JPH11138185A - 浄化槽の隔壁の取り付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール材の剥落や破損及び嵌合凹部が破損す
る心配がなく、確実な水密性を与える浄化槽の隔壁の取
り付け構造を提供する。 【解決手段】 上槽１と下槽とを嵌合させて一体とされ
る浄化槽内部への隔壁の取り付け構造であって、上槽１
本体の側壁１１の隔壁取り付け位置に高さ方向に設けら
れた細長の開口部１２と、この開口部１２を閉塞する蓋
部２よりなり、この蓋部２の浄化槽内部側には長手方向
に２本の突条２３、２３よりなる嵌合凹部２４が形成さ
れており、この嵌合凹部２４を上記開口部１２より挿入
して隔壁の周縁部にシール材６を介して嵌め込み、上記
蓋部２を上槽１に締着して隔壁を上槽１に固定させるこ
とを特徴とする浄化槽の隔壁の取り付け構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浄化槽に関し、特
に本体内に隔壁が設けられた浄化槽における本体と隔壁
との取り付け構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、実開平２−１１２３９９
号公報等に記載されているように、本体内に隔壁が設け
られ、隔壁により本体内が嫌気性処理室、好気性処理
室、沈殿分離室、消毒室等に区画された浄化槽が知られ
ている。

【０００３】この種の浄化槽における隔壁の本体への取
り付け構造としては、例えば、図４（イ）、（ロ）に示
すような構造（実開昭５８−９５２８９号公報）が一般
的に採用されている。すなわち、図４（イ）に示す本体
側壁３１から槽内方向に垂直に突設され高さ方向に延在
している２本の突条３３、３３により形成された嵌合凹
部３４にシール材６を介して隔壁端部４を嵌合するか、
又は接着して取り付けされる構造である。図４（ロ）に
は、隔壁端部４の先端がＬ字状の折り返し片４１を有す
る場合を示しており、この場合は折り返し片４１の外端
面が嵌合凹部３４にシール材６を介して嵌合するか、又
は接着して取り付けされる構造である。場合によって
は、上記折り返し片４１と本体側壁３１とはボルトやリ
べット等によりその取り付けが補強される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上槽と
下槽とを嵌合させて一体とされる浄化槽の場合、従来の
取り付け構造においては、図３に示すように、下槽３の
側壁３１内部に設けられている上記嵌合凹部３４への隔
壁（図では省略されているが、通常は上槽の上部にまで
達する背の高い板状物）の取り付け作業は目視による調
節が可能であるため、シール材６を破損することなく取
り付けすることは容易であるが、下槽に隔壁を取り付け
た後上槽を被せて上槽内部の嵌合凹部に隔壁を嵌め込む
作業は容易ではなく、軋んだり片嵌め状になった状態を
修正、調整するうち、シール材が剥落したり破損しがち
となり、ひどい場合には嵌合凹部を形成する突起の破損
も生じ、浄化槽の重要機能である隔壁の水密性が悪化し
やすい、という問題があった。特にこの問題は隔壁枚数
の多い（通常、隔壁は３枚以上）浄化槽の場合に惹起し
やすい問題である。なお、図３における３７は補強リ
ブ、３８は上槽を嵌合するための鍔、３９は鍔３８の折
り返し部を示す。

【０００５】本発明は、上述の事情を考慮してなされた
ものであり、その目的は、シール材の剥落や破損及び嵌
合凹部が破損する心配がなく、確実な水密性を与える浄
化槽の隔壁の取り付け構造を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の浄化槽の隔壁の
取り付け構造は、上槽と下槽とを嵌合させて一体とされ
る浄化槽内部への隔壁の取り付け構造であって、上槽本
体の側壁の隔壁取り付け位置に高さ方向に設けられた細
長の開口部と、この開口部を閉塞する蓋部とよりなり、
この蓋部の浄化槽内部側には長手方向に２本の突条より
なる嵌合凹部が形成されており、この嵌合凹部を上記開
口部より挿入し隔壁の周縁部にシール材を介して嵌め込
み、上記蓋部を上槽に締着して隔壁を上槽に固定させる
ことを特徴とする。

【０００７】本発明で用いられる本体、隔壁及び蓋部の
材質としては、従来から浄化槽の本体、隔壁の材質とし
て使用されているものが使用できるものであって特に限
定されるものではなく、例えば、硬質塩化ビニル樹脂、
ＦＲＰ等のある程度の機械的強度を備え耐蝕性に富むも
のが好適である。

【０００８】上記蓋部の材質としては、この他、ジシク
ロペンタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の樹脂又はそれら
の繊維強化樹脂も使用可能である。

【０００９】本発明で用いられるシール材としては、従
来から浄化槽本体に隔壁を取り付けする場合に使用され
ているものが使用でき、特に限定されるものではなく、
例えば、接着性を有するもの、水膨張性のあるもの、又
は接着剤そのもの、ゴム状弾性体等が挙げられる。その
例としては、１液性又は２液性ウレタン、シリコン、ブ
チルゴム等である。

