JPH1111388A - 電磁推進装置 - Google Patents

電磁推進装置

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JPH1111388A
JPH1111388A JP16587397A JP16587397A JPH1111388A JP H1111388 A JPH1111388 A JP H1111388A JP 16587397 A JP16587397 A JP 16587397A JP 16587397 A JP16587397 A JP 16587397A JP H1111388 A JPH1111388 A JP H1111388A
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propulsion
inner cylinder
magnet
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JP16587397A
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Ichiro Toyoda
一郎 豊田
Toshiaki Shigenaka
俊明 茂中
Koji Satake
宏次 佐竹
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水素ガス及び塩素ガスの発生を防止して大電流
を流すことができ、より強い磁場の発生を可能とする。 【解決手段】推進ダクト1の内筒外側にクライオスタッ
ト11を回転可能に設け、その中に超伝導電磁石2を設
ける。上記クライオスタット11は、モータ12により
回転伝達機13を介して回転駆動する。また、推進ダク
ト1の内筒には、その内壁に沿って水素吸蔵金属あるい
は水素吸蔵合金からなる電極3を設け、交流電源16か
ら交流電流を供給する。更に、推進ダクト1の内筒の壁
面中央部に、磁場の強度と方位を検出するガウスメータ
プローブ14を設け、その検出値を電流制御器15に入
力する。この電流制御器15は、超伝導電磁石2の回転
で変動する回転磁場の位相に合わせて、交流電源16の
位相を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば船舶、潜水
船、あるいは海洋構造物等の洋上移動体における電磁推
進装置に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶等に用いられる従来の電磁推進装置
は、図15に示すように構成されている。同図(a)は
概略構成を示す斜視図、(b)は同断面図である。図中
1は円筒型の推進ダクトで、内部に海水等の液体等が通
る構造になっている。上記推進ダクト1の壁部には、推
進ダクト1内に垂直な磁場を発生させるための磁石例え
ば鞍型超伝導電磁石2が設けられている。また、推進ダ
クト1内には、内壁に沿って対をなす電極3が配設さ
れ、外部の直流電源4から動作電源が供給される。上記
電極3は、推進ダクト1内の液体に電流を流すためのも
のであり、磁石2による磁場の方向と直角に電流が流れ
るように配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来の電磁推進装置において、液体に流す直流電流を
I、磁場をB、電極間距離をLとすれば、直流電流方向
と磁場方向との直角の方向に下記(1)式で表されるフ
レミングの左手の法則による推進力Fが推進ダクト1内
の液体に作用する。
【0004】F=I×B・L …(1) 推進力Fを大きくする方法として、磁場Bを強くするこ
とと、電流Iを大きくすることが考えられる。磁場を強
くすることについては、現在研究が進められているが、
現在の電磁推進用超伝導電磁石で発生できる磁場は数T
程度で、より強い磁場を発生させるためには、未だ工学
的課題が多い段階にある。また、電流Iを大きくする方
法では、電圧を高くし、大電流を流す必要がある。しか
し、電圧が1.2Vを越えると電気分解が起こり、海水
の場合には、水素ガスと塩素ガスが多量に発生してしま
うため、大電流を流すことができないのが実状である。
