JPH1111988A - 車両用合わせガラス - Google Patents

車両用合わせガラス

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JPH1111988A
JPH1111988A JP9165713A JP16571397A JPH1111988A JP H1111988 A JPH1111988 A JP H1111988A JP 9165713 A JP9165713 A JP 9165713A JP 16571397 A JP16571397 A JP 16571397A JP H1111988 A JPH1111988 A JP H1111988A
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glass plate
laminated glass
less
laminated
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JP9165713A
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Masanobu Kimura
政信 木村
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • B32B17/10119Properties of the bulk of a glass sheet having a composition deviating from the basic composition of soda-lime glass, e.g. borosilicate
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飛び石対策に有用な車両用合わせガラスであ
って、アルミノシリケートガラス板を構成要素とし、特
にフロート法によって製造されたアルミノシリケートガ
ラス板を構成要素とする車両用合わせガラスを提供す
る。 【解決手段】 車両用合わせガラスにおいて、最外表面
に配置される単一ガラス板は、重量%で表して、SiO
2 58〜66%、Al23 13〜19%、Li2O 3
〜4.5%、Na2O 6〜13%、K2O 0〜5%、R
2O 10〜18%、MgO 0〜3.5%、CaO 1〜
7%、SrO 0〜2%、BaO 0〜2%、RO 2〜
10%、TiO2 0〜2%、CeO2 0〜2%、Fe2
3 0〜2%、MnO 0〜1%、のアルミノシリケー
トガラス組成物であることを特徴とする車両用合わせガ
ラスである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や鉄道車両
などの窓ガラスに用いる車両用合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のフロントウインドシールドガラ
ス板等には、安全ガラスと呼ばれるガラス板が使用され
ている。安全ガラスには、一般に強化ガラス(風冷強
化)と合わせガラスとがある。
【0003】風冷強化ガラス板は、ガラス板を軟化点付
近にまで加熱した後、例えば空気をガラス板の両面に吹
き付けて急冷することによって、ガラス板表面に圧縮応
力層が形成される。ガラスは一般に圧縮力に強いため、
この圧縮応力層の存在によって、このような処理をして
いないガラス板(生板)の数倍の強度を有するガラス板
を得るものである。
【0004】一方、現在乗用車等のフロントウインドシ
ールドガラス板等には、例えば中間膜で2枚のガラス板
を貼り合わせた、合わせガラスが広く使用されている。
これは、例えばPVB(ポリビニルブチラール)フィル
ムを介して2枚のガラス板を接着したものである。
【0005】この合わせガラスでは、万が一事故等で破
損した場合、素板が風冷強化されていない生板であり、
大きな破片として破砕するので、運転者の視界を妨げる
ことはない。この合わせガラスの素板として、フロート
法によるソーダライムガラス板が広く用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高速で走行
する鉄道車両や自動車等の車両では、軌道や路面の小石
等を、車両走行時の風圧によって巻き上げてしまうこと
がある。巻き上げられた小石等が車両に飛来すること
(以下、飛び石という)によって、ガラス表面にキズが
ついてしまうこと、さらには破損に至ることが発生して
しまう。
【0007】このため、飛び石等によってガラス板の交
換が必要となるような比較的大きなキズがついてしまう
こと、さらには破損に至ることをできるだけ防ぐことが
要求されている。
【0008】この解決策として、まずその表面に圧縮応
力が形成されている風冷強化ガラスを使用して、飛び石
対策とすることが考えられる。
【0009】しかし、風冷強化ガラス板では、万が一の
