JPH11114790A - 光学レンズの製造方法 - Google Patents
光学レンズの製造方法Info
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- JPH11114790A JPH11114790A JP27784797A JP27784797A JPH11114790A JP H11114790 A JPH11114790 A JP H11114790A JP 27784797 A JP27784797 A JP 27784797A JP 27784797 A JP27784797 A JP 27784797A JP H11114790 A JPH11114790 A JP H11114790A
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- JP
- Japan
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- polishing
- surface roughness
- shape
- workpiece
- optical lens
- Prior art date
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- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】所望の光学面をもった光学レンズを短時間で製
造することができる光学レンズの製造方法を提供する。 【解決手段】工程実施後に得られる被加工物表面の最大
表面粗さRmaxが0.010mm以下になるような形
状創成工程を有するようにした。
造することができる光学レンズの製造方法を提供する。 【解決手段】工程実施後に得られる被加工物表面の最大
表面粗さRmaxが0.010mm以下になるような形
状創成工程を有するようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学レンズの製造方
法に関する。
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術としては、眼鏡レンズやカメ
ラレンズ等の製造に用いられてきた光学レンズの製造方
法が挙げられるが、本願では研磨加工によるプラスチッ
ク眼鏡レンズの製造方法を例に以降の説明を行う。一例
として特開昭47−14776に示されるように、仕上
げ寸法よりも肉厚の厚い一般的にセミフィニッシュレン
ズと呼ばれる研磨加工前のプラスチック眼鏡レンズ(以
下セミフィニッシュレンズとする)を、一般的にアロイ
と呼ばれる低融点合金を用いて研磨用の保持具に固定
し、この保持具に固定したセミフィニッシュレンズを装
用者の処方に応じてほぼ所望の形状となるようにカーブ
ゼネレータ等を用い荒削りする。この形状創成工程では
ガラスレンズやプラスチックレンズの場合、#10〜#
100メッシュ程度のダイヤモンドカップホイールを用
い研削を行う。また、プラスチックレンズの場合は専用
刃具を用い切削で形状創成する場合もある。その後ラッ
ピング加工に似た砂掛け加工と研磨加工が施され、レン
ズの光学面を精密に仕上げることが行われている。中で
も砂掛け加工と研磨加工ではアルミニウムや硬化プラス
チック、発泡ウレタン等をその素材とする研磨皿が用い
られる。また、加工の目的に応じて研磨皿表面に異なる
種類の研磨パッドを貼り付け、砂掛け加工および研磨加
工を行っている。具体的には、砂掛け加工の目的は荒削
りされた表面をある程度の面粗度になるまで平滑にする
とともに、荒削り時に発生した形状誤差を研磨皿形状に
合うように削りとることにあり、その加工は#300か
ら#1200程度のメッシュのファイニングパッドと呼
ばれる砂掛け加工用の研磨パッドを研磨皿の表面に貼り
付け、水をかけながら行われる。前記の形状創成工程後
の状態によって異なるが、最終的には最大表面粗さRm
axで数μm程度の面粗度が得られるまで2回以上に分
けて加工されるのが一般的である。
ラレンズ等の製造に用いられてきた光学レンズの製造方
法が挙げられるが、本願では研磨加工によるプラスチッ
ク眼鏡レンズの製造方法を例に以降の説明を行う。一例
として特開昭47−14776に示されるように、仕上
げ寸法よりも肉厚の厚い一般的にセミフィニッシュレン
ズと呼ばれる研磨加工前のプラスチック眼鏡レンズ(以
