JPH1110696A

JPH1110696A - 射出成型機における計量方法

Info

Publication number: JPH1110696A
Application number: JP17180197A
Authority: JP
Inventors: Shinichi Tazawa; 澤進一田
Original assignee: Toshiba Machine Co Ltd
Current assignee: Shibaura Machine Co Ltd
Priority date: 1997-06-27
Filing date: 1997-06-27
Publication date: 1999-01-19

Abstract

(57)【要約】【課題】樹脂の圧力により後退するプランジャに変動
的な背圧力を加えるようにすることにより、計量工程で
の省エネルギを図るとともに混練性を向上させる。【解決手段】プランジャに付与する背圧力の上昇と減
少を繰り返しながらプランジャを後退させ、プランジャ
が所定の計量位置まで後退した時に、計量動作を終了す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、射出成型機におけ
る計量方法に関し、特に、成形材料を計量する工程での
背圧制御の改良に係る射出成型機における計量方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】射出成型機での計量工程では、溶融した
成形材料の圧力により後退するスクリュまたはプランジ
ャに所定の背圧力を加える。この背圧力は、樹脂の混練
性を高めたり、樹脂中の揮発分をホッパ側に逃がすため
に必要なものである。

【０００３】従来、計量工程での背圧力は、あらかじめ
設定した値に一致するように制御されるのが普通であ
る。例えば、スクリューを射出シリンダで駆動する射出
装置では、射出シリンダの後室に連通する油路に設けた
リリーフ弁や、油圧ポンプから圧油を射出シリンダに供
給するサーボバルブにより、スクリュに一定の背圧力を
加えている。

【０００４】また、駆動源としてサーボモータを用いる
射出装置の場合、背圧力が設定値より小さい値の時は、
スクリューまたはプランジャを射出方向に前進させて背
圧を設定値に近づけ、逆に、背圧力が設定値より大きい
値の時は、スクリューまたはプランジャを後退させて背
圧力が一定になるようにしている。

【０００５】この他にも、背圧力の細かな調整では、種
々のバリエーションがあるものの（例えば、特公平４−
９６５３号公報、特開平７−１６４４９２号公報）、基
本的には背圧力を一定に保っている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の計
量工程では、常に背圧力を一定に保ちながら行うため、
消費エネルギーのロスが増大する。このことは、特に、
電動駆動の場合に顕著になる。

【０００７】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の
有する問題点を解消し、後退するプランジャまたはスク
リュに変動的な背圧力を加えるようにすることにより、
計量工程での省エネルギを図るとともに混練性を向上さ
せるようにした射出成型機における計量方法を提供する
ことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、スクリュの回転により可塑化した成形
材料の圧力により後退するスクリュまたはプランジャに
所定の背圧力を付与し、前記スクリュまたはプランジャ
を後退させて成形材料の計量を行う射出成型機における
計量方法において、前記スクリュまたはプランジャに付
与する背圧力の上昇と減少を繰り返しながら前記スクリ
ュまたはプランジャを後退させ、前記スクリュまたはプ
ランジャが所定の計量位置まで後退した時に、計量動作
を終了することを特徴とするものである。

【０００９】本発明の計量方法によれば、スクリュまた
はプランジャに付与する背圧力の上昇と減少を繰り返し
ながら前記スクリュまたはプランジャを後退させるの
で、常時一定の背圧力をスクリュまたはプランジャに付
与する場合に較べてエネルギロスが少なくなり、また、
変動的背圧により混練性が向上する。

【００１０】本発明の計量方法では、変動的背圧にする
ために、前記スクリュまたはプランジャの後退移動を規
制することにより背圧力を上昇させ、背圧力が所定の設
定値に達した後、前記スクリュまたはプランジャの後退
移動の規制を緩めて所定量後退させることにより背圧力
を減少させる。

【００１１】また、背圧力の上昇の仕方は、前記スクリ
ュまたはプランジャの位置が保持されるように後退移動
を規制し、背圧力を前記所定の設定値まで上昇させるよ
うにしたり、前記スクリュまたはプランジャが後退可能
なように後退移動を規制し、前記スクリュまたはプラン
ジャの位置を変数として背圧力を任意の関数により前記
所定の設定値まで上昇させるようにすることができる。

