JPH11122030A - 可変指向性線状アンテナ - Google Patents

可変指向性線状アンテナ

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JPH11122030A
JPH11122030A JP27701297A JP27701297A JPH11122030A JP H11122030 A JPH11122030 A JP H11122030A JP 27701297 A JP27701297 A JP 27701297A JP 27701297 A JP27701297 A JP 27701297A JP H11122030 A JPH11122030 A JP H11122030A
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JP
Japan
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antenna
directivity
length
present
horizontal
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JP27701297A
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English (en)
Inventor
Nobutaka Misawa
宣貴 三沢
Hideji Sako
秀次 酒匂
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Publication of JPH11122030A publication Critical patent/JPH11122030A/ja
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Abstract

(57)【要約】 送受信感度の低下を防ぐために、アンテナ自体の位置を
変えることなくその指向性のみを変更させることができ
るアンテナを提供することである。 【課題】 使用状態あるいは設置状態による送受信感度
の低下を防ぐために、位置を変えることなくその指向性
を変更させることができるアンテナを提供すること。 【解決手段】 一本の線状導体からなり、2個以上の折
り返し点を有するアンテナを,偶数個の横成分と1個以
上の縦成分とで構成し、縦成分の長さVを、電磁波の波
長λに対して、0.35λ≦V≦0.45λまたは0.
55λ≦V≦0.65λとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信などに
用いられるアンテナに関するものであり、特に、設置位
置を変えずにその指向性を任意に設定することができる
線状アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
〔移動体通信の普及〕近年の移動体通信の普及はめざま
しい。ここで、移動体通信とは、自動車電話、携帯電
話、携帯端末、PHS等の移動可能な通信機器を用いた
通信を示す。なお、このような通信機器は端末と呼ばれ
る。
【0003】そして、端末の増加に伴い、送受信を行う
ための中継局も増加している。このような中継局は基地
局と呼ばれる。なお、基地局には、大型基地局と小型基
地局とが含まれる。大型基地局とは、電波の送受信範囲
がセル単位で広範囲な基地局のことであり、携帯電話な
どに用いられる。また、小型基地局とは、オフィス、地
下道などに設置される小電力の基地局のことであり、P
HSなどに用いられる。
【0004】従来においては、端末もしくは小型基地局
に用いるアンテナとして、以下に説明するようなアンテ
ナが使用されていた。
【0005】〔従来の移動体通信において用いられてい
たアンテナ〕従来の移動体通信において、線状アンテナ
の一つとして、図10に示したようなクランク状アンテ
ナが用いられている。図10は、従来のクランク状アン
テナにおける電流の流れの状態を模式的に示した図であ
る。図10において、6は給電点を、Hはアンテナの横
成分を、Vはアンテナの縦成分を、aとbは電流の流れ
を、cは電波の放射方向を、それぞれ表している。
【0006】このようなアンテナには、一般に、箔状金
属導体が用いられている。その理由は、箔状金属導体
が、ガラスなどへの貼付に対して、形状,材質あるいは
コストの面で適しているからである。なお、貼り付けら
れるガラスの具体例としては、自動車のリヤウインドウ
などがある。
【0007】また、このようなアンテナにおいては、指