下セミフィニッシュレンズとする)を、一般的にアロイ
と呼ばれる低融点合金を用いて研磨用の保持具に固定
し、この保持具に固定したセミフィニッシュレンズを装
用者の処方に応じてほぼ所望の形状となるようにカーブ
ゼネレータ等を用い荒削りする。この形状創成工程では
ガラスレンズやプラスチックレンズの場合、#10〜#
100メッシュ程度のダイヤモンドカップホイールを用
い研削を行う。また、プラスチックレンズの場合は専用
刃具を用い切削で形状創成する場合もある。その後ラッ
ピング加工に似た砂掛け加工と研磨加工が施され、レン
ズの光学面を精密に仕上げることが行われている。中で
も砂掛け加工と研磨加工ではアルミニウムや硬化プラス
チック、発泡ウレタン等をその素材とする研磨皿が用い
られる。また、加工の目的に応じて研磨皿表面に異なる
種類の研磨パッドを貼り付け、砂掛け加工および研磨加
工を行っている。具体的には、砂掛け加工の目的は荒削
りされた表面をある程度の面粗度になるまで平滑にする
とともに、荒削り時に発生した形状誤差を研磨皿形状に
合うように削りとることにあり、その加工は#300か
ら#1200程度のメッシュのファイニングパッドと呼
ばれる砂掛け加工用の研磨パッドを研磨皿の表面に貼り
付け、水をかけながら行われる。前記の形状創成工程後
の状態によって異なるが、最終的には最大表面粗さRm
axで数μm程度の面粗度が得られるまで2回以上に分
けて加工されるのが一般的である。
【0003】続く研磨加工の目的は、砂掛け加工された
表面を更に平滑にし所望の光学面に仕上げることにあ
る。研磨加工では、砂掛け加工で使用した研磨皿かこれ
と同一形状の研磨皿表面に不織布でできた研磨加工用の
研磨パッドを貼り付け、スラリー状の遊離砥粒を供給し
ながら行われる。
表面を更に平滑にし所望の光学面に仕上げることにあ
る。研磨加工では、砂掛け加工で使用した研磨皿かこれ
と同一形状の研磨皿表面に不織布でできた研磨加工用の
研磨パッドを貼り付け、スラリー状の遊離砥粒を供給し
ながら行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来技術に示した形状創成工程は前述の通り砂掛け工程
を前提とした構成となっており、形状創成工程後の被加
工物の面粗度は、最大表面粗さRmaxで数十μmの面
粗度になっている。よって、砂掛け工程を省いて前記研
磨皿を用いた研磨を行うと、まず前記の面粗度分の研磨
しろ、すなわち数十μm分を研磨工程で除去する必要が
あるため、所望の光学面を得るまでに多大な研磨時間を
要するという問題点があった。また、その副作用として
形状創成工程で創成した形状精度が悪化するばかりでな
く、研磨ダレと呼ばれる外観欠点がレンズ外周部に発生
するという問題があった。
従来技術に示した形状創成工程は前述の通り砂掛け工程
を前提とした構成となっており、形状創成工程後の被加
工物の面粗度は、最大表面粗さRmaxで数十μmの面
粗度になっている。よって、砂掛け工程を省いて前記研
磨皿を用いた研磨を行うと、まず前記の面粗度分の研磨
しろ、すなわち数十μm分を研磨工程で除去する必要が
あるため、所望の光学面を得るまでに多大な研磨時間を
要するという問題点があった。また、その副作用として
形状創成工程で創成した形状精度が悪化するばかりでな
く、研磨ダレと呼ばれる外観欠点がレンズ外周部に発生
するという問題があった。
【0005】また、変曲点が連続した形状を有する累進
多焦点レンズ等の非軸対称の非球面を含む自由曲面を形
状創成する場合、具体的に言えば直線位置決め手段の送
り方向の符号が正逆転するような曲面形状を創成する場
合には、その加工の方法にもよるが刃具と被加工物との
相対位置決めにおいて、創成手段の各構成要素の送り方
向の符号の正逆に応じてボールネジの回転方向が変わる
ため、ボールネジが持つバックラッシやボールネジの軸
とモータ等の駆動源の軸とを接続するカップリングの弾
性変形、さらにはNC装置と呼ばれる数値制御手段の制
御特性等によって被加工物表面の変曲点近傍に10μm
以上の段差、すなわちうねりが生成される。よって前記
と同様、砂掛け工程を省いて前記研磨皿を用いた研磨を
行うと、面粗度分の研磨しろに加えて前記のうねり量分
の研磨しろを取り去る必要があるため、所望の光学面を
得るまでに多大な研磨時間を要することになるという問
題点があった。また、その結果、形状精度、外観精度が
