JPH11121166A - 有機電界発光素子の封止材硬化用露光装置 - Google Patents

有機電界発光素子の封止材硬化用露光装置

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JPH11121166A
JPH11121166A JP9286400A JP28640097A JPH11121166A JP H11121166 A JPH11121166 A JP H11121166A JP 9286400 A JP9286400 A JP 9286400A JP 28640097 A JP28640097 A JP 28640097A JP H11121166 A JPH11121166 A JP H11121166A
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laser beam
space
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transport layer
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Hiroyuki Kanai
浩之 金井
Mitsuru Tanamura
満 棚村
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機電界発光素子の封止材硬化工程において
発光素子のダメージを低減する。 【解決手段】 基板上に形成された有機電界発光素子の
光硬化性樹脂封止材に光を照射して、封止材を硬化する
露光装置において、基板を所定位置に保持する機構と、
レーザービームを出射するレーザービーム発信器と、出
射されたレーザービームを空間変調してレーザービーム
を封止材に照射するように掃引する空間変調器とを備え
てなることを特徴とする有機電界発光素子の封止材硬化
用露光装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機電界発光素子
を光硬化性樹脂を用いて封止するための露光装置に関す
るものであり、詳しくは、レーザービームを利用した有
機電界発光素子の封止材硬化用露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機電界発光素子は、透明導電性膜上に
芳香族ジアミンからなる有機正孔輸送層と8−ヒドロキ
シキノリンのアルミニウム錯体からなる発光層を設けた
有機電界発光素子の開発(Appl.Phys.Let
t.,51巻,913頁,1987年)により、特性が
大幅に改善されて以降、活発に研究開発が行われている
素子である。これらは分子性分子を利用した有機電界発
光素子であるが、ポリ(p−フェニレンビニレン)(N
ature,347巻,539頁,1990年;App
l.Phys.Lett.,61巻,2793頁,19
92年)、ポリ(3−アルキルチオフェン)(Jpn.
J.Appl.Phys,30巻,L1938頁,19
91年;J.Appl.Phys.,72巻,564
頁,1992年)等の高分子材料を用いた有機電界発光
素子の開発も活発に行われている。
【0003】このような有機電界発光素子においては、
通常、陰極として電子注入を効率よく行うために仕事関
数の低い金属電極が用いられ、例えば、マグネシウム合
金やカルシウム金属が用いられたり、アルミニウムやイ
ンジウムにリチウムを0.01〜0.1%ドープした合
金(特開平5−159882号公報、特開平5−198
380号公報)がよく用いられている。
【0004】このような陰極は、化学的に反応性が高
く、水分や酸素の影響を受けやすいため、通常上部に保
護膜を設け、さらに封止を行うことが要求される。封止
方法としては、素子の上部に光硬化樹脂と透水性の小さ
い基板を積層し、光を照射することにより樹脂を硬化す
る方法(特開平5−182759号公報)等が行なわれ
ている。
【0005】一般に光硬化性樹脂を硬化させる光として
は、紫外線が用いられるが、この紫外線は有機層にダメ
ージを与えることが問題となる。前述の方法では、発光
部は陰極によって遮光されるため、直接紫外線に曝され
ないが、陰極の直下が活発な素子であるために、ガラス
基板からの反射光等によりダメージを受け素子の特性が
低下する。このように、劣化が少なく、製造の容易な発
光素子を提供するという観点からみてみると、未だ実用
的なレベルには達していないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑みてなされたものであり、その目的は、封止工程にお
ける素子へのダメージを低減した光硬化性樹脂の硬化用
露光装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため鋭意検討した結果なされたもので、基板上
に形成された有機電界発光素子の光硬化性樹脂封止材に
光を照射して、封止材を硬化する露光装置において、基
板を所定位置に保持する機構と、レーザービームを出射
するレーザービーム発振器と、出射されたレーザービー
ムを空間変調してレーザービームを封止材に照射するよ
うに掃引する空間変調器とを備えてなることを特徴とす
