JPH11109048A - コンピュータによる降雨予測方法及び降雨予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
コンピュータによる降雨予測方法及び降雨予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体Info
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- JPH11109048A JPH11109048A JP26567997A JP26567997A JPH11109048A JP H11109048 A JPH11109048 A JP H11109048A JP 26567997 A JP26567997 A JP 26567997A JP 26567997 A JP26567997 A JP 26567997A JP H11109048 A JPH11109048 A JP H11109048A
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Abstract
法に基づく短時間降雨予測において、降雨パターンの急
変等に起因する予測精度の低下を改善する。 【解決手段】 降雨分布補正工程8は、降雨強度により
降雨地域を分割し、強降雨地域では降雨データの観測誤
差の平滑化を行い、また、弱降雨地域では降雨域の境界
を拡大して時系列降雨パターンの重なりを増やし、移流
ベクトル推定の精度向上を図る。他に、差分化した移流
方程式へ空間差分を代入する際に、降雨域の移動後の空
間差分を加味する方法、降雨域の移動のみを示すベクト
ルに従って移動させた仮想雨域を前述の空間差分を加味
する方法で求める補正ベクトルで補正して雨域の移動を
予測する方法及びこの最後の方法の処理の高速化につい
ても併せて開示する。
Description
る降雨予測の精度を向上させる方法に関する。
る降雨分布の時系列データを用いた短時間降雨予測の代
表的な手法として、雨域追跡法と移流モデル法とがあ
る。
えば「レーダ雨量計による短時間降雨予測に関する調査
報告書」(建設省土木研究所河川部水文研究室、土木研
究所資料第2406号)に述べられている。
示す。同図に基づいて雨域追跡法を簡単に説明する。時
系列降雨分布入力工程1では、降雨観測領域を格子に分
割し、その格子毎に観測される連続する時系列降雨デー
タを取得する。ここで入力されるデータは、各格子毎で
の単位時間あたりの降雨量(降雨強度)に関するデータ
であり、デジタルレーダ雨量計等の雨量観測手段によっ
て観測されるものである。
列降雨分布入力工程1で取得した時系列降雨データを、
例えば予め設定される雨量の閾値に対する多少によって
2値化し、時系列の雨域パターンを得る。次に、ある時
刻の雨域パターンを各方向・各距離に移動させた場合
の、後の時刻の雨域パターンとの相互相関係数を計算す
る。そして、この相互相関係数の計算値が最大の値を示
すときの雨域パターンの移動の方向・距離を、計算に使
用した2つの雨域パターンの観測時刻の間における雨域
の移動ベクトルとみなし、これを降雨移動予測工程3へ
渡す。
た移動ベクトルに従って雨域が将来も移動するものと
し、時系列降雨分布入力工程1で取得した降雨データを
この移動ベクトルに基づいて移動させ、将来の降雨の移
動予測データを生成する。
成した雨域移動の予測データを表示装置等の出力手段に
出力する。雨域追跡法による降雨予測の範疇に含まれる
事例としては、次のような報告あるいは実用化例があ
る。 ・連続する時系列降雨パターンを平行移動と仮定し、相
互相関関数法により相関係数を計算し、その係数の最大
となるものを雨域の移動であるとして移動ベクトルを求
め、外挿によって将来の雨域移動を予測する(Austin,
G. L. and A. Bellon: Very-short-range forecasting
of precipitation by the objective extrapolation of
radar and satellite data, Nowcasting(ed. By A. Br
owning), Academic Press, New York(1982) )。 ・連続する2つの時刻の降水量分布の類似度を計算し、
その値が最大となるときの移動方向を移動ベクトルとす
る。そして、異なる地域の複数の移動ベクトルを用いて
降雨予測をする(大林正典、高橋邦夫:気象庁の降水短
時間予報、水文・水資源学会誌 Vol.5,No.2(1992))。 ・連続する2つの時系列降雨パターンの重心を求め、そ
の移動方向を移動ベクトルとし、外挿によって将来の雨
域移動を予測する。 ・連続する2つの時系列降雨パターンの曲面形状を計算
し、その特徴点同士の照合により確からしい組み合わせ
を求めて移動ベクトルとし、外挿によって将来の雨域移
動を予測する(森田豊久、田所英之:レーダ雨量計を用
いた降雨量予測方式の提案、第31回下水道研究発表会
講演集(1994))。
10は従来の移流モデル法による予測方法を示す図であ
る。同図において、時系列降雨分布入力工程1、出力工
程4は図9に示す雨域追跡法による予測方法と同一の工
程であり、説明は省略する。
列降雨分布入力工程1で取得した時系列降雨分布データ
を用いて移流方程式のパラメータを線形最小二乗推定に
より算出する。この工程について更に説明を加える。
tの降雨強度をz(x,y,t)とし、zの空間時間変
化が次の移流方程式で表せるとする。 ∂z/∂t+u(∂z/∂x)+v(∂z/∂y)=w (1) 但し、(u,v)は移流ベクトル、wは発達衰弱項を表
