JPH11111384A - 電源プラグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シガーライター用車載ソケットに挿入して使
用される電源プラグにおいて、電気コードの屈曲や捩じ
れを効果的に防止して電気コードの断線を防ぐ。とので
きる電源プラグを提供する。車載ソケット周りの狭い車
内スペースに余裕を生じさせて電気コードの引廻しの自
由度を高める。 【解決手段】 相手方ソケットに対して挿抜する筒状ケ
ース１の後端部に軸受孔８を設け、この軸受孔８に、柔
軟性を有する合成樹脂製のスリーブ９の前端部に設けた
軸部９３を回転自在に嵌合保持させる。スリーブ９と一
体の電気コード２００の導体２１０を、筒状ケース１の
内部の圧着端子５１，７１に加締めて接続する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、シガーライター用
の車載ソケットなどを相手方ソケットとして用いられる
電源プラグに関する。

【０００２】

【従来の技術】近時、自動車にナビゲーション機器や音
響・映像機器などの様々な電気機器を装備させることが
多くなっており、これらの機器は車載発電機を電源とす
る仕様になっているものが多い。このような電気機器に
おいて、その電源の取出しをシガーライター用の車載ソ
ケットに求める場合に、その車載ソケットを相手方ソケ
ットとして利用することのできる機能を備えた電源プラ
グが必要になる。

【０００３】この種の従来の電源プラグの２つのタイプ
が、たとえば特開平９−９２３９４号公報に記載されて
いる。この電源プラグはシガーライター用の車載ソケッ
トを相手方ソケットとして使用されるものであり、その
うちの１つのタイプは、相手方ソケットに挿入される筒
状ケースの後端部から後方に延び出たスリーブを通して
電気コードがその後方へ引き出されているというストレ
ートタイプであり、他の１つのタイプは、上記筒状ケー
スの後端部からその筒状ケースの軸線に対する垂直方向
にスリーブが延び出し、そのスリーブを通して電気コー
ドが引き出されているというＬ形タイプである。

【０００４】また、実開平４−７２５８１号公報には、
シガーライター用の車載ソケットを相手方ソケットとし
て使用されるカープラグについての記載がある。このカ
ープラグでは、そのカープラグにその長さ方向に対して
斜めに延び出すように取り付けられたスリーブを通して
引出コードを引き出してある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の電源プ
ラグやカープラグにあっては、そのスリーブが適度の柔
軟性と腰の強さを持った合成樹脂成形体で形成されてお
り、そのスリーブの作用によって電気コードや引出コー
ドが引出口のところで屈曲したり捩じれたりすることを
防止できるようになっている。

【０００６】しかしながら、従来の電源プラグやカープ
ラグの上記スリーブはその前端部が電源プラグの筒状ケ
ースやカープラグに固定されており、そのために、電気
コードや引出コードの屈曲や捩じれを防ぐ作用が専らス
リーブの柔軟性だけによって発揮されるに過ぎず、その
屈曲や捩じれの防止作用としては限られたものであっ
た。

【０００７】また、上記した従来の電源プラグやカープ
ラグは、シガーライター用の車載ソケットに挿入したと
きに、その車載ソケットからの突出長さが長く、しかも
それらきスリーブの位置が固定されているために、車載
ソケット周りの狭い車内スペースに余裕がなくなり、電
気コードや引出コードの配線引廻しの自由度が低下する
という問題があった。

【０００８】本発明は以上の事情や問題に鑑みてなされ
たものであり、それ自体の柔軟性によってある程度の電
気コードの屈曲や捩じれを防ぐ作用を発揮する上記スリ
ーブを、相手方ソケットに挿入される筒状ケースに対し
て可動とすることによって、電気コードの屈曲や捩じれ
をいっそう効果的に防止して電気コードの断線を防ぐこ
とのできる電源プラグを提供することを目的とする。

