JPH11114518A - 有害廃棄物の処理設備及び有害廃棄物の処理方法 - Google Patents

有害廃棄物の処理設備及び有害廃棄物の処理方法

Info

Publication number
JPH11114518A
JPH11114518A JP9279222A JP27922297A JPH11114518A JP H11114518 A JPH11114518 A JP H11114518A JP 9279222 A JP9279222 A JP 9279222A JP 27922297 A JP27922297 A JP 27922297A JP H11114518 A JPH11114518 A JP H11114518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
melting furnace
hazardous waste
hand
container
charging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9279222A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiro Tanaka
志郎 田中
Hideyuki Ikenotani
秀行 池ノ谷
Kazunori Yamate
一記 山手
Daihachiro Sakurai
大八郎 櫻井
Haruhito Okago
治仁 尾籠
Hiroshi Shimazu
弘志 嶋津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RADOTEC KK
Mitsubishi Materials Corp
Nippon Steel Corp
Original Assignee
RADOTEC KK
Mitsubishi Materials Corp
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RADOTEC KK, Mitsubishi Materials Corp, Nippon Steel Corp filed Critical RADOTEC KK
Priority to JP9279222A priority Critical patent/JPH11114518A/ja
Publication of JPH11114518A publication Critical patent/JPH11114518A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備全体としての信頼性を高めるとともに、
従来人手に頼っていた作業の自動化、また、溶融炉内へ
の有害廃棄物の確実な装入を行い、作業環境の安全性を
さらに高めた有害廃棄物の溶融処理設備を提供する。 【解決手段】 処理室R内部に、溶融炉7と作業ロボッ
ト8とを備え、この作業ロボット8の可動範囲内には、
溶融炉7に対して行う各種作業に対応したハンドが配置
されている。これらハンドは、有害廃棄物を溶融炉7内
に装入するための有害廃棄物装入用ハンド10、容器D
ごと装入するための容器装入用ハンド11や、溶融炉7
稼働前に有害廃棄物を溶融炉7内に押し込むための押付
棒16等を把持するワーク把持用ハンド12等が用意さ
れている。作業ロボット8は、これら各ハンドを適宜作
業内容に合わせて着脱可能とされているため、設備の信
頼性の向上及び作業自動化の拡大が可能となり、上記課
題を達成することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】原子炉施設等から排出される
放射性廃棄物あるいは各種プラント等から発生する有害
廃棄物等を溶融、固化処理するための有害廃棄物の処理
設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、放射性廃棄物を代表とする有害廃
棄物は、原子力発電所、各種プラント等から大量に発生
し、その保管量は増大する傾向にある。したがって、こ
のような有害廃棄物を埋設、保管するためには、廃棄物
の減容化、安定化、無害化の必要性が生じてきている。
この目的を達成するために、有害廃棄物の溶融処理が優
れた方法として広く知られている。
【0003】この有害廃棄物の溶融処理は、該有害廃棄
物を、高周波誘導加熱装置等によって高温にされる溶融
炉内に投入して溶融し、その溶融物を運搬容易なように
固化させ、その結果減容化、無害化された廃棄物を得る
方法である。
【0004】ところで、上記溶融処理設備においては、
扱われる物質が有害であることをはじめ、高温下にある
溶融炉を備えていることなどから、作業は無人で行われ
ることが好まい。このような無人化された有害廃棄物の
処理設備としては、特開平5-172996公報に示されている
ようなものがある。この設備の概要図を図6に示す。