向性が一定方向に固定されている。通常線状アンテナの
場合、その指向性は縦成分に対して垂直方向に固定され
ている。
【0008】〔アンテナの指向性が固定されている理
由〕ここで、アンテナの指向性が固定されている理由に
ついて、線状アンテナの場合を例に、簡単に説明する。
【0009】このようなアンテナにおいては、その横成
分および縦成分の長さが電磁波の波長の2分の1になる
ように設定されている。つまり、アンテナの横長さを
H、アンテナの縦長さをV、電磁波の波長をλとする
と、次式(*1)が成り立っている。但し、以下、横成
分の長さを横長さと、縦成分の長さを縦長さと、それぞ
れ簡単に呼ぶ。
【0010】(*1)V=H=0.5λ この場合、横方向、縦方向のそれぞれに、図10の1,
2に示すような電界が生じる。
【0011】ここで、アンテナの横成分に生じる電界
は、それらが互いに逆方向を向いているため、打ち消し
合ってしまう。その結果、アンテナ全体としては、横成
分の放射は発生しない。
【0012】それに対して、アンテナの縦成分に生じる
電界は、全てが同方向を向いているため、打ち消し合い
は生じない。その結果、アンテナ全体としては、縦成分
は同相で放射される。
【0013】つまり、アンテナを流れる電磁波は、図1
0の縦方向に揃う。そのため、図10のcに示すような
横方向の指向性が得られるのである。
【0014】従って、このアンテナを地面に対して垂直
に設置すれば、その指向性は水平方向に固定される。
【0015】また、水平に設置すれば、その指向性は垂
直方向に固定される。
【0016】〔従来のアンテナの使用状態〕前記の理由
から、このようなアンテナを用いた端末と基地局との通
信に際しては、両者の指向性が一致するような状態であ
ることが望ましい。
【0017】具体的に述べれば、次のようになる。
【0018】基地局は、一般に、地面からある一定の高
さの所に垂直かあるいはこれに近い状態で設置されてい
る。そのため、基地局用アンテナの指向性は、水平方向
つまり地面に対して平行に固定される。
【0019】この場合、端末は、それに用いられている
アンテナの指向性が、基地局の方向に向いた状態で使用
されることが望ましい。
【0020】しかしながら、使用状態によっては、アン
テナの指向性が必ずしも所望の方向に向くとは限らな
い。そのため、具体的には、次にあげるような問題点が
あった。
【0021】〔従来のアンテナの問題点1〕まず、自動
車内で携帯電話を使用する場合に生じる問題点につい
て、説明する。
【0022】携帯電話を自動車内で使用する際には、送
受信感度を上げるために自動車の窓ガラスに外部アンテ
ナを貼り付ける場合がある。その際、リヤウインドウな
どの傾斜した窓ガラスにアンテナを取り付けると、アン
テナの指向性は地面に対してある仰角を持って上方を向
いてしまう。それに対して、上記の通り、基地局のアン
テナの指向性は、水平に近い状態に固定されている。
【0023】したがって、両者のアンテナの指向性は一
致しない。そのため、送受信の感度が低下してしまう。
【0024】〔従来のアンテナの問題点2〕次に、建造
物の壁面あるいは地下道の天井コーナー部などに小型基
地局を設けた場合に生じる問題点について、説明する。
【0025】建造物の壁面に小型基地局を設けた際に
は、小型基地局のアンテナの指向性は、壁面に対し垂直
に近い状態に固定されている。また、地下道の天井コー
ナー部に小型基地局を設けた際には、小型基地局のアン
テナの指向性は、天井とほぼ水平に固定されている。
【0026】このような場合には、端末を使用する人
が、設置されたアンテナの指向性の中心に来ないと、両
者のアンテナの指向性は一致しない。そのため、送受信
の感度は、指向性が一致した場合に比べ低下する。
【0027】〔従来の問題点を解決するために必要とさ
れるアンテナの特性〕上記の問題点を解決するには、い
ずれの場合も、端末用アンテナと小型基地局用アンテナ
との指向性を何等かの方法で一致させればよい。実際に
は、両者のうちの少なくとも一方の指向性を他方に合わ
せることができれば、より送受信の感度を上げることが
可能となる。
【0028】上記の例について、実用的な解決手段を具
体的に述べれば、次のようになる。
【0029】(1)自動車内で携帯電話を使用する場合 この場合、自動車の移動状態に合わせて、基地局用アン
テナの指向性を変えることよりも、端末用アンテナの指
向性を変えることの方が容易である。
【0030】(2)建造物の壁面あるいは地下道の天井
コーナー部などに基地局を設けた場合 この場合、端末の使用状態が一意的でないため、基地局
