接続管23A,第2接続管23Bからなる接続回路
23を介して接続されている。
【0022】第1接続管23Aの途中には第1開閉弁2
4A,第2開閉弁24Bが介装され、第2接続管23B
の途中には第3開閉弁24Cが介装されている。第1熱
交換機20の出側20Aは第1供給回路25を介して負
荷側26に接続されている。第1供給回路25の途中に
は第2冷水用ポンプ25Cが介装されている。第1熱交
換機20の入側20Bには第1冷水管17の他端17
B,第2冷水管18の他端18Bが接続されている。
【0023】第1供給回路25には、第4開閉弁25
A,第5開閉弁25Bが介装されている。第1温水管1
5の他端15Bは、第1接続管23Aの第1開閉弁24
Aと第2開閉弁24Bの間の部分に接続されている。第
2温水管16の他端16Bは、第2接続管23Bの第3
開閉弁24Cと第3熱交換機22の間の部分に接続され
ている。
【0024】第2熱交換機21は第2供給回路27を介
して負荷側26に接続されている。第2供給回路27の
途中には第2温水用ポンプ27Cが介装されている。第
2供給回路27には第6開閉弁27A,第7開閉弁27
Bが介装されている。
【0025】第3熱交換機22は第3供給回路28を介
して温熱源29に接続されている。第3供給回路28の
途中には第3温水用ポンプ28Cが介装されている。温
熱源29として、太陽の熱エネルギを集めるソーラコレ
クタ,ごみ焼却施設から排出される熱エネルギ等が挙げ
られる。また、地上側には、雪氷粉砕装置30が配置さ
れ、この雪氷粉砕装置30は、コンベヤ31から雪氷を
投入するためのホッパ30Aと、雪氷を粉砕するクラッ
シャ30Bとから構成されている。ホッパ30Aの出口
は、縦孔7内に挿入された雪氷用管32に連結されてい
る。なお、符号33は積雪地帯に配されている流雪溝で
ある。
【0026】次に、本実施の形態における作用について
説明する。夏期においては、冬季に蓄熱された冷熱が放
熱され、温熱が蓄熱される。冬期においては、夏期に蓄
熱された温熱が放熱され、冷熱が蓄熱される。以下、説
明する。 (1)夏期 図2において、第1開閉弁24Aは閉状態、第2開閉弁
24Bは開状態、第3開閉弁24Cは閉状態、第4開閉
弁25Aは開状態、第5開閉弁25Bは開状態、第6開
閉弁27Aは閉状態、第7開閉弁27Bは閉状態となっ
ている。
【0027】図2の太線で示すように、温熱源29から
第3供給回路28,第3熱交換機22,第1温水管1
5,第2温水管16を介して一方の分割空洞9内の温熱
蓄熱槽9Aに温熱が供給される。これにより、温熱蓄熱
槽9A内の温水の水温は上昇し、高温になる。温熱蓄熱
槽9A内の温水に温熱が蓄熱される。
【0028】同時に、温熱蓄熱槽9Aの高温の温水から
水平地下面4,ドーム壁面5からなる空洞壁面を介して
岩盤部4A,岩盤部5Aに温熱が伝達される。そして、
岩盤部4A,岩盤部5Aは熱容量が大きく且つ熱伝達度
が小さいため、水平地下面4,ドーム壁面5から離れた
遠方にはほとんど熱伝達がされず、岩盤部4A,岩盤部
5Aの二点鎖線で囲まれた水平地下面4,ドーム壁面5
の近くの岩盤層Xに温熱がこもることになる。従って、
岩盤層Xの温度が高くなって蓄熱割合が多くなってい
る。空洞壁面から離れるに従って、岩盤部4A,岩盤部
5Aの温度は蓄熱をしない場合の一定温度(例えば15
℃)に除々に近づく。このようにして、温熱は逃げ場が
なくなり、長期間中、岩盤部4A,岩盤部5Aに蓄熱さ
れる。
【0029】なお、岩盤部4A,岩盤部5Aに温熱が蓄
熱されていることから、熱拡散が少なく、図4に示すよ
うに、地下の温熱蓄熱槽9Aにおける温水の水温降下
は、地上に蓄熱した場合に比して、小さくなっている。
温熱蓄熱槽9A内では、水温が下がり、第1区画11A
内に導かれた高温の水は、第1区画11A→第2区画1
2A→第3区画13A→第4区画14Aの順序で第4区
画14Aに流れ、岩盤部4A,岩盤部5Aに温熱が吸収
されることから、温水は流れるに従ってその水温が低く
なる。温熱蓄熱槽9A内での温度差のある温水は混じり
合うことが少なく、温熱が岩盤部4A,岩盤部5Aに伝
達される効率を高くしている。
【0030】例えば、第1温水管15から温熱蓄熱槽9