【0005】これは、有害廃棄物の装填された二重蓋付
のドラム管1において、まず、蓋取り外し装置2よって
蓋を取り外し、この蓋を取り外されたドラム管1を昇降
装置3上で移動させ、該昇降装置3の末端にてドラム管
1を反転させ、そのドラム管1内の有害廃棄物を重力に
より粉砕機4、搬送装置5上へと供給し、その後溶融炉
6内へと投入、最終的に固化するまでを無人で行う設備
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な方法では、ドラム管1内の有害廃棄物を開封し、搬送
装置5上で外部に曝して溶融炉6に装入する方法となっ
ているため、搬送装置5上に未処理の廃棄物が滞留する
可能性がある。また、例えば、装置の保守点検の際に
は、前記したような外部に直接曝された廃棄物を、手作
業により直接取り除く必要が生じ、作業員の安全という
観点から問題があった。
【0007】また、本設備は、蓋取り外し、粉砕、搬
送、溶融等を流れ作業的に自動化していることから、こ
れら各作業を実現する装置を外部から遮断するための処
理室は、比較的大きなものとなり、設置場所を大きくと
らなければならないという問題もあった。さらに、上記
各種の自動装置は各作業に特化されたものであって、本
設備はこれが連結されたものであることから、設備故障
に対する信頼性という点でもやや懸念があった。
【0008】また、有害廃棄物の処理一般としては、そ
の溶融処理における有害廃棄物の溶融状況の変化は非常
に激しいことから、溶融物の温度測定や、溶融物のサン
プル採取作業などは、定形の作業として自動化すること
が一般的に困難であり、このような作業に関しては、防
護服等を身につけた作業員が、人手により作業を行う必
要があって、この点でも、作業員の安全という面に関し
て問題があった。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、作業領域をコンパク
トにまとめるとともに、設備全体としての信頼性を高
め、従来人手に頼っていた作業の自動化の実行、また、
溶融炉内への有害廃棄物の確実な装入を行い、作業環境
の安全性をさらに高めた有害廃棄物の溶融処理設備を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を採用した。すなわち、本発明
は、内部に溶融炉を備えた処理室と、容器内に装填され
た有害廃棄物を、前記処理室に搬送する搬送装置と、前
記処理室内に搬送された前記有害廃棄物を前記溶融炉に
投入して、溶融処理する有害廃棄物の処理設備におい
て、前記処理室内には、前記溶融炉の近傍に位置させ
て、前記処理室内に搬送された有害廃棄物が装填された
容器を載置する容器載置部と、該容器を移送する作業ロ
ボットとが設けられ、該作業ロボットの可動範囲内に
は、前記容器載置部に載置された容器を把持して、これ
を前記溶融炉の開口部近傍に移送し、前記有害廃棄物を
前記溶融炉内へ装入するための装入用ハンドと、前記溶
融炉及び溶融物に対して、溶融炉稼働前後における処理
操作を行う操作棒を把持するワーク把持用ハンドとが配
置され、前記作業ロボットのアーム先端には、前記装入
用ハンド及び前記ワーク把持用ハンドとが着脱可能なツ
ールチェンジャーが設けられていることを特徴とする。
【0011】これによれば、処理室内に搬送された有害
廃棄物を装填した容器を、作業ロボットのアーム先端に
設けられているツールチェンジャーに装着された装入用
ハンドによって把持し、溶融炉内へ有害廃棄物を装入す
ることが可能となる。また、前記ツールチェンジャー
は、ハンドの着脱が可能とされ、ここにワーク把持用ハ
ンドを装着し、かつこのワーク把持用ハンドに操作棒を
把持することにより、溶融炉稼働前後における各種作業
を作業ロボットで行うことが可能となる。
【0012】また、前記溶融炉内の温度を測定するため
の測温プローブと、前記溶融炉内の溶融物の一部を採取
して溶融状態を確認するためのサンプリングプローブと
を前記溶融炉内に挿入するためのプローブ挿入用ハンド
が、前記作業ロボットの可動範囲内に配置され、前記ツ
ールチェンジャーにより、前記作業ロボットのアーム先
端に前記プローブ挿入用ハンドが着脱可能とされている
ことを特徴とする。
【0013】これによれば、溶融炉稼働中の温度測定を
測温プローブにて、そして溶融物のサンプリング採取を
サンプリングプローブにて行うことが可能となる。ま
た、この両プローブは、プローブ挿入用ハンドに挿入さ
れ、かつ前記作業ロボットのアーム先端に設けられてい
るツールチェンジャーに着脱可能とされていることか
ら、さきの作業ロボットのハンドを交換するのみで行う
ことが可能となる。
【0014】さらに、前記操作棒は、前記溶融炉内に装
入された前記有害廃棄物を、溶融炉内へ向けて押し付け
る押付棒と、前記溶融炉内に発生するスラグを前記溶融
炉外へと取り出すための掻出棒と、前記溶融炉内で溶融