用アンテナの指向性を変える方が容易である。
【0031】つまり、いずれの場合もアンテナの位置を
変えずに、その指向性のみを変えられることが要求され
る。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来技術
の問題から、使用状態あるいは設置状態によって送受信
感度が低下することなく、所望の方向にアンテナの指向
性を向けられるアンテナが求められている。
【0033】従って、本発明が解決しようとする課題
は、送受信感度の低下を防ぐために、アンテナ自体の位
置を変えることなくその指向性のみを変更させることが
できるアンテナを提供することである。
【0034】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明では、基本的に、アンテナの縦成分の長さ
を電波の波長に応じて設定することで、アンテナの位置
を変えずに所望の指向性を持たせるという手段をとる。
【0035】すなわち、本発明は、一本の線状導体から
なるアンテナであって,このアンテナは、2個以上の折
り返し点を有し、かつ、偶数個の横成分と1個以上の縦
成分とで構成され、横成分の長さHが、全て等しく、縦
成分の長さVが、電磁波の波長λに対して、0.35λ
≦V≦0.45λまたは0.55λ≦V≦0.65λで
あることを特徴とする。
【0036】前記横成分の長さHが、前記電磁波の波長
λに対して、0.45λ≦H≦0.55λであることを
特徴とする。
【0037】前記アンテナの形状が、クランク状である
ことを特徴とする。
【0038】前記線状導体が、金属導体、あるいは、樹
脂製基板上に形成された金属導体であることを特徴とす
る。
【0039】
【発明の実施の形態】
〔本発明の線状アンテナの基本的な特徴〕まず、本発明
の線状アンテナの基本的な特徴について、説明する。
【0040】本発明は、アンテナの位置を変えずに、そ
の指向性を電気的に変更させることを基本的な特徴とす
る。具体的には、電磁波の波長に応じて、アンテナの縦
成分の長さを設定することにより、所望の指向角度を作
り出し、その結果として、指向性を変更させる。
【0041】それによって、アンテナの位置を変更する
ことなく、各々のアンテナ間の指向性をほぼ一致させる
ことができる。但し、ここでいうアンテナとは、端末用
アンテナおよび小型基地局用アンテナのうちの少なくと
も一方を意味する。
【0042】〔横成分と縦成分〕ここで、本発明のアン
テナに係る横成分と縦成分について、説明する。
【0043】本発明のアンテナに関して、その横成分と
は、互いに打ち消しあい放射しない成分を意味し、その
縦成分とは、合成されて放射する成分を意味する。
【0044】また、以下、上記同様、横成分の長さを横
長さと呼び、縦成分の長さを縦長さと呼ぶ。
【0045】〔本発明のアンテナの基本的な構成〕以
下、本発明のアンテナの基本的な構成について、説明す
る。
【0046】本発明のアンテナは、基本的に、次の2つ
の条件を同時に満足する構成であればよい。
【0047】(条件1−1)上記のような縦成分と横成
分の2つの成分で構成されている。
【0048】(条件1−2)アンテナの指向性が、水平
あるいは垂直に対して、所望の角度を有して傾斜してい
る。但し、水平あるいは垂直とは、ある基準面を想定し
て、その面に対する関係を意味する。なお、基準面は多
くの場合、地面である。
【0049】〔本発明のアンテナの指向性を傾斜させる
方法〕ここで、本発明のアンテナの指向性を傾斜させる
方法について、説明する。
【0050】アンテナの横長さおよび縦長さを0.5λ
に設定すると、上記のように、その指向性は水平方向に
なる。それに対して、縦長さを0.5λからわずかに変
えて設定すると、その指向性は、次のように傾斜する。
【0051】(1)縦長さを0.5λよりわずかに短く
する場合 この場合、給電点に近い成分に対して、遠い成分の方
が、電磁波の位相が遅れる。その結果、アンテナ全体の
指向性は、水平方向に対して下向き、すなわち、基準面
側に傾斜する。この状態を図4のe′′に示した。
【0052】(2)縦長さを0.5λよりわずかに長く
する場合 この場合、給電点に近い成分に対して、遠い成分の方
が、電磁波の位相が進む。その結果、アンテナ全体の指
向性は、水平方向に対して上向き、すなわち、基準面の
反対側に傾斜する。この状態を図4のe′に示した。
【0053】〔指向性の傾斜角度〕本発明に係る指向性
の傾斜角度は、基本的に、次の2つの要因に依存する。
【0054】(要因1)アンテナ成分の個数 つまり、アンテナ成分の個数が多いほど、傾斜角度が大
きくなる。