破損時には小さな破片に破砕してしまい、乗務員や運転
者の視界を妨げてしまうことになる。このため、自動車
のフロントウインドシールドガラス板には、運転者前方
部分の強化度を低くした部分強化ガラス板が用いられて
いたりした。
【0010】しかし、乗用車の前面ガラスにおいては、
日本では法令によって合わせガラスの使用が義務づけら
れている。このため乗用車の前面ガラスにおいては、風
冷強化ガラス板単板での使用はできない。また、乗用車
以外の自動車でも、安全面からは合わせガラスの使用が
好ましい。
【0011】さらに風冷強化ガラス板、あるいは部分強
化ガラス板を用いて、車両用合わせガラスとした実例も
ある。
【0012】風冷強化ガラス板を合わせガラスとし車両
用に適用した場合、その表面に圧縮応力が形成されてい
ることで、飛び石等によってガラス表面にキズを防ぐこ
とには効果があると考えられる。しかし、万が一破損に
至った場合には、風冷強化ガラスの特性上、全面破損と
なってしまう。この全面破損は、乗務員や運転者に対し
てはその視界を妨げてしまい、また乗客や同乗者に対し
ては非常に恐怖心を与えることになってしまう。
【0013】また、例え部分強化ガラスを用いた場合で
も、その破砕時の視界はある程度改善されているもの
の、やはり乗務員や運転者の視界を妨げてしまうことに
はちがいない。
【0014】つまり、強化ガラス板(部分強化ガラスを
含む)を用いて合わせガラスとした場合、その破損時に
は全面破損となり、乗客や同乗者に対して非常に恐怖心
を与えること、乗務員や運転者の視界を妨げてしまうこ
との理由により、飛び石対策として採用することは、不
都合がある。
【0015】一方、いわゆるイオン交換法による化学強
化方法によっても、ガラスを強化して、飛び石対策とす
ることが考えられる。
【0016】WO/94/08910(PCT/FR9
3/01035)には、航空機等の風防用ガラスであっ
て、飛来物(鳥の衝突)対策としての化学強化ガラスが
示されている。その化学強化ガラスは重量%で、SiO
2:65.0〜76.0%、Al23:1.5〜50.
%、MgO:4.0〜8.0%、CaO:0.0〜4.
5%、Na2O:10.0〜18.0%、K2O:1.0
〜7.5%、B23:0.0〜4.0%よりなる組成物
が示されている。
【0017】しかし、、前記WO/94/08910で
は、イオン交換に少なくとも72時間以上、好ましくは
10日以上の長時間の処理時間を必要とし、コスト的に
実用性のある製造方法ではなかった。
【0018】そこで本発明は、飛び石対策に有用な車両
用合わせガラスであって、アルミノシリケートガラス板
を構成要素とし、特にフロート法によって製造されたア
ルミノシリケートガラス板を構成要素とする車両用合わ
せガラスを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述したよう
な課題を解決すべくなされたものであり、中間膜を介し
て少なくとも2枚の単一ガラス板が接着された車両用合
わせガラスにおいて、前記ガラス板のうち少なくとも最
外表面に配置される単一ガラス板は、アルミノシリケー
トガラスであることを特徴とする車両用合わせガラスで
ある。
【0020】すなわち、請求項1に記載の発明は、中間
膜を介して少なくとも2枚の単一ガラス板が接着された
車両用合わせガラスにおいて、前記ガラス板のうち少な
くとも最外表面に配置される単一ガラス板は、重量%で
表して、 SiO2 58〜66%、 Al23 13〜19%、 Li2O 3〜 4.5%、 Na2O 6〜13%、 K2O 0〜 5%、 R2O 10〜18%、 (ただし、R2O=Li2O+Na2O+K2O) MgO 0〜 3.5%、 CaO 1〜 7%、 SrO 0〜 2%、 BaO 0〜 2%、 RO 2〜10%、 (ただし、RO=MgO+CaO+SrO+BaO) TiO2 0〜 2%、 CeO2 0〜 2%、 Fe23 0〜 2%、 MnO 0〜 1%、 (ただし、TiO2+CeO2+Fe23+MnO=0.
01〜3%)のアルミノシリケートガラス組成物である
ことを特徴とする車両用合わせガラスである。
【0021】さらに、請求項2に記載の発明では、請求
項1に記載の車両用合わせガラスにおいて、前記最外表
面に配置される単一ガラス板は、重量%で表して、 SiO2 60〜66%、 Al23 15〜18%、 Li2O 3〜 4.5%、 Na2O 7.5〜12.5%、 K2O 0〜 2%、 (ただし、Li2O+Na2O+K2O=11〜17%) MgO 0.5〜 3%、 CaO 2.5〜 6%、 SrO 0〜 2%、 BaO 0〜 2%、 (ただし、MgO+CaO+SrO+BaO=3〜9
%) TiO2 0〜 2%、 CeO2 0〜 2%、 Fe23 0〜 2%、 MnO 0〜 1%、 (ただし、TiO2+CeO2+Fe23+MnO=0.
