JPH11118932A - 核分光システムにおけるパルス波形調整及び弁別方法 - Google Patents

核分光システムにおけるパルス波形調整及び弁別方法

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JPH11118932A
JPH11118932A JP23622197A JP23622197A JPH11118932A JP H11118932 A JPH11118932 A JP H11118932A JP 23622197 A JP23622197 A JP 23622197A JP 23622197 A JP23622197 A JP 23622197A JP H11118932 A JPH11118932 A JP H11118932A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 核分光システムにおいてパルス波形を調整す
る方法を開発することであり、正規のパルスと重なりパ
ルスとを弁別する方法及び高速且つ高精度で信号パルス
波形を分析する方法を提供する。 【解決手段】 時間的にランダムに生じる実際のパルス
とは非同期に一定の周波数で(核)パルス列をサンプリ
ングするデイジタルパルスサンプリング及び検出技術を
用いる。各パルスは多数のサンプルを与えうることによ
り、例ば従来複雑なアナログ及びデジタル回路でおこな
われていた、1)パルス積分(パルス面積の決定)、
2)パルス波形弁別、3)重なり排除及び4)入射時点
決定(マルチスケーラ分析)のような多数のパルス列分
析操作をコンパクトなデジタル構成で行Uことが出来
る。本発明は上記のデジタルパルス列分析の内の初めの
3種を目的とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパルス信号の検出及
び処理方法に関し、詳細には核分光システムにおける信
号のパルス形の調整及び弁別に関する。
【0002】
【従来の技術】核分光技術においては、入射する核粒子
のエネルギーが測定される。一般に、この測定は核検出
器内に粒子により蓄積されるエネルギーを測定すること
で行われる。このエネルギーは、理論的には無限の長さ
をもつ連続するパルス列からのものである。検出器に蓄
積した総エネルギーを表す信号を得るには一般に電流信
号を積分する必要がある。一般に、電荷の積分時間と高
パルス周波数を処理する必要性との間の妥協点を見いだ
す必要がある。一般に、別々のパルス列の低カウントレ
ートでの検出は問題が極めて少ないから、従来の検出装
置が使用できる。しかしながら、時としては、パルスの
周波数又は繰り返し率は、連続するパルス間のスペース
が非常に短くなるような、広い範囲にわたり変化する。
従って、これらパルスのランダムな性質及び高い発生周
波数が増幅器での”重なり”又は重なりパルスシーケン
スが必然的に生じる。一般に、この種の重なりは2個以
上の増幅され、個々に検出され、夫々検出されたガンマ
ー線、中性子あるいは他の核輻射線を示す信号からなる
単一のパルスを生じさせる。この重なり現象はデータの
損失そして/又はスペクトルの歪みを生じさせる。従っ
て、まず重なりパルスから個々のパルスを区別し、次
に、重なりパルスが検出されたならば本来の個々のパル
スを回復するため、あるいは少なくとも重なりの結果生
じ、核検出器内の単一の粒子により堆積したエネルギー
を表さないパルスを排除するためにそれらパルスを適当
に処理することが重要である。
【0003】これらのパルスは核分光分析器又はパルス
高分析器を用いて分析される。核分光分析器はシンチレ
ーション(scintillation)検出器、光電子増倍器、カッ
プラー(通常はコンデンサー)、プリアンプ、パルス整
形器及びパルス高分析器を含むことが出来る。従来のパ
ルス高分析器はパルス検出器(オプションとして重なり
検出器と重なりプロセスユニット)、アナログーデイジ
タル変換器(ADC)及びメモリーをその順に含み、そ
の事なるチャンネルが検出されたパルスの与えられた振
幅レベルに対応する。このパルス高分析器はまたADC
の上流側に入力ゲートを含むことが出来、このゲート
は、ADCがビジーのとき、即ち、ADCが検出したパ
ルスを処理しているときにADCにパルスが入らないよ
うにするものである。
【0004】前述のように、もし、2個パルスが同一の
積分インターバル内に入るとすれば、バイアスされた”
和”パルス(重なり)が発生することになる。この重な
りはスペクトルの歪みを生じさせるばかりでなく、それ
