JPH11114027A - 充実スプレードライ粉末及びその製造方法 - Google Patents

充実スプレードライ粉末及びその製造方法

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JPH11114027A
JPH11114027A JP9296260A JP29626097A JPH11114027A JP H11114027 A JPH11114027 A JP H11114027A JP 9296260 A JP9296260 A JP 9296260A JP 29626097 A JP29626097 A JP 29626097A JP H11114027 A JPH11114027 A JP H11114027A
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powder
soluble substance
spray
solid
inlet temperature
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JP9296260A
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Akihiko Sano
明彦 佐野
Toshihiko Sugie
敏彦 杉江
Masako Kajiwara
匡子 梶原
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Koken Co Ltd
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Koken Co Ltd
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実質的に充実球の集合体である、水溶性物質
のスプレードライ粉末を提供する。 【解決手段】 スプレードライ装置の入口温度を低温に
設定することによりペプチド類、蛋白質、糖蛋白質、お
よび糖類を含む該スプレードライ粉末を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱に不安定な水溶
性物質を含み、スフ゜レート゛ライして作製する充実粉末及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】粉体はその特性を生か
して医薬、食品、無機、有機工業分野等で幅広く応用さ
れている。中でも医薬品分野においては通常の粉剤のみ
ならず、経皮的に吸収され難いヘ゜フ゜チト゛・ 蛋白性薬物を
経粘膜的に投与する場合の剤形や、 DDS製剤を製造する
のに利用される粉体として近年特に注目されている。
【0003】粉末を作製する方法の一つとして、スフ゜レート
゛ライ法が挙げられる。スフ゜レート゛ライ法は高温加熱空気中に試
料溶液を噴霧して乾燥するので、形状の揃った粉末を製
造することが可能である。スフ゜レート゛ライ法は粉ミルクや洗剤な
ど大量生産を目的として利用されることが多く、短時間
に大量の粉体を製造するためにスフ゜レート゛ライ装置に速い送
液速度で試料溶液を送り、スフ゜レート゛ライ装置の入口温度を
できるだけ高くして高速で乾燥するのが一般的である。
例えば全乳の場合、スフ゜レート゛ライ装置の入口温度170〜250
℃で乾燥する(Spray Drying Handbook, p.606)。イースト
の場合は入口温度300〜350℃(p.656-657)、抗生物質
の場合は入口温度140〜190℃で乾燥する(p.652-653)。
【0004】このように通常スフ゜レート゛ライでは噴霧液滴を
熱風に接触させて乾燥するため、水分の蒸発速度が極め
て早く、乾燥製品の形状はほとんど中空状となる(『乾
燥』p.99)。これは粉乳,洗剤,インスタントコーヒー,シ゛ュースな
どの製品で水に溶解する際溶解速度を速めることが要求
されるものにとっては都合がよく、スフ゜レート゛ライ法がこれ
らの製品の生産に多用される理由の一つとなっている。
ところが、充実球粉末の集合体をスフ゜レート゛ライで得る方法
はこれまで明らかとなっていない。充実とは粉末内部が
