JPH11115082A - 生物付着防止性積層体 - Google Patents

生物付着防止性積層体

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JPH11115082A
JPH11115082A JP27707497A JP27707497A JPH11115082A JP H11115082 A JPH11115082 A JP H11115082A JP 27707497 A JP27707497 A JP 27707497A JP 27707497 A JP27707497 A JP 27707497A JP H11115082 A JPH11115082 A JP H11115082A
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JP
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compound
biofouling
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copper
organic
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JP27707497A
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Yoshinori Ishibashi
美紀 石橋
Tsutomu Yamamoto
勉 山本
Masao Seki
昌夫 関
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間生物付着性防止性が高い積層体の提
供。 【解決手段】繊維布帛など基材の少なくとも一部の面
に、生物付着防止性能を有する無機系化合物、及び有機
系化合物を含む樹脂組成物からなる多孔性層が被覆して
いることを特徴とする生物付着防止性積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物付着防止性積
層体に関するものである。特に水棲汚損生物の付着防止
性にすぐれた積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フジツボやムラサキイガイ、アオサとい
った水棲汚損生物が、海洋構造物多量に付着した場合、
産業上著しい不都合が生じる。例えば船舶に付着した場
合、航行時の摩擦力増加のため、燃料が必要以上浪費さ
れ、また定置網、養殖網に付着した場合、重量増加のた
めに網自体が沈降したり、引き上げ時に多大な労力が必
要になる。また発電所の取水管への付着も大きな障害を
引き起こしている。これらの問題を解決するために従来
から有機錫系化合物を含む防汚塗料を船舶や漁網、布帛
に塗装する方法が広く行われてきた。
【0003】しかしながら近年、有機錫化合物の魚介類
への蓄積が世界的に指摘され、有機錫化合物にかわる有
効な汚損生物付着防止システムへの期待が高まっている
が、現在までにそれに代わる方法は開発されていないの
が実状である。最近では魚介類への影響が、有機錫化合
物より比較的小さいとされる銅系化合物が再び注目され
始めている。
【0004】本発明の生物付着防止性積層体とは、汚濁
防止膜、オイルフェンス用基布、生け簀フロートカバー
等、シート状の海洋構造物全般に使用できるものである
が、本発明は特に汚濁防止膜用途に優れている。汚濁防
止膜とは港湾で護岸工事などをする際、海中にカーテン
状に囲むように設置し、汚濁水の拡散を防止するもので
ある。汚濁防止膜のようなシート状の海洋構造物に防汚
塗料を塗布した場合、船舶や発電所取水管等、堅い海洋
構造物に塗布した場合とは異なる問題点がある。
【0005】すなわち、汚濁防止膜は繊維布帛であるの
で柔らかく、船底塗料に広く使用されてきたような従来
の銅系化合物とバインダー樹脂からなる防汚塗料を塗布
したのみでは、塗料の追随性がなくいため樹脂が脱落し
やすい、堅く取り扱いにくい等の問題点があった。
【0006】一方、防汚効果の面では、汚濁防止膜の使
用される海域、季節、使用期間によって付着する生物は