01〜3%)のアルミノシリケートガラス組成物である
車両用合わせガラス。
【0022】またさらに、請求項3に記載の発明におい
ては、前記最外表面に配置される単一ガラス板が、フロ
ート法によるガラス板である。このため、フロート法の
特徴である良好な平坦性を有し、かつ低コストでサイズ
的にも大きな素板を得ることができる特徴を有してい
る。
【0023】なお、前記単一ガラス基板と接着される別
の単一ガラス基板については、特に限定はない。しか
し、本発明の車両用合わせガラスが、前面ガラスとして
用いられる場合は、衝突時などの万が一の時に、乗務員
や運転者の身体の保護(特に頭部)のために、未強化の
ガラス板が用いられるのが好ましい。図1に示すよう
に、車外側に配置される単一ガラス板1はアルミノシリ
ケートガラスであり、例えばPVBの中間膜2によっ
て、別の単一ガラス板3と接着され、車両用合わせガラ
スとする。
【0024】さらに請求項4または請求項5に記載の発
明においては、前記最外表面に配置される単一ガラス板
の、具体的なアルミノシリケートガラス組成物におい
て、フロート法に適した熔融温度と作業温度を規定して
いる。
【0025】以下に、本発明に用いるアルミノシリケー
トガラス組成物の限定理由について説明する。
【0026】SiO2はガラスを形成するための主要成
分であり、必須の構成成分である。その割合が58%未
満であると耐水性が悪化する。一方、66%を越えると
ガラス融液の粘性が高くなりすぎ、熔融や成形が困難と
なる。このため、SiO2の範囲としては58〜66%
が好ましく、さらに60〜66%が好ましい。
【0027】Al23はガラスの重要な構成成分の1つ
である。Al23を含有することにより耐水性が向上す
る。また、ガラスその割合が13%未満では、その効果
が不十分である。一方、19%を越えるとガラス融液の
粘性が高くなりすぎ、熔融や成形が困難となる。このた
め、Al23の範囲としては13〜19%が好ましく、
さらに15〜19%が好ましい。
【0028】Li2Oは、溶解性を高める成分である。
その割合が3%未満では、溶解性が悪い。一方、4.5
%を越えると、耐水性が悪化するとともに、液相温度が
上がり成形が困難となる。このため、Li2Oの範囲と
しては、3〜4.5%が好ましい。
【0029】Na2Oは溶解性を高める成分である。そ
の割合が6%未満では、その効果が不十分である。この
ため、Na2Oの範囲としては6〜13%が好ましく、
さらに7.5〜12.5%が好ましい。
【0030】K2Oは溶解性を高める成分である。K2
の範囲としては5%以下が好ましく、さらに2%以下
が好ましい。
【0031】さらに、Li2O+Na2O+K2Oの合計
2Oが、9%未満ではガラス融液の粘性が高くなりす
ぎ、熔融や成形が困難となる。このため、Li2O+N
2O+K2Oの合計R2Oの範囲は9〜18%が好まし
く、さらに10〜17%が好ましい。
【0032】MgOは溶解性を高める成分であるが、
3.5%を越えると液相温度が上がり、成形が困難とな
る。このため、MgOは3.5%以下が好ましく、さら
に0.5〜3%が好ましい。
【0033】CaOは溶解性を高める成分である。その
割合が1%未満ではその効果が十分でない。一方、7%
を越えると液相温度が上がり、成形が困難となる。この
ため、CaOの範囲は1〜7%が好ましく、さらに2.