【0055】(要因2)縦長さの0.5λとの差の絶対
値 つまり、縦長さの0.5λとの差の絶対値が大きいほ
ど、傾斜角度が大きくなる。しかしながら、この絶対値
を必要以上に大きくする必要はなく、実用的なアンテナ
成分の長さには、次に説明するような好ましい範囲があ
る。
【0056】〔アンテナ成分の縦長さ〕上記の基本的な
構成を実現するためには、アンテナ成分の縦長さをV、
電磁波の波長をλとし、以下のように設定すればよい。
【0057】(縦長さ1)0.35λ≦V≦0.45λ Vが0.35λより小さいと、位相差が大きくなり、必
要なアンテナ利得を確保できない。また、Vが0.45
λより大きいと、指向角度が小さくなりすぎ、所望の指
向性が得られない。
【0058】(縦長さ2)0.55λ≦V≦0.65λ Vが0.55λより小さいと、指向角度が小さくなりす
ぎ、所望の指向性が得られない。また、Vが0.65λ
より大きいと、位相差が大きくなり、必要なアンテナ利
得を確保できない。
【0059】〔アンテナ成分の横長さ〕上記の基本的な
構成を実現するためには、アンテナ成分の横長さを、基
本的に、すべて同一にすればよい。
【0060】その上で、アンテナ全体の位相差を考慮す
ると、横長さを次のように設定することが好ましい。
【0061】(横長さ1)H=0.5λ さらに、アンテナ利得の許容範囲を考慮すると、横長さ
を次のように設定してもよい。
【0062】(横長さ2)0.45λ≦H<0.5λ
および 0.5λ<H≦0.55λ 横長さが、この範囲であれば、実用上問題は生じない。
【0063】〔横長さと縦長さの好ましい組み合わせ〕
上記の基本的な構成は、上記の横長さHおよび縦長さV
のいずれの組み合わせでも実現できるが、好ましい組み
合わせとしては、次の2通りがある。
【0064】(長さ1)0.35λ≦V≦0.45λ
かつ 0.45λ≦H≦0.55λ (長さ2)0.55λ≦V≦0.65λ かつ 0.4
5λ≦H≦0.55λ 縦長さVと横長さHをこのように設定することにより、
実際の使用に際して十分なアンテナ利得を持続すること
ができ、かつ、指向角度を所望の大きさに調整すること
ができる。そのため、送受信感度を向上させることが可
能である。
【0065】しかしながら、上記の範囲をはずれると、
指向角度はさらに大きくできるものの、電磁波の放射が
急激に乱れて、実際の使用に際して十分なアンテナ利得
が得られないため、送受信感度を向上させることが不可
能である。
【0066】〔アンテナの形状〕本発明のアンテナの形
状について、説明する。
【0067】本発明のアンテナとしては、基本的に、次
の3つの条件を同時に満足する形状であればよい。
【0068】(条件2−1)一本の線状導体から構成さ
れる。
【0069】(条件2−2)折り返し点を2個以上有す
る。
【0070】(条件2−3)同一長の横成分を偶数個有
する。
【0071】具体的には、次のような形状がある。
【0072】(形状1)クランク形状アンテナ 図1は、本発明にかかるクランク形状アンテナを模式的
に示した図である。図1において、6は給電点を、Vは
アンテナの縦成分を、Hはアンテナの横成分を、それぞ
れ表している。
【0073】なお、図1に示したクランク形状アンテナ
は、縦成分Vと横成分Hが、連続的に接続されている。
【0074】(形状2)クランクに類似する形状 この形状2は、形状1に類似するが、横成分と縦成分が
直交していないものである。
【0075】(形状3)U字型形状 この形状3は、直線状の横成分と直線部分と弧状部分と
からなる縦成分からなるものである。それを図2に示し
た。
【0076】(形状4)U字型に類似する形状 この形状4は、形状3に類似するが、横成分と縦成分が
直交していないものである。
【0077】(形状5)蛇行型形状 この形状5は、弧状の横成分と縦成分からなるものであ
る。それを図3に示した。
【0078】なお、本発明のアンテナの形状は、前記の
形状に限定されるものではなく、種々の形状を有するも
のでもよい。しかしながら、上記の形状の中で、クラン
ク形状が、アンテナの基本動作原理などの理由から最も
好ましい。
【0079】〔アンテナの成型方法〕上記の種々のアン
テナの成型方法としては、折り曲げによる成型、鋳型よ
る成型、蒸着、フィルム印刷、型抜き、溶接による接合
等がある。
【0080】但し、製造方法の容易さ等を考慮すると、
折り曲げによる成型を用いることが最も好ましい。
【0081】〔線状導体の形態〕本発明に係る線状導体
は、基本的に連続的に形成された線状の導体であればよ
く、従来より用いられている種々の材料を用いることが
できる。具体的には、独立的に形成された金属や樹脂製