【0005】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたもので、水素ガス及び塩素ガスの発生を防止して大
電流を流すことができ、より強い磁場を発生させること
ができる電磁推進装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
電磁推進装置は、内筒内に液体を通す円筒型推進ダクト
と、前記推進ダクトの内筒内に設けられ、水素吸蔵金属
または水素吸蔵合金からなる1組の電極と、前記推進ダ
クトの内筒外側に回転可能に設けられ、前記推進ダクト
内に磁場を発生させる磁石と、前記磁石を前記推進ダク
トの内筒外周に沿って回転駆動する手段と、前記電極に
交流電流を供給する交流電源と、前記推進ダクトの内筒
内における前記磁石による磁場の強度と方位を検出する
磁場強度検出手段と、前記磁場強度検出手段により検出
された前記磁石の回転に伴う回転磁場の位相に合わせて
前記交流電源の出力電流位相を制御する電流制御手段と
を具備したことを特徴とする。
【0007】本発明の請求項2に係る電磁推進装置は、
内筒内に液体を通す推進ダクトと、水素吸蔵金属または
水素吸蔵合金からなり、前記推進ダクトの内筒内に互い
に直角になるように配置される2組の電極と、前記推進
ダクトの内筒外側に回転可能に設けられる磁石と、前記
磁石を回転駆動する手段と、前記2組の電極にそれぞれ
別個に交流電流を供給する交流電源と、前記推進ダクト
の内筒内における前記磁石による磁場の強度と方位を検
出する磁場強度検出手段と、前記磁場強度検出手段によ
り検出された前記磁石の回転に伴う回転磁場の位相に合
わせて、前記第1及び第2の交流電源より前記2組の電
極に供給される電流位相を制御すると共に、両電流位相
をほぼπ/2だけずらした関係に保持する電流制御手段
とを具備したことを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3に係る電磁推進装置は、
内筒内に液体を通す推進ダクトと、前記推進ダクトの内
筒内に設けられる電極と、前記推進ダクトの内筒外側に
回転可能に設けられるクライオスタットと、前記クライ
オスタットに設けられ、該クライオスタットと共に回転
して液体推進用の磁場を発生する磁石と、前記クライオ
スタットに対して非接触で、且つ、該クライオスタット
の外周に沿って位置するように前記推進ダクトに固定し
て設けられる複数個の電磁誘導固定子と、前記複数個の
電磁誘導固定子を前記磁石の回転方向に対して順に励磁
する励磁手段と、前記電極に交流電流を供給する交流電
源と、前記推進ダクトに与えられる前記磁石による磁場
の強度と方位を検出する磁場強度検出手段と、前記磁場
強度検出手段により検出された前記磁石の回転に伴う回
転磁場の位相に合わせて前記交流電源の出力電流位相を
制御する電流制御手段とを具備し、前記磁石が発生する
外側の磁場と前記電磁誘導固定子が順に発生する磁場の
作用により前記磁石に回転力を与えることを特徴とす
る。
【0009】本発明の請求項4に係る電磁推進装置は、
内筒内に液体を通す推進ダクトと、前記推進ダクトの内
筒内に設けられる電極と、前記推進ダクトの内筒外周に
所定の間隙を保って回転可能に設けられるクライオスタ
ットと、前記クライオスタット内に設けられ、該クライ
オスタットと共に回転して液体推進用の磁場を発生する
磁石と、前記推進ダクトの内筒外周に沿って一定の間隔
で設けられる複数個の超伝導バルク体と、前記クライオ
スタットの内周に沿って前記超伝導バルク体に対応して
設けられる対の超伝導コイルと、前記超伝導コイルに、
前記超伝導バルク体に対して反発する磁場が発生するよ
うに電流を供給する手段と、前記クライオスタットを回
転駆動する手段と、前記電極に交流電流を供給する交流
電源と、前記推進ダクトの内筒内における前記磁石によ
る磁場の強度と方位を検出する磁場強度検出手段と、前
記磁場強度検出手段により検出された前記磁石の回転に
伴う回転磁場の位相に合わせて前記交流電源の出力電流
位相を制御する電流制御手段とを具備したことを特徴と
する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。 (第1実施形態)図1は本発明の一実施形態に係る電磁
推進装置を開口端側から見た側面図、図2は図1のAB
断面図である。