様々に異なるが、すべての付着生物に効果のある薬剤は
未だ見いだされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点に対して、防汚効果の長期化ととも
に、柔軟化、軽量化の工夫をすることで、効果の持続性
に優れ、かつ取り扱い性に優れた生物付着防止性積層体
を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために、次のような構成からなる。
【0009】1.「基材の少なくとも片面に、生物付着
防止性能を有する無機系化合物、及び有機系化合物を含
む樹脂組成物からなる多孔性層が被覆していることを特
徴とする生物付着防止性積層体。」 2.「該無機系化合物が、銅系化合物である前記生物付
着防止性積層体。
【0010】3.「該有機系化合物が、有機ハロゲン系
化合物、有機窒素硫黄系化合物の少なくとも1種であ
る、前記いずれかの生物付着防止性積層体。」 4.「該無機系化合物の配合比が、樹脂組成物に対して
20〜80重量%である前記いずれかの生物付着防止性
積層体。」 5.「該有機系化合物の配合比が、樹脂組成物に対して
0.01〜10重量%である前記いずれかの生物付着防
止性積層体。」 6「該樹脂組成物からなる多孔性層がその表面に孔径5
〜250μmの孔を20個/mm2以上もつものである
前記いずれかの生物付着防止性積層体。」 7.「該多孔性樹脂が、3g/cm3以下の密度を有する
ものである前記いずれかの生物付着防止性積層体。」 8.「該多孔性層が透水性を有するものである前記いず
れかの生物付着防止性積層体。」 9.「基材が繊維布帛である前記いずれかの生物付着性
積層体。」 10.「多孔性を有し、生物付着防止性能を有する無機
系化合物及び有機系化合物を含む樹脂組成物からなる生
物付着防止性被覆膜。」である。
【0011】
【発明の実施の形態】生物付着防止性を有する無機系化
合物及び有機系化合物を組み合わせることで、目的とす
る付着生物に応じた、用途別の生物付着防止性積層体を
提供できること、さらに繊維布帛に、多孔性樹脂ととも
に被覆することによって、海水と接する防汚剤の表面積
が増加し、防汚剤の量がたとえ少量でも、高い防汚効果
を得ることができ、さらに柔軟性、取り扱い性に優れた
生物付着防止性積層体を提供することができることを究
明したものである。
【0012】本発明においては、基材として、金属、
木、プラスチックス、セラミックス、繊維、およびそれ
らが表面処理された材料が例示され、好ましくは繊維布
帛が使用できる。
【0013】そして、本発明においては生物付着防止性
能を有する無機系化合物、及び生物付着防止性能有機系
化合物を含む樹脂組成物からなる多孔性層が基材の少な
くとも一部の面に被覆している。生物付着防止性能を有
する無機系化合物としては、効果があれば特に制約を受
けないが、特に金属として、銅、銀、亜鉛、錫、ニッケ
ル等、またこれらの金属の酸化物、硫化物、合金とし
て、亜酸化銅、ロダン銅、銅ニッケル合金等が挙げられ
るが銅系化合物が特に好ましく使用される。一般に防汚
効果の高い化合物は、魚介類や海底への蓄積といった海
洋環境への悪影響が大きいが、銅系化合物は防汚効果が
高い割に、比較的海洋環境への悪影響は少ないという利
点がある。このような銅化合物のなかでも、純銅、亜酸
化銅、ロダン銅、及び銅ニッケル合金から選ばれた少な
くとも一種を使用するのが好ましい。これらの化合物は
様々な形状のものが製造されており、例えば電解により
粉末樹脂状に析出させて作られる電解粉(純銅)、溶融
金属を飛散凝固させ、粉化して作られるアトマイズ粉
(銅ニッケル合金等)がある。これらの粉体は球状を様
々に加工することによって、海水への溶出速度をコント
ロールすることができる。
【0014】また生物付着防止性能を有する有機系化合
物とは、効果があれば特に制約を受けないが、特に有機
ハロゲン系化合物、有機窒素硫黄系化合物の少なくとも
1種であることが好ましい。例えば、ジメチルジチオカ
ルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、2−
n−オクチル−4−イソチアゾリン−33−オン、N−
(2′,6′,−ジエチルフェニル)2,3−ジクロロ
