JPH11114979A - 眼用レンズ材料の成形装置及びそれを用いた成形方法 - Google Patents

眼用レンズ材料の成形装置及びそれを用いた成形方法

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JPH11114979A
JPH11114979A JP9281858A JP28185897A JPH11114979A JP H11114979 A JPH11114979 A JP H11114979A JP 9281858 A JP9281858 A JP 9281858A JP 28185897 A JP28185897 A JP 28185897A JP H11114979 A JPH11114979 A JP H11114979A
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lens material
mold
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Keiji Yamashita
恵治 山下
Tatsuya Koshio
達也 小塩
Toru Kawaguchi
徹 河口
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Menicon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モールド重合法にて眼用レンズ材料を成形す
るための装置の型構造の簡略化を図ると共に、転写性よ
く、均一なレンズ形状を実現すること。 【解決手段】 下型基部と、眼用レンズ材料の一方の面
に対応する下型成形面が先端に形成された下型柱状部と
を有する下型6と、前記中空孔を二つに仕切るように該
中空孔の上部側部位に嵌め込まれ、前記下型基部との間
にモノマー組成物を充填する中間室18を形成する一
方、該中空孔上部開口側に前記モノマー組成物を収容す
る外側収容室20を形成する上型基部と、前記眼用レン
ズ材料の他方の面に対応する上型成形面が形成された上
型柱状部とを有し、更に連通部24を有する成形キャビ
ティ22が前記上下の型成形面間に形成されている上型
8と、前記上型基部を上下に貫通し且つその周りに等間
隔に位置するように設けられた、三つ以上の貫通孔16
とから構成せしめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、眼用レンズ材料の成形装置及び
それを用いた成形方法に係り、特に、眼内レンズやコン
タクトレンズ等の眼用レンズ若しくはその前駆体の形状
を呈する眼用レンズ材料を、それを構成する重合生成物
を与えるモノマー組成物を成形キャビティ内において重
合せしめることによって、成形するようにした装置、並
びにそのような装置を用いて、その成形キャビティ内に
おいて所定のモノマー組成物を重合せしめることによ
り、目的とする眼用レンズ材料を成形するようにした方
法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、眼内レンズやコンタクトレンズ
等の眼用レンズ若しくはその前駆体の形状を呈する眼用
レンズ材料は、それを構成する重合生成物からなる棒状
体やブロックの如き、所定の形状物から切断、切削、研
磨等の機械加工によって形成される方法の他、そのよう
な重合生成物を与えるモノマー組成物を所定の成形装置
(成形型)の成形キャビティ内において重合せしめるこ
とにより、かかる成形キャビティに対応した形状を有す
る成形品を得ることからなる、所謂モールド重合法によ
って、形成されることが知られている。
【0003】例えば、かかるモールド重合法によって、
目的とする眼用レンズ材料を得る方法の一つとして、特
開平7−52168号公報には、その図1〜図3に示さ
れるように、容器内に収容されたモノマー溶液中に、上
型と下型からなる成形型を浸漬せしめ、それら上型と下
型との間に形成される成形キャビティ内に存在するモノ
マー溶液を、上型を透過して導かれる放射線束によって
重合せしめることにより、成形キャビティの形状に対応
した重合生成物からなる眼用レンズ材料を得るようにし
た手法が明らかにされているが、そこでは、成形型の周
囲に存在するモノマー溶液の重合を阻止するために、上
型を透過せしめられる放射線束が漏洩しないように、上
型を確実にシールドする必要があり、また、重合後にお
いては、上型を型開きする必要がある等、成形型に種々
なる工夫を加える必要があり、そのために、型構造が複
雑となることに加えて、重合後において、成形された眼
用レンズ材料がモノマー溶液中から取り出されることと
なるために、かかる眼用レンズ材料からの残留モノマー
の除去作業が必要となり、作業が面倒となる問題があ
り、また、重合時においては、成形型の周りに存在する
モノマー溶液から、1種若しくはそれ以上のモノマーが
揮発してしまい、それによって、モノマー溶液の組成変
動、ひいては得られる眼用レンズ材料の組成変動を惹起
する等の問題が内在している。
【0004】また、特開平7−256658号公報に開
示の光学レンズを製造する方法及び装置によれば、二つ
のモールドハーフ(半型)のうちの一方を、ピストンの
ように移動可能と為し、それら二つのモールドハーフの
間に所定の成形キャビティが形成されるようにした、反
復使用可能な成形用型を用い、それら二つのモールドハ
ーフの間に形成される成形キャビティ内に、注入ノズル
等から、所定のモノマー組成物を注入する一方、成形キ
ャビティ内の空気を排除して、モノマー組成物にて成形