らパルスの内の1個の検出を不能にする。パルス波形も
重なりの検出に影響する。それ故、積分時間とカウント
レートの間の妥協が、パルスのデイジタル化及びスペク
トル毎のその蓄積(メモリー)に先行するパルス整形装
置により行われる。最近の高速電子装置は高スループッ
ト核分光分析を可能にする。しかしながら、そのような
システムはパルス波形の変化に極めて敏感であり、そし
て電気信号の波形を大きな動作条件の範囲にわたり不変
に維持しなければならない。パルス波形に影響する主た
る因子は時間そして/又は温度に対する電子素子及び核
センサーの特性変化である。
【0005】スペクトル分析に対する一つの方法はゼー
マンの米国特許第5067090号に示されるデイジタ
ル積分技術である。この核分光分析技術では、輻射線検
出器で集められたガンマー線のような粒子のエネルギー
の目安である高さを有するパルスについて、パルス高分
析が(1)与えられた率で検出された信号を連続的に
(非同期で)デイジタルサンプルに変換し、(2)夫々
の検出された核事象のデイジタルイメージを形成するよ
うにそれらデイジタルサンプルの夫々を処理することに
より行われる。この方法は入射するサンプルが一つのパ
ルスを表すかどうかを決定するようにそのサンプルをし
きい値と比較することによりパルスの入射を検出する段
階を含んでいる。詳細に述べると、入射するサンプルの
値と核事象を含まないベース信号との差を計算し、その
しきい値と比較される。検出パルスの入射時点が記録さ
れる。さらに、ベース信号値(ベースライン)が連続的
に見積られそして、現在のベース信号値を発生するよう
に各サンプルの入射時点で更新される。好適には、更新
された値は入射サンプルの先行するサンプルで重みずけ
された平均である。一つのパルスが検出されると、その
パルスのエネルギーが各サンプル値(そのパルスを表
す)と現在のベース信号値との差を加算することにより
計算されるのであり、その和はレジスターに連続的に累
積される。このエネルギーの計算中、累積された和はプ
リセット値と比較され、そしてオーバーフローの場合に
はそのレジスターはリセットされる。各パルスについ
て、そのパルスを表す第1サンプルの直前のサンプル並
びにパルスを表す最後のサンプルに直続するサンプルの
両方がパルスエネルギーの計算で考慮される。
【0006】ゼーマンはさらに時間的に接近する連続し
たパルス群を検出する段階を含んでいる。この検出段階
は検出された核事象を表すサンプルの数を計数する段階
及びそのカウントを予定の最大カウント値と比較する段
階を含んでいる。このサンプリング段階はフラッシュア
ナログーデイジタル変換器(ADC)で行うことが出来
る。
【0007】本質的にパルスの面積を計算するゼーマン
のデイジタル積分技術はパルスの波形に敏感である。パ
ルス波形は温度又は経時による電子要素の変化並びに核
検出器のパルス応答の変化に影響される。殆どのシンチ
レーション検出器は室温より高い温度では極めて高速の
パルスを出力する。
【0008】パルス波形を安定化する技術が米国特許第
5132540号に示されている。その方法は重なりパ
ルスの数の広がりを与えられた関係に維持し、そしてそ
の数をカウント総数と比較することによりパルス波形を
調整する。この方法は重なりパルスの総数が非常に少な
い場合には低カウントレートにおいて低速且つ信頼性が
ないという欠点を有する。
【0009】核測定における他の分野は核センサーから
のパルスの波形を区別することにより相互作用間での区
別を必要とするものである。現在、殆どのパルス波形の
弁別は複雑且つしばしば不安定となるアナログ回路によ
っている。これら技術の使用は実質的な専門知識を必要
とする。種々の長さのパルスと重なりパルスとを区別す
ることの出来る簡単な方法の要求がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は核分光
システムにおいてパルス波形を調整する方法を開発する
ことである。
【0011】本発明の第2の目的は正規のパルスと重な
りパルスとを弁別する方法を開発することである。
【0012】本発明の他の目的は高速且つ高精度で信号
パルス波形を分析する方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は信号の核パルス
列を一定のレートでサンプリングするデジタルサンプリ
ング技術に基づいている。各パルスについて多数のサン
プルが使用可能であるという事実は、例ば従来複雑なア
ナログ及びデジタル回路でおこなわれていた、1)パル