マレイミド、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパギ
ルホルマール、ジヨードメチル−p−トリスルホン、2
−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロ
ピルアミノ−s−トリアジン、2,4,5,6−テトラ
クロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロ
フェニル尿素、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−
3(2H)イソチアゾロン、N−(フルオロジクロロメ
チルチオ)フタルイミド、N,N′−ジメチル−N′−
フェニル−(N−フルオロジクロロメチルチオ)スルフ
ァミド、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛塩、
2−ピリジンチオール−1−オキシド銅塩、テトラメチ
ルチウラムジサルファイド、2,3,5,6−テトラク
ロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、3−ヨード
−2−プロピニルブチルカーバメート、ビスジメチルジ
チオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメー
ト、ピリジン−トリフェニルボラン、2,4−チアゾリ
ルベンツイミダゾール、マンガニーズエチレンビスジチ
オカーバメート、ジンクエチレンビスジチオカーバメー
ト、フェニル(ビスピリジル)ビスマスジクロライド等
が挙げられる。
【0015】生物付着防止性を有する無機系化合物及び
有機系化合物の樹脂組成物への配合比率について以下に
示す。無機系化合物は多孔性樹脂中、固形分で好ましく
は、20〜80重量%、20〜70重量%さらに好まし
くは40〜68重量%である。これは少ないと防汚効果
が低下し、多いと積層体の柔軟性が低下するからであ
る。 有機系化合物は樹脂組成物中、好ましくは、
0.01〜10重量、さらに好ましくは1〜5重量%で
ある。有機系化合物は無機系化合物に比べ単位体積当た
りの重量が小さいので少量の添加量でも効果が現れる。
【0016】生物付着防止性を有する無機化合物と有機
系化合物の配合重量比(無機化合物/有機化合物)は、
下の値として、0.5、1、2、5の順に好ましく、一
方上の値として1000、300、100、50、20
の順に好ましい。この範囲で顕著な生物付着防止性が得
られる。
【0017】用途別の生物付着防止性積層体における生
物付着防止材料の効果の具体例を以下で説明する。
【0018】目的の生物がアオサやワカメ等の植物性の
藻類の場合、有機系化合物としては2,4,5,6−テ
トラクロロイソフタロニトリル、ピリジン−トリフェニ
ルボラン、無機系化合物としては亜酸化銅、ロダン銅、
銅ニッケル合金の使用が特に有効である。藻類は特に冬
場に発生するため、冬場の海洋資材用としてこれらの化
合物は優れている。また、目的の生物がフジツボ、ムラ
サキイガイ、カサネカンザシ等の動物性の貝類の場合、
有機系化合物としては2−ピリジンチオール−1−オキ
シド亜鉛塩、2−ピリジンチオール−1−オキシド銅
塩、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミ
ド、N,N′−ジメチル−N′−フェニル−(N−フル
オロジクロロメチルチオ)スルファミド、無機系化合物
としては亜酸化銅、ロダン銅の使用が特に有効である。
藻類は特に冬場に発生するため、冬場の海洋資材用とし
てこれらの化合物は優れている。貝類は特に夏場に発生
するため、夏場の海洋資材用としてこれらの化合物は優
れている。
【0019】また、防汚効果を1年以上期待する場合
は、上述の植物性/動物性に利く化合物を、適宜組み合
わせることが最も望ましい。
【0020】本発明の多孔性層においては、孔は細か
く、また均一であるのが好ましく、樹脂表面の孔につい
ては、望ましくは、孔径5〜250μmの孔が20個/
mm2以上、さらに望ましくは12〜75μm孔が20
0個/mm2以上表面に存在するのがよい。