キャビティを充填せしめた後、重合を行なうことによ
り、目的とするコンタクトレンズ(光学レンズ)が形成
されることとなるが、このような手法にあっても、一方
のモールドハーフの移動機構やモノマー溶液の注入機構
の配設等において、型構造が複雑となる上に、注入され
たモノマー溶液が実質的に滞留することとなる流出口の
容量が充分でないところから、成形キャビティ内でのモ
ノマー溶液の重合に伴う収縮を効果的に補償することが
困難となり、そのために、成形キャビティ内におけるモ
ノマー溶液の流動性が悪くなって、得られるコンタクト
レンズの形状が不均一となってしまう問題を内在してい
る。即ち、成形面たる成形キャビティ内面へのモノマー
溶液の供給が不充分となって、得られる成形品(コンタ
クトレンズ)の表面に凹凸が生じてしまい、目的とする
レンズ面が形成され得ないのである。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、モールド重合法にて眼用レンズ材料を成形する
ための装置において、その型構造の簡略化を図ることに
あり、また重合収縮の際の眼用レンズ成分たるモノマー
組成物の流動性を向上させ、かかる眼用レンズ成分を均
一に成形キャビティ内に供給し得るようにすることによ
り、成形キャビティ内面(成形面)の転写性を高めて、
得られる眼用レンズ材料の表面を均一なものとすること
にある。
【0006】
【解決手段】そして、本発明は、かかる課題を解決する
ために、(a)眼用レンズ若しくはその前駆体の形状を
呈する眼用レンズ材料を、それを構成する重合生成物を
与える液状のモノマー組成物を成形キャビティ内におい
て重合せしめることにより、成形するようにした装置に
して、(b)前記モノマー組成物が収容される中空孔を
備えた筒状本体と、(c)該筒状本体の中空孔の下部開
口を閉塞するように該中空孔の下部に配置された下型基
部と、該中空孔内において該下型基部の上面より上方に
向かって延びるように立設され、先端面に前記眼用レン
ズ材料の一方の面に対応する下型成形面が形成されてな
る下型柱状部とを有し、且つ該下型柱状部の周りが空間
とされている下型と、(d)前記筒状本体の中空孔の上
部側部位に嵌め込まれて、該中空孔を二つに仕切り、該
下型の前記下型基部との間に前記モノマー組成物が充填
される中間室を形成する一方、該中空孔の上部開口側
に、前記モノマー組成物が収容される外側収容室を形成
する盤状の上型基部と、該中空孔内において該上型基部
の下面より下方に向かって延びるように立設され、先端
面に前記眼用レンズ材料の他方の面に対応する上型成形
面が形成されてなる上型柱状部とを有し、且つ該上型柱
状部の周りが空間とされていると共に、該上型柱状部の
上型成形面と前記下型柱状部の下型成形面との間に前記
成形キャビティが形成され、更に該成形キャビティの外
周部の全周に亘って、前記中間室から該成形キャビティ
に前記モノマー組成物を導く連通部が形成されるように
構成した上型と、(e)該上型の上型基部に対して、そ
れを上下に貫通するように且つ前記上型柱状部の周りに
等間隔に位置するように、設けられた、前記外側収容室
から前記中間室に前記モノマー組成物を導く三つ以上の
貫通孔と、を含むことを特徴とする眼用レンズ材料の成
形装置を、その要旨とするものである。
【0007】すなわち、このような本発明に従う眼用レ
ンズ材料の成形装置にあっては、上型の上型基部に設け
られた三つ以上の貫通孔を通じて、モノマー組成物が中
間室内に導かれ、更に成形キャビティ内に導入されて、
充填せしめられる一方、それら中間室や成形キャビティ
内の気体の脱気が、それら貫通孔を通じて行なわれ得る
ところから、かかる貫通孔がモノマー導入孔と脱気孔と
を兼ねることとなるのであり、また、従来の如き特別の
シールド手段や移動機構等を設ける必要もないところか
ら、型構造の簡略化が有利に達成され得ることに加え
て、更に、上型の上型柱状部の周りに三つ以上の貫通孔
が等間隔に位置せしめられ、従って成形キャビティの周
りに貫通孔が等間隔に位置して、モノマー組成物が供給
されることとなるところから、そのようなモノマー組成
物の供給が均一化され、しかも成形キャビティの周りに
モノマー組成物が充填された中間室が存在するために、
重合収縮の際の眼用レンズ成分たるモノマー組成物の流
動性が効果的に向上せしめられ、以てかかる眼用レンズ
成分を均一に成形キャビティ内に供給し得ることとな
り、それ故に、得られる眼用レンズ材料の表面を均一な
ものとすることが出来るのである。
【0008】なお、かくの如き本発明に従う眼用レンズ
材料の成形装置の好ましい態様の一つによれば、前記筒
状本体の中空孔の上部開口を覆うように、覆蓋手段が設
けられており、これによって、前記上型の上型基部の外
側に形成される外側収容室が外部(大気)から遮断され
るようになっている。このような覆蓋手段を設けること
によって、重合時におけるモノマーの揮散が効果的に阻
止され、以てモノマー組成物の組成変化、ひいては均一
な組成の眼用レンズ材料を有利に得ることが出来るので
ある。
【0009】また、本発明に従う眼用レンズ材料の成形
装置の好ましい態様の他の一つによれば、前記覆蓋手段
と前記外側収容室に収容される前記モノマー組成物の液
面との間に、気体の存在し得る空間が形成されるように
構成され、そのような空間の存在によって、重合時に惹
起される圧力変化を緩衝せしめることにより、重合収縮
の緩和が、より効果的に為され得るようにされる。
【0010】さらに、本発明に従う眼用レンズ材料の成
形装置にあっては、前記筒状本体の中空孔内において、