ス積分(パルス面積の決定)、2)パルス波形弁別、
3)重なり排除及び4)入射時点決定(マルチスケーラ
分析)のような多数のパルス列分析操作をコンパクトな
デジタル構成で行い得るようにする。本発明は上記のデ
ジタルパルス列分析の内の初めの3種を目的とする。
【0014】デジタルサンプリング及び積分は核分光デ
ータを獲得するための現代の方法である。この技術の主
たる利点は非常に高速であることと核アナログーデジタ
ル変換器(ADC)内の従来のサンプル/ホールド回路
を省略出来ることである。図2はデジタル積分器の基本
原理を示す。検出器からの信号は与えられたサンプリン
グ周波数で非同期にサンプリングされる。パルス検出ロ
ジックは、一つのパルスが予定のデジタルしきい値を通
るときトリガーされる。この方法を実行する一つの可能
なやり方はそのしきい値を越えるすべてのサンプルを加
算し、そのパルスに先行する第1のサンプルとそのパル
スに後続する第1のサンプルを加えることである。しき
い値を越える予定数のサンプル(例えば、6)より多数
のサンプルを有するパルスは排除されそして重なりとし
てカウントされる。パルス波形補償(パルスの伸張又は
圧縮)も一つのパルスにおけるサンプルの数に基づき行
われる。
【0015】重なり排除は正規のパルスと重なりパルス
とを区別するためにパルス波形弁別を用いる、米国特許
第5067090号と同様な概念に基づく。この方法に
おいては、正規パルスは2ー6個のしきい値を越えるサ
ンプルを有する。6個より多数のしきい値を越えるサン
プルを含むパルスは重なりパルスと見做される。本発明
においては、上記の方法を他の情報を含むアルゴリズム
を用いることにより拡張する。本発明のアルゴリズムは
次のようなタスクを行う。即ち、1)重なりを示すパル
スの長さをそのパルスの高さの関数とする、2)重なり
排除しきい値(しきい値を越えるサンプルの数)をパル
スピーク高さに組合せる、3)パルスの存在を決定する
ためにしきい値からピークまでの時間を使用する、4)
与えられたパルスについて一つのサンプルは先のサンプ
ルの値に予定のごとくに関係すると仮定する一般化され
た方法を使用する、5)上記のタスクの組合せを使用す
る。本発明はパルスを処理する改善された方法及びパル
ス波形調整の直接的方法を提供する。また、本発明は異
なるパルス波形を区別する必要のある核分光における中
性子及び(望ましくない)ガンマー線(パルス波形弁
別)により生じる信号あるいは他のタスクを区別する能
力を有する。中性子及びガンマー線信号は検出器から出
るパルスの波形において互いに異なる。2つの成分の高
さの比はシンチレーション物質内の粒子のイオン化密度
により決まる。デジタル法では、それ故それら信号は最
大パルス電圧と後の時点での電圧との比を見ることによ
り区別できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は図1に示すような密度を
記録するもののような装置で検出された信号のパルス波
形分析を行うための高速な方法を提供する。この装置は
ガンマー線源10、間隔の狭いガンマー線検出器DN,
中間の間隔のガンマー線検出器DM、及び間隔の広いガ
ンマー線検出器DFを有する。これら3個のガンマー線
検出器は減衰型のものであり、即ち、それら検出器はす
べてガンマー線源から充分離されて(一般に約5cmで
ある線源から検出器までのガンマー線の平均自由行程よ
り大きく離されている)配置され、それらに隣接する形
成材料及びマッドケーキ材料の密度が増加するとカウン
トレートが減少するようになっている。検出器ND,M
D,FDは線源10からつぎつぎに大きな距離をとって
それぞれ配置される。線源10はセシウム137のよう
な適当なガンマー線源でよい。タングステンのような高
密度の遮蔽材11がそれら検出器を囲んでいる。信号分
析装置NA,MA,FAがこれら検出器の上に配置され
る。各分析装置は対応する検出器からの信号を分析す
る。
【0017】図2において、信号15からのサンプル1
6は予定のサンプリング周波数で各パルスから非同期で
取り出される。この信号は非同期でサンプリングされる
から、各検出器からのパルスの発生を検出し、そしてそ
のパルスが電子的あるいは検出器ノイズによるものでも
短い時間インターバルにおいて発生する2個以上の重な
りによるものでもないことを保証するための段階が必要
である。サンプリングされた信号が予定の(デジタル)
しきい値レベル17を越え、そして2個以上の連続する
サンプルがこのしきい値の上にある時、一つのパルスが