5〜6%が好ましい。
【0034】SrOやBaOは、溶解性を高める成分で
あるとともに液相温度を下げるのに有効な成分である。
しかし、ガラスの密度が大きくなるとともに、原料代の
アップの要因となる。このため、SrOやBaOはそれ
ぞれ2%以下が好ましく、さらに1%以下が好ましい。
【0035】さらに、MgO+CaO+SrO+BaO
の合計ROが、2%未満ではガラス融液の粘性が高くな
りすぎ、熔融、成形が困難となり、10%を越えると液
相温度が上がり、成形が困難となる。このため、MgO
+CaO+SrO+BaOの合計ROの範囲としては2
〜10%が好ましく、さらに3〜9%が好ましい。
【0036】Fe23はガラス融液中でFe2+とFe3+
が平衡状態にあり、これらのイオンが融液中の光の透過
率、特に赤外域の透過率を大きく左右する。全鉄をFe
23に換算して2%以上では赤外域の吸収が大きくなり
すぎ、熔融や成形時にガラスの温度分布をコントロール
できなくなり、品質の悪化を招く。このため、全鉄はF
23として2%以下が好ましい。
【0037】TiO2,CeO2,MnOはFe2+とFe
3+の平衡状態を変化させ、また相互作用することにより
光の透過率を変化させるのに有効な成分である。しか
し、過剰に含有するとガラス素地品質が悪化するととも
に、原料代のアップにつながる。このため、TiO2
範囲としては3%以下が好ましく、さらに2%以下が好
ましい。また、CeO2の範囲としては2%以下が好ま
しい。MnOの範囲としては1%以下が好ましい。
【0038】さらに、以上の成分の他に本発明の特性を
損なわない範囲で、NiO,Cr23,CoO等の着色
剤、およびSO3,As23,Sb23等の清澄剤を含
有することができる。
【0039】このうち、SO3は清澄剤として用いる硫
酸塩に起因するものであり、硫酸塩を清澄剤に用いる場
合は、ガラス中の残存量が0.05%未満では清澄の効
果が十分でない。一方、残存量が0.5%を越えても清
澄の効果は同等であり、さらにガラス熔融時の排ガス中
に含まれるSOx が増加するので、環境上好ましくな
い。このため、ガラス中に残存するSO3は0.05%
〜0.5%が好ましい。
【0040】また、一般に清澄剤として用いられるAs
23,Sb23はその毒性より1%以下が好ましく、不
純物からの混入する量以下、すなわち0.1%以下とす
るのが望ましい。
【0041】また、揮発性の高いB23,ZnO,P2
5,PbO等は、ガラス溶解炉のレンガを浸食すると
ともに、揮発成分が炉の天井に凝集し、レンガとともに
ガラス上に落下するなど品質を悪化させるので、不純物
からの混入する量以下、すなわち0.1%以下とするの
が好ましい。
【0042】ガラスの粘性は、高品質ガラスを溶解する
には、熔融温度すなわち102poiseの粘性を有する温度
が1550℃以下が好ましく、さらに1540℃以下が
望ましい。また、高平坦度のシート状に成形するには、
特にフロート法にて成形するには、作業温度すなわち1
4poiseの粘性を有する温度が1100℃以下、かつ液
相温度が作業温度以下であることが好ましく、さらに作
業温度が1055℃以下、かつ液相温度が作業温度以下
であることが望ましい。
【0043】本発明の車両用合わせガラスは、以下のよ
うな方法で製造することができる。すなわち、アルミノ
シリケートガラス板を用意し、このガラス板を車両用合
わせガラスの最外表面に配置するようにし、別の任意の
単一ガラス板と、PVBフィルム中間膜を介して接着す
る。
【0044】また、アルミノシリケートガラス板を車両
用合わせガラスの最外表面に配置するようにしさえすれ
ば、必要に応じて3枚以上の単一ガラス板を中間膜を介
して接着し、車両用合わせガラスとすることもできる。
【0045】さらに、アルミノシリケートガラス板は、
請求項3に記載したように、フロート法によって製造さ
れていることが好ましい。フロート法によって製造され
たガラス板は、溶解されたガラス素地が熔融錫バス上に
送り込まれ、展開されて成形される。このため、ガラス
内部の応力がよく解放されている。このことから、他の
製法と比して、衝撃等でガラスにクラックが入ることが
少ないという特徴がある。
【0046】さらに、アルミノシリケートガラス板は、
請求項1または請求項2に記載したようなガラス組成物
が好ましく、加えて前記ガラス組成物において、請求項
4または請求項5に記載した熔融温度と作業温度を有し
ていることが、フロート法によって製造する際に好まし
い。
【0047】また本発明の車両用合わせガラスにおい
て、これを構成する単一ガラス板は曲げ加工を施されて
いてもよい。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 [アルミノシリケートガラス板]まず本発明で、最外表
面に配置されるアルミノシリケートガラス板について述
べる。表1に示すアルミノシリケート組成物のガラス
を、フロート法によって作製した。その板厚は、約5m
mとした。なお、重量%表示である。
【0049】
