JPH11121843A - 半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置及び固体レーザ発振装置 - Google Patents
半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置及び固体レーザ発振装置Info
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- JPH11121843A JPH11121843A JP28706497A JP28706497A JPH11121843A JP H11121843 A JPH11121843 A JP H11121843A JP 28706497 A JP28706497 A JP 28706497A JP 28706497 A JP28706497 A JP 28706497A JP H11121843 A JPH11121843 A JP H11121843A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 励起用半導体レーザの励起光を効率よく固体
素子に入射させることができ高効率の励起が可能な半導
体レーザ励起固体レーザ増幅装置、および高効率のレー
ザビームを発生させることができる固体レーザ発振装置
を得る。 【解決手段】 レーザビームの光軸方向に長軸を有する
棒状のレーザ活性物質からなる固体素子1と、前記固体
素子を光軸に沿って包囲し、光軸に沿った開口を有する
集光器10と、前記集光器の開口に沿って配置された励起
用半導体レーザ2と、前記集光器の開口に挿入され、前
記励起用半導体レーザの励起光を前記固体素子に伝送す
る励起光伝送方向に沿って狭くなる楔形の励起光伝送光
学素子3とを備えた半導体レーザ励起固体レーザ増幅装
置において、前記励起光伝送光学素子の励起光入射面30
1が平面であり、前記楔形のテーパ角が、順方向の光伝
送に必要な最大テーパ角以内である。
素子に入射させることができ高効率の励起が可能な半導
体レーザ励起固体レーザ増幅装置、および高効率のレー
ザビームを発生させることができる固体レーザ発振装置
を得る。 【解決手段】 レーザビームの光軸方向に長軸を有する
棒状のレーザ活性物質からなる固体素子1と、前記固体
素子を光軸に沿って包囲し、光軸に沿った開口を有する
集光器10と、前記集光器の開口に沿って配置された励起
用半導体レーザ2と、前記集光器の開口に挿入され、前
記励起用半導体レーザの励起光を前記固体素子に伝送す
る励起光伝送方向に沿って狭くなる楔形の励起光伝送光
学素子3とを備えた半導体レーザ励起固体レーザ増幅装
置において、前記励起光伝送光学素子の励起光入射面30
1が平面であり、前記楔形のテーパ角が、順方向の光伝
送に必要な最大テーパ角以内である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡易な構成で、安
定に、高出力なレーザビームを、高効率に発生すること
のできる半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置、及び固
体レーザ装置に関するものである。
定に、高出力なレーザビームを、高効率に発生すること
のできる半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置、及び固
体レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図29は、例えばレーザ及び電気光学に
関する国際会議CLEO/EUROPE ’96の予稿
集CMA2において示されている、従来の半導体レーザ
励起固体レーザ増幅装置を光軸方向から見た構成図であ
る。図中、1は活性媒質を含む固体素子、2は励起光源
である複数の発光層が積層状に固定されたスタック型半
導体レーザ、9は冷却材のフローチューブ、10は固体
素子を取り囲むよう配設された集光器である。
関する国際会議CLEO/EUROPE ’96の予稿
集CMA2において示されている、従来の半導体レーザ
励起固体レーザ増幅装置を光軸方向から見た構成図であ
る。図中、1は活性媒質を含む固体素子、2は励起光源
である複数の発光層が積層状に固定されたスタック型半
導体レーザ、9は冷却材のフローチューブ、10は固体
素子を取り囲むよう配設された集光器である。
【0003】次に動作について説明する。スタック型半
導体レーザ2より発せられた励起光は、フローチューブ
9を介し、固体素子1を側方より照射し、固体素子1内
に含まれる活性媒質を励起する。この結果、固体素子1
内の活性媒質は励起され、反転分布を形成する。反転分
布のエネルギー差に相当する波長を有する光が、固体素
子1中を通過する際、誘導放出現象により増幅作用を受
け、光強度は増大する。またスタック型半導体レーザ2
より発せられた励起光のうち、直接固体素子1に入射す
ることのない励起光や、固体素子1に一旦入射したもの
の、活性媒質に吸収されることなく透過した励起光は、
集光器10表面において、進行方向を折り返され、一部
は再度固体素子1内に入射し、励起に利用される。フロ
ーチューブ9内面と固体素子1との間の隙間に純水等の
冷却媒体を流し、固体素子1の冷却を行う。
導体レーザ2より発せられた励起光は、フローチューブ
9を介し、固体素子1を側方より照射し、固体素子1内
に含まれる活性媒質を励起する。この結果、固体素子1
内の活性媒質は励起され、反転分布を形成する。反転分
布のエネルギー差に相当する波長を有する光が、固体素
子1中を通過する際、誘導放出現象により増幅作用を受
け、光強度は増大する。またスタック型半導体レーザ2
より発せられた励起光のうち、直接固体素子1に入射す
ることのない励起光や、固体素子1に一旦入射したもの
の、活性媒質に吸収されることなく透過した励起光は、
集光器10表面において、進行方向を折り返され、一部
は再度固体素子1内に入射し、励起に利用される。フロ
ーチューブ9内面と固体素子1との間の隙間に純水等の
冷却媒体を流し、固体素子1の冷却を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の半導体レー
ザ励起固体レーザ増幅装置においては、広い発光領域を
有するスタック型半導体レーザから発せられる励起光を
集光器内に導入するため、スタック型半導体レーザの発
光領域に相当する開口を集光器側面に設けていた。集光
器に設けた開口は、集光器本来の機能である反射作用を
有せず、集光器機能の観点からみると無効領域となる。
励起光有効利用の観点から、励起光を導入するため集光
器に設ける開口の大きさは、可能な限り小さくすること
が望ましい。一方、上述のように従来の半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置においては、励起光源である半導
体レーザの発光領域に相当する開口を集光器に設けてい
たため、高い励起パワーを得るためスタック型半導体レ
ーザ等、広い発光領域を有する励起光源を使用する際に
は、集光器内の無効領域の増加が顕著となり、励起光利
用効率の低下を回避できないという問題点があった。
ザ励起固体レーザ増幅装置においては、広い発光領域を
有するスタック型半導体レーザから発せられる励起光を
集光器内に導入するため、スタック型半導体レーザの発
光領域に相当する開口を集光器側面に設けていた。集光
器に設けた開口は、集光器本来の機能である反射作用を
有せず、集光器機能の観点からみると無効領域となる。
励起光有効利用の観点から、励起光を導入するため集光
器に設ける開口の大きさは、可能な限り小さくすること
が望ましい。一方、上述のように従来の半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置においては、励起光源である半導
体レーザの発光領域に相当する開口を集光器に設けてい
たため、高い励起パワーを得るためスタック型半導体レ
ーザ等、広い発光領域を有する励起光源を使用する際に
は、集光器内の無効領域の増加が顕著となり、励起光利
用効率の低下を回避できないという問題点があった。
【0005】本発明は、かかる問題を解決するためにな
されたものであり、広い発光領域を有する半導体レーザ
を励起光源として使用した際にも、集光器の無効領域を
著しく増加させることなく、効率よく励起光を集光器内
に伝送し、高品質なレーザビームを効率よく安定に発
生、増幅することのできる半導体レーザ励起固体レーザ
増幅装置および半導体レーザ励起固体レーザ発振装置を
得ることを目的とする。
されたものであり、広い発光領域を有する半導体レーザ
を励起光源として使用した際にも、集光器の無効領域を
著しく増加させることなく、効率よく励起光を集光器内
に伝送し、高品質なレーザビームを効率よく安定に発
生、増幅することのできる半導体レーザ励起固体レーザ
増幅装置および半導体レーザ励起固体レーザ発振装置を
得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成に係
る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置は、レーザビー
ムの光軸方向に長軸を有する棒状のレーザ活性物質から
なる固体素子と、前記固体素子を光軸に沿って包囲し、
光軸に沿った開口を有する集光器と、前記集光器の開口
に沿って配置された励起用半導体レーザと、前記集光器
の開口に挿入され、前記励起用半導体レーザの励起光を
前記固体素子に伝送する励起光伝送方向に沿って狭くな
る楔形の励起光伝送光学素子とを備えた半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置において、前記励起光伝送光学素
子の励起光入射面が平面であり、前記楔形のテーパ角
が、順方向の光伝送に必要な最大テーパ角以内であるこ
とを特徴とするものである。
る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置は、レーザビー
ムの光軸方向に長軸を有する棒状のレーザ活性物質から
なる固体素子と、前記固体素子を光軸に沿って包囲し、
光軸に沿った開口を有する集光器と、前記集光器の開口
に沿って配置された励起用半導体レーザと、前記集光器
の開口に挿入され、前記励起用半導体レーザの励起光を
前記固体素子に伝送する励起光伝送方向に沿って狭くな
る楔形の励起光伝送光学素子とを備えた半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置において、前記励起光伝送光学素
子の励起光入射面が平面であり、前記楔形のテーパ角
が、順方向の光伝送に必要な最大テーパ角以内であるこ
とを特徴とするものである。
【0007】本発明の第2の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第1の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザはPN接合面が前記固体素子の光
軸に平行な複数の層状の半導体レーザを積層してなり、
前記励起用半導体レーザと前記励起光伝送光学素子の励
起光入射面との間に励起用半導体レーザの出射光の広が
り角を補正する微小円筒レンズ列を備えたものである。
起固体レーザ増幅装置は、前記第1の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザはPN接合面が前記固体素子の光
軸に平行な複数の層状の半導体レーザを積層してなり、
前記励起用半導体レーザと前記励起光伝送光学素子の励
起光入射面との間に励起用半導体レーザの出射光の広が
り角を補正する微小円筒レンズ列を備えたものである。
【0008】本発明の第3の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第1の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザは、PN接合面が前記固体素子の
光軸に垂直な複数の層状の半導体レーザを積層してなる
ものである。
起固体レーザ増幅装置は、前記第1の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザは、PN接合面が前記固体素子の
光軸に垂直な複数の層状の半導体レーザを積層してなる
ものである。
【0009】本発明の第4の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、レーザビームの光軸方向に長
軸を有する棒状のレーザ活性物質からなる固体素子と、
前記固体素子を光軸に沿って包囲し、光軸に沿った開口
を有する集光器と、前記集光器の開口に沿って配置され
た励起用半導体レーザと、前記集光器の開口に挿入さ
れ、前記励起用半導体レーザの励起光を前記固体素子に
伝送する励起光伝送方向に沿って狭くなる楔形の励起光
伝送光学素子とを備えた半導体レーザ励起固体レーザ増
幅装置において、前記励起光伝送光学素子の励起光入射
面が前記固体素子の光軸と平行な凸型の曲面であること
を特徴とするものである。
起固体レーザ増幅装置は、レーザビームの光軸方向に長
軸を有する棒状のレーザ活性物質からなる固体素子と、
前記固体素子を光軸に沿って包囲し、光軸に沿った開口
を有する集光器と、前記集光器の開口に沿って配置され
た励起用半導体レーザと、前記集光器の開口に挿入さ
れ、前記励起用半導体レーザの励起光を前記固体素子に
伝送する励起光伝送方向に沿って狭くなる楔形の励起光
伝送光学素子とを備えた半導体レーザ励起固体レーザ増
幅装置において、前記励起光伝送光学素子の励起光入射
面が前記固体素子の光軸と平行な凸型の曲面であること
を特徴とするものである。
【0010】本発明の第5の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第4の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザはPN接合面が前記固体素子の光
軸に平行な複数の層状の半導体レーザを積層してなり、
前記励起用半導体レーザと前記励起光伝送光学素子の励
起光入射面との間に励起用半導体レーザの出射光の広が
り角を補正する微小円筒レンズ列を備えたものである。
起固体レーザ増幅装置は、前記第4の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザはPN接合面が前記固体素子の光
軸に平行な複数の層状の半導体レーザを積層してなり、
前記励起用半導体レーザと前記励起光伝送光学素子の励
起光入射面との間に励起用半導体レーザの出射光の広が
り角を補正する微小円筒レンズ列を備えたものである。
【0011】本発明の第6の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第4の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザは、PN接合面が前記固体素子の
光軸に垂直な複数の層状の半導体レーザを積層してなる
ものである。
起固体レーザ増幅装置は、前記第4の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザは、PN接合面が前記固体素子の
光軸に垂直な複数の層状の半導体レーザを積層してなる
ものである。
【0012】本発明の第7の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし6の何れかの
構成に加えて、前記励起光伝送光学素子は、励起光入射
面から励起光出射面に向かって屈折率が増加する材料で
形成されているものである。
起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし6の何れかの
構成に加えて、前記励起光伝送光学素子は、励起光入射
面から励起光出射面に向かって屈折率が増加する材料で
形成されているものである。
【0013】本発明の第8の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし6の何れかの
構成に加えて、前記励起光伝送光学素子は、前記楔形の
テーパの中心線に近いほど屈折率の大きい材料で形成さ
れているものである。
起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし6の何れかの
構成に加えて、前記励起光伝送光学素子は、前記楔形の
テーパの中心線に近いほど屈折率の大きい材料で形成さ
れているものである。
【0014】本発明の第9の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし8の何れかの
構成に加えて、前記励起光伝送光学素子の楔形のテーパ
面に全反射膜を設けたものである。
起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし8の何れかの
構成に加えて、前記励起光伝送光学素子の楔形のテーパ
面に全反射膜を設けたものである。
【0015】本発明の第10の構成に係る半導体レーザ
励起固体レーザ増幅装置は、前記第1または4の構成に
加えて、前記励起光伝送光学素子の入射面に前記固体素
子の光軸に平行な微小円筒レンズを一体化して設けたも
のである。
励起固体レーザ増幅装置は、前記第1または4の構成に
加えて、前記励起光伝送光学素子の入射面に前記固体素
子の光軸に平行な微小円筒レンズを一体化して設けたも
のである。
【0016】本発明の第11の構成に係る半導体レーザ
励起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし10の何れ
かの構成に加えて、前記集光器の内面を拡散反射面とし
たものである。
励起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし10の何れ
かの構成に加えて、前記集光器の内面を拡散反射面とし
たものである。
【0017】本発明の第12の構成に係る半導体レーザ
励起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし11の何れ
かの構成に加えて、固体素子を光軸に沿って包囲し、光
軸に沿った開口を有する集光器と、前記集光器の開口に
沿って配置された励起用半導体レーザと、前記集光器の
開口に挿入され、前記励起用半導体レーザの励起光を前
記固体素子に伝送する励起光伝送方向に沿って狭くなる
楔形の励起光伝送光学素子とからなる励起ユニットを複
数備え、前記固体素子の光軸の回りの複数の方向より前
記固体素子に対して励起光を照射するものである。
励起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし11の何れ
かの構成に加えて、固体素子を光軸に沿って包囲し、光
軸に沿った開口を有する集光器と、前記集光器の開口に
沿って配置された励起用半導体レーザと、前記集光器の
開口に挿入され、前記励起用半導体レーザの励起光を前
記固体素子に伝送する励起光伝送方向に沿って狭くなる
楔形の励起光伝送光学素子とからなる励起ユニットを複
数備え、前記固体素子の光軸の回りの複数の方向より前
記固体素子に対して励起光を照射するものである。
【0018】本発明の第13の構成に係る固体レーザ発
振装置は、前記第1ないし12の何れかの構成による半
導体レーザ励起固体レーザ増幅装置と、固体素子からレ
ーザビームを取り出す光共振器とを備えたものである。
振装置は、前記第1ないし12の何れかの構成による半
導体レーザ励起固体レーザ増幅装置と、固体素子からレ
ーザビームを取り出す光共振器とを備えたものである。
【0019】
実施の形態1.図1は、本発明の実施の形態1の半導体
レーザ励起固体レーザ増幅装置の励起部を光軸方向から
見た構成図である。図中、図29と同一符号は、同一部
分もしくは相当部分を示している。図1において、3は
スタック型半導体レーザ2を出射する励起光を集光器1
0内に伝送する励起光伝送光学素子、301は励起光伝
送光学素子3に設けられた励起光入射面、302は励起
光伝送光学素子3に設けられた励起光出射面、303は
励起光伝送光学素子3に設けられた上側面、304は励
起光伝送光学素子3に設けられた下側面で、相対向する
上側面303と下側面304はテーパを形成している。
7はスタック型半導体レーザ2より出射した励起光、8
はスタック型半導体レーザ2を出射する励起光7の広が
り角を補正し平行光に変換する微小円筒レンズ列、11
は集光器10の側面に設けられた励起光7を導入するた
めの開口で、開口11内に励起光伝送光学素子3が固定
されている。なお本実施の形態においては、直径6 mm
の円筒形状を有し、活性媒質としてネオジウムイオンが
0.8%ドープされたイットリウムアルミニウムガーネ
ットを固体素子1として用いている。また集光器10の
内面は励起光波長に対する全反射膜が施されている。
レーザ励起固体レーザ増幅装置の励起部を光軸方向から
見た構成図である。図中、図29と同一符号は、同一部
分もしくは相当部分を示している。図1において、3は
スタック型半導体レーザ2を出射する励起光を集光器1
0内に伝送する励起光伝送光学素子、301は励起光伝
送光学素子3に設けられた励起光入射面、302は励起
光伝送光学素子3に設けられた励起光出射面、303は
励起光伝送光学素子3に設けられた上側面、304は励
起光伝送光学素子3に設けられた下側面で、相対向する
上側面303と下側面304はテーパを形成している。
7はスタック型半導体レーザ2より出射した励起光、8
はスタック型半導体レーザ2を出射する励起光7の広が
り角を補正し平行光に変換する微小円筒レンズ列、11
は集光器10の側面に設けられた励起光7を導入するた
めの開口で、開口11内に励起光伝送光学素子3が固定
されている。なお本実施の形態においては、直径6 mm
の円筒形状を有し、活性媒質としてネオジウムイオンが
0.8%ドープされたイットリウムアルミニウムガーネ
ットを固体素子1として用いている。また集光器10の
内面は励起光波長に対する全反射膜が施されている。
【0020】図2は、本実施の形態において用いている
励起光伝送光学素子3を、励起光出射面302方向から
見た励起光伝送光学素子3の正面図、図3は本実施の形
態において用いている励起光伝送光学素子3を、上側面
303方向から見た励起光伝送光学素子3の上面図であ
る。図中、305は励起光伝送光学素子3に設けられた
左側面、306は励起光伝送光学素子3に設けられた右
側面、307は励起光入射面301および励起光出射面
302に施した励起光波長に対する反射防止膜である。
励起光伝送光学素子3を、励起光出射面302方向から
見た励起光伝送光学素子3の正面図、図3は本実施の形
態において用いている励起光伝送光学素子3を、上側面
303方向から見た励起光伝送光学素子3の上面図であ
る。図中、305は励起光伝送光学素子3に設けられた
左側面、306は励起光伝送光学素子3に設けられた右
側面、307は励起光入射面301および励起光出射面
302に施した励起光波長に対する反射防止膜である。
【0021】図2および図3に示すように、本実施の形
態で用いている励起光伝送光学素子3は二等辺台形柱
(楔形)の形状を有し、励起光入射面301および励起
光出射面302がともに平行な平面で構成されており、
長方形状を有している。また励起光入射面301と励起
光出射面302は平行に形成されており、励起光入射面
301が形成する長方形と励起光出射面302が構成す
る長方形の相対向する各辺が平行となるよう配置されて
いる。励起光入射面301と励起光出射面302を結ぶ
側面は、励起光入射面301が形成する長方形と励起光
出射面302が構成する長方形の相対向する各辺を結ん
で形成される上側面303、下側面304、左側面30
5、右側面306の4つの平面から構成されている。励
起光入射面301、励起光出射面302および上側面3
03、下側面304、左側面305、右側面306に
は、いずれも光学研磨が施されている。また相対向する
左側面305と右側面306は、平行に形成されてお
り、励起光入射面301およぶ励起光出射面302に対
し直角に配設されている。なお本実施の形態において用
いている励起光伝送光学素子3の上側面303と下側面
304がなすテーパ角は10゜、励起光入射面301上
における上側面303と下側面304間の距離は10m
m、励起光出射面302上における上側面303と下側
面304間の距離は2mmである。また励起光伝送光学
素子3の母材には、屈折率1.85を有する高屈折率ガ
ラスを用いている。
態で用いている励起光伝送光学素子3は二等辺台形柱
(楔形)の形状を有し、励起光入射面301および励起
光出射面302がともに平行な平面で構成されており、
長方形状を有している。また励起光入射面301と励起
光出射面302は平行に形成されており、励起光入射面
301が形成する長方形と励起光出射面302が構成す
る長方形の相対向する各辺が平行となるよう配置されて
いる。励起光入射面301と励起光出射面302を結ぶ
側面は、励起光入射面301が形成する長方形と励起光
出射面302が構成する長方形の相対向する各辺を結ん
で形成される上側面303、下側面304、左側面30
5、右側面306の4つの平面から構成されている。励
起光入射面301、励起光出射面302および上側面3
03、下側面304、左側面305、右側面306に
は、いずれも光学研磨が施されている。また相対向する
左側面305と右側面306は、平行に形成されてお
り、励起光入射面301およぶ励起光出射面302に対
し直角に配設されている。なお本実施の形態において用
いている励起光伝送光学素子3の上側面303と下側面
304がなすテーパ角は10゜、励起光入射面301上
における上側面303と下側面304間の距離は10m
m、励起光出射面302上における上側面303と下側
面304間の距離は2mmである。また励起光伝送光学
素子3の母材には、屈折率1.85を有する高屈折率ガ
ラスを用いている。
【0022】本実施の形態において励起光源として用い
るスタック型半導体レーザ2には、5つの発光層が積層
状に固定されており、各発光層より励起光7が発せられ
る。スタック型半導体レーザアレイ2の発光部前面に配
置された微小円筒レンズ列8は、スタック型半導体レー
ザ2の5つの発光層に対応し、5つの微小円筒レンズを
並列配置し一体化して形成したもので、各微小円筒レン
ズに対向する発光層より発せられる励起光7の広がり角
を低減せしめ平行光へと変換する。一般に半導体レーザ
より出射されるレーザビームの、半導体レーザ発光層中
の接合面に対し垂直な方向の広がり角は、接合面に対し
平行な方向の広がり角に比べ大きく、微小円筒レンズ列
8は、接合面に対し垂直な方向の広がり角を補正する方
向に設置すればよい。励起光の広がり角を補正すること
により、スタック型半導体レーザ2より発せられた励起