存在するものとする。もし、6個を越える連続するサン
プルがしきい値を越えているとすれば、そのパルスが重
なりとされる。
【0018】上記のパルス検出及び弁別方法は一定の波
形をもつパルスについて動作する。しかしながら、パル
ス波形は常に一定ではなく、それ故、或る状況では調整
する必要がある。パルスの波形が変化する二つの原因は
電子要素の時間及び温度による変化、そしてさらに重要
なことであるが、検出器の特性の変化である。例えば、
Nalシンチレーション結晶は或る崩壊時間をもって光
を出す。約摂氏21度(華氏70度)の室温において
は、この時定数は約240Nsである。温度が上昇する
と、この定数は短くなる。この定数の減少はより短い”
過補償”パルスを生じさせる。図3は種々のパルス波形
を示す。図3aにおいて、このパルスは補償不足のため
長すぎる。図3bにおいて、このパルスは図2に示すよ
うな望ましい波形を有するように補償されている。図3
cは短すぎる(過補償)パルスを示している。図3a及
び3cのパルス波形は正しい波形となるように調整しな
ければならない。この修正はパルス整形増幅器のパルス
整形フィルターを調整することで行うことが出来る。
【0019】パルス長に基づくパルス波形補償 パルス波形はパルス長に基づいて補償できる。与えられ
たパルス高について、ノイズがない場合、しきい値を越
えるサンプルの数はほとんど一定である。サンプリング
プロセスの非同期性により、多少のジッターが生じる。
しかしながら、ノイズがパルスに重畳すると、パルス長
上のちらばりは大きくなる。これは、パルス波形が一定
であっても、異なる長さのパルスが存在することを意味
する。しかしながら、与えられたパルス高について、し
きい値を越えるサンプルの平均数はパルス長の良好な目
安である。平均パルス長は、従って、パルス波形を一定
に維持するために調整ループにおいて使用できる。さら
に、デイザーリング(dithering)の量を増加しそして計
数統計を得るためにパルス高の範囲(単一の高さではな
く)にわたる長さ測定を行うことが可能になる。
【0020】図4はパルス長補償方法のフローチャート
を示す。このフローチャートのブロック20において、
スペクトルデータが検出された信号から得られる。ブロ
ック21において、この信号がサンプリングされそして
予定のしきい値を越える連続するサンプルの数を決定す
るためにサンプル数をカウントする。5個のサンプルパ
ルスの数及び6個のサンプルパルスの数が決定される。
ブロック22において、6個のサンプルパルスに対する
5個のサンプルパルスの比を決定する。ブロック23に
おいて、決定された比と先に決定された調整比とを比較
する。ブロック24において、6個のサンプルパルスに
対する5個のサンプルパルスの比が調整比より大きけれ
ば、ブロック25においてそのパルスは伸張される。ブ
ロック24において、6個のサンプルパルスに対する5
個のサンプルパルスの比が調整比以下であれば、ブロッ
ク26においてそのパルスは圧縮される。パルスが伸張
または圧縮された後に、ブロック27においてバッファ
ーがクリアーされそして獲得したデータによりこの方法
が繰り返される。
【0021】ブロック23における調整比(RR)は実
験的に、あるいは理論的考慮及びシミュレーションによ
り決定できる。本発明においては、調整比は必ずしも一
定である必要はなく、合計カウントレートの関数であ
る。これは、カウントレートが増加すると重なりパルス
の数、従って、検出されない重なりパルスの数が増加す
るという事実によるものである。
【0022】重なりパルスは時間的に充分に離れておら
ずそのため1個のパルスとして検出される2個の独立し
たパルスの重なりにより形成される。重なりパルスは平
均して正常なパルスより長い。これは、カウントレート
の増加により6サンプル長のパルスの数が増加すること
を意味する。一定のパルス波形について、これは調整比
を減少させる。一定のパルス波形についての調整比はよ
り強くカウントレートの(そしてより弱くスペクトル形
の)関数となる。一サンプルの場合、調整比は RR =RRo + c*TCR となる。但しTCRは総合カウントレート、RRoは低
カウントレートについての調整比、cは定数、RRはカ
ウントレートを修正した調整比、である。図5は一定の
パルス波形補償セッテイングについてカウントレートの
関数としての比RRの例を示す。図5において、垂直軸
は調整比、水平軸は総合サンプルカウントレートであ
る。調整比曲線は28で示してあり、実測値は29で示
してある。これは、この場合の調整比がカウントレート