中空でないことを指す。また充実球の集合体とは、実質
上充実球のみからなる粉末を指すが、より具体的には、
粉末を通常の方法で樹脂中に包埋しその切片を透過型電
子顕微鏡で観察したとき、中空球の含有率が3%以下であ
ることを指す。充実球粉末は中空粉末に比較して嵩密度
が高いため、コンハ゜クトに充填することが可能である。ま
た、中空粉末と比較して溶解速度を遅くできる。これら
の特性を活かし、中空粉末とは違った用途にも応用でき
る。例えば、持続放出製剤として薬物粉末をホ゜リマー中に
分散させる場合、ホ゜リマーの物性に応じて薬物粉末の混合
可能量は限界があるが、充実球粉末は嵩密度が高いので
より多くの量の粉末をホ゜リマー中に分散させることができ
る。また、微粒子が細胞内に取り込まれやすいという性
質を利用し、粘膜投与用製剤,ワクチン投与用製剤,DNA投
与用製剤として粉末を用いる場合にも、一度に投与可能
な量(体積)には限界があるため、より多くの薬物(抗
原、核酸)を投与可能な充実球が適している。また、こ
れらの製剤は細胞に取り込ませるために、投与後すぐに
溶解するよりは、できるだけ長期間形状を保つことが望
ましいため、中空粉末よりも充実球粉末が適している。
その他粉末を輸送する場合にも、嵩密度の高い充実粉末
の方がコンハ゜クトに充填でき効率がよい。粉体と工業,VOL2
7,P.30及びSpray Drying Handbook( Longman Scientifi
c & Technical), p.332-336に、噴霧乾燥による液滴の
形状変化について記載があり、充実球の模式図が描かれ
ているが、いずれにも充実球の作製条件や実質上充実球
のみからなる粉末を安定して調製する方法については述
べられていない。さらに、特開昭62-230729でCSF徐放性
製剤を開示している中で、同製剤の製法の一つとしてスフ
゜レート゛ライ法が記載されているが、具体的な条件の開示は
なく、粉末の充実性についても述べられていない。
【0005】一方、先述のようにスフ゜レート゛ライ法は高温加
熱空気中に試料溶液を噴霧して乾燥するので、熱に不安
定な物質の乾燥に適用することは出来なかった。実際
に、例えばWO9531479-A1号にはインターフェロンを含有する粉末
及びスフ゜レート゛ライによる製法が開示されており、実施例で
示されるように、入口温度115〜125℃の時、スフ゜レート゛ライ
後のインターフェロン活性は74.8〜81.0%に低下している。さら
に、Pharm.Res.,vol.11,p.12(1994)には、成長ホルモンや組
織フ゜ラスミノーケ゛ンアクチヘ゛ータの水溶液をスフ゜レート゛ライすることが報
告されているが、90〜180℃の入口温度で乾燥してお
り、蛋白質の変性を来している。このように熱に不安定
な物質に対してスフ゜レート゛ライ法を適用するという着想その
ものが従来の考え方と逆行するものであり、先に挙げた
わずかな検討例でも実用的なスフ゜レート゛ライ条件やスフ゜レート゛ライ
粉末は得られていない。先述のWO9531479-A1号では、入
口温度が約50℃から約200℃の間、好ましくは、約50℃
と100℃の間で変化して良いと記載しているにもかかわ
らず、実施例で具体的に示されるのは100℃以上での条
件であり、50℃の様な低温での条件では実施されていな
い。また、J.Pharm.Sci.vol.78,p.223(1989)には酸化ヘモ
ク゛ロヒ゛ンを安定化剤の存在下でスフ゜レート゛ライする方法が報告
されている。本報告では、60〜120℃の入口温度の場合
は乾燥可能であったが、50℃の入口温度条件では十分に
乾燥できないと報告されており、単に入口温度を下げる
だけでは実用的なスフ゜レ-ト゛ライ粉末が得られないことを示
している。このように、水溶性物質、特に熱に不安定な
水溶性物質のスフ゜レート゛ライ充実粉末及び該粉末を安定に効
率よく製造する方法はこれまでなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】我々は鋭意検討した結
果、水溶性物質を含むスフ゜レート゛ライ充実球集合体及びその
製法を見出した。充実球粉末集合体はスフ゜レート゛ライ装置の
入口温度を従来の常識では考えられなかった低温に設定