【0021】また樹脂内部の孔については、連続してい
ること、つまり結局透水性であるのが望ましい。このよ
うな多孔性樹脂の密度は3.0g/cm3以下であるのが
よいが、樹脂内部の中空部分が大きくなりすぎると、密
度低下にともない、樹脂強度が低下するので、さらに望
ましくは0.4g/cm3以上3.0g/cm3以下である
のがよい。
【0022】本発明における多孔性層を構成する樹脂組
成物は、生物付着防止性を有する無機系化合物及び有機
系化合物と原料樹脂とを混合して得られる。多孔性層に
おける孔の生成方法としては、樹脂組成物の溶液または
分散液に界面活性剤を入れて泡立て、そのまま布帛にコ
ーティング、乾燥して製造する方法、混合樹脂にアゾジ
カルボンアミド等の発泡剤を入れて基材にコーティング
した後、乾燥時に熱で後発泡させて製造する方法等があ
る。
【0023】このような多孔性樹脂組成物を提供する樹
脂としては任意であるが、例えばアクリル系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びウレタン系樹
脂、から選ばれた少なくとも1種を好ましく使用するこ
とができが、孔を生成することができる樹脂であれば、
特に制約を受けない。
【0024】本発明による生物付着防止性積層体は、海
水に長期間接触して使用される汚濁防止膜、オイルフェ
ンス用基布、生け簀フロートカバー等、シート状の海洋
構造物全般に使用することができる。また、使用してい
る防汚剤の多くは、淡水中における付着生物にも効果が
あるので、水中資材全般に使用して差し支えない。
【0025】さらに、水中資材のみならず抗菌、防カビ
効果の期待される靴底、壁紙等の生活資材に応用するこ
ともできる。
【0026】本発明の積層体は、生物付着防止性を有す
る無機系化合物及び有機系化合物を含有する多孔性の樹
脂を被膜とすることにより、極めて高い生物付着防止性
およびその高寿命化が得られるとともに、必要に応じて
積層体の柔軟化、軽量化もすることができるものであ
る。
【0027】
【実施例】以下実施例をあげて本発明を具体的に説明す
る。
【0028】実施例1 アクリル系樹脂溶液、架橋剤、増粘剤、及び発泡助剤
(ノニオン系界面活性剤)を、固形分で40:3:2:
5の割合で混合し、主剤とした。この中に併用防汚剤と
して、亜酸化銅、2,4−チアゾリルベンツイミダゾー
ルを主剤中の固形分に対してそれぞれ45重量%、5重
量%混合し、よく攪拌した。この混合樹脂を、ハンドミ
キサーで空気を送りながら泡立て2倍体積に起泡させ
た。起泡した混合樹脂をクリアランス40μmで、目付
が330g/m2 の平織り組織であるポリエステルフィ
ラメント布帛上にコーティングした。クリアランスとは
布帛とドクターナイフとの隙間のことをさす。この布帛
を、80℃で3分乾燥させた後、2本ゴムロールにて、
線圧1トン/mの条件で積層体を若干つぶした。した。
裏面に再度同条件でコーティング、乾燥、積層体を若干
つぶした後、135℃で3分キュアーリングした。詳細
を表1に示す。
【0029】実施例2〜8 実施例1と同じ処方で、有機系防汚剤として2,4−チ
アゾリルベンツイミダゾールの代わりに 2,4,5,
6−テトラクロロイソフタロニトリル(実施例2)、ピ
リジン−トリフェニルボラン(実施例3)、N,N−ジ
メチルジシクロフェニル尿素(実施例4)、2−ピリジ
ンチオール−1−オキシド亜鉛塩(実施例5)、2−ピ
リジンチオール−1−オキシド銅塩(実施例6)、N−
(フルオロジクロロメチルチオ)フラルイミド(実施例
7)、N,N′−ジメチル−N′−フェニル−(N−フ
ルオロジクロロメチルチオ)スルファミド(実施例8)
を、主剤中の固形分に対して5重量%混合し、実施例2
〜8を製造した。同じく詳細を表1に示す。
【0030】実施例9〜14 実施例1と同じ処方で、亜酸化銅の代わりに純銅を、
2,4−チアゾリルベンツイミダゾールの代わりに、
2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル(実
施例9)、ピリジン−トリフェニルボラン(実施例1
0)、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛塩(実