【表1】 −−−−−−−−−−−−− SiO2 63.0 Al23 16.3 Li2O 3.7 Na2O 10.6 K2O 0.4 MgO 1.9 CaO 3.8 TiO2 0.02 Fe23 0.08 SO3 0.2 −−−−−−−−−−−−−
【0050】上記組成物のガラスは、表2に示す熔融
点、作業点、液相温度を有しており、フロート法による
製造が可能な組成物である。
【0051】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−− 熔融点 (℃) 1522 作業点 TW(℃) 1039 歪点 (℃) 469 液相温度TL(℃) 1002 転移点 Tg(℃) 512 −−−−−−−−−−−−−−−−
【0052】このアルミノシリケートガラス板のビッカ
ース硬度(Hv)は、Hv=598kg/mm2であ
る。比較として、ソーダライムガラス板のそれは、Hv
=533kg/mm2である。つまり、アルミノシリケ
ートガラス板は表面硬度が比較的大きく、後述のストー
ンインパクト試験において、良好な結果が得られたもの
と考えられる。
【0053】さらに、アルミノシリケートガラス板のヤ
ング率は、約8500kg/mm2であった。比較とし
て、ソーダライムガラス板のそれは、約7500kg/
mm2である。つまり、アルミノシリケートガラス板は
ヤング率が比較的大きく、後述のストーンインパクト試
験において、良好な結果が得られたものと考えられる。
【0054】(ストーンインパクト試験)以上に述べ
た、アルミノシリケートガラス板の鉄道車両窓の実寸法
のサンプルを用意した。また比較のために、ソーダライ
ムシリケートガラスの未強化サンプルと、風冷強化(倍
強度ガラス:半強化)サンプルも用意した。
【0055】これらのサンプルガラスを車両用合わせガ
ラスの外側に、フロート法による未強化のソーダライム
シリケートガラス板(板厚み2mm)を内側になるよう
に配置して、PVBの中間膜を介して車両用合わせガラ
スのサンプルを作製した(図1参照のこと)。
【0056】前記各サンプルガラスの表面の30カ所
に、エアガンにて重さ約2gの小石を、衝突速度90k
m/h、衝突入射角度0度でこれらガラス基板に衝突さ
せて、ストーンインパクト試験を行った。これは車両正
面への適用を考えた試験である。なおその評価は、「4
mm以上のキズがついたもの」と「割れ」た箇所を要交
換であると判断し、不良数として数えた。
【0057】
【表6】
【0058】表6より、衝突入射角度=0度の場合、上
述の基準で評価すると、以下のことが言える。
【0059】アルミノシリケート合わせサンプルは、ソ
ーダライムシリケートガラスの未強化品はもちろんのこ
と、風冷強化品と比べても、合計不良数が少ない結果と
なった。
【0060】[適用例]鉄道車両や自動車の所定の風防
ガラス形状に、フロート法によって作製したアルミノシ
リケートガラス板を切断して、さらにPVBフィルムを
介して、同じくフロート法のソーダライムシリケートガ
ラス板を接着して化学強化車両用合わせガラスを作製し
た。この場合、鉄道車両や自動車の意匠により、化学強
化車両用合わせガラスは平板でもよいし、曲げ加工を施
されていてもよい。
【0061】上記の適用例は、鉄道車両や自動車の風防
ガラスとしての例であったが、これに限られることはな
く、側面窓ガラス板としても適用できることはいうまで
もない。
【0062】またさらに、上述の例では、2枚の単一ガ
ラス板を中間膜で接着して車両用合わせガラスとしたも
のであった。しかし、適用する場所やその必要に応じ
て、3枚以上の車両用合わせガラスとすることは、何ら
困難もなく、本発明の技術範囲であることはいうまでも
ない。
【0063】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明は以下
のような効果を奏する。請求項1または請求項2に記載
の発明において、前記最外表面に配置される単一ガラス
板が、アルミノシリケートガラス組成物を有している。
【0064】アルミノシリケートガラスの特性として、
ガラスの表面硬度が高く、さらにヤング率も高いため、
キズがつきにくいという効果が得られるものと考えられ
る。
【0065】また、たとえ破損した場合でも、内部応力
が小さいため、風冷強化ガラスのように全面破損に至ら
ないので、乗客や乗員に、恐怖心を与えることが少な
い。また、乗務員や運転手にとっては、視界が確保され
る。
【0066】さらに、請求項3に記載の発明では、アル
ミノシリケートガラス板は、フロート法によって製造さ
れている。ガラス板の研磨等が不要となり、低コストで
サイズ的にも大きな素板を得ることができる特徴を有し
ている。さらにフロート法によるガラス板は、ガラス内
部の応力がよく解放されている。このことから、他の製
法と比して、衝撃等でガラスにクラックが入りにくいと
いう効果がある。
【0067】さらに請求項4または請求項5に記載の発
明においては、具体的なアルミノシリケートガラス組成
物において、フロート法に適した熔融温度と作業温度を