前記上型の上型基部と前記下型の下型基部との間に位置
するように、円筒状のスペーサが配置せしめられ、互い
に対向させられる前記上型柱状部の先端の上型成形面と
前記下型柱状部の先端の下型成形面との間の間隔が規制
されるようにした構成が、有利に採用されることとな
る。
【0011】そして、本発明は、上述の如き眼用レンズ
材料の成形装置を用いた成形方法として、眼用レンズ若
しくはその前駆体の形状を呈する眼用レンズ材料を、そ
れを構成する重合生成物を与える液状のモノマー組成物
を成形キャビティ内において重合せしめることにより、
成形するに際して、上記した本発明に従う成形装置を用
い、該成形装置の筒状本体の中空孔内に、前記モノマー
組成物を供給することにより、かかるモノマー組成物
を、前記外側収容室から前記貫通孔を通じて前記中間室
内に導き、更に該中間室から前記連通部を通じて前記成
形キャビティ内に導いて、該成形キャビティ内及び中間
室内を該モノマー組成物にて充満せしめ、そして前記外
側収容室にも収容せしめた後、重合操作を施し、それら
成形キャビティ、中間室及び外側収容室内に存在するモ
ノマー組成物を重合せしめて、一体の重合物を得、更に
その後、かかる重合物から、前記成形キャビティ内に形
成された眼用レンズ材料を取り出すことを特徴とする眼
用レンズ材料の成形方法をも、その要旨とするものであ
る。
【0012】また、このような本発明に従う眼用レンズ
材料の成形方法においては、有利には、前記外側収容室
に収容されたモノマー組成物の液面上に、気体の存在し
得る空間、特に好ましくは外部から仕切られた密閉空間
を形成せしめた状態下において、前記重合操作が進行せ
しめられ、これによって重合時における圧力変化を緩衝
せしめて、重合収縮の緩和がより効果的に為され得るよ
うにされる。
【0013】さらに、本発明に従う眼用レンズ材料の成
形方法の他の好ましい態様によれば、前記モノマー組成
物を前記中間室及び前記成形キャビティに導入せしめた
後、前記重合操作に先立って、減圧環境下に保持するこ
とにより、少なくとも前記成形キャビティ内に存在する
気泡が除去せしめられ、以てそのような気泡の存在によ
る成形不良の問題の発生が回避されることとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る眼用レンズ材
料の成形装置及びそれを用いた成形方法について、添付
の図面を参照しながら、詳細に説明することとする。
【0015】先ず、図1に示される本発明に従う成形装
置の一つにおいて、2は、円筒状の型本体であり、その
中空孔4内に、下型6と上型8とが、円筒状のスペーサ
部材10にて所定の離隔関係が維持されつつ、嵌入せし
められ、以て目的とする成形装置(成形型)が組み立て
られている。
【0016】具体的には、かかる成形装置を構成する下
型6は、図1及び図2に示されている如く、厚肉円盤状
乃至は円柱状の下型基部6aと、その上面より上方に向
かって延びるように所定長さにおいて立設された円柱状
の下型柱状部6bとを有しており、この下型柱状部6b
の先端面に、目的とする眼用レンズ材料の一方の面に対
応する下型成形面12が形成されていると共に、この下
型柱状部6bの周りが空間とされている。また、図1か
ら明らかな如く、かかる下型6は、その下型基部6aに
おいて、型本体2の中空孔4の下部に液密に嵌め込ま
れ、以て中空孔4の下部開口が閉塞せしめられている。
【0017】一方、上型8は、図1や図3から明らかな
ように、円板状の上型基部8aと、その下面より下方へ
向かって延びるように所定長さにおいて立設された円柱
状の上型柱状部8bとから構成されており、その上型柱
状部8aの先端面には、目的とする眼用レンズ材料の他
方の面に対応する上型成形面14が形成されていると共
に、その上型柱状部8bの周りが空間とされている。
【0018】しかも、かかる上型8の上型基部8aに
は、それを上下に貫通するように、且つ上型柱状部8b
の周りに等間隔に位置するように、8個の貫通孔16が
設けられているのである。なお、この貫通孔16の個数
としては、本発明の目的を達成する上において3つ以上
とされ、それよりも少ない数の貫通孔では、重合収縮に
際してのモノマー組成物の流動が充分に行なわれ得ず、
そのために、下型成形面12や上型成形面14の転写性
が悪く、得られる眼用レンズ材料の成形面が凹凸のあ
る、不均一な表面形状となってしまう等の問題を惹起す
るからである。
【0019】そして、かかる上型8は、図1に示される
ように、その上型柱状部8bが、下型6の下型柱状部6
bと対向するように、その上型基部8aにおいて型本体
2の中空孔4の上部側部位に嵌め込まれて、かかる中空
孔4を二つに仕切り、下型6の下型基部6aとの間に、
モノマー組成物が充填される中間室18を形成する一
方、中空孔4の上部開口側に、モノマー組成物が収容さ
れる外側収容室20を形成している。更に、かかる上型
8の嵌入によって、対向する下型6の下型柱状部6bの
先端面に形成された下型成形面12と、上型8の上型柱
状部8bの先端面に形成された上型成形面14との間
に、目的とする眼用レンズ材料を与える成形キャビティ
22が形成されるのである。なお、この成形キャビティ
22の上下方向における厚さは、それら下型6と上型8
との間に、詳しくは下型基部6aと上型基部8aとの間
に介装されたスペーサ部材10にて規制されるようにな
っており、またそれによって、成形キャビティ22の全
周に亘って、それら下型柱状部6a及び上型柱状部8a
の周りに形成された中間室18と成形キャビティ22を
連通せしめる連通部24が、形成されているのである。
