JPH11140815A - 締固め機 - Google Patents

締固め機

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Publication number
JPH11140815A
JPH11140815A JP31013997A JP31013997A JPH11140815A JP H11140815 A JPH11140815 A JP H11140815A JP 31013997 A JP31013997 A JP 31013997A JP 31013997 A JP31013997 A JP 31013997A JP H11140815 A JPH11140815 A JP H11140815A
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JP
Japan
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cylinder
inner cylinder
coil spring
slider
reciprocating motion
Prior art date
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Pending
Application number
JP31013997A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Kiuchi
俊朗 木内
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Sakai Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sakai Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】輾圧作業中に、締固め機を構成するインナシリ
ンダに生ずる捩れを防止することを目的とする。 【解決手段】駆動部6で発生する回転力を往復運動伝達
機構2を介して上下運動としてシリンダ部3に伝え、か
つ、このシリンダ部3の上下運動を振動運動として輾圧
板4に伝えて地盤の締固めを行う締固め機1において、
締固め機1の本体10aに設けられたアウタシリンダ3
3と、このアウタシリンダ33に摺動可能に内接し、先
端側が輾圧板4に連結され、基端側にバネ拘束部34c
を設けたインナシリンダ34と、このインナシリンダ3
4に内接し、往復運動伝達機構2によって上下に摺動運
動するスライダ部32とからなるシリンダ部3を有し、
インナシリンダ34内であって、スライダ部32を挟ん
だ上位置と下位置に一つづつ、巻き方向の異なるコイル
バネ35,36を余圧を与えて配設したことを特徴とす
る締固め機である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輾圧板を振動させ
ることにより、地盤を締固める振動輾圧式の締固め機に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、実開昭61−206706号公
報に記載された締固め機が、従来から一般的に使用され
ている。この締固め機の主要な構成を図4に基づき説明
する。この締固め機5は、駆動部51で発生した回転力
を上下運動に変換して伝達する往復運動伝達機構52
と、伝達された上下運動によって振動し、輾圧板54に
振動運動を伝えるシリンダ部53とを有する。
【0003】前記往復運動伝達機構52では、駆動軸5
1aの先端に小歯車52aが形成され、この小歯車52
aに大歯車52bが噛合している。さらに、大歯車52
bには、クランク部52cを設けて、コンロッド52d
およびピストン部52eにスライダクランク運動をさせ
る。このピストン部52eは、アウタシリンダ53aに
摺動可能に内接し、さらに、下方には、ロッド53fが
設けられている。このロッド53fは、インナシリンダ
53bの蓋部を貫通し、先端にスライダ部53cが設け
られている。以上の構成からなる往復運動伝達機構52
が、駆動部51で発生した回転力を上下運動に変換して
シリンダ部53に伝達する。
【0004】前記上下運動が伝達されるシリンダ部53