【0011】図1(a),(b)において、1は円筒型
の推進ダクトで、内筒の中を海水等の液体が通る構造に
なっている。この推進ダクト1は、例えば船舶等に固定
して設けられる。2は推進ダクト1内に磁場を発生させ
るための磁石で、強力な磁場を発生させるために、通常
は超伝導電磁石を使用する。図1では、鞍型の超伝導電
磁石を使用した場合について示している。上記超伝導電
磁石2は、推進ダクト1の内筒外側に配置し、推進ダク
ト1の中心軸に対して回転できる構造とし、磁場の方位
を中心軸に対して直角となるようにしている。
【0012】上記推進ダクト1の内筒外側には、例えば
ベアリング等の回転軸受け10を介してクライオスタッ
ト11を回転可能に設けている。このクライオスタット
11は、超伝導電磁石2を冷却しておくためのもので、
このクライオスタット11ごと超伝導電磁石2が回転す
るようになっている。上記クライオスタット11は、モ
ータ12により回転伝達機13を介して回転駆動され
る。図では、一例として上記回転伝達機13をギヤによ
り構成した場合について示してある。
【0013】また、推進ダクト1の内筒には、その内壁
に沿って1組の電極3を設けている。この電極3は、推
進ダクト1内の液体に電流を流すためのもので、その材
質としては例えば水素吸収金属(パラジウム:Pd、ニ
ッケル:Ni、チタン:Ti等)や水素吸蔵合金(Ti
−Ni等)を用いている。上記電極3には、交流電源1
6から動作電流が供給される。
【0014】更に推進ダクト1の内筒の内壁中央部に、
磁場の強度と方位を検出する磁場強度検出手段としてガ
ウスメータプローブ14を装着している。このガウスメ
ータプローブ14の検出値は、電流制御器15に入力さ
れる。この電流制御器15には、更に運転員の指示に基
づく運転指示信号17が入力される。この電流制御器1
5は、ガウスメータプローブ14の検出値に従って、す
なわち、超伝導電磁石2の回転で変動する回転磁場の位
相に合わせて、交流電源16の位相を調節する。また、
電流制御器15は、上記運転指示信号17に基づき、要
求される推進力に合わせて、交流電源16から出力され
る電流値を制御する。
【0015】上記クライオスタット11内の各超伝導電
磁石2には、図3あるいは図4に示す方法で直流電源が
供給される。なお、図3では、1つの超伝導電磁石2に
給電する場合について示した。
【0016】図3の方法では、同図(a)に示すように
超伝導電磁石2には直流電源21がリード線22を介し
て供給される。この場合、上記リード線22の途中にス
イッチ23を設けると共に、クライオスタット11内に
ヒータ25付きの超伝導スイッチ(超伝導体)24を設
置した構造とする。そして、超伝導電磁石2は、下記に
示す手順で励磁する。
【0017】まず、超伝導スイッチ24のヒータ25を
オンにして、超伝導スイッチ24のみを超伝導臨界温度
より高い温度にすることにより、常伝導状態(絶縁)と
する。この状態でスイッチ23を閉じ、直流電源21か
ら超伝導電磁石2へ給電し所定の磁場まで励磁する。そ
の後、超伝導スイッチ24のヒータ25をオフにし、超
伝導スイッチ24を超伝導状態にすると、超伝導電磁石
2の電流は超伝導スイッチ24を経由して流れるように
なる。その後、スイッチ23を開き、図3(b)に示す
ように直流電源21とリード線22を超伝導電磁石2か
ら切り離して使用する。運転に際しては、超伝導電磁石
2をクライオスタット11毎回転して使用する。
【0018】図4に示す方法では、クライオスタット1
1の外側に電流供給用の円型電極26を設置し、内部の
超伝導電磁石2と結線する。そして、直流電源21をブ
ラシ27を経由して、クライオスタット11と共に回転
している円型電極(室温)26に供給し、円型電極26
からクライオスタット11内部のリード線28を経由し
て超伝導電磁石2を励磁する。リード線28は、クライ
オスタット11内部で冷却する。上記のようにしてクラ
イオスタット11と共に回転している円型電極26にブ
ラシ27が摺接し、直流電源21が超伝導電磁石2に供
給される。
【0019】次に上記第1実施形態の動作を説明する。
海水を対象に通常の金属電極に直流電流を流すと、電圧
1.2V以上では電気分解が起こり、陰極からは水素が
発生し、陽極からは塩素が発生してしまう。しかし、上