る有機電界発光素子の封止材硬化用露光装置を提供する
ものである。
【0008】
【発明の実施の形態】有機電界発光素子は、発光部を有
し、該発光部は、一般に透明基板上に陽極、正孔輸送
層、発光層、電子輸送層及び陰極が積層された構造を有
しており、単独の発光層が存在しない場合は、正孔輸送
層または電子輸送層のどちらか一方/または双方が発光
層を兼ねている。この素子に陽極を正バイアスとして電
圧が印加されると、陽極から、正孔輸送層に正孔が注入
され、電子輸送層に電子が注入される。注入、輸送され
た正孔および電子が、正孔輸送層と電子輸送層の界面に
於いて再結合し、励起子が生成され、放射失活によって
光が放出される。
【0009】本発明に使用される有機電界発光素子1の
発光部1aの具体例を示せば、図5に示す構造のものを
使用することができる。図5(A)は基板2の上に陽極
3と有機発光層4と陰極5を順次積層したもので図5
(B)は陽極3の上に正孔輸送層6と電子輸送層7を形
成し、その上に陰極5を積層したものである。また、図
5(C)は陽極3の上に正孔注入層8を形成し、その上
に正孔輸送層6と電子輸送層7、陰極5を順次形成した
ものである。
【0010】基板2は有機電界発光素子の支持体となる
ものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラ
スチックのフィルムやシートなどが用いられる。基板2
上に設けられる陽極3は、有機発光層4への正孔注入の
役割を果たすものである。この陽極3は、通常、アルミ
ニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金
属、インジウム及び/又はスズの酸化物などの金属酸化
物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラッ
ク、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロ
ール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成さ
れる。陽極3は一般にスパッタリング法、真空蒸着法な
どにより形成される。
【0011】陽極3上に設けられる有機発光層4は、電
界を与えられた電極間において、陽極3から注入された
正孔と陰極5から注入された電子を効率よく輸送して再
結合させ、かつ、再結合により効率よく発光する材料か
ら形成される。通常、この有機発光層4は発光効率の向
上のために、図5(B)に示すように、正孔輸送層6と
電子輸送層7に分割して機能分離型にすることが行われ
る。
【0012】正孔輸送層6は上記の正孔輸送材料を塗布
法或いは真空蒸着法により前記陽極3上に積層すること
により形成される。正孔輸送層6の膜厚は、通常、10
〜300nm、好ましくは30〜100nmである。こ
のように薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空
蒸着法がよく用いられる。陽極3と正孔輸送層6のコン
タクトを向上させるために、図5(C)に示すように、
陽極3と正孔輸送層6との間に正孔注入層8を設けるこ
とがある。正孔注入層8の膜厚は、通常、3〜100n
m、好ましくは10〜50nmである。
【0013】正孔輸送層6の上には電子輸送層7が設け
られる。電子輸送層7は、電界を与えられた電極間にお
いて陰極5からの電子を効率よく正孔輸送層6の方向に
輸送することができる化合物より形成される。電子輸送
層7は、通常は真空蒸着法が用いられる。電子輸送層7
の膜厚は、通常、10〜200nm、好ましくは30〜
100nmである。
【0014】陰極5は、有機発光層4あるいは電子輸送
層7に電子を注入する役割を果たす。陰極形成材料とし
ては、前記陽極3に使用される材料を用いることが可能
であるが、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグ
ネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀
等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。陰極5
の膜厚は通常、陽極3と同様である。低仕事関数金属か
らなる陰極を保護する目的で、アルミニウム、銀、ニッ
ケル、クロム、金、白金等の金属が積層されたものが望
ましい。
【0015】なお、図5(A)〜(C)は本発明に係る
発光素子部の一例を示すものであって、本発明は何ら図
示のものに制限されるものではない。例えば、図5
(A)とは逆の構造、即ち、基板2上に陰極5、有機発
光層4、陽極3の順に積層したものも使用可能であり、
既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基
板の間にこのような発光素子部を設けることも可能であ
る。同様に、図5(B)及び図5(C)に示した前記各
層構成とは逆の構造に積層したものも使用可能である。
【0016】また、陰極材料の有機膜への拡散防止及
び、特性の改善の為に陰極界面層を挿入したり、配線抵
抗の低減を行う為に陰極の上に更に電気抵抗低減層を設
けたものも好ましい。こうして形成された発光部1aの