された有害廃棄物が固化される際に挿入する吊ピースと
でなることを特徴とする。
【0015】これによれば、押付棒により溶融炉内の有
害廃棄物を、溶融炉内方に向けて押し付けることが可能
となるから、炉内で棚吊状態となった有害廃棄物を炉の
底へ落とすことが可能となる。また、溶融処理後発生す
るスラグを溶融炉外へ取り出す掻出棒があることより、
溶融炉内の清掃が可能となる。さらに、有害廃棄物が固
化される際に挿入する吊ピースがあることから、固化後
の有害廃棄物の運搬処理が容易となる。
【0016】最後に、前記装入用ハンドは、前記有害廃
棄物を装填された前記容器を傾動し、該有害廃棄物のみ
を前記溶融炉内に装入するための有害廃棄物装入用ハン
ドと、前記容器を有害廃棄物ごと溶融炉内へ装入するた
めの容器装入用ハンドとでなることを特徴とする。
【0017】これによれば、有害廃棄物挿入用ハンドを
用いれば、容器内に装填された有害廃棄物のみを溶融炉
内に挿入することが可能となり、また、容器装入用ハン
ドを用いれば有害廃棄物、容器をともに溶融炉内へ挿入
することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態に
ついて図を参照して説明する。図1において、符号7は
溶融炉、8は作業ロボット、9は容器載置部、10は有
害廃棄物装入用ハンド、11は容器装入用ハンド、12
はワーク把持用ハンド、13はプローブ装入用ハンド、
14は鋳型、Rは処理室、Oは操作室である。
【0019】処理室R内には、図1に示すように、溶融
炉7が操作室Oと対向するように備えられている。操作
室Oは、その前面に窓Owを備え、この溶融炉7をはじ
め処理室R内の様子を目視により監視可能なようになさ
れているものである。この溶融炉7は、溶融炉本体7a
と炉蓋7bとから構成されている。
【0020】溶融炉本体7aは高周波誘導加熱炉であ
る。この溶融炉本体7a上部においては、差し口7cが
設けられており、これは有害廃棄物の溶融物を、溶融炉
本体7aから鋳型14に移す際に使用されるものであ
る。
【0021】一方、炉蓋7bは、ホッパ(溶融炉の開口
部)7d、排出弁7e、排ガス管7fとで構成されてい
る。ホッパ7dは、有害廃棄物、容器を炉内へ装入する
ための開口部である。排出弁7eは、ホッパ7dと溶融
炉本体7aとを仕切るために設けられているものであ
る。したがって、有害廃棄物を炉内へ装入する際には、
一旦ホッパ7d内に該有害廃棄物を滞留させ、排出弁7
eを開くことによって、溶融炉7内へと導くようになさ
れている。また、この有害廃棄物の炉内への導入時や、
溶融状態において吐き出された排ガスは、排ガス管7f
を通って図示しない排ガス処理設備へと導かれるように
なされている。
【0022】また、この他にも溶融炉7には覗窓7gが
設置されている。この覗窓7gは、溶融炉内の燃焼、溶
融状態等を監視するために設けられ、エアーシリンダー
等で開閉可能なようになされている。この覗窓7gに
は、監視カメラ15が設置されている。この画像情報
は、処理室R内に対向するように設けられた操作室Oに
伝送され、その様子を逐一監視することができる。ま
た、操作室Oは、この設備を用いて行われる有害廃棄物
処理の一連の操作をするために設けられており、以下で
説明する作業ロボット8の動作、そのハンドの装着等の
指令は、この操作室Oにおいて行われる。
【0023】上記の溶融炉7に相対する位置に、作業ロ
ボット8が設置されている。これは、3次元的に位置と
姿勢を制御可能な6自由度多間接型ロボットで、その姿
勢制御に必要な間接の動作はACサーボモータにより、
位置の検出はエンコーダにより行われるようになってい
る。当該作業ロボット8を構成するアームの先端におい
ては、ハンドを自由に着脱可能なツールチェンジャー8
aが備えられている。このツールチェンジャー8aは空
気圧駆動式とされ、後述する各種ハンドを空気圧にて装
着し、これと同時にツールチェンジャー8aとハンド間
に空気配管を接続して、各種ハンドの駆動を行うことが
可能とされているものである。また、この作業ロボット
8は、溶融炉7近傍に配置されることから、溶融炉の輻
射熱を浴びるため、これに起因する装置の故障等を回避
する目的をもって、防護服8bが作業ロボット8全体を
覆うように設けられている。
【0024】容器載置部9は、溶融炉7と作業ロボット
8との間に設けられ、有害廃棄物を装填した容器Dを、
図示しない搬送装置により搬送した後に設置する場所で
ある。
【0025】以下では、上記作業ロボット8のアーム先
端に、ツールチェンジャー8aを介して着脱される各種
ハンドについて説明する。このハンドは、作業ロボット
8の可動範囲内に配置されており、基本的には、作業に
要求されうるあらゆる機能を備えたハンドを、上記作業
ロボット8の可動範囲内で何種類でも用意することが可
能である。本実施の形態においては、図1に示すよう
に、作業ロボット8に直接装着されるハンドとして4種