ともに悪化するという問題点があった。
多焦点レンズ等の非軸対称の非球面を含む自由曲面を形
状創成する場合、具体的に言えば直線位置決め手段の送
り方向の符号が正逆転するような曲面形状を創成する場
合には、その加工の方法にもよるが刃具と被加工物との
相対位置決めにおいて、創成手段の各構成要素の送り方
向の符号の正逆に応じてボールネジの回転方向が変わる
ため、ボールネジが持つバックラッシやボールネジの軸
とモータ等の駆動源の軸とを接続するカップリングの弾
性変形、さらにはNC装置と呼ばれる数値制御手段の制
御特性等によって被加工物表面の変曲点近傍に10μm
以上の段差、すなわちうねりが生成される。よって前記
と同様、砂掛け工程を省いて前記研磨皿を用いた研磨を
行うと、面粗度分の研磨しろに加えて前記のうねり量分
の研磨しろを取り去る必要があるため、所望の光学面を
得るまでに多大な研磨時間を要することになるという問
題点があった。また、その結果、形状精度、外観精度が
ともに悪化するという問題点があった。
【0006】そこで本発明はこのような問題点を除去す
るためになされたものであり、その目的は、所望の光学
面をもった形状精度、外観精度のよい光学レンズを短時
間で製造する光学レンズの製造方法を提供することであ
る。
るためになされたものであり、その目的は、所望の光学
面をもった形状精度、外観精度のよい光学レンズを短時
間で製造する光学レンズの製造方法を提供することであ
る。
【0007】
(1)請求項1の光学レンズの製造方法は、工程実施後
に得られる被加工物表面の最大表面粗さRmaxが0.
010mm以下になるような形状創成工程を有すること
を特徴とする。このため、請求項1の光学レンズの製造
方法は、爾後の砂掛け工程を実施することなく研磨工程
を実施することが可能となる。その結果、砂掛け工程を
省略することができ工程を簡略化することができるとい
う効果があるうえ、砂掛け工程を省略しても研磨工程に
要する時間が長くなることもなく、トータルしてみる
と、所望の光学面をもった光学レンズを短時間で製造す
ることが可能となるという効果がある。ここで、最大表
面粗さRmaxを0.010mm以下としたのは、最大
表面粗さRmaxを0.010mmを超えた範囲とした
うえで砂掛け工程を省略した場合、研磨工程に要する時
間が長くなる傾向にあり、好ましくないからである。ま
た、砂掛け工程が省略できるため、砂掛け工程で必要で
あった研磨皿を不要にすることができるという効果があ
る。なお、形状創成工程実施後に得られる被加工物表面
の最大表面粗さRmaxを光学面程度に小さくすれば、
そのままで又はその後にハードコーティングを行うこと
によって、研磨工程そのものを不要とすることもでき
る。
に得られる被加工物表面の最大表面粗さRmaxが0.
010mm以下になるような形状創成工程を有すること
を特徴とする。このため、請求項1の光学レンズの製造
方法は、爾後の砂掛け工程を実施することなく研磨工程
を実施することが可能となる。その結果、砂掛け工程を
省略することができ工程を簡略化することができるとい
う効果があるうえ、砂掛け工程を省略しても研磨工程に
要する時間が長くなることもなく、トータルしてみる
と、所望の光学面をもった光学レンズを短時間で製造す
ることが可能となるという効果がある。ここで、最大表
面粗さRmaxを0.010mm以下としたのは、最大
表面粗さRmaxを0.010mmを超えた範囲とした
うえで砂掛け工程を省略した場合、研磨工程に要する時
間が長くなる傾向にあり、好ましくないからである。ま
た、砂掛け工程が省略できるため、砂掛け工程で必要で
あった研磨皿を不要にすることができるという効果があ
る。なお、形状創成工程実施後に得られる被加工物表面
の最大表面粗さRmaxを光学面程度に小さくすれば、
そのままで又はその後にハードコーティングを行うこと
によって、研磨工程そのものを不要とすることもでき
る。
【0008】(2)請求項2の光学レンズの製造方法
は、工程実施後に得られる被加工物表面の最大表面粗さ
Rmaxが0.001mm以上かつ0.010mm以下
になるような形状創成工程と、前記被加工物表面を弾性
体を用いて研磨する研磨工程と、を有することを特徴と
する。このため、請求項2の光学レンズの製造方法は、
請求項1の光学レンズの製造方法の効果に加えて、以下
の効果がある。すなわち、形状創成工程実施後に得られ