することで製造可能となった。低温でのスフ゜レート゛ライが可
能となった主な要因は、スフ゜レート゛ライ条件を制御して噴霧
液滴を小さくし、水分の蒸発を起きやすくしたことにあ
る。噴霧液滴の制御方法としては、試料溶液の送液速
度、噴霧圧力、及びノス゛ル径が挙げられる。
【0007】本粉末は、通常の中空スフ゜レート゛ライ粉末より
も嵩密度が高いためコンハ゜クトに充填することが可能であ
り、かつ形状が揃っていることから再現性のある機能が
発現される。本発明の粉末は如何なる目的にも利用され
うるが、上記の特徴を活かし通常の粉体製品、粉剤、DD
S製剤もしくはその構成要素として有効である。例え
ば、持続放出製剤としてホ゜リマー中に分散させる薬物粉末
として適している。それは、多くの粉末を分散できるだ
けでなく、個々の粉末の形状が揃っているので溶解性や
分散性が均一であり、再現性ある放出挙動が得られると
期待できる。この場合、最大粒子径は100μm以下である
ことが好ましい。また、溶解速度が比較的遅い粉末とし
ても本粉末は適している。例えば、粘膜投与用製剤,ワク
チン投与用製剤,DNA投与用製剤として粉末を用いる場
合、生体内に投与後できるだけ長期間形状を保つことが
望ましいなどの理由で本粉末が適している。この場合、
最大粒子径は好ましくは50μm以下、さらに好ましくは1
0μm以下である。ここでいう粒子径とは、真円の場合は
直径であり、楕円の場合は長径をさす。また、個々の粒
子径が揃っていることが好ましい。その他、輸送時にコン
ハ゜クトに充填して効率化できるメリットもある。本発明の粉末
の円形度の平均としては、例えば0.7以上、好ましく
は0.8以上、さらに好ましくは0.9以上である。こ
こでいう円形度とは、偏平度合いを示すもので、 円形度(φ)=(粒子のHeywood径)/(相当楕円の長
径) である。また、平滑度の平均としては、例えば0.7以
上、好ましくは0.8以上、さらに好ましくは0.9以
上である。ここでいう平滑度とは、粒子の輪郭の凹凸度
合いを示すもので、 平滑度(ζ)=(相当楕円の周長)/(粒子の周長) である。この値がそれぞれ1に近い程真球に近く表面の
凹凸が少ない。
【0008】本発明は特に、熱に不安定な物質に対して
適用することが望ましい。本発明でいう熱に不安定な物
質とは、生体外で30℃程度の温度でも失活または変性す
るものが挙げられ、特にヘ゜フ゜チト゛類,蛋白類,糖蛋白
類,糖類などの薬物が挙げられる。これらは従来スフ゜レート
゛ライへの適用自体が当該業者にとっては常識の範囲外で
あった。具体的な例を以下に示すが、これらによって限
定されるものではない。インターフェロン,インターロイキン等のサイトカイン
類,コロニー刺激因子,エリスロホ゜エチン等の造血因子類,GHな
どの成長ホルモン,成長ホルモン放出因子,インシュリン等のホルモン類、
ソマトメシ゛ン,神経成長因子,神経栄養因子,線維芽細胞成
長因子,肝細胞増殖因子等の成長因子類、細胞接着因
子,抗CD3モノクロナ−ル抗体,抗ICAM−1抗体
などの免疫抑制剤,アスハ゜ラキ゛ナーセ゛,スーハ゜ーオキシト゛テ゛ィスムターセ
゛,組織フ゜ラスミノーケ゛ンアクチヘ゛ータ,ウロキナーセ゛,フ゜ロウロキナーセ゛等の
酵素類,血液凝固第八因子等の血液凝固因子類,BMP等
の骨代謝関連蛋白,コラーケ゛ン,セ゛ラチン,アルフ゛ミン,コント゛ロイチン
硫酸,キトサン,インフルエンサ゛ワクチン,破傷風ワクチン,シ゛フテリアワクチン等
の抗原類,アシ゛ュハ゛ント,抗体等が挙げられる。なお、ここ
でいうインターフェロンとはα,β,γその他いずれのインターフェロン
でも良く、またそれらの組み合わせでも良い。同様にイン
ターロイキンはIL-1,2,3その他のいずれでも良く、コロニー刺激因
子はmulti-CSF(多能性CSF),GM-CSF(顆粒球-単球マクロ
ファーシ゛CSF),G-CSF(顆粒球CSF),M-CSF(単球マクロファーシ
゛CSF)その他のいずれでも良い。
【0009】また、本充実粉末は核酸にも適している。
核酸は、各種DNA、RNA、リホ゛サ゛イム、アンチセンス等であり、ヘ゛ク
ターと共に、あるいは単独で用いられる。具体的な例とし
てはアテ゛ノシンテ゛アミナーセ゛遺伝子、チミシ゛ンキナーセ゛遺伝子、LDL受