【００１２】本発明の好適な実施形態によれば、前記前
記スクリュまたはプランジャは、サーボモータにより駆
動され、前記サーボモータの回転を制御することによ
り、前記スクリュまたはプランジャの後退移動の規制を
する。

【００１３】また、スクリュまたはプランジャの後退時
の背圧力の減少の仕方は、前記スクリュまたはプランジ
ャが後退可能なように後退移動の規制を緩め、前記スク
リュまたはプランジャの位置を変数として背圧力を任意
の関数により前記所定の設定値まで減少させるようにす
ることができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明による射出成型機に
おける計量方法の一実施形態について、添付の図面を参
照して説明する。図１は、射出成型機のスクリュプリプ
ラタイプの射出装置を示す。参照符号１０は成形材料の
可塑化部を示し、１２は計量・射出部を示す。可塑化部
１０では、スクリュ１４の駆動源としてサーボモータ１
３が設けられている。サーボモータ１３の回転は、ベル
ト、プーリーからなる伝達機構１５を介して軸１６に伝
達される。この軸１６は、スクリュ１４の後端部と連結
されている。スクリュ１４は、バレル１７内を回転可能
なように挿入されている。

【００１５】バレル１７の外側には、ヒータ１８が装着
されており、バレル１７は、ヒータ１８によって加熱さ
れる。成形材料の樹脂は、ホッパ口１９からバレル１７
内に投入され、スクリュ１４の回転によって溶融され
る。

【００１６】溶融された樹脂は、スクリュ１４の回転に
つれて、その先端部に移送され、通路２０から計量・射
出部１２に供給される。この計量・射出部１２では、プ
ランジャ２２が嵌合するスリーブ２３には、通路２０を
通ってきた溶融樹脂が溜まる前室２４が形成されてい
る。また、前室２４には、ノズル２５が装着されてい
る。

【００１７】プランジャ２２は、射出用のサーボモータ
２６を駆動源として前進および後退するようになってい
る。サーボモータ２６の回転は、ベルト、プーリからな
る伝達機構２７を介してボールねじ軸２８に伝達され
る。このボールねじ軸２８には、ナット２９が螺合し、
ボールねじ軸２８の回転が直線運動に変換される。この
ナット２９は、カップリング３０、ロードセル３２を介
してプランジャ２２と連結されている。この場合、プラ
ンジャ２２に付加する背圧力をロードセル３２により検
出し、背圧が設定値になるように、図２に示す背圧力制
御部がサーボモータ２６の回転トルクの大きさを制御す
ることができる。

【００１８】図２において、ロードセル３２の検出信号
は、増幅器３３により増幅され、さらに演算器３４で背
圧力に相当する電流値に変換されて比較器３６に入力さ
れる。比較器３６では、検出した背圧力に相当する電流
値は、背圧力の設定器３５から与えられる設定値電流と
比較される。その値の差は、増幅器３７で増幅された
後、射出用のサーボモータの駆動回路３８に出力され、
駆動回路３８は、背圧値が設定された値になるようにサ
ーボモータ２６を制御する。なお、プランジャ２２の位
置は、サーボモータ２６の回転角による位置信号をフィ
ードバックして、図示されないサーボ制御部により制御
されるようになっている。

【００１９】次に、以上のような射出装置により実施す
る計量方法について説明する。図３は、射出装置の計量
・射出部１２を拡大して示した図である。まず、計量を
開始する前に、プランジャ２２を図３に示す所定の計量
開始位置に位置決めしておく。

【００２０】スクリュ１４が回転して、バレル１７内の
樹脂が溶融すると、可塑化された樹脂は、スクリュー１
４の回転によって通路２０を通ってプランジャ２２の前
室２４に移送される。この前室２４に溶融樹脂が充填し
てくると、樹脂圧力が上昇し始める。この樹脂圧力は、
プランジャ２２を後退させる力として作用する。このと
き、射出用のサーボモータ２６は、プランジャ２２の位
置を保つように制御されており、樹脂圧力に均衡するよ
うに背圧力が付加される。

【００２１】図４は、計量動作時のプランジャの位置に
よる背圧力の変化を示す図である。樹脂圧力の上昇とと
もに増大する背圧力は、ロードセル３２により検出され
る。この背圧力が設定された値Ｐ1 に到達した時点で、
射出用のサーボモータ２６の出力トルクをゼロにし、プ
ランジャ２２の後退移動の規制を解除する。