す。ここで u=α1 x+α2 y+α3 v=α4 x+α5 y+α6 (2) u=α7 x+α8 y+α9 と仮定し、式中の移流モデルパラメータα1 、……、α
9 を、時系列降雨分布入力工程1で取得する時系列降雨
分布データを用いて、以下の線形最小二乗推定で求め
る。
隔でとったM×N個のそれぞれの格子点(xi ,
yj )、i=1、…、M、j=1、…、Nについて、時
刻tk における移流方程式を差分化する。ここで、時間
差分幅をΔtとし、また、簡単のためにz(xi ,
yj ,tk )をzijk と表すと、 (∂z/∂t)ijk =(zij(k+1) −zijk )/Δt (∂z/∂x)ijk =(z(i+1)jk −z(i-1)jk )/2Δx (3) (∂z/∂y)ijk =(zi(j+1)k −zi(j-1)k )/2Δy と近似できる。なお、時刻tk+1 までのzのデータは前
行程で入力されている既知の値とする。(3)式を
(1)式に代入することにより、次式を得る。
て、この値はこれまでの仮定が正しければ本来ゼロにな
るべきものであり、よって、この残差の二乗和を最小に
するようにα1 、……、α9 を定めるようにする。この
ためには
α1 、……、α9 を未知数とする連立一次方程式を解け
ばよい。移流モデルパラメータ演算工程5では、以上の
手順に従って移流モデルパラメータα1 、……、α9 を
算出する。
程6は、移流モデルパラメータ演算工程5で算出される
移流方程式のパラメータα1 、……、α9 を(2)式に
代入することで、各観測格子毎の移流ベクトル(u,
v)と発達衰弱項wとを算出する。以降、移流モデルパ
ラメータ演算工程5と移流ベクトル演算工程6とを総称
して移流ベクトル推定工程と呼ぶ。
法での工程と同様に、将来の降雨の移動予測データを作
成するので同一の名称を付している。しかしながら、移
流モデル法では、前工程で得られた各観測格子毎の移流
ベクトルと発達衰弱項に基づいて降雨分布が変動するも
のとしており、時系列降雨分布入力工程1で取得した最
新の時刻の降雨データとこの移流ベクトル及び発達衰弱
項とから、各観測格子の将来の降雨強度を算出し、この
算出データを総合して将来の雨域移動の予測データを作
成している点で、雨域追跡法における工程とは若干の相
違がある。
ダーデータを利用した実時間降雨・流量予測システムの
開発」(高棹琢馬、昭和62年度科学研究費補助金(試
験研究(1))研究成果報告書(昭和63年3月))で
詳細に説明されている。
に類する方法)は、予測時刻までの時間内には雨域の形
状は変化しないという前提の下で、1もしくは少数で代
表させた移動ベクトルに従って雨域を移動させることに
よって降雨予測を行なうために、雨域の形状変化(回
転、歪み、膨張、収縮もしくはこれらの複合した変化
等)や降雨量の増加減少を表すことができず、降雨予測
の精度低下の原因となっている。このため、雨域内での
降雨分布の時間変化を予測する手法を付加する等して予
測精度の向上を図ることが行われているが、その結果、
予測の方法は複雑化し、予測に要する演算量の増大を招
いていた。
を用いてパラメータ推定を行なうため、観測格子のx、
y方向の間隔に比較して、連続する時系列降雨分布のパ
ターンの変化は少ないことが望ましい。従って、雨域の
移動が速い場合、あるいは空間的予測精度の向上のため
に格子間隔を小さくした場合において、観測時刻の連続
する降雨分布パターン間での重なり部分が少なくなる
と、降雨分布の移動が平行移動のみであってもパラメー
タの精度は低下し、場合によってはパラメータの導出が
不可能となることもある。また、降雨パターンが回転す
る等して大きく変化した場合には、その変化に追従でき
ず、降雨パターンの距離的移動の大小とは無関係に予測
精度が低下する問題も生じていた。更に、降雨データを
2値化データもしくは降雨強度の段階的なレベル情報と
して与える場合には、本来ゼロでない値を取るはずの空
間差分がゼロとなってしまい、パラメータの導出が困難
となり、移流モデルを適用できなくなることがある問題
もあった。
雨域の移動状況や降雨データの観測体制等によって引き
起こされる予測精度の低下を改善する降雨予測方法を提
供することを目的としている。
めに、雨量観測手段によって降雨観測領域を観測して得
られ、該降雨観測領域を格子状に分割したときの時系列
で連続する該格子毎の降雨強度に関するデータを取得す
る時系列降雨分布入力工程と、格子毎の位置並びに降雨
強度に関するデータから移流方程式に基づいて格子毎の
移流ベクトルを推定する移流ベクトル推定工程と、前記
時系列降雨分布入力工程で取得する格子毎の降雨強度に
関するデータを前記移流ベクトル推定工程で推定する格
子毎の移流ベクトルに基づいて移動して得られる降雨分
布移動予測データの生成を行なう降雨移動予測工程とを
含むコンピュータによる降雨予測方法において、本発明
では、前記時系列降雨分布入力工程で取得する格子毎の
降雨強度に関するデータを降雨強度によって分類し、予
め設定する強降雨地域に該格子が含まれるときには主に
降雨強度の観測値の測定誤差を平滑化する補正を行な
い、予め設定する弱降雨地域に該格子が含まれるときに
は主に降雨域の裾を拡大(後述)する補正を行なう降雨
分布補正工程を更に含み、前記移流ベクトル推定工程
が、前記降雨分布補正工程によって補正された格子毎の
降雨強度に関するデータから格子毎の移流ベクトルを推
定することを特徴とし、これらの工程により、強降雨地
域ではデータの測定誤差に起因している降雨予測の精度
低下を改善し、弱降雨地域では時系列降雨分布間での降
雨分布パターンの重なりを拡大させて、移流ベクトル等
