JPH1113728A - 地すべり抑止杭用ねじ継手 - Google Patents

地すべり抑止杭用ねじ継手

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JPH1113728A
JPH1113728A JP9172307A JP17230797A JPH1113728A JP H1113728 A JPH1113728 A JP H1113728A JP 9172307 A JP9172307 A JP 9172307A JP 17230797 A JP17230797 A JP 17230797A JP H1113728 A JPH1113728 A JP H1113728A
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JP
Japan
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thread
pin
screw
box
joint
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Withdrawn
Application number
JP9172307A
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English (en)
Inventor
Eiji Tsuru
英司 津留
Hirotoshi Hishida
博俊 菱田
Michio Sasaki
道夫 佐々木
Munehiro Ishida
宗弘 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH1113728A publication Critical patent/JPH1113728A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L15/00Screw-threaded joints; Forms of screw-threads for such joints
    • F16L15/001Screw-threaded joints; Forms of screw-threads for such joints with conical threads
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L15/00Screw-threaded joints; Forms of screw-threads for such joints
    • F16L15/006Screw-threaded joints; Forms of screw-threads for such joints with straight threads
    • F16L15/007Screw-threaded joints; Forms of screw-threads for such joints with straight threads with more than one threaded section

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Non-Disconnectible Joints And Screw-Threaded Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地すべり抑止杭用ねじ継手において、建て込
み性、嵌合性などの締め込み性を工場させることで、現
場での施工性に優れた地すべり抑止杭用ねじ継手を提供
すること。 【解決手段】 管外面に雄ねじと肩部を有するピンと管
内面に、該ピンにそれぞれ対応する雌ねじと肩部を有す
るボックスを嵌合するねじ継手において、ねじ部が異な
ったピッチ径からなる段階状に配置された平行ねじで、
肩部を管外面部にのみ配置し、継手部外径が管外径と実
質上等しいことを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継
手。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、締め込み容易な地
すべり抑止杭用ねじ継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、地すべりを抑止するために地中に