容体遺伝子、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、CSF
等のサイトカイン遺伝子、血液凝固因子遺伝子、癌抗原遺伝
子、癌抑制遺伝子、エイス゛ウイルスに対するアンチセンス、エイス゛の無
害なタンハ゜ク質構造部分の遺伝子、CD18遺伝子、ク゛ロヒ゛ン遺
伝子、シ゛ストロフィン遺伝子、神経栄養因子遺伝子、インスリン遺
伝子などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0010】これらは目的に応じて単独あるいは複数の
組み合わせで乾燥される。また、これらは安定化剤、賦
形剤,滑沢剤等の添加剤を目的に応じて含有する。これ
らの添加剤は一般に通常スフ゜レート゛ライに使用できるもので
あれば何でも良く、ヘ゜フ゜チト゛類,蛋白類,糖蛋白類,糖
類,塩類,アミノ酸類などが好ましいがこれらに限定され
るものではない。特に好ましくはコラ-ケ゛ン,コント゛ロイチン硫
酸,アルフ゛ミン,セ゛ラチン,ク゛リシン,アラニン,ク゛ルタミン酸ナトリウム,塩
化ナトリウム,クエン酸ナトリウム,マンニトール,尿素などが挙げられ
る。塩などの低分子電解物質を添加剤として用いる場合
は多すぎると乾燥を妨げるので、粉末中低分子電解物質
は50重量%以下が好ましく、30重量%以下がさらに好まし
い。スフ゜レート゛ライ条件の制御因子としては、入口温度、送
液速度、噴霧圧力、乾燥空気量、水溶液中の固形分濃
度、ノス゛ル径などが挙げられる。
【0011】本発明では入口温度が50℃以下、好ましく
は45℃以下、さらに好ましくは20℃以上45℃以下という
従来の常識では考えられなかった低温でスプレードライ
できる。入口温度が50℃以下の場合、出口温度を測定す
るとおおよそ35℃以下となった。乾燥空気中を下降して
いく液滴の最高温度は出口温度より15〜25℃低いと一般
的に考えられている(Pharm. Res., vol. 11 ,p.12(199
4))ことから、入口温度が50℃の場合、液滴の最高温度
は理論上10〜20℃となり、液滴の温度は25℃を越えるこ
とはない。従ってこの程度の温度であれば、熱に不安定
な物質であっても変性、分解等の懸念無くスフ゜レート゛ライ法
を適用することができる。水溶液は、室温で失活が懸念
される場合はスフ゜レート゛ライ中5℃程度の低温に保つことが望
ましい。水溶液は均一な溶液や懸濁液など、通常スフ゜レート
゛ライ可能な溶液として使用することができる。
【0012】送液速度としては入口温度、水溶液の種類
や所望の粒子径などとの関連で設定するが、好ましくは
10g/min以下、より好ましくは0.1g/min以上5g/min以
下、さらに好ましくは0.1g/min以上3g/min以下である。
噴霧圧力は入口温度、送液速度や所望の粒子径などとの
関連で設定するが、好ましくは0.5kg/cm2以上、より好
ましくは1kg/cm2以上10kg/ cm2以下、さらに好ましくは
3kg/cm2以上10kg/ cm2以下、もしくは噴霧空気流量とし
て好ましくは8l/min以上、より好ましくは12l/min以上2
0l/min以下、さらに好ましくは15l/min以上20l/min以下
である。乾燥空気量は入口温度、送液速度や水溶液の固
形分濃度などとの関連で設定するが、好ましくは0.4m3/
min以上、より好ましくは0.6m3/min以上3m3/min以下で
ある。ノス゛ル径は入口温度、噴霧圧力、所望の粒子径に併
せて選択すればよい。
【0013】液滴は噴霧された後乾燥室壁面に到達する
前に乾燥されなければならないため、乾燥室直径は、50
℃でスフ゜レート゛ライする時は21cm以上、40℃でスフ゜レート゛ライする
時は45cm以上が好ましい。また、水溶液中の固形分濃度
の合計は好ましくは25重量%未満、より好ましくは0.01
重量%以上10重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以
上5重量%以下である。
【0014】このようにして作製されたスフ゜レート゛ライ充実
粉末は、そのまま、あるいは中間体として、医療用製
剤、農薬、あるいは食品等として使用することが出来
