JPH11114860A - 認識方法及びピッキング装置 - Google Patents

認識方法及びピッキング装置

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JPH11114860A
JPH11114860A JP9304938A JP30493897A JPH11114860A JP H11114860 A JPH11114860 A JP H11114860A JP 9304938 A JP9304938 A JP 9304938A JP 30493897 A JP30493897 A JP 30493897A JP H11114860 A JPH11114860 A JP H11114860A
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JP9304938A
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Shinji Inagaki
真次 稲垣
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物にマーク等を付すことなく、重なりあ
った複数の対象物の中の1つを容易に取出す。 【解決手段】 画像取り込み部(14A、14B)によ
り重なりあった複数の対象物の画像が取り込まれると、
輪郭追跡部14Cではその取り込まれた画像の輪郭追跡
により該画像の輪郭を求め、設定部14Dでは求められ
た輪郭上に検出円の検出中心を設定し、認識部(14
E、14G、14J)では設定された検出円の円周と画
像の輪郭との交点の数が予め定めた個数になっているか
否かを判定することにより、検出形状の外周に重なって
いる取出し可能な1つの対象物を認識する。そして、ロ
ボット部では認識部により認識された取出し可能な対象
物を検出中心を掴んで取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、認識方法及びピッ
キング装置に係り、更に詳しくは、重なりあった複数の
対象物の中から取り出し可能な対象物を認識する認識方
法及び認識された取出し可能な対象物を取り出すピッキ
ング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ピッキング装置は、重なり合って山積み
になった部品(対象物)をカメラで撮影し、部品を1つ
ずつ取り出す装置である。この種の装置では、重なり合
って山積みになった部品を撮影した画像に基づいて取出
し可能な対象物を認識することがなされている。かかる
画像処理を利用したピッキング装置としては、例えば、
特開平5−134731号公報に開示されるように、対
象物としてのワークに予めマークを付け、そのマークを
含む対象物を撮像して得た白黒濃淡画像と所定のマーク
参照モデル(テンプレート画像)とのパターンマッチン
グにより取出し可能な対象物を認識して、その対象物を
ロボットのハンドにより把持させて取出すものが知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示されたピッキング装置にあっては、ワークを認
識するためには、その前提としてマークがワークに付け
られている必要があり、このため、Oリング、輪ゴム等
のマークを付すことが困難な対象物には適用ができない
という不都合があった。また、マークをワークの1つ1
つに付けていたので、生産性を低下させ、またマークが
邪魔になるような場合には、後でマークを取り外す作業
が必要となり、ますます生産性を低下させるという不都
合もあった。
【0004】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、対象物にマーク等を付すことな
く、重なりあった複数の対象物の中から取り出し可能な
対象物を確実に認識することができる認識方法を提供す
ることにある。
【0005】また、本発明の第2の目的は、対象物にマ
ーク等を付すことなく、重なりあった複数の対象物の中
の1つを容易に取出すことができるピッキング装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、重なりあった複数の対象物の中から取り出し可能な
対象物を認識する認識方法であって、重なりあった複数
の対象物の画像を取り込む第1工程と;前記画像の輪郭
追跡を行って前記画像の輪郭を求める第2工程と;前記
求めた輪郭上に所定の検出図形の検出中心を設定する第
3工程と;前記検出図形の外周と前記画像の輪郭との交
点の数が予め定めた個数になっているか否かを判定する
ことにより、前記検出図形の外周に重なっている対象物
が1つであるか否かを認識する第4工程とを含む。
【0007】これによれば、第1工程において、重なり
あった複数の対象物の画像が取り込まれ、第2工程にお
いて、その画像の輪郭追跡を行って該画像の輪郭が求め
られ、第3工程において、求めた輪郭上に所定の検出図
形の検出中心が設定される。そして、第4工程におい
て、設定された検出図形の外周と前記画像の輪郭との交
点の数が予め定めた個数になっているか否かを判定する
ことにより、前記検出図形の外周に重なっている対象物
が1つであるか否かが認識される。ここで、検出図形の
外周と対象物の輪郭との交点の数は、検出図形内にある
対象物の数が多いほど数が増える。従って、第4工程に
おいて、交点の数を検出することにより、検出図形と重
なっている対象物が1つであるか否かが認識される。従
って、対象物にマーク等を付すことなく、重なりあった
複数の対象物の中から取り出し可能な対象物を確実に認
識することができる。
【0008】この場合において、請求項2に記載の発明
の如く、前記第4工程において、前記交点の個数が予め
定めた個数である場合に、前記交点部の幅に基づいて前
記検出図形の外周に重なっている対象物が1つであるか
否かを更に判定しても良い。これによれば、複数の対象
物が重なりあって存在する場合、検出図形の外周が、そ