【0020】また、このように、下型6の下型柱状部6
bと上型8の上型柱状部8bとの間に形成される成形キ
ャビティ22は、そこでのモノマー組成物の重合によっ
て、目的とする眼用レンズ材料を与えるものであるとこ
ろから、そのような眼用レンズ材料に対応した形状を有
するものであり、一般に、かかる眼用レンズ材料の少な
くとも光学部(レンズ部分)を与えるように、少なくと
もそのような光学部に対応した形状を有するように形成
されているのであり、それ故に、成形キャビティ22を
形成する下型成形面12や上型成形面14は、少なくと
も眼用レンズ材料の光学部の両側の面を形成し得るよう
に構成されている。
【0021】なお、上述せる成形装置を構成する型本体
2、下型6、上型8及びスペーサ部材10は、何れも、
モノマー組成物に接触せしめられるものであるところか
ら、そのようなモノマー組成物に侵されない材質であれ
ば、特に限定はなく、例えばポリテトラフルオロエチレ
ンにて代表されるフッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエ
チレン等のオレフィン系樹脂、ポリアセタール樹脂等が
用いられ、また、型本体2の材質としては、金属も使用
可能である。特に、後述せるように、成形キャビティ2
2内に形成された眼用レンズ材料は、一般に、下型6及
び上型8を含む重合物の外径切削にて取り出されること
となるところから、それら下型6や上型8、スペーサ部
材10は、樹脂にて形成されていることが望ましいので
ある。
【0022】そして、かくの如き構成の成形装置を用
い、図4に示される如く、その成形キャビティ22、中
間室18内に、眼用レンズ材料を構成する重合生成物を
与える液状のモノマー組成物を充填せしめ、更に外部収
容室20内に、かかるモノマー組成物を収容せしめて、
その重合を行なうと、重合の進行につれて惹起される重
合収縮に際して、成形キャビティ22へは、連通部24
を通じて、中間室18内のモノマー組成物26が、また
中間室18へは、外側収容室20内のモノマー組成物2
6が、貫通孔16を通じて、それぞれ、効果的に導入さ
れて、供給せしめられ得るようになるのであり、以て、
そのような重合収縮に際しての眼用レンズ成分たるモノ
マー組成物26の流動性の向上によって、成形キャビテ
ィ22内において、優れた転写性をもって、重合生成物
が形成されることとなるのであり、それ故に、得られる
眼用レンズ材料の表面を凹凸のない均一なものとするこ
とが出来るのである。
【0023】しかも、このような成形装置においては、
所定のモノマー組成物26が、外側収容室20より、貫
通孔16を通じて中間室18内に、更には連通部24を
通じて成形キャビティ22内に、順次、導かれて、充填
せしめられることとなるところから、重合に際して、モ
ノマーの揮散が生じても、外側収容室20内のモノマー
組成物26の組成変動に止められ、中間室18内、ひい
ては成形キャビティ22内のモノマー組成物26に対す
る影響が効果的に抑制され得ることとなることに加え
て、上型8の上型基部8aに設けられた貫通孔16が、
モノマー組成物の導入孔となると共に、そのようなモノ
マー組成物の導入に際しての中間室18や成形キャビテ
ィ22内の気体の脱気が、貫通孔16を通じて行なわれ
得ることとなるのであり、それ故に、脱気口としての特
別の機構を設ける必要がないところから、この点におい
て、型構造の簡略化を図り得るのであり、また、成形キ
ャビティ22内のモノマー組成物26と共に、中間室1
8や外側収容室20内のモノマー組成物26も、同時に
重合せしめられるものであるところから、従来のモール
ド重合法の如き特別のシールド手段を装備せしめる必要
もなく、更に、成形型の移動機構や成形品の取出し機構
等の特別の機構を設ける必要がないのであり、この点か
らしても、型構造の簡略化に大きく寄与しているのであ
る。
【0024】ところで、上述の如き本発明に従う成形装
置においては、型本体2の中空孔4の上部開口を覆うよ
うに、覆蓋手段が設けられていることが望ましく、更に
は、そのような覆蓋手段と外側収容室20に収容される
モノマー組成物26の液面との間に、気体の存在し得る
空間が形成されるように構成されていることが望ましい
のであって、それらの一例が、図5に示されている。
【0025】すなわち、図5の(a)に示される例にお
いては、覆蓋手段として、キャップ状の覆蓋部材28
が、型本体2の上端部に冠着され、これによって、中空
孔4の上部開口が外部に対して遮蔽されていると共に、
この覆蓋部材28と外側収容室20内に収容されたモノ
マー組成物26の液面との間に、所定の空間30が形成
されている。また、(b)に示される例においては、型
本体2の上端面上に、所定厚さの板状の覆蓋部材28
が、単に載置されただけの構造のものであり、これによ
っても、充分な覆蓋効果を享受することが出来る。勿
論、必要に応じて、覆蓋部材28上に、適当なウエイト
を置くことも有効であり、また、覆蓋部材28をフィル
ム状として、型本体2の上端部を覆蓋せしめるようにす
ることも可能である。更に、(c)に示される例にあっ
ては、覆蓋部材28が、その一部において中空孔4内に
入り込まされた形態において、型本体2の上端部に取り
付けられて、中空孔4の上部開口を外部から遮蔽してい
る。更にまた、(d)に示される例にあっては、型本体
2の中空孔4と略同形の覆蓋部材28が、落とし蓋構造
において、中空孔4の外側収容室20内に収容されたモ
ノマー組成物26上に落とし込まれて、外部雰囲気に対
する外側収容室20内のモノマー組成物26の接触が、