Aに導入される際の水温は90℃で、温熱蓄熱槽9Aを
通過する間に温熱が蓄熱されることから、熱交換で水温
は低くなり、温熱蓄熱槽9Aから第2温水管16に導出
される際の水温は15℃となる。ここで、一方の分割空
洞9は、熱遮断仕切壁8で他方の分割空洞10と仕切ら
れているため、分割空洞9,10間における熱貫流が防
止されている。
【0031】一方、冬季に蓄熱された冷熱は、冷熱蓄熱
槽10A,岩盤部4B,岩盤部5Bに蓄熱されており、
第1冷水管17,第2冷水管18,第1熱交換機20,
第1供給回路25を介して負荷側26に放熱される。例
えば、冷熱蓄熱槽10Aから第1冷水管17に冷水が供
給される際の水温は0℃となっており、この0℃の冷水
が、第1熱交換機20において、第1供給回路25側の
冷水と熱交換され、第2冷水管18の水温は上昇して1
3℃となり、13℃の冷水が第2冷水管18から冷熱蓄
熱槽10Aに戻る。そして、第1熱交換機20において
冷やされた第1供給回路25側の冷水は7℃となり、第
1供給回路25により7℃の冷水が冷熱として負荷側2
6に運ばれ、負荷側26は冷却され、熱交換される。こ
れにより、7℃の冷水は14℃に上昇して第1供給回路
25を介して第1熱交換機20に戻る。
【0032】(2)冬期 図3において、第1開閉弁24Aは開状態、第2開閉弁
24Bは閉状態、第3開閉弁24Cは開状態、第4開閉
弁25Aは閉状態、第5開閉弁25Bは閉状態、第6開
閉弁27Aは開状態、第7開閉弁27Bは開状態になっ
ている。流雪溝33に集められた流雪やダンプトラック
(図示せず)から投棄される雪氷等が例えばコンベヤ3
1を介して雪氷粉砕装置30に供給される。雪氷は雪氷
粉砕装置30により細かく砕かれる。細かい雪氷と冷水
(河川からの供給もある)が混合したものが雪氷用管3
2を通って冷熱源として冷熱蓄熱槽10A内に供給され
る。
【0033】冷熱蓄熱槽10Aでは、冷水は下に沈み、
雪氷は浮いている。このようにして、他方の分割空洞1
0内の冷熱蓄熱槽10Aに冷熱が供給される。これによ
り、冷熱蓄熱槽10A内の水温は下降し、低くなり(0
℃)、冷熱蓄熱槽10A内に冷熱が蓄熱される。岩盤部
4B,岩盤部5Bの二点鎖線で囲まれた水平地下面4,
ドーム壁面5の近くの岩盤層Yの温度が低くなって蓄熱
割合が多くなっている。空洞壁面から離れるに従って、
岩盤部4B,岩盤部5Bの温度は蓄熱をしない場合の一
定温度(例えば15℃)に除々に近づく。
【0034】同時に、冷熱蓄熱槽10A内の低温の冷水
から水平地下面4,ドーム壁面5からなる空洞壁面を介
して岩盤部4B,岩盤部5Bに冷熱が伝達される。そし
て、岩盤部4B,岩盤部5Bは熱容量が大きく且つ熱伝
達度が小さいため、水平地下面4,ドーム壁面5から離
れた遠方にはほとんど熱伝達がされず、岩盤部4B,岩
盤部5Bの二点鎖線で囲まれた水平地下面4,ドーム壁
面5の近くの岩盤層Yに冷熱がこもることになる。従っ
て、岩盤層Yの温度が低くなって蓄熱割合が多くなって
いる。空洞壁面から離れるに従って、岩盤部4B,岩盤
部5Bの温度は蓄熱をしない場合の一定温度(例えば1
5℃)に除々に近づく。このようにして、冷熱は逃げ場
がなくなり、長期間中、岩盤部4B,岩盤部5Bに蓄熱
される。
【0035】一方、夏季に蓄熱された温熱は、温熱蓄熱
槽9A,岩盤部4A,岩盤部5Aに蓄熱されており、第
1温水管15,第2温水管16,第2熱交換機21,第
2供給回路27を介して負荷側26に放熱される(図3
の太線で示す)。例えば、温熱蓄熱槽9Aから第2温水
管16に導入される際の水温は55℃となっており、こ
の55℃の水温が、第2熱交換機21において、第2供
給回路27側の温水と熱交換される。これにより、第2
冷水管18の水温は下降して45℃となる。45℃の温
水が第1温水管15から温熱蓄熱槽9Aに戻る。さら
に、第2供給回路27側により温熱が負荷側26に運ば
れ、負荷側26は、例えば45℃の温水で暖められ、熱
交換されることにより、30℃に下がって、第2供給回
路27を介して第2熱交換機21に戻る。
【0036】以上の如き構成によれば、空洞3に、2つ
の分割空洞9,10に区画する熱遮断仕切壁8により、
温熱媒体としての一方の分割空洞9内の温熱蓄熱槽9A