記実施形態で示したように電極3として水素吸蔵金属、
または水素吸蔵合金を使用し、交流電流を流すと以下の
反応が起こる。
【0020】電圧が負の場合:H+ +e- →H(吸蔵) 電圧が正の場合:H(吸蔵)→H+ +e- すなわち、電極3の電圧が負の場合には、液中の水素イ
オン(H+ )に電子(e- )が与えられて水素(H)と
なり、電極3を構成する水素吸蔵金属、または水素吸蔵
合金中に吸蔵される。
【0021】そして、交流電源16の電圧が正になる
と、逆に吸蔵中の水素(H)が電子(e- )を電極3に
与えて水素イオン(H+ )となる。そのため、水素及び
塩素ガスが発生せず、大電流を流すことが可能になる。
【0022】図5及び図6に、超伝導電磁石2の回転に
伴う磁場の変化(ガウスメータプローブ14の指示値)
と、それに合わせて交流電源16から出力され、電極3
を通して推進ダクト1内の液体に流れる電流変化、及び
その結果得られる推進力の時間変化に対するチャートを
示した。超伝導電磁石2は、定常磁場を発生した状態
で、モータ12により一定回転状態に置かれている。こ
の場合、図6に示すように推進ダクト1内の液体に作用
する磁場を示すガウスメータプローブ14による指示値
は、空間的な磁場の回転による変化が時間的に変化する
交流磁場となる。電流制御器15では、この指示値に対
して、交流電源16への位相を制御すると共に、運転員
の運転指示信号17により、前進する場合には、図で示
した交流電流指示値を、また、後進の場合は、図で示し
た交流電流指示値と反対位相になるような位相制御指示
値(図示せず)を交流電源16に出力する。また、運転
員の出力指示に応じた電流量制御指示値を交流電源16
へ出力する。交流電源16は、電流制御器15から出力
された、位相と電流量指示値に応じて、交流電流を電極
3に供給する。推進ダクト1内の液体は、上記磁場と電
流により次に示す(2)式に応じた推進力を得る。な
お、(2)式において、ωは超伝導電磁石2の角速度を
示す。
【0023】 F(t)=B・sin(ωt)×I・sin(ωt) =B・I・sin2 (ωt) …(2) 上記のように電極3を水素吸蔵金属、または水素吸蔵合
金とし、超伝導電磁石2を回転させることによって交流
電流での運転が可能となり、電気分解によるガスの放出
を抑制でき、大電流供給による強い推進力を得ることが
できる。
【0024】(第1実施形態の応用例)上記の例では、
1組の電極3を設けた場合について示したが、図7に示
すように2組の電極3a,3bを設けてもよい。この場
合、2組の電極3a,3bは互いに直角になるように配
置し、それぞれ別個の交流電源より動作電流を供給す
る。各電極3a,3bへの電流供給パターンは、図8
(a)〜(c)に示したようになる。
【0025】電極3a,3bには、図8(b)に示すよ
うに、供給する交流電流の位相を磁場の変化に合わせて
π/2だけずらした状態に保持する。このように電極3
a,3bに供給する交流電流の位相をπ/2だけずらす
ことにより、同図(c)に示すように一定の推進力を得
ることができる。すなわち、推進ダクト1内に2組の電
極3a,3bを設けた場合、下記(3)式に示すよう
に、回転する磁場を有効に利用することができるもので
あり、この結果、時間変動の無い一定の推進力を得るこ
とができ、且つ、その推進力の強さを2倍とすることが
できる。
【0026】 F(t)=B・sin(ωt)×I・sin(ωt) +B・sin(ωt+π/2)×I・sin(ωt+π/2) =B・I …(3) (第2実施形態)次に本発明の第2実施形態について示
す。
【0027】この第2実施形態は、超伝導電磁石2を回
転させる部分を電磁誘導型としたものである。図9は、
第2実施形態に係る電磁推進装置を開口端側から見た側
面図、図10は図9のAB断面図である。この第2実施
形態は、前記第1実施形態におけるモータ12と回転伝
達機13の代わりに、クライオスタット11に対して非
接触で、その外側に複数個の固定子となる電磁誘導固定
子(コイル)30を推進ダクト1に固定して設けたもの
である。
【0028】そして、超伝導電磁石2を励磁した状態
で、電磁誘導固定子30を回転方向に対して順に励磁し
ていくことにより、推進ダクト1の外部に漏れる強力な
磁場に対して電磁誘導固定子30による磁場が作用し、