かかる覆蓋部材28にて遮断されるようになっている。
なお、この(d)に示される例においては、上記の
(a)〜(c)の例の場合とは異なり、覆蓋部材28と
モノマー組成物26の液面との間に、空間30は、何等
形成され得ず、むしろ覆蓋部材28に対して、矢印にて
示される如き加圧力が、必要に応じて加えられ、モノマ
ー組成物26に対して、所定の圧力が作用せしめられ得
るようになっている。
【0026】このように、型本体2の中空孔4の上部開
口を、覆蓋部材28にて覆い、外側収容室20が外部か
ら遮蔽せしめられるようにすることによって、かかる外
側収容室20内に収容されたモノマー組成物26の重合
時における揮散が、効果的に抑制せしめられ、以てモノ
マー組成物26の組成変化が阻止され得ることによっ
て、成形キャビティ22内において重合成形される眼用
レンズ材料の組成も変化するようなことがなく、これに
より、均一な眼用レンズ材料を、有利に得ることが出来
るのである。また、外側収容室20内において、モノマ
ー組成物26の液面と覆蓋部材28との間に、空間30
が形成されていることによって、重合時において惹起さ
れる圧力変化が、かかる空間30にて、効果的に緩衝さ
れ得ることとなるのであり、以て重合収縮が緩和され
て、モノマー組成物26の流動性が向上し、モノマー組
成物26が均一に成形キャビティ22内へ供給され、こ
れにより、成形キャビティ22を構成する下型柱状部6
bの下型成形面12や、上型柱状部8bの上型成形面1
4の転写性が向上して、得られる眼用レンズ形状を均一
なものとすることが出来るのである。なお、そのような
空間30が存在しない場合にあっては、重合時にモノマ
ー組成物26中に気泡が散在し易く、そして、それがそ
のまま重合されることによって、気泡が存在したままの
レンズ材料となり易くなるのである。
【0027】そして、かくの如き構成の本発明に従う成
形装置を用いて、モールド重合せしめられるモノマー組
成物26は、従来から眼用レンズ材料を構成する重合生
成物を与える公知のモノマーの1種若しくは2種以上か
らなるものであり、そのようなモノマー組成物26に
は、また、従来と同様に、重合開始剤や増感剤の如き重
合助剤等が、適宜に配合せしめられることとなる。そし
て、そのようなモノマー組成物26は、液状形態におい
て、成形装置に供給され、図4に示される如き充填状態
において、従来と同様にして重合せしめられるのであ
る。例えば、モノマー組成物26中に、適当なラジカル
重合開始剤を配合して、室温〜約100℃の温度範囲
で、徐々に加熱せしめる加熱重合法や、マイクロ波、紫
外線、放射線(ガンマ線)等の電磁波を照射して重合せ
しめる照射重合法等が、好適に採用されることとなる。
【0028】なお、かかる重合操作において、加熱重合
法を採用する場合には、公知の如く段階的に昇温させる
ことも有効であり、また、重合は塊状重合法によって為
され得る他、溶媒を用いた溶液重合法等によって為され
ても良く、更にその他の公知の重合手法に従って、成形
装置中のモノマー組成物26の重合を行なうことが出来
る。更に、重合の有効な進行のために、好適にモノマー
組成物26中に添加されるラジカル重合開始剤として
は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバ
レロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、tert−
ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイド等を挙げることが出来、そしてこれらラジカル
重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して用いられ
ることとなる。更にまた、光線等を利用して重合させる
場合にあっては、光重合開始剤や増感剤を、更にモノマ
ー組成物26に添加することが望ましい。なお、モノマ
ー組成物26に添加せしめられる上記の重合開始剤や増
感剤の配合量は、通常、全重合成分(モノマー全量)の
100重量部に対して、0.002〜10重量部程度、
中でも、0.01〜2重量部程度であることが、望まし
い。
【0029】そして、このような重合操作に従って成形
装置内においてモノマー組成物26が重合せしめられる
ことにより生じた重合生成物にて、少なくとも下型6と
上型8とは一体の重合物となるところから、それは、型
本体2から取り出された後、切削等の適当な機械加工や
脱型操作が施されて、目的とする眼用レンズ材料が、そ
れら下型6の下型成形面12と上型8の上型成形面14
との間に形成された成形キャビティ22から取り出され
ることとなる。また、そうして得られた眼用レンズ材料
が、眼用レンズの前駆体形状を呈する場合にあっては、
そのような眼用レンズ材料に対して、更に切削加工や研
磨加工等の機械的加工が施され、以て所望形状の眼用レ
ンズに加工せしめられることとなる。
【0030】ところで、図6〜図8には、本発明に従っ
て眼内レンズを製造する工程の概略が示されているが、
そこにおいては、先ず、図6に示される如く、型本体2
に対して下型6及び上型8を組み付けてなる成形装置3
2を用い、その外側収容室20に注入器34からモノマ
ー組成物26を注入し、貫通孔16を通じて中間室18
に導いた後、更に連通部24から成形キャビティ22内
に導くようにすることにより、成形キャビティ22、中
間室18にモノマー組成物26を充填せしめ、更に、外
側収容室20内にモノマー組成物26を収容するように
するのである。次いで、成形キャビティ22内に存在す