埋設される鋼管杭は施工時に溶接され、杭全長は50m
に達するものもある。また、近年では杭のサイズが大
径、厚肉化する傾向にあり、杭降下作業の大半を溶接作
業に取られている。さらに溶接強度は個人差によるばら
つきが大きいため、資格を有した溶接工が必要であっ
た。この問題を解決するために全自動溶接などの自動化
による省力化、高品質化が推進されてきたが、抜本的な
時間短縮、高強度材への対応、非破壊検査の必要性な
ど、解決できない問題も多く残されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を抜本
的に解決するための発明として、特願平5−25260
1号や特願平5−268426号がある。これらの発明
はねじ継手を用いることで溶接作業からの開放、作業時
間の短縮、高強度材への対応、非破壊検査不要という点
では成果の著しいものであるが、必ずしも地すべり抑止
鋼管継手に適したものではなく、次のような問題点があ
った。
【0004】第1の問題点は締め込みに大きなトルクが
必要なことである。このトルク発生原因について、本発
明者らの研究によれば、従来技術は図9に示すようなテ
ーパねじによるグリスの昇圧によるものであることが判
った。すなわち、図9は従来のテーパねじのグリス圧縮
状況を示す模式図である。ねじ面には焼付き防止、ある
程度の水密性、耐食性の観点からグリス、時には銅、
鉛、錫、黒鉛などを含有したコンパンドグリスが塗布さ
れているが、テーパねじであると締め込みが進行するに
従い、ねじ界面でグリスが圧縮され高圧になる。この粘
性抵抗により、締め込みが進むほどトルクが増大する訳
である。
【0005】ねじ締め込みトルクはねじの干渉による面
圧に起因して発生するため、本来、ねじが干渉するまで
は発生しないものであるが、図10に示すように、ねじ
の干渉以前からトルクが発生する。これは高圧グリスの
粘性抵抗によるものである。鋼管杭用ねじ継手の締め付
けは大掛かりな機械による締め付けを行わず、工具を利
用した人力による簡易な締め付けができることが必須で
あるため、トルクの低位安定化は是非とも具備しなけれ
ばならない性能の一つである。
【0006】第2の問題点は実際の施工では締め込み終
了時に肩部が衝接しないことにある。その理由の一つは
前述したグリス圧力の影響で形状的には肩部が衝接する
設計でも実際に人力でこれを達成することは困難を伴
い、形状的な嵌合の甘さはテーパねじでは危険断面の減
少を招き、継手の曲げ強度、引張強度が低下することで
ある。さらに締め込み合否の判定をするためには肩部の
間隙を測定しなければならないという手間がかかる。こ
れらを防止、省略するためにグリスの影響を考慮し、肩
部を衝接する設計もできるが、機械公差がある以上、ね
じ部の干渉以前に肩部が衝接してしまうことが起こり、
これも強度低下を招きかねない。
【0007】第3の問題点は継手締め込み初期の不良嵌
合である。不良嵌合を防止するためには、図11に示す
ようなピン、ボックスの中心ずれをなくす調心機能と軸
心の傾きをなくす軸心整合機能の必要なことがわかっ
た。従来技術はテーパねじであるが故、調心機能には優
れるが、軸心整合機能は持ち合わせていなかった。テー
パねじの先端にねじなし部を設ける発明も公知となって
いるが、テーパねじではねじなし部より先にねじ部が干
渉をはじめ、実質上の軸心整合機能は持ち合わせていな
いことが判明した。
【0008】上述した問題はテーパねじであるが故の欠
点であるが、通常の平行ねじを用いた場合、次の問題点
がある。平行ねじの第1の問題点は不良嵌合にある。こ
の場合、テーパねじと異なり、調心機能がないため、心
出しを極めて繊細に行わなければならず、現場での施工
には必ずしも適切でない。また、中心が合った後も図1
2に示すように、軸心不整合の改善効果はない。すなわ
ち、図12は平行ねじ建て込み時の軸心不整合を示す模
式図である。
【0009】平行ねじの第2の問題点は嵌合開始から終
了までのねじの回転量にある。テーパねじがねじ山高
さ、ねじリード、テーパ量の関係から比較的少回転量で
嵌合が終了するのに対し、平行ねじではねじリードと全
ねじ長さの関係から回転量が決定され、ねじ長さに比例
して回転量が増え、トルクは小さいが回転量が増えると
いう欠点がある。平行ねじの第3の問題点は継手部全肉
厚が大きくなる点である。図13に同じ危険断面を有し