光7を、効率よく励起光伝送光学素子3内へ導入するこ
とができる。
るスタック型半導体レーザ2には、5つの発光層が積層
状に固定されており、各発光層より励起光7が発せられ
る。スタック型半導体レーザアレイ2の発光部前面に配
置された微小円筒レンズ列8は、スタック型半導体レー
ザ2の5つの発光層に対応し、5つの微小円筒レンズを
並列配置し一体化して形成したもので、各微小円筒レン
ズに対向する発光層より発せられる励起光7の広がり角
を低減せしめ平行光へと変換する。一般に半導体レーザ
より出射されるレーザビームの、半導体レーザ発光層中
の接合面に対し垂直な方向の広がり角は、接合面に対し
平行な方向の広がり角に比べ大きく、微小円筒レンズ列
8は、接合面に対し垂直な方向の広がり角を補正する方
向に設置すればよい。励起光の広がり角を補正すること
により、スタック型半導体レーザ2より発せられた励起
光7を、効率よく励起光伝送光学素子3内へ導入するこ
とができる。
【0023】微小円筒レンズ列8により平行光へと変換
された励起光7は、励起光入射面301が平面で構成さ
れているため、集光作用等を受けることなく、平行光の
まま励起光伝送光学素子3内に入射する。このため、励
起光入射面301の中央部に入射した一部の励起光7を
除き、励起光伝送光学素子3の側面において、1回もし
くは複数回反射されたのち励起光出射面302に到達す
る。ここで励起光伝送光学素子3の上側面303と下側
面304はテーパを形成しているため、上側面303も
しくは下側面304において反射された励起光7が、再
度相対向する下側面304もしくは上側面303に入射
する際の入射角(入射面の法線と入射光線がなす角)
は、上側面303および下側面304がなす角度、即ち
テーパ角だけ小さくなる。ここで励起光伝送光学素子3
に入射した励起光7が、上側面303もしくは下側面3
04に第1回目に入射した際の入射角をθ0、テーパ角
をφとすれば、上側面303もしくは下側面304にお
いてN回反射された後、再度上側面303もしくは下側
面304に対し入射する際の入射角θNは次式で与えら
れる。 θN = θ0 - N ×φ ・・・(1) 上側面303と下側面304間で反射を繰り返す毎に、
上側面303および下側面304に対する励起光7の入
射角は徐々に小さくなる。また(1)式においてθNの
符号が反転すると、励起光7は、励起光出射面302か
ら励起光入射面301へ向かう方向に逆進する。従って
上側面303および下側面304において許容される反
射回数には上限がある。
された励起光7は、励起光入射面301が平面で構成さ
れているため、集光作用等を受けることなく、平行光の
まま励起光伝送光学素子3内に入射する。このため、励
起光入射面301の中央部に入射した一部の励起光7を
除き、励起光伝送光学素子3の側面において、1回もし
くは複数回反射されたのち励起光出射面302に到達す
る。ここで励起光伝送光学素子3の上側面303と下側
面304はテーパを形成しているため、上側面303も
しくは下側面304において反射された励起光7が、再
度相対向する下側面304もしくは上側面303に入射
する際の入射角(入射面の法線と入射光線がなす角)
は、上側面303および下側面304がなす角度、即ち
テーパ角だけ小さくなる。ここで励起光伝送光学素子3
に入射した励起光7が、上側面303もしくは下側面3
04に第1回目に入射した際の入射角をθ0、テーパ角
をφとすれば、上側面303もしくは下側面304にお
いてN回反射された後、再度上側面303もしくは下側
面304に対し入射する際の入射角θNは次式で与えら
れる。 θN = θ0 - N ×φ ・・・(1) 上側面303と下側面304間で反射を繰り返す毎に、
上側面303および下側面304に対する励起光7の入
射角は徐々に小さくなる。また(1)式においてθNの
符号が反転すると、励起光7は、励起光出射面302か
ら励起光入射面301へ向かう方向に逆進する。従って
上側面303および下側面304において許容される反
射回数には上限がある。
【0024】図4は、テーパをなす2面間において反射
しながら進行する励起光の伝送モデルである。図4に示
す中心線はテーパ角をちょうど2分している。図4に
は、中心線と平行に進行する励起光が、テーパ面に入射
した際の励起光軌跡を示している。励起光はイの位置に
入射した後、ロ、ハ、ニ、ホの順に進行する。テーパ面
において反射作用を受ける毎に、相対向するテーパ面に
対する入射角は減少し、ニの位置に至った時点で入射角
の符号は反転する。この結果、励起光はテーパが広がる
方向へ逆進してしまう。テーパ面に対する入射角の符号
が反転するニの位置に至るまでの経路中、最も中心線に
近づく励起光とテーパ面との交差点はハである。最も中
心線に近いハの位置と中心線との距離をWmin、テーパ
面に対し励起光が最初に入射したイの位置と中心線との
距離をWinとし、ここで最小縮小比βを以下のように定
義する。 β = Wmin / Win ・・・(2)
しながら進行する励起光の伝送モデルである。図4に示
す中心線はテーパ角をちょうど2分している。図4に
は、中心線と平行に進行する励起光が、テーパ面に入射
した際の励起光軌跡を示している。励起光はイの位置に
入射した後、ロ、ハ、ニ、ホの順に進行する。テーパ面
において反射作用を受ける毎に、相対向するテーパ面に
対する入射角は減少し、ニの位置に至った時点で入射角
の符号は反転する。この結果、励起光はテーパが広がる
方向へ逆進してしまう。テーパ面に対する入射角の符号
が反転するニの位置に至るまでの経路中、最も中心線に
近づく励起光とテーパ面との交差点はハである。最も中
心線に近いハの位置と中心線との距離をWmin、テーパ
面に対し励起光が最初に入射したイの位置と中心線との
距離をWinとし、ここで最小縮小比βを以下のように定
義する。 β = Wmin / Win ・・・(2)
【0025】最小縮小比βの値は、テーパ角により一義
的に定まる。図5は、テーパ角に対する最小縮小比βの
値を示している。テーパ角が大きくなるほど、最小縮小
比の値も大きくなっている。一定のテーパ角のもとで、
励起光入射面301から励起光出射面302に至る際の
上側面303と下側面304間距離の縮小比を、テーパ
角から定まる最小縮小比β以下に設定した場合、効率よ
い励起光の伝送が困難になる。このため、励起光伝送光
学素子を製作する際には、励起光入射面301から励起
光出射面302に至る際の上側面303と下側面304
間距離の縮小比を、テーパ角から定まる最小縮小比の値
より大きく設定することが肝要である。本実施の形態に
おいて用いている励起光伝送光学素子3の上側面303
と下側面304のなすテーパ角は10゜であり、この場
合テーパ角から定まるの最小縮小比βの値は0.09と
なる。実際の励起光伝送光学素子3では、励起光入射面
301の幅10mmに対し、励起光出射面302の幅を
2mmに設定している。従って上側面303と下側面3
04間距離の縮小比の値は0.2であり、テーパ角φか
ら定まる最小縮小比よりも十分大きい。従って、本実施
の形態に示す励起光伝送光学素子3を用いて、効率よく
励起光を集光器内に伝送することができた。
的に定まる。図5は、テーパ角に対する最小縮小比βの
値を示している。テーパ角が大きくなるほど、最小縮小
比の値も大きくなっている。一定のテーパ角のもとで、
励起光入射面301から励起光出射面302に至る際の
上側面303と下側面304間距離の縮小比を、テーパ
角から定まる最小縮小比β以下に設定した場合、効率よ
い励起光の伝送が困難になる。このため、励起光伝送光
学素子を製作する際には、励起光入射面301から励起
光出射面302に至る際の上側面303と下側面304
間距離の縮小比を、テーパ角から定まる最小縮小比の値
より大きく設定することが肝要である。本実施の形態に
おいて用いている励起光伝送光学素子3の上側面303
と下側面304のなすテーパ角は10゜であり、この場
合テーパ角から定まるの最小縮小比βの値は0.09と
なる。実際の励起光伝送光学素子3では、励起光入射面
301の幅10mmに対し、励起光出射面302の幅を
2mmに設定している。従って上側面303と下側面3
04間距離の縮小比の値は0.2であり、テーパ角φか
ら定まる最小縮小比よりも十分大きい。従って、本実施
の形態に示す励起光伝送光学素子3を用いて、効率よく
励起光を集光器内に伝送することができた。
【0026】図5に、テーパ角に対する最小縮小比βの
関係を示す。この関係は、次の直線でよく近似できる。 β = 8.69 × 10-3・φ + 5.86 × 10-4 ・・・(3) 従って、励起光入射面の幅をWin、励起光出射面の幅をW
outとすれば、励起光伝送光学素子の励起光入射面と励
起光出射面を結ぶ相対向する側面がなすテーパの角度φ
は、以下の(4)式の値より小さく設定すべきである。
但し、(3)、(4)式の単位は度(deg)である。 φ = ((Wout / Win) - 5.86 × 10-4) / 8.69 × 10-3 ・・・(4) 式(4)の値は、平行な入射励起光に対して励起光入射
面の幅Winと出射面の幅Woutが与えられたとき、入射
光が逆戻りせず順方向に伝送されるための最大のテーパ
角である。
関係を示す。この関係は、次の直線でよく近似できる。 β = 8.69 × 10-3・φ + 5.86 × 10-4 ・・・(3) 従って、励起光入射面の幅をWin、励起光出射面の幅をW
outとすれば、励起光伝送光学素子の励起光入射面と励
起光出射面を結ぶ相対向する側面がなすテーパの角度φ
は、以下の(4)式の値より小さく設定すべきである。
但し、(3)、(4)式の単位は度(deg)である。 φ = ((Wout / Win) - 5.86 × 10-4) / 8.69 × 10-3 ・・・(4) 式(4)の値は、平行な入射励起光に対して励起光入射
面の幅Winと出射面の幅Woutが与えられたとき、入射
光が逆戻りせず順方向に伝送されるための最大のテーパ
角である。
【0027】一方、屈折率の異なる媒質の境界におい
て、入射側媒質の屈折率をn1、出射側媒質の屈折率をn2
とすれば、全反射臨界入射角θcritは次式で与えられ
る。 θcrit = sin-1(n2 / n1) ・・・(5) ここでn1を励起光伝送光学素子3の屈折率、n2を励起光
伝送光学素子に接する媒質の屈折率とし、n1 > n2 が満
たされるものとすれば、励起光伝送光学素子3の屈折率
n1が大きくなるほどθcritの値は小さくなり、より広い
入射角範囲にある励起光7を、全反射作用により励起光
伝送光学素子3内に閉じ込め、励起光出射面302へ効
率よく伝送することができる。
て、入射側媒質の屈折率をn1、出射側媒質の屈折率をn2
とすれば、全反射臨界入射角θcritは次式で与えられ
る。 θcrit = sin-1(n2 / n1) ・・・(5) ここでn1を励起光伝送光学素子3の屈折率、n2を励起光
伝送光学素子に接する媒質の屈折率とし、n1 > n2 が満
たされるものとすれば、励起光伝送光学素子3の屈折率
n1が大きくなるほどθcritの値は小さくなり、より広い
入射角範囲にある励起光7を、全反射作用により励起光
伝送光学素子3内に閉じ込め、励起光出射面302へ効
率よく伝送することができる。
【0028】本実施の形態においては、励起光伝送光学
素子3の母材として、屈折率1.85の高屈折率ガラス
を用いている。このため通常の屈折率1.5程度の光学
ガラスを用いた場合に比べ、全反射臨界入射角θcritを
小さくすることができる。本実施の形態で用いている励
起光伝送光学素子3の相対向する左側面305および右
側面306は平行に形成されているため、励起光伝送光
学素子3内において、左側面305および右側面306
に対する励起光の入射角は、反射作用を受ける回数に係
わらず常に一定の角度に保たれる。従って励起光伝送光
学素子3への入射時点で、左側面305および右側面3
06に対する励起光の入射角度成分が、全反射臨界入射
角θcrit以上であれば、励起光は左側面305および右
側面306から漏れ出すことなく伝送される。一方、テ
ーパを形成する上側面303および下側面304に入射
する励起光成分については、上側面303および下側面
304での反射回数にともない入射角が変化するため、
励起光伝送光学素子3入射時に全反射条件が満たされて
いても、上側面303および下側面304において反射
作用を繰り返して受けるうちに全反射条件からはずれ、
上側面303および下側面304から励起光が漏れ出す
ことも考えられる。
素子3の母材として、屈折率1.85の高屈折率ガラス
を用いている。このため通常の屈折率1.5程度の光学
ガラスを用いた場合に比べ、全反射臨界入射角θcritを
小さくすることができる。本実施の形態で用いている励
起光伝送光学素子3の相対向する左側面305および右
側面306は平行に形成されているため、励起光伝送光
学素子3内において、左側面305および右側面306
に対する励起光の入射角は、反射作用を受ける回数に係
わらず常に一定の角度に保たれる。従って励起光伝送光
学素子3への入射時点で、左側面305および右側面3
06に対する励起光の入射角度成分が、全反射臨界入射
角θcrit以上であれば、励起光は左側面305および右
側面306から漏れ出すことなく伝送される。一方、テ
ーパを形成する上側面303および下側面304に入射
する励起光成分については、上側面303および下側面
304での反射回数にともない入射角が変化するため、
励起光伝送光学素子3入射時に全反射条件が満たされて
いても、上側面303および下側面304において反射
作用を繰り返して受けるうちに全反射条件からはずれ、
上側面303および下側面304から励起光が漏れ出す
ことも考えられる。
【0029】本実施の形態においては、上側面303お
よび下側面304に入射する励起光の広がり角成分を、
微小円筒レンズ列8を用いて予め平行に補正することに
より、上側面303および下側面304に対し、初回に
入射する際の入射角の増大を図っている。更に励起光入
射面301から励起光出射面302に至る際の上側面3
03と下側面304間距離の縮小比を、上側面303と
下側面304のなすテーパ角から定まる最小縮小比に比
べ、十分大きく設定しているため、励起光入射面303
の上端部および下端部近傍に入射する励起光を除き、大
部分の励起光に対し、全反射条件、即ちθN > θcritを
満たすことができる。更に励起光伝送光学素子3の励起
光入射面301および励起光出射面302には、反射防
止膜が施されているので、励起光入射面301、励起光
出射面302において反射損失を被ることなく、励起光
源であるスタック型半導体レーザ2を出射した励起光
を、効率よく集光器10内に伝送することができる。実
際に励起光伝送光学素子3の励起光透過特性を実測した
ところ、85%以上の高い透過率が確認された。
よび下側面304に入射する励起光の広がり角成分を、
微小円筒レンズ列8を用いて予め平行に補正することに
より、上側面303および下側面304に対し、初回に
入射する際の入射角の増大を図っている。更に励起光入
射面301から励起光出射面302に至る際の上側面3
03と下側面304間距離の縮小比を、上側面303と
下側面304のなすテーパ角から定まる最小縮小比に比
べ、十分大きく設定しているため、励起光入射面303
の上端部および下端部近傍に入射する励起光を除き、大
部分の励起光に対し、全反射条件、即ちθN > θcritを
満たすことができる。更に励起光伝送光学素子3の励起
光入射面301および励起光出射面302には、反射防
止膜が施されているので、励起光入射面301、励起光
出射面302において反射損失を被ることなく、励起光
源であるスタック型半導体レーザ2を出射した励起光
を、効率よく集光器10内に伝送することができる。実
際に励起光伝送光学素子3の励起光透過特性を実測した
ところ、85%以上の高い透過率が確認された。
【0030】本実施の形態において示すように、励起光
が入射面301から出射面302へ近づくとともに、断
面積が漸次減少する励起光伝送光学素子3を使用し、励
起光伝送光学素子3内部の全反射作用を利用し集光器内
に励起光を伝送すれば、励起光は励起光伝送光学素子3
内に閉じ込められ、レンズ等の屈折光学素子を用いた自
由空間伝送の場合とは異なり、回折損失の影響を被るこ
となく、励起光を効率よく集光器内に伝送することが可
能となる。また集光器10内面に設ける励起光導入用の
開口11は、励起光伝送光学素子3の励起光出射面30
2に相当する大きさとすればよいので、励起光源上の励
起光発光領域に比べ、集光器10内面に設ける励起光導
入用開口11の大きさを格段に小さくすることが可能に
なる。従って広い発光領域を有する励起光源を使用した
際にも、高い励起光伝送効率を保ちつつ、集光器内面に
おける無効領域の拡大を抑制し、簡易な構成のもとで高
い励起光利用効率を得ることができる。
が入射面301から出射面302へ近づくとともに、断
面積が漸次減少する励起光伝送光学素子3を使用し、励
起光伝送光学素子3内部の全反射作用を利用し集光器内
に励起光を伝送すれば、励起光は励起光伝送光学素子3
内に閉じ込められ、レンズ等の屈折光学素子を用いた自
由空間伝送の場合とは異なり、回折損失の影響を被るこ
となく、励起光を効率よく集光器内に伝送することが可
能となる。また集光器10内面に設ける励起光導入用の
開口11は、励起光伝送光学素子3の励起光出射面30
2に相当する大きさとすればよいので、励起光源上の励
起光発光領域に比べ、集光器10内面に設ける励起光導
入用開口11の大きさを格段に小さくすることが可能に
なる。従って広い発光領域を有する励起光源を使用した
際にも、高い励起光伝送効率を保ちつつ、集光器内面に
おける無効領域の拡大を抑制し、簡易な構成のもとで高
い励起光利用効率を得ることができる。
【0031】また本実施の形態における励起光伝送光学
素子3は、励起光入射面301および励起光出射面30
2、ならびに励起光入射面と励起光出射面とを結ぶ上側
面303、下側面304、左側面305、右側面306
が、全て平面で形成されているため、製作が容易であ
る。
素子3は、励起光入射面301および励起光出射面30
2、ならびに励起光入射面と励起光出射面とを結ぶ上側
面303、下側面304、左側面305、右側面306
が、全て平面で形成されているため、製作が容易であ
る。
【0032】また本実施の形態における励起光伝送光学
素子3を用いた場合、励起光入射面301に平行光を入
射した場合であっても、テーパを形成する上側面および
下側面において反射作用を受けることにより、励起光伝
送光学素子3出射時の励起光の広がり角は大きくなる。
集光器入射時の励起光の広がり角の増加は、固体素子断
面内の励起密度分布の均一化に対し有効に働く。均一な
励起密度分布は、高品質のレーザビームを発生させる
際、発振の安定化を促進する働きがあることが実験的に
確認されている。従ってテーパをなす側面間での内部全
反射作用による励起光伝送は、高品質なレーザビームの
増幅に対しても有効に作用する。
素子3を用いた場合、励起光入射面301に平行光を入
射した場合であっても、テーパを形成する上側面および
下側面において反射作用を受けることにより、励起光伝
送光学素子3出射時の励起光の広がり角は大きくなる。
集光器入射時の励起光の広がり角の増加は、固体素子断
面内の励起密度分布の均一化に対し有効に働く。均一な
励起密度分布は、高品質のレーザビームを発生させる
際、発振の安定化を促進する働きがあることが実験的に
確認されている。従ってテーパをなす側面間での内部全
反射作用による励起光伝送は、高品質なレーザビームの
増幅に対しても有効に作用する。
【0033】また本実施の形態における励起光伝送光学
素子3は、励起光入射面301および励起光出射面30
2が何れも長方形状を有しており、また励起光入射面3
01と励起光出射面302とを結ぶ側面は、励起光出射
面302が形成する長方形の各辺を含む上側面303、
下側面304、左側面305、右側面306からなる4
つの平面で形成されているため、励起光伝送光学素子3
の設計および製作が簡易になるばかりでなく、励起光入
射面301と励起光源における発光領域形状との整合、
および励起光出射面302と固体素子1形状との整合が
容易であるため、励起光源を発した励起光を、低損失で
励起光伝送光学素子3内に導入するとともに、効率よく
固体素子1を照射し、高い励起光利用効率を得ることが
できる。
素子3は、励起光入射面301および励起光出射面30
2が何れも長方形状を有しており、また励起光入射面3
01と励起光出射面302とを結ぶ側面は、励起光出射
面302が形成する長方形の各辺を含む上側面303、
下側面304、左側面305、右側面306からなる4
つの平面で形成されているため、励起光伝送光学素子3
の設計および製作が簡易になるばかりでなく、励起光入
射面301と励起光源における発光領域形状との整合、
および励起光出射面302と固体素子1形状との整合が
容易であるため、励起光源を発した励起光を、低損失で
励起光伝送光学素子3内に導入するとともに、効率よく
固体素子1を照射し、高い励起光利用効率を得ることが
できる。
【0034】また本実施の形態における励起光伝送光学
素子3は、相対向する左側面305と右側面306が平
行に形成されているので、左側面305もしくは右側面
306のいずれか一方を予め基準面として形成し、基準
面に対し平行に左側面306もしくは右側面305を形
成すればよいので、励起光伝送光学素子3を高精度で容
易に加工、研磨することが可能となり、製作コストの低
減を図ることができる。
素子3は、相対向する左側面305と右側面306が平
行に形成されているので、左側面305もしくは右側面
306のいずれか一方を予め基準面として形成し、基準
面に対し平行に左側面306もしくは右側面305を形
成すればよいので、励起光伝送光学素子3を高精度で容
易に加工、研磨することが可能となり、製作コストの低
減を図ることができる。
【0035】本実施の形態の励起光伝送光学素子3を使
用しても、広い発光領域を有する励起光源より発せられ
た励起光を、効率よく集光器内へ伝送することが可能と
なるばかりでなく、励起光伝送光学素子3中の相対向す
る左側面305と右側面306を平行に形成し、且つ励
起光入射面301および励起光出射面302に対し直角
に形成しているので、励起光入射面301を基準面とし
て予め形成し、基準面である励起光入射面301に対し
平行に励起光出射面302を形成し、基準面である励起
光入射面301に対し直角に左側面305および右側面
を形成すればよいので、励起光伝送光学素子3を高精度
で容易に製作することが可能となり、製作コストの低減
を図ることができる。
用しても、広い発光領域を有する励起光源より発せられ
た励起光を、効率よく集光器内へ伝送することが可能と
なるばかりでなく、励起光伝送光学素子3中の相対向す
る左側面305と右側面306を平行に形成し、且つ励
起光入射面301および励起光出射面302に対し直角
に形成しているので、励起光入射面301を基準面とし
て予め形成し、基準面である励起光入射面301に対し
平行に励起光出射面302を形成し、基準面である励起
光入射面301に対し直角に左側面305および右側面
を形成すればよいので、励起光伝送光学素子3を高精度
で容易に製作することが可能となり、製作コストの低減
を図ることができる。
【0036】更に励起光伝送光学素子3を励起系部品中
に設置する際にも、励起光伝送光学素子の左側面305
もしくは右側面306を基準とすることにより、精確な
位置へ精確な角度で容易に設置、調整することが可能に
なる。
に設置する際にも、励起光伝送光学素子の左側面305
もしくは右側面306を基準とすることにより、精確な
位置へ精確な角度で容易に設置、調整することが可能に
なる。
【0037】本実施の形態においては、励起光伝送光学
素子の材料として、屈折率1.85の高屈折率ガラスを
使用する構成を示したが、励起光波長に対し透明で屈折
率の高い材料であれば、励起光伝送光学素子の側面にお
ける全反射臨海角を小さくすることができるので、励起
光光学素子中の内部全反射作用により、励起光の広がり
角が大きな場合も、高効率に励起光を伝送することがで
きる。例えば、励起光伝送光学素子の材料として、屈折
率1.82のノンドープのイットリウムアルミニウムガ
ーネットや屈折率1.76のサファイアを利用しても、
高い励起光伝送効率を得ることができる。
素子の材料として、屈折率1.85の高屈折率ガラスを
使用する構成を示したが、励起光波長に対し透明で屈折
率の高い材料であれば、励起光伝送光学素子の側面にお
ける全反射臨海角を小さくすることができるので、励起
光光学素子中の内部全反射作用により、励起光の広がり
角が大きな場合も、高効率に励起光を伝送することがで
きる。例えば、励起光伝送光学素子の材料として、屈折
率1.82のノンドープのイットリウムアルミニウムガ
ーネットや屈折率1.76のサファイアを利用しても、
高い励起光伝送効率を得ることができる。
【0038】実施の形態2.図6は、本発明の実施の形
態2の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励起部を
光軸方向から見た構成図である。本実施の形態における
励起光伝送光学素子3には、励起光入射面301が固体
素子1の光軸に平行な軸をもつ凸形の円筒面で形成され
たいわゆるレンズダクトを使用している。また本実施の
形態における集光器10は、内面が拡散反射面で構成さ
れている。前記実施の形態と同じく、励起光伝送光学素
子3の上側面303と下側面304はテーパを形成して
おり、励起光入射面301から励起光出射面302に近
づくとともに、上側面303と下側面304間の距離は
減少する。励起光入射面301と励起光出射面302に
は励起光波長に対する反射防止膜が施されている。また
前記実施の形態と同じく、励起光伝送光学素子3の左側
面305と右側面306は平行、かつ励起光入射面30
1および励起光出射面302に対し直角に形成されてい
る。
態2の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励起部を
光軸方向から見た構成図である。本実施の形態における
励起光伝送光学素子3には、励起光入射面301が固体
素子1の光軸に平行な軸をもつ凸形の円筒面で形成され
たいわゆるレンズダクトを使用している。また本実施の
形態における集光器10は、内面が拡散反射面で構成さ
れている。前記実施の形態と同じく、励起光伝送光学素
子3の上側面303と下側面304はテーパを形成して
おり、励起光入射面301から励起光出射面302に近
づくとともに、上側面303と下側面304間の距離は
減少する。励起光入射面301と励起光出射面302に
は励起光波長に対する反射防止膜が施されている。また
前記実施の形態と同じく、励起光伝送光学素子3の左側
面305と右側面306は平行、かつ励起光入射面30
1および励起光出射面302に対し直角に形成されてい