る。例えば、そのまま粉剤として、もしくはカフ゜セルに充
填してカフ゜セル剤として利用できる。また、水溶液に溶解
または油性懸濁して注射剤とすることができる。また、
スフ゜レー剤として鼻、肺、その他の粘膜に投与したり、農
薬として散布することもできる。さらに、ホ゜リマー中に分
散させて徐放性製剤とすることもできる。また上記製剤
を体内の標的部位に直接投与して、あるいはin vitroで
遺伝子導入に用いることもできる。しかし、本粉末の使
用法はこれらの例に限定されない。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、発明の内容
はこれらに限定されない。 比較例1 比較例: インターフェロン(IFN)水溶液(IFN濃度23MU/ml ,ヒト
血清アルフ゛ミン(HSA)濃度10mg/ml)を準備し、ヤマト科学社製D
L-21型スフ゜レート゛ライヤーを使用して以下の条件でスフ゜レート゛ライを
行った。送液速度3.0g/min、噴霧空気流量15l/min、入
口温度100℃、乾燥空気量0.4m3/min、ノス゛ル径0.4mmφ。
ここでいう噴霧空気流量とは、DL−21型スプレードラ
イヤー付属の噴霧空気流量計から読みとった値であり、
噴霧圧力に比例するものである。その結果、流動性のあ
るスフ゜レート゛ライ粉末が得られた。
【0016】実施例1 実施例1-1: IFN濃度11MU/ml ,HSA濃度10mg/mlの水溶
液を準備し、大川原化工機製L-8型スフ゜レート゛ライヤーを使用し
て以下の条件でスフ゜レート゛ライを行った。送液速度8.3g/mi
n、噴霧圧力5kg/cm2、入口温度50℃。その結果、流動性
のあるスフ゜レート゛ライ粉末が得られた。 実施例1-2: IFN濃度11MU/ml ,HSA濃度10mg/mlの水溶
液を準備し、大川原化工機製L-8型スフ゜レート゛ライヤーを使用し
て以下の条件でスフ゜レート゛ライを行った。送液速度8.3g/mi
n、噴霧圧力5kg/cm2、入口温度40℃。その結果、流動性
のあるスフ゜レート゛ライ粉末が得られた。
【0017】試験例1 比較例1及び実施例1で得られた粉末を水に溶解し、ラシ゛
オイムノアッセイ法でIFNの活性収率を測定した。その結果を下
表に示す。100℃で乾燥した場合は活性収率が80%に低下
するのに対し、本発明の方法では良好な活性収率が得ら
れた。
【表1】
【0018】実施例2ウシ 血清アルフ゛ミン(BSA)を下表中に示す濃度になるように水
に溶解し、ヤマト科学社製DL-21型スフ゜レート゛ライヤーを使用して
以下の条件でスフ゜レート゛ライを行った。その結果、25〜50℃
という低温でも乾燥可能であり、いずれも流動性のある
スフ゜レート゛ライ粉末が得られた。
【0019】
【表2】 使用ノス゛ル径は、いずれも0.4mmφ。
【0020】実施例3IFN及び下表中に示す添加剤を溶
解した水溶液を準備し、ヤマト科学社製DL-41型スフ゜レート゛ライヤ
ー(1〜7)またはDL-21型スフ゜レート゛ライヤー(8〜14)を
使用して以下の条件でスフ゜レート゛ライを行った。その結果、
いずれも流動性のあるスフ゜レート゛ライ粉末が得られた。
【0021】
【表3】 使用ノス゛ル径は1〜7,10〜14;0.7mmφ、8〜9;0.4mm
φ。
【0022】試験例2 実施例3で得られた粉末を水に溶解し、ラシ゛オイムノアッセイ法
でIFNの活性収率を測定した。また粉末を走査型電子顕
微鏡で観察した。その結果を下表に示す。本発明の方法
ではいずれも良好な活性収率が得られた。
【0023】
【表4】
【0024】実施例4コラーケ゛ン 0.5%水溶液を、ヤマト科学社製DL-21型スフ゜レート゛ライヤー
を使用して以下の条件でスフ゜レート゛ライを行った。送液速度2
g/min、噴霧空気流量20l/min、入口温度50℃、乾燥空気
量0.4m3/min、ノス゛ル径0.4mmφ。その結果、流動性のある
スフ゜レート゛ライ粉末が得られた。
【0025】試験例3 熱によりコラーケ゛ンが変性しセ゛ラチン化している可能性が考え
られる。セ゛ラチン化の指標として旋光度を測定し、コラーケ゛ン
の安定性について評価した。