【０００９】また、本発明は、上記のようにスリーブを
可動にすることによって、シガーライター用の車載ソケ
ットに挿入したときに、車載ソケット周りの狭い車内ス
ペースに余裕を生じさせて電気コードの引廻しの自由度
を高めることのできる電源プラグを提供することを目的
とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明の電
源プラグは、相手方ソケットに対して挿抜される筒状ケ
ースに上記ソケットの電極に離接される電極が設けられ
ていると共に、その筒状ケースの後端部に円形の軸受孔
が具備され、電気コードに設けられた柔軟性を有する合
成樹脂製のスリーブの前端部に軸部が設けられ、この軸
部が上記筒状ケースの上記軸受孔に回転自在に嵌合保持
されて上記スリーブが上記筒状ケースの軸線に対して傾
動可能となされ、上記電気コードの導体が、上記軸部を
径方向に貫通して上記筒状ケースの内部に延出されてい
ると共に、その導体が当該電源プラグの上記電極に電気
的に導通して上記筒状ケースに収容されている接続端子
に接続されている、というものである。

【００１１】この電源プラグにおいて、筒状ケースを相
手方ソケットに挿入すると、筒状ケースに設けられてい
る電極が相手方ソケットの電極に接触して電気的導通が
図られる。また、電気コードに設けられたスリーブがそ
の軸部を中心として筒状ケースに対し傾動可能であり、
しかもスリーブが柔軟性を有する合成樹脂製であるの
で、電気コードの屈曲や捩じれがスリーブ自体の柔軟性
とそのスリーブの傾動とによって効果的に防止される。
また、この電源プラグの筒状ケースを相手方ソケットと
してのシガーライター用の車載ソケットに挿入したとき
でも、スリーブが筒状ケースに対して可動になっている
ので、車載ソケット周りの狭い車内スペースに余裕が生
じて電気コードの引廻しの自由度が高まる。

【００１２】請求項２に係る発明の電源プラグは、請求
項１に記載したものにおてい、上記軸受孔が上記筒状ケ
ースの後端部の左右２箇所に同心状に設けられており、
上記軸部がスリーブの前端部で左右方向に突出されてそ
の軸部のそれぞれが左右の上記軸受孔に各別に回転自在
に嵌合保持されている、というものである。

【００１３】この発明によれば、筒状ケースとスリーブ
とが、左右２箇所の軸受孔と軸部との嵌合部とによって
連結されているので、両者の連結強度が大きくなる。

【００１４】請求項３に係る発明の電源プラグは、請求
項１又は請求項２に記載したものにおいて、上記筒状ケ
ースの軸線に対する上記スリーブの傾動範囲が、少なく
とも、上記スリーブの軸線が上記筒状ケースの軸線に対
して平行になる第１位置と上記スリーブの軸線が上記筒
状ケースの軸線に対して垂直になる第２位置との間の範
囲に定められている、というものである。

【００１５】この発明の電源プラグは、筒状ケースの後
端部から後方にスリーブが突出したストレートタイプと
して使用することも、筒状ケースの後端部からその筒状
ケースの軸線に対する垂直方向にスリーブが延び出たＬ
形タイプとして使用することも可能である。そして、い
ずれのタイプとして使用した場合でも、スリーブが少な
くとも９０度の範囲で可動であるので、電気コードの屈
曲や捩じれがスリーブ自体の柔軟性とそのスリーブの傾
動とによって効果的に防止され、同時に、相手方ソケッ
トがシガーライター用の車載ソケットである場合には車
載ソケット周りの狭い車内スペースに余裕が生じて電気
コードの引廻しの自由度が高まる。

【００１６】請求項４に係る発明の電源プラグは、請求
項１、請求項２、請求項３のいずれかに記載したものに
おいて、上記軸部が、上記スリーブと一体に成形された
合成樹脂製の軸部本体とこの軸部本体に外嵌合状に保持
された金属製の輪状体とでなり、その輪状体の外周面が
上記軸受孔に対する摺動面となされている、というもの
である。

【００１７】この発明によると、筒状ケースの軸受孔に
対する摺動面が金属性の輪状体の外周面であるので、ス
リーブ側の軸部の摩耗が生じにくくなって耐久性が向上
し、同時にその輪状体によってスリーブ側の軸部自体が
補強されて筒状ケースとスリーブとの連結強度がいっそ
う向上する。

【００１８】請求項５に係る発明の電源プラグは、請求
項４に記載したものにおいて、上記軸部本体の外周面形
状が、１／２円弧よりも大きい円弧の弧状面とこの弧状
面の周方向両端縁間に亘る平坦面とによって略Ｄ形に形
成されており、上記輪状体が上記軸部本体の外周面に沿
う略Ｄ形に形成されている、というものである。