の複数の対象物の重なり部に設定される場合があるが、
かかる場合にその重なり幅が対象物の線幅より大きくな
るので、これを検出することにより、検出図形の外周と
重なっている複数の対象物を誤って1つの対象物である
と認識するのを防止することが可能になる。これによ
り、請求項1に比べても検出図形と重なっている対象物
が1つであるか否かをより確実に認識することが可能と
なる。
【0009】上記請求項1又は2に記載の各発明におい
て、請求項3に記載の発明の如く、前記第4工程におい
て、前記検出図形の外周に重なっている対象物が1つで
あると判定された場合に、前記第3工程で設定した検出
図形と相似の第2の検出図形の検出中心を同一点に設定
し、この第2の検出図形の外周と前記画像の輪郭との交
点の数及び該交点部の幅の少なくとも一方に基づいて前
記第2の検出図形の外周に重なっている対象物が1つで
あるか否かを更に判定するようにしても良い。これによ
れば、対象物が例えば棒状の対象物である場合に、第3
工程で設定された検出図形(便宜上、以下「第1の検出
図形」という)の外周が対象物が折り重なっている部分
にのみ交点を持つ場合があるが、かかる場合であっても
検出中心が同一点に設定された相互に相似の2つの検出
図形を用いることにより、第2の検出図形は折り重なっ
た部分以外の位置で対象物との交点を持つ。従って、第
1の検出図形と重なっている対象物が1つであるか否か
を請求項1、2の場合に比べてもより一層確実に認識す
ることが可能になる。
【0010】請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜
3に記載の各発明において、前記第4工程の判定の結
果、前記検出図形の外周に重なっている対象物が1つで
ないと認識された場合に、前記検出中心の位置を前記画
像の輪郭上で移動したの後、前記第2工程から第4工程
の処理を繰り返す第5工程とを更に含むことを特徴とす
る。
【0011】これによれば、最初に設定した検出中心の
位置で、取り出し可能な対象物を認識できない場合で
も、対象物の画像の輪郭上を検出中心を移動させなが
ら、対象物の重なりをチェックすることにより、検出図
形内部の対象物の数が1つになった検出図形の検出中心
の位置を確実に認識できるようになる。従って、マーク
などを付けることなく、重なり合って山積みになった対
象物の中から取り出し可能な対象物を確実に認識でき
る。
【0012】請求項5に記載の発明は、重なりあった複
数の対象物の中から任意の一つを取出すピッキング装置
であって、重なりあった複数の対象物の画像を取り込む
画像取り込み部と;前記取り込まれた画像の輪郭追跡を
行って前記画像の輪郭を求める輪郭追跡部と;前記求め
られた輪郭上に所定の検出図形の検出中心を設定する設
定部と;前記検出図形の外周と前記画像の輪郭との交点
の数が予め定めた個数になっているか否かを判定するこ
とにより、前記検出図形の外周に重なっている取出し可
能な1つの対象物を認識する認識部と;前記認識部によ
り認識された取出し可能な対象物の前記検出中心位置を
掴んで取り出すロボット部とを備える。
【0013】これによれば、画像取り込み部により重な
りあった複数の対象物の画像が取り込まれると、輪郭追
跡部ではその取り込まれた画像の輪郭追跡を行って該画
像の輪郭を求める。次に、設定部では求められた輪郭上
に所定の検出図形の中心である検出中心を設定し、認識
部では設定された検出図形の外周と画像の輪郭との交点
の数が予め定めた個数になっているか否かを判定するこ
とにより、検出図形の外周に重なっている取出し可能な
1つの対象物を認識する。そして、ロボット部では認識
部により認識された取出し可能な対象物を検出中心を掴
んで取り出す。ここで、検出図形の外周と対象物の輪郭
との交点の数は、検出図形内にある対象物の数が多いほ
ど数が増えるので、認識部により交点の数に基づき検出
図形と重なっている対象物が1つであるか否かが判定さ
れ、検出図形内部にある対象物が1つであるときに、ロ
ボット部によりその対象物を取り出すことができるよう
になる。従って、対象物にマーク等を付すことなく、重
なりあった複数の対象物の中の1つを容易に取出すこと
が可能になる。
【0014】この場合において、請求項6に記載の発明
の如く、前記認識部は、前記交点の個数が予め定めた個
数である場合に、前記交点部の幅に基づいて前記検出図
形の外周に重なっている対象物が1つであるか否かを更
に判定しても良い。これによれば、複数の対象物が重な
りあって存在する場合、検出図形の外周が、その複数の
対象物の重なり部に設定されることがあるが、かかる場
合に、その重なり幅が対象物の線幅より大きくなるの
で、認識部でこれを検出することにより、検出図形の外
周と重なっている複数の対象物を誤って1つの対象物で
あると認識するのを防止することが可能となり、これに
より誤って複数の対象物を取り出すのを防ぐことが可能
となる。
【0015】上記請求項5又は6に記載の各発明におい
て、請求項7に記載の発明の如く、前記認識部は、前記
検出図形の外周に重なっている取出し可能な1つの対象
物を認識した場合に、前記検出図形と相似の第2の検出
図形の検出中心を同一点に設定し、この第2の検出図形
の外周と前記画像の輪郭との交点の数及び該交点部の幅
の少なくとも一方に基づいて前記認識した対象物が他の
対象物に重なっていないか否かを更に判定するようにし
ても良い。これによれば、対象物が例えば棒状対象物で
ある場合に、先に設定された検出図形(便宜上、以下、
「第1の検出図形」という)の外周が対象物が折り重な
っている部分にのみ交点を持つ場合があるが、かかる場
合でも検出中心が同一点に設定された相互に相似の2つ
の検出図形を用いることにより、第2の検出図形は折り
重なった部分以外の位置で対象物との交点を持つ。ま
た、仮に第2の検出図形が折り重なった部分以外に交点
を持たない場合、すなわち複数の対象物がほぼ重なりあ
っている場合であっても、第2の検出図形の外周と画像
の輪郭との交点部の幅に基づいて認識した対象物が他の