保護のために図4に示すように保護層11が形成されそ
の外面に光硬化性樹脂からなる封止材12が塗布され
る。保護層11としては、酸素、水分を遮断できるもの
ならばどのようなものも使用可能であるが、例えば、気
相重合ポリパラキシリレン誘導体、ポリ尿素や、酸化ゲ
ルマニウム、酸化珪素などの金属の酸化物、フッ化マグ
ネシウム、フッ化リチウムなどの金属のフッ化物等を用
いることができる。
【0017】また、光硬化性樹脂としては、光照射によ
って重合硬化するものであれば特に制限はないが、一般
には、(メタ)アクリレート系化合物及びエポキシ系化
合物が適している。(メタ)アクリレート系化合物とし
ては、例えばトリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシフェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(2−(メタ)アク
リロイルオキシエトキシ)フェニルプロパン、p−ビス
〔β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ〕キシリ
レン、4,4′−ビス〔β−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルチオ〕ジフェニルスルホン、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート等の多官能(メタ)アクリレ
ート類、およびこれらのモノマーと共重合可能な単官能
モノマーとの混合物、またこれらの多官能(メタ)アク
リレート化合物と付加重合可能なポリチオールとの混合
物があげられる。単官能モノマーとしては、例えばメチ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、ポリチオールとしては、例えばペンタエリスリトー
ルテトラキス(β−チオプロピオネート)、トリス〔2
−(β−チオプロピオニルオキシ)エチル〕トリイソシ
アヌレートなどが挙げられる。
【0018】これらの光硬化性液状モノマーを硬化させ
る際使用される光重合開始剤としては公知のものが挙げ
られ、これらを2種以上併用してもよい。例えば、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオ
キシド、トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸
メチルエステル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、ベンゾフェノン、ジフェノキシベンゾフェノ
ンなどである。また、エポキシ系化合物としては、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサ
ンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジ
グリシジルエーテルなどを挙げることができる。これら
のモノマーの重合開始剤としては、公知のものが挙げら
れ、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウム
塩、アリールスルホニウム塩等を例示することができ
る。
【0019】封止剤12が塗布された有機電界発光部1
aは、その上部にガラス、アクリル樹脂等の透明板13
を積層した後、封止剤12の硬化工程に移行される。こ
れ程の工程は、図1の装置を用いて行なうことができ
る。まず、有機電界発光部1aの形成された基板2はそ
れを保持する機構を備えた台座20に載せる。この台座
20は基板上のレーザービーム照射部分の位置を設定す
る時の基準位置としての役割を果たす。例えば、長方形
の基板を用いたときには、図2に示すように、台座20
の2辺に位置決めリブ21を立設した台座を用いれば、
直交する2辺を基準辺として、実際に照射する部分を決
定することができる。この他に位置を決める方法として
は、図3に示すような、3本のピン22,22,22を
使用して位置を決める方法もあるが、これに限定される
ものではない。基板への光硬化性樹脂の塗布は当該台座
20に設置される前後のどちらでもよい。
【0020】本発明においては、光硬化性樹脂からなる
封止材12の硬化はレーザービーム24によって行なわ
れる。レーザービーム24を出射するレーザービーム発
振器23としては、光硬化性樹脂が反応する波長のレー
ザーであればどのようなものでもよいが、一般的に光硬
化性樹脂は、紫外線近傍の光に反応するため、紫外色素
レーザー、ヘリウム−カドミウムレーザー、アルゴンイ
オンレーザー、クリプトンイオンレーザー、エキシマレ
ーザー(例えば、Xe、Cl、KrF、ArF等)や窒
素レーザー等の気体レーザー発振器や、NdドープYA
Gレーザー、Ndドープガラスレーザー等の固体レーザ
ー等の高調波などを挙げることができる。
【0021】レーザービーム24の出力は、光硬化性樹
脂の硬化が可能であればよく、レーザービーム自体の出
力が小さいときは処理時間を長くすることによって硬化
させることが可能である。しかし、実際の生産において
は処理時間を短くすることが求められる。光硬化性樹脂
の硬化に必要とされるエネルギー量は一般的には、0.