基板上に形成された金属などがある。
【0082】その中でも、線状導体としては、箔状金属
導体が好ましく、樹脂製基板としては、フィルムや透明
プラスチック製を用いることが好ましい。
【0083】〔本発明のアンテナの使用の形態1〕ま
ず、本発明のアンテナを端末用アンテナとして使用する
形態の一例を、自動車内で携帯電話を使用する場合を例
に説明する。
【0084】〔従来技術の問題点1〕で述べた通り、こ
の場合、従来のアンテナではその指向性が、地面に対し
てある仰角を持って上方を向いてしまうことがある。
【0085】それに対して、本発明のアンテナを端末用
アンテナに用いれば、その指向性を基地局用アンテナの
指向性に一致あるいはそれに近い状態にすることができ
る。その理由は、上記の通り、本発明のアンテナの、縦
長さVの長さを適度に設定することによって、その指向
性に所望の指向角度を持たせることができるからであ
る。
【0086】具体的にいえば、この場合、その指向性が
通常の状態よりも下向きの指向角度を持つようにしたア
ンテナを、端末用アンテナとして、用いればよい。
【0087】このようなアンテナを用いることによっ
て、端末用アンテナの指向性が基地局用アンテナの指向
性に近い状態になるため、送受信感度が向上する。
【0088】なお、通常、携帯電話の基地局のアンテナ
は、地上高10〜20mに設置されている。
【0089】つまり、本発明のアンテナは、基地局用ア
ンテナの設置位置が固定されている場合に、端末用アン
テナの設置位置を変えずにその指向性のみを変える手段
として有効である。
【0090】〔本発明のアンテナの使用の形態2〕次
に、本発明のアンテナを小型基地局用アンテナとして使
用する形態の一例を、建造物の壁面あるいは地下道の天
井コーナー部などに基地局を設けた場合を例に説明す
る。
【0091】〔従来技術の問題点2〕で述べた通り、こ
の場合、従来のアンテナでは、端末使用者が、設置され
たアンテナの指向性の中心に来ない限り、両者のアンテ
ナの指向性は一致しなかった。
【0092】それに対して、本発明のアンテナを基地局
用アンテナに用いれば、その指向性を端末用アンテナの
指向性に一致あるいはそれに近い状態にすることができ
る。その理由は、前記の通りである。
【0093】具体的にいえば、この場合も、その指向性
が通常の状態よりも下向きの指向角度を持つようにした
アンテナを、小型基地局用アンテナとして、用いればよ
い。なお、下向きの指向角度をもたせる理由は、この場
合の送受信対象領域が、小型基地局用アンテナの設置位
置の下方になるためである。
【0094】このようなアンテナを用いることによっ
て、小型基地局用アンテナの指向性が端末用アンテナの
指向性に近い状態にできるため、送受信感度が向上す
る。
【0095】つまり、本発明のアンテナは、端末使用者
が小型基地局用アンテナの指向性の中心外にいる場合
に、小型基地局用アンテナの設置位置を変えずにその指
向性のみを変える手段としても有効である。
【0096】
【実施例】以下、本発明に関わるクランク形状アンテナ
の実施例を説明する。
【0097】〔実施例1〕本発明のアンテナに係る縦長
さと指向性角度の関係を、実施例1として示す。
【0098】本実施例では、周波数が1.5GHz帯、
その時の波長λ=200mmに設定し、縦長さと指向角
度の関係を調べた。その実施例を図5に示した。
【0099】但し、本実施例においては、クランク形状
アンテナを用い、横長さをH=0.5λとした。
【0100】図5は、縦長さとアンテナ利得との関係を
示すグラフである。図5において、横軸には縦長さV
を、縦軸には平均傾斜角度を、それぞれとっている。な
お、ここでの平均傾斜角度とは、前記波長の範囲に対し
て設定した各縦長さに対して得られた指向角度を平均し
た値である。
【0101】図5からわかる通り、本発明のアンテナを
用いれば、その指向性を−60°〜60°の範囲で任意
に設定できる。
【0102】〔実施例2〕本発明のアンテナに係る縦長
さの限定理由を、実施例2として示す。
【0103】本実施例では、〔実施例1〕と同様の波長
に対して、縦長さとアンテナ利得の関係について調べ
た。
【0104】また、アンテナにかかる形状は、〔実施例
1〕と同様とした。
【0105】図6は、縦長さに対するとアンテナ利得の
変化を示すグラフである。図6における横軸にはアンテ
ナ成分の縦長さを、縦軸には、アンテナ利得を、それぞ
れとってある。
【0106】図6からわかる通り、本発明のアンテナで
は、アンテナ利得低下値を3dB程度に抑制することが
できる。したがって、アンテナ成分の縦長さを0.35