対象物に重なっていないか否かが更に正確に判定され、
結果的に誤って複数の対象物を取り出すのをより確実に
防ぐことが可能となる。
【0016】請求項8に記載の発明は、請求項5〜7に
記載の各発明において、前記認識部は、前記設定された
検出中心における判定の結果、取出し可能な1つの対象
物を認識できなかった場合に、前記検出中心の位置を前
記画像の輪郭上で移動して前記検出図形の外周に重なっ
ている取出し可能な1つの対象物の認識ための処理を繰
り返すことを特徴とする。
【0017】これによれば、認識部では、最初に設定し
た検出中心の位置で、取り出し可能な対象物を認識でき
ない場合でも、対象物の画像の輪郭上を検出中心を移動
させながら、対象物の重なりをチェックすることによ
り、検出図形内部の対象物の数が1つになった検出図形
の検出中心の位置を確実に認識できるようになる。従っ
て、マークなどを付けることなく、重なり合って山積み
になった対象物の中から取り出し可能な対象物を確実に
認識し、これを取り出すことが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
《第1の実施形態》以下、本発明の第1の実施形態を図
1ないし図10を用いて説明する。
【0019】図1には、第1の実施形態に係るピッキン
グ装置の外観が示されている。このピッキング装置10
は、台上に載置されたトレーT内に重なり合って山積み
状態で収納された複数の対象物Wを撮影するカメラ部
(テレビカメラ)12と、カメラ部12からの対象物W
の画像信号に基づき複数の対象物Wの中から取出し可能
な対象物Wを認識し、認識した対象物Wを掴んで所定の
位置に移動させるような制御信号を出力する物体認識装
置14と、この物体認識装置14からの上記制御信号に
基づき、その取出し可能と認識された部品を掴んで移動
させるロボット部としてのピッキング用ロボット部16
との3部分から主として構成されている。
【0020】前記ピッキング用ロボット部16は、従来
から比較的多く用いられているアームが水平間接型の機
構となったスカラ型ロボットである。このピッキング用
ロボット部16は、垂直な間接軸を介して連結された複
数部分からなるアーム部と、そのアーム部の先端部に連
結される作動軸57とを備え、この作動軸57の先端部
にチャック部材等の作業部材が装着されるようになって
いる。このピッキング用ロボット部16では、垂直軸を
介して本体54に連結される第1アーム55と、この第
1アーム55の先端に垂直軸を介して連結される第2ア
ーム56とで水平間接型のアーム部が構成され、上記作
動軸57は第2アーム56の先端にZ軸方向(上下方
向)に設けられている。この作動軸57は、アーム部に
対してZ軸方向の移動及び回転が可能とされ、駆動源と
してのZ軸モータ58及びR軸モータ59により駆動さ
れるようになっている。その機構は、作動軸57に、該
作動軸57のZ軸方向の移動のみを許容する外筒体62
がスプライン結合により装着され、この外筒体62に結
合されたプーリ63bと、上記R軸モータ59に連結さ
れた減速機構59aの出力軸に装着されるプーリ63a
とにタイミングベルト64が装着されている。また、作
動軸57の上端部は、Z軸モータ58により回転される
ボールねじ60に螺着されるナット部材61が固定され
ている。
【0021】ピッキング用ロボット部16においては、
Z軸モータ58の駆動によるボールねじ60の回転に伴
い、ナット部材61及び作動軸57が一体にZ軸方向に
移動されるとともに、上記R軸モータ59の駆動による
タイミングベルト64の回転に伴い、外筒体62及び作
動軸57が一体に回転されるようになっている。
【0022】図2には、物体認識装置14の各機能部が
カメラ部12とともにデータの流れに基づくブロック図
を用いて示されている。この図2に示されるように、物
体認識装置14は、画像入力部14A、画像メモリ14
B、輪郭追跡部14C、設定部としての円中心設定部1
4D、濃度分布計測部14E、設定値記憶部14F、重
なり幅検出部14G、重なり回数検出部14J、結果出
力部14K等を備えている。
【0023】この内、画像入力部14Aは、カメラ部1
2からの対象物Wの画像信号の入力インターフェイスで
あり、画像メモリ14Bは、対象物Wの画像信号を記憶
するためのものである。本実施形態では、これら画像入
力部14Aと画像メモリ14Bとによって画像取り込み
部が構成されている。
【0024】前記輪郭追跡部14Cは、画像メモリ14
Bに記憶された画像の輪郭追跡を行って前記画像の輪郭
を求めるための処理を行う部分である。円中心設定部1
4Dは、輪郭追跡部14Cにより求められた輪郭上に重
なりを検出するための検出図形としての検出円の中心で
ある検出中心Rを設定する処理を行う部分である。この
検出中心の位置の初期値は、設定値記憶部14Fに記憶
されている。
【0025】濃度分布計測部14Eは、検出円の円周上
の濃度分布を検出する処理を行う部分であり、重なり回
数検出部14Jは、濃度分布計測部14Eで検出された
検出円の円周上の濃度分布から検出円の円周と対象物W
との重なりの回数、すなわち交点の数を検出し、この検
出結果により検出円内にある対象物の数を認識する。重
なり幅検出部14Gは、重なり回数検出部14Jにより
検出円内の対象物の数が1つであると認識された場合
に、前記の検出円の円周と対象物Wとの重なり、すなわ
ち交点部の重なり幅を検出し、この重なり幅と対象物W
の幅に基づいて予め設定された幅(設定値記憶部14F
に記憶されている)との大小を判別することにより、対
象物Wが重なって丁度1つの対象物像として誤って認識
されているかどうかを判定する処理を行う部分である。
また、この重なり幅検出部14Gでは、複数の対象物が
検出円内にある場合、円中心設定部14Dに検出中心を
移動させる指令を送る。これにより、円中心設定部14
Dにより輪郭追跡部14Cにより求められた輪郭上で検
出中心が移動される。本実施形態では、上記濃度分布計
測部14E、重なり回数検出部14J、及び前記重なり
幅検出部14Gによって認識部が構成されている。