では、アウタシリンダ53aの下方開口部からインナシ
リンダ53bが嵌め込まれて内接しており、さらに、イ
ンナシリンダ53bの下部に輾圧板54が連結してい
る。また、インナシリンダ53bには、前記スライダ部
53cが摺動可能に内接し、このスライダ部53cを挟
んだ上下の位置に、同方向に巻かれた上コイルバネ55
および下コイルバネ56が、それぞれ配設されている。
前記上コイルバネ55は、インナシリンダ53bの蓋部
とスライダ部53cの上面によって余圧を与えられて挟
み付けられ、下コイルバネ56は、スライダ部53cの
下面と輾圧板54の上面によって余圧を与えられて挟み
付けられている。さらに、アウタシリンダ53aとイン
ナシリンダ53bの周りをベローズ53dが覆うように
取り付けられている。
【0005】前記シリンダ部53は、以上の構成からな
り、スライダ部53cが上下運動すると、上コイルバネ
55,下コイルバネ56を通じて上下運動が伝達されて
インナシリンダ53bが振動し、下部に連結された輾圧
板54が上下運動して地盤の締固めが行われる。前記締
固め機5によって輾圧作業を行なうと、インナシリンダ
53bがアウタシリンダ53aに対して捩れ振動を生
じ、かかる捩れ振動は、前記ベローズ53dの回転保持
力によって緩和されるが、防止することはできなかっ
た。このような捩れ振動は、道路縁石の際を締め固める
のに、輾圧板54が回動振動して輾圧板側面を縁石の際
ぎりぎりまで寄せて締め固め作業をする場合の妨げとな
る問題があった。また、ベローズ53dに捩れ振動が繰
返し加わるので、ベローズ53dの寿命が短くなるとい
う問題もあった。そこで、この捩れを防止するために以
下の手段が開発され、公報にて開示されている。
【0006】[手段1]一つは、実公昭57−2888
3号公報に開示された手段である。この手段(以下、手
段1という)は、図6に示す如く、アウタシリンダ61
に係合部62を設け、インナシリンダ63に係合部62
が係合するスライド溝64を形成したものである。この
係合部62が常にスライド溝64に案内されるため、イ
ンナシリンダ63が、アウタシリンダ61に対して摺動
運動する際に捩じれを生じない。ちなみに、図6(a)
は、本手段を採用したシリンダ部60の側面断面図であ
り、図6(b)は、図6(a)のA−A断面図である。
【0007】[手段2]また、他の手段として、実開昭
62−185705号公報に開示された手段がある。こ
の手段(以下、手段2という)は、図7に示す如く、ア
ウタシリンダ72およびインナシリンダ71の断面形状
を多角形として捩れを防止したものである。ちなみに、
図7(a)は、四角形としたもの、(b)は六角形とし
たものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上説
明してきた各手段によって捩れを防止しようとした場
合、以下の問題点がある。 (1)まず、ベローズのみで捩れを防止する場合、ベロ
ーズを硬化させなければならないが、ベローズを硬化し
すぎると上下運動を発生し難くなり締固め性能が低下し
て不都合が大きい。 (2)また、手段1の如く、インナシリンダ63に形成
するスライダ溝64は、インナシリンダ63の摺動方向
に正確に一致させる必要があり、精密性が要求されるの
で、製造が困難である。また、スライダ溝64と係合部
62とが、擦り合うため、磨耗による損傷が生じやす
い。 (3)手段2においては、アウタシリンダ71およびイ
ンナシリンダ72の形状が多角形状であるため、製造が
困難であり、また、製造のために特別な設備が必要とな
り、不経済である。 そこで、本発明者は、以上の問題点を解決すべく、以下
の発明をした。
【0009】
【課題を解決するための手段】つまり、本発明は、駆動
部で発生する回転力を往復運動伝達機構を介して上下運
動としてシリンダ部に伝え、かつ、このシリンダ部の上
下運動を振動運動として輾圧板に伝えて地盤の締固めを
行う締固め機において、締固め機本体に設けられたアウ
タシリンダと、このアウタシリンダに摺動可能に内接
し、先端側が輾圧板に連結され、基端側にバネ拘束部を
設けたインナシリンダと、このインナシリンダに内接
し、前記往復運動伝達機構によって上下運動するスライ
ダ部とからなるシリンダ部を有し、前記インナシリンダ
内であって、前記スライダ部を挟んだ上位置と下位置に