【００１９】この発明によると、軸部の構成要素として
金属製の輪状体を用いたことによる重量増が、その軸部
の外周面形状を略Ｄ形に形成することによって相殺され
るので、軸部に金属製の輪状体を用いているにもかかわ
らず電源プラグの重量増を抑制することが可能になる。

【００２０】請求項６に係る発明の電源プラグは、請求
項１、請求項２、請求項３、請求項４、請求項５のいず
れかに記載したものにおいて、上記スリーブが上記電気
コードの外皮と一体に成形されており、上記電気コード
の導体が上記接続端子に加締めて圧着されている、とい
うものである。

【００２１】この発明によれば、スリーブが電気コード
の外皮と一体に成形されているのでスリーブと電気コー
ドとを一体に取り扱えるようになる。そのため、スリー
ブを電気コードと別体として筒状ケースに取り付けるよ
うなものに比べて、部品点数が削減されて組立性が向上
する。また、電気コードの導体が筒状ケースに収容され
ている接続端子に直接に加締めて圧着される構成である
ので、別途用意した接続部品を介して電気コードの導体
を筒状ケース側の電極に接続するようなものに比べて、
部品点数が削減されて組立性が向上する。

【００２２】請求項７に係る発明の電源プラグは、請求
項１、請求項２、請求項３、請求項４、請求項５、請求
項６のいずれかに記載したものにおいて、シガーライタ
ー用の車載ソケットを相手方ソケットとするものであ
る。

【００２３】

【発明の実施の形態】図１は本発明の電源プラグＡの実
施形態を示す側面図、図２はその後面図、図３は上記電
源プラグＡの内部構造を示す一部破断側面図、図４は筒
状ケース１の軸受孔８の付近の構造を示す縦断面図、図
５は軸部９３を備えたスリーブ９の平面図、図６は同ス
リーブ９の側面図である。

【００２４】この電源プラグＡはシガーライター用の車
載ソケットを相手方ソケット１００として使用する仕様
になっている。この電源プラグＡの筒状ケース１は、図
２〜図４に見られるように、合成樹脂成形体で作られた
略対称形をなす半円筒状の左右一対のケース部材１１，
１２を合わせて結合することによって形成されている。
左右のケース部材１１，１２の結合は、図４に示したよ
うに、一方のケース部材１１に設けた係合爪１３を他方
のケース部材１２に設けた係合部１４に係合させること
によっている。なお、このような係合構造は左右のケー
ス部材１１，１２の他の複数箇所でも採用されている。
また、左右のケース部材１１，１２を合わせることによ
ってその前端部に形成されるねじ付きボス部１５（図３
参照）に、図１のようにヘッドキャップ２をねじ込んで
装着することによっても左右のケース部材１１，１２が
結合されている。

【００２５】図３のように、上記筒状ケース１には２つ
の電極３，４が取り付けられている。一方の電極３は上
記ヘッドキャップ２の前端から突出された電極チップ３
１でなる。この電極チップ３１は、同図のように筒状ケ
ース１に保持されたヒューズ３２の一端電極面３２ａに
被着されてその一端電極面３２ａに電気的に導通してい
る。なお、筒状ケース１に内蔵されたばね６１の作用に
よって上記電極チップ３１が常時前方へ付勢されている
と共に、その電極チップ３１が一定の範囲で前後に変位
し得るようになっている。他方の電極４は中空鞍形に形
成されていて、筒状ケース１の胴体部分に具備された開
口１６を通してその側方に突き出ている。この電極４
は、筒状ケース１に内蔵されたばね６２の作用によって
常時筒状ケース１の側方へ付勢されていると共に、筒状
ケース１に対し一定の範囲で図中上下方向に出退し得る
ようになっている。このため、筒状ケース１を図１のよ
うに相手方ソケット１００に挿入することによって、上
記した２つの電極３，４のそれぞれが、相手方ソケット
１００に備わっている２つの電極（不図示）に各別に弾
接する。なお、筒状ケース１の他の箇所に具備された開
口１７には上記した電極４と同じ形状の押圧部材１８が
側方へ弾発付勢された状態で配備されており、筒状ケー
ス１を図１のように相手方ソケット１００に挿入したと
きには、この押圧部材１８の弾性押圧力と上記電極４の
弾性押圧力とによって当該電源プラグＡが相手方ソケッ
ト１００に保持されるようになっている。なお、筒状ケ
ース１の後端部の左右２箇所には把手部１９，１９が膨
出状に形成されており、相手方ソケット１００に筒状ケ
ース１を挿抜するときには、その把手部１９，１９を手
の指で掴んで操作することができるようになっている。