る。
【0039】本実施の形態に示すように、励起光伝送光
学素子3の励起光入射面301を凸形状の曲面で形成す
れば、励起光入射面301に集光作用を付加することが
できるので、励起光入射面301に入射した励起光7の
進行方向を励起光出射面302側へ折り曲げることがで
きる。従って、励起光伝送光学素子3に入射した励起光
7の大部分は、上側面303および下側面304におい
て反射作用を受けることなく、励起光出射面302に直
接到達し、励起光7を効率よく集光器内に伝送すること
ができる。
学素子3の励起光入射面301を凸形状の曲面で形成す
れば、励起光入射面301に集光作用を付加することが
できるので、励起光入射面301に入射した励起光7の
進行方向を励起光出射面302側へ折り曲げることがで
きる。従って、励起光伝送光学素子3に入射した励起光
7の大部分は、上側面303および下側面304におい
て反射作用を受けることなく、励起光出射面302に直
接到達し、励起光7を効率よく集光器内に伝送すること
ができる。
【0040】図7は、本実施の形態において使用してい
る励起光伝送光学素子3中を励起光が通過する軌跡を示
す計算結果である。図中、701で示す実線は、本実施
の形態と同じく曲面で形成された励起光入射面を想定し
た励起光軌跡計算結果、702で示す点線は、平面で形
成された励起光入射面を想定した励起光軌跡計算結果で
ある。また中心線は上側面303および下側面304で
形成されるテーパをちょうど2分している。励起光軌跡
計算結果701、702はともに、励起光が励起光入射
面301上部に、中心線に対し平行に入射することを想
定している。
る励起光伝送光学素子3中を励起光が通過する軌跡を示
す計算結果である。図中、701で示す実線は、本実施
の形態と同じく曲面で形成された励起光入射面を想定し
た励起光軌跡計算結果、702で示す点線は、平面で形
成された励起光入射面を想定した励起光軌跡計算結果で
ある。また中心線は上側面303および下側面304で
形成されるテーパをちょうど2分している。励起光軌跡
計算結果701、702はともに、励起光が励起光入射
面301上部に、中心線に対し平行に入射することを想
定している。
【0041】曲面の励起光入射面を想定した計算結果7
01をみると、励起光入射位置における励起光入射面の
法線と、励起光進行方向が平行でないため、励起光入射
面301において、励起光の進行方向は屈折により下方
向へ折り曲げられる。励起光は、励起光出射面302に
到達する途中で、上側面303に一旦、入射する。上側
面303に対する入射角は非常に大きく、上側面303
において全反射された後、励起光出射面302へ至って
いる。
01をみると、励起光入射位置における励起光入射面の
法線と、励起光進行方向が平行でないため、励起光入射
面301において、励起光の進行方向は屈折により下方
向へ折り曲げられる。励起光は、励起光出射面302に
到達する途中で、上側面303に一旦、入射する。上側
面303に対する入射角は非常に大きく、上側面303
において全反射された後、励起光出射面302へ至って
いる。
【0042】一方、平面の励起光入射面を想定した計算
結果702をみると、励起光入射位置における励起光入
射面301の法線と、励起光の進行方向が平行になるた
め、励起光入射面301において励起光は進行方向を変
化させることなく、励起光伝送光学素子3内に入射す
る。励起光伝送光学素子3入射後、励起光は、上側面3
03で2回、下側面304で1回合計3回の反射作用を
受けた後、励起光出射面302に到達することなく、励
起光入射面301方向へ逆進を開始する。図7に示す励
起光伝送光学素子3の構成において励起光入射面301
を平面で形成した場合には、テーパ角が(4)式の条件
を満たしておらず、励起光を効率よく集光器内へ伝送す
ることは困難になる。
結果702をみると、励起光入射位置における励起光入
射面301の法線と、励起光の進行方向が平行になるた
め、励起光入射面301において励起光は進行方向を変
化させることなく、励起光伝送光学素子3内に入射す
る。励起光伝送光学素子3入射後、励起光は、上側面3
03で2回、下側面304で1回合計3回の反射作用を
受けた後、励起光出射面302に到達することなく、励
起光入射面301方向へ逆進を開始する。図7に示す励
起光伝送光学素子3の構成において励起光入射面301
を平面で形成した場合には、テーパ角が(4)式の条件
を満たしておらず、励起光を効率よく集光器内へ伝送す
ることは困難になる。
【0043】本実施の形態に示すように、励起光伝送光
学素子の励起光入射面を凸型の曲面で形成すれば、励起
光伝送光学素子入射時の励起光の進行方向を、励起光出
射面の方向へ折り曲げることができるので、励起光伝送
光学素子内においてテーパをなす上側面および下側面に
対する励起光の入射角を大きくすることができる。従っ
て、励起光入射面を平面で形成した場合に比べ、上側面
と下側面のなすテーパ角を大きくしても、効率よく励起
光を伝送することが可能となる。励起光入射面301か
ら励起光出射面302に至る際の上側面303と下側面
304間の距離の縮小比を一定とした場合、テーパ角が
大きくなれば、励起光入射面から励起光出射面までの距
離は短くなるので、本実施の形態に示す励起光伝送光学
素子を使用すれば、広い発光領域を有する励起光源を使
用した際にも、集光器内への高い励起光伝送効率を維持
しつつ、集光器内面における無効領域の拡大を抑制し、
簡易な構成のもとで高い励起光利用効率を得ることがで
きるばかりでなく、励起光伝送光学素子の小型化を図
り、励起部をコンパクトに構成することができる。
学素子の励起光入射面を凸型の曲面で形成すれば、励起
光伝送光学素子入射時の励起光の進行方向を、励起光出
射面の方向へ折り曲げることができるので、励起光伝送
光学素子内においてテーパをなす上側面および下側面に
対する励起光の入射角を大きくすることができる。従っ
て、励起光入射面を平面で形成した場合に比べ、上側面
と下側面のなすテーパ角を大きくしても、効率よく励起
光を伝送することが可能となる。励起光入射面301か
ら励起光出射面302に至る際の上側面303と下側面
304間の距離の縮小比を一定とした場合、テーパ角が
大きくなれば、励起光入射面から励起光出射面までの距
離は短くなるので、本実施の形態に示す励起光伝送光学
素子を使用すれば、広い発光領域を有する励起光源を使
用した際にも、集光器内への高い励起光伝送効率を維持
しつつ、集光器内面における無効領域の拡大を抑制し、
簡易な構成のもとで高い励起光利用効率を得ることがで
きるばかりでなく、励起光伝送光学素子の小型化を図
り、励起部をコンパクトに構成することができる。
【0044】なお、本実施の形態においては、励起光伝
送光学素子の励起光入射面を、製作が容易な円筒面で形
成する構成を示したが、面の形状は凸型の曲面であれば
他の形状でもよく、励起光入射面を凸型の放物線からな
る曲面で形成すれば、励起光入射面は球面収差のない理
想的なレンズとして作用するため、励起光を更に効率よ
く集光器内へ伝送することが可能となる。
送光学素子の励起光入射面を、製作が容易な円筒面で形
成する構成を示したが、面の形状は凸型の曲面であれば
他の形状でもよく、励起光入射面を凸型の放物線からな
る曲面で形成すれば、励起光入射面は球面収差のない理
想的なレンズとして作用するため、励起光を更に効率よ
く集光器内へ伝送することが可能となる。
【0045】図8は図6で示した本実施の形態における
半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置と同一な構成にお
いて、集光器内面を全反射面で構成した場合(a)と、
拡散反射面で構成した場合(b)の固体素子内での励起
密度分布を示している。全反射面、拡散反射面の場合と
もに、励起光入射位置に対応する位置で最も励起密度が
高くなるものの、集光器内面を拡散反射面とすることに
より、励起密度分布の固体素子内の位置による差が減少
し、励起密度分布の均一化が効果的に図られている。
半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置と同一な構成にお
いて、集光器内面を全反射面で構成した場合(a)と、
拡散反射面で構成した場合(b)の固体素子内での励起
密度分布を示している。全反射面、拡散反射面の場合と
もに、励起光入射位置に対応する位置で最も励起密度が
高くなるものの、集光器内面を拡散反射面とすることに
より、励起密度分布の固体素子内の位置による差が減少
し、励起密度分布の均一化が効果的に図られている。
【0046】また本実施の形態のように、内面が拡散反
射面で構成された集光器を使用すれば、全反射膜が施さ
れた集光器と同様、固体素子に直接入射しない励起光や
固体素子を透過した励起光の進行方向を折り返して、再
度固体素子の励起に利用することができるので、高い励
起光利用効率が得られるばかりでなく、集光器内面での
拡散反射効果により、励起密度分布の均一化が促進さ
れ、更に高品質なビームの増幅を安定に行うことができ
る。
射面で構成された集光器を使用すれば、全反射膜が施さ
れた集光器と同様、固体素子に直接入射しない励起光や
固体素子を透過した励起光の進行方向を折り返して、再
度固体素子の励起に利用することができるので、高い励
起光利用効率が得られるばかりでなく、集光器内面での
拡散反射効果により、励起密度分布の均一化が促進さ
れ、更に高品質なビームの増幅を安定に行うことができ
る。
【0047】拡散反射面を有する集光器は、集光器材料
として多孔質材料であるセラミックを使用したり、鏡面
状に仕上げられた金属集光器の内面を粗して細かな凹凸
を設けることで、容易に製作することができる。
として多孔質材料であるセラミックを使用したり、鏡面
状に仕上げられた金属集光器の内面を粗して細かな凹凸
を設けることで、容易に製作することができる。
【0048】実施の形態3.図9は本発明の実施の形態
3の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置において使用
している励起光伝送光学素子3を左側面305方向から
見た構成図である。本実施の形態においては、励起光伝
送光学素子3の励起光入射面301および励起光出射面
302は平行かつ平面で形成されており、励起光波長に
対する反射防止膜が施されている。また前記実施の形態
と同じく、上側面303と下側面304はテーパを形成
しており、励起光入射面301から励起光出射面302
へ近づくとともに、上側面303と下側面304間の距
離は減少する。また相対向する左側面305および右側
面306は平行、かつ励起光入射面301および励起光
出射面302に対し直角に形成されている。本図に示す
ように本実施の形態の励起光伝送光学素子3の母材に
は、励起光入射面301から励起光出射面302へ近づ
くとともに、屈折率が1.4から1.7まで連続的に増
加する材料を使用している。即ち、励起光伝送光学素子
3母材の屈折率は、上側面303および下側面304を
2分する中心線に沿って変化する。
3の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置において使用
している励起光伝送光学素子3を左側面305方向から
見た構成図である。本実施の形態においては、励起光伝
送光学素子3の励起光入射面301および励起光出射面
302は平行かつ平面で形成されており、励起光波長に
対する反射防止膜が施されている。また前記実施の形態
と同じく、上側面303と下側面304はテーパを形成
しており、励起光入射面301から励起光出射面302
へ近づくとともに、上側面303と下側面304間の距
離は減少する。また相対向する左側面305および右側
面306は平行、かつ励起光入射面301および励起光
出射面302に対し直角に形成されている。本図に示す
ように本実施の形態の励起光伝送光学素子3の母材に
は、励起光入射面301から励起光出射面302へ近づ
くとともに、屈折率が1.4から1.7まで連続的に増
加する材料を使用している。即ち、励起光伝送光学素子
3母材の屈折率は、上側面303および下側面304を
2分する中心線に沿って変化する。
【0049】図中、701で示す実線は、本実施の形態
と同じく励起光伝送光学素子3の母材に、励起光入射面
301から励起光出射面302へ近づくとともに屈折率
が連続的に増加する材料の使用を想定した励起光軌跡計
算結果、702で示す点線は、均一な屈折率を有する材
料の使用を想定した励起光軌跡計算結果である。励起光
軌跡計算結果701、702はともに、励起光が励起光
入射面301の上部に中心線に対し平行に入射すること
を想定したものである。
と同じく励起光伝送光学素子3の母材に、励起光入射面
301から励起光出射面302へ近づくとともに屈折率
が連続的に増加する材料の使用を想定した励起光軌跡計
算結果、702で示す点線は、均一な屈折率を有する材
料の使用を想定した励起光軌跡計算結果である。励起光
軌跡計算結果701、702はともに、励起光が励起光
入射面301の上部に中心線に対し平行に入射すること
を想定したものである。
【0050】屈折率が不均一に分布する媒質中を光線が
通過する場合、光線の進行方向は、屈折率の傾きが正に
なる方向、即ち、屈折率が高くなる方向に向かって折れ
曲がる性質を有する。このため本実施の形態に示すよう
に、励起光伝送光学素子3の母材に、励起光入射面30
1から励起光出射面302へ近づくとともに、屈折率が
増加する屈折率分布を有する材料を使用すれば、励起光
伝送光学素子3中を通過する励起光の進行方向は、励起
光入射面301から励起光出射面302に向かう方向、
即ち中心線に対し平行となるような向きに折り曲げられ
る。従って、均一な屈折率を有する材料を励起光伝送光
学素子3の母材として使用する場合に比べ、上側面30
3および下側面304に対する励起光の入射角は増加す
る。この結果、均一な屈折率を有する材料を励起光伝送
光学素子3の母材に使用した場合には、テーパ角が
(4)式の条件を満たしておらず、上側面303および
下側面304における多重反射により、励起光が励起光
出射面302へ至る以前に、励起光入射面301へ向か
い逆進を開始してしまう。一方、本実施の形態の励起光
伝送光学素子3のように、励起光入射面301から励起
光出射面302へ近づくとともに、屈折率が増加する屈
折率分布を有する材料を母材として使用すれば、励起光
伝送光学素子3内で励起光の進行方向を折り曲げ、効率
よく励起光出射面302まで励起光を伝送することがで
きる。従って、均一な屈折率を有する材料で形成した励
起光伝送光学素子と、同一形状を維持したまま励起光伝
送効率の向上が可能となるばかりでなく、上側面303
および下側面304がなすテーパ角が増加しても、高い
励起光伝送効率を維持することができるので、励起光入
射面301から励起光出射面302までの距離を短くし
て励起光伝送光学素子3の小型化を図り、励起部をコン
パクトに構成することができる。
通過する場合、光線の進行方向は、屈折率の傾きが正に
なる方向、即ち、屈折率が高くなる方向に向かって折れ
曲がる性質を有する。このため本実施の形態に示すよう
に、励起光伝送光学素子3の母材に、励起光入射面30
1から励起光出射面302へ近づくとともに、屈折率が
増加する屈折率分布を有する材料を使用すれば、励起光
伝送光学素子3中を通過する励起光の進行方向は、励起
光入射面301から励起光出射面302に向かう方向、
即ち中心線に対し平行となるような向きに折り曲げられ
る。従って、均一な屈折率を有する材料を励起光伝送光
学素子3の母材として使用する場合に比べ、上側面30
3および下側面304に対する励起光の入射角は増加す
る。この結果、均一な屈折率を有する材料を励起光伝送
光学素子3の母材に使用した場合には、テーパ角が
(4)式の条件を満たしておらず、上側面303および
下側面304における多重反射により、励起光が励起光
出射面302へ至る以前に、励起光入射面301へ向か
い逆進を開始してしまう。一方、本実施の形態の励起光
伝送光学素子3のように、励起光入射面301から励起
光出射面302へ近づくとともに、屈折率が増加する屈
折率分布を有する材料を母材として使用すれば、励起光
伝送光学素子3内で励起光の進行方向を折り曲げ、効率
よく励起光出射面302まで励起光を伝送することがで
きる。従って、均一な屈折率を有する材料で形成した励
起光伝送光学素子と、同一形状を維持したまま励起光伝
送効率の向上が可能となるばかりでなく、上側面303
および下側面304がなすテーパ角が増加しても、高い
励起光伝送効率を維持することができるので、励起光入
射面301から励起光出射面302までの距離を短くし
て励起光伝送光学素子3の小型化を図り、励起部をコン
パクトに構成することができる。
【0051】本実施の形態の励起光伝送光学素子3の母
材のように屈折率が連続的に変化する材料は、組成の異
なる複数のガラスを密接し、熱処理を施すことにより形
成することができる。所望する屈折率分布に応じて、密
接するガラスの組成、厚みを選択すれば、任意の屈折率
分布を実現することができる。
材のように屈折率が連続的に変化する材料は、組成の異
なる複数のガラスを密接し、熱処理を施すことにより形
成することができる。所望する屈折率分布に応じて、密
接するガラスの組成、厚みを選択すれば、任意の屈折率
分布を実現することができる。
【0052】また本実施の形態の励起光伝送光学素子3
のように、励起光入射面301から励起光出射面302
へ近づくとともに、屈折率が増加する屈折率分布を有す
る材料を母材として使用し、かつ励起光入射面301を
凸型の曲面で形成すれば、更に上側面301と下側面3
02とで形成されるテーパ角の増大が可能となり、励起
光伝送光学素子3をより小さくすることができる。
のように、励起光入射面301から励起光出射面302
へ近づくとともに、屈折率が増加する屈折率分布を有す
る材料を母材として使用し、かつ励起光入射面301を
凸型の曲面で形成すれば、更に上側面301と下側面3
02とで形成されるテーパ角の増大が可能となり、励起
光伝送光学素子3をより小さくすることができる。
【0053】実施の形態4.図10は本発明の実施の形
態4の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置において使
用している励起光伝送光学素子3を、左側面305方向
から見た構成図である。本実施の形態においては、励起
光伝送光学素子3の励起光入射面301および励起光出
射面302は平行かつ平面で形成されており、励起光波
長に対する反射防止膜が施されている。また前記実施の
形態と同じく、上側面303と下側面304はテーパを
形成しており、励起光入射面301から励起光出射面3
02へ近づくとともに、上側面303と下側面304間
の距離は減少する。また相対向する左側面305および
右側面306は平行、かつ励起光入射面301および励
起光出射面302に対し直角に形成されている。本図に
示すように、本実施の形態の励起光伝送光学素子3に
は、上側面303と下側面304で形成されるテーパを
2分する中心線に直交する方向に対し、屈折率が分布す
る材料を母材として使用している。本実施の形態におけ
る励起光伝送光学素子3は、中心線上の屈折率が1.7
と最も高く、中心線からの距離にともない屈折率が放物
線関数的に減少する屈折率分布を有している。励起光入
射面301上で中心線から最も離れた位置における屈折
率は1.3である。なお紙面に垂直な方向に対しては屈
折率は一定である。
態4の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置において使
用している励起光伝送光学素子3を、左側面305方向
から見た構成図である。本実施の形態においては、励起
光伝送光学素子3の励起光入射面301および励起光出
射面302は平行かつ平面で形成されており、励起光波
長に対する反射防止膜が施されている。また前記実施の
形態と同じく、上側面303と下側面304はテーパを
形成しており、励起光入射面301から励起光出射面3
02へ近づくとともに、上側面303と下側面304間
の距離は減少する。また相対向する左側面305および
右側面306は平行、かつ励起光入射面301および励
起光出射面302に対し直角に形成されている。本図に
示すように、本実施の形態の励起光伝送光学素子3に
は、上側面303と下側面304で形成されるテーパを
2分する中心線に直交する方向に対し、屈折率が分布す
る材料を母材として使用している。本実施の形態におけ
る励起光伝送光学素子3は、中心線上の屈折率が1.7
と最も高く、中心線からの距離にともない屈折率が放物
線関数的に減少する屈折率分布を有している。励起光入
射面301上で中心線から最も離れた位置における屈折
率は1.3である。なお紙面に垂直な方向に対しては屈
折率は一定である。
【0054】図中、701で示す実線は、本実施の形態
と同じく励起光伝送光学素子3の母材に、上側面303
と下側面304を2分する中心線に直交する方向に対
し、中心線上を最大とした放物線関数状の屈折率分布を
想定した励起光軌跡計算結果、702で示す点線は、均
一な屈折率を有する材料の使用を想定した励起光軌跡計
算結果である。励起光軌跡計算結果701、702はと
もに、励起光入射面301中央やや上部に、励起光が斜
入射する場合を想定している。
と同じく励起光伝送光学素子3の母材に、上側面303
と下側面304を2分する中心線に直交する方向に対
し、中心線上を最大とした放物線関数状の屈折率分布を
想定した励起光軌跡計算結果、702で示す点線は、均
一な屈折率を有する材料の使用を想定した励起光軌跡計
算結果である。励起光軌跡計算結果701、702はと
もに、励起光入射面301中央やや上部に、励起光が斜
入射する場合を想定している。
【0055】励起光伝送光学素子3の母材に均一な屈折
率分布を有する材料を使用した場合、励起光は、テーパ
を形成する上側面303および下側面304での多重反
射により、励起光出射面302に到達する前に、励起光
入射面301方向へ逆進を開始してしまう。一方、本実
施の形態に示すように、励起光伝送光学素子3の母材に
テーパを2分する中心線に対し、直交する方向に放物線
関数状の屈折率分布を有する材料を使用した場合、励起
光の進行方向は、常に中心線方向に向かい折り曲げられ
るため、中心線を中心に蛇行する軌跡を示す。この結
果、テーパを形成する上側面303および下側面304
に対する励起光の入射回数が低減されるばかりでなく、
上側面303もしくは下側面304に対する入射角が増
大するため、励起光を励起光出射面302まで効率よく
伝送することが可能となる。
率分布を有する材料を使用した場合、励起光は、テーパ
を形成する上側面303および下側面304での多重反
射により、励起光出射面302に到達する前に、励起光
入射面301方向へ逆進を開始してしまう。一方、本実
施の形態に示すように、励起光伝送光学素子3の母材に
テーパを2分する中心線に対し、直交する方向に放物線
関数状の屈折率分布を有する材料を使用した場合、励起
光の進行方向は、常に中心線方向に向かい折り曲げられ
るため、中心線を中心に蛇行する軌跡を示す。この結
果、テーパを形成する上側面303および下側面304
に対する励起光の入射回数が低減されるばかりでなく、
上側面303もしくは下側面304に対する入射角が増
大するため、励起光を励起光出射面302まで効率よく
伝送することが可能となる。
【0056】本実施の形態に示すように、励起光伝送光
学素子3の母材に、励起光入射面と励起光出射面とを結
ぶ直線に直交する方向に対し、屈折率分布を有する材料
を使用すれば、励起光伝送光学素子3の母材に均一な屈
折率を有する材料を使用する場合に比べ、上側面303
と下側面304のなすテーパ角を大きくしても、効率よ
く励起光を伝送することができるので、前記実施の形態
1と同様な効果が得られるばかりでなく、励起光入射面
301から励起光出射面302までの距離を短くして、
励起光伝送光学素子3の小型化を図り、励起部をコンパ
クトに構成することが可能となる。
学素子3の母材に、励起光入射面と励起光出射面とを結
ぶ直線に直交する方向に対し、屈折率分布を有する材料
を使用すれば、励起光伝送光学素子3の母材に均一な屈
折率を有する材料を使用する場合に比べ、上側面303
と下側面304のなすテーパ角を大きくしても、効率よ
く励起光を伝送することができるので、前記実施の形態
1と同様な効果が得られるばかりでなく、励起光入射面
301から励起光出射面302までの距離を短くして、
励起光伝送光学素子3の小型化を図り、励起部をコンパ
クトに構成することが可能となる。
【0057】また本実施の形態の励起光伝送光学素子3
のように、励起光伝送光学素子3の母材に、励起光入射
面と励起光出射面とを結ぶ直線に直交する方向に対し、
屈折率分布を有する材料を使用し、かつ励起光入射面3
01を凸型の曲面で形成すれば、更に上側面301と下
側面302とで形成されるテーパ角の増大が可能とな
り、励起光伝送光学素子3をより小型化することが可能
となる。
のように、励起光伝送光学素子3の母材に、励起光入射
面と励起光出射面とを結ぶ直線に直交する方向に対し、
屈折率分布を有する材料を使用し、かつ励起光入射面3
01を凸型の曲面で形成すれば、更に上側面301と下
側面302とで形成されるテーパ角の増大が可能とな
り、励起光伝送光学素子3をより小型化することが可能
となる。
【0058】実施の形態5.図11は、本発明の実施の
形態5において用いている励起光伝送光学素子3を、励
起光出射面302方向から見た励起光伝送光学素子3の
正面図、図12は、左側面305方向から見た励起光伝
送光学素子3の側面図である。本実施の形態で用いてい
る励起光伝送光学素子3は、相対向する左側面305と
右側面306もテーパを形成しており、励起光入射面3
01から励起光出射面302へ近づくとともに左側面3
05と右側面306間の距離は減少する。なお本実施の
形態の励起光伝送光学素子3の母材には、屈折率1.8
5の高屈折率ガラスを用いており、励起光入射面301
は平面で形成されている。
形態5において用いている励起光伝送光学素子3を、励
起光出射面302方向から見た励起光伝送光学素子3の
正面図、図12は、左側面305方向から見た励起光伝
送光学素子3の側面図である。本実施の形態で用いてい
る励起光伝送光学素子3は、相対向する左側面305と
右側面306もテーパを形成しており、励起光入射面3
01から励起光出射面302へ近づくとともに左側面3
05と右側面306間の距離は減少する。なお本実施の
形態の励起光伝送光学素子3の母材には、屈折率1.8
5の高屈折率ガラスを用いており、励起光入射面301
は平面で形成されている。
【0059】本実施の形態の励起光伝送光学素子3のよ
うに、相対向する上側面303と下側面304ばかりで
なく、相対向する右側面305と左側面306において
もテーパを形成し、励起光入射面301から励起光出射