類、ハンドの先に更に装着される付属品を5種類用意し
ている。なお、これらハンド、付属品にも、作業ロボッ
ト8を輻射熱から守るため防護服2bが設けられている
ことと同様に、必要な場所に、必要な大きさで防熱板が
設置されている。
【0026】装入用ハンドの一つである有害廃棄物装入
用ハンド10は、図2に示すように、グリップ面にゴム
ライニング10aを施した両爪式のグリップ部10b
と、傾動用ロータリアクチュエータ10cとを備えてい
る。両者は、ともにエアーシリンダー10dにより駆動
されるようになされているものである。有害廃棄物を装
填した容器Dは、このグリップ部10bにより両側面か
ら挟み込まれるように保持される。また、傾動用ロータ
リアクチュエータ10cは、保持された容器Dの位置
を、水平位置から角度変化、すなわち傾動させるために
設けられ、これにより容器D開口部を下に向けるように
容器Dを回転させ、容器D内の有害廃棄物を注ぎ出すよ
うな動きが可能となる。なお、この有害廃棄物装入用ハ
ンドの上部には、作業ロボット8のアーム先端に設けら
れているツールチェンジャー8aに接続される接続部5
0を備えている。この接続部50は、以下で説明するハ
ンドにはすべて備えられているものである。
【0027】もう一つの装入用ハンドである容器装入用
ハンド11は、図3に示すように、容器Dの天蓋を覆
い、かつ容器D上部の左右方向から掴み動作するような
掴み部11aを備えた構成とされている。また、この容
器装入用ハンド11は、容器Dに対する当該ハンド11
の位置決めと容器Dの固有の寸法のばらつきに対応する
ために、上下分割構造とされている。すなわち、下部1
1bは、上部11cに対してスプリング11dにより連
結され、上下水平方向に若干の揺動が可能なフロート式
とされているものである。さらに、掴み部11aは、上
記グリップ部11aと同様にエアーシリンダー11eに
よる空気圧駆動式とされており、これにより開閉運動が
可能とされているものである。掴み部11aは容器Dの
上部を掴むことから、その掴んだ状態を解除すること
で、当該容器Dを垂直方向に落下させることが可能とな
っているものである。
【0028】ワーク把持用ハンド12は、図4に示すよ
うに、スチール製で棒状体の操作棒を把持するような把
持部12aを備えている。このワーク把持用ハンド12
に把持される操作棒としては、図1に示すように、作業
ロボット8の可動範囲内に配置される押付棒16、掻出
棒17、吊ピース18があり、これらはそれぞれ溶融炉
7稼働前後においてワーク把持用ハンド12に把持さ
れ、かつ該ハンド12を作業ロボット8のアーム先端に
装着した状態で、各々の作業工程において使用される。
この詳細については、後述の本設備の作用の項で説明す
る。なお、上記把持部12aも上記グリップ部10b、
掴み部11aと同様に、エアーシリンダー12bにより
空気圧駆動されるようになっているものである。
【0029】プローブ装入用ハンド13は、図5に示す
ように、棒状体の測温プローブ19、サンプリングプロ
ーブ20を挿入可能な構成とされている。これら測温プ
ローブ19やサンプリングプローブ20は、図1に示す
ように、プローブ置き場21に複数設置されているもの
で、この位置を作業ロボット8に予めティーチングし
て、プローブ装入用ハンド13の先端に挿入、使用する
ものである。使用後の測温プローブ19、サンプリング
プローブ20は、さきのプローブ置き場21に隣接して
配置される使用済みプローブ置き場22に戻されて設置
されることとなる。なお、この測温結果などは、操作室
Oに伝送線等を通ってリアルタイムに送信されることと
なっている。
【0030】以上のような構成をもつ有害廃棄物の処理
設備において、実際の廃棄物の溶融処理作業は以下のよ
うに行われる。なお、以下で説明する作業ロボット8の
動作は、予め操作室Oにおいてプログラムされているも
のでも良いし、場合によっては、マニュアル操作によっ
て行われてもよいものである。
【0031】まず、有害廃棄物を装填した容器Dを、処
理室R外部から導入し、図示しないホイストクレーン
(搬送装置)等の手段によって、容器載置部9に載置す
る。そして、作業ロボット8を動作させ、有害廃棄物装
入用ハンド10を、作業ロボット8のアーム先端におけ
るツールチェンジャー8aに装着した後に、その有害廃
棄物装入用ハンド10を、さきの容器載置部9に載置し
た容器Dと対向するように配置する。容器Dの位置を確
認したら、有害廃棄物処理ハンド10のグリップ部10
bを開き、容器Dの両側面をそのグリップ部10bで挟
むように、作業ロボット8を動作させる。そして、グリ
ップ部10bを閉じ、容器Dの把持が確認されたなら
ば、この保持した容器Dを溶融炉7のホッパ7d上方に
くるように作業ロボット8を動作させる。
【0032】容器Dが、ホッパ7d上方に配置された
ら、有害廃棄物装入用ハンド10の傾動用ロータリアク
チュエータ10cを作動させ、グリップ部10bに把持