【0026】結果出力部14Kは、検出円内にある対象
物Wが1つであり、重なっていない場合にその検出円の
中心で認識した対象物Wをつかんで所定の位置に移動さ
せるように駆動制御するための制御信号をピッキング用
ロボット部16の制御部(図示省略)に出力する部分で
ある。
【0027】ここで、上記の物体認識装置14の各機能
部は、全体を1つのコンピュータにより構成することが
でき、図3には、この物体認識装置14のCPUの主要
な制御アルゴリズムに対応するフローチャートが示され
ている。この図3のフローチャートでは対象物WがOリ
ングである場合の例が示されている。以下、この図3を
中心としてかつ図4〜図11を参照しつつ、重なりあっ
た複数の対象物としてのOリングWの画像から取り出し
可能な対象物を認識して、取出す際の処理を説明する。
【0028】まず、ステップS1ではカメラ部12から
の対象物Wの画像信号を入力する。このとき、例えば図
4(A)に示されるような画像が得られたものとする。
【0029】次のステップS2では、得られた画像(入
力された画像)の輪郭追跡を行ってOリング画像の輪
郭、ここでは、最外周の輪郭を求める。このステップS
2では、境界追跡と呼ばれる方法により次のようにして
輪郭追跡が行われる。
【0030】すなわち、まず、「検出モード」の処理が
行われる。この「検出モード」では、図5の検出モード
の原理図に示されるように、入力された対象物Wの画像
を一番上のラインL1 について左から右方向にスキャン
する。このラインL1 上に対象物のエッジが見つからな
ければ、1画素下のラインL2 について同様の処理を繰
り返す。
【0031】このようにして、ある対象物Wのエッジの
画素を見つけると、その見つかった画素が既に追跡され
ていない場合、すなわちその画素に追跡禁止マークが付
いていない場合には、スキャンを中断して「追跡モー
ド」に移る。図5の場合には、ラインLn である対象物
Wのエッジの画素P0 が見つかった場合が示されてい
る。
【0032】「追跡モード」の処理では、上記の「検
出モード」で見つかった画素P0 の座標(x,y)を不
図示の内部メモリに記憶し、この画素に追跡禁止マーク
をつけ、同じ画素P0 を2度追跡しないようにしてお
く。
【0033】次に、検出画素P0 を囲む回りの画素
(8近傍画素)に対象物Wのエッジが存在するか否かを
調べる。但し、検出画素の回りの最近傍画素P0 の全て
を調べることを要しない。例えば、図5のラインLn
エッジの画素P0 が見つかった場合、1つ前のラインL
n-1 は既にスキャンされ、また画素P0 の左隣の画素も
スキャンされているので、画素P0 の回りの8近傍画素
の内、上側と左隣を除く残りの4つの画素について図6
に示される1から4の順序で対象物Wのエッジの画素が
あるか否かを調べる。そして、見つからなければ、対象
物Wが1画素のみであることを示しており、この場合は
「追跡モード」を終了して「検出モード」に戻り、スキ
ャンを再開する。一方、見つかった場合には、その見つ
かった画素P1 の座標を記憶し、その画素P1 に対して
も追跡禁止マークを付ける。
【0034】このようにして、検出画素Pn を中心と
する8近傍画素について、1つ前の検出画素Pn-1 から
n への追跡方向を図7(I)に示されるような0〜7
でコード化したチェインコードとして記憶し、このチェ
インコードに応じて次に述べるような順序で対象物のエ
ッジ画素があるかどうかを調べ、最初に見つかった画素
をPn+1 とする。また、同じ画素を2度追跡しないよう
に追跡禁止マークをつける。
【0035】ここで、見つかった画素Pn の回りのどの
画素について対象物Wのエッジを成す隣の画素Pn+1
検出するかは、見つかった画素Pn-1 ,Pn の位置関係
から決まる。図7(A)〜(H)は、画素Pn-1 ,Pn
の位置関係に対して画素Pnの回りのどの画素について
対象物Wの輪郭を成す隣の画素Pn+1 を検出するかを示
した図である。画素Pn-1 は「△」で、画素Pn
「○」で示されている。
【0036】図7(A)は画素Pn-1 から画素Pn への
移動方向が方向0の場合であり、(B)は画素Pn-1
ら画素Pn への移動方向が方向1の場合であり、(C)
は画素Pn-1 から画素Pn への移動方向が方向2の場合
であり、(D)は画素Pn-1から画素Pn への移動方向
が方向3の場合であり、(E)は画素Pn-1 から画素P
n への移動方向が方向4の場合であり、(F)は画素P
n-1 から画素Pn への移動方向が方向5の場合であり、
(G)は画素Pn-1 から画素Pn への移動方向が方向6
の場合であり、(H)は画素Pn-1 から画素Pn への移
動方向が方向7の場合である。これらの各場合におい
て、番号1から5又は6までの画素について番号の順に
画素Pn+1 を検出する。
【0037】検出された輪郭上の各画素の座標は記憶さ
れ、追跡禁止マークをつけられる。また、画素Pn-1
ら画素Pn への追跡方向はチェインコードとして記憶さ
れる。
【0038】なお、チェインコードそのものは、周知で
あり、例えば特開平5−114027号公報にも詳細に
開示されているので、ここではこれ以上の説明は省略す
る。
【0039】 上記の図7(A)〜(H)の順で調べ
た結果最初に見つかった画素を新たな検出画素として、
上記の処理を繰り返す。このような処理を、検出画素
n が追跡開始画素P0 に一致し、かつ次の検出画素P
n+1 も追跡開始画素の次の画素P1 に一致するまで行う
ことにより、対象物の輪郭が検出され、チェインコード
に変換される。
【0040】このようにして輪郭上の画素を見つけるた
めの「追跡モード」の処理が終了すると、「検出モー
ド」の処理に戻りスキャンを開始する。このスキャンの
開始位置は、はじめに見つかった画素P0 と同一ライン
上でスキャンされていない対象物Wの輪郭の外側にある
画素から再開される。図8には、その様子が示され、ラ
インLn 上で画素P0 が見つかり対象物Wの輪郭検出が
行われた後、ラインLn上の画素Q0 の隣の画素から