2J/cm2 以上20J/cm2 以下であるため、照射
部分における光強度は、0.1W/cm2 以上であるこ
とが好ましく、0.5W/cm2 以上であればさらに好
ましい。レーザービーム発振器から射出されたレーザー
ビームをそのまま用いても良いし、また、レンズを用い
て集光することによって光強度を上げることも可能であ
る。
【0022】レーザービーム発振器23より射出された
レーザービーム24は、封止材11を照射するように空
間変調器25,26で掃引される。本発明において掃引
とは、ビームが所定部分全域に照射するようにビームを
移動させる操作を意味する。空間変調器25,26は一
般的には、ピエゾ素子を有するミラーやポリゴンミラー
等を用いて構成することができる。これ等は入射した光
を一次元方向に空間変調を行うため、通常は、1つの変
調方向とこれに垂直方向に空間変調を行う別の空間変調
器25,26とを設置する。この空間変調器は前段と後
段が同じものでも良く、異なるものでも良い。このよう
に二次元方向に変調を受けたレーザービーム24は、図
6に示すように封止材11が塗布された打点部分を掃引
照射される。なお、二次元の空間変調を行う空間変調器
を使用する場合は、一つの空間変調器のみで構成するこ
とができる。また、製造工程上、レーザービームの分割
を行ったり、ビームの方向を変更する必要が有る場合
は、適宜光学素子(ハーフミラーやミラー等)を使用す
ることも可能である。
【0023】光の照射方法としては、1)硬化に十分な
光量を照射して順次硬化させていく方法、あるいは2)
全体が硬化するまで全体を何度も掃引する方法などを挙
げることができるが、どのような照射方法をとっても構
わない。本発明露光装置を用いて封止剤を硬化するとき
は、硬化用の光が平行性の優れたビームであるため、有
機電界発光部1aへの入光が少なく、そのため有機電界
発光部1aの劣化を防ぐことができる。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。 実施例−1 以下の方法によって、図4に示すような有機電界発光素
子1を作製した。まず第一に、ガラス基板2上にインジ
ウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を120nmの
膜厚で積層したものを、通常のフォトリソグラフィ技術
と塩酸によるITOのエッチング技術を用いて2mm幅
のストライプにパターニングして陽極3を形成した。こ
のパターン形成した基板を、アセトンによる超音波洗
浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超
音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に
紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置内に設置し
た。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、
装置内の真空度が3×10-6Torr(約4.0×10
-4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡
散ポンプを用いて排気した。次に、以下の構造式で示す
4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニル
アミノ〕
【0025】
【化1】
【0026】ビフェニルを上記装置内に設置されたセラ
ミックるつぼに入れ、るつぼの周囲のタンタルヒーター
で加熱して蒸着を行った。この時のるつぼの温度は、2
60〜270℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度、蒸
着速度はそれぞれ、3.0×10-6Torr(約4.0
×10-4Pa)、0.5〜1.0nm/秒であり、膜厚
60nmの正孔輸送層6を得た。引続き、電子輸送層7
の材料として、以下の構造式に示すアルミニウムの8−
ヒドロキシキノリン錯体、Al(C9 6 NO)3
【0027】
【化2】
【0028】を正孔輸送層と同様にして蒸着した。この
時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつ
ぼ温度は300〜340℃の範囲で制御し、蒸着時の真
空度は5.0×10-6Torr(約6.7×10-4
a)、蒸着速度は0.5〜1.0nm/秒、蒸着された
電子輸送層の膜厚は75nmであった。上記の正孔輸送
層6及び電子輸送層7を真空蒸着する時の基板温度は室
温に保持した。
【0029】ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った
素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出し
て、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状
シャドーマスクを、陽極3のITOストライプと直交す