の算出に必要なパラメータ推定の精度を向上させる。
法において、本発明では、前記移流ベクトル推定工程
が、最新時刻の降雨強度を含む2以上の観測時刻におけ
る同一格子位置の降雨強度に基づいて格子毎の移流ベク
トルを推定することを特徴とし、これらの工程により、
降雨分布パターンの回転等による急激な変化に対する、
移流ベクトルの推定精度の向上を図ることができる。
法において、本発明では、前記移流ベクトル推定工程
が、異なる2時刻の格子毎の降雨強度に関するデータを
入力し、該時刻間における雨域の移動を代表して示す基
本移流ベクトルを得る基本移流ベクトル演算工程と、前
記基本移流ベクトル演算工程で使用するデータの中で移
動前の格子毎の降雨強度に関するデータを該基本移流ベ
クトル演算工程で得られた基本移流ベクトルに基づいて
移動して得られる格子毎の仮想降雨分布データの生成を
行なう仮想降雨分布演算工程と、前記基本移流ベクトル
演算工程で使用する移動後の格子毎の降雨強度に関する
データと前記仮想降雨分布演算工程で生成する格子毎の
仮想降雨分布データとの両者の同一格子位置における降
雨強度に関するデータを代入する前記移流方程式に基づ
いて格子毎の補正移流ベクトルを推定する補正移流ベク
トル演算工程と、基本移流ベクトル演算工程で得られる
基本移流ベクトルと前記補正移流ベクトル演算工程で得
られる格子毎の補正移流ベクトルとを格子毎に合成して
得られる合成移流ベクトルを生成する合成移流ベクトル
演算工程とを含み、前記移流ベクトル推定工程が、前記
合成移流ベクトル演算工程で生成する合成移流ベクトル
を該移流ベクトル推定工程の推定するベクトルとするこ
とを特徴とし、これらの工程によっても、降雨分布パタ
ーンの回転等による急激な変化に対する、移流ベクトル
の推定精度の向上を図ることができる。
法において、本発明では、前記移流ベクトル推定工程
が、該移流ベクトル推定工程の推定する格子毎のベクト
ルを代表する実績単位時間移流ベクトルを逐次記憶する
実績単位時間移流ベクトル記憶工程と、前記実績単位時
間移流ベクトル記憶工程で逐次記憶する実績単位時間移
流ベクトルを代表する基本移流ベクトルを得る基本移流
ベクトル演算工程と、格子毎の降雨強度に関するデータ
を該基本移流ベクトル演算工程で得られる基本移流ベク
トルに基づいて移動して得られる格子毎の仮想降雨分布
データの生成を行なう仮想降雨分布演算工程と、前記仮
想降雨分布演算工程で使用した格子毎の降雨強度に関す
るデータと該仮想降雨分布演算工程で生成する格子毎の
仮想降雨分布データとの両者の同一格子位置における降
雨強度に関するデータを代入する前記移流方程式に基づ
いて格子毎の補正移流ベクトルを推定する補正移流ベク
トル演算工程と、前記基本移流ベクトル演算工程で得ら
れる基本移流ベクトルと前記補正移流ベクトル演算工程
で得られる格子毎の補正移流ベクトルとを格子毎に合成
して得られる合成移流ベクトルを生成する合成移流ベク
トル演算工程とを含み、前記移流ベクトル推定工程が、
前記合成移流ベクトル演算工程で生成する合成移流ベク
トルを該移流ベクトル推定工程の推定するベクトルとす
ることを特徴とし、これらの工程により、基本移流ベク
トルの算出を簡略化して、算出に必要な演算量を減少さ
せ、予測処理の短時間化が可能となる。
に基づいて説明する。図1は本発明の第一の実施の形態
を示す図である。同図において、図10と同様の工程に
は同一の符号を付している。本実施例は、従来技術であ
る移流モデル法の移流ベクトル推定工程に、補正演算パ
ラメータ入力工程7と降雨分布補正工程8とが加わった
構成である。
ボード等の入力手段に入力される降雨分布補正工程8で
の補正演算のために必要なRmin 、β、γ1 、γ2 、指
定回数の5つのパラメータを取得する。これらのパラメ
ータについては後述する。
ータ入力工程7で取得したパラメータを用いて、時系列
降雨分布入力工程1で取得した時系列降雨分布データの
補正を行ない、その結果を移流モデルパラメータ演算工
程5に渡す。この補正の方法について更に述べる。
フローチャートである。同図に基づいて説明を進める。
まず、ステップS1では、時系列降雨分布入力工程1で
取得した時系列降雨分布データ(但し、ステップS9か
らの繰り返しの途中のときはその補正中の値)から、時
刻tk における降雨観測範囲の全格子の中での最大降雨
強度値Rmax を探索し、ステップS2へ進む。
域判定最小値Rmin との大小比較を行なう。ここで、β
は後述のステップS8で処理する補正演算において、降
雨地域を弱い降雨地域(以降弱降雨地域と呼ぶ)とそれ
よりも強い降雨のある地域(以降強降雨地域と呼ぶ)と
に区別するパラメータであり、0.0〜1.0の範囲の
値をとり得る。この比較の結果、β・Rmax の値がRmi
n 以上であるときはステップS3へ進み、それ以外のと
きはステップS4へ進む。
降雨地域とを区別する降雨強度の閾値)にβ・Rmax を
代入してステップS5へ進む。ステップS4では、Rc
をRmin としてステップS5へ進む。このステップS4
は降雨観測範囲において、βで決定される弱降雨地域は
存在しない場合のRcを設定している。
を行なう。ここで、R0ij とは観測格子(i,j)にお
ける降雨強度の補正値(この値をRijとする)の前回値
である。比較の結果、R0ij がRc以上の場合には、こ
の観測格子はβで決定される強降雨地域に含まれるとし
てステップS6へ進み、そうでない場合には、この観測
格子は弱降雨地域に含まれるとしてステップS7へ進
む。
テップS8へ進む。ここで、γはステップS8で処理す
る補正演算で使用するパラメータであり、0.0〜1.