「検出モード」のスキャンが開始される様子が示されて
いる。すなわち、ラインLn 上の画素P0 〜Q0 まで検
出がスキップされる。
【0041】以後、追跡禁止マークの有無から対象物W
の輪郭及び内部の画素を飛ばしながら、すべてのライン
Lについてスキャンが行われる。そして、追跡禁止マー
クが付けられていない他の対象物Wの画像上の輪郭上の
画素を見つければ、その対象物について「追跡モード」
の処理が行われる。
【0042】このようにして、「追跡モード」を織り交
ぜながら、検出モードのスキャンが画面の右下に達した
ところで、図3のステップS2の輪郭追跡の処理が終了
する。これにより、例えば図4(B)に太い実線で示さ
れる図4(A)のOリング画像の最外周の輪郭が求めら
れる。
【0043】次のステップS3では、ステップS2の輪
郭追跡の結果に基づいて対象物Wの輪郭の有無を判定
し、輪郭がなかった場合、対象物がなかったものとして
本ルーチンの一連の処理を終了する。一方、画像中に対
象物Wの輪郭があった場合、ステップS4に進み、予め
設定された設定値に基づいて対象物Wの画像の最外周輪
郭上に開始点Rを設定し、この点を中心として指定され
た半径の円を設定する。この指定された半径の円を以後
検出円と呼び、この円の中心を以後検出中心と呼ぶ。こ
れにより、例えば図4(C)に示されるように、検出中
心Rの検出円(点線で示される)が対象物Wの上に設定
される。
【0044】次のステップS5では、設定された検出円
の円周上の濃度分布(輝度分布)を計測する。この結
果、例えば図4(C)の検出円が設定された場合、図9
に示される濃度分布が得られる。
【0045】次のステップS6では、検出円の円周と対
象物Wの画像の輪郭との重なりの回数、すなわち交点の
個数を検出する。具体的には、設定された検出円の円周
上の濃度と予め設定されたしきい値THとの比較を行
い、検出円の円周上の濃度分布がしきい値を下回る位置
とその数とを検出する。これにより、例えば図4(C)
の検出円が設定された場合、図9に示されるように、点
A,B,C,Dで検出円Rの円周上の濃度はしきい値T
Hを下回り、交点が4つあることが検出される。図4
(C)中の点A,B,C,Dと図9の点A,B,C,D
とは対応する。
【0046】次のステップS7では、上記ステップS6
で検出した重なりの回数が2回以下であるか否かを判断
する。これは、重なりの回数が2回以下の場合、検出円
内にはOリングWが1つしか存在しないと推定でき、重
なりの回数が2回を超える(3回以上)である場合は、
検出円内にOリングWが重なって2つ以上存在すると判
断できるため、このようにするものである。
【0047】従って、重なりの回数が3回以上である場
合には、OリングWが重なり合っており、その検出円の
検出中心位置ではOリングWの取り出しが不能であると
判断して、ステップS20にジャンプする。例えば図4
(C)の検出円が設定された場合、重なり回数が4回で
あるから、ステップS7における判断は否定され、ステ
ップS20にジャンプする。そして、このステップS2
0では、検出円(検出中心R)をOリングWの画像の最
外周の輪郭上で移動させる。これにより、例えば、検出
円の位置が図4(C)から図4(D)の位置に移動され
る。そして、次のステップS21で検出円の検出中心R
がOリングWの画像の最外周の輪郭上を1周して最初に
設定された開始点に戻ってきているか(即ち終点になっ
ているか)どうかをチェック(判断)する。そして、検
出円の検出中心RがOリングWの画像の最外周の輪郭上
を1周して最初に設定された開始点に戻ってきている場
合には、取り出し可能なOリングWがないものと判断し
て本ルーチンの一連の処理を終了するが、戻ってきてい
ない場合は、このステップS21の判断が否定され、ス
テップS5に戻り、上記処理・判断を繰り返す。
【0048】この一方、上記ステップS7の判断が肯定
された場合、すなわち、上記ステップS6で検出した重
なりの回数が2回以下の場合には、ステップS8に進
む。例えば、図4(D)の検出円が設定された場合に
は、重なり回数が2回であるからステップS7の判断が
肯定される。そして、ステップS8では、その重なり部
分(交点部)の幅を図9と同様の濃度の分布のグラフが
しきい値THを横切る幅に基づいて検出した後、ステッ
プS9に進んでその検出した重なり部分の幅をOリング
Wの線径(設定値)を基準にしてチェックする。これ
は、例えば、図10に示されるように、2つのOリング
Wがほぼ重なっている場合には、上記ステップS7の重
なり回数の判断の際には、重なり回数が2回以下となっ
て、その判断が肯定されるが、実際には検出円内にOリ
ングWが2つ重なり合って存在するので、2つのOリン
グWを1つのOリングWの像として誤って認識すること
がないように、重なり幅をチェックするものである。図
10の場合には、検出される重なり幅が基準となるOリ
ングの幅より大きくなるので、ステップS9における判
断は否定されることになる。そして、ステップS20に
移行して検出円の検出中心Rが移動される。
【0049】一方、検出円の円周とOリングWとの重な
り幅が予め決められた設定値よりも小さい場合、すなわ
ち検出円と重なっている対象物としてのOリングWが1
つである場合には、ステップS9の判断が肯定され、ス
テップS10に進んで、検出円の検出中心RでそのOリ
ングWを掴んで所定の位置に移動させるように駆動制御
するための信号をピッキング用ロボット部16の制御部
に出力した後、本ルーチンの一連の処理を終了する。こ
れにより、ピッキング用ロボット部16によってその検
出円が設定されたOリングWが取り出され、所定の位置
に移動される。
【0050】この1つのOリングWの取り出しにより、
他のOリングWの位置が変化するため、その後、ステッ
プS1からの処理が、次にカメラ部12によって撮像さ
れたOリングWの画像について、繰り返し行われる。そ
して、最後のOリングWが取り出されることにより、処
理が終了する。
【0051】以上説明したように、本第1の実施形態に