された容器Dを徐々に傾けさせていく。これによって、
容器D内部に装填されていた有害廃棄物のみが、ホッパ
7d上方にそそぎ込まれることとなる。これは有害廃棄
物を、容器Dから溶融炉7へと直接装入することとなる
から、他の装置あるいは処理室R内の環境を害すること
がきわめて少ない。そして、容器D内部の有害廃棄物を
すべてホッパ7d内に供給したら、作業ロボット8はそ
の空となった容器Dを、もとあった容器載置部9へと戻
す。一方で、ホッパ7d内に供給された有害廃棄物は、
排出弁7eを開くことによって、溶融炉本体7a内へと
導入されることとなる。なお、上記有害廃棄物の装入時
に発生するガスは、溶融炉7に備えられた排ガス管7f
を通して、図示しない排ガス処理設備へと送られること
となる。
【0033】ただし、上記の有害廃棄物の装入作業は以
下のように行ってもよい。作業ロボット8のアーム先端
に、容器装入用ハンド11を装着する。容器装入用ハン
ド11は、容器載置部9に置かれた容器D上部を、天蓋
を覆うように、掴み部11aにより把持し、先述した場
合と同様に、溶融炉7のホッパ7d上方に移送してい
く。なお、この場合は、容器Dの位置はホッパ7dの直
上でよい。この位置に容器Dが配置されたことが確認で
きたら、掴み部11aの把持を解除し、容器Dを垂直方
向に溶融炉本体7aへと落下、装入する。これによっ
て、有害廃棄物、容器Dは、ともに溶融炉7内に装入さ
れることとなる。したがって、これによっても処理室R
内の環境を害することがない。
【0034】次に、作業ロボット8は、有害廃棄物装入
用ハンド10又は容器装入用ハンド11からワーク把持
用ハンド12へと、ハンドの装着替えを行う。ワーク把
持用ハンド12の把持部12aには、押付棒16を把持
した後、溶融炉7上方へと作業ロボット8を移動させ
る。そして、押付棒16を、ホッパ7dから溶融炉本体
7aの内部に届くように挿入する。これは、さきに装入
した有害廃棄物、容器Dが溶融炉7内部で棚吊状態とさ
れ、良好な燃焼状態が現出されない等の不具合が発生す
るのを予防するために行われる。したがって、押付棒1
6は、溶融炉7内部でひっかかりを起こしている有害廃
棄物、容器Dを溶融炉7の底の方向に押し付けるように
行われる。なお、この際、溶融炉7に備えられた覗窓7
gを通して、監視カメラ15により溶融炉7内の状態を
観察しながら作業をしてもよい。
【0035】ここまでの作業を終えたならば、溶融炉7
を作動させ、内部の有害廃棄物、容器Dをともに溶融状
態とする。この溶融炉7の作動中は、作業ロボット8の
アーム先端に、プローブ置き場21に設置されている測
温プローブ19を挿入したプローブ装入用ハンド13を
装着し、この測温プローブ19を溶融炉7内へ挿入、温
度測定を随時行う等の作業を行ったり、また、上記測温
プローブ19の代わりに、サンプリングプローブ20を
挿入したプローブ装入用ハンド13を作業ロボット8に
装着し、これを溶融炉7内に挿入し、溶融物を一部炉外
に採取する等の作業を行う。これらのデータは操作室O
に駐在する作業員に受け渡される。上記の測温プローブ
19及びサンプリングプローブ20は、それらの使用
後、使用済みプローブ置き場22に再設置される。ま
た、溶融炉7内に発生した溶融中の排ガスは、排ガス管
7fを通って、図示しない排ガス処理設備へと送られ
る。
【0036】以上のような作業を繰り返し、やがて溶融
炉7内の有害廃棄物、容器Dが溶融化されたならば、溶
融炉7の作動を停止させ、除滓材を溶融炉7内に投入す
る。この投入作業は、有害廃棄物装入用ハンド10を利
用して、図示しないドラム管等に装填されている除滓材
を、当該ドラム管を傾動して行うこととすればよい。こ
の後、作業ロボット8に装着するハンドを、ワーク把持
用ハンド12、それに把持された掻出棒17とし、溶融
炉7内の残滓物であるスラグを掻き出す作業を行い、溶
融炉7内の清掃を行う。
【0037】そして、最後に上記の溶融物を、溶融炉本
体7a上部に付設されている差し口7cにより、鋳型1
4内へと流し込む作業を行う。このとき、作業ロボット
8には、ワーク把持用ハンド12、それに把持された吊
ピース18を装着し、該吊ピース18を、鋳型14の溶
融物内に、完全に固化する前に建て込む作業を行う。こ
れは、溶融物が凝固したものである固化体の運搬を、後
の工程において容易にするためにおこなわれるものであ
る。ここまでで、有害廃棄物処理の一連の作業を完了す
る。
【0038】以上説明したように、本実施の形態におけ
る有害廃棄物の処理設備を利用すると、溶融炉7に対し
て行われる各種作業を、作業ロボット8のアーム先端に
装着する各ハンドにそれぞれ担わせることで、作業領域
を比較的小さくすることができる。したがって、設備自
体をコンパクトにまとめることが可能で、処理室Rの大
きさを小さくとることができる。
【0039】また、実際に稼働する設備は基本的に、溶