も規定している。したがって、本発明のガラス組成物
は、フロート法に良好に適用できる特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 アルミノシリケート単一ガラス板 2 中間膜(PVB) 3 単一ガラス板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】
【表
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】表より、衝突入射角度=0度の場合、上
述の基準で評価すると、以下のことが言える。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】[適用例]鉄道車両や自動車の所定の風防
ガラス形状に、フロート法によって作製したアルミノシ
リケートガラス板を切断して、さらにPVBフィルムを
介して、同じくフロート法のソーダライムシリケートガ
ラス板を接着して車両用合わせガラスを作製した。この
場合、鉄道車両や自動車の意匠により、車両用合わせガ
ラスは平板でもよいし、曲げ加工を施されていてもよ
い。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中間膜を介して少なくとも2枚の単一ガ
    ラス板が接着された車両用合わせガラスにおいて、 前記ガラス板のうち少なくとも最外表面に配置される単
    一ガラス板は、 重量%で表して、 SiO2 58〜66%、 Al23 13〜19%、 Li2O 3〜 4.5%、 Na2O 6〜13%、 K2O 0〜 5%、 R2O 10〜18%、 (ただし、R2O=Li2O+Na2O+K2O) MgO 0〜 3.5%、 CaO 1〜 7%、 SrO 0〜 2%、 BaO 0〜 2%、 RO 2〜10%、 (ただし、RO=MgO+CaO+SrO+BaO) TiO2 0〜 2%、 CeO2 0〜 2%、 Fe23 0〜 2%、 MnO 0〜 1%、 (ただし、TiO2+CeO2+Fe23+MnO=0.
    01〜3%)のアルミノシリケートガラス組成物である
    ことを特徴とする車両用合わせガラス。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用合わせガラスに
    おいて、 前記最外表面に配置される単一ガラス板は、重量%で表
    して、 SiO2 60〜66%、 Al23 15〜18%、 Li2O 3〜 4.5%、 Na2O 7.5〜12.5%、 K2O 0〜 2%、 (ただし、Li2O+Na2O+K2O=11〜17%) MgO 0.5〜 3%、 CaO 2.5〜 6%、 SrO 0〜 2%、 BaO 0〜 2%、 (ただし、MgO+CaO+SrO+BaO=3〜9
    %) TiO2 0〜 2%、 CeO2 0〜 2%、 Fe23 0〜 2%、 MnO 0〜 1%、 (ただし、TiO2+CeO2+Fe23+MnO=0.
    01〜3%)のアルミノシリケートガラス組成物である
    車両用合わせガラス。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の車両用合わせ
    ガラスにおいて、 前記最外表面に配置される単一ガラス板は、フロート法
    によるガラス板である車両用合わせガラス。
  4. 【請求項4】 請求項1から3いずれかに記載の車両用
    合わせガラスにおいて、 前記最外表面に配置される単一ガラス板の母ガラス組成
    物の熔融温度(102poiseの粘性を有する温度)が15
    50℃以下で、作業温度(104poiseの粘性を有する温
    度)が1100℃以下であり、かつ前記液相温度が前記
    作業温度以下である車両用合わせガラス。
  5. 【請求項5】 請求項5に記載の車両用合わせガラスに
    おいて、 前記最外表面に配置される単一ガラス板の母ガラス組成
    物の熔融温度(102poiseの粘性を有する温度)が15
    40℃以下で、作業温度(104poiseの粘性を有する温
    度)が1055℃以下であり、かつ前記液相温度が前記
    作業温度以下である車両用合わせガラス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140088704A (ko) * 2013-01-03 2014-07-11 주식회사 케이씨씨 내충격성 및 내마모성이 개선된 접합유리
JP2017500261A (ja) * 2013-10-23 2017-01-05 サン−ゴバン グラス フランス フロントガラスのための薄い積層ガラス
JP2019532896A (ja) * 2016-10-07 2019-11-14 エルジー・ケム・リミテッド 曲面接合ガラスおよび曲面接合ガラスの製造方法

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