たテーパねじと平行ねじの比較を示す。この図に示すよ
うに継手部に、より厚肉の材料を使うことになり、コス
トが増大すると言う問題がある。
【0010】一方、従来、階段状に配した平行ねじを有
する継手として、例えば、油井・パイプライン用ハンド
ブック1992年版第251頁に示すような油井管用の
ねじ継手があるが、要求性能、構造の点で本発明とは異
なる。すなわち、油井管ねじ継手では継手の締め込みは
例外なくパワートングと呼ばれる油圧による機械締めが
行われる。その理由として、油井管ねじ継手には内流体
を継手外面に漏らさない継手シール性が要求されるから
であり、その圧力は1000気圧にも達する場合もあ
る。このような高圧流体をシールするためには、ねじ部
とは別の金属対金属接触部を設け、係るシール部に接触
面圧を付与するためには機械締めによりトルクを負荷す
る必要がある。
【0011】また、地下数千メートルに及ぶ油井管では
鋼管にトルクを負荷しながら降下させたり、特に傾斜、
水平杭井と呼ばれる油井では油井管ねじ継手に負荷され
るトルクは1000kgmを超える場合もしばしばある
ため、強固な肩部が必要である。係る理由から油井管ね
じ継手にはシール部や複数の肩部を有する場合が一般的
である。しかしながら、前述した公知例ではシール部と
継手外面以外の部位にも肩部を有し、地すべり抑止鋼管
継手のような大径になった場合、手締めにより嵌合を完
結することはできない。また、継手内部に肩部を有して
いると肩部衝接の判定を下すことの障害となり、地すべ
り抑止杭用ねじ継手としては極めて不適切である。さら
には係る油井管ねじ継手は継手外面側に出っ張っている
ため、円滑で効率的な鋼管杭降下作業は期待できない。
以上のように鋼管杭に要求される性能、及び形状的特徴
から係る公知例は本発明とは根本的に異なる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した杭用ね
じ継手に要求される特性と従来ねじ継手での性能を対比
させた結果、テーパねじと平行ねじの両方の長所を持ち
合わせた鋼管杭用ねじ継手を提供するものである。その
発明の要旨とするところは、 (1)管外面に雄ねじと肩部を有するピンと、管内面に
該ピンにそれぞれ対応する雌ねじと肩部を有するボック
スを嵌合するねじ継手において、ねじ部が異なったピッ
チ径からなる階段状に配置された平行ねじで、肩部を管
外面部にのみ配置し、継手部外径が管外径と実質上等し
いことを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。
【0013】(2)前記(1)において、ねじ部が多条
ねじであることを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継
手。 (3)前記(1)または(2)において、ピンの大径ね
じ部断面係数と降伏強度との積とボックスの小径ねじ部
断面係数と降伏強度との積のいずれもが管体部断面係数
と管体降伏強度との積よりも大きく、かつ該ピンの小径
ねじ部断面積とボックス大径ねじ部断面積との和がピン
大径ねじ部断面積、またはボックス小径ねじ部断面積の
いずれか一方よりも大きいことを特徴とする地すべり抑
止杭用ねじ継手。
【0014】(4)前記(1)〜(3)において、継手
部を管体部に溶接、摩擦圧接、液相拡散接合することを
特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 (5)前記(1)〜(4)において、ピン先端に円錐外
面を有し、ボックスの大径ねじ部と小径ねじ部の中間に
円錐内面を有するか、またはボックス先端に円錐内面を
有し、該ピンの大ピッチ径ねじ部と小ピッチ径ねじ部の
中間に円錐外面を有し、ねじ挿入時に円錐面同士のいず
れか一方、または両方が接触した後、嵌合を開始するこ
とを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 (6)前記(1)〜(4)において、ピン先端にねじな
し部を有することを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継
手にある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面に従っ
て詳細に説明する。図1は本発明に係る地すべり抑止杭
用ねじ継手の構成図である。この図1に示すように、ね