と、冷熱媒体としての他方の分割空洞10内の冷熱蓄熱
槽10Aとが形成され、温熱蓄熱槽9Aを囲む岩盤部4
A,岩盤部5Aを温熱蓄熱領域とすることができ、冷熱
蓄熱槽10Aを囲む岩盤部4B,岩盤部5Bを冷熱蓄熱
領域とすることができる。
【0037】従って、大容量の冷熱,温熱を地下内部に
蓄熱するために従来のように滞水層の如き2つの大容量
の蓄熱領域が無くても、岩盤の1つの大容量の蓄熱領域
を大容量の冷熱,温熱を蓄熱する2つの蓄熱領域に分割
し、大容量の冷熱,温熱の同時蓄熱を可能にする。ま
た、例えば温熱蓄熱槽9Aには90℃の温水が温熱とし
て供給され、岩盤部4A,岩盤部5Aにおける蓄熱温度
が高くなり、放熱温度を高くできる。一方、冷熱蓄熱槽
10Aには雪氷により0℃の冷水が冷熱として供給さ
れ、岩盤部4B,岩盤部5Bにおける蓄熱温度が低くな
り、放熱温度を低くできる。
【0038】なお、本実施の形態においては、2つの分
割空洞9,10の容積は等しくなっているが、冷熱,温
熱の要求の度合に従って適当な比率に設定できることは
勿論である。また、本実施の形態においては、熱遮断仕
切壁8は平板状になっているが、これに代えて、図5,
図6に示すように、請求項2記載の大容量型地下温冷熱
蓄熱装置として、熱遮断仕切壁8に上側の帯状断熱部5
1,下側の帯状断熱部52を設けることもできる。以
下、説明する。
【0039】図において、上側の帯状断熱部51は,熱
遮断仕切壁8の上端8Cに設けられ、空洞3のドーム壁
面5に熱遮断仕切壁8との接続部51Aに沿っている。
下側の帯状断熱部52は、熱遮断仕切壁8の下端8Dに
設けられ、空洞3の水平地下面4に熱遮断仕切壁8との
接続部52Aに沿っている。かかる構成によれば、一方
の分割空洞9における岩盤部4A,5Aの熱遮断仕切壁
8の付近から、他方の分割空洞10における岩盤部4
B,5Bの熱遮断仕切壁8の付近に、熱貫流が生じよう
とするが、帯状断熱部51,52により岩盤部4A,5
A,4B,5Bの熱遮断仕切壁8の付近Z(2点鎖線で
示す)の岩盤も熱遮断の機能が生じ、熱貫流が少なくな
る。従って、温熱及び冷熱の蓄熱効率を向上させること
ができる。
【0040】そして、図7に示すように、下側の帯状断
熱部53を、空洞3の水平地下面Sと熱遮断仕切壁8の
接続部53Aに沿う帯状の本体部53Bと、帯状の本体
部53Bの両端に設けられ空洞3の水平地下面4から岩
盤部4Cの内部に埋め込まれている埋込プレート53
C,53Dとで構成することもできる。その上、本実施
の形態においては、熱遮断仕切壁8は水平地下面4から
ドーム壁面5にかけて立設されているが、これに代え
て、図8に示すように、請求項3記載の大容量型地下温
冷熱蓄熱装置として、熱遮断仕切壁8の端部8Eを空洞
3の水平地下面4から岩盤部4Cの内部に埋め込むこと
もできる。かかる構成によれば、一方の分割空洞9にお
ける熱遮断仕切壁8の付近の岩盤部4Aから、他方の分
割空洞10における熱遮断仕切壁8の付近の岩盤部4B
に、熱貫流が生じようとするが、水平地下面4に挿入さ
れた熱遮断仕切壁8の端部8Eにより、熱貫流が少なく
なり、温熱及び冷熱の蓄熱効率を向上させることができ
る。
【0041】さらに、本実施の形態においては、空洞3
は、ドーム形状に構成され、空洞3に、半円状の熱遮断
仕切壁8が水平地下面4からドーム壁面5にかけて立設
されているが、空洞3はかかる形状に限定されることは
ない。例えば、図9に示すように、地下の岩盤60に縦
形の直方体形状の空洞61が形成され、空洞61の中央
部に熱遮断仕切壁62が水平に設置されている。熱遮断
仕切壁62により上下の分割空洞63,64に区画さ
れ、上側の分割空洞63の内部は温熱蓄熱槽として構成
され、下側の分割空洞64の内部は冷熱蓄熱槽として構
成されている。温熱蓄熱槽の上側には、地上の大気温度
と熱遮断する熱遮断上壁65が配設されている。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、空洞に、
2つの分割空洞に区画する熱遮断仕切壁を設置したの
で、熱遮断仕切壁により、岩盤の1つの大容量の蓄熱領
域を大容量の冷熱,温熱を蓄熱する2つの蓄熱領域に分
割し、大容量の冷熱,温熱の同時蓄熱を可能にする。