一般的な電磁誘導モータと同様の原理により、非接触で
回転させることが可能となる。
【0029】上記のように超伝導電磁石2による磁場
を、推進ダクト1の内部に対しては液体の推進力を得る
ための磁場として使用し、また、外側の磁場に対して
は、推進ダクト1に固定した電磁誘導固定子30とによ
り超伝導電磁石2自身を回転させるための磁場として使
用することにより、非接触で超伝導電磁石2を回転させ
ることが可能となり、非常に高効率で損失の少ない電磁
推進装置を得ることができる。
【0030】なお、上記第2実施形態では、1組の電極
3を設けた場合について示したが、前記図7に示したよ
うに2組の電極3a,3bを設けた場合においても、同
様にして実施し得るものである。
【0031】(第3実施形態)次に本発明の第3実施形
態について示す。この第3施形態は、前記第1及び第2
実施形態で用いているベアリング等の回転軸受け10に
代えて超伝導バルク体を利用することにより、非接触の
磁気軸受けを用いたものである。
【0032】図11は、第3実施形態に係る電磁推進装
置を開口端側から見た側面図、図12は図11のAB断
面図である。なお、図11及び図12では、超伝導電磁
石2を回転させる構成については省略している。
【0033】この第3実施形態は、前記第1及び第2実
施形態における回転軸受け10の代わりに、回転するク
ライオスタット11の内部に対をなす超伝導コイル31
を設置すると共に、推進ダクト1のクライオスタット1
1側に複数個の超伝導バルク体32を設置する。上記対
をなす超伝導コイル31は、互いに反対方向の電流を流
すことにより、超伝導バルク体32の面にできるだけ垂
直な磁場が発生するように配置する。超伝導バルク体3
2は、対の超伝導コイル31の中心に位置するよう円周
上に均一に配置する。また、超伝導バルク体32は、超
伝導状態になるように冷却されている。
【0034】上記の構成において、超伝導バルク体32
を超伝導状態に保持し、超伝導コイル31に電流を流し
て磁場33を発生させると、その磁場33を排除するよ
うに超伝導バルク体32に超伝導電流が流れる。この電
流により超伝導コイル31と超伝導バルク体32との間
に強力な反発力が発生し、この結果、超伝導コイル31
に固定されているクライオスタット11と、超伝導バル
ク体32が固定されている推進ダクト1とは非接触状態
に保たれることになる。この状態で、前記第1実施形態
あるいは第2実施形態で示した方法によりクライオスタ
ット11を回転駆動する。
【0035】上記のように超伝導バルク体32と超伝導
コイル31の磁気反発力を利用することにより、非接触
でクライオスタット11を滑らかに回転させることが可
能となり、超伝導電磁石2を内蔵したクライオスタット
11の回転による機械的損失を低減することができる。
【0036】なお、上記第3実施形態では、1組の電極
3を設けた場合について示したが、前記図7に示したよ
うに2組の電極3a,3bを設けた場合においても、同
様にして実施し得るものである。
【0037】(適用例)次に本発明の適用例について説
明する。図13及び図14は、本発明による電磁推進装
置を船舶に適用した場合で、船舶をより安全に運行する
ために本発明装置を2個装着した例を示す。
【0038】図13は、船舶40の底部に2つの電磁推
進装置41,42を並列に装着した例を示し、図14
は、2つの電磁推進装置41,42を直列に装着した例
を示す。図13(a)及び図14(a)は船舶40を後
方より見た図、図13(b)及び図14(b)は船舶4
0を側方より見た図である。
【0039】上記図13及び図14において、電磁推進
装置41,42は、超伝導電磁石2を各々逆回転させて
角運動量を互いに打ち消すことにより、船舶40に掛か
る不必要な回転力を極力抑えた構造としている。
【0040】なお、図13及び図14では、船舶40に
適用した場合について示したが、本電磁推進装置は、船
舶の他、プラント等における液体輸送の配管にも適用す
ることができる。電磁推進装置を用いた場合、ポンプ等
を用いる場合に比較し、液体の流れに対して邪魔になる
ものが無いので、詰まり等のトラブルも無く、スムーズ
な流れを実現することができる。
【0041】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、電