の直線関数であることを示す。
【0023】パルス波形弁別 核分光技術の或る分野では核センサーにおいて信号が発
生する電気信号の波形に基づきその信号を区別する必要
がある。従来、これは、かなりの微調整を必要としそし
てドリフトし易い複雑なアナログ回路装置により行われ
ていた。デイジタルパルスサンプリングの原理はこの分
野にデイジタル技術及びデイジタル処理への道を開くも
のである。以下にパルス波形弁別の例を示し、弁別技術
をより一般的に説明する。
【0024】パルス波形弁別による重なりパルス排除 前述のように、米国特許第5067090号に示される
デイジタル積分器は正規のパルスと重なりパルスとを区
別するためにパルス波形弁別技術を用いている。この弁
別技術の簡単な概念は次のとおりである。 − 正規のパルスはしきい値を越える2−6個のサンプ
ルを有する。 − しきい値を越える6個を越えるサンプルを有するパ
ルスは重なりパルスである。 この技術は、有効ではあるが、パルス長よりもさらに複
雑な目安に基づく波形弁別を必要とする、あるいはパル
ス長のみを含まない分野に拡張出来る。
【0025】図6に示す一つの分野は重なりを示すパル
スの長さをパルス高の関数とするものである。この実施
例では、特定のパルスのパルスの重なりを決定するに必
要なサンプルの数はパルス29aの高さ29により決ま
る。図示のように、パルス30は高さ10であり、パル
ス31は6であるとする。パルス30は重なりパルスを
決定するために6サンプルの限界を有し、パルス31は
重なりパルスを決定するために4サンプルの限界を有す
るものとする。これは、高さの小さいパルスは予定のし
きい値を越えるサンプルの数が少ないという事実を反映
するものである。この実施例に入る前に、予定の高さ限
界及び対応するサンプル限界のセットを用意する。この
セットは上述のプロセス中にアクセスされる。これは、
しきい値がノイズを区別するために極めて高いレベルに
セットしなければならないような場合に重要である。
【0026】図7は重なり排除のしきい値をパルスピー
ク高さに結び付ける技術の結果を示す。この実施例で
は、パルスサンプルを検出するためのしきい値レベルは
そのパルスの高さに直接に比例する。この方法におい
て、パルスは予定のしきい値を用いて初めに検出され
る。しかしながら、パルス高が決定されてしまうと、し
きい値は検出された高さの一部にリセットされる。これ
は小さいパルスについて適正な重なり排除を補償するも
のである。図7において、しきい値34はパルス高36
に対するものである。この高さの半分のパルスについて
はしきい値は低いレベル35とされる。レベル35はノ
イズによる誤排除を回避するために制限する必要があ
る。これには、パルス列がこの新しいしきい値で再分析
しうるように、パルスの検出(しきい値交差)に先行す
る数サンプルを記憶する必要がある。
【0027】本発明の他の実施例では、しきい値からピ
ークまでの時間が単一パルスの存在を決定するために用
いられる。重なりはしばしばパルスのピークに達する時
間を長引かせる。重なりの排除はピークに達する時間が
長すぎるパルスの検出に基づいても行うことが出来る。
図8は正しい波形のパルス38と正しくない波形のパル
ス37を示す。ピークまでの時間は種々の方法で測定で
きる。 1.最大の高さを有するサンプルの順序を決定すること
が出来る。これはピークへの時間の非常に粗い測定であ
る。 2.ピークの中心は次のように決定できる。 中心 = (sum(Hi*i)/n 但し、iはしきい値を越えるサンプルの数、Hはサンプ
ルの高さ、nはしきい値を越えるサンプルの総数であ
る。別の方法では、しきい値前後の予定数のサンプルを
しきい値計算に用いる。予定の範囲内に中心を有するパ
ルスは受け入れられてそれらの面積そして/またはそれ
らのピークまでの時間が度数分布図に記録される。他の
パルスは排除されそしてそれらの面積そして/またはピ
ークまでの時間が別の度数分布図に記録される。ピーク
への平均時間がパルス波形の調整に使用される。
【0028】図9a及び図9bはパルス波形の弁別のよ
り一般的な方法を示す。この方法では、一つのパルス内
のサンプルが先行するサンプルから予測される値と連続
的に比較される。この方法ではしきい値を越える第1の
サンプルが検出される。第2サンプルの許容値範囲がこ
こで予測される。第2サンプルはこの予測値と比較され
る。このサンプルが予測された範囲内でなければ、フラ
グが立てられる(重なり)。このプロセスは、一つのサ
ンプルがしきい値を下回るまで繰り返される。任意のサ
ンプルが予測された範囲外となると、そのパルスは重な