融炉7と作業ロボット8であることから、設備の信頼性
が向上する。すなわち、連続流れ作業的な自動化設備に
おいて懸念される装置連結による信頼度の低下を回避す
ることが可能となる。また、有害廃棄物が装置(例えば
搬送装置)上に直接的に曝されることがないことから、
作業環境を害する心配がない。
【0040】さらに、上記処理方法で説明したように、
有害廃棄物、容器Dの溶融炉7内方への押し付け作業、
サンプリング作業、スラグ掻き出し作業等、従来人手に
よってのみ可能であったような作業を、作業ロボット8
を導入することによって自動化が可能となり、作業員の
有害廃棄物との直接的接触の機会を減少させ、より安全
な作業環境を提供することが可能となる。
【0041】なお、本実施の形態では、作業ロボット8
は、6自由度多間接ロボットを使用したが、本発明はこ
れにこだわるものではなく、例えば、周囲に配置される
ハンドの配置などを工夫することによって、3自由度の
垂直多間接型のものとすること等が可能である。
【0042】また、作業ロボット8周囲に配置されるハ
ンドは、前にも述べたが上記の例に限るものではない。
例えば、具体的には、有害廃棄物装入用ハンド10と容
器装入用ハンド11との機能を同時に備えるようなハン
ドがあればそれを利用してもよいし、また上記の例にお
ける有害廃棄物装入用ハンド10を、そのまま容器Dの
溶融炉7内への装入に代用してもよい。
【0043】さらに、溶融炉7の加熱機構としては、高
周波誘導加熱方式をとっているが、これとは別の加熱方
式を採用した溶融炉7を備えた処理設備であってもよ
い。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有害廃棄
物の処理設備及び有害廃棄物の処理方法によれば、溶融
炉に対して行われる有害廃棄物の挿入作業をはじめとす
る各種作業を作業ロボットに装着される各種ハンドで行
う形態となるため、装置全体をコンパクトにまとめるこ
とが可能となり、設備設置面積を小さくとることが可能
となる。
【0045】また、上記と同様な理由により実際上稼働
する装置は、溶融炉及び作業ロボットのみであることか
ら、設備を構成する装置数が少なく、故障等に対する設
備の信頼性を向上させることが可能となる。
【0046】さらに、溶融炉内の有害廃棄物の押し付け
作業、サンプリング採取作業、掻き出し作業など、従来
人手によってのみ可能であったような各種作業を、作業
ロボットを導入することで自動化することができ、かつ
有害廃棄物の溶融炉内への装入が、設備内の装置上に直
接的に曝されることがないため、処理室内の環境を害す
ることがない。その結果、作業員が有害廃棄物に直接接
触する機会は減少することとなり、これによって作業環
境の安全性をより高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態における有害廃棄物の処理設備
の概要を示す平面図である。
【図2】 本実施の形態における有害廃棄物装入用ハン
ドを示す図であって(a)は正面図、(b)は底面図で
ある。
【図3】 本実施の形態における容器装入用ハンドを示
す正面図である。
【図4】 本実施の形態におけるワーク把持用ハンドを
示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図であ
る。
【図5】 本実施の形態におけるプローブ装入用ハンド
を示す正面図である。
【図6】 従来の有害廃棄物の処理設備の概要を示す概
念図である。
【符号の説明】
7 溶融炉 7d ホッパ(溶融炉の開口部) 8 作業ロボット 8a ツールチェンジャー 9 容器載置部 10 有害廃棄物装入用ハンド(装入用ハンド) 11 容器装入用ハンド(装入用ハンド) 12 ワーク把持用ハンド 13 プローブ挿入用ハンド 16 押付棒(操作棒) 17 掻出棒(操作棒) 18 吊ピース(操作棒) 19 測温プローブ 20 サンプリングプローブ R 処理室 D 容器
フロントページの続き (72)発明者 田中 志郎 東京都文京区小石川1−3−25 小石川大 国ビル 三菱マテリアル株式会社再処理建 設センター内 (72)発明者 池ノ谷 秀行 東京都文京区小石川1−3−25 小石川大 国ビル 三菱マテリアル株式会社原子力事 業センター内 (72)発明者 山手 一記 東京都文京区小石川1−3−25 小石川大 国ビル 株式会社ラドテック内 (72)発明者 櫻井 大八郎 東京都文京区小石川1−3−25 小石川大 国ビル 株式会社ラドテック内 (72)発明者 尾籠 治仁 福岡県北九州市戸畑区中原先の浜46−58 新日本製鐵株式会社プラント事業部内 (72)発明者 嶋津 弘志 福岡県北九州市戸畑区中原先の浜46−58 新日本製鐵株式会社プラント事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に溶融炉を備えた処理室と、 容器内に装填された有害廃棄物を、前記処理室に搬送す
