JPH11107811A - NOx触媒の制御方法 - Google Patents

NOx触媒の制御方法

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JPH11107811A
JPH11107811A JP9270824A JP27082497A JPH11107811A JP H11107811 A JPH11107811 A JP H11107811A JP 9270824 A JP9270824 A JP 9270824A JP 27082497 A JP27082497 A JP 27082497A JP H11107811 A JPH11107811 A JP H11107811A
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博史 紀村
Minoru Osuga
大須賀  稔
Nobuo Kurihara
伸夫 栗原
Toshiji Nogi
利治 野木
Takuya Shiraishi
拓也 白石
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Abstract

(57)【要約】 【課題】NOx触媒の浄化率の回復における空燃比の切
り替えに際し、触媒温度を考慮して切り替えることによ
り、前記回復のための切り替えに伴う浄化効率の悪化を
防止する。 【解決手段】前記課題を達成するため、運転状態(エン
ジン回転数,燃料噴射量など)から触媒温度を推定す
る。推定した触媒温度は、A/F,燃料噴射および点火
時期により補正し、推定精度を向上する。この補正され
た推定温度とリッチ切り替え時に必要な温度を比較し、
リッチに切り替えるか否かを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、NOx触媒を用い
た排気浄化システムの制御方法に関し、特に排気浄化効
率の劣化防止に関する。
【0002】
【従来の技術】NOx触媒は、リーン状態でSOxを吸
着しストイキで還元する。そのため、リーンとストイキ
を切り替える制御をするが、還元しきれないSOxが徐
々に触媒内に蓄積される。この蓄積により触媒の浄化効
率が低下するので、一時的にリッチに切り替えて浄化率
を回復させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来は、リッチへの切
り替えは触媒の温度に関係なく行っていた。しかし、リ
ッチに切り替えたときに触媒の温度が低いと、排気が上
記浄化率低下分よりも悪化してしまう。
【0004】本発明は、このような従来技術の問題点を
解決するためになされたもので、その目的は、触媒の温
度を運転条件から推定して、所定温度よりも高くなるま
でリッチに切り替えない方法による浄化効率の悪化防止
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するた
め、運転状態(エンジン回転数,燃料噴射量)から触媒
温度を推定する。推定した触媒温度は、A/F,燃料噴
射および点火時期により補正し、推定精度を向上する。
この補正された推定温度とリッチ切り替え時に必要な温
度を比較し、リッチに切り替えるか否かを判定する。
【0006】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の装置構成を示
す。NOx触媒を用いて排気を浄化システムにおいて、
触媒温度推定演算11は、エンジン回転数Ne,空気流
量Qaおよび燃料噴射量Tpにより触媒の温度を推定す
る。推定温度補正演算12は、空燃比A/F、および燃
料噴射タイミングTiにより11で演算した温度を補正
する。
【0007】12で推定した温度に基づき、燃料噴射演
算13は、触媒の浄化効率低下時のリッチ切り替え制御
を行うかを判定して噴射量,噴射時期を演算して燃料噴
射器を制御する。
【0008】図2にNOx触媒の浄化率変化を示す。N
Ox触媒は、リーン時に吸着してストイキ時に還元する
性質があるため、リーンとストイキを切り替えながら運
転している。しかし、この状態を続けると、吸着分が完
全には還元されないために徐々に蓄積して、浄化効率が
低下してしまう。そのために、浄化効率が低下したら、
燃料噴射量を増やしてリッチに切り替え、浄化効率を回
復させる制御方式が行われている。しかし、リッチに切
り替えるときに触媒の温度が所定値に達していない場合
には、排気が大きく悪化してしまう。そのため、触媒温
度を求めて、触媒の温度が所定値に達していない場合に