る気泡36を除去するために、成形装置32は真空オー
ブン38内に収容され、減圧下に晒されることによっ
て、かかる気泡36が成形キャビティ22内から除去せ
しめられる。そして、そのような減圧処理された成形装
置32は、その型本体2の上部開口を覆蓋部材28にて
覆蓋した状態下において、更に、加熱オーブン40内に
おいて加熱せしめられることによって、充填されたモノ
マー組成物26の加熱重合が行なわれ、以て成形装置3
2内に、目的とする重合生成物42が形成せしめられる
のである(図7参照)。
【0031】次いで、かかる重合操作の施された成形装
置32は、加熱オーブン40から取り出された後、図7
に示される如く、プレス機等の力を借りて、型本体2か
ら、重合生成物42による下型6及び上型8の一体化物
が、強制的に脱離され、また、外側収容室20において
形成された重合生成物42部分が除去せしめられて、一
体の重合物44とされる。なお、この重合物44は、図
より明らかな如く、下型6と上型8とスペーサ部材10
と重合生成物42とから構成されている。
【0032】その後、かかる一体の重合物44は、図8
に示される如く、その下型6部分において旋盤46にチ
ャックされ、回転せしめられる一方、冷却スプレー48
による冷却剤の噴射の下において、バイト50にて外径
切削され、以て上型8側から成形キャビティ22部分に
到達するまで、且つ上型柱状部8bの外径に略等しくな
るまで切削せしめられることにより、外径カット品52
とされる。そして、この外径カット品52における成形
キャビティ22部分に形成された眼用レンズ材料54に
対して、キリ56を用いて、ホール加工が施され、そし
てそれによって形成された取付け孔に対して、支持部5
8が取り付けられて、固定せしめられる一方、眼用レン
ズ材料54から、下型6や上型柱状部8b部分が脱型せ
しめられて、目的とする眼内レンズ60が得られるので
ある。なお、この眼用レンズ材料54の脱型の方法とし
ては、例えば、エタノール等の溶媒に浸漬して膨潤、脱
型する手法の他、強制的に脱型したり、冷却により眼用
レンズ材料54を固化せしめて、脱型する方法等が、採
用される。
【0033】なお、本発明に従う眼用レンズ材料の成形
装置及びそれを用いた成形方法は、以上に説明した構造
や手法のみに限定されるものでは決してなく、本発明の
趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づい
て、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものである
ことが、理解されるべきである。
【0034】例えば、例示の成形装置においては、型本
体2と下型6とが別体とされて、型本体2の中空孔4の
下部に、かかる下型6が嵌入せしめられて、中空孔4の
下部開口を閉塞するようになっているが、それら型本体
2と下型6とを一体のものとしても、何等差し支えな
く、また、下型成形面12や上型成形面14は、それら
の何れもが、湾曲凹面形状とされる場合の他、それらの
うちの少なくとも一方が湾曲凸面形状とされる場合があ
る。更に、下型6と上型8との相互の位置決めは、それ
らの間にスペーサ部材10を介在せしめることにより行
なうことが、最も望ましいのであるが、下型6に対して
上型8が位置決めされることとなるならば、如何なる構
造或いは手段の採用も可能であることは、言うまでもな
いところである。
【0035】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。
【0036】実施例 1 先ず、図1に示される如き成形装置(なお、上型8の上
型基部8aには、8つの貫通孔16が、周方向に等間隔
に設けられている)を用い、図6〜図8に示される工程
に従って、眼内レンズ60の光学部を与える眼用レンズ
材料54を製造した。
【0037】具体的には、先ず、フェノキシエチルアク
リレート:70重量部、エチルアクリレート:30重量
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート:20重量
部、架橋剤として、ブタンジオールジアクリレート:4
重量部、及びラジカル重合開始剤として、2,2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル:0.83重
量部からなるモノマー組成物26を調製した後、それ
を、成形装置32の外側収容室20に供給し、貫通孔1
6を通じて中間室18内に、更に連通部24を通じて成
形キャビティ22内に導入して、充填せしめた後、真空
オーブン38内において、真空脱気し、次いで加熱オー
ブン40内において、60℃にて16時間保持した後、
更に60〜100℃まで4時間を要して漸次昇温するこ
とにより、モノマー組成物26のモールド重合を行な
い、成形装置32内に重合生成物42を生成せしめた。
【0038】その後、油圧プレスを用いて、型本体2か
ら、下型6及び上型8を含む一体的な重合物44を強制
的に押出し、更にバイト50にて外径切削加工を施すこ
とにより、外径カット品52を得た後、成形キャビティ
22内に形成されている眼内レンズの光学部を与える眼
用レンズ材料54に対してホール加工、そして支持部5
8の取付けを行ない、更に下型6や上型柱状部8bの脱
型をエタノールに浸漬せしめて行なった。なお、この際
の脱型操作は、容易に行なわれ、また、得られた眼内レ
ンズ60の光学部は、下型成形面12や上型成形面14
に対応した均一な表面形状を呈し、転写性の良いもので
あった。