    る搬送装置と、 前記処理室内に搬送された前記有害廃棄物を前記溶融炉
    に投入して、溶融処理する有害廃棄物の処理設備におい
    て、 前記処理室内には、 前記溶融炉の近傍に位置させて、前記処理室内に搬送さ
    れた有害廃棄物が装填された容器を載置する容器載置部
    と、 該容器を移送する作業ロボットとが設けられ、 該作業ロボットの可動範囲内には、 前記容器載置部に載置された容器を把持して、これを前
    記溶融炉の開口部近傍に移送し、前記有害廃棄物を前記
    溶融炉内へ装入するための装入用ハンドと、 前記溶融炉及び溶融物に対して、溶融炉稼働前後におけ
    る処理操作を行う操作棒を把持するワーク把持用ハンド
    とが配置され、 前記作業ロボットのアーム先端には、前記装入用ハンド
    及び前記ワーク把持用ハンドとが着脱可能なツールチェ
    ンジャーが設けられていることを特徴とする有害廃棄物
    の処理設備。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の有害廃棄物の処理設備に
    おいて、 前記溶融炉内の温度を測定するための測温プローブと、 前記溶融炉内の溶融物の一部を採取して溶融状態を確認
    するためのサンプリングプローブとを前記溶融炉内に挿
    入するためのプローブ挿入用ハンドが、 前記作業ロボットの可動範囲内に配置され、 前記ツールチェンジャーにより、前記作業ロボットのア
    ーム先端に前記プローブ挿入用ハンドが着脱可能とされ
    ていることを特徴とする有害廃棄物の処理設備。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の有害廃棄物の処理
    設備において、 前記操作棒は、 前記溶融炉内に装入された前記有害廃棄物を、溶融炉内
    へ向けて押し付ける押付棒と、 前記溶融炉内に発生するスラグを前記溶融炉外へと取り
    出すための掻出棒と、 前記溶融炉内で溶融された有害廃棄物が固化される際に
    挿入する吊ピースとでなることを特徴とする有害廃棄物
    の処理設備。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の有害
    廃棄物の処理設備において、 前記装入用ハンドは、 前記有害廃棄物を装填された前記容器を傾動し、該有害
    廃棄物のみを前記溶融炉内に装入するための有害廃棄物
    装入用ハンドと、 前記容器を有害廃棄物ごと溶融炉内へ装入するための容
    器装入用ハンドとでなることを特徴とする有害廃棄物の
    処理設備。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の有害廃棄物の処理設備を
    用いた有害廃棄物の処理方法であって、 前記処理室内に、前記搬送装置によって前記有害廃棄物
    を装填した前記容器を搬送して前記容器載置部に載置
    し、 前記作業ロボットのアーム先端に設けられている前記ツ
    ールチェンジャーに前記装入用ハンドを装着し、前記容
    器載置部に載置された容器を把持して、これを前記溶融
    炉の開口部近傍に移送し、前記有害廃棄物を前記溶融炉
    内に装入し、 つづいて、前記作業ロボットのアーム先端に設けられて
    いる前記ツールチェンジャーに前記操作棒を把持した前
    記ワーク把持用ハンドを装着し、前記溶融炉の稼働前後
    における処理操作を行うことを特徴とする有害廃棄物の
    処理方法。
JP9279222A 1997-10-13 1997-10-13 有害廃棄物の処理設備及び有害廃棄物の処理方法 Pending JPH11114518A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9279222A JPH11114518A (ja) 1997-10-13 1997-10-13 有害廃棄物の処理設備及び有害廃棄物の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9279222A JPH11114518A (ja) 1997-10-13 1997-10-13 有害廃棄物の処理設備及び有害廃棄物の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11114518A true JPH11114518A (ja) 1999-04-27

Family