係るピッキング装置10によると、重なり合って山積み
になった対象物としてのOリングWの画像の最外周の輪
郭上を検出円を移動させながら、OリングWの重なりを
チェックすることにより、検出円内部の対象物(Oリン
グ)Wの数が1つになった検出円の検出中心の位置でそ
の検出円が設定されたOリングWを取り出すことによ
り、対象物としてのOリングWにマークなどを付けるこ
となく、重なり合って山積みになったOリングWの中か
ら1つずつOリングを順に取り出すことができるという
効果がある。
【0052】なお、上記の説明では、ステップS2にお
いて、画像の最外周の輪郭を求めるものとしたが、これ
は、前提として1つのOリングを取り出せば、他のOリ
ングの位置が変化すること、及び外側のOリングから順
に取り出すことを前提としたため、最外周の輪郭を求め
れば足り、このようにすれば全ての輪郭を求める場合に
比べて、輪郭追跡の時間が短くなることを考慮して上記
のようにしたものである。しかしながら、本発明がこれ
に限定される趣旨ではないことは勿論であって、上記の
境界追跡の手法を用いて上記ステップS2において、最
外周以外の内部の輪郭のみ、あるいは全ての輪郭を求め
るようにしても構わない。あるいは、輪郭追跡の時間の
短縮という意味からは、画像の最外周の輪郭の全てを必
ずしも求めなくてもその一部を求めるようにしても良
い。要は、検出円を設定してその検出円の範囲内に1つ
のOリングを認識できる範囲で画像の輪郭を求めれば良
い。
【0053】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態を図11〜図13に基づいて説明する。ここ
で、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成
部分については同一の符号を用いるとともにその説明を
簡略にし若しくは省略するものとする。
【0054】この第2の実施形態は、対象物Wが棒状で
ある場合の例であり、前述の第1の実施形態とほぼ同じ
装置構成を有するが、画像認識装置14の制御アルゴリ
ズムが多少異なっている。そこで、以下の説明において
は、画像認識装置の制御アルゴリズムを示す図11のフ
ローチャートを中心として、かつ図12、図13を参照
しつつ、重なりあった複数の棒状対象物Wの画像から取
り出し可能な対象物を認識して、取出す際の処理を説明
する。
【0055】まず、ステップS31ではカメラ部12か
らの対象物Wの画像信号を入力する。このとき、例えば
図12に示されるような棒状対象物Wの画像が得られた
ものとする。
【0056】次のステップS32では、得られた画像
(入力された画像)の輪郭追跡を行って棒状対象物の輪
郭を求める。このステップS32における輪郭追跡も、
前述した第1の実施形態と同様、「検出モード」の処理
が行われて輪郭検出されていない棒状対象物Wの像をス
キャンにより検出し、「追跡モード」の処理によりその
棒状対象物Wの像について輪郭を追跡して輪郭検出が行
われる。このステップS32における輪郭追跡も棒状対
象物の全てについて行うことは必ずしも必要でなく、一
部の棒状対象物についてのみ輪郭追跡を行っても良い。
【0057】次のステップS33では、ステップS32
の輪郭追跡の結果に基づいて棒状対象物Wの輪郭の有無
を判定し、輪郭がなかった場合、棒状対象物がなかった
ものとして本ルーチンの一連の処理を終了する。一方、
画像中に棒状対象物Wの輪郭があった場合、ステップS
34に進み、予め設定された設定値に基づいて棒状対象
物Wの画像の輪郭上に開始点Rを設定し、この点を検出
中心として初期設定の半径R1の検出円を設定する。こ
れにより、例えば図12に示されるように、検出中心R
の検出円(半径R1)がある棒状対象物Wの上に設定さ
れる。
【0058】次のステップS35では、設定された検出
円の円周上の濃度分布(輝度分布)を計測した後、ステ
ップS36に進んで検出円の円周と棒状対象物Wの画像
の輪郭との重なりの回数、すなわち交点の個数を検出す
る。この検出は、第1の実施形態のステップS5で説明
したのと同様にして、設定された検出円の円周上の濃度
と予め設定されたしきい値THとの比較により行われ
る。
【0059】次のステップS37では、ステップS36
で検出された検出円の円周と棒状対象物Wとの重なり回
数が1回であるかどうかを判定する。重なり回数が1回
である場合には、検出円の円周と重なっている棒状対象
物Wが1つであると推定でき、重なり回数2回以上であ
る場合は、検出円内に棒状対象物Wが重なり合って2つ
以上存在すると判断できる。
【0060】そして、ステップS37における判断が否
定された場合、すなわち重なり回数が2回以上の場合に
は、ステップS50にジャンプする。一方、ステップS
37における判断が肯定された場合、すなわち重なり回
数が1回の場合には、ステップS38に進んで前述した
ステップS8と同様に、検出円の円周上の濃度としきい
値THとの比較から得られる重なり部の幅を検出した
後、ステップS39でその検出した重なり部分の幅を棒
状対象物Wの線径(設定値)を基準にしてチェックす
る。
【0061】そして、ステップS39における判断が肯
定された場合、すなわち検出円の円周と棒状対象物Wと
の重なり幅が設定値よりも小さい場合には、ステップS
40に進んで半径R1よりも小さな半径R2の第2の検
出円を検出中心Rを中心として設定するとともに、その
第2の検出円の円周上の濃度分布(輝度分布)を計測す
る。そして、ステップS41及びステップ42で半径R
1の検出円の場合と同様に、半径R2の検出円の円周上
の濃度分布としきい値THとの比較から、半径R2の検
出円の円周と棒状対象物Wとの重なり回数が1回である
かどうかを判断する。これは、図13に示されるよう
に、2つの棒状対象物W,W’が半径R1の検出円の円
周上に丁度重なって存在する場合には、その検出円の内
部に2つの棒状対象物W,W’が存在するにもかかわら
ず、ステップS39における判断が肯定される可能性が
あるため、このような場合に、棒状対象物Wは1つであ