一つづつ、巻き方向の異なるコイルバネを余圧を与えて
配設したことを特徴とする締固め機である。また、前記
往復運動伝達機構は、前記駆動部の駆動によって回転
し、先端部にピニオンギヤを設けた駆動軸と、前記駆動
軸と平行な回転軸を有し、前記ピニオンギヤと噛合して
回転するクランクギヤと、前記クランクギヤと連結して
クランク運動し、かつ、上下運動する前記スライダ部を
先端に直接連結するコンロッドとからなり、重心を低く
することを可能にした事を特徴とすることもできる。
【0010】ここで、本発明者によって実際に考察さ
れ、確認されたコイルバネの性質、およびその作用を説
明する。図3は、コイルバネC(右巻き)の性質を説明
するための参考図であり、(a−i)は、中立状態(圧
縮された中間状態)にあるコイルバネCの側面図、(a
−ii)は、その上方から見た平面図、(b−i)は、中
立状態からさらに圧縮したコイルバネCの側面図、(b
−ii)は、その上方から見た平面図、(c−i)は、中
立状態から圧縮状態を緩和したコイルバネCの側面図、
(c−ii)は、その上方から見た平面図である。尚、図
3における符号Pは、コイルバネCの上方の端部を示
す。
【0011】コイルバネCを、そのいずれか一方の端部
を回動自在にして、中立状態からさらに圧縮した場合、
コイルバネCの両端部は、相対的に巻き数を増やす方向
に僅かであるが回転変位する(図3(b−ii)中の矢印
X参照)。もし、このコイルバネCの両端部が、何らか
の拘束部材によって回転拘束をされていれば、その拘束
部材には、コイルバネCの巻き数を増やす方向に力のモ
ーメントが働くことになる。一方、コイルバネCを、そ
のいずれか一方の端部を回動自在にして、中立状態から
圧縮状態を緩和した場合、コイルバネCの両端部は、巻
き数を減らす方向に僅かであるが回転変位する(図3
(c−ii)中の矢印Y参照)。もし、前記同様に、回転
拘束をされていれば、その拘束部材には、コイルバネC
の巻き数を減らす方向に力のモーメントが働くことにな
る。
【0012】以上のコイルバネCの性質を従来の締固め
機5に当てはめて考察した場合、図4から、上コイルバ
ネ55,下コイルバネ56を拘束する拘束部材は、イン
ナシリンダ53bの蓋部53e、スライダ部53c、輾
圧板54が相当する。従って、インナシリンダ53bの
蓋部53e、スライダ部53c、輾圧板54には、前記
力のモーメントが働く。ここで、従来の締固め機5に働
く力のモーメントの発生状態を、図5に示す。ここで
(a)は、駆動部51を駆動させていない状態のスライ
ダ部53の概略図、(b)は、スライダ部53がインナ
シリンダ53bの蓋部側に移動した状態の概略図、
(c)は、スライダ部53が輾圧板54側に移動した状
態の概略図である。尚、この従来例において、上コイル
バネ55,下コイルバネ56の巻き方向は両方とも右巻
きとしている。
【0013】図5(b)では、上コイルバネ55は大き
く圧縮されるため、上端の回転を拘束する蓋部53eに
は、巻き数を増やす方向、つまり、上方から見て反時計
回り方向に力のモーメントZ1 が働く。一方、下コイル
バネ56は圧縮状態を緩和されるため、下端の回転を拘
束する輾圧板54には、巻き数を減らす方向、つまり、
上方から見て反時計方向に力のモーメントZ1 が働く。
従って、インナシリンダ53bの上端を拘束する蓋部5
3eと下端を拘束する輾圧板54には、同方向(反時計
方向)の力のモーメントZ1 が働き、インナシリンダ5
3bは外接するアウタシリンダ53aに対して反時計方
向の回転捩じれを生じる。
【0014】一方、図5(c)では、上コイルバネ55
は圧縮状態を緩和され、下コイルバネ56は圧縮される
ため、インナシリンダ53bの上端を拘束する蓋部53
eと下端を拘束する輾圧板54には、図5(b)で示す
状態とは逆の時計方向の力のモーメントZ2 が働く。そ
の結果、インナシリンダ53bは外接するアウタシリン
ダ53aに対して時計方向の回転捩じれを生じる。本発
明者は、以上の各コイルバネ55,56の作用の解析に
成功し、本発明に至った。つまり、本発明の如く、スラ
イダ部を挟んだ上位置と下位置に巻き方向の異なるコイ
ルバネを一つづつ配設する事により、インナシリンダの
上下には、逆向きの力のモーメントが働き、互いに相殺