λ≦V≦0.45λ または0.55λ≦V≦0.65
λの範囲に設定すれば実用に際しての問題は生じない。
【0107】なお、横長さHを0.5λ以外に設定した
場合に対しても、同様の結果が得られた。
【0108】〔実施例3〕本発明のアンテナに係る横長
さの限定理由を、実施例3として示す。
【0109】本実施例では、〔実施例1〕と同様の波長
に対して、横長さとアンテナ利得の関係について調べ
た。
【0110】また、アンテナにかかる形状は、〔実施例
1〕と同様とし、縦長さV=0.5λと設定した。
【0111】図7は、横長さに対するとアンテナ利得の
変化を示すグラフである。図7における横軸にはアンテ
ナ成分の横長さを、、縦軸にはアンテナ利得を、それぞ
れとってある。
【0112】図7からわかる通り、本発明のアンテナ
は、アンテナ利得低下値を1dB程度に抑制することが
できる。したがって、アンテナ成分の横長さを0.45
λ≦H≦0.55λの範囲で設定すれば、実用に際して
の問題は生じない。
【0113】なお、縦長さVを0.5λ以外に設定した
各場合においても、同様の結果が得られた。
【0114】〔実施例4〕本発明に係るクランク形状ア
ンテナの具体例についての実施例を、実施例4として示
す。
【0115】前記の結果に基づいて、次のようなクラン
ク形状アンテナを作成した。なお、本実施例において
も、前記の実施例と同様の波長で実施した。
【0116】(クランク1−1)V=70mm、H=9
0mm この形状は、V=0.35λ、H=0.45λの場合に
対応する。
【0117】(クランク1−2)V=70mm、H=1
10mm この形状は、V=0.35λ、H=0.55λの場合に
対応する。
【0118】(クランク2−1)V=90mm、H=9
0mm この形状は、V=0.45λ、H=0.45λの場合に
対応する。
【0119】(クランク2−2)V=90mm、H=1
10mm この形状は、V=0.45λ、H=0.55λの場合に
対応する。
【0120】(クランク3−1)V=110mm、H=
90mm この形状は、V=0.55λ、H=0.45λの場合に
対応する。
【0121】(クランク3−2)V=110mm、H=
110mm この形状は、V=0.55λ、H=0.55λの場合に
対応する。
【0122】(クランク4−1)V=130mm、H=
90mm この形状は、V=0.65λ、H=0.45λの場合に
対応する。
【0123】(クランク4−2)V=130mm、H=
110mm この形状は、V=0.65λ、H=0.55λの場合に
対応する。
【0124】これらいずれの形状についても、アンテナ
利得の損失最大3dB前後に抑制することができた。従
って、本発明のアンテナは、実用に際して問題がないこ
とがわかった。
【0125】〔実施例5〕本発明のアンテナを用いた携
帯電話を、自動車内で使用する場合の実施例を、実施例
5として示す。
【0126】本実施例では、本発明に係るクランク状の
アンテナを自動車の窓ガラスの外側に貼り付けた際の状
態での指向性方向を図8に示した。
【0127】ここで、図8は、自動車内で携帯電話を使
用した状態での、アンテナの指向性方向を模式的に示し
た図である。図8において、cは従来の指向性方向を、
eは本発明のアンテナの指向性を、dは小型基地局から
の電波を、4は小型基地局を、それぞれ表す。
【0128】この場合、窓ガラスが垂直に対して60度
程度傾斜していた。そのため、端末用アンテナの指向性
を、法線方向に対して下向きに60度の指向角度をもつ
ように設定した。具体的には、アンテナ成分の縦長さを
0.65λに設定し、アンテナ成分の横長さを0.5λ
に設定すれば、基準面から60°の角度で最適にビーム
がチルトするアンテナが得られた。
【0129】なお、異なる傾斜角を有する窓ガラスに対
しても、この場合と同様に、適当な指向角度をもったア
ンテナを用いることによって、同様の結果を得ることが
できた。また、本実施例とは異なる各形状のアンテナに
ついても同様の結果が得られた。
【0130】本発明のアンテナは、この種の用途におい
ては、さほど鋭い指向性を要求されないため、充分実用
に耐える。
【0131】〔実施例6〕本発明のアンテナをPHSの
小型基地局用アンテナに用いた場合の実施例を、実施例
6として示す。
【0132】本実施例では、本発明に係るクランク形状
アンテナをPHSの小型基地局用アンテナとして建造物
の壁面に取り付けた。その状態を図9に示した。
【0133】図9において、cは従来の電波の放射方向
を、eは本発明のアンテナでの指向性方向を、fは端末
の電波方向を、3は端末を、それぞれ表す。