る被加工物表面の最大表面粗さRmaxを0.001m
m以上とし、それ以上の精度の光学面を出すための研磨
工程をその後に設けたことにより、形状創成工程に要す
る時間を不必要に長時間にすることもなく、所望の光学
面をもった形状精度、外観精度のよい光学レンズを短時
間で製造することが可能となる。ここで、最大表面粗さ
Rmaxを0.001mm以上としたのは、0.001
mm未満にすると、形状創成工程に要する時間が不必要
に長くなってしまうからである。この場合、0.002
mm以上とするのが好ましく、0.003mm以上とす
るのがより好ましい。また、被加工物表面を弾性体を用
いて研磨する研磨工程を採用したので、自由曲面をもっ
たあらゆる表面形状の光学面にも対応できるという効果
がある。
は、工程実施後に得られる被加工物表面の最大表面粗さ
Rmaxが0.001mm以上かつ0.010mm以下
になるような形状創成工程と、前記被加工物表面を弾性
体を用いて研磨する研磨工程と、を有することを特徴と
する。このため、請求項2の光学レンズの製造方法は、
請求項1の光学レンズの製造方法の効果に加えて、以下
の効果がある。すなわち、形状創成工程実施後に得られ
る被加工物表面の最大表面粗さRmaxを0.001m
m以上とし、それ以上の精度の光学面を出すための研磨
工程をその後に設けたことにより、形状創成工程に要す
る時間を不必要に長時間にすることもなく、所望の光学
面をもった形状精度、外観精度のよい光学レンズを短時
間で製造することが可能となる。ここで、最大表面粗さ
Rmaxを0.001mm以上としたのは、0.001
mm未満にすると、形状創成工程に要する時間が不必要
に長くなってしまうからである。この場合、0.002
mm以上とするのが好ましく、0.003mm以上とす
るのがより好ましい。また、被加工物表面を弾性体を用
いて研磨する研磨工程を採用したので、自由曲面をもっ
たあらゆる表面形状の光学面にも対応できるという効果
がある。
【0009】(3)請求項3の光学レンズの製造方法
は、工程実施中に被加工物表面に生成される変曲点近傍
の段差量が、面粗度成分を除いて、0.005mm以下
になるような形状創成工程を有することを特徴とする。
このため、請求項3の光学レンズの製造方法は、段差を
除去するための砂掛け工程を実施することなく研磨工程
を実施することが可能となる。その結果、砂掛け工程を
省略することができ工程を簡略化することができるとい
う効果があるうえ、砂掛け工程を省略しても研磨工程に
要する時間が長くなることもなく、トータルしてみる
と、所望の光学面をもった光学レンズを短時間で製造す
ることが可能となるという効果がある。ここで、段差量
を0.005mm以下としたのは、0.005mmを超
えた範囲としたうえで砂掛け工程を省略した場合、研磨
工程に要する時間が長くなる傾向にあり好ましくないか
らであり、たとえ長時間研磨工程を実施したとしてもこ
の段差を完全に除去するのは困難であり、さらに仮にこ
の段差を完全に除去することができたとしても長時間の
研磨工程を経ることによって形状創成工程で創成された
光学面の形状精度を悪化させてしまったり研磨ダレを発
生させてしまったりしてしまうからである。また、砂掛
け工程が省略できるため、砂掛け工程で必要であった研
磨皿を不要にすることができるという効果がある。
は、工程実施中に被加工物表面に生成される変曲点近傍
の段差量が、面粗度成分を除いて、0.005mm以下
になるような形状創成工程を有することを特徴とする。
このため、請求項3の光学レンズの製造方法は、段差を
除去するための砂掛け工程を実施することなく研磨工程
を実施することが可能となる。その結果、砂掛け工程を
省略することができ工程を簡略化することができるとい
う効果があるうえ、砂掛け工程を省略しても研磨工程に
要する時間が長くなることもなく、トータルしてみる
と、所望の光学面をもった光学レンズを短時間で製造す
ることが可能となるという効果がある。ここで、段差量
を0.005mm以下としたのは、0.005mmを超
えた範囲としたうえで砂掛け工程を省略した場合、研磨
工程に要する時間が長くなる傾向にあり好ましくないか
らであり、たとえ長時間研磨工程を実施したとしてもこ
の段差を完全に除去するのは困難であり、さらに仮にこ
の段差を完全に除去することができたとしても長時間の
研磨工程を経ることによって形状創成工程で創成された
光学面の形状精度を悪化させてしまったり研磨ダレを発