じ継手はピン1とボックス2とからなり、ボックス先端
部にのみ肩部3を有し、ねじ部は段階状に配した径大ピ
ッチの平行ねじ4と径小ピッチの平行ねじ5からなる。
本発明のねじ要素は平行ねじであるため、先に述べたテ
ーパねじの欠点の締め込み進行にしたがって、トルクが
上昇する問題点を解決できる。すなわち、締め込みが進
行してもねじ干渉代増加に伴うグリス圧力上昇がなく、
結果として手締めによる低トルクにより安定的に締め込
みを完了することができる。
【0016】テーパねじの第2の欠点である締め込み完
了時の肩部の未衝接についても、本発明により解決でき
る。すなわち、ねじ部の嵌め合い代を調節し、ピンねじ
径をボックスの相対するねじ径より小さくするか、ピン
とボックスが干渉しても僅かな程度に抑えることで低ト
ルクで、尚かつ肩部を手締めにより衝接させることがで
きる。テーパねじの第3の欠点にねじの不良嵌合があっ
た。さらには、不良嵌合を避けるために繊細な心合わせ
をしなくてはならないことは平行ねじの欠点であること
も前述した。このテーパねじでも従来の平行ねじでも解
決できない欠点も本発明のように平行ねじを階段状に配
置することで解決できる。
【0017】図2に本発明に係るねじ継手建て込み時の
ねじ継手の断面を示す。まず、ピン小径ねじ部8がボッ
クス大径ねじ部9に挿入させるため、はめ込みが円滑に
行え、平行ねじであるが故、ねじの異常嵌合もテーパね
じに比べると少なくてすむ。平行ねじの第2の欠点に嵌
合開始から締め込み終了までにテーパねじに比べて多く
の回転量が必要なことがあった。この欠点も本発明で軽
減することができる。また、平行ねじを段階状に配置す
ることで同じねじ長さを得るためには通常平行ねじの半
分の締め込み回転量で締め込みが完了することができ
る。
【0018】平行ねじの第3の欠点にテーパねじと比較
して同じ危険断面積を得るためには継手部肉厚が厚くな
ることを図13で述べた。この欠点も本発明で補うこと
ができる。すなわち、図3に示すように階段状の平行ね
じのピン、ボックスそれぞれの管端側のねじ部肉厚を管
体側ねじ部肉厚よりも薄くすることで継手全体肉厚を小
さくすることができる。以上が本発明のうち、ねじ部が
異なったピッチ径からなる段階状に配置された平行ねじ
であることの長所である。本発明は平行ねじを段階状に
配置することの長所について述べたものであり、その段
階が3段、4段となっても同様の効果を発揮できるが、
段階が増えるにしたがってねじの切削効率が低下し、地
すべり抑止杭程度の管肉厚では2段に平行ねじを配置す
ることが性能上、コスト上最も優れている。
【0019】次に、肩部を外表面側ボックス先端部にの
みに設けた理由として、地すべり抑止杭では人力による
締め付けを基本とするため、締め込みの完了を簡便に判
定する必要がある。そのため、平行ねじと外表面肩部を
組み合わせることにより、人力による締め込み、及び締
め込み終了の確認の両方を達成することができる。次
に、継手部外径を管体外径を実質上同一にする理由とし
て、杭降下用に堀削された穴径をできるだけ小さくでき
る長所があり、継手部の出っ張りはそれだけ、大きな穴
径を必要とし、堀削コスト上昇を招く。
【0020】次に本発明の請求項2に述べた多条ねじに
ついて、その作用、効果を述べる。多条平行ねじにおけ
る回転量とねじ推進量の関係は以下の(1)式で表され
る。 n=S/k・m・p …… (1) ここで、S:全ねじ長さ、k:段数、p:ねじピッチ、
m:条数、n:回転数である。また、テーパねじにおけ
る回転量とねじ推進量の関係は以下の(2)式で表され
る。 n=2h/T・p …… (2) ここで、h:ねじ山高さ、T:ねじテーパである。い
ま、鋼管外径φ406.4の継手に対して、ねじ長さ1
50mm、ねじ高さ3mm、ピッチ8.467mm、テ
ーパねじのねじ列テーパ1/6の場合のねじ締め込み開
始から終了までの回転量について表1に示す。本発明の
意味するところは多段、多条ねじにするとで平行ねじで
あっても回転量を飛躍的に小さくでき、設計によっては
テーパねじ以上にまで回転数を抑えることができる。
【0021】
【表1】
【0022】本発明の請求項3において、ピンの大径ね
じ部断面係数と降伏強度との積とボックスの小径ねじ部
断面係数と降伏強度との積のいずれもが管体部断面係数
と管体降伏強度との積よりも大きく、なおかつ、ピンの
小径ねじ部断面積とボックスの大径ねじ部断面積の和が