【００２２】プランジャ２２には、その間も前室２４に
溜まっている樹脂の圧力が作用しているので、サーボモ
ータ２６のトルクがゼロになった時点で、樹脂圧力に負
けてプランジャ２２は後退を始める。プランジャ２２の
後退にしたがって、プランジャ２２に作用する背圧力は
減少していく。

【００２３】プランジャ２２が、あらかじめ設定されて
いる後退量の設定値Ｌ0 だけ後退したところで、今度
は、サーボモータ２６の出力トルクのゼロ状態が解除さ
れ、プランジャ２２の位置が固定されるようにサーボモ
ータ２６が制御される。

【００２４】これによって、プランジャ２２の後退移動
は規制されるが、この間も、樹脂の可塑化動作は継続さ
れており、スクリュ１４の回転により可塑化された樹脂
は、前室２４に移送され続ける。したがって、プランジ
ャ２２の位置を保持していると、次第に背圧力は上昇し
ていく。そして、背圧力が設定された値Ｐ1 に再び到達
した時点で、射出用のサーボモータ２６の出力トルクを
ゼロにし、プランジャ２２の後退移動の規制を解除す
る。これにより、プランジャ２２は後退し、また、背圧
力も減少していく。

【００２５】なお、図４におけるプランジャ２２の後退
移動の規制を緩める態様については、サーボモータ２６
の出力トルクをゼロの状態で行っているが、これに限ら
ず、プランジャ２２の位置に応じて、背圧力の設定値が
予め定めた関数で減少していくようにプログラムをして
おき、この背圧設定値にロードセル３２による検出した
背圧力が一致していくようにサーボモータ２６を制御
し、プランジャ２２の後退移動の規制を緩めてもよい。
これによれば、背圧力はプランジャ２２の位置を変数と
する予め決められた関数として、線形的あるいは曲線的
に減少させるようにできる。

【００２６】以後、同じ動作を繰り返して行い、背圧力
の上昇と減少を繰り返しながら、プランジャ２２を後退
させる。

【００２７】プランジャ２２があらかじめ設定されてい
る計量完了位置に到達すると、このことはサーボモータ
２６の位置制御の過程で検出される。このプランジャ２
２の到達を検出したら、プランジャ２２をその位置に保
持し、スクリュ１４を停止して計量動作を完了する（計
量完了時点Ａ）。こうして計量が終了したら、射出工程
では、プランジャ２２を前進させることにより、前室２
４に溜まった樹脂は、ノズル２５から図示しない金型内
に射出される。

【００２８】なお、計量完了をいつするかについては、
後に続く射出動作を考慮して、前記の計量完了時点Ａに
おいて、プランジャ２２の計量完了位置を保ちながらさ
らに計量を継続し、背圧力が設定値Ｐ1 にまで上昇する
まで待って計量動作を完了するようにしてもよい（計量
完了時点Ｂ）。

【００２９】次に、図５は、本発明の計量方法の他の実
施形態において、背圧力の上昇、減少の仕方を変えて行
った例を示す。

【００３０】この図５に示すように、この実施形態で
は、背圧力を緩やかに上昇させるために、プランジャ２
２の位置が後退するようにサーボモータ２６を制御しな
がら後退移動を規制し、プランジャの位置が後退するに
したしたがって背圧力を設定値Ｐ1 まで緩やかに線形的
に上昇させるようにしている。この上昇の仕方は、予め
定めた関数により曲線的に上昇させてもよい。

【００３１】背圧力を減少させる場合は、図４と同様で
ある。すなわち、サーボモータ２６のトルクをゼロにし
てプランジャ２２の後退移動の規制を解除し、後退量の
設定値Ｌ0 だけ後退させながら背圧力を減少させる。

【００３２】また、この場合の背圧力の減少のさせ方
は、サーボモータ２６の出力トルクをゼロの状態で行う
他、背圧力の設定値が予め定めた関数で減少して変化す
るようにプログラムをしておき、この背圧設定値にロー
ドセル３２による検出した背圧力が一致していくように
サーボモータ２６を制御してプランジャ２２の後退移動
の規制を緩め、背圧力がプランジャ２２の位置を変数と
する予め決められた関数として減少していくようにして
もよい。