【００２６】図３に示したように、上記した一方の電極
３（電極チップ３１）に電気的に導通している上記接続
端子５は圧着端子部５１とコード保持部５２とを一体に
備えている。また、上記した他方の電極４には、それと
一体に連設された別の接続端子７が設けられている。こ
の接続端子７は圧着端子部７１とコード保持部７２とを
一体に備えている。そして、上記した２つの接続端子
５，７は筒状ケース１の内部で互いに沿って後向きに延
び出ている。

【００２７】図３及び図４に示したように、筒状ケース
１の後端部下方の左右２箇所のそれぞれに円形の軸受孔
８，８が同心状に設けられており、この軸受孔８，８の
内周面が後述する軸部９３との摺動面８１，８１として
形成されている。また、これらの軸受け８，８の相互間
では、筒状ケース１がその後部から下部に至る範囲で開
口されており、その後部の開口縁とその下部の開口縁と
が後述するスリーブ９の傾動範囲を規制するストッパ面
８２，８３となされている。

【００２８】図５及び図６にスリーブ９を示してある。
このスリーブ９は適度の柔軟性と腰の強さを持った合成
樹脂成形体でなり、手の指で掴みやすい曲面形状を持っ
た把手部９１を有している。また、このスリーブ９の前
端部に細く短い首部９２が前向きに突出されており、そ
の首部９２の前端に左右両側へ突出した軸部９３が同心
状に設けられている。この軸部９３は、スリーブ９と一
体に成形された合成樹脂製の軸部本体９４とこの軸部本
体９４の両端部のそれぞれにインサートで外嵌合状に保
持された金属製の輪状体９５，９５とでなり、その輪状
体９５，９５の外周面が上記した軸受孔８，８に対する
摺動面９６，９６となされている。また、上記軸部本体
９４の外周面形状は、図６のように１／２円弧よりも大
きい円弧の弧状面９４ａとこの弧状面９４ａの周方向両
端縁間に亘る平坦面９４ｂとによって略Ｄ形に形成され
ている。そして、上記輪状体９５は、軸部本体９４の上
述した形状の外周面に沿う略Ｄ形に形成されている。軸
部９３の形状をこのようにしておくと、軸部９３の構成
要素として金属製の輪状体９５，９５を用いたことによ
る重量増が、その軸部９３の外周面形状を略Ｄ形に形成
することによって相殺されるようになるので、当該電源
プラグＡの軽量化が損なわれない。

【００２９】ここで、スリーブ９やそれに連設された首
部９２、軸部９３は、電気コード２００の合成樹脂製の
外皮と一体にインサートで成形されている。そして、左
右のケース部材１１，１２を合わせて結合するときに、
上記軸部９３の両端部が図４に示した筒状ケース１の左
右の軸受孔８，８に嵌合されて図３のようにがたつきを
持たないように摺動回転自在に保持され、このような軸
受孔８，８と軸部９３の両端部との嵌合構造を介して筒
状ケース１とスリーブ９とが連結される。なお、図４に
軸受孔８，８の軸線を符号８４で示してあり、図５に軸
部９３の軸線を符号で示してある。これらの軸線８４，
９７は、軸部９３が軸受孔８，８に嵌合保持されること
によって一致する。

【００３０】こうして左右の軸受孔８，８に嵌合保持さ
れた軸部９３は、その輪状体９５，９５の摺動面９６，
９６と軸受孔８，８の摺動面８１，８１との摺動作用を
介して回転可能である。このため、スリーブ９が筒状ケ
ース１の軸線に対して傾動されるときに輪状体９５，９
５の摺動面９６，９６が軸受孔８，８の摺動面８１，８
１と摺動しても、輪状体９５，９５の摺動面９６，９６
はほとんど摩耗することがなく、そのことが、軸部９３
の耐久性を高めることに役立つ。また、筒状ケース１と
スリーブ９とが、左右２箇所の軸受孔８，８と軸部９３
との嵌合構造を介して連結されているので両者の連結強
度が大きく、しかも、輪状体９５，９５によって軸部９
３自体が補強されているので筒状ケース１とスリーブ９
との間に大きな連結強度が確保される。そのため、スリ
ーブ９の把手部９１を手の指で掴んで筒状ケース１を相
手方ソケット１００から引き抜くという操作が行われて
も、左右２箇所の軸受孔８，８と軸部９３との嵌合構造
が容易に破壊されるような事態は起こらない。