面302へ近づくとともに左側面305と右側面306
間の距離が減少するように構成すれば、固体素子1の光
軸方向に沿った励起領域の集中を図り、励起密度を増加
させることが可能となるので、固体素子1の単位長さ当
たりの増幅性能を向上させ、一定の増幅性能を得るため
に必要な固体素子1の長さが減少する。従って、より短
い固体素子1の使用が可能となり、固体素子1のコスト
低減が可能となるばかりでなく、固体素子1中で発生す
るレーザビームに対する損失量が低減するので、より効
率的にレーザビームの増幅を行うことができる。
うに、相対向する上側面303と下側面304ばかりで
なく、相対向する右側面305と左側面306において
もテーパを形成し、励起光入射面301から励起光出射
面302へ近づくとともに左側面305と右側面306
間の距離が減少するように構成すれば、固体素子1の光
軸方向に沿った励起領域の集中を図り、励起密度を増加
させることが可能となるので、固体素子1の単位長さ当
たりの増幅性能を向上させ、一定の増幅性能を得るため
に必要な固体素子1の長さが減少する。従って、より短
い固体素子1の使用が可能となり、固体素子1のコスト
低減が可能となるばかりでなく、固体素子1中で発生す
るレーザビームに対する損失量が低減するので、より効
率的にレーザビームの増幅を行うことができる。
【0060】本実施の形態においては、励起光伝送光学
素子の励起光入射面が平面で形成された構成を示した
が、励起光入射面を凸型の曲面で形成すれば、励起光伝
送光学素子の小型化を図ることができる。また本実施の
形態においては、相対向する左側面305および右側面
306が形成するテーパ角は、相対向する上側面303
および下側面304が形成するテーパ角に比べ小さいの
で、凸面の形状は水平方向を軸とする円筒面とするだけ
で効率よく励起光を集光器内に伝送することができる。
素子の励起光入射面が平面で形成された構成を示した
が、励起光入射面を凸型の曲面で形成すれば、励起光伝
送光学素子の小型化を図ることができる。また本実施の
形態においては、相対向する左側面305および右側面
306が形成するテーパ角は、相対向する上側面303
および下側面304が形成するテーパ角に比べ小さいの
で、凸面の形状は水平方向を軸とする円筒面とするだけ
で効率よく励起光を集光器内に伝送することができる。
【0061】また励起光伝送光学素子3の母材に、励起
光入射面301から励起光出射面302へ近づくととも
に、屈折率が増加する材料を用いても、励起光伝送光学
素子の小型化が可能であることはいうまでもない。
光入射面301から励起光出射面302へ近づくととも
に、屈折率が増加する材料を用いても、励起光伝送光学
素子の小型化が可能であることはいうまでもない。
【0062】実施の形態6.図13は、本発明の実施の
形態6の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置において
使用する励起光伝送光学素子3を、左側面305方向か
ら見た側面図、図14は上側面303方向から見た上面
図である。図中、308は励起光波長に対する全反射膜
を示している。本実施の形態における励起光伝送光学素
子3の励起光入射面301は平面で形成されている。ま
た励起光伝送光学素子3の母材には、屈折率1.5を有
するクラウン系のガラスを用いている。本実施の形態の
励起光伝送光学素子3においては、上側面303および
下側面304に対し励起光波長に対する全反射膜308
を設けている。なお左側面305および右側面306に
対しては、全反射膜等のコーティングは施していない。
また励起光入射面301と励起光出射面302には、反
射防止膜307を設けている。
形態6の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置において
使用する励起光伝送光学素子3を、左側面305方向か
ら見た側面図、図14は上側面303方向から見た上面
図である。図中、308は励起光波長に対する全反射膜
を示している。本実施の形態における励起光伝送光学素
子3の励起光入射面301は平面で形成されている。ま
た励起光伝送光学素子3の母材には、屈折率1.5を有
するクラウン系のガラスを用いている。本実施の形態の
励起光伝送光学素子3においては、上側面303および
下側面304に対し励起光波長に対する全反射膜308
を設けている。なお左側面305および右側面306に
対しては、全反射膜等のコーティングは施していない。
また励起光入射面301と励起光出射面302には、反
射防止膜307を設けている。
【0063】本実施の形態に示す励起光伝送光学素子3
は、励起光入射面301から励起光出射面302へ近づ
くに従い、上側面303と下側面304間の距離、左側
面305と右側面306間の距離はともに減少する。即
ち、相対向する上側面303と下側面304、および左
側面305と右側面306は、いずれもテーパを形成し
ている。但し、上側面303と下側面304とで形成さ
れるテーパの角度は、左側面305と右側面306とで
形成されるテーパの角度に比べ大きく、また励起光入射
面301から励起光出射面302へ至る際の、上側面3
03と下側面304間距離の縮小比は、左側面305と
右側面306間の距離の縮小比に比べ、格段に小さい。
は、励起光入射面301から励起光出射面302へ近づ
くに従い、上側面303と下側面304間の距離、左側
面305と右側面306間の距離はともに減少する。即
ち、相対向する上側面303と下側面304、および左
側面305と右側面306は、いずれもテーパを形成し
ている。但し、上側面303と下側面304とで形成さ
れるテーパの角度は、左側面305と右側面306とで
形成されるテーパの角度に比べ大きく、また励起光入射
面301から励起光出射面302へ至る際の、上側面3
03と下側面304間距離の縮小比は、左側面305と
右側面306間の距離の縮小比に比べ、格段に小さい。
【0064】相対向しテーパをなす側面間において、一
方の側面で反射された励起光が、対向するもう一方の側
面に入射する際の入射角は、両側面が形成するテーパの
角度だけ小さくなるので、両側面が形成するテーパの角
度が大きく、反射回数が多くなるほど、テーパを形成す
る側面への励起光の入射角は小さくなる。側面に対する
入射角が、(5)式で示すように励起光伝送光学素子の
屈折率と励起光伝送光学素子の側面に接する媒質の屈折
率で決まる全反射臨界入射角より小さくなると、全反射
条件を満たさなくなるため、励起光を励起光伝送光学素
子内に完全に閉じ込めることはできず効率のよい励起光
の伝送が困難になる。
方の側面で反射された励起光が、対向するもう一方の側
面に入射する際の入射角は、両側面が形成するテーパの
角度だけ小さくなるので、両側面が形成するテーパの角
度が大きく、反射回数が多くなるほど、テーパを形成す
る側面への励起光の入射角は小さくなる。側面に対する
入射角が、(5)式で示すように励起光伝送光学素子の
屈折率と励起光伝送光学素子の側面に接する媒質の屈折
率で決まる全反射臨界入射角より小さくなると、全反射
条件を満たさなくなるため、励起光を励起光伝送光学素
子内に完全に閉じ込めることはできず効率のよい励起光
の伝送が困難になる。
【0065】本実施の形態において用いる励起光伝送光
学素子3は、励起光入射面301から励起光出射面30
2に至る際の、上側面303と下側面304間の距離の
縮小比が小さく、励起光伝送光学素子3中を伝搬する励
起光の大部分は、上側面303もしくは下側面304に
おいて一回もしくは複数回反射される。この結果、上側
面303および下側面304に対する励起光の入射角
は、励起光伝送光学素子3と励起光伝送光学素子3の上
側面303および下側面304に接する媒質の屈折率で
決まる全反射臨界角よりも、容易に小さくなってしま
う。
学素子3は、励起光入射面301から励起光出射面30
2に至る際の、上側面303と下側面304間の距離の
縮小比が小さく、励起光伝送光学素子3中を伝搬する励
起光の大部分は、上側面303もしくは下側面304に
おいて一回もしくは複数回反射される。この結果、上側
面303および下側面304に対する励起光の入射角
は、励起光伝送光学素子3と励起光伝送光学素子3の上
側面303および下側面304に接する媒質の屈折率で
決まる全反射臨界角よりも、容易に小さくなってしま
う。
【0066】本実施の形態においては、上側面303と
下側面304に、励起光波長に対する全反射膜308を
設けているので、励起光伝送光学素子3と励起光伝送光
学素子3の上側面303および下側面304に接する媒
質の屈折率で決まる全反射臨界角よりも、上側面303
もしくは下側面304へ入射する励起光の入射角が小さ
くなった際にも、上側面303もしくは下側面304へ
入射する励起光を全反射し、励起光を励起光伝送光学素
子3内に閉じ込め、効率よく励起光を伝送することがで
きる。従って、本実施の形態においては励起光伝送光学
素子3の母材として、屈折率の大きい素材を用いる必要
はない。また、励起光伝送光学素子3の設計が全反射臨
界角による制限を受けないので、より小型化することが
できる。
下側面304に、励起光波長に対する全反射膜308を
設けているので、励起光伝送光学素子3と励起光伝送光
学素子3の上側面303および下側面304に接する媒
質の屈折率で決まる全反射臨界角よりも、上側面303
もしくは下側面304へ入射する励起光の入射角が小さ
くなった際にも、上側面303もしくは下側面304へ
入射する励起光を全反射し、励起光を励起光伝送光学素
子3内に閉じ込め、効率よく励起光を伝送することがで
きる。従って、本実施の形態においては励起光伝送光学
素子3の母材として、屈折率の大きい素材を用いる必要
はない。また、励起光伝送光学素子3の設計が全反射臨
界角による制限を受けないので、より小型化することが
できる。
【0067】一方、励起光入射面301から励起光出射
面302に至る際の、左側面305と右側面306間の
距離の縮小比は比較的大きいため、励起光伝送光学素子
3に入射する励起光の大部分は、左側面305もしくは
右側面306に入射することなく、励起光出射面302
に到達する。また左側面305もしくは右側面306に
入射する励起光も、左側面305と右側面306間の距
離と、励起光入射面301と励起光出射面302間の距
離が同程度であるため、大部分は1回の反射で励起光出
射面302に至るのに加え、左側面305と右側面30
6のなすテーパ角は小さいため、左側面305もしくは
右側面306に入射する励起光の入射角は大きく、励起
光伝送光学素子3の母材として屈折率1.5のクラウン
系ガラスを使用しても、大部分の励起光が全反射条件を
満たし励起光出射面302に到達するので、全反射膜を
設けなくても、効率よく励起光を集光器内へ伝送するこ
とができる。
面302に至る際の、左側面305と右側面306間の
距離の縮小比は比較的大きいため、励起光伝送光学素子
3に入射する励起光の大部分は、左側面305もしくは
右側面306に入射することなく、励起光出射面302
に到達する。また左側面305もしくは右側面306に
入射する励起光も、左側面305と右側面306間の距
離と、励起光入射面301と励起光出射面302間の距
離が同程度であるため、大部分は1回の反射で励起光出
射面302に至るのに加え、左側面305と右側面30
6のなすテーパ角は小さいため、左側面305もしくは
右側面306に入射する励起光の入射角は大きく、励起
光伝送光学素子3の母材として屈折率1.5のクラウン
系ガラスを使用しても、大部分の励起光が全反射条件を
満たし励起光出射面302に到達するので、全反射膜を
設けなくても、効率よく励起光を集光器内へ伝送するこ
とができる。
【0068】本実施の形態のように、励起光伝送光学素
子中の相対向しテーパを形成する少なくとも上下の側面
対に、全反射膜を設ける構成とすれば、比較的屈折率が
小さな安価な材料を用いて、広い発光領域を有する励起
光源より発せられた励起光を、効率よく集光器内へ伝送
することが可能となる。
子中の相対向しテーパを形成する少なくとも上下の側面
対に、全反射膜を設ける構成とすれば、比較的屈折率が
小さな安価な材料を用いて、広い発光領域を有する励起
光源より発せられた励起光を、効率よく集光器内へ伝送
することが可能となる。
【0069】本実施の形態においては、励起光入射面3
01が平面で形成された励起光伝送光学素子3を使用す
る例を示したが、励起光伝送光学素子3の励起光入射面
301を凸型の曲面で形成すれば、更に励起光伝送光学
素子3の小型化を図ることが可能である。また励起光入
射面301から励起光出射面302へ近づくとともに、
屈折率が増加するような材料を母材とし、励起光伝送光
学素子3を形成しても、励起光伝送光学素子3の小型化
を図ることができる。
01が平面で形成された励起光伝送光学素子3を使用す
る例を示したが、励起光伝送光学素子3の励起光入射面
301を凸型の曲面で形成すれば、更に励起光伝送光学
素子3の小型化を図ることが可能である。また励起光入
射面301から励起光出射面302へ近づくとともに、
屈折率が増加するような材料を母材とし、励起光伝送光
学素子3を形成しても、励起光伝送光学素子3の小型化
を図ることができる。
【0070】実施の形態7.図15は、本発明の実施の
形態7の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置において
用いている励起光伝送光学素子を示す斜視図である。本
実施の形態の励起光伝送光学素子3は、励起光入射面3
01上に、励起光の広がり角を補正し平行光へ変換する
ための微小円筒レンズ列8を、一体化して形成してい
る。
形態7の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置において
用いている励起光伝送光学素子を示す斜視図である。本
実施の形態の励起光伝送光学素子3は、励起光入射面3
01上に、励起光の広がり角を補正し平行光へ変換する
ための微小円筒レンズ列8を、一体化して形成してい
る。
【0071】本実施の形態の励起光伝送光学素子3のよ
うに、励起光伝送光学素子3と、励起光の広がり角を補
正する光学素子である微小円筒レンズ列8を一体化し形
成すれば、単一の光学素子のみを用いて、広い発光領域
を有する励起光源より発せられる励起光の広がり角を補
正し、効率よく集光器内部へ伝送することが可能となる
ばかりでなく、微小円筒レンズ列8と励起光伝送光学素
子3を、一定の位置、角度で正確に保つことができるの
で、振動や衝撃等が生じた場合にも常に高い励起光伝送
効率を安定して得ることができる。
うに、励起光伝送光学素子3と、励起光の広がり角を補
正する光学素子である微小円筒レンズ列8を一体化し形
成すれば、単一の光学素子のみを用いて、広い発光領域
を有する励起光源より発せられる励起光の広がり角を補
正し、効率よく集光器内部へ伝送することが可能となる
ばかりでなく、微小円筒レンズ列8と励起光伝送光学素
子3を、一定の位置、角度で正確に保つことができるの
で、振動や衝撃等が生じた場合にも常に高い励起光伝送
効率を安定して得ることができる。
【0072】更に、微小円筒レンズ列8と励起光伝送光
学素子3が一体化して形成されているため、組立および
調整が容易になるばかりでなく、部品点数が低減するた
め、半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の製造コスト
を下げることができる。図15には微小円筒レンズ列8
を配置する基準面が平面である例を示したが、この基準
面を凸型の曲面とすれば更に励起光伝送光学素子3の小
型化が図れる。
学素子3が一体化して形成されているため、組立および
調整が容易になるばかりでなく、部品点数が低減するた
め、半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の製造コスト
を下げることができる。図15には微小円筒レンズ列8
を配置する基準面が平面である例を示したが、この基準
面を凸型の曲面とすれば更に励起光伝送光学素子3の小
型化が図れる。
【0073】実施の形態8.図16は、本発明の実施の
形態8の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置において
使用している励起光源であるスタック型半導体レーザ2
および励起光伝送光学素子3を、励起光伝送光学素子3
の上側面303方向から見た上面図、図17は、左側面
305方向から見た側面図である。本実施の形態で用い
ている励起光伝送光学素子3は、屈折率1.82のノン
ドープのイットリウムアルミニウムガーネットを母材と
して形成しており、励起光入射面301および励起光出
射面302に対してのみ励起光波長に対する反射防止膜
307が施されている。励起光伝送光学素子3の上側面
303、下側面304、左側面305、右側面306は
光学研磨のみ施されており、全反射膜等のコーティング
は施していない。励起光伝送光学素子3の励起光入射面
301および励起光出射面302はともに長方形状を有
し、両面は平行に形成されている。また励起光伝送光学
素子3中に対向して設けられた上側面303および下側
面304はテーパを形成しており、励起光入射面301
から励起光出射面302へ近づくとともに、上側面30
3と下側面304間の距離は減少する。また励起光伝送
光学素子3中に対向して設けられた左側面305および
右側面306は平行に形成されており、且つ励起光入射
面301および励起光出射面302に対し直角に形成さ
れている。本実施の形態においては、励起光源であるス
タック型半導体レーザ2を出射した励起光は、微小円筒
レンズ列等により広がり角が補正されることなく、直接
励起光伝送光学素子3内へ導入される。
形態8の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置において
使用している励起光源であるスタック型半導体レーザ2
および励起光伝送光学素子3を、励起光伝送光学素子3
の上側面303方向から見た上面図、図17は、左側面
305方向から見た側面図である。本実施の形態で用い
ている励起光伝送光学素子3は、屈折率1.82のノン
ドープのイットリウムアルミニウムガーネットを母材と
して形成しており、励起光入射面301および励起光出
射面302に対してのみ励起光波長に対する反射防止膜
307が施されている。励起光伝送光学素子3の上側面
303、下側面304、左側面305、右側面306は
光学研磨のみ施されており、全反射膜等のコーティング
は施していない。励起光伝送光学素子3の励起光入射面
301および励起光出射面302はともに長方形状を有
し、両面は平行に形成されている。また励起光伝送光学
素子3中に対向して設けられた上側面303および下側
面304はテーパを形成しており、励起光入射面301
から励起光出射面302へ近づくとともに、上側面30
3と下側面304間の距離は減少する。また励起光伝送
光学素子3中に対向して設けられた左側面305および
右側面306は平行に形成されており、且つ励起光入射
面301および励起光出射面302に対し直角に形成さ
れている。本実施の形態においては、励起光源であるス
タック型半導体レーザ2を出射した励起光は、微小円筒
レンズ列等により広がり角が補正されることなく、直接
励起光伝送光学素子3内へ導入される。
【0074】本実施の形態の励起光伝送光学素子3の上
側面303、下側面304、左側面305、右側面30
6には、全反射膜等のコーティングが施されていないの
で、上側面303、下側面304、左側面305、右側
面306へ入射する励起光のうち、上側面303、下側
面304、左側面305、右側面306への入射角が、
励起光伝送光学素子3の屈折率と励起光伝送光学素子3
に接する媒質の屈折率とで決まる全反射条件を満たした
励起光成分のみを励起光伝送光学素子3内に閉じ込め、
損失なく集光器内に伝送することができる。
側面303、下側面304、左側面305、右側面30
6には、全反射膜等のコーティングが施されていないの
で、上側面303、下側面304、左側面305、右側
面306へ入射する励起光のうち、上側面303、下側
面304、左側面305、右側面306への入射角が、
励起光伝送光学素子3の屈折率と励起光伝送光学素子3
に接する媒質の屈折率とで決まる全反射条件を満たした
励起光成分のみを励起光伝送光学素子3内に閉じ込め、
損失なく集光器内に伝送することができる。
【0075】本実施の形態の励起光伝送光学素子3は、
励起光波長における屈折率が1.82のイットリウムア
ルミニウムガーネットを母材として使用しているので、
上側面303、下側面304、左側面305、右側面3
06に直接接する媒質が、屈折率1.0の空気の場合で
あれば、(5)式に従い全反射臨界入射角は約33度と
なり、上側面303、下側面304、左側面305、右
側面306に対する入射角が33度より小さくなると、
全反射条件を満たすことができず、励起光伝送光学素子
3内に励起光を完全に閉じ込めることはできない。
励起光波長における屈折率が1.82のイットリウムア
ルミニウムガーネットを母材として使用しているので、
上側面303、下側面304、左側面305、右側面3
06に直接接する媒質が、屈折率1.0の空気の場合で
あれば、(5)式に従い全反射臨界入射角は約33度と
なり、上側面303、下側面304、左側面305、右
側面306に対する入射角が33度より小さくなると、
全反射条件を満たすことができず、励起光伝送光学素子
3内に励起光を完全に閉じ込めることはできない。
【0076】本実施の形態において励起光源として使用
するスタック型半導体レーザ2は、5つ発光層が図中に
示すx方向に積層して固定されている。スタック型半導
体レーザ2に固定された各発光層中には、積層面と平行
にPN接合面が形成されている。発光部を出射した励起
光の広がり角は、PN接合面に対し平行な方向とPN接
合面に対し垂直な方向とで異なる。一般的なスタック型
半導体レーザの場合、PN接合面に対し平行な方向のビ
ーム広がり角は半値全幅で10度程度、PN接合面に対
し垂直な方向のビーム広がり角は半値全幅で40度程度
である。本実施の形態のスタック型半導体レーザ2の場
合、図中に示すy方向がPN接合面に対し平行な方向と
なるので、y方向に比べx方向の方がビーム広がり角が
大きくなる。
するスタック型半導体レーザ2は、5つ発光層が図中に
示すx方向に積層して固定されている。スタック型半導
体レーザ2に固定された各発光層中には、積層面と平行
にPN接合面が形成されている。発光部を出射した励起
光の広がり角は、PN接合面に対し平行な方向とPN接
合面に対し垂直な方向とで異なる。一般的なスタック型
半導体レーザの場合、PN接合面に対し平行な方向のビ
ーム広がり角は半値全幅で10度程度、PN接合面に対
し垂直な方向のビーム広がり角は半値全幅で40度程度
である。本実施の形態のスタック型半導体レーザ2の場
合、図中に示すy方向がPN接合面に対し平行な方向と
なるので、y方向に比べx方向の方がビーム広がり角が
大きくなる。
【0077】左側面305と右側面306は平行に形成
されているため、左側面305もしくは右側面306に
入射した励起光が反射作用を受け、対向する右側面30
6もしくは左側面305へ入射する際の入射角は、直前
に左側面305もしくは右側面306において反射作用
を受けた際の入射角と等しくなる。即ち、左側面305
もしくは右側面306において複数回反射作用を受けた
後でも、再度左側面305もしくは右側面306に入射
する際の入射角は常に一定に保たれる。従って励起光伝
送光学素子3中への入射時に、励起光の進行方向のX方
向成分が、左側面305および右側面306における全
反射条件を満たしていれば、左側面305および右側面
から漏れ出すことはない。このためx方向に対して励起
光の広がり角が比較的大きな場合であっても、本実施の
形態の励起光伝送光学素子3を用いて効率よく励起光を
伝送することができる。
されているため、左側面305もしくは右側面306に
入射した励起光が反射作用を受け、対向する右側面30
6もしくは左側面305へ入射する際の入射角は、直前
に左側面305もしくは右側面306において反射作用
を受けた際の入射角と等しくなる。即ち、左側面305
もしくは右側面306において複数回反射作用を受けた
後でも、再度左側面305もしくは右側面306に入射
する際の入射角は常に一定に保たれる。従って励起光伝
送光学素子3中への入射時に、励起光の進行方向のX方
向成分が、左側面305および右側面306における全
反射条件を満たしていれば、左側面305および右側面
から漏れ出すことはない。このためx方向に対して励起
光の広がり角が比較的大きな場合であっても、本実施の
形態の励起光伝送光学素子3を用いて効率よく励起光を
伝送することができる。
【0078】一方、上側面303と下側面304はテー
パを形成しているため、上側面303もしくは下側面3
04において一旦反射作用を受けた後、対向する下側面
304もしくは上側面303へ入射する際の入射角は、
直前に上側面303もしくは下側面304において反射
作用を受けた際の入射角よりも、上側面303と下側面
304がなす角度、即ちテーパ角だけ小さくなる。従っ
て上側面303および下側面304において反射作用を
受ける度に、上側面303および下側面304に対する
入射角は徐々に小さくなる。励起光伝送光学素子3入射
時に、励起光の進行方向のy方向成分が、上側面303
および下側面304における全反射条件を満たしていて
も、上側面303および下側面304において複数回の
反射作用を受けることにより、上側面303および下側
面304に対する全反射条件からはずれれば、上側面3
03および下側面304より励起光の一部は漏れ出して
しまう。従って、励起光広がり角のy方向成分が小さ
く、上側面303もしくは下側面304に第1回目に入
射する際の入射角が、全反射臨界角に比べ十分大きくな
ければ、本実施の形態の励起光伝送光学素子3を用いて
効率よく励起光を集光器内に伝送することはできない。
パを形成しているため、上側面303もしくは下側面3
04において一旦反射作用を受けた後、対向する下側面
304もしくは上側面303へ入射する際の入射角は、
直前に上側面303もしくは下側面304において反射
作用を受けた際の入射角よりも、上側面303と下側面
304がなす角度、即ちテーパ角だけ小さくなる。従っ
て上側面303および下側面304において反射作用を
受ける度に、上側面303および下側面304に対する
入射角は徐々に小さくなる。励起光伝送光学素子3入射
時に、励起光の進行方向のy方向成分が、上側面303
および下側面304における全反射条件を満たしていて
も、上側面303および下側面304において複数回の
反射作用を受けることにより、上側面303および下側
面304に対する全反射条件からはずれれば、上側面3
03および下側面304より励起光の一部は漏れ出して
しまう。従って、励起光広がり角のy方向成分が小さ