0の範囲の値をとり得る。また、γ1 はステップS8で
処理する補正演算を観測値の測定誤差の平滑化を重視す
る場合に適するγの値である。すなわち、βで決定され
る強降雨地域に含まれる場合には、測定誤差の平滑化を
重視した補正演算を行なって、データの測定誤差に起因
する降雨予測の低下を改善するのである。
テップS8へ進む。ここで、γ2 はステップS8で処理
する補正演算を、降雨域の境界をそれに隣接する降雨の
ない格子点にまで拡大させて(このことを「降雨域の裾
の拡大」と呼ぶ)時系列降雨パターン間の重なりを増加
させることを重視する場合に適するγの値である。すな
わち、βで決定される弱降雨地域に含まれる場合には、
降雨域の裾の拡大を重視した補正演算を行なって、移流
ベクトル等の算出に必要なパラメータ推定の精度向上を
目指すのである。
定したγを使用して、以下の式に従って計算を行ない、
Rijを算出する。
(6)式においてn=5とすれば、R ijは格子(i,
j)における降雨強度補正値の前回値と、それ自身及び
その格子のx方向若しくはy方向に隣接する格子の降雨
強度補正値の前回値の平均値との、γに基づく重み付け
加算によって算出する。ここで、γの値が1.0に近づ
けばRijは隣接格子との平均値に近づき、逆にγの値が
0に近づけばRijは自身の前回値に近づく。
移流ベクトル等の算出に必要なパラメータ推定の精度を
更に向上させるために、前述のn=5に固定しない補正
を行なう。図4は本実施の形態におけるRijの算出法を
示すフローチャートである。同図を説明する。
降雨強度補正値の前回値の中で、ゼロでない値を有して
いるものの個数をnに代入して、ステップS082へ進
む。ステップS082では、nとゼロとを比較し、ゼロ
でなければステップS083へ進み、ゼロならばステッ
プS084へ進む。
で与えられたnの値と図2のフローチャートで決定され
たγとを前述の(6)式に代入してRijを算出して処理
を終了する。つまり、隣接格子の降雨強度補正値の前回
値の平均の算出に当たり、特に降雨域の裾の部分での降
雨強度補正値が小さな値となって、移流ベクトル等の算
出に必要なパラメータ推定の精度が低下することを改善
するために、降雨強度補正値の前回値がゼロであるもの
を平均値の算出から除外するようにするのである。
値で維持するようにして、Rij算出処理を終了する。こ
れは、(6)式において、n=0のときに発生するゼロ
の除算を防止している。
算出した後は、ステップS9へ進む。ステップS9で
は、ここまでに説明した一連の補正計算処理を前行程で
取得した指定回数だけ繰り返したかどうかを判断し、繰
り返しが完了していれば、この一連の処理を終了し、そ
うでなければステップS1へ戻って以降の処理を繰り返
す。
行ない、得られた降雨分布補正データを移流モデルパラ
メータ演算工程5に渡す。以降の工程は、図10に基づ
いて説明した従来法と同様である。
回数の5つのパラメータを変化させたときの本実施の形
態による予測結果と、実際の降雨分布の移動との比較に
より、最適なパラメータの組を決定する作業を行なって
おり、これらの値が、Rmin:2.0程度、β:0.2
程度、γ1 :0.8程度、γ2 :0.3程度、指定回
数:5回程度で良好な結果が得られている。但し、本発
明はこれらの値に限定されるものではない。
態に限定されず、例えば指数関数等を用いた関数近似に
より行なうことも可能である。図5は本発明の第二の実
施の形態を示す図である。同図において、図10と同一
の工程には同一の符号を付している。本実施例は、従来
技術である移流モデル法の移流ベクトル推定工程中の移
流モデルパラメータ演算工程5が修正移流モデルパラメ
ータ演算工程9に置き換わった構成である。図5につい
て説明する。
図10における移流モデルパラメータ演算工程5と同様
に、時系列降雨分布入力工程1で取得した時系列降雨分
布データを用いて移流方程式のパラメータを線形最小二
乗推定により算出するのであるが、移流モデルパラメー
タ演算工程5では、(3)式に示すように、x、y方向
に対しての空間差分は降雨分布の移動前のパターンのみ
を対象としている。それに対して、図5の修正移流モデ
ルパラメータ演算工程9では、次式に示すように、移動
後の降雨パターンに対する空間差分を加味しているのが
大きな特徴である。
そして、添字k+1が移動後、すなわち最新の降雨強度
を表している。つまり、x、y方向に対しての空間差分
として、移動前の降雨パターンに対する空間差分と移動
後の降雨パターンに対する空間差分との平均値を採用す
る。こうすることで、降雨パターンの急激な変化に対す
る予測精度を向上することができる。
来法と同様である。ここで、(7)式にさらに過去の時
系列降雨分布データを加味して移流モデルパラメータを
求めても良い。また、図5において、時系列降雨分布入
力工程1と修正移流モデルパラメータ演算工程9との間
に、本発明の第一の実施の形態で説明した降雨分布の補
正を行なう工程(図1の補正演算パラメータ入力工程7
及び降雨分布補正工程8)を挿入する構成をとることも
可能である。
である。同図において、図10と同一の工程には同一の
符号を付している。本実施例では、基本移流ベクトル演
算工程10、仮想降雨分布演算工程11、補正移流ベク
トル演算工程12、そして合成移流ベクトル演算工程1
3で前述の移流ベクトル推定工程を構成する。図6につ
いて説明する。
ず、異なる2つの時刻の時系列降雨分布(以降、時刻の
早い方を移動前降雨分布、遅い方を移動後降雨分布と呼
び、両者の時間間隔をΔta とする)において、降雨強
度で重み付けをしたときの降雨分布の重心をそれぞれの
降雨分布を代表する点とし、この重心の位置の違いをも
ってΔta の間の降雨分布の基本移流ベクトルとする。
すなわち、 X=移動後降雨分布重心のx座標値−移動前降雨分布重
心のx座標値 Y=移動後降雨分布重心のy座標値−移動前降雨分布重
心のy座標値 から基本移流ベクトルV0 を次式によって求める。 V0 =(X/Δta ,Y/Δta ) (8) ここで、次工程での演算の簡単化のために、X、Yの値
を観測格子間隔ΔX、ΔYを基準単位とした最も近い整
数値に丸め込むと便利である。この場合の基本移流ベク