し合ってインナシリンダの捩れが防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】続いて、本発明の実施形態を図面
を基に説明する。図1は締固め機の一部を破断した概略
側面図、図2はスライダ部の作用を説明する概略図であ
る。
【0016】まず、図1に基づき、本実施形態に係る締
固め機1の説明をする。図1において、符号6は駆動部
であるエンジン、符号7は燃料タンク、符号8は作業員
が操作するハンドルを示し、エンジン6の駆動により回
転力が発生し、往復運動伝達機構2およびシリンダ部3
を介して輾圧板4に振動運動が伝わる。以下、締固め機
1の詳細を、前記回転力を上下運動に変換して伝達する
往復運動伝達機構2と、この上下運動によって振動し、
輾圧板4に振動運動を伝達するシリンダ部3とに別けて
説明する。
【0017】往復運動伝達機構2は、軸受け部21a,
21bによって支持され、エンジン6の駆動によって回
転する駆動軸部21、駆動軸部21の先端に形成された
ピニオンギヤ22、このピニオンギヤ22に噛合するク
ランクギヤ23、このクランクギヤ23の回転軸であっ
て軸受け部23a,23bによって支持された回転軸部
23d、クランクギヤ23とスライダ部32とを連結
し、スライダクランク運動するコンロッド24とによっ
て構成される。
【0018】ここで、本実施形態におけるクランクギヤ
23とスライダ部32との連結を説明する。クランクギ
ヤ23には、クランクギヤ23の回転軸線からdαだけ
ずれた位置に軸線を有するクランクピン23cが形成さ
れ、一方、スライダ部32には、ピストンピン32aが
嵌め込まれている。スライダ部32には、上面側から孔
32cを形成しており、ピストンピン32aが、この孔
32cを横切るように横設されている。コンロッド24
は、前記クランクピン23cと前記ピストンピン32a
とを連結するものであり、基端に形成する軸受け部24
aが、クランクピン23cを外嵌し、先端に形成する先
端環24bが、孔32c内でピストンピン32aを摺動
自在に外嵌する。尚、クランクギヤ23の軸線とクラン
クピン23cの軸線とは、dα程ずれているため、コン
ロッド24のクランク運動によってスライダ部32は2
・dα程上下運動する。
【0019】また、スライダ部32は、インナシリンダ
34に内接しており、コンロッド24は、インナシリン
ダ34の上開口部34bを貫通してスライダ部32に連
結する。この上開口部34bは、クランク運動するコン
ロッド24の揺動に干渉せぬよう所定の径を有してお
り、さらに、上開口部34bの周りには、フランジ状の
バネ拘束部34cをインナシリンダ34の内周面に沿っ
て形成する。以上の構成により、エンジン6の駆動によ
って発生した回転力が、上下運動としてスライダ部32
に伝達される。
【0020】次に、この上下運動によって振動し、輾圧
板4に振動運動を伝達するシリンダ部3について説明す
る。シリンダ部3は、締固め機1の本体10aに取り付
けられたアウタシリンダ33と、このアウタシリンダ3
3に内接して摺動するインナシリンダ34と、インナシ
リンダ34に内接し、上下運動する前記スライダ部32
と、このスライダ部32を挟んだ上位置に配設された上
コイルバネ35と、下位置に配設され、上コイルバネ3
5とは巻き方向の異なる下コイルバネ36によって構成
される。また、インナシリンダ34の下部には、輾圧板
4の台部材42を連結する。
【0021】本実施形態において上コイルバネ35は左
巻きであり、スライダ部32の上面とバネ拘束部34c
との間で、余圧を与えられて挟み付けられている。一
方、下コイルバネ36は右巻きであり、スライダ部32
の下面と台部材42との間で、余圧を与えられて挟み付
けられている。前記各コイルバネ35,36は、互いに
巻き方向が異なっており、余圧を与えられた状態で配設
されているため、インナシリンダ34がアウタシリンダ
33に対して生ずる捩れが防止される。輾圧板4の上部
である台部材42には、インナシリンダ34内に向けて
突起部41を立設し、この突起部41の先端に形成する
くびれ41aにストッパーゴム37を取り付ける。この
ストッパーゴム37の作用により、スライダ部32が過
度に振動した際、台部材42を直接打ちつけて破損させ
てしまう不都合を防止する。