【００３１】図５及び図６に示したように、上記電気コ
ード２００は、その外皮が２本の導体２１０，２２０
（図３参照）と共に上記軸部９３を径方向に貫通して図
３のように筒状ケース１の内部に延出されている。そし
て、それらの導体２１０，２２０が２つの接続端子５，
７のそれぞれの圧着端子部５１，７１に加締めて圧着さ
れている。また、それらの導体２１０，２２０を個別に
被覆している内皮が２つの接続端子５，７のそれぞれの
コード保持部５２，７２に動かないように挟持されてい
る。なお、電気コード２００には機器側の電源ジャック
に挿抜されるプラグ（不図示）が接続されている。

【００３２】上記電源プラグＡの筒状ケース１は、図１
のように相手方ソケット１００に挿入したときにその相
手方ソケット１００からの突出長さａができるだけ短く
なるように短小化してある。筒状ケース１を相手方ソケ
ット１００に対して挿入したり引き抜いたりする操作
は、筒状ケース１の把手部１９を手の指で掴んで行って
も、スリーブ９の把手部９１を手の指で掴んで行っても
よい。スリーブ９の把手部９１を手の指で掴んで筒状ケ
ース１を相手方ソケット１００に挿抜したとしても、上
述したように金属製の輪状体９５によって軸部９３が補
強されているので、左右２箇所の軸受孔８，８と軸部９
３との嵌合構造が容易に破壊されるような事態は起こら
ない。

【００３３】図１のように筒状ケース１を相手方ソケッ
ト１００に挿入すると、筒状ケース１側の２つの電極
３，４が相手方ソケット１００の電極に接触して電気的
導通が図られる。また、筒状ケース１を相手方ソケット
１００に挿入した場合、スリーブ９が軸部９３（図３参
照）を中心として筒状ケース１に対して傾動可能であ
る。具体的には、同図に仮想線で示したようにスリーブ
９の軸線が筒状ケース１の軸線に対し平行になってその
スリーブ９が筒状ケース１の後端部から後方に突出した
第１位置と、同図に実線で示したようにスリーブ９の軸
線が筒状ケース１の軸線に対し垂直になってそのスリー
ブ９が筒状ケース１の側方へ突出した第２位置との間の
範囲で傾動可能である。このため、スリーブ９を上記第
１位置にした場合には、この電源プラグＡをストレート
タイプのものとして使用可能であり、スリーブ９を上記
第２位置にした場合には、この電源プラグＡをＬ形タイ
プのものとして使用可能である。そして、いずれのタイ
プとして使用した場合でも、スリーブ９は、その首部９
２が筒状ケース１側のストッパ面８２，８３によって規
制される傾動範囲、すなわちスリーブ９が第１位置と第
２位置との間の９０度の範囲で自由に動くことができる
ので、使用中に電気コード２００に手や物が触れたとき
には、電気コード２００と共にスリーブ９が傾動して手
や物が触れたときの力が吸収され、電気コード１００の
屈曲や捩じれがスリーブ９自体の柔軟性と相まって防止
される。また、シガーライター用の車載ソケットの周り
の車内スペースが狭いときには、スリーブ９が傾動して
第１位置と第２位置との間の任意の位置に自然に位置す
るようになるので、狭い車内スペースに余裕が生じて電
気コードの引廻しの自由度が高まる。