トルV0 は次式で表される。 V0 =(Xm ・ΔX/Δta ,Ym ・ΔY/Δta ) (9) 但し、 Xm =(X+0.5ΔX)/ΔX 小数点以下切り捨て Ym =(Y+0.5ΔY)/ΔY 小数点以下切り捨て とする。
の形態に限定するものではなく、例えば、従来技術で説
明した雨域追跡法及びそれに類する方法で採用されてい
る移動ベクトルを求める種々の方法が使用できる。
得られた基本移流ベクトルに従って移動前降雨分布のデ
ータの移動演算処理を行なう。前工程でXm 、Ym を算
出しているのであれば、移動演算は、降雨分布データを
x方向にXm 格子分、y方向にYm 格子分移動させるだ
けの極めて容易な演算とすることができる。移動演算に
より得られたこの降雨分布を仮想降雨分布と呼ぶことと
する。
程で得られた仮想降雨分布と移動後降雨分布とに対し、
(7)式を適用して移動後の降雨パターンに対する空間
差分を加味した移流方程式のパラメータの算出を行な
い、これを基にして各格子毎の移流ベクトルを求める。
このベクトルを補正移流ベクトルと呼び、ΔVijと表
す。
基本移流ベクトルV0と補正移流ベクトルΔVijとをベ
クトル加算して合成移流ベクトルVijを算出する。V0
を(9)式で表す場合には、(9)式及び(10)式よ
り、Vijを次式で求める。 Vij=(ui ,vj ) =(Xm ・ΔX/Δta +Δui ,Ym ・ΔY/Δta +Δvj )(11) 降雨移動予測工程3及び出力工程4は図10を用いて説
明した従来の技術と同様である。
クトルの算出時に、過去の時系列降雨分布データを複数
用いて移流モデルパラメータを求めても良い。また、図
6において、時系列降雨分布入力工程1と基本移流ベク
トル演算工程10との間に、本発明の第一の実施の形態
で説明した降雨分布の補正を行なう工程(図1の補正演
算パラメータ入力工程7及び降雨分布補正工程8)を挿
入する構成をとることも可能である。
である。同図において、図6と同一の工程には同一の符
号を付している。本実施の形態は、第三の実施の形態に
おける基本移流ベクトルを求める別の方法として、過去
の雨域内の各格子の移流ベクトルの平均を基本移流ベク
トルとするものであり、基本移流ベクトル算出の簡略化
によって演算量を減少させ、予測処理の短時間化を可能
とするものである。また、本実施例では、基本移流ベク
トル演算工程10、仮想降雨分布演算工程11、補正移
流ベクトル演算工程12、合成移流ベクトル演算工程1
3に加え、パラメータ入力工程14並びに実績単位時間
移流ベクトル記憶工程15で前述の移流ベクトル推定工
程を構成する。以下、図8に従って、本実施の形態を説
明する。
績単位時間移流ベクトル記憶工程15及び基本移流ベク
トル演算工程10での処理に必要なパラメータを、キー
ボードなどの入力手段から取得する。パラメータの内容
は後に説明する。
は、合成移流ベクトル演算工程13で算出した各格子の
移流ベクトルのx、y成分ごとの平均値を算出し、その
値を成分とする実績単位時間移流ベクトルV1 =
(u1 ,v1 )(l=k+1、k、…)として逐次記憶
する。このベクトル算出の際の平均値の計算量の減少を
優先させるために、例えば、パラメータ入力工程14で
取得する格子選択のためのパラメータに従うなどして、
計算に使用する格子を限定することも可能である。
移流ベクトルを求める点においては図7に示すものと同
様であるが、ここでは、実績単位時間移流ベクトル記憶
工程15で記憶した、過去の実績単位時間移流ベクトル
V1 を取り出して、それらのベクトルのx、y成分ごと
の平均値を算出し、その値を成分とするベクトルを基本
移流ベクトルV0 とする。実績単位時間移流ベクトルV
1 をいつの過去にまで遡って平均値算出の対象とするか
は、なるべく多くのデータを使用するほうが一般的には
望ましいが、計算量や記憶容量との兼ね合いもあるの
で、ここでは、パラメータ入力工程14でmなるパラメ
ータを取得し、最新の値からm回前の値までを平均値算
出の対象とすることとする。
る。
同様に、次工程での演算の簡単化のために、格子間隔Δ
X、ΔYを基準単位とした整数値への丸め込みを行なっ
ておくと便利である。すなわち、降雨分布の観測時間間
隔をΔtとして、基本移流ベクトルV0 を次式により求
める。 V0 =(Xm ・ΔX/Δt,Ym ・ΔY/Δt) (13) 但し、
る。以上説明したようにして得られた基本移流ベクトル
は、後の工程である仮想降雨分布演算工程11及び合成
移流ベクトル演算工程13で使用される。これらの工程
は第三の実施の形態で説明したものと同一である。
時に実績移流ベクトルの初期値が必要となる。このベク
トルの初期値は例えばパラメータ入力工程14で取得す
る。この初期値は任意でよいが、そのため、実際の降雨
予測に本実施の形態を使用する際には、基本移流ベクト
ルが安定するまでのしばらくの間、試運転を行なうこと
が望ましい。
工程1と仮想降雨分布演算工程11との間に、本発明の
第一の実施の形態で説明した降雨分布の補正を行なう工
程(図1の補正演算パラメータ入力工程7及び降雨分布
補正工程8)を挿入する構成をとることも可能である。
モデルとして移流方程式を適用したが、大気の乱流拡散
を考慮して移流方程式を拡張した移流拡散方程式
係数を本発明の各実施の形態に適用することも可能であ
る。また、本発明の各実施の形態は、その各工程をコン
ピュータに行なわせるためのプログラムを記録したコン
ピュータ読み取り可能な記録媒体として構成することも
可能である。このような記録媒体としては、図11に示
すように、例えば、CD−ROMディスクや、フロッピ
ーディスク、更には図示しないがMOディスク、DVD
−ROMディスクあるいはリムーバブルディスク等の可
搬記録媒体22や、コンピュータ21からネットワーク
回線25を介して接続されるプログラムサーバ23の記
憶装置24や、あるいはコンピュータ21自身が有する
記憶装置26(RAMやハードディスクなど)が含まれ
る。更に、プログラムを記録したROMをコンピュータ
21に取り付けて直接読ませる構成をとることも可能で
あり、これも記録媒体に含まれる。
成されているので、従来の予測方法では予測精度が低下
してしまうような雨域移動の発生している状況下におい
ても、降雨観測領域の各格子毎の移流ベクトルを精度良