ピン大径ねじ部断面積、またはボックス小径ねじ部断面
積のいずれか一方よりも大きいことの効果について表2
に示す。ねじの曲げ強度を管体以上に設計するには、ね
じ部の断面係数と降伏強度との積が管体の断面係数と降
伏強度との積よりも大きいことが設計上必須であること
が判った。
【0023】
【表2】
【0024】さらに言及すれば二段平行ねじピンにおい
ては、小径ねじ底での断面係数と降伏強度との積、二段
平行ねじボックスにおいては小径ねじ底での断面係数と
降伏強度との積がともに管体断面係数と管体降伏強度の
積以上であることが重要である。ここで具体的には、以
下の式(3)(4)の関係を満たしていることを意味す
る。 π/32×(D4 −d4 )/D×σo ≦π/32×(dp1 4 −di 4 )/dp1× σp …… (3) π/32×(D4 −d4 )/D×σo ≦π/32×(D4 −db2 4)/D×σp …… (4) 但し、D:管外径、d:管内径、dp1:ピン側大径ねじ
底径、di :継手内径、db2:ボックス側小径ねじ底
径、σo :管体降伏強度、σp :継手降伏強度
【0025】しかしながら、二段平行ねじにおいては、
以下の式(5)の条件を満たさなければ曲げ試験の究極
試験と考えられる引張荷重による破断試験(以下、引張
破断試験という)ではねじ部の危険断面ではなく、より
脆弱なピン小径ねじ部、またはボックス大径ねじ部から
破断することが判った。引張試験結果を表3に示す。 π/4×(dp1 2 −di 2 )またはπ/4×(D2 −db2 2 )≦π/4×(dp2 2 −di 2 )+π/4×(D2 −db1 2 ) …… (5) 但し、D:管外径、dp1:ピン側大径ねじ底径、dp2
ピン側小径ねじ底径、di :継手内径、db1:ボックス
側大径ねじ底径、db2:ボックス側小径ねじ底径 実際には継手部の剛性に起因して、ねじ部断面係数と降
伏強度の積が管体断面係数と降伏強度との積よりも僅か
ながらに小さくても曲げ荷重に対して管体以上の継手強
度を呈することもあるが、継手の安全性上、ねじ部断面
係数と降伏強度の積が管体断面係数と降伏強度との積以
上にあることが望ましい。
【0026】
【表3】
【0027】請求項4の効果として、請求項3で示した
ように継手形状、継手素材の降伏強度、管体素材の降伏
強度を自由に組み合わせることにより、効率的な継手設
計を行えることが判った。その方策として、継手部と管
体部を溶接すること、継手部と管体部を摩擦圧接するこ
と、継手部と管体部を液相拡散接合により接合すること
が最適設計を行うための手段となる。また、管体に直接
ねじを切削する必要がないため、10mにも及ぶ管体に
直接ねじを切削しなくともすむ長所も有する。
【0028】請求項5の発明を図4に示す。すなわち、
図4は円錐部を有した本発明に係るねじ継手の構成図で
ある。この図に示すように、ねじ継手はピン1とボック
ス2からなり、ボックス先端部にのみ肩部3を有し、ね
じ部は階段条に配した径大ピッチの平行ねじ4と径小ピ
ッチの平行ねじ5からなり、さらに、ピン側に円錐外面
7または7´、及びボックス側に円錐内面6または6´
を有している。この円錐面の効果について図5に示す。
図5(a)は建て込み開始時のピンとボックスの位置関
係を示すが、二段ねじになっているため、ボックスへの
ピンの挿入が円滑に行える。このとき、中心ずれがあっ
ても、図5(b)に示すように、ピン円錐面7とボック
ス円錐面6、またはピン円錐面7´とボックス円錐面6
´が接触し、ねじの嵌合直前には調心されており、現場
作業でも不良嵌合を起こすことなく、正常な嵌合、図5
(c),図5(d)が行える。また、軸心不整合があっ
た場合でも、図6に示すように円錐面がガイド役を果た
し、嵌合直前には調心され、正常な嵌合が施される。
【0029】請求項6の発明を図7に示す。ピン先端に
はねじなし部10を付設しており、このねじなし先端部
によりボックスへの調心機能が図8に示すように、より
一層高まる。ピン、ボックスの円錐部もねじなし先端部
も調心機能を与えるため、建て込み時にはお互い接触す
るが、嵌合開始時には遊離しており、締め込み完了時に
もお互いが接触することはない。油井管ねじ継手におい
てピン先端に円錐部、あるいはねじなし先端部を有する
事例はあるが、いずれも締め込み完了時点でお互いが接
触しており、いわゆる内圧、外圧をシールするための金
属対金属接触を形成している。地すべり抑止杭用継手で