【0022】さらに、インナシリンダ34の下部周りに
は、台部材42から立ち上げる碗状のオイルパン34a
を形成し、このオイルパン34aに溜められた潤滑油L
Oが、インナシリンダ34の下部側面に設けた潤滑油孔
34dを抜けてインナシリンダ34内に入る。この潤滑
油LOは、さらにスライダ部32に設けた潤滑油孔32
b,および上開口部34bも抜けて往復運動伝達機構2
まで達し、締固め機1内部の各機構を潤滑する作用をす
る。一方、オイルパン34aの周りからアウタシリンダ
33の上部周りにかけて、ベローズ38が取り付けられ
ており、嵌まり合うアウタシリンダ33およびインナシ
リンダ34の周りを覆う。このベローズ38は、ウレタ
ンゴム製であり、アウタシリンダ33とインナシリンダ
34との摺動運動を補助しながら互いのシリンダを連結
する。
【0023】以上、往復運動伝達機構2およびシリンダ
部3の構成について説明した。尚、本実施形態では、ス
ライダ部32のピストンピン32aに、クランク運動す
るコンロッド24の先端環24bが外嵌するのでコンロ
ッド24とスライダ部32とが直接連結されている。そ
のため、構造が単純で組立、保守性に優れるとともに、
締固め機1の本体10aの丈を低くして重心位置を低く
でき、その結果、締固め機1は安定し、操作性が向上し
て好適である。しかし、往復運動伝達機構2は、前記の
構成に限定されず、従来の締固め機5(図4参照)の構
成の如く、途中にピストン部52eを介在させてもよ
い。
【0024】続いて、巻き方向が異なって配設された上
コイルバネ部35と下コイルバネ部36の作用を説明
し、アウタシリンダ33に対するインナシリンダ34の
捩れを防止する効果に及ぶ。本実施形態において、上コ
イルバネ35は左巻き、下コイルバネ36は右巻きであ
り、この各コイルバネ35,36の挟み付けを行なうイ
ンナシリンダ34のバネ拘束部34c、スライダ部32
の上下面、輾圧板4の台部材42が、前記拘束部材に相
当する。上コイルバネ35,下コイルバネ36が、前記
拘束部材によって、上下の両端部を拘束された状態の概
略を図2に示す。ちなみに、図2の(a)は、エンジン
6を駆動する前の停止状態、(b)は、スライダ部32
がバネ拘束部34c側に移動した状態(以下、上方移動
状態という)、(c)は、スライダ部32が台部材42
側に移動した状態(以下、下方移動状態という)を示
す。
【0025】図2(b)の状態、つまり、スライダ部3
2の上方移動状態では、上コイルバネ35の上端を拘束
するバネ拘束部34cに、上方から見て時計回り方向
(左巻きコイルバネの巻き数を増やす方向)に力のモー
メントZ2 が発生する。一方、下コイルバネ35の下端
を拘束する台部材42には、上方から見て反時計回り方
向(右巻きコイルバネの巻き数を減らす方向)に力のモ
ーメントZ1 が発生する。従って、バネ拘束部34cに
働く回転モーメントと台部材42に働く力のモーメント
Z2 ,Z1 が相殺し合い、インナシリンダ34の捩れは
防止される。
【0026】また逆に、図2(c)に示す状態、つま
り、スライダ部32の下方移動状態では、上コイルバネ
35の上端を拘束するバネ拘束部34cに、上方から見
て反時計回り方向(左巻きコイルバネの巻き数を減らす
方向)に力のモーメントZ1 が発生し、下コイルバネ3
5の下端を拘束する台部材42には、上方から見て時計
回り方向(右巻きコイルバネの巻き数を増やす方向)に
力のモーメントZ2 が発生する。従って、バネ拘束部3
4cに働く力のモーメントZ1 と台部材42に働く力の
モーメントZ2 が、前記同様に相殺し合い、インナシリ
ンダ34の捩れを防止する。従って、本発明によってイ
ンナシリンダ34の捩れを効果的に防止することができ
る。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る締固め機を使用すれば、イ
ンナシリンダの捩れを簡易に解消でき、前記捩れによっ
て生ずる各種の不都合を効果的に改善できる。より具体
的に言えば、道路縁石の際を締固めるのに、輾圧板側面
を縁石の際ぎりぎりまで寄せての作業が可能となる。さ
らに、ベローズの寿命が長くなるとともにベローズの硬
度を自由に設定でき、振動効率を高めて締固め機の性能
を向上できる。また、アウタシリンダやインナシリンダ
にガイド用部材等を設けたり、多角形状に成形する等の