く、上側面303もしくは下側面304に第1回目に入
射する際の入射角が、全反射臨界角に比べ十分大きくな
ければ、本実施の形態の励起光伝送光学素子3を用いて
効率よく励起光を集光器内に伝送することはできない。
【0079】本実施の形態においては、励起光伝送光学
素子3のテーパを形成する上側面303および下側面3
04に入射する励起光の広がり角成分が小さくなるよ
う、励起光源であるスタック型半導体レーザ2を、スタ
ック型半導体レーザ2中のPN接合面が、励起光伝送光
学素子2のテーパを形成する上側面303および下側面
304に対し、直交するよう配置しているので広がり角
が小さく、スタック型半導体レーザ2を出射した励起光
の広がり角を補正することなく直接励起光伝送光学素子
3内に導入しても、励起光を効率よく集光器内へ伝送す
ることができる。このため励起光の広がり角を補正する
ための手段を設ける必要がなく、安価に半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置を製造することができ、更に組
立、調整も簡単になる。
素子3のテーパを形成する上側面303および下側面3
04に入射する励起光の広がり角成分が小さくなるよ
う、励起光源であるスタック型半導体レーザ2を、スタ
ック型半導体レーザ2中のPN接合面が、励起光伝送光
学素子2のテーパを形成する上側面303および下側面
304に対し、直交するよう配置しているので広がり角
が小さく、スタック型半導体レーザ2を出射した励起光
の広がり角を補正することなく直接励起光伝送光学素子
3内に導入しても、励起光を効率よく集光器内へ伝送す
ることができる。このため励起光の広がり角を補正する
ための手段を設ける必要がなく、安価に半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置を製造することができ、更に組
立、調整も簡単になる。
【0080】また励起光入射面301の形状が凸型の曲
面である励起光伝送光学素子3や、励起光入射面301
から励起光出射面302へ近づくとともに屈折率が高く
なる母材を用いて形成した励起光伝送光学素子3を使用
し、本実施の形態と同様に励起光源を配置すれば、励起
光の広がり角を補正することなく、効率よく集光器内へ
励起光を伝送することが可能なばかりでなく、上下側面
303、304間のテーパ角をより大きくすることがで
きるので、励起光伝送光学素子3の小型化を図ることが
できる。
面である励起光伝送光学素子3や、励起光入射面301
から励起光出射面302へ近づくとともに屈折率が高く
なる母材を用いて形成した励起光伝送光学素子3を使用
し、本実施の形態と同様に励起光源を配置すれば、励起
光の広がり角を補正することなく、効率よく集光器内へ
励起光を伝送することが可能なばかりでなく、上下側面
303、304間のテーパ角をより大きくすることがで
きるので、励起光伝送光学素子3の小型化を図ることが
できる。
【0081】実施の形態9.図18は、本発明の実施の
形態9による半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励
起部を光軸方向から見た構成図、図19は、光軸に対し
垂直な方向から見た構成図である。図中、100aは、
スタック型半導体レーザ2a、励起光伝送光学素子3
a、微小円筒レンズ列8a、集光器10aで構成される
第1の励起ユニット、100bは、スタック型半導体レ
ーザ2b、励起光伝送光学素子3b、微小円筒レンズ列
8b、集光器10bで構成される第2の励起ユニット、
100cは、スタック型半導体レーザ2c、励起光伝送
光学素子3c、微小円筒レンズ列8c、集光器10cで
構成される第3の励起ユニットである。第1の励起ユニ
ット100a、第2の励起ユニット100b、第3の励
起ユニット100cは、何れも図1と同一の構成を有
し、固体素子1の光軸に沿って、3段直列に配置されて
いる。本実施の形態においては、同一構成を有する第
1、第2、第3の励起ユニット100a、100b、1
00cの固体素子1に対する設置角度を、固体素子1の
光軸を回転軸とし、120゜間隔で回転させ周方向に対
し均等に分配し配置している。
形態9による半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励
起部を光軸方向から見た構成図、図19は、光軸に対し
垂直な方向から見た構成図である。図中、100aは、
スタック型半導体レーザ2a、励起光伝送光学素子3
a、微小円筒レンズ列8a、集光器10aで構成される
第1の励起ユニット、100bは、スタック型半導体レ
ーザ2b、励起光伝送光学素子3b、微小円筒レンズ列
8b、集光器10bで構成される第2の励起ユニット、
100cは、スタック型半導体レーザ2c、励起光伝送
光学素子3c、微小円筒レンズ列8c、集光器10cで
構成される第3の励起ユニットである。第1の励起ユニ
ット100a、第2の励起ユニット100b、第3の励
起ユニット100cは、何れも図1と同一の構成を有
し、固体素子1の光軸に沿って、3段直列に配置されて
いる。本実施の形態においては、同一構成を有する第
1、第2、第3の励起ユニット100a、100b、1
00cの固体素子1に対する設置角度を、固体素子1の
光軸を回転軸とし、120゜間隔で回転させ周方向に対
し均等に分配し配置している。
【0082】本実施の形態に示すように、固体素子1の
光軸に沿って、同一構成を有する励起ユニット100を
直列に複数個配置すれば、容易に増幅性能の増強を図る
ことができる。また固体素子1の光軸に沿って配置した
複数の励起ユニット100の設置角度を、固体素子1の
光軸を回転軸としてそれぞれ異なる角度に設定し、複数
の異なる角度から固体素子1に対し励起光を照射すれ
ば、固体素子1内の励起密度分布の均一性を格段に向上
させることができる。特に、固体素子1の光軸を回転軸
とし、固体素子1の光軸に沿って配置した各励起ユニッ
ト100の励起光照射方向のなす角度を均等に分配すれ
ば、固体素子断面内の周方向に対する励起密度の不均一
性を効果的に改善することができる。固体素子1内の励
起密度分布の均一化を図ることにより、高出力且つ高品
質なレーザビームをより安定に増幅することができる。
光軸に沿って、同一構成を有する励起ユニット100を
直列に複数個配置すれば、容易に増幅性能の増強を図る
ことができる。また固体素子1の光軸に沿って配置した
複数の励起ユニット100の設置角度を、固体素子1の
光軸を回転軸としてそれぞれ異なる角度に設定し、複数
の異なる角度から固体素子1に対し励起光を照射すれ
ば、固体素子1内の励起密度分布の均一性を格段に向上
させることができる。特に、固体素子1の光軸を回転軸
とし、固体素子1の光軸に沿って配置した各励起ユニッ
ト100の励起光照射方向のなす角度を均等に分配すれ
ば、固体素子断面内の周方向に対する励起密度の不均一
性を効果的に改善することができる。固体素子1内の励
起密度分布の均一化を図ることにより、高出力且つ高品
質なレーザビームをより安定に増幅することができる。
【0083】本実施の形態においては、1台の励起光源
を配置した励起ユニット100を、固体素子の光軸に沿
って3段直列に配置する構成を示したが、固体素子の光
軸に沿って配置する励起ユニット100の段数は、これ
に限るものではなく、所望する増幅性能に応じて決定す
ればよい。また固体素子の光軸に沿って複数の励起ユニ
ット100を配置する際に、上述のように、各励起ユニ
ット100の励起光照射方向のなす角度を均等に分配す
れば、周方向に対する励起密度の不均一性を効果的に改
善することができる。即ちn個の励起ユニット100を
固体素子の光軸に沿って配置する際には、各励起ユニッ
ト100の励起光照射方向を360/n度の間隔で配置
すればよい。
を配置した励起ユニット100を、固体素子の光軸に沿
って3段直列に配置する構成を示したが、固体素子の光
軸に沿って配置する励起ユニット100の段数は、これ
に限るものではなく、所望する増幅性能に応じて決定す
ればよい。また固体素子の光軸に沿って複数の励起ユニ
ット100を配置する際に、上述のように、各励起ユニ
ット100の励起光照射方向のなす角度を均等に分配す
れば、周方向に対する励起密度の不均一性を効果的に改
善することができる。即ちn個の励起ユニット100を
固体素子の光軸に沿って配置する際には、各励起ユニッ
ト100の励起光照射方向を360/n度の間隔で配置
すればよい。
【0084】なお上記実施の形態においては、複数の励
起ユニット100を固体素子の光軸に沿って配置する
際、各励起ユニット100の励起光照射方向のなす角度
を均等に分配することにより、固体素子断面内の周方向
に対する励起密度の不均一性を効果的に解消する方法を
示したが、各励起ユニット100の励起光照射方向を同
一方向としても、増幅性能の増強は可能であり、更に各
励起ユニット100の励起光照射方向のなす角度を均等
に分配する場合に比べ、組立、調整が容易になるという
利点もある。
起ユニット100を固体素子の光軸に沿って配置する
際、各励起ユニット100の励起光照射方向のなす角度
を均等に分配することにより、固体素子断面内の周方向
に対する励起密度の不均一性を効果的に解消する方法を
示したが、各励起ユニット100の励起光照射方向を同
一方向としても、増幅性能の増強は可能であり、更に各
励起ユニット100の励起光照射方向のなす角度を均等
に分配する場合に比べ、組立、調整が容易になるという
利点もある。
【0085】本実施の形態においては、励起光入射面3
01が平面で形成された励起光伝送光学素子3を使用す
る構成を示したが、励起光入射面301が凸型の曲面で
形成された励起光伝送光学素子3や、励起光入射面30
1から励起光出射面302へ近づくとともに、屈折率が
増加する母材を用いた励起光伝送光学素子3を使用して
も、同様な効果が得られるばかりでなく、励起ユニット
100の小型化を図り、励起部をコンパクトに構成する
ことができる。
01が平面で形成された励起光伝送光学素子3を使用す
る構成を示したが、励起光入射面301が凸型の曲面で
形成された励起光伝送光学素子3や、励起光入射面30
1から励起光出射面302へ近づくとともに、屈折率が
増加する母材を用いた励起光伝送光学素子3を使用して
も、同様な効果が得られるばかりでなく、励起ユニット
100の小型化を図り、励起部をコンパクトに構成する
ことができる。
【0086】実施の形態10.図20は、本発明の実施
の形態10による半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置
の励起部を光軸方向から見た構成図である。本実施の形
態においては、単一の集光器10を使用し、4方向より
励起光を照射する構成としている。本実施の形態におい
て使用しているスタック型半導体レーザ1、励起光伝送
光学素子3、微小円筒レンズ列8は、いずれも図1にお
いて示したものと同一である。
の形態10による半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置
の励起部を光軸方向から見た構成図である。本実施の形
態においては、単一の集光器10を使用し、4方向より
励起光を照射する構成としている。本実施の形態におい
て使用しているスタック型半導体レーザ1、励起光伝送
光学素子3、微小円筒レンズ列8は、いずれも図1にお
いて示したものと同一である。
【0087】本実施の形態においては、単一の集光器1
0に対し、4台のスタック型半導体レーザ2を設置し、
微小円筒レンズ列8によって広がり角を補正した励起光
を、各スタック型半導体レーザ2に対応した4つの励起
光伝送光学素子3を介し、固体素子1の光軸を回転軸と
し均等角度で分配された90度間隔の4方向より集光器
内に導入する構成としているので、集光器10内面中の
無効領域を著しく増加させることなく、広い発光領域を
有する複数のスタック型半導体レーザ2より発せられる
励起光を、単一の集光器10内に効率よく伝送し、簡易
な構成のもとで、高い励起光利用効率を維持しながら、
増幅性能の増強を図ることができる。
0に対し、4台のスタック型半導体レーザ2を設置し、
微小円筒レンズ列8によって広がり角を補正した励起光
を、各スタック型半導体レーザ2に対応した4つの励起
光伝送光学素子3を介し、固体素子1の光軸を回転軸と
し均等角度で分配された90度間隔の4方向より集光器
内に導入する構成としているので、集光器10内面中の
無効領域を著しく増加させることなく、広い発光領域を
有する複数のスタック型半導体レーザ2より発せられる
励起光を、単一の集光器10内に効率よく伝送し、簡易
な構成のもとで、高い励起光利用効率を維持しながら、
増幅性能の増強を図ることができる。
【0088】また本実施の形態によれば、固体素子1の
励起長を増すことなく、複数の励起光源を設置し、複数
の励起光源より発せられた励起光を効率よく集光器10
内に導入し、固体素子1の励起に利用することができる
ので、固体素子1に起因するレーザ光に対する損失を一
定に維持しながら、より効率的な増幅性能の増強が可能
になる。
励起長を増すことなく、複数の励起光源を設置し、複数
の励起光源より発せられた励起光を効率よく集光器10
内に導入し、固体素子1の励起に利用することができる
ので、固体素子1に起因するレーザ光に対する損失を一
定に維持しながら、より効率的な増幅性能の増強が可能
になる。
【0089】また本実施の形態によれば、固体素子1の
光軸を回転軸とし、周方向に対し均等に分配された4方
向より、固体素子1に対し、励起光を照射する構成とし
ているので、固体素子1内の励起密度分布の均一化を効
果的に図り、高品質なレーザビームの増幅をより安定か
つ高効率に行うことができる。
光軸を回転軸とし、周方向に対し均等に分配された4方
向より、固体素子1に対し、励起光を照射する構成とし
ているので、固体素子1内の励起密度分布の均一化を効
果的に図り、高品質なレーザビームの増幅をより安定か
つ高効率に行うことができる。
【0090】本実施の形態においては、単一の集光器に
対し4台の励起光源であるスタック型半導体レーザを設
置し、4方向より励起光を導入する構成を示したが、単
一集光器に対する励起光源の数はこれに限るものではな
い。また単一の集光器に対し、複数の励起光源を用い
て、固体素子の励起を行う場合、本実施の形態において
示したように、各励起光源からの励起光照射方向のなす
角度を均等に分配すれば、周方向に対する励起密度の不
均一性を効果的に改善することができる。即ちn個の励
起光源を単一集光器に対し配置する際には、各励起部の
励起光照射方向、即ち励起光伝送光学素子の設置角度を
360/n度の間隔に配置すればよい。
対し4台の励起光源であるスタック型半導体レーザを設
置し、4方向より励起光を導入する構成を示したが、単
一集光器に対する励起光源の数はこれに限るものではな
い。また単一の集光器に対し、複数の励起光源を用い
て、固体素子の励起を行う場合、本実施の形態において
示したように、各励起光源からの励起光照射方向のなす
角度を均等に分配すれば、周方向に対する励起密度の不
均一性を効果的に改善することができる。即ちn個の励
起光源を単一集光器に対し配置する際には、各励起部の
励起光照射方向、即ち励起光伝送光学素子の設置角度を
360/n度の間隔に配置すればよい。
【0091】実施の形態11.図21は、本発明の実施
の形態11による半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置
の励起部を光軸方向から見た構成図である。本実施の形
態の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励起部は、
スタック型半導体レーザ2a、励起光伝送光学素子3
a、微小円筒レンズ列8a、集光器10aからなる第1
の励起ユニット100aと、スタック型半導体レーザ2
b、励起光伝送光学素子3b、微小円筒レンズ列8b、
集光器10bからなる第2励起ユニット100bを、固
体素子1の光軸に沿って2台直列に配置し構成してい
る。第1の励起ユニット100aと第2の励起ユニット
100bは、ともに図9において示した前記実施の形態
5の励起部と同一の構成を有している。第1の励起ユニ
ット100aと第2の励起ユニット100bは、固体素
子1の光軸を回転軸とし、45度の角度をなして設置さ
れている。
の形態11による半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置
の励起部を光軸方向から見た構成図である。本実施の形
態の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励起部は、
スタック型半導体レーザ2a、励起光伝送光学素子3
a、微小円筒レンズ列8a、集光器10aからなる第1
の励起ユニット100aと、スタック型半導体レーザ2
b、励起光伝送光学素子3b、微小円筒レンズ列8b、
集光器10bからなる第2励起ユニット100bを、固
体素子1の光軸に沿って2台直列に配置し構成してい
る。第1の励起ユニット100aと第2の励起ユニット
100bは、ともに図9において示した前記実施の形態
5の励起部と同一の構成を有している。第1の励起ユニ
ット100aと第2の励起ユニット100bは、固体素
子1の光軸を回転軸とし、45度の角度をなして設置さ
れている。
【0092】本実施の形態に示すように、単一の集光器
に対し複数の励起光源を設置した励起ユニットを、固体
素子の光軸に沿って複数台直列に配置する構成とすれ
ば、固体素子の長さを著しく延長することなく、増幅性
能の大幅な増強を効率的且つ容易に図ることができる。
に対し複数の励起光源を設置した励起ユニットを、固体
素子の光軸に沿って複数台直列に配置する構成とすれ
ば、固体素子の長さを著しく延長することなく、増幅性
能の大幅な増強を効率的且つ容易に図ることができる。
【0093】また本実施の形態においては、単一の集光
器10に対し、4台のスタック型半導体レーザ2を設置
し、固体素子1の光軸を回転軸とし、均等角度で分配さ
れた90度間隔の4方向より励起光伝送光学素子3を介
して励起光を集光器10内へ伝送し、固体素子1の励起
を行う構成を有する励起ユニット100を、固体素子1
の光軸に沿って2段直列に配置し、且つ、2つの励起部
の設置角度は、固体素子1の光軸を回転軸とし、45度
の角度をなすよう配置しているため、固体素子1は、周
方向に対し均等角度で分配された45度間隔の合計8方
向より励起光が照射される。
器10に対し、4台のスタック型半導体レーザ2を設置
し、固体素子1の光軸を回転軸とし、均等角度で分配さ
れた90度間隔の4方向より励起光伝送光学素子3を介
して励起光を集光器10内へ伝送し、固体素子1の励起
を行う構成を有する励起ユニット100を、固体素子1
の光軸に沿って2段直列に配置し、且つ、2つの励起部
の設置角度は、固体素子1の光軸を回転軸とし、45度
の角度をなすよう配置しているため、固体素子1は、周
方向に対し均等角度で分配された45度間隔の合計8方
向より励起光が照射される。
【0094】本実施の形態によれば、固体素子1に対
し、上述のように均等角度で分配された45度間隔の合
計8方向より励起光を照射するので、固体素子1内の励
起密度の均一性を大幅に改善し、高品質かつ高出力のレ
ーザビームの増幅を安定に行うことができる。
し、上述のように均等角度で分配された45度間隔の合
計8方向より励起光を照射するので、固体素子1内の励
起密度の均一性を大幅に改善し、高品質かつ高出力のレ
ーザビームの増幅を安定に行うことができる。
【0095】本実施の形態においては、単一の集光器に
対し、4台の励起光源であるスタック型半導体レーザを
配置する励起ユニットを、固体素子の光軸に沿って2段
直列に配置する構成を示したが、単一の集光器に対し設
置する励起光源の数、および固体素子の沿って配置る励
起ユニットの数は、これに限るものではなく、所望の増
幅特性に応じ決定すればよい。
対し、4台の励起光源であるスタック型半導体レーザを
配置する励起ユニットを、固体素子の光軸に沿って2段
直列に配置する構成を示したが、単一の集光器に対し設
置する励起光源の数、および固体素子の沿って配置る励
起ユニットの数は、これに限るものではなく、所望の増
幅特性に応じ決定すればよい。
【0096】また、単一の集光器に対しn個の励起光源
を使用し、固体素子に対する励起光照射方向が、固体素
子の光軸を回転軸とし、均等角度に分配されるよう36
0/n度の間隔で配置された励起ユニットを、固体素子
の光軸に沿ってm段直列に配置する構成においては、m
個の励起ユニットを固体素子の光軸を回転軸とし、各々
360/(n×m)度ずつ回転させて配置すれば、固体
素子1に対し、均等角度で分配された360/(n×
m)度間隔の合計n×m方向より励起光を照射すること
ができるので、固体素子内の励起密度分布の均一性を格
段に向上させ、高品質かつ高出力のレーザビームを安定
して増幅することができる。
を使用し、固体素子に対する励起光照射方向が、固体素
子の光軸を回転軸とし、均等角度に分配されるよう36
0/n度の間隔で配置された励起ユニットを、固体素子
の光軸に沿ってm段直列に配置する構成においては、m
個の励起ユニットを固体素子の光軸を回転軸とし、各々
360/(n×m)度ずつ回転させて配置すれば、固体
素子1に対し、均等角度で分配された360/(n×
m)度間隔の合計n×m方向より励起光を照射すること
ができるので、固体素子内の励起密度分布の均一性を格
段に向上させ、高品質かつ高出力のレーザビームを安定
して増幅することができる。
【0097】本実施の形態においては、単一の集光器に
対し複数の励起光源を設置し、複数の方向より固体素子
に対し励起光を照射する構成を有する励起ユニットを、
固体素子の光軸に沿って、固体素子の光軸を回転軸と
し、所定の角度をなして複数段直列に配置する構成を示
したが、固体素子の光軸に沿って配置する複数の励起ユ
ニットを、一定の設置角度で全て同方向に配置する構成
としても、各励起ユニットには複数の励起光源が設置さ
れており、単一励起ユニット内において、固体素子に対
し複数の方向より励起光を照射する構成としているの
で、固体素子内において、単一集光器に対し単一の励起
光源を設置する構成に比べ、格段に均一な励起密度分布
を得ることができるばかりでなく、複数の励起ユニット
を全て同一の設置角度で配置すればよいので、励起部の
構成が簡易になり、組立、調整も容易になるという利点
もある。
対し複数の励起光源を設置し、複数の方向より固体素子
に対し励起光を照射する構成を有する励起ユニットを、
固体素子の光軸に沿って、固体素子の光軸を回転軸と
し、所定の角度をなして複数段直列に配置する構成を示
したが、固体素子の光軸に沿って配置する複数の励起ユ
ニットを、一定の設置角度で全て同方向に配置する構成
としても、各励起ユニットには複数の励起光源が設置さ
れており、単一励起ユニット内において、固体素子に対
し複数の方向より励起光を照射する構成としているの
で、固体素子内において、単一集光器に対し単一の励起
光源を設置する構成に比べ、格段に均一な励起密度分布
を得ることができるばかりでなく、複数の励起ユニット
を全て同一の設置角度で配置すればよいので、励起部の
構成が簡易になり、組立、調整も容易になるという利点
もある。
【0098】また、単一の集光器に対し、複数の励起光
源を設置する構成を有する励起ユニットを、固体素子の
光軸に沿って複数段直列に配置する構成において、固体
素子の光軸に沿って配置された複数の励起ユニットのう
ち、一部の励起ユニットのみ、設置角度を変化させる構
成としてもよい。
源を設置する構成を有する励起ユニットを、固体素子の
光軸に沿って複数段直列に配置する構成において、固体
素子の光軸に沿って配置された複数の励起ユニットのう
ち、一部の励起ユニットのみ、設置角度を変化させる構
成としてもよい。
【0099】なお本実施の形態においては、励起光入射
面301が平面で形成された励起光伝送光学素子3を使
用する構成を示したが、励起光入射面301が凸型の曲
面で形成された励起光伝送光学素子3や、励起光入射面
301から励起光出射面302へ近づくとともに、屈折
率が増加する母材を用いた励起光伝送光学素子3を使用
しても、同様な効果が得られるばかりでなく、励起ユニ
ット100の小型化を図り、励起部をコンパクトに構成
することができる。
面301が平面で形成された励起光伝送光学素子3を使
用する構成を示したが、励起光入射面301が凸型の曲
面で形成された励起光伝送光学素子3や、励起光入射面
301から励起光出射面302へ近づくとともに、屈折
率が増加する母材を用いた励起光伝送光学素子3を使用
しても、同様な効果が得られるばかりでなく、励起ユニ
ット100の小型化を図り、励起部をコンパクトに構成
することができる。
【0100】実施の形態12.図22は、本発明の実施
の形態12の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励
起部を、光軸方向から見た構成図、図23は、上方から
見た構成図である。本実施の形態の半導体レーザ励起固
体レーザ増幅装置は、円筒形状を有する単一の集光器1
0に対し、第1のスタック型半導体レーザ2a、第2の
スタック型半導体レーザ2b、第3のスタック型半導体
レーザ2c、第4のスタック型半導体レーザ2dの合計
4個の励起光源を備えており、第1から第4の各スタッ
ク型半導体レーザ2a、2b、2c、2dを出射した励
起光は、第1から第4の各スタック型半導体レーザ2
a、2b、2c、2dの発光部前方に設置された第1か
ら第4の微小円筒レンズ列8a、8b、8c、8dによ
って広がり角が補正された後、第1から第4の励起光伝
送光学素子3a、3b、3c、3dを介し、集光器10
内に導入され、固体素子1を側方より照射する。
の形態12の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励
起部を、光軸方向から見た構成図、図23は、上方から
見た構成図である。本実施の形態の半導体レーザ励起固
体レーザ増幅装置は、円筒形状を有する単一の集光器1
0に対し、第1のスタック型半導体レーザ2a、第2の
スタック型半導体レーザ2b、第3のスタック型半導体
レーザ2c、第4のスタック型半導体レーザ2dの合計
4個の励起光源を備えており、第1から第4の各スタッ
ク型半導体レーザ2a、2b、2c、2dを出射した励
起光は、第1から第4の各スタック型半導体レーザ2
a、2b、2c、2dの発光部前方に設置された第1か
ら第4の微小円筒レンズ列8a、8b、8c、8dによ
って広がり角が補正された後、第1から第4の励起光伝
送光学素子3a、3b、3c、3dを介し、集光器10
内に導入され、固体素子1を側方より照射する。
【0101】本実施の形態の半導体レーザ励起固体レー
ザ増幅装置においては、励起光伝送光学系素子3aと3
b、3cと3dはそれぞれ鏡面対称に配置され、3aと
3c、3bと3dはそれぞれ固体素子1の光軸に対して