ると誤って認識されてしまうことを防止するためであ
る。図13の場合、同図から明らかなように、半径R2
の検出円の周上には棒状対象物Wとの重なりが2箇所あ
るので、ステップS42における判断が否定されステッ
プS50に移行する。これにより、棒状対象物Wは1つ
であると誤って認識されるのが防止される。
【0062】一方、ステップS42における判断が肯定
された場合、すなわち半径R2の検出円の円周と棒状対
象物Wとの重なりが1回の場合には、ステップS43及
びS44で、その重なり部の幅を前述と同様にして検出
するとともにその検出した重なり幅をチェックする。半
径R1の検出円、半径R2の検出円の両方の円周と棒状
対象物Wとの重なりがともに1回である場合には、通
常、検出円内には、棒状対象物Wが1つしかないものと
考えられるが、2つの棒状対象物が上下に重なっている
可能性もあるため、ステップS44で念のために再度幅
チェックを行うものである。そして、このステップS4
4における判断が肯定されると、ステップS45に進ん
で、検出円の検出中心Rの位置でその棒状対象物Wを掴
んで所定の位置に移動させるように駆動制御するための
信号をピッキング用ロボット部16の制御部に出力した
後、本ルーチンの一連の処理を終了する。これにより、
ピッキング用ロボット部16によってその検出円が設定
された棒状対象物Wが取り出され、所定の位置に移動さ
れる。
【0063】この一方、上記ステップS37、S39、
S42、S44のいずれかの判断が否定された場合に
は、ステップS50に移行するが、このステップS50
では前述したステップS20と同様に、検出円の検出中
心を棒状対象物Wの輪郭上で移動した後、ステップS5
1で検出円の検出中心が棒状対象物Wの輪郭を1往復し
て開始点に戻ってきているか(即ち終点になっている
か)どうかをチェックする)。そして、戻ってきていな
い場合は、ステップS35以下の処理・判断が繰り返さ
れ、戻ってきている場合は本ルーチンの一連の処理を終
了する。
【0064】上記ステップS45における1つの棒状対
象物Wの取り出しにより、他の棒状対象物Wの位置が変
化するため、その後、ステップS31からの処理が、次
にカメラ部12によって撮像された棒状対象物Wの画像
について、繰り返し行われる。そして、最後の棒状対象
物Wが取り出されることにより、処理が終了する。
【0065】以上説明したように、本第2の実施形態に
よると、重なり合って山積みになった対象物としての棒
状対象物Wの画像の輪郭上を検出円を移動させながら、
棒状対象物Wの重なりをチェックすることにより、検出
円内部の対象物Wの数が1つになった検出円の検出中心
の位置でその検出円が設定された対象物Wを取り出すこ
とにより、対象物Wにマークなどを付けることなく、重
なり合って山積みになった対象物Wの中から1つずつ対
象物Wを順に取り出すことができる。
【0066】なお、上記第1、第2の実施形態では、検
出図形として検出円を用いる場合について説明したが、
本発明がこれに限定されることはなく、楕円、正方形、
長方形、他の多角形等の他の閉図形を検出図形として用
いても勿論良く、例えば楕円の場合、長径と短径の中心
(すなわち楕円の中心)を検出中心とすれば良く、正方
形、長方形の場合には、対角線の交点を検出中心とすれ
ば良い。かかる場合であっても上記実施形態と同様の効
果を得ることができる。
【0067】また、上記実施形態では、対象物がOリン
グ若しくは棒状対象物である場合について説明したが、
対象物が長方形形状など様々な形状であってもよい。図
14は、その例を示したものであり、実線の太線で示す
輪郭(エッジ)を有する長方形形状の対象物Wの輪郭上
に点線で示される検出円を設定した様子を示している。
この場合でも、照明方法の工夫により対象物Wを撮影し
た画像に基づいて上記実施形態と同様の処理を行うこと
が可能である。すなわち、対象物Wの輪郭を検出し、そ
の輪郭上に検出円を設定する。そして、検出円の円周上
において対象物Wの像の濃度(輝度)分布から検出円の
円周と対象物Wとの交点の数が検出され、この交点の数
から検出円の内部にある対象物の数が検出され、検出円
内部の対象物の数が1つになるように検出円の中心を移
動させ、その数が1のときに対象物を取り出すことが可
能である。
【0068】また、上記第1、第2の実施形態では、対
象物Wを1つずつ取り出す際に、一番上のものから順番
に取り出せないことを考慮して、対象物Wを1つ取り出
す度に、新たに画像を取り込み、その画像に基づいて処
理を行う場合について説明したが、対象物Wを一番上の
ものから順番に1つずつ取り出すことが可能な場合に
は、画像を一度だけ取り込み、その画像に基づいて上記
の処理を繰り返し行うようにしても良い。このようにす
れば、処理時間が短縮される。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4に記
載の各発明によれば、対象物にマーク等を付すことな
く、重なりあった複数の対象物の中から取り出し可能な
対象物を確実に認識することができるという効果があ
る。
【0070】また、請求項5〜8に記載の各発明によれ
ば、対象物にマーク等を付すことなく、重なりあった複
数の対象物の中の1つを容易に取出すことができるとい
う従来にない優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るピッキング装置の外観
(全体構成)を示す図である。
【図2】図1の物体認識装置の各機能部をカメラ部とと
もにデータの流れに基づくブロック図で示した図であ
る。
【図3】物体認識装置のCPUの主要な制御アルゴリズ
ムに対応するフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートに沿って行われる処理の
具体例を示す図であって、(A)は入力された画像の一
例を示す図、(B)は(A)の画像の輪郭追跡により得
られたOリング画像の最外周の輪郭が得られた状態を示
す図、(C)は(B)の輪郭上に検出円が設定された状