極を水素吸蔵金属、または水素吸蔵合金とし、超伝導電
磁石を回転させることによって交流電流での運転が可能
となり、電気分解によるガスの放出を抑制でき、大電流
供給による強い推進力を得ることができる。
【0042】また、推進ダクト内に2組の電極を設け、
これらの電極に供給する交流電流の位相を磁場の変化に
合わせてπ/2だけずらすことにより、一定の推進力を
得ることができ、且つ、その推進力の強さを2倍とする
ことができる。
【0043】更に、超伝導電磁石による磁場を、推進ダ
クトの内部に対しては液体の推進力を得るための磁場と
して使用し、外側の磁場に対しては、推進ダクトに固定
した電磁誘導固定子とにより超伝導電磁石自身を回転さ
せるための磁場として使用することにより、非接触で超
伝導電磁石を回転させることが可能となり、非常に高効
率で損失の少ない電磁推進装置を得ることができる。
【0044】また、超伝導電磁石を冷却するクライオス
タットを超伝導電磁石と共に回転させる手段として、ク
ライオスタットの内部に対をなす超伝導コイルを設置す
ると共に、推進ダクトのクライオスタット側に複数個の
超伝導バルク体を設置し、上記対をなす超伝導コイルに
互いに反対方向の電流を流すことにより、超伝導バルク
体と超伝導コイルの磁気反発力を利用して非接触でクラ
イオスタットを滑らかに回転させることが可能となり、
クライオスタットの回転による機械的損失を低と減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電磁推進装置の開
口端側から見た側面図。
【図2】図1のAB断面図。
【図3】同実施形態における超伝導電磁石への給電方法
を示すブロック図。
【図4】同実施形態における超伝導電磁石への他の給電
方法を示すブロック図。
【図5】同実施形態における超伝導電磁石の回転状態を
示す図。
【図6】同実施形態における超伝導電磁石の回転に伴う
磁場の変化、電極に供給される電流の変化及び推進力の
時間変化を示す図。
【図7】上記第1実施形態の応用例として、2組の電極
を設けた場合の超伝導電磁石の回転状態を示す図。
【図8】図7における超伝導電磁石の回転に伴う磁場の
変化、電極に供給される電流の変化及び推進力の時間変
化を示す図。
【図9】本発明の第2実施形態に係る電磁推進装置の開
口端側から見た側面図。
【図10】図9のAB断面図。
【図11】本発明の第3実施形態に係る電磁推進装置の
開口端側から見た側面図。
【図12】図11のAB断面図。
【図13】(a)は本発明を船舶に適用した場合の後方
から見た図、(b)は同側面図。
【図14】(a)は本発明を船舶に適用した場合の他の
例を示す後方から見た図、(b)は同側面図。
【図15】(a)は従来の電磁推進装置の概略構成を示
す斜視図、(b)は同断面図。
【符号の説明】
1 推進ダクト 2 超伝導電磁石 3,3a,3b 電極 4 直流電源 10 回転軸受け 11 クライオスタット 12 モータ 13 回転伝達機 14 ガウスメータプローブ 15 電流制御器 16 交流電源 17 運転指示信号 21 直流電源 22 リード線 23 スイッチ 24 超伝導スイッチ 25 ヒータ 26 円型電極 27 ブラシ 30 電磁誘導固定子 31 超伝導コイル 32 超伝導バルク体 33 超伝導コイルによる発生磁場 40 船舶 41,42 電磁推進装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒内に液体を通す円筒型推進ダクト
    と、 前記推進ダクトの内筒内に設けられ、水素吸蔵金属また
    は水素吸蔵合金からなる1組の電極と、 前記推進ダクトの内筒外側に回転可能に設けられ、前記
    推進ダクト内に磁場を発生させる磁石と、 前記磁石を前記推進ダクトの内筒外周に沿って回転駆動
    する手段と、 前記電極に交流電流を供給する交流電源と、 前記推進ダクトの内筒内における前記磁石による磁場の
    強度と方位を検出する磁場強度検出手段と、 前記磁場強度検出手段により検出された前記磁石の回転
    に伴う回転磁場の位相に合わせて前記交流電源の出力電
    流位相を制御する電流制御手段とを具備したことを特徴
    とする電磁推進装置。