生させてしまったりしてしまうからである。また、砂掛
け工程が省略できるため、砂掛け工程で必要であった研
磨皿を不要にすることができるという効果がある。
【0010】(4)請求項4の光学レンズの製造方法
は、工程実施中に被加工物表面に生成される変曲点近傍
の段差量が、面粗度成分を除いて、0.0005mm以
上かつ0.005mm以下になるような形状創成工程
と、前記被加工物表面を弾性体を用いて研磨する研磨工
程と、を有することを特徴とする。このため、請求項4
の光学レンズの製造方法は、請求項3の光学レンズの製
造方法の効果に加えて、以下の効果がある。すなわち、
工程実施中に被加工物表面に生成される変曲点近傍の段
差量が、面粗度成分を除いて、0.0005mm以上に
なるような形状創成工程を有するようにしたので、段差
の発生の極めて小さい高価な形状創成装置を用いる必要
がなく、製造コストを低減することができる。また、段
差の発生を抑えるために加工スピードを遅くする必要が
ないので、形状創成工程に要する時間を不必要に長時間
にすることもなく、所望の光学面をもった形状精度、外
観精度のより光学レンズを短時間で製造することが可能
となる。また、被加工物表面を弾性体を用いて研磨する
研磨工程を採用したので、自由曲面をもったあらゆる表
面形状の光学面にも対応できるという効果がある。
は、工程実施中に被加工物表面に生成される変曲点近傍
の段差量が、面粗度成分を除いて、0.0005mm以
上かつ0.005mm以下になるような形状創成工程
と、前記被加工物表面を弾性体を用いて研磨する研磨工
程と、を有することを特徴とする。このため、請求項4
の光学レンズの製造方法は、請求項3の光学レンズの製
造方法の効果に加えて、以下の効果がある。すなわち、
工程実施中に被加工物表面に生成される変曲点近傍の段
差量が、面粗度成分を除いて、0.0005mm以上に
なるような形状創成工程を有するようにしたので、段差
の発生の極めて小さい高価な形状創成装置を用いる必要
がなく、製造コストを低減することができる。また、段
差の発生を抑えるために加工スピードを遅くする必要が
ないので、形状創成工程に要する時間を不必要に長時間
にすることもなく、所望の光学面をもった形状精度、外
観精度のより光学レンズを短時間で製造することが可能
となる。また、被加工物表面を弾性体を用いて研磨する
研磨工程を採用したので、自由曲面をもったあらゆる表
面形状の光学面にも対応できるという効果がある。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は形状創成後の被加工物表面
とその拡大図および面粗度を示す図である。また、図2
は同じく形状創成後の被加工物表面とその拡大図および
変曲点近傍の面粗度成分を除いた段差量、すなわちうね
り量を表す図である。以下これらの図面に基づいて実施
例を説明する。本実施例ではプラスチック眼鏡レンズの
製造方法を例に説明するが、当然のことながら本発明は
本実施例のみに限定されるものではなく、光学レンズ全
般の製造に適用できることは言うまでもない。
とその拡大図および面粗度を示す図である。また、図2
は同じく形状創成後の被加工物表面とその拡大図および
変曲点近傍の面粗度成分を除いた段差量、すなわちうね
り量を表す図である。以下これらの図面に基づいて実施
例を説明する。本実施例ではプラスチック眼鏡レンズの
製造方法を例に説明するが、当然のことながら本発明は
本実施例のみに限定されるものではなく、光学レンズ全
般の製造に適用できることは言うまでもない。
【0012】本実施例では、プラスチック製の眼鏡レン
ズを形状創成手段によって所望の形状に形状創成した
後、ゴムをその素材とした弾性体からなるポリシャヘッ
ドを用いて研磨する製造方法について説明する。
ズを形状創成手段によって所望の形状に形状創成した
後、ゴムをその素材とした弾性体からなるポリシャヘッ
ドを用いて研磨する製造方法について説明する。
【0013】(実施例1)まず、装用者の処方に基づき
セミフィニッシュレンズと呼ばれる研磨加工前の眼鏡レ
ンズ(以下セミフィニッシュレンズとする)を選択した
後、低融点合金を用いて研磨用の保持具に固定し、この
保持具に固定したセミフィニッシュレンズを装用者の処
方、本実施例では乱視処方であったため所望のトーリッ
ク面形状となるように、図示しない形状創成手段でトー