【００１０】

【作用】本発明の浄化槽の隔壁の取り付け構造は、上槽
と下槽とを嵌合させて一体とされる浄化槽内部への隔壁
の取り付け構造であって、上槽本体の側壁の隔壁取り付
け位置に高さ方向に設けられた細長の開口部と、この開
口部を閉塞する蓋部とよりなり、この蓋部の浄化槽内部
側には長手方向に２本の突条よりなる嵌合凹部が形成さ
れており、この嵌合凹部を上記開口部より挿入し隔壁の
周縁部にシール材を介して嵌め込み、上記蓋部を上槽に
締着して隔壁を上槽に固定させる構造であるので、下槽
に隔壁を取り付けた後上槽を被せる作業が容易であり、
シール材の剥落や破損及び嵌合凹部が破損する心配がな
く、確実な水密性を与える浄化槽の隔壁の取り付け構造
となる。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の一形態を図
面を参照しながら説明する。図１は本発明の浄化槽の隔
壁の取り付け構造の一例を示す斜視図であり、図２は図
１のＡ−Ａ線断面図である。

【００１２】図１において、１はＦＲＰ製の浄化槽本体
の上槽であり、１１はその側壁である。本実施例におい
ては、上記両側壁１１、１１の後述する隔壁の取り付け
位置には各々対向する３対の開口部１２、１２、……が
設けられている。この開口部１２は、下方は上記上槽１
の鍔１８から側壁１１の高さ方向に浄化槽本体１の肩口
まで開口された細長の形状をなしている。

【００１３】上記開口部１２、１２、……にはその左右
両側に側壁１１と一体で且つ側壁１１表面より内部に凹
んだ後述する蓋部２を取り付けるための取付部１３、１
３、……が形成されている。この取付部１３、１３、…
…には、後述する蓋部２を締結するためのボルト、リベ
ット等用の孔１５、……が必要に応じ穿孔されている。

【００１４】なお、図１において、１６は鍔１８、蓋部
２のフランジ２２及び下槽の鍔３８とを締結するための
ボルト、リベット等用の孔、１７は補強リブ、１９はマ
ンホールを示す。

【００１５】図１の２は蓋部であって、開口部１２及び
取付部１３の寸法に対応し密閉可能な寸法の蓋本体２１
と、該蓋本体２１の下部から直角に折り返されているフ
ランジ２２と、蓋本体２１の裏面の上槽１の開口部１２
に対向する面に長手方向に延在している２本の突条２
３、２３により形成された嵌合凹部２４とよりなる。図
の孔２５及び２６は、各々上記取付部１３及び鍔１８に
穿孔されている孔１５及び１６に対向するものである。

【００１６】次に、本実施例の浄化槽の隔壁の取り付け
手順を説明する。下槽への隔壁の取り付けは従来公知の
方法で行った。本実施例で用いた隔壁４は図４（ロ）で
示すような折り返し片４１を有するものであり、下槽の
側壁３１の内面の２本の突条３３、３３により形成され
た嵌合凹部３４に、２液性ウレタン６を介して上記折り
返し片４１を嵌合し、該折り返し片４１と側壁３１とを
複数のリベットで締結した。

【００１７】図３に示す通り、上述の方法で下槽３に３
枚の隔壁（図示されていない）を取り付け、次いで、図
１の上槽１を被せて下槽３に嵌め込み、常法により締結
した。この時、開口部１２、１２、……のすぐ内側に隔
壁４の折り返し片４１が存在していた。

【００１８】蓋本体２１の嵌合凹部２４及び取付部１３
に当接する面に２液性ウレタン６を塗布し、上記折り返
し片４１を嵌合凹部２４に嵌合させつつ蓋部２を取付部
１３に当接させ、孔１５及び孔２５を用いてリベットで
締結した。また、孔１６、２６を用いて、上槽１の鍔１
８、蓋部のフランジ２２及び下槽３の鍔３８とをリベッ
トで締結した。

【００１９】取り付けた状態は図２に示した通り、上槽
１の側壁１１に連続して設けられた取付部１３に蓋本体
２１がウレタン６を介してリベット２７で締結されてお
り、蓋本体２１の嵌合凹部２４に隔壁４の折り返し片４
１がウレタン６を介してリベット２７で締結されてい
る。従って、この取り付け部では確実な水密性が確保さ
れている。

【発明の効果】本発明の浄化槽の隔壁の取り付け構造
は、上述の通りであり、本発明によると、下槽に隔壁を
取り付けた後上槽を被せる作業が容易であり、シール材
の剥落や破損及び嵌合凹部が破損する心配がなく、確実
な水密性を与える浄化槽の隔壁の取り付け構造となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の浄化槽の隔壁の取り付け構造の一例を
示す斜視図。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図。

【図３】従来の浄化槽の下槽の隔壁の取り付け構造の一
例を示す斜視図。

【図４】従来の浄化槽の隔壁の取り付け構造の一例の要
部を示す破断斜視図。

【符号の説明】

１ 上槽 １１、３１ 側壁 １２ 開口部 １３ 取付部 １５、１６、２５、２６ リベット用孔 １７、３７ 補強リブ １８、３８ 鍔 ２ 蓋部 ２１ 蓋本体 ２２ フランジ ２３、３３ 突条 ２４、３４ 嵌合凹部 ２７ リベット ３ 下槽 ４ 隔壁 ４１ 折り返し片 ６ シール材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上槽と下槽とを嵌合させて一体とされる
   浄化槽内部への隔壁の取り付け構造であって、上槽本体
   の側壁の隔壁取り付け位置に高さ方向に設けられた細長
   の開口部と、この開口部を閉塞する蓋部とよりなり、こ
   の蓋部の浄化槽内部側には長手方向に２本の突条よりな
   る嵌合凹部が形成されており、この嵌合凹部を上記開口
   部より挿入し隔壁の周縁部にシール材を介して嵌め込
   み、上記蓋部を上槽に締着して隔壁を上槽に固定させる
   ことを特徴とする浄化槽の隔壁の取り付け構造。