はリッチに切り替えない制御にする必要がある。
【0009】図3に触媒温度推定ブロックを示す。通常
の車種では触媒の温度センサがないため、触媒の温度は
運転状態から推定する必要がある。この推定方法は、定
常特性として触媒温度データを燃料噴射量Tpとエンジ
ン回転数Neのマップ32として持ち、過渡特性とし
て、気化潜熱特性31,伝熱遅れ特性33,触媒反応熱
特性35,補正用に車速補正係数36のブロックを組み
合わせて、触媒の温度Texを求めるものである。この
温度推定方式は、すでに日立から出願されている。
【0010】図4に空燃比A/Fを切り替えた場合の触
媒温度に対する影響を示す。A/Fが大きくなると、触
媒の温度は低下する。41に示すリーンでの運転条件
(Ne,Tp)の場合、同じ運転条件でリッチにすると
触媒温度は高くなる42。触媒温度の推定値は、A/F
により補正する必要がある、また、リッチ化により、エ
ンジンの噴射や点火の時期を変更するために触媒温度が
変化する43。図5に噴射タイミングと触媒温度の関係
を示す。リーンやストイキでの噴射タイミングは、吸気
行程で行われる51。しかし、リッチでは遅くなり、後
燃えにより触媒温度が若干変化する52。このように、
温度推定精度を向上するためには、噴射タイミングによ
る触媒の推定温度の補正が必要となる。
【0011】図6に空燃比切り替えフローチャートを示
す。推定触媒温度補正で空燃比影響のみを考慮して補正
する場合について示す。NOx触媒の浄化率を検出また
は推定61し、浄化率が所定値よりも小さいか判定する
62。大きい場合には、浄化率があまり低下していない
のでリッチにする必要がない。小さい場合には、触媒の
浄化効率が低下しているため、まず図3に示したブロッ
クを用いて触媒温度を推定する63。図3に示したブロ
ックは、空燃比を考慮していないため、実際の触媒の温
度を求めるためには空燃比を求めて64推定温度を補正
する65。次に、同じ運転条件でリッチにした場合の温
度を推定し66、この温度が所定値よりも大きいか判定
する67。小さい場合には、触媒温度が低いのでリッチ
には切り替えない。大きい場合には、触媒温度が充分に
高く、リッチに切り替えても排気悪化はないために、リ
ッチに切り替えて68触媒の浄化効率を回復する。
【0012】図7に空燃比切り替えフローチャートを示
す。推定触媒温度補正で空燃比影響と噴射タイミングに
よる影響の両者を考慮して補正する場合について示す。
NOx触媒の浄化率を検出または推定71し、浄化率が所
定値よりも小さいか判定する72。大きい場合には、浄
化率があまり低下していないのでリッチにする必要がな
い。小さい場合には、触媒の浄化効率が低下しているた
め、まず図3に示したブロックを用いて触媒温度を推定
する73。図3に示したブロックは、空燃比を考慮して
いないため、実際の触媒の温度を求めるためには空燃比
を求めて74推定温度を補正する75。次に、同じ運転
条件でリッチにした場合の温度を推定する76。さら
に、噴射,点火タイミングにより推定温度を補正する7
7。推定温度がこの温度が所定値よりも大きいか判定す
る78。小さい場合には、触媒温度が低いのでリッチに
は切り替えない。大きい場合には、触媒温度が充分に高
く、リッチに切り替えても排気悪化はないために、リッ
チに切り替えて79触媒の浄化効率を回復する。
【0013】図8に、現在の運転条件のみから触媒の温
度を推定する方式での不具合を示す。例えば、走行後に
アイドルで長時間放置するような場合には、触媒温度が
徐々に低下する。このように触媒温度が低下すると、排
気管内に水分が徐々に蓄積されてしまう。長期間アイド
ル放置の後、運転を再開すると、まず、残留する水分を
蒸発させる必要があるため、水分が完全に蒸発するまで
は触媒の温度は上昇しない。この遅れのために、運転条
件のみで触媒温度を推定し、この推定値に基づきリッチ
化する方式では、触媒の温度が充分に上昇する前にリッ
チ化制御をする可能性がある。触媒温度を誤推定しない
ためには、図3に示した温度推定ブロックのように、気
化潜熱特性を含む過渡特性も含めての温度推定が必要と
なる。
【0014】図9にリッチ化制御をする場合のリッチ化
時間Trとリッチ時の空燃比へFrを示す。触媒の温度
が高いと触媒の再生が速く、低いと遅いと考えられる。
よって、触媒温度が比較的高い場合には、TrとAFr
を小さくし、低い場合にはTrとAFrを大きくすれば
よい。このほかに、TrとAFrに影響を及ぼず要素と
して、エンジン回転数や空気流量が考えられる。図10
に触媒温度とTr,AFrの関係の例を示す。触媒温度