りとしてフラグを立てられる。パルスのタイプによ
り、”正常”または”重なり”度数分布図は増分され
る。分野によっては重なりパルスは度数分布図に記録せ
ずに計数するだけでよい。
【0029】パルス波形弁別のより精密な方法を図10
に示す。この例ではパルスは種々の条件に基づき弁別さ
れ、記録される。これは核粒子検出器内の異なる事象の
パルス波形特性間の弁別を可能にする。
【0030】さらに他の方法では獲得されたパルスの波
形が予定の波形と比較される。これは、二つのパルスの
比較の前にそれらの面積を正規化することで達成でき
る。これらパルスは、平均変位、二乗平均変位または他
の目安が予定の限界内であるとき一致する。より精緻な
分析は予定のパルス波形と測定された波形との間の相互
相関を作ることにより行うことが出来る。複数のパスル
波形を用いることにより、重なりパルスの排除そして/
またはパルス波形弁別のための複数のパルス波形の弁別
を可能にするものである。
【0031】核信号を区別するためのパルス波形弁別 液体シンチレータを用いた中性子の検出において、中性
子により発生した信号とガンマー線により発生した望ま
しくない信号とを区別することがしばしば必要である。
これら信号は検出器からのパルスの波形において互いに
異なる。図11はアルファー線粒子46、高速中性子
(プロトン)47及びガンマー線48の測定を概略的に
示す。垂直軸は光の強度、水平軸は時間を示す。これら
三つのパルスのすべては少なくとも二つの成分からな
る。これら二つの成分の大きさの比はシンチレーション
物質内の粒子のイオン化密度により決まる。デイジタル
的方法では、これら信号は最大パルス電圧と後の時点
(例えば300Ns後)での電圧との比により区別でき
る。これと同時に、光のほとんどを集めるパルスの適正
な積分が、中性子とガンマー線あるいはアルファー粒子
との間の弁別に影響することなく可能となる。
【0032】本発明の装置及び方法を特定の例によって
説明したが、本発明の概念は中性子多孔性検査装置、炭
素/酸素検査装置、及び多くの非核検査装置のような他
の多くの記録装置に適用可能である。本発明の装置及び
方法は従来の技術と比較して優れた利点をもたらすもの
である。本発明はその公的な実施例について説明され
た。しかしながら、それに限定されるものではない。そ
の基本的な構成の変更、変形は本発明の概念から逸脱す
ることなく行うことが出来る。さらに、それら変更、変
形はこれまでの記載に関連する技術分野における当業者
には明らかである。すべてのそのような変更、変形は本
発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において行われる密度記録装置を示す図
である。
【図2】サンプリングされたパルスを示す図である。
【図3】補償不足のサンプリングされたパルス、正規の
所望の波形を有するサンプリングされたパルス、過補償
のサンプリングされたパルスを示す図である。
【図4】パルス波形を調整するアルゴリズムのフローチ
ャートである。
【図5】パルス波形補償を一定にセットしてカウントレ
ートの関数としての低カウントレート(RR)用の調整
比の例を示す図である。
【図6】パルス高の関数として重なりを示すパルスの長
さを示す図である。
【図7】重なり排除しきい値をパルスピーク高に関連さ
せる例を示す図である。
【図8】パルスの存在を決定するためにしきい値からピ
ークまでの時間を用いる例を示す図である。
【図9】与えられたパルス波形について、サンプルの値
を前のサンプルの値に関係付ける例を示す図である。
【図10】与えられたパルス波形について、サンプルの
値を前のサンプルの値に関係付けるためのフローチャー
トである。
【図11】パルス波形弁別に基づく一般的な重なり排除
のフローチャートである。
【図12】液体シンチレータを用いる中性子分光におけ
るパルス波形弁別の三つの応答を示す図である。
【符号の説明】
10 ガンマー線源 DN,DM,DF ガンマー線検出器 11 シールド物質 NA,MA,FA 信号分析器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリスチャン、ストーラー アメリカ合衆国テキサス州、キングウッ ド、ヘブン、パインズ、4011

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核粒子又はガンマ線と核検出器との反応を
    表すパルス列に含まれる電気的パルスの波形を分析する