【0134】この場合、地面に対してほぼ垂直に基地局
用アンテナが設置されていた。そのため、基地局用アン
テナの指向性を、放線方向に対して下向きに60度の指
向角度をもつように設定した。具体的には、アンテナ成
分の縦長さを0.35λに設定し、アンテ成分の横長さ
を0.5λで設定すれば、放線方向から下向きに60°
の角度で最適にビームがチルトするアンテナを得ること
ができた。
【0135】なお、本実施例とは異なる各形状のアンテ
ナについても同様の結果が得られた。
【0136】本発明のアンテナは、上記同様にこの種の
用途では、さほど鋭い指向性を要求されないため、充分
実用に耐える。
【0137】
【発明の効果】本発明のアンテナは、位置を変えること
なく、その指向性のみを変更させることができるため、
送受信感度の低下を防ぐことができる。
【0138】したがって、本発明のアンテナを端末ある
いは基地局のアンテナとして用いることにより、移動体
通信をより広範囲において送受信感度の安定した状態に
保ち、使用者に対し一層の便利さを提供することが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクランク状アンテナの平面図である。
【図2】本発明のU字型アンテナの平面図である。
【図3】本発明の蛇行型形状のアンテナの平面図である
【図4】本発明のクランク状アンテナによる電波の指向
性方向を示す図である。
【図5】本発明のクランク状アンテナによる縦長さとア
ンテナ利得を示す図である。
【図6】本発明のクランク状アンテナによる縦長さに対
するアンテナ利得の変化を示す図である。
【図7】本発明のクランク状アンテナによる横長さに対
するアンテナ利得の変化を示す図である。
【図8】携帯電話を自動車内で使用した際の電波の指向
性を示す図である。
【図9】携帯端末と小型基地局間の電波の指向性を示す
図である。
【図10】従来の線状アンテナとその指向性方向を示す
図である。
【符号の説明】
1、2 電界の方向 3 端末 4 小型基地局 6 給電点 a、b 電流の流れ c 従来の電波の指向性方向 d 基地局からの電波の放射方向 e 本発明のアンテナによる指向性方向 e′ 本発明のアンテナの縦長さを0.5λよりわず
かに長くした際の指向性方向 e″ 本発明のアンテナの縦長さを0.5λよりわず
かに短くした際の指向性方向 f 端末からの電波の方向 H アンテナ横成分 V アンテナ縦成分

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一本の線状導体からなるアンテナであっ
    て,該アンテナは、2個以上の折り返し点を有し、か
    つ、偶数個の横成分と1個以上の縦成分とで構成され、
    該横成分の長さHが、全て等しく、該縦成分の長さV
    が、電磁波の波長λに対して、 0.35λ≦V≦0.45λ または 0.55λ≦V≦0.65λ であることを特徴とする線状アンテナ。
  2. 【請求項2】 前記横成分の長さHが、前記電磁波の波
    長λに対して、 0.45λ≦H≦0.55λ であることを特徴とする請求項1記載の線状アンテナ。
  3. 【請求項3】 前記アンテナの形状が、クランク状であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の線状アンテ
    ナ。
  4. 【請求項4】 前記線状導体が、金属導体であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の線状アン
    テナ。
  5. 【請求項5】 前記線状導体が、樹脂製基板上に形成さ
    れた箔状の金属導体であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項記載の線状アンテナ。
JP27701297A 1997-10-09 1997-10-09 可変指向性線状アンテナ Withdrawn JPH11122030A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6426730B1 (en) 1999-12-27 2002-07-30 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Multi-frequency array antenna

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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