【００３４】以上説明した実施形態では、スペース９の
傾動範囲を上記した第１位置と第２位置との間の９０度
の範囲に定めてあるけれども、筒状ケース１側のストッ
パ面８２，８３の位置を変更することによって、その傾
動範囲を９０度よりも広い範囲に定めたりその傾動範囲
の位置を変更したりすることが可能になる。なお、図１
にはスペース９の傾動範囲を符号θで示してある。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、スリーブ自体の柔軟性
とそのスリーブが筒状ケースに対して可動であるという
構成とによって、電気コードの屈曲や捩じれが効果的に
防止されるようになるので、電気コードの断線が冒頭で
説明した従来の電源プラグやカープラグに比べて生じに
くくなる。また、相手方ソケットがシガーライター用の
車載ソケットである場合でも、筒状ケースをその車載ソ
ケットに挿入したときに、車載ソケット周りの狭い車内
スペースに余裕が生じて電気コードの引廻しの自由度が
大幅に向上するという効果が奏される。

【００３６】なお、本発明の電源プラグにはゲーム機器
などに用いられるＡＣアダプターも含まれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電源プラグの実施形態を示す側面図で
ある。

【図２】本発明の電源プラグの実施形態を示す後面図で
ある。

【図３】電源プラグの内部構造を示す一部破断側面図で
ある。

【図４】筒状ケースの軸受孔８の付近の構造を示す縦断
面図である。

【図５】スリーブの平面図である。

【図６】スリーブの側面図である。

【符号の説明】

Ａ 電源プラグ １ 筒状ケース ３，４ 電極 ５，７ 接続端子 ８ 軸受孔 ９ スリーブ ９３ 軸部 ９４ 軸部本体 ９４ａ 弧状面 ９４ｂ 平坦面 ９５ 輪状体 ９６ 輪状体の摺動面 θ スリーブの傾動範囲 １００ 相手方ソケット ２００ 電気コード ２１０，２２０ 電気コードの導体

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 相手方ソケットに対して挿抜される筒状
   ケースに上記ソケットの電極に離接される電極が設けら
   れていると共に、その筒状ケースの後端部に円形の軸受
   孔が具備され、電気コードに設けられた柔軟性を有する
   合成樹脂製のスリーブの前端部に軸部が設けられ、この
   軸部が上記筒状ケースの上記軸受孔に回転自在に嵌合保
   持されて上記スリーブが上記筒状ケースの軸線に対して
   傾動可能となされ、上記電気コードの導体が、上記軸部
   を径方向に貫通して上記筒状ケースの内部に延出されて
   いると共に、その導体が当該電源プラグの上記電極に電
   気的に導通して上記筒状ケースに収容されている接続端
   子に接続されていることを特徴とする電源プラグ。
2. 【請求項２】 上記軸受孔が上記筒状ケースの後端部の
   左右２箇所に同心状に設けられており、上記軸部がスリ
   ーブの前端部で左右方向に突出されてその軸部のそれぞ
   れが左右の上記軸受孔に各別に回転自在に嵌合保持され
   ている請求項１に記載した電源プラグ。
3. 【請求項３】 上記筒状ケースの軸線に対する上記スリ
   ーブの傾動範囲が、少なくとも、上記スリーブの軸線が
   上記筒状ケースの軸線に対して平行になる第１位置と上
   記スリーブの軸線が上記筒状ケースの軸線に対して垂直
   になる第２位置との間の範囲に定められている請求項１
   又は請求項２に記載した電源プラグ。
4. 【請求項４】 上記軸部が、上記スリーブと一体に成形
   された合成樹脂製の軸部本体とこの軸部本体に外嵌合状
   に保持された金属製の輪状体とでなり、その輪状体の外
   周面が上記軸受孔に対する摺動面となされている請求項
   １、請求項２、請求項３のいずれかに記載した電源プラ
   グ。
5. 【請求項５】 上記軸部本体の外周面形状が、１／２円
   弧よりも大きい円弧の弧状面とこの弧状面の周方向両端
   縁間に亘る平坦面とによって略Ｄ形に形成されており、
   上記輪状体が上記軸部本体の外周面に沿う略Ｄ形に形成
   されている請求項４に記載した電源プラグ。
6. 【請求項６】 上記スリーブが上記電気コードの外皮と
   一体に成形されており、上記電気コードの導体が上記接
   続端子に加締めて圧着されている請求項１、請求項２、
   請求項３、請求項４、請求項５のいずれかに記載した電
   源プラグ。
7. 【請求項７】 シガーライター用の車載ソケットを相手
   方ソケットとする請求項１、請求項２、請求項３、請求
   項４、請求項５、請求項６のいずれかに記載した電源プ
   ラグ。