はこれらの金属接触はトルク損失を導くため、好ましく
なく、設計思想として全く異なるものである。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるねじ継
手は平行ねじを階段状に配し、継手外表面部のみに肩部
を有することで建て込み性に優れ、さらに円錐調心部を
付設することで、より不良嵌合を軽減することができ、
多条ねじにより簡便な締め込み完了を実現でき、現場施
工においても極めて優れた施工性を発揮できる地すべり
抑止用杭継手を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地すべり抑止杭用ねじ継手の構成
図である。
【図2】本発明に係る継手の建て込み時のねじ継手の断
面図である。
【図3】従来の平行ねじと本発明に係るねじ継手の継手
肉厚の比較図である。
【図4】円錐部を有した本発明に係るねじ継手の構成図
である。
【図5】本発明による継手の建て込みから締め付け終了
までの模式図である。
【図6】軸心不整合時の円錐部を有した本発明の模式図
である。
【図7】ねじなし先端部を有した本発明の構成図であ
る。
【図8】ねじなし先端部を有した本発明の建て込み状態
を示した模式図である。
【図9】従来のテーパねじのグリス圧縮状況を示す模式
図である。
【図10】従来におけるテーパねじの締め付けトルクと
ターン数の関係を示す図である。
【図11】建て込み時と中心ずれと軸心不整合を示す模
式図である。
【図12】平行ねじ建て込み時の軸心不整合を示す模式
図である。
【図13】テーパねじと平行ねじの継手肉厚の比較図で
ある。
【符号の説明】
1 ピン 2 ボックス 3 肩部 4 大径平行ねじ 5 小径平行ねじ 6、6´ ボックス円錐面 7、7´ ピン円錐面 8 ピン小径ねじ部 9 ボックス大径ねじ部 10 ねじなし先端部
フロントページの続き (72)発明者 石田 宗弘 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管外面に雄ねじと肩部を有するピンと、
    管内面に該ピンにそれぞれ対応する雌ねじと肩部を有す
    るボックスを嵌合するねじ継手において、ねじ部が異な
    ったピッチ径からなる階段状に配置された平行ねじで、
    肩部を管外面部にのみ配置し、継手部外径が管外径と実
    質上等しいことを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継
    手。
  2. 【請求項2】 請求項1において、ねじ部が多条ねじで
    あることを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、ピンの大径
    ねじ部断面係数と降伏強度との積とボックスの小径ねじ
    部断面係数と降伏強度との積のいずれもが管体部断面係
    数と管体降伏強度との積よりも大きく、かつ該ピンの小
    径ねじ部断面積とボックス大径ねじ部断面積との和がピ
    ン大径ねじ部断面積、またはボックス小径ねじ部断面積
    のいずれか一方よりも大きいことを特徴とする地すべり
    抑止杭用ねじ継手。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3において、継手部を管体部
    に溶接、摩擦圧接、液相拡散接合することを特徴とする
    地すべり抑止杭用ねじ継手。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4において、ピン先端に円錐
    外面を有し、ボックスの大径ねじ部と小径ねじ部の中間
    に円錐内面を有するか、またはボックス先端に円錐内面
    を有し、該ピンの大ピッチ径ねじ部と小ピッチ径ねじ部
    の中間に円錐外面を有し、ねじ挿入時に円錐面同士のい
    ずれか一方、または両方が接触した後、嵌合を開始する
    ことを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4において、ピン先端にねじ
    なし部を有することを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ
    継手。
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