施例11)、2−ピリジンチオール−1−オキシド銅塩
(実施例12)、N−(フルオロジクロロメチルチオ)
フラルイミド(実施例13)、N,N′−ジメチル−
N′−フェニル−(N−フルオロジクロロメチルチオ)
スルファミド(実施例14)を主剤中の固形分に対して
それぞれ45重量%、5重量%混合し、実施例9〜14
を製造した。同じく詳細を表1に示す。
【0031】実施例15〜16 実施例1と同じ処方で、亜酸化銅の代わりにロダン銅
(実施例15)、銅ニッケル合金(実施例16)を、
2,4−チアゾリルベンツイミダゾールの代わりに2,
4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルを主剤中
の固形分に対してそれぞれ45重量%、5重量%混合
し、実施例15〜16を製造した。同じく詳細を表1に
示す。
【0032】実施例17〜19 実施例2と同じ処方で、アクリル系樹脂の代わりにポリ
エステル系樹脂(実施例17)、ポリアミド系樹脂(実
施例18)、ポリウレタン系樹脂(実施例19)を用
い、実施例17〜19を製造した。同じく詳細を表1に
示す。
【0033】比較例1 アクリル系樹脂、架橋剤、増粘剤、及び発泡助剤(ノニ
オン系界面活性剤)を、固形分で40:3:2:5の割
合で混合し、主剤とした。この中に単独防汚剤として、
亜酸化銅を、主剤中の固形分に対して50重量%混合
し、よく攪拌した。この混合樹脂を、ハンドミキサーで
空気を送りながら泡立て2倍体積に起泡させた。気泡し
た混合樹脂をクリアランス40μmで、目付が330g
/m2 の平織り組織であるポリエステルフィラメント布
帛上にコーティングした。この布帛を、80℃で3分乾
燥させた後、裏面に再度同条件でコーティング、乾燥
し、135℃で3分キュアーリングした。詳細を表2に
示す。
【0034】比較例2〜13 比較例1と同じ処方で、亜酸化銅の代わりに11種の単
独防汚剤を用いて比較例2〜13を製造した。同じく詳
細を表2に示す。
【0035】比較例14 アクリル系樹脂、架橋剤、増粘剤、及び発泡助剤(ノニ
オン系界面活性剤)を、固形分で40:3:2:5の割
合で混合し、主剤とした。この中に併用防汚剤として亜
酸化銅と2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニト
リルを、主剤中の固形分に対してそれぞれ45重量%、
5重量%混合し、よく攪拌した。この混合樹脂を起泡さ
せずにそのまま目付が330g/m2 の平織り組織であ
るポリエステルフィラメント布帛上にコーティングし
た。この布帛を、80℃で3分乾燥させた後、裏面に再
度同条件でコーティング、乾燥し、135℃で3分キュ
アーリングした。詳細を表2に示す。
【0036】比較例15〜16 比較例14と同じ処方で、2,4,5,6−テトラクロ
ロイソフタロニトリルの代わりに2種の有機系防汚剤を
用いて比較例15〜16を製造した。同じく詳細を表2
に示す。
【0037】比較例17 比較例1と同じ処方で、防汚剤を用いず、主剤のみ布帛
にコーティングし、比較例17を製造した。同じく詳細
を表2に示す。
【0038】実施例1〜19、比較例1〜17について
表面孔数、樹脂密度、透水性について評価した。
【0039】(表面孔数の評価)表面孔数は、明石走査
型電子顕微鏡を用いて、40倍で樹脂表面を撮影し、写
真中1mm角に存在する5〜250μmの孔の数を目視
で数える作業を3カ所で行い、その平均をとった。結果
は表1、2に示されている。
【0040】(樹脂密度の評価)樹脂密度は、多孔性樹
脂層を布帛からていねいに剥がし、5cm角に樹脂層を
切り、その厚みを明石走査型電子顕微鏡で測定し、多孔
性樹脂層の質量を体積(孔を含む)で割ることによっ
て、樹脂密度を出した。詳細は表1、2に示されてい
る。
【0041】(透水性の評価)透水性は、JISL10
92に基づいて耐水度を測定し、耐水度が1700mm
2Oより下であれば透水性は有、1700mmH2O以
上であれば透水性は無、と判断した。詳細は表1、2に
示されている。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】(防藻・防貝効果の評価)防藻・防貝効果
は三重県尾鷲湾において、海中浸漬試験行い評価した。