軸対称に配置されている。励起光伝送光学系素子3aの
励起光入射面301aと側面304a、305aの3者
は互いに直角をなし、励起光出射面302aは励起光入
射面301aと平行である。側面303aは側面304
aに対して励起光進行方向に沿って狭まるテーパをな
し、側面306aは側面305aに対して同様のテーパ
をなす。
ザ増幅装置においては、励起光伝送光学系素子3aと3
b、3cと3dはそれぞれ鏡面対称に配置され、3aと
3c、3bと3dはそれぞれ固体素子1の光軸に対して
軸対称に配置されている。励起光伝送光学系素子3aの
励起光入射面301aと側面304a、305aの3者
は互いに直角をなし、励起光出射面302aは励起光入
射面301aと平行である。側面303aは側面304
aに対して励起光進行方向に沿って狭まるテーパをな
し、側面306aは側面305aに対して同様のテーパ
をなす。
【0102】第1の励起光伝送光学素子3aに対し第2
の励起光伝送光学素子3bが、また第3の励起光伝送光
学素子3cに対し第4の励起光伝送光学素子3dが、そ
れぞれ鏡面対称の形状を有している。また第1の励起光
伝送光学素子3aとフローチューブ9および固体素子1
を隔て相対向する位置に設置された第3の励起光伝送光
学素子3cは同一形状を有し、第2の励起光伝送光学素
子3bとフローチューブ9および固体素子1を隔て相対
向する位置に設置された第4の励起光伝送光学素子3d
は同一形状を有している。第1から第4の励起光伝送光
学素子3a、3b、3c、3dは、いずれも励起光出射
面302a、302b、302c、302dを固体素子
1に向け設置されている。また第1および第2の励起光
伝送光学素子3a、3bはそれぞれ側面303a、30
3bを上方へ向け、第3および第4の励起光伝送光学素
子3c、3dは側面303c、303dを下方に向け設
置されている。
の励起光伝送光学素子3bが、また第3の励起光伝送光
学素子3cに対し第4の励起光伝送光学素子3dが、そ
れぞれ鏡面対称の形状を有している。また第1の励起光
伝送光学素子3aとフローチューブ9および固体素子1
を隔て相対向する位置に設置された第3の励起光伝送光
学素子3cは同一形状を有し、第2の励起光伝送光学素
子3bとフローチューブ9および固体素子1を隔て相対
向する位置に設置された第4の励起光伝送光学素子3d
は同一形状を有している。第1から第4の励起光伝送光
学素子3a、3b、3c、3dは、いずれも励起光出射
面302a、302b、302c、302dを固体素子
1に向け設置されている。また第1および第2の励起光
伝送光学素子3a、3bはそれぞれ側面303a、30
3bを上方へ向け、第3および第4の励起光伝送光学素
子3c、3dは側面303c、303dを下方に向け設
置されている。
【0103】第1から第4の励起光伝送光学素子3a、
3b、3c、3dの側面304a、304b、304
c、304dは、何れも励起光入射面301a、301
b、301c、301dおよび励起光出射面302a、
302b、302c、302dに対し、直角に形成され
ている。また第1から第4の励起光伝送光学素子3a、
3b、3c、3dの側面304a、304b、304
c、304dは、相対向する側面303a、303b、
303c、303dとそれぞれテーパを形成しており、
励起光入射面301a、301b、301c、301d
から励起光出射面302a、302b、302c、30
2dへ近づくとともに、側面303a、303b、30
3c、303dと側面304a、304b、304c、
304d間の距離は減少する。
3b、3c、3dの側面304a、304b、304
c、304dは、何れも励起光入射面301a、301
b、301c、301dおよび励起光出射面302a、
302b、302c、302dに対し、直角に形成され
ている。また第1から第4の励起光伝送光学素子3a、
3b、3c、3dの側面304a、304b、304
c、304dは、相対向する側面303a、303b、
303c、303dとそれぞれテーパを形成しており、
励起光入射面301a、301b、301c、301d
から励起光出射面302a、302b、302c、30
2dへ近づくとともに、側面303a、303b、30
3c、303dと側面304a、304b、304c、
304d間の距離は減少する。
【0104】第1および第3の励起光伝送光学素子3
a、3cの側面305a、305cは、平行に形成され
た励起光入射面301a、301c、励起光出射面30
2a、302c、および側面304a、304cの何れ
に対しても直角に形成されている。また第1および第3
の励起光伝送光学素子3a、3cの側面306a、30
6cは、対向する側面305a、305cとテーパを形
成しており、励起光入射面301a、301cから励起
光出射面302a、302cへ近づくとともに、側面3
06a、306cと側面305a、305c間の距離は
減少する。
a、3cの側面305a、305cは、平行に形成され
た励起光入射面301a、301c、励起光出射面30
2a、302c、および側面304a、304cの何れ
に対しても直角に形成されている。また第1および第3
の励起光伝送光学素子3a、3cの側面306a、30
6cは、対向する側面305a、305cとテーパを形
成しており、励起光入射面301a、301cから励起
光出射面302a、302cへ近づくとともに、側面3
06a、306cと側面305a、305c間の距離は
減少する。
【0105】一方、第2および第4の励起光伝送光学素
子3b、3dは、側面306b、306dが、平行に形
成された励起光入射面301b、301d、励起光出射
面302b、302d、および励起光入射面301b、
301dと励起光出射面302b、302dに対し直角
に形成された側面304b、304dの何れに対しても
直角となるよう形成されている。また第2および第4の
励起光伝送光学素子3b、3dの側面306b、306
dは、対向する側面305b、305dとテーパを形成
しており、励起光入射面301b、301dから励起光
出射面302b、302dへ近づくとともに、側面30
6b、306dと側面305b、305d間の距離は減
少する。
子3b、3dは、側面306b、306dが、平行に形
成された励起光入射面301b、301d、励起光出射
面302b、302d、および励起光入射面301b、
301dと励起光出射面302b、302dに対し直角
に形成された側面304b、304dの何れに対しても
直角となるよう形成されている。また第2および第4の
励起光伝送光学素子3b、3dの側面306b、306
dは、対向する側面305b、305dとテーパを形成
しており、励起光入射面301b、301dから励起光
出射面302b、302dへ近づくとともに、側面30
6b、306dと側面305b、305d間の距離は減
少する。
【0106】第1および第2の励起光伝送光学素子3
a、3bは、第1の励起光伝送光学素子3aの励起光入
射面301aおよび励起光出射面302aに対し直角に
形成された側面305aと、第2の励起光伝送光学素子
3bの励起光入射面301bおよび励起光出射面302
bに対し直角に形成された側面306bとが相対向する
よう、固体素子1の光軸に沿って設置されている。一
方、第3および第4の励起光伝送光学素子3c、3d
は、固体素子1を隔てそれぞれ励起光伝送光学素子3
a、3bと対向する位置に、第3の励起光伝送光学素子
3cの励起光入射面301cおよび励起光出射面302
cに対し直角に形成された側面305cと、第4の励起
光伝送光学素子3dの励起光入射面301dおよび励起
光出射面302dに対し直角に形成された側面306d
とが相対向するよう、固体素子1の光軸に沿って設置さ
れている。
a、3bは、第1の励起光伝送光学素子3aの励起光入
射面301aおよび励起光出射面302aに対し直角に
形成された側面305aと、第2の励起光伝送光学素子
3bの励起光入射面301bおよび励起光出射面302
bに対し直角に形成された側面306bとが相対向する
よう、固体素子1の光軸に沿って設置されている。一
方、第3および第4の励起光伝送光学素子3c、3d
は、固体素子1を隔てそれぞれ励起光伝送光学素子3
a、3bと対向する位置に、第3の励起光伝送光学素子
3cの励起光入射面301cおよび励起光出射面302
cに対し直角に形成された側面305cと、第4の励起
光伝送光学素子3dの励起光入射面301dおよび励起
光出射面302dに対し直角に形成された側面306d
とが相対向するよう、固体素子1の光軸に沿って設置さ
れている。
【0107】本実施の形態に示す励起光伝送光学素子3
a、3b、3c、3dにおいては、励起光出射面302
a、302b、302c、302dの位置が、励起光出
射面302a、302b、302c、302dに垂直な
方向から臨み、励起光入射面301a、301b、30
1c、301dの一隅に偏って配置されているため、励
起光出射面302a、302b、302c、302dよ
り出射される励起光の進行方向は非対称に分布する。
a、3b、3c、3dにおいては、励起光出射面302
a、302b、302c、302dの位置が、励起光出
射面302a、302b、302c、302dに垂直な
方向から臨み、励起光入射面301a、301b、30
1c、301dの一隅に偏って配置されているため、励
起光出射面302a、302b、302c、302dよ
り出射される励起光の進行方向は非対称に分布する。
【0108】励起光伝送光学素子3の形状に起因し、励
起光の進行方向が非対称に分布する場合、例えば本実施
の形態の第1の励起光伝送光学素子3aと第3の励起光
伝送光学素子3cの配置関係のように、第1の励起光伝
送光学素子3aに対し、固体素子1の光軸を回転軸と
し、第1の励起光伝送光学素子3aを180度回転させ
た位置および角度で、第1の励起光伝送光学素子3aと
同一形状を有する第3の励起光伝送光学素子3cを設置
すれば、励起光の進行方向分布の非対称性に起因する励
起密度の不均一性が相殺され、励起密度分布の均一化を
効果的に図ることができる。従って、高品質なレーザビ
ームを安定に増幅することが可能になる。
起光の進行方向が非対称に分布する場合、例えば本実施
の形態の第1の励起光伝送光学素子3aと第3の励起光
伝送光学素子3cの配置関係のように、第1の励起光伝
送光学素子3aに対し、固体素子1の光軸を回転軸と
し、第1の励起光伝送光学素子3aを180度回転させ
た位置および角度で、第1の励起光伝送光学素子3aと
同一形状を有する第3の励起光伝送光学素子3cを設置
すれば、励起光の進行方向分布の非対称性に起因する励
起密度の不均一性が相殺され、励起密度分布の均一化を
効果的に図ることができる。従って、高品質なレーザビ
ームを安定に増幅することが可能になる。
【0109】また本実施の形態の第2の励起光伝送光学
素子3bと第4の励起光伝送光学素子3dの配置関係
も、第1の励起光伝送光学素子3aと第3の励起光伝送
光学素子3cの配置関係と同様、固体素子1の光軸を回
転軸とし、第2の励起光伝送光学素子3bを180度回
転させた位置および角度で、第2の励起光伝送光学素子
3bと同一形状を有する第4の励起光伝送光学素子3d
が設置されているので、均一な励起密度分布が得られ、
高品質なレーザビームを安定に増幅することができる。
素子3bと第4の励起光伝送光学素子3dの配置関係
も、第1の励起光伝送光学素子3aと第3の励起光伝送
光学素子3cの配置関係と同様、固体素子1の光軸を回
転軸とし、第2の励起光伝送光学素子3bを180度回
転させた位置および角度で、第2の励起光伝送光学素子
3bと同一形状を有する第4の励起光伝送光学素子3d
が設置されているので、均一な励起密度分布が得られ、
高品質なレーザビームを安定に増幅することができる。
【0110】また本実施の形態の第1から第4の励起光
伝送光学素子3a、3b、3c、3dのように、側面3
05a、305b、305c、305dと側面306
a、306b、306c、306dとでテーパが形成さ
れ、励起光入射面301a、301b、301c、30
1dから励起光出射面302a、302b、302c、
302dへ近づくとともに、側面305a、305b、
305c、305dと側面306a、306b、306
c、306d間の距離が短くなるよう形成された励起光
伝送光学素子3a、3b、3c、3dを使用すれば、固
体素子1内の光軸方向に対する励起領域の集中を図り、
励起密度を増加させることが可能となるので、固体素子
1の単位長さ当たりの増幅性能を向上させ、一定の増幅
性能を得るために必要な固体素子1の長さが減少する。
このため装置の小型化を図ることが可能となり、更に固
体素子1中で発生するレーザビームに対する損失量が低
減するので、より効率的にレーザビームの増幅を行うこ
とができる。
伝送光学素子3a、3b、3c、3dのように、側面3
05a、305b、305c、305dと側面306
a、306b、306c、306dとでテーパが形成さ
れ、励起光入射面301a、301b、301c、30
1dから励起光出射面302a、302b、302c、
302dへ近づくとともに、側面305a、305b、
305c、305dと側面306a、306b、306
c、306d間の距離が短くなるよう形成された励起光
伝送光学素子3a、3b、3c、3dを使用すれば、固
体素子1内の光軸方向に対する励起領域の集中を図り、
励起密度を増加させることが可能となるので、固体素子
1の単位長さ当たりの増幅性能を向上させ、一定の増幅
性能を得るために必要な固体素子1の長さが減少する。
このため装置の小型化を図ることが可能となり、更に固
体素子1中で発生するレーザビームに対する損失量が低
減するので、より効率的にレーザビームの増幅を行うこ
とができる。
【0111】また本実施の形態の第1の励起光伝送光学
素子3aと第2の励起光伝送光学素子3bの配置関係の
ように、第2の励起光伝送光学素子3bを第1の励起光
伝送光学素子3aの鏡面対称形状とし、第1の励起光伝
送光学素子3aの側面306aとテーパを形成し且つ励
起光入射面301aおよび励起光出射面302aに対し
直角に形成された側面305aと、第2の励起光伝送光
学素子3bの側面305bとテーパを形成し且つ励起光
入射面301bと励起光出射面302bに対し直角に形
成された側面306bが、相対向するよう固体素子1の
光軸に沿って隣接して配置すれば、光軸方向に対する励
起領域の集中を図るため、側面305aと側面306a
とでテーパが形成された第1の励起光伝送光学素子3a
と、同様に側面305bと側面306bとでテーパが形
成された第2の励起光伝送光学素子3bを、固体素子1
の光軸に沿って隣接して直列に配置する際に、第1のス
タック型半導体レーザ2aによって固体素子1内に生じ
る励起領域と、第2のスタック型半導体レーザ2bによ
り固体素子1内に生じる励起領域を近接させることがで
きるので、固体素子1の長さを不必要に増加させること
なく、短い固体素子1を用いて効率的な増幅性能の増強
が可能となり、更に装置全体をコンパクトに配置するこ
とができる。
素子3aと第2の励起光伝送光学素子3bの配置関係の
ように、第2の励起光伝送光学素子3bを第1の励起光
伝送光学素子3aの鏡面対称形状とし、第1の励起光伝
送光学素子3aの側面306aとテーパを形成し且つ励
起光入射面301aおよび励起光出射面302aに対し
直角に形成された側面305aと、第2の励起光伝送光
学素子3bの側面305bとテーパを形成し且つ励起光
入射面301bと励起光出射面302bに対し直角に形
成された側面306bが、相対向するよう固体素子1の
光軸に沿って隣接して配置すれば、光軸方向に対する励
起領域の集中を図るため、側面305aと側面306a
とでテーパが形成された第1の励起光伝送光学素子3a
と、同様に側面305bと側面306bとでテーパが形
成された第2の励起光伝送光学素子3bを、固体素子1
の光軸に沿って隣接して直列に配置する際に、第1のス
タック型半導体レーザ2aによって固体素子1内に生じ
る励起領域と、第2のスタック型半導体レーザ2bによ
り固体素子1内に生じる励起領域を近接させることがで
きるので、固体素子1の長さを不必要に増加させること
なく、短い固体素子1を用いて効率的な増幅性能の増強
が可能となり、更に装置全体をコンパクトに配置するこ
とができる。
【0112】なお本実施の形態においては、励起光入射
面301が平面で形成された励起光伝送光学素子3を使
用する構成を示したが、励起光入射面301が凸型の曲
面で形成された励起光伝送光学素子3や、励起光入射面
301から励起光出射面302へ近づくとともに、屈折
率が増加する母材を用いた励起光伝送光学素子3を使用
しても、同様な効果が得られるばかりでなく、励起光伝
送光学素子3の小型化を図り、励起部をコンパクトに構
成することができる。
面301が平面で形成された励起光伝送光学素子3を使
用する構成を示したが、励起光入射面301が凸型の曲
面で形成された励起光伝送光学素子3や、励起光入射面
301から励起光出射面302へ近づくとともに、屈折
率が増加する母材を用いた励起光伝送光学素子3を使用
しても、同様な効果が得られるばかりでなく、励起光伝
送光学素子3の小型化を図り、励起部をコンパクトに構
成することができる。
【0113】実施の形態13.図24は、本発明の実施
の形態13の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励
起部を、光軸方向から見た構成図、図25は、上方から
見た構成図である。本実施の形態においても、前実施の
形態と同じく、円筒形状を有する単一の集光器10に対
し、第1のスタック型半導体レーザ2a、第2のスタッ
ク型半導体レーザ2b、第3のスタック型半導体レーザ
2c、第4のスタック型半導体レーザ2dの合計4個の
励起光源を備えており、第1から第4の各スタック型半
導体レーザ2a、2b、2c、2dを出射した励起光
は、第1から第4の各スタック型半導体レーザ2a、2
b、2c、2d発光部前方に設置された第1から第4の
微小円筒レンズ列8a、8b、8c、8dによって広が
り角が補正された後、第1から第4の励起光伝送光学素
子3a、3b、3c、3dを介し、集光器10内に導入
され、固体素子1を側方より照射する。
の形態13の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励
起部を、光軸方向から見た構成図、図25は、上方から
見た構成図である。本実施の形態においても、前実施の
形態と同じく、円筒形状を有する単一の集光器10に対
し、第1のスタック型半導体レーザ2a、第2のスタッ
ク型半導体レーザ2b、第3のスタック型半導体レーザ
2c、第4のスタック型半導体レーザ2dの合計4個の
励起光源を備えており、第1から第4の各スタック型半
導体レーザ2a、2b、2c、2dを出射した励起光
は、第1から第4の各スタック型半導体レーザ2a、2
b、2c、2d発光部前方に設置された第1から第4の
微小円筒レンズ列8a、8b、8c、8dによって広が
り角が補正された後、第1から第4の励起光伝送光学素
子3a、3b、3c、3dを介し、集光器10内に導入
され、固体素子1を側方より照射する。
【0114】本実施の形態の半導体レーザ励起固体レー
ザ装置においては、第1から第4の各スタック型半導体
レーザ2a、2b、2c、2dに対応した第1から第4
の励起光伝送光学素子3a、3b、3c、3dは、全て
同一形状を有しており、励起光伝送光学系素子3aと3
c、3bと3dはそれぞれ固体素子1の光軸に対して軸
対称に配置され、3aと3b、3cと3dはそれぞれ固
体素子1の光軸と直交する水平軸に対して軸対称に配置
されている。励起光伝送光学系素子3aの励起光入射面
301aと側面304a、305aの3者は互いに直角
をなし、励起光出射面302aは励起光入射面301a
と平行である。側面303aは側面304aに対して励
起光進行方向に沿って狭まるテーパをなし、側面306
aは側面305aに対して同様のテーパをなす。
ザ装置においては、第1から第4の各スタック型半導体
レーザ2a、2b、2c、2dに対応した第1から第4
の励起光伝送光学素子3a、3b、3c、3dは、全て
同一形状を有しており、励起光伝送光学系素子3aと3
c、3bと3dはそれぞれ固体素子1の光軸に対して軸
対称に配置され、3aと3b、3cと3dはそれぞれ固
体素子1の光軸と直交する水平軸に対して軸対称に配置
されている。励起光伝送光学系素子3aの励起光入射面
301aと側面304a、305aの3者は互いに直角
をなし、励起光出射面302aは励起光入射面301a
と平行である。側面303aは側面304aに対して励
起光進行方向に沿って狭まるテーパをなし、側面306
aは側面305aに対して同様のテーパをなす。
【0115】本実施の形態の半導体レーザ励起固体レー
ザ増幅装置において用いている、同一形状を有する第1
から第4の励起光伝送光学素子3a、3b、3c、3d
は、励起光入射端面301a、301b、301c、3
01dと励起光出射面302a、302b、302c、
302dが平行に形成されており、また側面304a、
304b、304c、304dは、励起光入射端面30
1a、301b、301c、301dおよび励起光出射
面302a、302b、302c、302dに対し、直
角に形成されている。対向する側面303a、303
b、303c、303dと側面304a、304b、3
04c、304dは、テーパを形成しており、励起光入
射面301a、301b、301c、301dから励起
光出射面302a、302b、302c、302dへ近
づくとともに、側面303a、303b、303c、3
03dと側面304a、304b、304c、304d
間の距離は減少する。
ザ増幅装置において用いている、同一形状を有する第1
から第4の励起光伝送光学素子3a、3b、3c、3d
は、励起光入射端面301a、301b、301c、3
01dと励起光出射面302a、302b、302c、
302dが平行に形成されており、また側面304a、
304b、304c、304dは、励起光入射端面30
1a、301b、301c、301dおよび励起光出射
面302a、302b、302c、302dに対し、直
角に形成されている。対向する側面303a、303
b、303c、303dと側面304a、304b、3
04c、304dは、テーパを形成しており、励起光入
射面301a、301b、301c、301dから励起
光出射面302a、302b、302c、302dへ近
づくとともに、側面303a、303b、303c、3
03dと側面304a、304b、304c、304d
間の距離は減少する。
【0116】また同一形状を有する第1から第4の励起
光伝送光学素子3a、3b、3c、3dの側面305
a、305b、305c、305dは、平行に形成され
た励起光入射面301a、301b、301c、301
dと励起光出射面302a、302b、302c、30
2d、励起光入射面301a、301b、301c、3
01dおよび励起光出射面302a、302b、302
c、302dに対し直角に形成された側面304a、3
04b、304c、304dの何れに対しても直角に形
成されている。また側面305a、305b、305
c、305dと側面306a、306b、306c、3
06dはテーパを形成しており、励起光入射面301
a、301b、301c、301dから励起光出射面3
02a、302b、302c、302dへ近づくととも
に、側面305a、305b、305c、305dと側
面306a、306b、306c、306d間の距離は
減少する。
光伝送光学素子3a、3b、3c、3dの側面305
a、305b、305c、305dは、平行に形成され
た励起光入射面301a、301b、301c、301
dと励起光出射面302a、302b、302c、30
2d、励起光入射面301a、301b、301c、3
01dおよび励起光出射面302a、302b、302
c、302dに対し直角に形成された側面304a、3
04b、304c、304dの何れに対しても直角に形
成されている。また側面305a、305b、305
c、305dと側面306a、306b、306c、3
06dはテーパを形成しており、励起光入射面301
a、301b、301c、301dから励起光出射面3
02a、302b、302c、302dへ近づくととも
に、側面305a、305b、305c、305dと側
面306a、306b、306c、306d間の距離は
減少する。
【0117】本実施の形態の半導体レーザ励起固体レー
ザ増幅装置においても、励起光伝送光学素子3aと3
c、3bと3dはそれぞれ固体素子1の光軸に対して軸
対称に配置しているので、固体素子1内の励起密度分布
が効果的に均一化され、高品質なレーザビームを安定に
増幅することができる。
ザ増幅装置においても、励起光伝送光学素子3aと3
c、3bと3dはそれぞれ固体素子1の光軸に対して軸
対称に配置しているので、固体素子1内の励起密度分布
が効果的に均一化され、高品質なレーザビームを安定に
増幅することができる。
【0118】また本実施の形態の半導体レーザ励起固体
レーザ増幅装置における第1の励起光伝送光学素子3a
と第2の励起光伝送光学素子3bの配置関係のように、
同一形状を有する第1の励起光伝送光学素子3aと第2
の励起光伝送光学素子3bを、固体素子1の光軸に沿っ
て、隣接して直列に配置する際、励起光入射面301
a、301bおよび励起光出射面302a、302bに
対してそれぞれ直角に形成された、第1の励起光伝送光
学素子3aの側面305aと第2励起光伝送光学素子3
bの側面305bを相対向させ、第1の励起光伝送光学
素子3aの励起光出射面301aと第2の励起光伝送光
学素子3bの励起光出射面301bをともに固体素子1
へ向けて設置すれば、同一形状を有する第1の励起光伝
送光学素子3aと第2の励起光伝送光学素子3bを、増
幅性能の増強を図るため、固体素子1の光軸に沿って隣
接して直列に配置する際にも、第1のスタック型半導体
レーザ2aによって固体素子1内に生じる励起領域と、
第2のスタック型半導体レーザ2bにより固体素子1内
に生じる励起領域を近接させることができるので、固体
素子1の長さを不必要に増加させることなく、短い固体
素子1を用いて効率的な増幅性能の増強が可能となり、
更に装置全体をコンパクトにすることができる。
レーザ増幅装置における第1の励起光伝送光学素子3a
と第2の励起光伝送光学素子3bの配置関係のように、
同一形状を有する第1の励起光伝送光学素子3aと第2
の励起光伝送光学素子3bを、固体素子1の光軸に沿っ
て、隣接して直列に配置する際、励起光入射面301
a、301bおよび励起光出射面302a、302bに
対してそれぞれ直角に形成された、第1の励起光伝送光
学素子3aの側面305aと第2励起光伝送光学素子3
bの側面305bを相対向させ、第1の励起光伝送光学
素子3aの励起光出射面301aと第2の励起光伝送光
学素子3bの励起光出射面301bをともに固体素子1