リック形状の形状創成を行い、砂掛け加工上がりと同等
かそれ以上の平滑な仕上げ面を得た。この時の仕上げ面
の面粗度は部位によって若干の違いはあったが、最大表
面粗さRmaxで0.0038〜0.0061mmであ
った。また、仕上げられたトーリック面に生成されたう
ねり量は、ベースカーブ近傍のワーク中心部で0.00
21mm、同じく外周部で0.0036mmであった。
またクロスカーブ近傍のワーク中心部で0.0015m
m、同じく外周部で0.0033mmであった。測定器
はランクテーラーホブソン社の商品名:フォームタリサ
ーフを用いた。なお、最大表面粗さRmax3はROU
GHNESSモードで測定した時のPeak To V
alley値とした。解析パラメータは、測定長4がワ
ーク径方向に10mm、カットオフ値2.5mm、フィ
ルターISO、リファレンスCONCAVEとした。ま
た、面粗度成分9を除いたうねり量5はWAVINES
Sモードで測定した時のPeak To Valley
値とした。解析パラメータは、測定長がベースカーブあ
るいはクロスカーブと直交する方向で各カーブを跨いで
10mm、カットオフ値2.5mm、フィルターIS
O、リファレンスCONCAVEとした。なお、最大表
面粗さを図1に、また、うねり量を図2に表す。次に、
研磨加工用の研磨パッド7を図3に示すように弾性体8
に貼り付け、スラリー状の遊離砥粒を供給しながら、図
示しない研磨機で約4分15秒研磨加工した。このよう
にして研磨加工されたプラスチック眼鏡レンズは外観品
質、寸度精度ともに所望の品質および精度を十分に満足
するものだった。
セミフィニッシュレンズと呼ばれる研磨加工前の眼鏡レ
ンズ(以下セミフィニッシュレンズとする)を選択した
後、低融点合金を用いて研磨用の保持具に固定し、この
保持具に固定したセミフィニッシュレンズを装用者の処
方、本実施例では乱視処方であったため所望のトーリッ
ク面形状となるように、図示しない形状創成手段でトー
リック形状の形状創成を行い、砂掛け加工上がりと同等
かそれ以上の平滑な仕上げ面を得た。この時の仕上げ面
の面粗度は部位によって若干の違いはあったが、最大表
面粗さRmaxで0.0038〜0.0061mmであ
った。また、仕上げられたトーリック面に生成されたう
ねり量は、ベースカーブ近傍のワーク中心部で0.00
21mm、同じく外周部で0.0036mmであった。
またクロスカーブ近傍のワーク中心部で0.0015m
m、同じく外周部で0.0033mmであった。測定器
はランクテーラーホブソン社の商品名:フォームタリサ
ーフを用いた。なお、最大表面粗さRmax3はROU
GHNESSモードで測定した時のPeak To V
alley値とした。解析パラメータは、測定長4がワ
ーク径方向に10mm、カットオフ値2.5mm、フィ
ルターISO、リファレンスCONCAVEとした。ま
た、面粗度成分9を除いたうねり量5はWAVINES
Sモードで測定した時のPeak To Valley
値とした。解析パラメータは、測定長がベースカーブあ
るいはクロスカーブと直交する方向で各カーブを跨いで
10mm、カットオフ値2.5mm、フィルターIS
O、リファレンスCONCAVEとした。なお、最大表
面粗さを図1に、また、うねり量を図2に表す。次に、
研磨加工用の研磨パッド7を図3に示すように弾性体8
に貼り付け、スラリー状の遊離砥粒を供給しながら、図
示しない研磨機で約4分15秒研磨加工した。このよう
にして研磨加工されたプラスチック眼鏡レンズは外観品
質、寸度精度ともに所望の品質および精度を十分に満足
するものだった。
【0014】(比較例1)実施例1と同じ処方に基づき
処方を満足するトーリック面形状となるように、、図示
しないが従来技術で用いられている汎用の形状創成手段
でほぼ所望のトーリック形状となるように荒削りを行っ
た。この時の荒削り面の面粗度は部位によって若干の違
いはあったが、最大表面粗さRmaxで0.092〜
0.138mmであった。また、荒削りされたトーリッ
ク面に生成されたうねり量は、ベースカーブ近傍のワー
ク中心部で0.023mm、同じく外周部で0.037
mmであった。またクロスカーブ近傍のワーク中心部で
0.029mm、同じく外周部で0.041mmであっ
た。なお、測定には実施例1と同じ測定器、測定モー
ド、解析パラメータを用い同様の解析を行った。続い
て、従来技術で用いられる研磨加工用の研磨パッドを所