が高い場合にはTrとAFrは小さく、低い場合にはT
rとAFrは大きい。
【0015】図11にリッチ化制御のパラメータである
TrとAFrによる制御のフローチャートを示す。ま
ず、触媒の温度を推定し101、この温度からリッチ化
時間Trを計算する102。次に、リッチでの空燃比A
Frを計算し103、計算したTr,AFrに基づきリ
ッチ化制御104する。
【0016】
【発明の効果】NOx触媒を用いた排気浄化システムに
おいて、触媒温度を推定することにより、排気を悪化さ
せずに浄化効率を維持する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置構成の概要。
【図2】NOx触媒の浄化率変化。
【図3】触媒温度推定ブロック。
【図4】空燃比切り替えフローチャート。
【図5】リッチ化による触媒温度への影響。
【図6】燃料噴射タイミングの触媒温度への影響。
【図7】空燃比切り替えフローチャート。
【図8】触媒温度の誤推定による排気悪化。
【図9】リッチ化制御における触媒温度のリッチ化時間
Trとリッチ時空燃比AFrへの影響。
【図10】触媒温度とリッチ化時間Tr,リッチ時空燃
比AFrの関係。
【図11】リッチ化制御のフローチャート。
【符号の説明】
11…触媒温度推定演算、12…推定温度補正演算、1
3…燃料噴射演算、14…空燃比センサ、15…空気流
量センサ、16…燃料噴射器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野木 利治 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 白石 拓也 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排気ガスの浄化にNOx触媒を用いた排気
    浄化システムであって、燃料噴射量を変更できる手段を
    備えたエンジンにおいて、触媒の浄化効率が悪化すると
    一時的にリッチにして浄化効率を回復することを特徴と
    するNOx触媒制御方法。
  2. 【請求項2】上記請求項1におけるNOx触媒制御にお
    いて、NOx触媒の温度を推定して、所定温度より低い
    場合にはリッチ制御をしないことを特徴とするNOx触
    媒制御方法。
  3. 【請求項3】上記請求項2におけるNOx触媒制御にお
    いて、NOx触媒の温度推定値を、空燃比により補正す
    ることを特徴とするNOx触媒制御方法。
  4. 【請求項4】上記請求項2におけるNOx触媒制御にお
    いて、NOx触媒の温度推定値を、空燃比および燃料の
    噴射時期により補正することを特徴とするNOx触媒制
    御方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6763657B2 (en) 2001-09-19 2004-07-20 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Exhaust gas purifying method of internal combustion engine
US7146800B2 (en) 2003-06-17 2006-12-12 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust purification device and exhaust purification method of internal combustion engine
JP2012021490A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Nissan Motor Co Ltd アイドルストップ車両の触媒温度推定装置
CN104727915A (zh) * 2013-12-20 2015-06-24 福特环球技术公司 诊断scr催化剂的方法

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JP2012021490A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Nissan Motor Co Ltd アイドルストップ車両の触媒温度推定装置
CN104727915A (zh) * 2013-12-20 2015-06-24 福特环球技术公司 诊断scr催化剂的方法

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