く算出することが可能となり、その結果、降雨予測の精
度向上の効果が得られる。
ートである。
すフローチャートである。
である。
る図である。
示す図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 雨量観測手段によって降雨観測領域を観
測して得られ、該降雨観測領域を格子状に分割したとき
の時系列で連続する該格子毎の降雨強度に関するデータ
を取得する時系列降雨分布入力工程と、 格子毎の位置並びに降雨強度に関するデータから移流方
程式に基づいて格子毎の移流ベクトルを推定する移流ベ
クトル推定工程と、 前記時系列降雨分布入力工程で取得する格子毎の降雨強
度に関するデータを前記移流ベクトル推定工程で推定す
る格子毎の移流ベクトルに基づいて移動して得られる降
雨分布移動予測データの生成を行なう降雨移動予測工程
と、を含むコンピュータによる降雨予測方法において、 前記時系列降雨分布入力工程で取得する格子毎の降雨強
度に関するデータを降雨強度によって分類し、予め設定
する強降雨地域に該格子が含まれるときには主に降雨強
度の観測値の測定誤差を平滑化する補正を行ない、予め
設定する弱降雨地域に該格子が含まれるときには主に降
雨域の裾を拡大する補正を行なう降雨分布補正工程を更
に含み、 前記移流ベクトル推定工程は、前記降雨分布補正工程に
よって補正された格子毎の降雨強度に関するデータから
格子毎の移流ベクトルを推定することを特徴とするコン
ピュータによる降雨予測方法。 - 【請求項2】 前記降雨分布補正工程は、前記時系列降
雨分布入力工程で取得する格子毎の降雨強度に関するデ
ータを、該格子及び該格子に隣接する格子においてゼロ
でない降雨強度を有するものの降雨強度の平均値に基づ
いて補正することを特徴とする請求項1に記載のコンピ
ュータによる降雨予測方法。 - 【請求項3】 雨量観測手段によって降雨観測領域を観
測して得られ、該降雨観測領域を格子状に分割したとき
の時系列で連続する該格子毎の降雨強度に関するデータ
を取得する時系列降雨分布入力工程と、 格子毎の位置並びに降雨強度に関するデータから移流方
程式に基づいて格子毎の移流ベクトルを推定する移流ベ
クトル推定工程と、 前記時系列降雨分布入力工程で取得する格子毎の降雨強
度に関するデータを前記移流ベクトル推定工程で推定す
る格子毎の移流ベクトルに基づいて移動して得られる降
雨分布移動予測データの生成を行なう降雨移動予測工程
と、を含むコンピュータによる降雨予測方法において、 前記移流ベクトル推定工程は、最新時刻の降雨強度を含
む2以上の観測時刻における同一格子位置の降雨強度に
基づいて格子毎の移流ベクトルを推定することを特徴と
するコンピュータによる降雨予測方法。 - 【請求項4】 前記移流ベクトル推定工程は、最新時刻
の降雨強度を含む2以上の観測時刻における同一格子位
置の降雨強度の空間差分値の平均値を格子毎の降雨強度
の空間差分値とし、該空間差分値を偏微分項を差分化し
た移流方程式に代入し、該移流方程式に基づいて格子毎
の移流ベクトルを推定することを特徴とする請求項3に
記載のコンピュータによる降雨予測方法。 - 【請求項5】 前記時系列降雨分布入力工程で取得する
格子毎の降雨強度に関するデータを降雨強度によって分
類し、予め設定する強降雨地域に該格子が含まれるとき
には主に降雨強度の観測値の測定誤差を平滑化する補正
を行ない、予め設定する弱降雨地域に該格子が含まれる
ときには主に降雨域の裾を拡大する補正を行なう降雨分
布補正工程を更に含み、 前記移流ベクトル推定工程は、前記降雨分布補正工程に
よって補正された格子毎の降雨強度に関するデータから
格子毎の移流ベクトルを推定することを特徴とする請求
項3又は4に記載のコンピュータによる降雨予測方法。 - 【請求項6】 雨量観測手段によって降雨観測領域を観
測して得られ、該降雨観測領域を格子状に分割したとき
の時系列で連続する該格子毎の降雨強度に関するデータ
を取得する時系列降雨分布入力工程と、 格子毎の位置並びに降雨強度に関するデータから移流方
程式に基づいて格子毎のベクトルを推定する移流ベクト
ル推定工程と、 前記時系列降雨分布入力工程で取得する格子毎の降雨強
度に関するデータを前記移流ベクトル推定工程で推定す
る格子毎のベクトルに基づいて移動して得られる降雨分
布移動予測データの生成を行なう降雨移動予測工程と、
を含むコンピュータによる降雨予測方法において、 前記移流ベクトル推定工程は、 異なる2時刻の格子毎の降雨強度に関するデータを入力
し、該時刻間における雨域の移動を代表して示す基本移
流ベクトルを得る基本移流ベクトル演算工程と、 前記基本移流ベクトル演算工程で使用するデータの中で
移動前の格子毎の降雨強度に関するデータを該基本移流
ベクトル演算工程で得られた基本移流ベクトルに基づい
て移動して得られる格子毎の仮想降雨分布データの生成
を行なう仮想降雨分布演算工程と、 前記基本移流ベクトル演算工程で使用する移動後の格子
毎の降雨強度に関するデータと前記仮想降雨分布演算工
程で生成する格子毎の仮想降雨分布データとの両者の同
一格子位置における降雨強度に関するデータを代入する
前記移流方程式に基づいて格子毎の補正移流ベクトルを
推定する補正移流ベクトル演算工程と、 基本移流ベクトル演算工程で得られる基本移流ベクトル
と前記補正移流ベクトル演算工程で得られる格子毎の補
正移流ベクトルとを格子毎に合成して得られる合成移流
ベクトルを生成する合成移流ベクトル演算工程と、を含
み、 前記移流ベクトル推定工程は、前記合成移流ベクトル演
算工程で生成する合成移流ベクトルを該移流ベクトル推
定工程の推定するベクトルとすることを特徴とするコン
ピュータによる降雨予測方法。 - 【請求項7】 前記時系列降雨分布入力工程で取得する
格子毎の降雨強度に関するデータを降雨強度によって分
類し、予め設定する強降雨地域に該格子が含まれるとき
には主に降雨強度の観測値の測定誤差を平滑化する補正
を行ない、予め設定する弱降雨地域に該格子が含まれる
ときには主に降雨域の裾を拡大する補正を行なう降雨分
布補正工程を更に含み、 前記移流ベクトル推定工程は、前記降雨分布補正工程に
よって補正される格子毎の降雨強度に関するデータを前
記基本移流ベクトル演算工程に入力して格子毎の移流ベ