必要が無く、製造が容易であるとともに、付属部品を装
備することによる磨耗、損傷を最小限に抑える事がで
き、経済的である。さらに、往復運動伝達機構を構成す
るコンロッドを直接スライダ部に連結する事により、構
造が単純化され、組立、保守作業に有利であるととも
に、締固め機の重心を低く抑える事ができるので安定化
でき、操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】締固め機の一部を破断した概略側面図。
【図2】本発明に係る締固め機におけるシリンダ部の作
用を説明する概略図。
【図3】コイルバネの性質を説明するための参考図であ
り、(a−i)は、中立状態にあるコイルバネの側面
図、(a−ii)は、その上方から見た平面図、(b−
i)は、中立状態からさらに圧縮したコイルバネの側面
図、(b−ii)は、その上方から見た平面図、(c−
i)は、中立状態から圧縮状態を緩和したコイルバネの
側面図、(c−ii)は、その上方から見た平面図。
【図4】従来の締固め機の一部破断側面図
【図5】従来の締固め機におけるシリンダ部の作用を説
明する概略図。
【図6】従来の締固め機におけるインナシリンダの捩れ
を防止するための手段1。
【図7】従来の締固め機におけるインナシリンダの捩れ
を防止するための手段2。
【符号の説明】
1:締固め機 10a:本体 2:往復運動伝達機構 21:駆動軸部 21a,21b:軸受け部 22:ピニオンギヤ 23:クランクギヤ 23a,23b:軸受け部 23c:クランクピン 23d:回転軸部 24:コンロッド 24a:軸受け部 24b:先端環 3:シリンダ部 32:スライダ部 32a:ピストンピン 32b:潤滑油孔 32c:孔 33:アウタシリンダ 34:インナシリンダ 34a:オイルパン 34b:上開口部 34c:バネ拘束部 34d:潤滑油孔 35:上コイルバネ 36:下コイルバネ 37:ストッパーゴム 38:ベローズ 4:輾圧板 41:突起部 41a:くびれ 42:台部材 5:従来の締固め機 51:駆動部 51a:駆動軸 52a:小歯車 52b:大歯車 52c:クランク部 52d:コンロッド 52e:ピストン部 53:シリンダ部 53a,61,71:アウタシリンダ 53b,63,72:インナシリンダ 53c:スライダ部 53d:ベローズ 53e:蓋部 53f:ロッド 54:輾圧板 55:上コイルバネ 56:下コイルバネ 62:係合部 64:スライド溝 Z1 :上方から見て反時計回り方向に働く力のモーメン
ト Z2 :上方から見て時計回り方向に働く力のモーメント

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動部で発生する回転力を往復運動伝達機
    構を介して上下運動としてシリンダ部に伝え、かつ、こ
    のシリンダ部の上下運動を振動運動として輾圧板に伝え
    て地盤の締固めを行う締固め機において、 締固め機の本体に設けられたアウタシリンダと、このア
    ウタシリンダに摺動可能に内接し、先端側が輾圧板に連
    結され、基端側にバネ拘束部を設けたインナシリンダ
    と、このインナシリンダに内接し、前記往復運動伝達機
    構によって上下運動するスライダ部とからなるシリンダ
    部を有し、 前記インナシリンダ内であって、前記スライダ部を挟ん
    だ上位置と下位置に一つづつ、巻き方向の異なるコイル
    バネを余圧を与えて配設したことを特徴とする締固め
    機。
  2. 【請求項2】前記往復運動伝達機構は、前記駆動部の駆
    動によって回転し、先端部にピニオンギヤを設けた駆動
    軸と、前記駆動軸と平行な回転軸を有し、前記ピニオン
    ギヤと噛合して回転するクランクギヤと、前記クランク
    ギヤと連結してクランク運動し、かつ、上下運動する前
    記スライダ部を先端に直接連結するコンロッドとからな
    り、重心を低くすることを可能にした事を特徴とする請
    求項1に記載の締固め機。
JP31013997A 1997-11-12 1997-11-12 締固め機 Pending JPH11140815A (ja)

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