【００３３】この実施形態において、最終的に計量動作
を完了する時点は、図４の場合と同じように、プランジ
ャ２２が計量完了位置に到達した時点（計量完了時点
Ｃ）、あるいは、計量完了位置に到達してさらに背圧力
が設定値Ｐ1 にまで上昇するまでの時点（計量完了時点
Ｄ）のいずれでもよい。

【００３４】以上、本発明による計量方法について、ス
クリュプリプラ式の射出成型機に適用した場合を例に挙
げて説明したが、インライン式の射出成型機の場合につ
いても、スクリュを駆動するサーボモータを同様に制御
し、樹脂の圧力で後退するスクリュの移動を同じように
規制しながら背圧力の上昇、減少を繰り返せばよい。

【００３５】また、油圧駆動の射出装置の場合であって
も、プランジャまたはスクリュの後退移動の規制および
規制の解除を油圧制御により同様に行うこともできる。

【００３６】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、、本発
明によれば、スクリュまたはプランジャに付与する背圧
力の上昇と減少を繰り返しながら前記スクリュまたはプ
ランジャを後退させるので、常時一定の背圧力をスクリ
ュまたはプランジャに付与する場合に較べてエネルギロ
スが少なくなり、また、変動的背圧により混練性が向上
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による計量方法を実施するスクリュプリ
プラ式の射出装置を示す断面図。

【図２】背圧力制御部の構成を表したブロック図。

【図３】図１の射出装置の要部を示した断面図。

【図４】本発明の計量方法において、プランジャの位置
と背圧力の変化を示す図。

【図５】本発明の計量方法において、プランジャの位置
と背圧力の変化の他の例を示す図。

【符号の説明】

１０可塑化部１２計量・射出部１３スクリュ駆動用のサーボモータ１４スクリュ１７バレル１８ヒータ１９ホッパ口２０通路２２プランジャ２６射出・計量用のサーボモータ２８ボールねじ軸２９ナット３２ロードセル

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】スクリュの回転により可塑化した成形材料
の圧力により後退するスクリュまたはプランジャに所定
の背圧力を付与し、前記スクリュまたはプランジャを後
退させて成形材料の計量を行う射出成型機における計量
方法において、前記スクリュまたはプランジャに付与する背圧力の上昇
と減少を繰り返しながら前記スクリュまたはプランジャ
を後退させ、前記スクリュまたはプランジャが所定の計
量位置まで後退した時に、計量動作を終了することを特
徴とする射出成型機における計量方法。
【請求項２】前記背圧力の上昇は、前記スクリュまたは
プランジャの後退移動を規制することにより行い、前記
背圧力の減少は背圧力が所定の設定値に達した後、前記
スクリュまたはプランジャの後退移動の規制を緩めて所
定量後退させることにより行うことを特徴とする請求項
１に記載の射出成型機における計量方法。
【請求項３】前記スクリュまたはプランジャの位置が保
持されるように後退移動を規制し、背圧力を前記所定の
設定値まで上昇させるようにしたことを特徴とする請求
項２に記載の射出成型機における計量方法。
【請求項４】前記スクリュまたはプランジャが後退可能
なように後退移動を規制し、前記スクリュまたはプラン
ジャの位置を変数として背圧力を任意の関数により前記
所定の設定値まで上昇させるようにしたことを特徴とす
る請求項２に記載の射出成型機における計量方法。
【請求項５】前記スクリュまたはプランジャは、サーボ
モータにより駆動され、前記サーボモータの回転を制御
することにより、前記スクリュまたはプランジャの後退
移動の規制をすることを特徴とする請求項２乃至４のい
ずれかの項に記載の射出成型機における計量方法。
【請求項６】前記スクリュまたはプランジャが後退可能
なように後退移動の規制を緩め、前記スクリュまたはプ
ランジャの位置を変数として背圧力を任意の関数により
前記所定の設定値まで減少させ、スクリュまたはプラン
ジャを所定量後退させることを特徴とする請求項２に記
載の射出成型機における計量方法。
【請求項７】前記スクリュまたはプランジャが所定の計
量位置に後退し、かつ背圧力が所定の設定値に上昇した
ときに計量動作を終了するようにしたことを特徴とする
請求項１に記載の射出成型機における計量方法。