【0039】実施例 2 上型8の上型基部8aに設けられる貫通孔16の数を4
つとすること(周方向に90°の位相差をもって設けら
れている)以外は、実施例1と同様にして、モノマー組
成物26のモールド重合を行ない、一体的な重合物44
を得た後、目的とする眼内レンズ60に加工せしめた。
【0040】その結果、一体的な重合物44からの下型
6や上型8(具体的には上型柱状部8b)の脱型は、容
易に行なわれ得、また、レンズ形状を良好に保ちながら
実施することが出来た。更に、得られた均一な眼内レン
ズ60の光学部は、所望の形状であって、転写性良く、
下型成形面12や上型成形面14の形状に一致するもの
であり、更にモノマーの揮発による組成変化の問題も惹
起されるものではなかった。
【0041】比較例 1 貫通孔16の数を1つとする以外は、実施例1と同様に
して、モノマー組成物26のモールド重合を行ない、下
型6の下型成形面12と上型8の上型成形面14との間
に形成される成形キャビティ22内に眼用レンズ材料5
4を形成せしめた結果、得られた眼用レンズ材料54
は、不均一な表面形状を有するものとなり、下型成形面
12や上型成形面14に対応する所望の形状とは異な
り、著しい凹凸の認められる不均一なものであった。
【0042】比較例 2 2つの貫通孔16を180°の位相差をもって設けたこ
と以外は、実施例1と同様にして、モノマー組成物26
のモールド重合を行ない、目的とする眼用レンズ材料5
4を形成せしめたところ、得られた眼用レンズ材料(眼
内レンズの光学部)54は、不均一な表面となり、下型
成形面12や上型成形面14に対応する表面形状とは異
なる、凹凸のある不均一な表面形状を呈するものであっ
た。
【0043】以上の実施例1、2及び比較例1、2の結
果の対比から明らかなように、本発明に従う、貫通孔1
6の数が3つ以上の成形装置32を用いることにより、
簡素な型構造において、転写性の良い眼用レンズ材料5
4が得られたのであり、このことから、実施例1及び2
の成形装置の構造においては、モノマー組成物26を導
入せしめた後、中間室18や成形キャビティ22へは、
外側収容室20側より、モノマー組成物26が効果的に
供給され、また、均一な流動が惹起されることにより、
良好な結果が得られたものと考えられる。これに対し
て、比較例1や2の場合のように、貫通孔が1つ若しく
は2つの場合にあっては、中間室18や成形キャビティ
22内へのモノマー組成物26の供給が不均一なため、
得られる眼用レンズ材料54の表面が不均一となり、転
写性の悪い結果となったことにより、中間室18や成形
キャビティ22へのモノマー組成物26の流動は不均一
なものと考えられるのである。
【0044】また、上記の実施例1、2及び比較例1、
2において得られた眼用レンズ材料(光学部)54につ
いて、それぞれの屈折力(ディオプトリー:D)を、主
点屈折力測定装置を用いて、倍率法にて測定すると共
に、眼内レンズ承認基準(厚生省、昭和60年5月10
日、薬発第489号)に規定される解像力の測定を行な
い、次式:U=(D・d/λ)×103 ×0.6〔但
し、D=空気中での屈折度数、d:レンズの有効直径
(3mm)、λ:測定に用いられる光の波長(Hg、e
線:546.1mm)〕に従って、解像度:U(本/m
m)を、それぞれ求め、その結果を、下記表1に示し
た。この表1からも明らかなように、本発明に従う実施
例1及び2において得られた眼用レンズ材料は、比較例
1、2において得られたものよりも、解像度において著
しく優れているものであることは、極めて明らかなとこ
ろである。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、眼用レンズ材料をモールド重合にて成形する
成形装置の型構造の簡略化を効果的に図り得ると共に、
重合収縮に際してのモノマー組成物の流動性が効果的に
向上され、以て、かかるモノマー組成物が均一に成形キ
ャビティ内に供給され得ることにより、得られる眼用レ
ンズ材料の表面が均一なものとなり、また成形面に対応
した正確な表面の眼用レンズ材料が得られることとなっ
て、その転写性が著しく向上せしめられ得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う眼用レンズ材料の成形装置の一例
を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示される成形装置における下型の構造を
明らかにするものであって、(a)は、そのような下型
の半截断面説明図であり、(b)は、そのような下型の
平面説明図である。
【図3】図1に用いられる上型の詳細を明らかにするも
のであって、(a)は、そのような上型の半截断面説明
図であり、(b)は、そのような上型の底面説明図であ
る。
【図4】図1と同様な構造の成形装置において、充填さ
れたモノマー組成物の流動形態を示す断面説明図であ
る。
【図5】本発明に従う成形装置における型本体の上部覆
蓋構造を示す断面説明図であって、(a)〜(d)は、
何れも、異なる覆蓋部材の断面形態を示している。
【図6】本発明に従う成形装置を用いたモールド重合の
工程において、モノマー組成物の充填から重合に至るま
での工程を示す説明図である。
【図7】本発明に従う成形装置を用いたモールド重合の
工程における、重合後において型本体から一体的な重合
物を強制的に押し出して、取り出す工程を示す説明図で
ある。
【図8】本発明に従う成形装置を用いたモールド重合の
工程において、取り出された重合物から眼用レンズ材料
を取り出し、目的とする眼内レンズに仕上げる工程を示
す説明図である。