海中浸漬試験は、実施例1〜19及び比較例1〜16つ
いて、試験開始時期が冬場の12月からのA群、夏場の
6月からのB群2つの実験群について評価した。試験開
始時期が冬場である場合、対象の付着生物はアオサやワ
カメ等の植物性の藻類、試験開始時期が夏場である場
合、対象の付着生物はフジツボやムラサキイガイ等の動
物性の貝類である。試験開始時期を変えることによっ
て、実施例1〜19及び比較例1〜16が植物/動物性
付着生物のどちらにより効果があるか評価することがで
きる。浸漬方法は、サンプルを1辺が50cmの正方形
で枠の直径が10mmのステンレス枠に取り付け、海面
下1.5mの位置に吊し、生物付着状況を目視で評価し
た。評価項目は1.生物付着面積(%)、2.植物/動
物性付着生物の比(%)/(%)、について評価した。
詳細を表3から6に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】冬場に試験を開始したA群において(表3
・4参照)、防汚剤の無いブランクサンプルである比較
例17は、実験開始直後から、植物性付着生物が多く付
着したのに対し、実施例 1〜19は1年間生物付着は
認められず、優れた防汚効果があった。夏場に試験を開
始したB群において(表5・6参照)、防汚剤の無いブ
ランクサンプルである比較例17は、実験開始直後か
ら、A群に比べて、動物性付着生物が多く付着したのに
対し、実施例 1〜19は1年間生物付着は認められ
ず、優れた防汚効果があった。
【0050】以上の結果から実施例1〜19の本発明に
よる生物付着防止性積層体は比較例に比べていずれも優
れた防汚効果を持続していることが確認される。
【0051】
【発明の効果】本発明によって得られた生物付着防止性
積層体は長期間防藻・防貝の効果を持続させることがで
きる。また樹脂層が多孔性のために、柔軟性に優れる方
向となり縫製や運搬時の取り扱い性が向上する。従来の
海洋資材用シートが抱えていた、引き上げ、交換、洗浄
等にかかる材料の損害を著しく軽減させることができ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一部の面に、生物付着
    防止性能を有する無機系化合物、及び有機系化合物を含
    む樹脂組成物からなる多孔性層が被覆していることを特
    徴とする生物付着防止性積層体。
  2. 【請求項2】 該無機系化合物が、銅系化合物である請
    求項1記載の生物付着防止性積層体。
  3. 【請求項3】 該有機系化合物が、有機ハロゲン系化合
    物、有機窒素硫黄系化合物の少なくとも1種である、請
    求項1または2記載の生物付着防止性積層体。
  4. 【請求項4】 該無機系化合物の配合比が、樹脂組成物
    に対して20〜80重量%である請求項1〜3いずれか
    に記載の生物付着防止性積層体。
  5. 【請求項5】 該有機系化合物の配合比が、樹脂組成物
    に対して0.01〜10重量%である請求項1〜4いず
    れかに記載の生物付着防止性積層体。
  6. 【請求項6】 該樹脂組成物からなる多孔性層がその表
    面に孔径5〜250μmの孔を20個/mm2以上もつ
    ものである請求項1から5いずれか記載の生物付着防止
    性積層体。
  7. 【請求項7】 該多孔性樹脂が、3g/cm3以下の密度
    を有するものである請求項1〜6のいずれかに記載の生
    物付着防止性積層体。
  8. 【請求項8】 該多孔性層が透水性を有するものである
    請求項1〜6のいずれかに記載の生物付着防止性積層
    体。
  9. 【請求項9】 基材が繊維布帛である請求項1〜8いず
    れかの生物付着性積層体。
  10. 【請求項10】多孔性を有し、生物付着防止性能を有す
    る無機系化合物及び有機系化合物を含む樹脂組成物から
    なる生物付着防止性被覆膜。
JP27707497A 1997-10-09 1997-10-09 生物付着防止性積層体 Pending JPH11115082A (ja)

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