【0043】請求項2記載の発明によれば、帯状断熱部
により、一方の分割空洞における岩盤と他方の分割空洞
における岩盤の間の熱貫流が少なくなり、温熱及び冷熱
の蓄熱効率を向上させることができる。請求項3記載の
発明によれば、熱遮断仕切壁の端部は岩盤の内部に埋め
込まれているので、一方の分割空洞における岩盤と他方
の分割空洞における岩盤の間の熱貫流が少なくなり、温
熱及び冷熱の蓄熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の実施の形態に係わる大容
量型地下温冷熱蓄熱装置の構成図である。
【図2】同大容量型地下温冷熱蓄熱装置の夏期における
作用状態説明図である。
【図3】同大容量型地下温冷熱蓄熱装置の冬期における
作用状態説明図である。
【図4】同大容量型地下温冷熱蓄熱装置の夏期における
温水の温度降下の変化を示す説明図である。
【図5】帯状断熱部を示す地下断面図である。
【図6】同帯状断熱部を示す一部断面説明図である。
【図7】図5の帯状断熱部の変形例を示す地下断面図で
ある。
【図8】岩盤の内部に埋め込まれている熱遮断仕切壁を
示す地下断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係わる他の大容量型地下
温冷熱蓄熱装置の構成図である。
【符号の説明】
1 大容量型地下温冷熱蓄熱装置 3 空洞 8 熱遮断仕切壁 9 一方の分割空洞 10 他方の分割空洞
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 貴夫 東京都中央区銀座8丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 半沢 久 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 山本 光起 東京都中央区銀座8丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地下に大容量の冷熱または温熱を蓄熱し
    た後、放熱する大容量型地下温冷熱蓄熱装置において、 地下の岩盤に、空洞壁面で囲まれた空洞を形成し、 空洞内に、2つの分割空洞に区画する熱遮断仕切壁を設
    置したことを特徴とする大容量型地下温冷熱蓄熱装置。
  2. 【請求項2】 熱遮断仕切壁には、該熱遮断仕切壁の空
    洞壁面との接続部に沿って帯状断熱部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の大容量型地下温冷熱蓄
    熱装置。
  3. 【請求項3】 熱遮断仕切壁の端部は空洞壁面を貫通し
    て岩盤に埋め込まれていることを特徴とする請求項1記
    載の大容量型地下温冷熱蓄熱装置。
JP9306940A 1997-11-10 1997-11-10 大容量型地下温冷熱蓄熱装置 Pending JPH11142076A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000046500A1 (fr) * 1999-02-04 2000-08-10 Haiquan Li Developpement de ressources recyclables et leur application dans le domaine de l'agriculture
JP2014211260A (ja) * 2013-04-18 2014-11-13 株式会社イゼナ プラス熱量・マイナス熱量を蓄熱する地下蓄熱層を有する冷暖房システム

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WO2000046500A1 (fr) * 1999-02-04 2000-08-10 Haiquan Li Developpement de ressources recyclables et leur application dans le domaine de l'agriculture
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