【符号の説明】
2 型本体 4 中空孔 6 下型 6a 下型基部 6b 下型柱状部 8 上型 8a 上型基部 8b 上型柱状部 10 スペーサ部材 12 下型成形面 14 上型成形面 16 貫通孔 18 中間室 20 外側収容室 22 成形キャビティ 24 連通部 26 モノマー組成物 28 覆蓋部材 30 空間 32 成形装置 34 注入器 36 気泡 38 真空オーブン 40 加熱オーブン 42 重合生成物 44 重合物 46 旋盤 48 冷却スプレー 50 バイト 52 外径カット品 54 眼用レンズ材料 56 キリ 58 支持部 60 眼内レンズ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼用レンズ若しくはその前駆体の形状を
    呈する眼用レンズ材料を、それを構成する重合生成物を
    与える液状のモノマー組成物を成形キャビティ内におい
    て重合せしめることにより、成形するようにした装置に
    して、 前記モノマー組成物が収容される中空孔を備えた筒状本
    体と、 該筒状本体の中空孔の下部開口を閉塞するように該中空
    孔の下部に配置された下型基部と、該中空孔内において
    該下型基部の上面より上方に向かって延びるように立設
    され、先端面に前記眼用レンズ材料の一方の面に対応す
    る下型成形面が形成されてなる下型柱状部とを有し、且
    つ該下型柱状部の周りが空間とされている下型と、 前記筒状本体の中空孔の上部側部位に嵌め込まれて、該
    中空孔を二つに仕切り、該下型の前記下型基部との間に
    前記モノマー組成物が充填される中間室を形成する一
    方、該中空孔の上部開口側に、前記モノマー組成物が収
    容される外側収容室を形成する盤状の上型基部と、該中
    空孔内において該上型基部の下面より下方に向かって延
    びるように立設され、先端面に前記眼用レンズ材料の他
    方の面に対応する上型成形面が形成されてなる上型柱状
    部とを有し、且つ該上型柱状部の周りが空間とされてい
    ると共に、該上型柱状部の上型成形面と前記下型柱状部
    の下型成形面との間に前記成形キャビティが形成され、
    更に該成形キャビティの外周部の全周に亘って、前記中
    間室から該成形キャビティに前記モノマー組成物を導く
    連通部が形成されるように構成した上型と、 該上型の上型基部に対して、それを上下に貫通するよう
    に且つ前記上型柱状部の周りに等間隔に位置するよう
    に、設けられた、前記外側収容室から前記中間室に前記
    モノマー組成物を導く三つ以上の貫通孔と、を含むこと
    を特徴とする眼用レンズ材料の成形装置。
  2. 【請求項2】 前記筒状本体の中空孔の上部開口を覆う
    ように、覆蓋手段が設けられている請求項1記載の眼用
    レンズ材料の成形装置。
  3. 【請求項3】 前記覆蓋手段と、前記外側収容室に収容
    される前記モノマー組成物の液面との間に、気体の存在
    し得る空間が形成されるように構成したことを特徴とす
    る請求項2記載の眼用レンズ材料の成形装置。
  4. 【請求項4】 前記筒状本体の中空孔内において、前記
    上型の上型基部と前記下型の下型基部との間に位置する
    ように、円筒状のスペーサが配置せしめられ、互いに対
    向させられる前記上型柱状部の先端の上型成形面と前記
    下型柱状部の先端の下型成形面との間の間隔が規制され
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか
    に記載の眼用レンズ材料の成形装置。
  5. 【請求項5】 眼用レンズ若しくはその前駆体の形状を
    呈する眼用レンズ材料を、それを構成する重合生成物を
    与える液状のモノマー組成物を成形キャビティ内におい
    て重合せしめることにより、成形するに際して、 前記請求項1乃至4の何れかに記載の成形装置を用い、
    該成形装置の筒状本体の中空孔内に、前記モノマー組成
    物を供給することにより、かかるモノマー組成物を、前
    記外側収容室から前記貫通孔を通じて前記中間室内に導
    き、更に該中間室から前記連通部を通じて前記成形キャ
    ビティ内に導いて、該成形キャビティ内及び中間室内を
    該モノマー組成物にて充満せしめ、そして前記外側収容
    室にも収容せしめた後、重合操作を施し、それら成形キ
    ャビティ、中間室及び外側収容室内に存在するモノマー
    組成物を重合せしめて、一体の重合物を得、更にその
    後、かかる重合物から、前記成形キャビティ内に形成さ
    れた眼用レンズ材料を取り出すことを特徴とする眼用レ
    ンズ材料の成形方法。
  6. 【請求項6】 前記外側収容室に収容されたモノマー組
    成物の液面上に、気体の存在し得る空間を形成せしめた
    状態下において、前記重合操作が進行せしめられること
    を特徴とする請求項5記載の眼用レンズ材料の成形方
    法。
  7. 【請求項7】 前記モノマー組成物を前記中間室及び前
    記成形キャビティに導入せしめた後、前記重合操作に先
    立って、減圧環境下に保持することにより、少なくとも
    前記成形キャビティ内に存在する気泡が除去せしめられ
    る請求項5又は請求項6記載の眼用レンズ材料の成形方
    法。
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