望のトーリック形状を有する研磨皿に貼り付け、スラリ
ー状の遊離砥粒を供給しながら、図示しない研磨機で約
22分30秒研磨加工した。しかしながら研磨加工され
たプラスチック眼鏡レンズはレンズの中心部の一部およ
びベースカーブ近傍のうねり部分が所望の光学面になら
ずに研磨残りとなった。さらに研磨条件は変更せずに追
加で17分15秒研磨加工したところ研磨残りはなくな
ったがレンズ外周部全体に研磨ダレが発生し、またベー
スカーブおよびクロスカーブ近傍のうねり部分の形状が
がそのまま残るとともに、レンズ度数では狙い値から大
きく外れ度数公差を満足することができなかった。結果
として外観品質、寸度精度ともに所望の品質および精度
を得ることはできなかった。
処方を満足するトーリック面形状となるように、、図示
しないが従来技術で用いられている汎用の形状創成手段
でほぼ所望のトーリック形状となるように荒削りを行っ
た。この時の荒削り面の面粗度は部位によって若干の違
いはあったが、最大表面粗さRmaxで0.092〜
0.138mmであった。また、荒削りされたトーリッ
ク面に生成されたうねり量は、ベースカーブ近傍のワー
ク中心部で0.023mm、同じく外周部で0.037
mmであった。またクロスカーブ近傍のワーク中心部で
0.029mm、同じく外周部で0.041mmであっ
た。なお、測定には実施例1と同じ測定器、測定モー
ド、解析パラメータを用い同様の解析を行った。続い
て、従来技術で用いられる研磨加工用の研磨パッドを所
望のトーリック形状を有する研磨皿に貼り付け、スラリ
ー状の遊離砥粒を供給しながら、図示しない研磨機で約
22分30秒研磨加工した。しかしながら研磨加工され
たプラスチック眼鏡レンズはレンズの中心部の一部およ
びベースカーブ近傍のうねり部分が所望の光学面になら
ずに研磨残りとなった。さらに研磨条件は変更せずに追
加で17分15秒研磨加工したところ研磨残りはなくな
ったがレンズ外周部全体に研磨ダレが発生し、またベー
スカーブおよびクロスカーブ近傍のうねり部分の形状が
がそのまま残るとともに、レンズ度数では狙い値から大
きく外れ度数公差を満足することができなかった。結果
として外観品質、寸度精度ともに所望の品質および精度
を得ることはできなかった。
【0015】(実施例2)まず、実施例1と同様に装用
者の処方に基づきセミフィニッシュレンズを選択した
後、低融点合金を用いて研磨用の保持具に固定し、この
保持具に固定したセミフィニッシュレンズを装用者の処
方、本実施例では眼球側に累進面を有する内面累進多焦
点レンズ処方であったため、所望の累進面形状となるよ
うに、図示しない形状創成手段で累進面形状となるよう
に形状創成を行った。この時の仕上げ面の面粗度は部位
によって若干の違いはあったが、最大表面粗さRmax
で0.0052〜0.0075mmであった。また、仕
上げられた累進面に生成されたうねり量は、近用部近傍
を中心にワーク中心部で0.0027mm、中間部で
0.0029mm、同じく外周部で0.0037mmで
あった。なお、測定には実施例1と同じ測定器、測定モ
ード、解析パラメータを用い同様の解析を行った。本実
施例のうねり量は累進面中の変曲点近傍を測定したもの
である。次に、研磨加工用の研磨パッド7を図3に示す
ように弾性体8に貼り付け、スラリー状の遊離砥粒を供
給しながら、図示しない研磨機で約5分30秒研磨加工
した。このようにして研磨加工されたプラスチック眼鏡
レンズは外観品質、寸度精度ともに所望の品質および精
度を十分に満足するものだった。
者の処方に基づきセミフィニッシュレンズを選択した
後、低融点合金を用いて研磨用の保持具に固定し、この
保持具に固定したセミフィニッシュレンズを装用者の処
方、本実施例では眼球側に累進面を有する内面累進多焦
点レンズ処方であったため、所望の累進面形状となるよ
うに、図示しない形状創成手段で累進面形状となるよう
に形状創成を行った。この時の仕上げ面の面粗度は部位
によって若干の違いはあったが、最大表面粗さRmax
で0.0052〜0.0075mmであった。また、仕
上げられた累進面に生成されたうねり量は、近用部近傍
を中心にワーク中心部で0.0027mm、中間部で
0.0029mm、同じく外周部で0.0037mmで
あった。なお、測定には実施例1と同じ測定器、測定モ
ード、解析パラメータを用い同様の解析を行った。本実
施例のうねり量は累進面中の変曲点近傍を測定したもの