クトルを推定することを特徴とする請求項6に記載のコ
ンピュータによる降雨予測方法。 - 【請求項8】 雨量観測手段によって降雨観測領域を観
測して得られ、該降雨観測領域を格子状に分割したとき
の時系列で連続する該格子毎の降雨強度に関するデータ
を取得する時系列降雨分布入力工程と、 格子毎の位置並びに降雨強度に関するデータから移流方
程式に基づいて格子毎のベクトルを推定する移流ベクト
ル推定工程と、 前記時系列降雨分布入力工程で取得する格子毎の降雨強
度に関するデータを前記移流ベクトル推定工程で推定す
る格子毎のベクトルに基づいて移動して得られる降雨分
布移動予測データの生成を行なう降雨移動予測工程と、
を含むコンピュータによる降雨予測方法において、 前記移流ベクトル推定工程は、 該移流ベクトル推定工程の推定する格子毎のベクトルを
代表する実績単位時間移流ベクトルを逐次記憶する実績
単位時間移流ベクトル記憶工程と、 前記実績単位時間移流ベクトル記憶工程で逐次記憶する
実績単位時間移流ベクトルを代表する基本移流ベクトル
を得る基本移流ベクトル演算工程と、 格子毎の降雨強度に関するデータを該基本移流ベクトル
演算工程で得られる基本移流ベクトルに基づいて移動し
て得られる格子毎の仮想降雨分布データの生成を行なう
仮想降雨分布演算工程と、 前記仮想降雨分布演算工程で使用した格子毎の降雨強度
に関するデータと該仮想降雨分布演算工程で生成する格
子毎の仮想降雨分布データとの両者の同一格子位置にお
ける降雨強度に関するデータを代入する前記移流方程式
に基づいて格子毎の補正移流ベクトルを推定する補正移
流ベクトル演算工程と、 前記基本移流ベクトル演算工程で得られる基本移流ベク
トルと前記補正移流ベクトル演算工程で得られる格子毎
の補正移流ベクトルとを格子毎に合成して得られる合成
移流ベクトルを生成する合成移流ベクトル演算工程と、
を含み、 前記移流ベクトル推定工程は、前記合成移流ベクトル演
算工程で生成する合成移流ベクトルを該移流ベクトル推
定工程の推定するベクトルとすることを特徴とするコン
ピュータによる降雨予測方法。 - 【請求項9】 前記時系列降雨分布入力工程で取得する
格子毎の降雨強度に関するデータを降雨強度によって分
類し、予め設定する強降雨地域に該格子が含まれるとき
には主に降雨強度の観測値の測定誤差を平滑化する補正
を行ない、予め設定する弱降雨地域に該格子が含まれる
ときには主に降雨域の裾を拡大する補正を行なう降雨分
布補正工程を更に含み、 前記移流ベクトル推定工程は、前記降雨分布補正工程に
よって補正される格子毎の降雨強度に関するデータを前
記仮想降雨分布演算工程に入力して格子毎の移流ベクト
ルを推定することを特徴とする請求項8に記載のコンピ
ュータによる降雨予測方法。 - 【請求項10】 雨量観測手段によって降雨観測領域を
観測して得られ、該降雨観測領域を格子状に分割したと
きの時系列で連続する該格子毎の降雨強度に関するデー
タを取得させる時系列降雨分布入力手順と、 格子毎の位置並びに降雨強度に関するデータから移流方
程式に基づいて格子毎の移流ベクトルを推定させる移流
ベクトル推定手順と、 前記時系列降雨分布入力手順で取得させる格子毎の降雨
強度に関するデータを前記移流ベクトル推定手順で推定
させる格子毎の移流ベクトルに基づいて移動して得られ
る降雨分布移動予測データの生成を行なわせる降雨移動
予測手順と、をコンピュータに実行させるプログラムを
記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体におい
て、 前記時系列降雨分布入力手順で取得させる格子毎の降雨
強度に関するデータを降雨強度によって分類させ、予め
設定する強降雨地域に該格子が含まれるときには主に降
雨強度の観測値の測定誤差を平滑化する補正を行なわ
せ、予め設定する弱降雨地域に該格子が含まれるときに
は主に降雨域の裾を拡大する補正を行なわせる降雨分布
補正手順をコンピュータに実行させるプログラムを更に
記録し、 前記移流ベクトル推定手順は、前記降雨分布補正手順に
よって補正させた格子毎の降雨強度に関するデータから
格子毎の移流ベクトルを推定させる手順であることを特
徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 【請求項11】 雨量観測手段によって降雨観測領域を
観測して得られ、該降雨観測領域を格子状に分割したと
きの時系列で連続する該格子毎の降雨強度に関するデー
タを取得させる時系列降雨分布入力手順と、 格子毎の位置並びに降雨強度に関するデータから移流方
程式に基づいて格子毎の移流ベクトルを推定させる移流
ベクトル推定手順と、 前記時系列降雨分布入力手順で取得させる格子毎の降雨
強度に関するデータを前記移流ベクトル推定手順で推定
させる格子毎の移流ベクトルに基づいて移動して得られ
る降雨分布移動予測データの生成を行なわせる降雨移動
予測手順と、をコンピュータに実行させるプログラムを
記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体におい
て、 前記移流ベクトル推定手順は、最新時刻の降雨強度を含
む2以上の観測時刻における同一格子位置の降雨強度に
基づいて格子毎の移流ベクトルを推定させることを特徴
とするコンピュータによる読み取り可能な記録媒体。 - 【請求項12】 雨量観測手段によって降雨観測領域を
観測して得られ、該降雨観測領域を格子状に分割したと
きの時系列で連続する該格子毎の降雨強度に関するデー
タを取得させる時系列降雨分布入力手順と、 格子毎の位置並びに降雨強度に関するデータから移流方
程式に基づいて格子毎のベクトルを推定させる移流ベク
トル推定手順と、 前記時系列降雨分布入力手順で取得させる格子毎の降雨
強度に関するデータを前記移流ベクトル推定手順で推定
させる格子毎のベクトルに基づいて移動して得られる降
雨分布移動予測データの生成を行なわせる降雨移動予測
手順と、をコンピュータに実行させるプログラムを記録
したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、 前記移流ベクトル推定手順は、 異なる2時刻の格子毎の降雨強度に関するデータを入力
させ、該時刻間における雨域の移動を代表して示す基本