    ための、下記段階を含むことを特徴とする方法: a)上記粒子又はガンマ線を検出しそして上記粒子又は
    ガンマ線を表すパルスを含む信号を形成する段階、 b)段階a)で得られるパルスを一定の周波数でサンプ
    リングしてそのパルス列のデイジタル表示を形成する段
    階、 c)予定のしきい値レベルを越える連続するサンプルの
    数を計数することによりそのパルスの長さを測定する段
    階。
  2. 【請求項2】さらに下記段階を含むことを特徴とする請
    求項1の方法: d)前記しきい値を越えるパルスの平均数を計算する段
    階、 e)上記平均パルス数と予定の数とを比較し、その比較
    に基きパルスの長さを調整する段階。
  3. 【請求項3】前記段階c)は第1の予定数の前記しきい
    値を越える連続するサンプルを有するパルスの数を計数
    することにより前記パルスの長さを測定する段階を含ん
    でおり、さらに下記段階を含むことを特徴とする請求項
    1の方法: d)第2の予定数の前記しきい値を越える連続するサン
    プルを有するパルスの第2の数を計数することにより前
    記パルスの長さを測定する段階、 e)上記第2のパルス数に対する上記第1のパルス数の
    比を決定する段階、 f)この比と所要の比とを比較し、その比較に基づき上
    記パルスの長さを調整する段階。
  4. 【請求項4】核粒子又はガンマ線と核検出器との反応を
    表すパルス列に含まれる電気的パルスの波形を分析する
    ための、下記段階を含むことを特徴とする方法: a)上記粒子又はガンマ線を検出しそして上記粒子又は
    ガンマ線を表すパルスを含む信号を形成する段階、 b)段階a)で得られるパルスを一定の周波数でサンプ
    リングしてそのパルス列のデイジタル表示を形成する段
    階、 c)予定のしきい値レベルを越える連続するサンプル群
    の内の最大のサンプルの大きさを決定する段階、 d)重なりパルスを識別し、排除する段階。
  5. 【請求項5】有効サンプル用の前記しきい値は前記段階
    (c)で決定された大きさの予定の部分に等しく調整さ
    れるごとくなった請求項4の方法。
  6. 【請求項6】前記しきい値を越える大きさを有する予定
    の数を越える数のサンプルを有するパルスを重なりパル
    スとして識別するごとくなった請求項4又は5の方法。
  7. 【請求項7】下記段階をさらにふくむ請求項6の方法: e)前記しきい値を越えるすべての連続するサンプルの
    和と上記しきい値の前後の予定の数のサンプルとの和で
    ある、上記パルスの面積を決定する段階、 f)この測定された面積を1以上の予定のパルス波形と
    比較する段階、 g)上記測定された面積と上記1以上の予定のパルス波
    形との間に実質的な一致がない場合に重なりパルスを識
    別する段階。
  8. 【請求項8】下記段階をさらに含む請求項6の方法: e)前記しきい値を越えるすべての連続するサンプルの
    和と上記しきい値の前後の予定の数のサンプルとの和で
    ある、上記パルスの面積を決定する段階、 f)予定数(n)のサンプルについて、n+1番目のサ
    ンプルを含むとき得られるべき面積を予測する段階、 g)n+1番目のサンプルを含む前記測定された面積と
    上記n+1番目のサンプルを含む上記予測された面積と
    を比較する段階、 h)上記測定された面積が予定の範囲の上記予測された
    面積を外れたとき重なりパルスを識別する段階。
  9. 【請求項9】前記段階(c)はさらに予定のしきい値を
    越える第2の連続するサンプル群内の第2サンプルの大
    きさを決定する段階及び前記最大のサンプルの大きさと
    上記第2サンプルの大きさの比を形成する段階を含み、
    前記段階(d)はさらにその比が予定の数より小さいと
    き重なりパルスを識別する段階を含むごとくなった請求
    項4の方法。
  10. 【請求項10】しきい値を越える予定の数の連続するサ
    ンプルから、前記段階(c)はパルスの時間対ピークを
    測定する段階及びその測定された時間対ピークが予定の
    時間対ピーク範囲内であるかどうかを決定する段階を含
    み、前記段階(d)は上記時間対ピークの測定値が上記
    予定の範囲外のとき重なりプルスを識別する段階を含む
    ごとくなった請求項4の方法。
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