である。次に、研磨加工用の研磨パッド7を図3に示す
ように弾性体8に貼り付け、スラリー状の遊離砥粒を供
給しながら、図示しない研磨機で約5分30秒研磨加工
した。このようにして研磨加工されたプラスチック眼鏡
レンズは外観品質、寸度精度ともに所望の品質および精
度を十分に満足するものだった。
【図1】被加工物表面とその拡大図および最大表面粗さ
を表す図。
を表す図。
【図2】被加工物表面とその拡大図および変曲点近傍の
面粗度成分を除いた段差量を表す図。
面粗度成分を除いた段差量を表す図。
【図3】ゴムを素材とした弾性体からなるポリシャヘッ
ド。
ド。
1 被加工物 2 被加工物表面 3 最大表面粗さRmax 4 面粗度測定の測定長 5 うねり量 6 うねり量測定の測定長 7 研磨パッド 8 弾性体 9 面粗度成分
Claims (4)
- 【請求項1】工程実施後に得られる被加工物表面の最大
表面粗さRmaxが0.010mm以下になるような形
状創成工程を有することを特徴とする光学レンズの製造
方法。 - 【請求項2】工程実施後に得られる被加工物表面の最大
表面粗さRmaxが0.001mm以上かつ0.010
mm以下になるような形状創成工程と、 前記被加工物表面を弾性体を用いて研磨する研磨工程
と、を有することを特徴とする光学レンズの製造方法。 - 【請求項3】工程実施中に被加工物表面に生成される変
曲点近傍の段差量が、面粗度成分を除いて、0.005
mm以下になるような形状創成工程を有することを特徴
とする光学レンズの製造方法。 - 【請求項4】工程実施中に被加工物表面に生成される変
曲点近傍の段差量が、面粗度成分を除いて、0.000
5mm以上かつ0.005mm以下になるような形状創
成工程と、 前記被加工物表面を弾性体を用いて研磨する研磨工程
と、を有することを特徴とする光学レンズの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27784797A JPH11114790A (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 光学レンズの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27784797A JPH11114790A (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 光学レンズの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11114790A true JPH11114790A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17589108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27784797A Withdrawn JPH11114790A (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 光学レンズの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11114790A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7500903B2 (en) | 2002-01-09 | 2009-03-10 | Hoya Corporation | Polishing apparatus |
-
1997
- 1997-10-09 JP JP27784797A patent/JPH11114790A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7500903B2 (en) | 2002-01-09 | 2009-03-10 | Hoya Corporation | Polishing apparatus |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20051011 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20051018 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20051027 |