【表5】 旋光度[α] コラーケ゛ン水溶液 -438.5° セ゛ラチン水溶液 -148.5° 実施例4で得られたコラーケ゛ン粉末を水に溶解した液 -439.7° 以上の結果により、本発明のコラーケ゛ン粉末は変性していな
いことが確認された。
【0026】実施例5コント゛ロイチン 硫酸0.5%水溶液を、ヤマト科学社製DL-21型スフ゜レート
゛ライヤーを使用して以下の条件でスフ゜レート゛ライを行った。送液
速度2g/min、噴霧空気流量20l/min、入口温度50℃、乾
燥空気量0.4m3/min、ノス゛ル径0.4mmφ。その結果、流動性
のあるスフ゜レート゛ライ粉末が得られた。
【0027】実施例6 IFN濃度11MU/ml ,HSA濃度10mg/mlの水溶液を準備し、ヤ
マト科学社製DL-41型スフ゜レート゛ライヤーを使用して以下の条件で
スフ゜レート゛ライを行った。送液速度2.8g/min、噴霧圧力1.2kg
/cm2、入口温度40℃、ノス゛ル径0.7mmφ。その結果、流動
性のある良好な粉末が得られた。
【0028】試験例4 比較例1及び実施例6で得られた粉末を4%四酸化オスミニウム
水溶液を用いて蒸気固定し、アクリトロン(登録商標)(三菱レイ
ヨン)で包埋した。これを試料として透過型電子顕微鏡観
察を行った。その結果、対照粉末(比較例1)は中空で
あったが(図2)、本発明の粉末は充実球であった(図
3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図はスプレードライヤー略図を表す。
【図2】 比較例1で得られた対照粉末の透過型電子顕
微鏡写真である。
【図3】 実施例6で得られたスプレードライ粉末の透
過型電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1.オリフィス管 2.乾燥空気流量計
3.ヒータ 4.乾燥チャンバ 5.下部チャンバ
6.サイクロン 7.生成物容器 8.アスピレータ
9.送液ポンプ 10.噴霧ノズル 11.噴霧空気ニードル弁 12.噴霧空気圧力計 13.ニードル−ノッカー用
電磁弁 14.ノズル−ブロウ用電磁弁
15.冷風調節弁 16.ヘッド昇降用電磁弁 17.エアシリンダ 18.接続ダクト 19.接続ホース
20.上部チャンバ 21.入口温度センサ 22.出口温度センサ
23.試料 24.加圧空気 25.空気流入
26.空気流出
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶原 匡子 大阪府茨木市蔵垣内1丁目3番45号 住友 製薬株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性物質のスプレードライ粉末であ
    り、該粉末が実質的に充実球の集合体である粉末。
  2. 【請求項2】 熱に不安定な水溶性物質を含むスプレー
    ドライ粉末であり、該粉末が実質に充実球の集合体であ
    る粉末。
  3. 【請求項3】 円形度の平均が0.7以上である請求項1ま
    たは2に記載の粉末。
  4. 【請求項4】 平滑度の平均が0.7以上である請求項1、
    2または3に記載の粉末。
  5. 【請求項5】最大粒子径が100μm以下である請求項1、
    2、3または4に記載の粉末。
  6. 【請求項6】水溶性物質がヘ゜フ゜チト゛類、蛋白類、糖蛋白
    類、および糖類から選ばれる請求項1、2、3、4また
    は5に記載の粉末。
  7. 【請求項7】水溶性物質が核酸である請求項1に記載の
    粉末。
  8. 【請求項8】水溶性物質を含む水溶液をスプレードライ
    装置の入口温度50℃以下でスプレードライすることに
    より実質的に充実な粉末を製造する方法。
  9. 【請求項9】入口温度が45℃以下である請求項8記載
    の実質的に充実な粉末を製造する方法。
  10. 【請求項10】水溶液の固形分濃度が25重量%未満で
    あることを特徴とする請求項8または9に記載の製造方
    法。
  11. 【請求項11】請求項8または9に記載の方法により得
    られる粉末。
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