へ向けて設置すれば、同一形状を有する第1の励起光伝
送光学素子3aと第2の励起光伝送光学素子3bを、増
幅性能の増強を図るため、固体素子1の光軸に沿って隣
接して直列に配置する際にも、第1のスタック型半導体
レーザ2aによって固体素子1内に生じる励起領域と、
第2のスタック型半導体レーザ2bにより固体素子1内
に生じる励起領域を近接させることができるので、固体
素子1の長さを不必要に増加させることなく、短い固体
素子1を用いて効率的な増幅性能の増強が可能となり、
更に装置全体をコンパクトにすることができる。
【0119】また本実施の形態の半導体レーザ励起固体
レーザ増幅装置においては、第1の励起光伝送光学素子
3aに対し、フローチューブ9および固体素子1を隔て
対向する位置に配置された第3の励起光伝送光学素子3
cばかりでなく、固体素子1の光軸に沿って隣接して配
置された第2の励起光伝送光学素子3bも、側面303
bの方向を、第1の励起光伝送光学素子3aの側面30
3aに対し逆方向へ向けて設置されているため、固体素
子1内の励起密度分布は更に均一化され、高品質なレー
ザビームの増幅をより安定に行うことができる。
レーザ増幅装置においては、第1の励起光伝送光学素子
3aに対し、フローチューブ9および固体素子1を隔て
対向する位置に配置された第3の励起光伝送光学素子3
cばかりでなく、固体素子1の光軸に沿って隣接して配
置された第2の励起光伝送光学素子3bも、側面303
bの方向を、第1の励起光伝送光学素子3aの側面30
3aに対し逆方向へ向けて設置されているため、固体素
子1内の励起密度分布は更に均一化され、高品質なレー
ザビームの増幅をより安定に行うことができる。
【0120】また本実施の形態の半導体レーザ励起固体
レーザ増幅装置においては、第1から第4の励起光伝送
光学素子3a、3b、3c、3dは、全て同一形状を有
しているので、励起光伝送光学素子の製造コストの低減
を図ることができる。
レーザ増幅装置においては、第1から第4の励起光伝送
光学素子3a、3b、3c、3dは、全て同一形状を有
しているので、励起光伝送光学素子の製造コストの低減
を図ることができる。
【0121】なお本実施の形態においては、励起光入射
面301が平面で形成された励起光伝送光学素子3を使
用する構成を示したが、励起光入射面301が凸型の曲
面で形成された励起光伝送光学素子3や、励起光入射面
301から励起光出射面302へ近づくとともに、屈折
率が増加する母材を用いた励起光伝送光学素子3を使用
しても、同様な効果が得られるばかりでなく、励起光伝
送光学素子3の小型化を図り、励起部をコンパクトに構
成することができる。
面301が平面で形成された励起光伝送光学素子3を使
用する構成を示したが、励起光入射面301が凸型の曲
面で形成された励起光伝送光学素子3や、励起光入射面
301から励起光出射面302へ近づくとともに、屈折
率が増加する母材を用いた励起光伝送光学素子3を使用
しても、同様な効果が得られるばかりでなく、励起光伝
送光学素子3の小型化を図り、励起部をコンパクトに構
成することができる。
【0122】実施の形態14.図26は、本発明の実施
の形態14の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励
起部を構成する励起ユニット100を示す構成図であ
る。図中、14は集光器固定板、15は集光器固定板1
4の外縁部に固定された連結用フランジ、16は連結用
フランジ15上に45度間隔で設けられた8個からなる
連結用貫通孔、17a、17bはそれぞれ第1の集光器
10a、第2の集光器10bを固定するために用いる集
光器固定ネジである。本実施の形態の励起ユニット10
0には、第1のスタック型半導体レーザ2a、第2のス
タック型半導体レーザ2bの2台の励起光源が配置され
ており、それぞれ第1、第2の励起光伝送光学素子3
a、3bを介して、相対向する2方向より励起光を照射
する構成を有している。また第1の集光器10aと第2
の集光器10bのそれぞれ円弧状に形成された部分を対
向させて、第1の集光器10aおよび第2の集光器10
bを固定することにより、円筒状の集光器が形成され
る。
の形態14の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励
起部を構成する励起ユニット100を示す構成図であ
る。図中、14は集光器固定板、15は集光器固定板1
4の外縁部に固定された連結用フランジ、16は連結用
フランジ15上に45度間隔で設けられた8個からなる
連結用貫通孔、17a、17bはそれぞれ第1の集光器
10a、第2の集光器10bを固定するために用いる集
光器固定ネジである。本実施の形態の励起ユニット10
0には、第1のスタック型半導体レーザ2a、第2のス
タック型半導体レーザ2bの2台の励起光源が配置され
ており、それぞれ第1、第2の励起光伝送光学素子3
a、3bを介して、相対向する2方向より励起光を照射
する構成を有している。また第1の集光器10aと第2
の集光器10bのそれぞれ円弧状に形成された部分を対
向させて、第1の集光器10aおよび第2の集光器10
bを固定することにより、円筒状の集光器が形成され
る。
【0123】第1および第2の集光器10a、10bは
セラミックスを用いて製作されており、このため集光器
内面は拡散反射作用を有する。第1および第2の集光器
10a、10bは同一形状を有しており、第1の集光器
10a上には、第1のスタック型半導体レーザ2aおよ
び第1の励起光伝送光学素子3aが、第2の集光器10
b上には、第2のスタック型半導体レーザ2bおよび第
2の励起光伝送光学素子3bが固定されている。第1お
よび第2の励起光伝送光学素子3a、3bは、同一形状
を有しており、ともに下側面が光学接着材により第1お
よび第2の集光器10a、10b上に固定されている。
また第1および第2のスタック型半導体レーザ2a、2
bの発光部前面には、励起光の広がり角を補正するため
の、微小円筒レンズ列8a、8bが固定されている。
セラミックスを用いて製作されており、このため集光器
内面は拡散反射作用を有する。第1および第2の集光器
10a、10bは同一形状を有しており、第1の集光器
10a上には、第1のスタック型半導体レーザ2aおよ
び第1の励起光伝送光学素子3aが、第2の集光器10
b上には、第2のスタック型半導体レーザ2bおよび第
2の励起光伝送光学素子3bが固定されている。第1お
よび第2の励起光伝送光学素子3a、3bは、同一形状
を有しており、ともに下側面が光学接着材により第1お
よび第2の集光器10a、10b上に固定されている。
また第1および第2のスタック型半導体レーザ2a、2
bの発光部前面には、励起光の広がり角を補正するため
の、微小円筒レンズ列8a、8bが固定されている。
【0124】第1および第2の集光器10a、10b
は、集光器固定ネジ17a、17bにより、円形の集光
器固定板14上に固定されている。集光器固定板14の
外縁部には、連結用フランジ15が固定されており、連
結用フランジ上には、同一円周上に45度間隔で、連結
用貫通孔16が設けられている。
は、集光器固定ネジ17a、17bにより、円形の集光
器固定板14上に固定されている。集光器固定板14の
外縁部には、連結用フランジ15が固定されており、連
結用フランジ上には、同一円周上に45度間隔で、連結
用貫通孔16が設けられている。
【0125】本実施の形態に示すように、複数の集光器
を組み合わせて、単一の円筒形状を有する集光器を形成
する構成とすれば、複数の励起光源を使用し、複数方向
より励起光を照射する励起部ユニットにおいて、集光器
の製作を容易にすることができる。
を組み合わせて、単一の円筒形状を有する集光器を形成
する構成とすれば、複数の励起光源を使用し、複数方向
より励起光を照射する励起部ユニットにおいて、集光器
の製作を容易にすることができる。
【0126】また本実施の形態によれば、集光器が、励
起光源であるスタック型半導体レーザと、励起光を伝送
する励起光伝送光学素子の両者を固定する手段を兼ねて
いるので、励起ユニットを構成する部品点数の低減を図
り、製作コストを安価にすることが可能となるばかりで
なく、組立も簡略化することができる。更に本実施の形
態の集光器は、セラミックで形成されているため、励起
光源であるスタック型半導体レーザを周囲より絶縁する
ための手段も兼ねている。
起光源であるスタック型半導体レーザと、励起光を伝送
する励起光伝送光学素子の両者を固定する手段を兼ねて
いるので、励起ユニットを構成する部品点数の低減を図
り、製作コストを安価にすることが可能となるばかりで
なく、組立も簡略化することができる。更に本実施の形
態の集光器は、セラミックで形成されているため、励起
光源であるスタック型半導体レーザを周囲より絶縁する
ための手段も兼ねている。
【0127】また本実施の形態によれば、励起光源であ
るスタック型半導体レーザと、励起光を伝送する励起光
伝送光学素子が、同一の集光器上に固定されているた
め、励起光を低損失で効率よく集光器内へ伝送するため
の励起光源と励起光伝送光学素子間、励起光伝送光学素
子と集光器間の位置、角度調整が容易になるばかりでな
く、励起光源、励起光伝送光学素子、集光器が一体化し
て固定されているので、機械振動等の外乱が生じた場合
であっても、励起光源、励起光伝送光学素子、集光器間
の位置、角度ずれが生じにくく、安定した増幅性能を維
持することができる。
るスタック型半導体レーザと、励起光を伝送する励起光
伝送光学素子が、同一の集光器上に固定されているた
め、励起光を低損失で効率よく集光器内へ伝送するため
の励起光源と励起光伝送光学素子間、励起光伝送光学素
子と集光器間の位置、角度調整が容易になるばかりでな
く、励起光源、励起光伝送光学素子、集光器が一体化し
て固定されているので、機械振動等の外乱が生じた場合
であっても、励起光源、励起光伝送光学素子、集光器間
の位置、角度ずれが生じにくく、安定した増幅性能を維
持することができる。
【0128】本実施の形態においては、複数の集光器で
円筒形状の単一の集光器を形成する構成を示したが、集
光器の形状はこれに限るものではなく、例えば楕円や四
角等の固体素子の周囲を取り囲む形状であればよい。
円筒形状の単一の集光器を形成する構成を示したが、集
光器の形状はこれに限るものではなく、例えば楕円や四
角等の固体素子の周囲を取り囲む形状であればよい。
【0129】なお本実施の形態においては、励起光入射
面301が平面で形成された励起光伝送光学素子3を使
用する構成を示したが、励起光入射面301が凸型の曲
面で形成された励起光伝送光学素子3や、励起光入射面
301から励起光出射面302へ近づくとともに、屈折
率が増加する母材を用いた励起光伝送光学素子3を使用
しても、同様な効果が得られるばかりでなく、励起光伝
送光学素子3の小型化を図り、励起部をコンパクトに構
成することができる。
面301が平面で形成された励起光伝送光学素子3を使
用する構成を示したが、励起光入射面301が凸型の曲
面で形成された励起光伝送光学素子3や、励起光入射面
301から励起光出射面302へ近づくとともに、屈折
率が増加する母材を用いた励起光伝送光学素子3を使用
しても、同様な効果が得られるばかりでなく、励起光伝
送光学素子3の小型化を図り、励起部をコンパクトに構
成することができる。
【0130】実施の形態15.図27は、図26におい
て示した励起ユニット100を、固体素子1の光軸に沿
って、2台直列に接続して励起部を構成した本発明の実
施の形態15の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置を
示す横断面図である。図中、18は、固体素子1および
フローチューブ9を固定するための側板、19は、側板
に設けた固定用貫通孔、20は、固体素子1とフローチ
ューブ9間の隙間に流す冷却媒体を供給、排出するため
側板18中に設けた冷却媒体流路、21および22は、
2台の励起ユニット100ならびに励起ユニット100
の両端の側板18を連結、固定するための連結ボルトお
よびナット、22は、側板18を固定するための基台で
ある。
て示した励起ユニット100を、固体素子1の光軸に沿
って、2台直列に接続して励起部を構成した本発明の実
施の形態15の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置を
示す横断面図である。図中、18は、固体素子1および
フローチューブ9を固定するための側板、19は、側板
に設けた固定用貫通孔、20は、固体素子1とフローチ
ューブ9間の隙間に流す冷却媒体を供給、排出するため
側板18中に設けた冷却媒体流路、21および22は、
2台の励起ユニット100ならびに励起ユニット100
の両端の側板18を連結、固定するための連結ボルトお
よびナット、22は、側板18を固定するための基台で
ある。
【0131】2台の励起ユニット100の両端に設置す
る側板18には、励起ユニット100外縁部の連結用フ
ランジ15上に設けられた連結用貫通孔16に対応した
位置に固定用貫通孔19が設けられており、励起ユニッ
ト100外縁部の連結用フランジ15に設けられた連結
用貫通孔16と側板18に設けられた固定用貫通孔19
に連結用ボルト21を通し、ナット22を用いて締め付
けることにより、2台の励起ユニット100ならびに2
台の側板18を連結、固定している。また固体素子1の
光軸に沿って設置した2台の励起ユニット100は、固
体素子1に対する励起光の照射方向が、90度異なるよ
う固定されている。
る側板18には、励起ユニット100外縁部の連結用フ
ランジ15上に設けられた連結用貫通孔16に対応した
位置に固定用貫通孔19が設けられており、励起ユニッ
ト100外縁部の連結用フランジ15に設けられた連結
用貫通孔16と側板18に設けられた固定用貫通孔19
に連結用ボルト21を通し、ナット22を用いて締め付
けることにより、2台の励起ユニット100ならびに2
台の側板18を連結、固定している。また固体素子1の
光軸に沿って設置した2台の励起ユニット100は、固
体素子1に対する励起光の照射方向が、90度異なるよ
う固定されている。
【0132】本実施の形態に示すように、励起ユニット
100の外縁部に連結用貫通穴16を設ければ、連結用
貫通穴16に連結用ボルト21を通しナット22で締結
することにより、固体レーザロッド1に沿って、複数の
励起ユニット100を容易かつ高精度で堅固に連結、固
定することができる。また連結用貫通穴16により励起
ユニット100の設置位置、角度が規定されるため、励
起部の組立、調整が容易になるばかりでなく、機械振動
等の外乱が生じた場合であっても、励起ユニット100
の設置位置、設置角度からのずれをボルト21と連結用
貫通穴16、固定用貫通穴19との直径差の範囲内に抑
えることができるので、安定した増幅性能を得ることが
できる。
100の外縁部に連結用貫通穴16を設ければ、連結用
貫通穴16に連結用ボルト21を通しナット22で締結
することにより、固体レーザロッド1に沿って、複数の
励起ユニット100を容易かつ高精度で堅固に連結、固
定することができる。また連結用貫通穴16により励起
ユニット100の設置位置、角度が規定されるため、励
起部の組立、調整が容易になるばかりでなく、機械振動
等の外乱が生じた場合であっても、励起ユニット100
の設置位置、設置角度からのずれをボルト21と連結用
貫通穴16、固定用貫通穴19との直径差の範囲内に抑
えることができるので、安定した増幅性能を得ることが
できる。
【0133】また本実施の形態においては、同一の側板
18に固体レーザロッド1、フローチューブ9および励
起ユニット100が固定されているため、固体レーザロ
ッド1、フローチューブ9および励起ユニット100の
位置関係を常に一定に保つことができるので、振動等の
外乱が生じた場合であっても、固体レーザロッド1、フ
ローチューブ9および励起ユニット100の位置、角度
ずれを抑制し、固体レーザロッド1およびフローチュー
ブ9に対し励起モジュール100が機械的負荷を加える
ことがないので、装置の信頼性が著しく向上するばかり
でなく、安定した増幅特性、ひいては安定したレーザ出
力を得ることができる。
18に固体レーザロッド1、フローチューブ9および励
起ユニット100が固定されているため、固体レーザロ
ッド1、フローチューブ9および励起ユニット100の
位置関係を常に一定に保つことができるので、振動等の
外乱が生じた場合であっても、固体レーザロッド1、フ
ローチューブ9および励起ユニット100の位置、角度
ずれを抑制し、固体レーザロッド1およびフローチュー
ブ9に対し励起モジュール100が機械的負荷を加える
ことがないので、装置の信頼性が著しく向上するばかり
でなく、安定した増幅特性、ひいては安定したレーザ出
力を得ることができる。
【0134】また本実施の形態の励起ユニット100の
外縁部には、同一円周上に45度間隔で連結用貫通穴1
6が設けられているので、複数の励起ユニット100を
連結、固定する際に、各励起ユニット100の固体素子
1に対する励起光照射方向を45度間隔で、精確かつ簡
易に設定することができる。本実施の形態の励起部は2
台の励起ユニット100が90度の角度をなして連結、
固定されており、また各励起ユニット100は対向する
2方向より固体素子1に対し、励起光を照射する構成を
有するため、固体素子1は、90度間隔で均等に配置さ
れた4方向より励起光を照射される。従って固体素子1
内の励起密度分布の均一化が効果的に図られ、高品質の
レーザビームを安定して増幅することができる。
外縁部には、同一円周上に45度間隔で連結用貫通穴1
6が設けられているので、複数の励起ユニット100を
連結、固定する際に、各励起ユニット100の固体素子
1に対する励起光照射方向を45度間隔で、精確かつ簡
易に設定することができる。本実施の形態の励起部は2
台の励起ユニット100が90度の角度をなして連結、
固定されており、また各励起ユニット100は対向する
2方向より固体素子1に対し、励起光を照射する構成を
有するため、固体素子1は、90度間隔で均等に配置さ
れた4方向より励起光を照射される。従って固体素子1
内の励起密度分布の均一化が効果的に図られ、高品質の
レーザビームを安定して増幅することができる。
【0135】また本実施の形態に示すように、励起部を
同一構成を有する複数の励起ユニット100を連結して
構成する方式とすれば、所望する増幅性能に応じて連結
する励起ユニット100の数を調整すればよく、また所
望する増幅性能が異なり、連結する励起ユニット100
の数が異なる場合でも、励起部構成部品ならびに励起部
組立手順の共通化を図ることができるので、安価なコス
トで多様な増幅性能を有する半導体レーザ励起固体レー
ザ増幅装置を製作することが可能となる。特に本実施の
形態の励起ユニット100には、外縁部に連結用貫通穴
16等の励起ユニット100どうしを連結する手段を有
するので、励起ユニット100の数を容易に増減させる
ことができる。
同一構成を有する複数の励起ユニット100を連結して
構成する方式とすれば、所望する増幅性能に応じて連結
する励起ユニット100の数を調整すればよく、また所
望する増幅性能が異なり、連結する励起ユニット100
の数が異なる場合でも、励起部構成部品ならびに励起部
組立手順の共通化を図ることができるので、安価なコス
トで多様な増幅性能を有する半導体レーザ励起固体レー
ザ増幅装置を製作することが可能となる。特に本実施の
形態の励起ユニット100には、外縁部に連結用貫通穴
16等の励起ユニット100どうしを連結する手段を有
するので、励起ユニット100の数を容易に増減させる
ことができる。
【0136】本実施の形態においては、励起ユニット1
00の外縁部に45度間隔で8個の連結用貫通穴16を
設ける構成を示したが、連結用貫通穴16の数、角度間
隔はこれに限るものではなく、更に小さい角度間隔で多
くの連結用貫通穴16を設ければ、励起密度分布の細か
な調整が可能となるし、連結用貫通穴16を設ける角度
間隔を大きくすれば、連結用貫通穴16の数が減少する
ので、励起ユニット100の製作コストの低減を図るこ
とができる。
00の外縁部に45度間隔で8個の連結用貫通穴16を
設ける構成を示したが、連結用貫通穴16の数、角度間
隔はこれに限るものではなく、更に小さい角度間隔で多
くの連結用貫通穴16を設ければ、励起密度分布の細か
な調整が可能となるし、連結用貫通穴16を設ける角度
間隔を大きくすれば、連結用貫通穴16の数が減少する
ので、励起ユニット100の製作コストの低減を図るこ
とができる。
【0137】実施の形態16.図28は、本発明の実施
の形態16の半導体レーザ励起固体レーザ発振装置を示
す横断面図である。図中、24は、部分反射鏡4および
全反射鏡5を基台23上に固定するためのミラーホル
ダ、25は部分透過鏡4より出射するレーザビームであ
る。上記実施の形態1乃至実施の形態15においては、
半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置としての構成につ
いて述べてきたが、図26に示すように、図25におい
て示した実施の形態13と同一の構成を有する半導体レ
ーザ励起固体レーザ増幅装置200を使用し、励起媒質
を含む固体素子1の前後に、部分反射鏡4および全反射
鏡5を、ミラーホルダ24を用いて固定し、安定型光共
振器を構成すれば、励起された固体レーザロッド1中で
発生する自然放出光を、光共振器内で往復させることに
より増幅し、指向性の揃ったレーザビーム25として取
り出すことができるので、半導体レーザ励起固体レーザ
発振装置として使用することができる。
の形態16の半導体レーザ励起固体レーザ発振装置を示
す横断面図である。図中、24は、部分反射鏡4および
全反射鏡5を基台23上に固定するためのミラーホル
ダ、25は部分透過鏡4より出射するレーザビームであ
る。上記実施の形態1乃至実施の形態15においては、
半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置としての構成につ
いて述べてきたが、図26に示すように、図25におい
て示した実施の形態13と同一の構成を有する半導体レ
ーザ励起固体レーザ増幅装置200を使用し、励起媒質
を含む固体素子1の前後に、部分反射鏡4および全反射
鏡5を、ミラーホルダ24を用いて固定し、安定型光共
振器を構成すれば、励起された固体レーザロッド1中で
発生する自然放出光を、光共振器内で往復させることに
より増幅し、指向性の揃ったレーザビーム25として取
り出すことができるので、半導体レーザ励起固体レーザ
発振装置として使用することができる。
【0138】本実施の形態においては、部分反射鏡4と
全反射鏡5を用いて安定型光共振器を構成し、固体素子
1よりレーザビーム25を取り出す構成を示したが、一
対の全反射鏡を固体素子の前後に配置し、一方の全反射
鏡の周囲から回折により漏れ出る光をレーザビームとし
て光共振器外部へ取り出す、不安定型光共振器を使用し
ても、半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置として使用
することができる。
全反射鏡5を用いて安定型光共振器を構成し、固体素子
1よりレーザビーム25を取り出す構成を示したが、一
対の全反射鏡を固体素子の前後に配置し、一方の全反射
鏡の周囲から回折により漏れ出る光をレーザビームとし
て光共振器外部へ取り出す、不安定型光共振器を使用し
ても、半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置として使用
することができる。
【0139】また半導体レーザ励起固体レーザ装置とし
て使用する際の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置2
00の構成は、上記実施の形態1乃至実施の形態15の
何れの構成を用いてもよい。
て使用する際の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置2
00の構成は、上記実施の形態1乃至実施の形態15の
何れの構成を用いてもよい。
【0140】上記のいずれの実施の形態においても、励
起光源として複数の発光層が積層状に固定されたスタッ
ク型半導体レーザを使用する構成を示したが、励起光源
はこれに限るものではなく、例えば、発光層が1層の半
導体レーザを使用してもよいし、発光層が1層の半導体
レーザを複数個使用してもよい。
起光源として複数の発光層が積層状に固定されたスタッ
ク型半導体レーザを使用する構成を示したが、励起光源
はこれに限るものではなく、例えば、発光層が1層の半
導体レーザを使用してもよいし、発光層が1層の半導体
レーザを複数個使用してもよい。
【0141】
【発明の効果】本発明の第1の構成に係る半導体レーザ
励起固体レーザ増幅装置は、レーザビームの光軸方向に
長軸を有する棒状のレーザ活性物質からなる固体素子
と、前記固体素子を光軸に沿って包囲し、光軸に沿った
開口を有する集光器と、前記集光器の開口に沿って配置
された励起用半導体レーザと、前記集光器の開口に挿入
され、前記励起用半導体レーザの励起光を前記固体素子
に伝送する励起光伝送方向に沿って狭くなる楔形の励起
光伝送光学素子とを備えた半導体レーザ励起固体レーザ
増幅装置において、前記励起光伝送光学素子の励起光入
射面が平面であり、前記楔形のテーパ角が、順方向の光
伝送に必要な最大テーパ角以内であることを特徴とする
ので、発光領域の広い励起用半導体レーザの励起光を効
率よく固体素子に入射させることができ、高効率の励起
が可能となる。
励起固体レーザ増幅装置は、レーザビームの光軸方向に
長軸を有する棒状のレーザ活性物質からなる固体素子
と、前記固体素子を光軸に沿って包囲し、光軸に沿った
開口を有する集光器と、前記集光器の開口に沿って配置
された励起用半導体レーザと、前記集光器の開口に挿入
され、前記励起用半導体レーザの励起光を前記固体素子
に伝送する励起光伝送方向に沿って狭くなる楔形の励起
光伝送光学素子とを備えた半導体レーザ励起固体レーザ
増幅装置において、前記励起光伝送光学素子の励起光入
射面が平面であり、前記楔形のテーパ角が、順方向の光
伝送に必要な最大テーパ角以内であることを特徴とする
ので、発光領域の広い励起用半導体レーザの励起光を効
率よく固体素子に入射させることができ、高効率の励起
が可能となる。
【0142】本発明の第2の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第1の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザはPN接合面が前記固体素子の光
軸に平行な複数の層状の半導体レーザを積層してなり、
前記励起用半導体レーザと前記励起光伝送光学素子の励
起光入射面との間に励起用半導体レーザの出射光の広が
り角を補正する微小円筒レンズ列を備えたので、広がり