態を示す図、(D)は(C)の状態から検出円が移動し
た状態を示す図である。
【図5】輪郭追跡おける「検出モード」の原理図であ
る。
【図6】画素P0 の隣にある輪郭上の画素P1 を検出す
る様子を示す図である。
【図7】(A)〜(H)は、画素Pn-1 ,Pn の位置関
係に対して画素Pn の回りのどの画素について対象物の
輪郭を成す隣の画素Pn+1 を検出するかを示した図、
(I)は追跡方向を0〜7でコード化する様子を示す図
である。
【図8】「追跡モード」の処理が終了後「検出モード」
の処理に戻った際のスキャンを開始する開始位置の例を
示す図である。
【図9】検出円の円周上の濃度分布の一例を示す線図で
ある。
【図10】2つのOリングがほぼ完全に重なった場合の
画像の一例を示す図である。
【図11】第2の実施形態の画像認識装置の制御アルゴ
リズムを示すフローチャートである。
【図12】棒状対象物Wの輪郭及びその輪郭上に設定さ
れた検出円を示す図である。
【図13】棒状対象物W(実線)の輪郭上に設定された
半径R1の検出円と半径R2の検出円とを同時に示す図
である。
【図14】変形例を説明するための図であって、長方形
形状の対象物Wの輪郭上に点線の検出円を設定した様子
を示す図である。
【符号の説明】
10 ピッキング装置 W 対象物 14A 画像入力部(画像取り込み部の一部) 14B 画像メモリ(画像取り込み部の一部) 14C 輪郭追跡部 14D 円中心設定部(設定部) 14E 濃度分布計測部(認識部の一部) 14G 重なり幅検出部(認識部の一部) 14J 重なり回数検出部(認識部の一部) 16 ピッキング用ロボット部(ロボット部)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重なりあった複数の対象物の中から取り
    出し可能な対象物を認識する認識方法であって、 重なりあった複数の対象物の画像を取り込む第1工程
    と;前記画像の輪郭追跡を行って前記画像の輪郭を求め
    る第2工程と;前記求めた輪郭上に所定の検出図形の検
    出中心を設定する第3工程と;前記検出図形の外周と前
    記画像の輪郭との交点の数が予め定めた個数になってい
    るか否かを判定することにより、前記検出図形の外周に
    重なっている対象物が1つであるか否かを認識する第4
    工程とを含む認識方法。
  2. 【請求項2】 前記第4工程において、前記交点の個数
    が予め定めた個数である場合に、前記交点部の幅に基づ
    いて前記検出図形の外周に重なっている対象物が1つで
    あるか否かを更に判定することを特徴とする請求項1に
    記載の認識方法。
  3. 【請求項3】 前記第4工程において、前記検出図形の
    外周に重なっている対象物が1つであると判定された場
    合に、前記第3工程で設定した検出図形と相似の第2の
    検出図形の検出中心を同一点に設定し、この第2の検出
    図形の外周と前記画像の輪郭との交点の数及び該交点部
    の幅の少なくとも一方に基づいて前記第2の検出図形の
    外周に重なっている対象物が1つであるか否かを更に判
    定することを特徴とする請求項1又は2に記載の認識方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第4工程の判定の結果、前記検出図
    形の外周に重なっている対象物が1つでないと認識され
    た場合に、前記検出中心の位置を前記画像の輪郭上で移
    動したの後、前記第2工程から第4工程の処理を繰り返
    す第5工程とを更に含むことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか一項に記載の認識方法。
  5. 【請求項5】 重なりあった複数の対象物の中から任意
    の一つを取出すピッキング装置であって、 重なりあった複数の対象物の画像を取り込む画像取り込
    み部と;前記取り込まれた画像の輪郭追跡を行って前記
    画像の輪郭を求める輪郭追跡部と;前記求められた輪郭
    上に所定の検出図形の検出中心を設定する設定部と;前
    記検出図形の外周と前記画像の輪郭との交点の数が予め
    定めた個数になっているか否かを判定することにより、
    前記検出図形の外周に重なっている取出し可能な1つの
    対象物を認識する認識部と;前記認識部により認識され
    た取出し可能な対象物の前記検出中心位置を掴んで取り
    出すロボット部とを備えるピッキング装置。
  6. 【請求項6】 前記認識部は、前記交点の個数が予め定
    めた個数である場合に、前記交点部の幅に基づいて前記
    検出図形の外周に重なっている対象物が1つであるか否
    かを更に判定することを特徴とする請求項5に記載のピ
    ッキング装置。
  7. 【請求項7】 前記認識部は、前記検出図形の外周に重
    なっている取出し可能な1つの対象物を認識した場合
    に、前記検出図形と相似の第2の検出図形の検出中心を
    同一点に設定し、この第2の検出図形の外周と前記画像
    の輪郭との交点の数及び該交点部の幅の少なくとも一方
    に基づいて前記認識した対象物が他の対象物に重なって
    いないか否かを更に判定することを特徴とする請求項5
    又は6に記載のピッキング装置。
  8. 【請求項8】 前記認識部は、前記設定された検出中心
    における判定の結果、取出し可能な1つの対象物を認識
    できなかった場合に、前記検出中心の位置を前記画像の
    輪郭上で移動して前記検出図形の外周に重なっている取
    出し可能な1つの対象物の認識ための処理を繰り返すこ
    とを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のピ
    ッキング装置。
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