るように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置
して有機層と同様にして装置内の真空度が4.0×10
-6Torr(約5.3×10-4Pa)以下になるまで排
気した。続いて、陰極界面層9としてフッ化マグネシウ
ムをモリブデンボードを用いて膜厚0.5nmとなるよ
うにして蒸着した。蒸着時の真空度は5.0×10-6
orr(約6.7×10-4Pa)であった。
【0030】この上部に陰極5として、アルミニウムを
モリブデンボードを用いて40nmの膜厚で蒸着した。
アルミニウム蒸着時の真空度は1.0×10-5Torr
(約1.3×10-3Pa)、蒸着時間は約30秒であっ
た。この上部にさらに電気抵抗低減層10として、銅を
モリブデンボートを用いて40nmの膜厚で蒸着した。
銅蒸着時の真空度は2.0×10-5Torr(約2.7
×10-3Pa)であった。以上のようにして、2mm×
2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素
子1が得られた。
【0031】この上部に保護層を成膜するために、再度
大気中に素子を取り出して、保護層11蒸着用のチャン
バーに設置した。装置内の真空度が5.0×10-6To
rr(約6.7×10-4Pa)以下になるまで排気を行
った後に、保護層11として酸化ゲルマニウムを200
nm蒸着した。蒸着に要した時間は、3分であった。こ
のようにして作製した素子の基板上に光硬化性の樹脂1
2(30Y−184G:スリーボンド製)を塗布し、背
面ガラス13を張り合わせた。
【0032】この光硬化性樹脂を硬化させるシステムと
して、図1に示すシステムを採用した。レーザービーム
発振器23としては、クリプトンレーザー(351n
m)を使用した。露光の方法としては、硬化に十分な光
量を部分的に照射し、順次硬化させる方法を採用した。
このときのレーザースポットの大きさは直径2mmであ
り、エネルギー密度は1.2W/cm2 であった。この
ような装置を使用し、4J/cm2 の露光量で露光を行
った。
【0033】比較例−1 樹脂硬化用光源として、高圧水銀ランプを使用した全面
露光を行った以外は実施例と同様にして素子を作製し、
封止を行った。紫外線照射計(UIT−101:UVD
−365PD)を用いて露光強度を測定したところ、1
00mW/cm 2 であった。この装置を用いて4J/c
2 の露光量で露光を行った。このようにして作製した
素子の電圧−電流密度特性を図7に示す。
【0034】
【発明の効果】本発明の有機電界発光素子の封止方法に
よれば、直進性を有するレーザービームを使用するた
め、部分的に光を照射することが可能であり、かつ空間
変調器を使用することにより、所望の場所にレーザービ
ームを照射することができる。従って、素子近傍に紫外
線が照射されず、素子の劣化が予防できるため、より安
定な素子の提供を行うことができる。従って、本発明に
よって作製される有機電界発光素子はフラットパネル・
ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレ
ビ)としての応用が考えられ、その技術的価値は大きい
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明露光装置の一例を示す説明図。
【図2】台座部分を示す斜視図。
【図3】台座の他の例を示す斜視図。
【図4】本発明に使用される有機電界発光素子の一例を
示す縦断面図。
【図5】本発明に使用される有機電界発光素子の発光部
を示す縦断面図。
【図6】レーザービームの照射方法を示す説明図。
【図7】本発明実施例における電圧−電流密度特性を示
すグラフ。
【符号の説明】
1 有機電界発光素子 1a 発光部 2 基板 3 陽極 4 有機発光層 5 陰極 11 保護層 12 封止材 13 透明板 20 台座 21 位置決めリブ 22 位置決めピン 23 レーザービーム発振器 24 レーザービーム 25,26 空間変調器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された有機電界発光素子の
    光硬化性樹脂封止材に光を照射して封止材を硬化する露
    光装置において、基板を所定位置に保持する機構と、レ
    ーザービームを出射するレーザービーム発振器と、出射
    されたレーザービームを空間変調してレーザービームを
    封止材に照射するように掃引する空間変調器とを備えて
    なることを特徴とする有機電界発光素子の封止材硬化用
    露光装置。
  2. 【請求項2】 レーザーの光強度が0.1W/cm2
    上である請求項1記載の有機電界発光素子の封止材硬化
    用露光装置。
JP9286400A 1997-10-20 1997-10-20 有機電界発光素子の封止材硬化用露光装置 Pending JPH11121166A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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