角の大きな励起用半導体レーザの励起光を効率よく固体
素子に入射させることができ、高効率の励起が可能とな
る。
起固体レーザ増幅装置は、前記第1の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザはPN接合面が前記固体素子の光
軸に平行な複数の層状の半導体レーザを積層してなり、
前記励起用半導体レーザと前記励起光伝送光学素子の励
起光入射面との間に励起用半導体レーザの出射光の広が
り角を補正する微小円筒レンズ列を備えたので、広がり
角の大きな励起用半導体レーザの励起光を効率よく固体
素子に入射させることができ、高効率の励起が可能とな
る。
【0143】本発明の第3の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第1の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザは、PN接合面が前記固体素子の
光軸に垂直な複数の層状の半導体レーザを積層してなる
ので、広がり角の大きな励起用半導体レーザの励起光を
効率よく固体素子に入射させることができ、高効率の励
起が可能となる。
起固体レーザ増幅装置は、前記第1の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザは、PN接合面が前記固体素子の
光軸に垂直な複数の層状の半導体レーザを積層してなる
ので、広がり角の大きな励起用半導体レーザの励起光を
効率よく固体素子に入射させることができ、高効率の励
起が可能となる。
【0144】本発明の第4の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、レーザビームの光軸方向に長
軸を有する棒状のレーザ活性物質からなる固体素子と、
前記固体素子を光軸に沿って包囲し、光軸に沿った開口
を有する集光器と、前記集光器の開口に沿って配置され
た励起用半導体レーザと、前記集光器の開口に挿入さ
れ、前記励起用半導体レーザの励起光を前記固体素子に
伝送する励起光伝送方向に沿って狭くなる楔形の励起光
伝送光学素子とを備えた半導体レーザ励起固体レーザ増
幅装置において、前記励起光伝送光学素子の励起光入射
面が前記固体素子の光軸と平行な凸型の曲面であること
を特徴とするので、励起用半導体レーザの励起光を効率
よく固体素子に入射させることができると共に、励起光
伝送光学系を小型化することができる。
起固体レーザ増幅装置は、レーザビームの光軸方向に長
軸を有する棒状のレーザ活性物質からなる固体素子と、
前記固体素子を光軸に沿って包囲し、光軸に沿った開口
を有する集光器と、前記集光器の開口に沿って配置され
た励起用半導体レーザと、前記集光器の開口に挿入さ
れ、前記励起用半導体レーザの励起光を前記固体素子に
伝送する励起光伝送方向に沿って狭くなる楔形の励起光
伝送光学素子とを備えた半導体レーザ励起固体レーザ増
幅装置において、前記励起光伝送光学素子の励起光入射
面が前記固体素子の光軸と平行な凸型の曲面であること
を特徴とするので、励起用半導体レーザの励起光を効率
よく固体素子に入射させることができると共に、励起光
伝送光学系を小型化することができる。
【0145】本発明の第5の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第4の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザはPN接合面が前記固体素子の光
軸に平行な複数の層状の半導体レーザを積層してなり、
前記励起用半導体レーザと前記励起光伝送光学素子の励
起光入射面との間に励起用半導体レーザの出射光の広が
り角を補正する微小円筒レンズ列を備えたので、前記第
4の構成の効果に加えて、広がり角の大きな励起用半導
体レーザの励起光を効率よく固体素子に入射させること
ができる。
起固体レーザ増幅装置は、前記第4の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザはPN接合面が前記固体素子の光
軸に平行な複数の層状の半導体レーザを積層してなり、
前記励起用半導体レーザと前記励起光伝送光学素子の励
起光入射面との間に励起用半導体レーザの出射光の広が
り角を補正する微小円筒レンズ列を備えたので、前記第
4の構成の効果に加えて、広がり角の大きな励起用半導
体レーザの励起光を効率よく固体素子に入射させること
ができる。
【0146】本発明の第6の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第4の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザは、PN接合面が前記固体素子の
光軸に垂直な複数の層状の半導体レーザを積層してなる
ので、前記第4の構成の効果に加えて、広がり角の大き
な励起用半導体レーザの励起光を効率よく固体素子に入
射させることができる。
起固体レーザ増幅装置は、前記第4の構成に加えて、前
記励起用半導体レーザは、PN接合面が前記固体素子の
光軸に垂直な複数の層状の半導体レーザを積層してなる
ので、前記第4の構成の効果に加えて、広がり角の大き
な励起用半導体レーザの励起光を効率よく固体素子に入
射させることができる。
【0147】本発明の第7の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし6の何れかの
構成に加えて、前記励起光伝送光学素子は、励起光入射
面から励起光出射面に向かって屈折率が増加する材料で
形成されているので、励起用半導体レーザの励起光を効
率よく固体素子に入射させることができると共に、励起
光伝送光学系を小型化することができる。
起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし6の何れかの
構成に加えて、前記励起光伝送光学素子は、励起光入射
面から励起光出射面に向かって屈折率が増加する材料で
形成されているので、励起用半導体レーザの励起光を効
率よく固体素子に入射させることができると共に、励起
光伝送光学系を小型化することができる。
【0148】本発明の第8の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし6の何れかの
構成に加えて、前記励起光伝送光学素子は、前記楔形の
テーパの中心線に近いほど屈折率の大きい材料で形成さ
れているので、励起用半導体レーザの励起光を効率よく
固体素子に入射させることができると共に、励起光伝送
光学系を小型化することができる。
起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし6の何れかの
構成に加えて、前記励起光伝送光学素子は、前記楔形の
テーパの中心線に近いほど屈折率の大きい材料で形成さ
れているので、励起用半導体レーザの励起光を効率よく
固体素子に入射させることができると共に、励起光伝送
光学系を小型化することができる。
【0149】本発明の第9の構成に係る半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし8の何れかの
構成に加えて、前記励起光伝送光学素子の楔形のテーパ
面に全反射膜を設けたので、励起用半導体レーザの励起
光を効率よく固体素子に入射させることができるのに加
えて、励起光伝送光学素子の形状設計が全反射臨界角条
件によって制限されることがなくなるので小型化が可能
となり、高屈折材料を使用する必要もなくなる。
起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし8の何れかの
構成に加えて、前記励起光伝送光学素子の楔形のテーパ
面に全反射膜を設けたので、励起用半導体レーザの励起
光を効率よく固体素子に入射させることができるのに加
えて、励起光伝送光学素子の形状設計が全反射臨界角条
件によって制限されることがなくなるので小型化が可能
となり、高屈折材料を使用する必要もなくなる。
【0150】本発明の第10の構成に係る半導体レーザ
励起固体レーザ増幅装置は、前記第1または4の構成に
加えて、前記励起光伝送光学素子の入射面に前記固体素
子の光軸に平行な微小円筒レンズを一体化して設けたの
で、励起用半導体レーザの励起光を効率よく固体素子に
入射させることができるのに加えて、励起光の広がり角
を補正する手段を別途に設ける必要がなく、装置の構成
が簡単になり、組立、調整が容易となる。また、振動や
衝撃に対しても堅牢となる。
励起固体レーザ増幅装置は、前記第1または4の構成に
加えて、前記励起光伝送光学素子の入射面に前記固体素
子の光軸に平行な微小円筒レンズを一体化して設けたの
で、励起用半導体レーザの励起光を効率よく固体素子に
入射させることができるのに加えて、励起光の広がり角
を補正する手段を別途に設ける必要がなく、装置の構成
が簡単になり、組立、調整が容易となる。また、振動や
衝撃に対しても堅牢となる。
【0151】本発明の第11の構成に係る半導体レーザ
励起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし10の何れ
かの構成に加えて、前記集光器の内面を拡散反射面とし
たので、励起用半導体レーザの励起光を効率よく固体素
子に入射させることができるのに加えて、固体素子内の
励起密度が均一になり、高品質のレーザビームが得られ
る。
励起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし10の何れ
かの構成に加えて、前記集光器の内面を拡散反射面とし
たので、励起用半導体レーザの励起光を効率よく固体素
子に入射させることができるのに加えて、固体素子内の
励起密度が均一になり、高品質のレーザビームが得られ
る。
【0152】本発明の第12の構成に係る半導体レーザ
励起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし11の何れ
かの構成に加えて、固体素子を光軸に沿って包囲し、光
軸に沿った開口を有する集光器と、前記集光器の開口に
沿って配置された励起用半導体レーザと、前記集光器の
開口に挿入され、前記励起用半導体レーザの励起光を前
記固体素子に伝送する励起光伝送方向に沿って狭くなる
楔形の励起光伝送光学素子とからなる励起ユニットを複
数備え、前記固体素子の光軸の回りの複数の方向より前
記固体素子に対して励起光を照射するので、コンパクト
かつ簡易な構成のもとで、増幅性能の大幅な増強が可能
となるばかりでなく、固体素子内の励起密度分布の均一
性が向上し、高出力かつ高品質のレーザビームを安定に
増幅することができる。
励起固体レーザ増幅装置は、前記第1ないし11の何れ
かの構成に加えて、固体素子を光軸に沿って包囲し、光
軸に沿った開口を有する集光器と、前記集光器の開口に
沿って配置された励起用半導体レーザと、前記集光器の
開口に挿入され、前記励起用半導体レーザの励起光を前
記固体素子に伝送する励起光伝送方向に沿って狭くなる
楔形の励起光伝送光学素子とからなる励起ユニットを複
数備え、前記固体素子の光軸の回りの複数の方向より前
記固体素子に対して励起光を照射するので、コンパクト
かつ簡易な構成のもとで、増幅性能の大幅な増強が可能
となるばかりでなく、固体素子内の励起密度分布の均一
性が向上し、高出力かつ高品質のレーザビームを安定に
増幅することができる。
【0153】本発明の第13の構成に係る固体レーザ発
振装置は、前記第1ないし12の何れかの構成による半
導体レーザ励起固体レーザ増幅装置と、固体素子からレ
ーザビームを取り出す光共振器とを備えたので、高効率
で高品質なレーザビームを安定して発生させることがで
きる。
振装置は、前記第1ないし12の何れかの構成による半
導体レーザ励起固体レーザ増幅装置と、固体素子からレ
ーザビームを取り出す光共振器とを備えたので、高効率
で高品質なレーザビームを安定して発生させることがで
きる。
【図1】 本発明の実施の形態1の半導体レーザ励起固
体レーザ増幅装置の励起部を光軸方向から見た構成図で
ある。
体レーザ増幅装置の励起部を光軸方向から見た構成図で
ある。
【図2】 本発明の実施の形態1の半導体レーザ励起固
体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素子
を励起光出射面方向から見た正面図である。
体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素子
を励起光出射面方向から見た正面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1の半導体レーザ励起固
体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素子
を上側面方向から見た上面図である。
体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素子
を上側面方向から見た上面図である。
【図4】 テーパをなす2面間において反射しながら進
行する励起光の伝送モデルの模式図である。
行する励起光の伝送モデルの模式図である。
【図5】 テーパ角に対する最小縮小比βの値を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図6】 本発明の実施の形態2の半導体レーザ励起固
体レーザ増幅装置の励起部を光軸方向から見た構成図で
ある。
体レーザ増幅装置の励起部を光軸方向から見た構成図で
ある。
【図7】 本発明の実施の形態2の半導体レーザ励起固
体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素子
中を励起光が通過する軌跡を示す計算結果である。
体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素子
中を励起光が通過する軌跡を示す計算結果である。
【図8】 本発明の実施の形態2の半導体レーザ励起固
体レーザ増幅装置と同一な構成において、集光器内面を
全反射面で構成した場合(a)と、拡散反射面で構成し
た場合(b)の固体素子内での励起密度分布である。
体レーザ増幅装置と同一な構成において、集光器内面を
全反射面で構成した場合(a)と、拡散反射面で構成し
た場合(b)の固体素子内での励起密度分布である。
【図9】 本発明の実施の形態3の半導体レーザ励起固
体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素子
を左側面方向から見た構成図である。
体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素子
を左側面方向から見た構成図である。
【図10】 本発明の実施の形態4の半導体レーザ励起
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を左側面方向から見た構成図である。
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を左側面方向から見た構成図である。
【図11】 本発明の実施の形態5の半導体レーザ励起
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を励起光出射面方向から見た正面図である。
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を励起光出射面方向から見た正面図である。
【図12】 本発明の実施の形態5の半導体レーザ励起
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を左側面方向から見た側面図である。
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を左側面方向から見た側面図である。
【図13】 本発明の実施の形態6の半導体レーザ励起
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を左側面方向から見た側面図である。
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を左側面方向から見た側面図である。
【図14】 本発明の実施の形態6の半導体レーザ励起
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を上側面方向から見た上面図である。
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を上側面方向から見た上面図である。
【図15】 本発明の実施の形態7の半導体レーザ励起
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を示す斜視図である。
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を示す斜視図である。
【図16】 本発明の実施の形態8の半導体レーザ励起
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を上側面方向から見た上面図である。
固体レーザ増幅装置において使用する励起光伝送光学素
子を上側面方向から見た上面図である。
【図17】 本発明の実施の形態8の半導体レーザ励起
固体レーザ増幅装置において使用する起光伝送光学素子
を左側面方向から見た側面図である。
固体レーザ増幅装置において使用する起光伝送光学素子
を左側面方向から見た側面図である。
【図18】 本発明の実施の形態9の半導体レーザ励起
固体レーザ増幅装置の励起部を光軸方向から見た構成図
である。
固体レーザ増幅装置の励起部を光軸方向から見た構成図
である。
【図19】 本発明の実施の形態9の半導体レーザ励起
固体レーザ増幅装置の励起部を光軸に対し垂直な方向か
ら見た構成図である。
固体レーザ増幅装置の励起部を光軸に対し垂直な方向か
ら見た構成図である。
【図20】 本発明の実施の形態10の半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置の励起部を光軸方向から見た構成
図である。
起固体レーザ増幅装置の励起部を光軸方向から見た構成
図である。
【図21】 本発明の実施の形態11の半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置の励起部を光軸方向から見た構成
図である。
起固体レーザ増幅装置の励起部を光軸方向から見た構成
図である。
【図22】 本発明の実施の形態12の半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置の励起部を、光軸方向から見た構
成図である。
起固体レーザ増幅装置の励起部を、光軸方向から見た構
成図である。
【図23】 本発明の実施の形態12の半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置の励起部を、上方から見た構成図
である。
起固体レーザ増幅装置の励起部を、上方から見た構成図
である。
【図24】 本発明の実施の形態13の半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置の励起部を、光軸方向から見た構
成図である。
起固体レーザ増幅装置の励起部を、光軸方向から見た構
成図である。
【図25】 本発明の実施の形態13の半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置の励起部を、上方から見た構成図
である。
起固体レーザ増幅装置の励起部を、上方から見た構成図
である。
【図26】 本発明の実施の形態14の半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置の励起部を構成する励起ユニット
を示す構成図である。
起固体レーザ増幅装置の励起部を構成する励起ユニット
を示す構成図である。
【図27】 本発明の実施の形態15の半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置を示す横断面図である。
起固体レーザ増幅装置を示す横断面図である。
【図28】 本発明の実施の形態16の半導体レーザ励
起固体レーザ発振装置を示す横断面図である。
起固体レーザ発振装置を示す横断面図である。
【図29】 従来の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装
置を光軸方向から見た構成図である。
置を光軸方向から見た構成図である。
1 固体素子、2 スタック型半導体レーザ、3 励起
光伝送光学素子、4部分反射鏡、5 全反射鏡、7 励
起光、8 微小円筒レンズ列、10 集光器、301
励起光入射面、302 励起光出射面、303 上側
面、304 下側面、305 左側面、306 右側
面、307 反射防止膜、308 全反射膜。
光伝送光学素子、4部分反射鏡、5 全反射鏡、7 励
起光、8 微小円筒レンズ列、10 集光器、301
励起光入射面、302 励起光出射面、303 上側
面、304 下側面、305 左側面、306 右側
面、307 反射防止膜、308 全反射膜。
Claims (13)
- 【請求項1】 レーザビームの光軸方向に長軸を有する
棒状のレーザ活性物質からなる固体素子と、前記固体素
子を光軸に沿って包囲し、光軸に沿った開口を有する集
光器と、前記集光器の開口に沿って配置された励起用半
導体レーザと、前記集光器の開口に挿入され、前記励起
用半導体レーザの励起光を前記固体素子に伝送する励起
光伝送方向に沿って狭くなる楔形の励起光伝送光学素子
とを備えた半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置におい
て、前記励起光伝送光学素子の励起光入射面が平面であ
り、前記楔形のテーパ角が、順方向の光伝送に必要な最
大テーパ角以内であることを特徴とする半導体レーザ励
起固体レーザ増幅装置。 - 【請求項2】 前記励起用半導体レーザはPN接合面が
前記固体素子の光軸に平行な複数の層状の半導体レーザ
を積層してなり、前記励起用半導体レーザと前記励起光
伝送光学素子の励起光入射面との間に励起用半導体レー
ザの出射光の広がり角を補正する微小円筒レンズ列を備
えた請求項1記載の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装
置。 - 【請求項3】 前記励起用半導体レーザは、PN接合面
が前記固体素子の光軸に垂直な複数の層状の半導体レー
ザを積層してなる請求項1記載の半導体レーザ励起固体
レーザ増幅装置。 - 【請求項4】 レーザビームの光軸方向に長軸を有する
棒状のレーザ活性物質からなる固体素子と、前記固体素
子を光軸に沿って包囲し、光軸に沿った開口を有する集
光器と、前記集光器の開口に沿って配置された励起用半
導体レーザと、前記集光器の開口に挿入され、前記励起
用半導体レーザの励起光を前記固体素子に伝送する励起
光伝送方向に沿って狭くなる楔形の励起光伝送光学素子
とを備えた半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置におい
て、前記励起光伝送光学素子の励起光入射面が前記固体
素子の光軸と平行な凸型の曲面であることを特徴とする
半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置。 - 【請求項5】 前記励起用半導体レーザはPN接合面が
前記固体素子の光軸に平行な複数の層状の半導体レーザ
を積層してなり、前記励起用半導体レーザと前記励起光
伝送光学素子の励起光入射面との間に励起用半導体レー
ザの出射光の広がり角を補正する微小円筒レンズ列を備
えた請求項4記載の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装
置。 - 【請求項6】 前記励起用半導体レーザは、PN接合面
が前記固体素子の光軸に垂直な複数の層状の半導体レー
ザを積層してなる請求項4記載の半導体レーザ励起固体
レーザ増幅装置。 - 【請求項7】 前記励起光伝送光学素子は、励起光入射
面から励起光出射面に向かって屈折率が増加する材料で
形成されている請求項1ないし6の何れかに記載の半導
体レーザ励起固体レーザ増幅装置。 - 【請求項8】 前記励起光伝送光学素子は、前記楔形の
テーパの中心線に近いほど屈折率の大きい材料で形成さ
れている請求項1ないし6の何れかに記載の半導体レー
ザ励起固体レーザ増幅装置。 - 【請求項9】 前記励起光伝送光学素子の楔形のテーパ
面に全反射膜を設けた請求項1ないし8の何れかに記載
の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置。 - 【請求項10】 前記励起光伝送光学素子の入射面に前
記固体素子の光軸に平行な微小円筒レンズを一体化して
設けた請求項1または4に記載の半導体レーザ励起固体
レーザ増幅装置。 - 【請求項11】 前記集光器の内面を拡散反射面とした
請求項1ないし10の何れかに記載の半導体レーザ励起
固体レーザ増幅装置。 - 【請求項12】 固体素子を光軸に沿って包囲し、光軸
に沿った開口を有する集光器と、前記集光器の開口に沿
って配置された励起用半導体レーザと、前記集光器の開
口に挿入され、前記励起用半導体レーザの励起光を前記
固体素子に伝送する励起光伝送方向に沿って狭くなる楔
形の励起光伝送光学素子とからなる励起ユニットを複数
備え、前記固体素子の光軸の回りの複数の方向より前記
固体素子に対して励起光を照射することを特徴とする請
求項1ないし11の何れかに記載の半導体レーザ励起固
体レーザ増幅装置。 - 【請求項13】 前記請求項1ないし12の何れかに記
載の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置と、固体素子
からレーザビームを取り出す光共振器とを備えた固体レ
ーザ発振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28706497A JP3391235B2 (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | 半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28706497A JP3391235B2 (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | 半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置 |
Publications (2)
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