ID=17608138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9279222A Pending JPH11114518A (ja) 1997-10-13 1997-10-13 有害廃棄物の処理設備及び有害廃棄物の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11114518A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008124840A1 (en) 2007-04-10 2008-10-16 Inductotherm Corp. Integrated process control system for electric induction metal melting furnaces

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008124840A1 (en) 2007-04-10 2008-10-16 Inductotherm Corp. Integrated process control system for electric induction metal melting furnaces
EP2135484A1 (en) * 2007-04-10 2009-12-23 Inductotherm Corp. Integrated process control system for electric induction metal melting furnaces
EP2135484A4 (en) * 2007-04-10 2014-11-12 Inductotherm Corp INTEGRATED PROCESS CONTROL SYSTEM FOR ELECTRICAL INDUCTION WORKING METAL MELTING OVENS

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20090051749A (ko) 용융된 금속용 용기의 스파우트 상에 장착된 미끄럼 폐쇄부를 보수하기 위한 장치
EP2135484B1 (en) Integrated process control system for electric induction metal melting furnaces
CA2184986A1 (en) System for feeding toxic waste drums into a treatment chamber
JPH11114518A (ja) 有害廃棄物の処理設備及び有害廃棄物の処理方法
JP6436304B2 (ja) 炉内デブリの回収方法及び回収装置
GB2146166A (en) Equipment for reclaiming radioactive metallic components from spent nuclear power plants
CN112505342A (zh) 金属液自动取样分拣发送系统及其控制方法
EP3459693B1 (en) Semi-automated system and method for performing maintenance operations of a drawer of a ladle in safety conditions
JP3865421B2 (ja) 低レベル放射性廃棄物の溶融減容処理後の廃棄体製造方法及びその装置
CN214150760U (zh) 金属液自动取样分拣发送系统
JPH0346537A (ja) スラグ分析におけるメタル分除去装置
JP7451799B2 (ja) 塊状金属物品の製造方法
JP2004077218A (ja) 雑固体廃棄物溶融用高周波誘導炉および雑固体廃棄物溶融方法
EP3957939B1 (de) Anlage zum recyceln von kontaminiertem metallschrott
JP6897249B2 (ja) 溶解炉のノロ取り装置
Ward et al. Examples of robots and teleoperators at the Savannah River Site
JPS5838656A (ja) 真空溶解鋳造装置
Ross et al. Comparative assessment of TRU waste forms and processes. Volume II. Waste form data, process descriptions, and costs.
JPS6319040B2 (ja)
CA3229095A1 (en) Systems and methods for vitrification process control
JPS6038876Y2 (ja) マイクロ波溶融炉用ルツボ
JPS6211320B2 (ja)
JPS61177305A (ja) 溶銑サンプル処理装置
JPH06138296A (ja) 処理室からの放射性廃棄物の搬出設備
JPH083557B2 (ja) 放射性廃棄物溶融炉への廃棄物投入装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030408