  2. 【請求項2】 内筒内に液体を通す推進ダクトと、 水素吸蔵金属または水素吸蔵合金からなり、前記推進ダ
    クトの内筒内に互いに直角になるように配置される2組
    の電極と、 前記推進ダクトの内筒外側に回転可能に設けられる磁石
    と、 前記磁石を回転駆動する手段と、 前記2組の電極にそれぞれ別個に交流電流を供給する交
    流電源と、 前記推進ダクトの内筒内における前記磁石による磁場の
    強度と方位を検出する磁場強度検出手段と、 前記磁場強度検出手段により検出された前記磁石の回転
    に伴う回転磁場の位相に合わせて、前記第1及び第2の
    交流電源より前記2組の電極に供給される電流位相を制
    御すると共に、両電流位相をほぼπ/2だけずらした関
    係に保持する電流制御手段とを具備したことを特徴とす
    る電磁推進装置。
  3. 【請求項3】 内筒内に液体を通す推進ダクトと、 前記推進ダクトの内筒内に設けられる電極と、 前記推進ダクトの内筒外側に回転可能に設けられるクラ
    イオスタットと、 前記クライオスタットに設けられ、該クライオスタット
    と共に回転して液体推進用の磁場を発生する磁石と、 前記クライオスタットに対して非接触で、且つ、該クラ
    イオスタットの外周に沿って位置するように前記推進ダ
    クトに固定して設けられる複数個の電磁誘導固定子と、 前記複数個の電磁誘導固定子を前記磁石の回転方向に対
    して順に励磁する励磁手段と、 前記電極に交流電流を供給する交流電源と、 前記推進ダクトに与えられる前記磁石による磁場の強度
    と方位を検出する磁場強度検出手段と、 前記磁場強度検出手段により検出された前記磁石の回転
    に伴う回転磁場の位相に合わせて前記交流電源の出力電
    流位相を制御する電流制御手段とを具備し、前記磁石が
    発生する外側の磁場と前記電磁誘導固定子が順に発生す
    る磁場の作用により前記磁石に回転力を与えることを特
    徴とする電磁推進装置。
  4. 【請求項4】 内筒内に液体を通す推進ダクトと、 前記推進ダクトの内筒内に設けられる電極と、 前記推進ダクトの内筒外周に所定の間隙を保って回転可
    能に設けられるクライオスタットと、 前記クライオスタット内に設けられ、該クライオスタッ
    トと共に回転して液体推進用の磁場を発生する磁石と、 前記推進ダクトの内筒外周に沿って一定の間隔で設けら
    れる複数個の超伝導バルク体と、 前記クライオスタットの内周に沿って前記超伝導バルク
    体に対応して設けられる対の超伝導コイルと、 前記超伝導コイルに、前記超伝導バルク体に対して反発
    する磁場が発生するように電流を供給する手段と、 前記クライオスタットを回転駆動する手段と、 前記電極に交流電流を供給する交流電源と、 前記推進ダクトの内筒内における前記磁石による磁場の
    強度と方位を検出する磁場強度検出手段と、 前記磁場強度検出手段により検出された前記磁石の回転
    に伴う回転磁場の位相に合わせて前記交流電源の出力電
    流位相を制御する電流制御手段とを具備したことを特徴
    とする電磁推進装置。
JP16587397A 1997-06-23 1997-06-23 電磁推進装置 Withdrawn JPH1111388A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7591895B2 (en) 2004-06-11 2009-09-22 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Method and apparatus for producing crystals

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US7591895B2 (en) 2004-06-11 2009-09-22 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Method and apparatus for producing crystals

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