移流ベクトルを求めさせる基本移流ベクトル演算手順
と、 前記基本移流ベクトル演算手順で使用させるデータの中
で移動前の格子毎の降雨強度に関するデータを該基本移
流ベクトル演算手順で求めさせる基本移流ベクトルに基
づいて移動して得られる格子毎の仮想降雨分布データの
生成を行なわせる仮想降雨分布演算手順と、 前記基本移流ベクトル演算手順で使用させる移動後の格
子毎の降雨強度に関するデータと前記仮想降雨分布演算
手順で生成させる格子毎の仮想降雨分布データとの両者
の同一格子位置における降雨強度に関するデータを代入
する前記移流方程式に基づいて格子毎の補正移流ベクト
ルを推定させる補正移流ベクトル演算手順と、 前記基本移流ベクトル演算手順で求めさせる基本移流ベ
クトルと前記補正移流ベクトル演算手順で求めさせる格
子毎の補正移流ベクトルとを格子毎に合成して得られる
合成移流ベクトルを生成させる合成移流ベクトル演算手
順と、を含み、 前記移流ベクトル推定手順は、前記合成移流ベクトル演
算手順で生成させる合成移流ベクトルを該移流ベクトル
推定手順で推定させるベクトルとする手順であることを
特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 【請求項13】 雨量観測手段によって降雨観測領域を
観測して得られ、該降雨観測領域を格子状に分割したと
きの時系列で連続する該格子毎の降雨強度に関するデー
タを取得させる時系列降雨分布入力手順と、 格子毎の位置並びに降雨強度に関するデータから移流方
程式に基づいて格子毎のベクトルを推定させる移流ベク
トル推定手順と、 前記時系列降雨分布入力手順で取得させる格子毎の降雨
強度に関するデータを前記移流ベクトル推定手順で推定
させる格子毎のベクトルに基づいて移動して得られる降
雨分布移動予測データの生成を行なわせる降雨移動予測
手順と、をコンピュータに実行させるプログラムを記録
したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、 前記移流ベクトル推定手順は、 該移流ベクトル推定手順で推定させる格子毎のベクトル
を代表する実績単位時間移流ベクトルを逐次記憶させる
実績単位時間移流ベクトル記憶手順と、 前記実績単位時間移流ベクトル記憶手順で逐次記憶させ
る実績単位時間移流ベクトルを代表する基本移流ベクト
ルを求めさせる基本移流ベクトル演算手順と、 格子毎の降雨強度に関するデータを該基本移流ベクトル
演算手順で求めさせる基本移流ベクトルに基づいて移動
して得られる格子毎の仮想降雨分布データの生成を行な
わせる仮想降雨分布演算手順と、 前記仮想降雨分布演算手順で使用する格子毎の降雨強度
に関するデータと該仮想降雨分布演算手順で生成させる
格子毎の仮想降雨分布データとの両者の同一格子位置に
おける降雨強度に関するデータを代入する前記移流方程
式に基づいて格子毎の補正移流ベクトルを推定させる補
正移流ベクトル演算手順と、 前記基本移流ベクトル演算手順で求めさせる基本移流ベ
クトルと前記補正移流ベクトル演算手順で求めさせる格
子毎の補正移流ベクトルとを格子毎に合成して得られる
合成移流ベクトルを生成させる合成移流ベクトル演算手
順と、を含み、 前記移流ベクトル推定手順は、前記合成移流ベクトル演
算手順で生成させる合成移流ベクトルを該移流ベクトル
推定手順で推定させるベクトルとする手順であることを
特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26567997A JP3727762B2 (ja) | 1997-09-30 | 1997-09-30 | コンピュータによる降雨予測方法及び降雨予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26567997A JP3727762B2 (ja) | 1997-09-30 | 1997-09-30 | コンピュータによる降雨予測方法及び降雨予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11109048A true JPH11109048A (ja) | 1999-04-23 |
JP3727762B2 JP3727762B2 (ja) | 2005-12-14 |
Family
ID=17420505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP26567997A Expired - Lifetime JP3727762B2 (ja) | 1997-09-30 | 1997-09-30 | コンピュータによる降雨予測方法及び降雨予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113344290A (zh) * | 2021-06-28 | 2021-09-03 | 福建师范大学 | 基于U-Net网络的次季节降雨气象预报订正方法 |
JP2021148753A (ja) * | 2020-03-24 | 2021-09-27 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 | 降水予測装置及び降水予測方法 |
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---|---|---|---|---|
IN2014DN05828A (ja) | 2012-02-20 | 2015-05-15 | Toshiba Kk |
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1997
- 1997-09-30 JP JP26567997A patent/JP3727762B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN113344290A (zh) * | 2021-06-28 | 2021-09-03 | 福建师范大学 | 基于U-Net网络的次季节降雨气象预报订正方法 |
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