JPH11106352A - 糖尿病合併症治療剤 - Google Patents

糖尿病合併症治療剤

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JPH11106352A
JPH11106352A JP22418598A JP22418598A JPH11106352A JP H11106352 A JPH11106352 A JP H11106352A JP 22418598 A JP22418598 A JP 22418598A JP 22418598 A JP22418598 A JP 22418598A JP H11106352 A JPH11106352 A JP H11106352A
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JP
Japan
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nicorandil
agent
potassium channel
administered
administration
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JP22418598A
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English (en)
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Hiroshi Koga
弘 古賀
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 網膜症、神経症、腎症、末梢循環障害、皮膚
潰瘍等の糖尿病合併症の治療または改善効果が期待で
き、さらにこれらの疾患により現れる様々な症状や異
常、例えば失明、蛋白尿、疼痛、しびれ、冷感、間歇性
跛行、壊疸等の予防、改善、緩和、回復にも効果を示す
優れた薬剤を提供する。 【解決手段】 カリウムチャンネル活性化剤を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも1種の
カリウムチャンネル活性化剤を有効成分として含有する
ことを特徴とする糖尿病合併症治療または改善剤に関す
る。さらに詳しくは網膜症、神経症、腎症、末梢循環障
害、皮膚潰瘍等の糖尿病合併症に有用な、ニコランジ
ル、ピナシジル、クロマカリム等のカリウムチャンネル
活性化剤を有効成分とする治療または改善剤に関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は近年、本邦における最も患者数
の増加の著しい疾患の一つであり、潜在患者も含めると
500〜600万人の患者の存在が推定されている。そ
の患者数は高脂血症や高血圧症にほぼ匹敵する。糖尿病
は今後も増え続けるのは確実で2010年前後には現在
の2〜3倍に増えることも予想されている。
【0003】糖尿病の治療において最も重要なことは、
血糖の良好なコントロールと共に、網膜症、神経症、腎
症、末梢循環障害、皮膚潰瘍等の合併症の発症、進展を
いかに抑えるかにある。
【0004】糖尿病合併症の頻度は糖尿病の罹病期間と
共に経年的に増加する。例えば通常の血糖コントロール
下において、網膜症は糖尿病罹病期間10年で約半数
に、20年でほとんど全例に発症し、本症は現在失明の
最大原因となっている(年間約5000人が本症で失
明)。神経症の発症率もこれとほぼ同様になっている。
腎症は10年で約20%に発症し、新規腎透析の約30
%を本症が占め、その最大原因の一つとなっている(糖
尿病性新規腎透析患者年間約6000人)。今後ますま
す新規腎透析の原因として本症の占める割合が増加する
と推定されている。また末梢循環障害は糖尿病患者の1
0〜40%に見られるが、重症化しやすく下肢切断の大
きな原因となっている。
【0005】日本での糖尿病合併症の患者数は約150
万人と言われている。厚生省疫学調査報告(1990
年)によると、本邦における糖尿病合併症は腎症17万
人、網膜症60万人、神経症54万人、動脈硬化性疾患
23万人であると報告されており、現在ではさらに増加
していることは確実である。
【0006】糖尿病性網膜症の原因として網膜の血流異
常が指摘されている。種々の段階の網膜症の患者の網膜
血流を測定すると、網膜症の進行に従い血流量が減少す
ることが報告されている。また、網膜での血管分布にも
異常がみられたと報告されている。つまり、網膜細小血
管の障害による血流不足により、網膜組織の慢性的酸素
不足、栄養不足状態を来たし、これが糖尿病性網膜症の
病理学的変化を導くのではないかと考えられる。
【0007】糖尿病性神経症においてはSchwann
細胞の節性脱髄がその有力な所見である。本症患者にお
いては神経栄養血管の基底膜肥厚や閉塞が認められてい
る。これらの血管障害が神経への血流不足をもたらし、
神経障害を引き起こすと考えられている。
【0008】糖尿病性腎症は腎糸球体血管の障害によっ
て起こる。糖尿病発症後まもない時期においては腎糸球
体濾過率の上昇が認められる。発症後数年を過ぎると、
基底膜肥厚とメサンギウムの増生が生じ、血管壁は肥厚
し、血管内腔は狭小化し、血流障害が起こる。この変化
は糸球体輸入細小動脈に出現し、輸出細小動脈には少な
い。以後、びまん性の糸球体硬化症に進展し、血圧の上
昇や蛋白尿の出現をみるようになり腎症へと進展してい
く。
【0009】糖尿病性末梢循環障害は主として四肢の末
梢血管に障害を引き起こし、狭窄や閉塞を生じて虚血症
状を呈する疾患である。本症においては、より末梢の血
管での閉塞が多く、より重症化しやすく下肢切断へ進む
例が多い。
【0010】一方、カリウムチャンネル活性化剤は、細
胞に存在するカリウムチャンネルを開口することによっ
て、平滑筋を弛緩させて種々の作用を示す薬剤であり、
血管においてはそれを弛緩させることによって、血流を
増加させることが知られている(例えば、特表昭63−
501010号公報参照)が、網膜症、神経症、腎症、
末梢循環障害、皮膚潰瘍等の糖尿病合併症にカリウムチ
ャンネル活性化剤が効果を示すことは全く知られていな
い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】糖尿病合併症の発展や
進展の抑制は、厳格な血糖コントロールによって、ある
程度可能であることが示されているが、このような厳格
な血糖コントロールは強化インシュリン療法によってな
されたものであり、糖尿病患者の大部分を占めるNID
DM(インシュリン非依存性糖尿病)患者においては現
実的な治療法とは言えない。またIDDM(インシュリ
ン依存性糖尿病)患者におけるように、厳格な血糖コン
トロールが可能な場合においても、それによって合併症
の発症時期を遅らせるだけであり、その発症を阻止でき
るわけではない。加えて、進行した段階での合併症の治
癒や進展の抑制は厳格な血糖コントロールによってもほ
とんど期待できない。このように血糖コントロールのみ
による合併症の発展・進展抑制に限界がある以上、本症
の発症や進展を直接阻止できる薬剤が望まれるが、現
状、そのような薬剤はほとんどなく、単独であるいは血
糖低下剤との併用において、合併症の発展・進展を抑制
できる真に有効な薬剤の開発が極めて強く要望されてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
状況に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、カリウムチャンネ
ルオープナーが神経症、腎症、末梢循環障害、皮膚潰瘍
等の糖尿病合併症に対し、優れた治療または改善作用を
有することを見出し、本発明に至った。
【0013】本発明で使用されるカリウムチャンネル活
性化剤は、カリウムチャンネルを開口する作用を有し、
それによる血管拡張作用あるいは血流増加作用を有する
ものであれば特に制限はないが、例えばニコランジル、
ピナシジル、ミノキシジル、クロマカリム、レブクロマ
カリム、ビマカリム、セリカリム、アプリカリム、Ro
31−6930、EMD−57283、SDZ−PCO
−400、Y−27152、RWJ−26629、YM
−934、YM−099、KRN−2391、TCV−
295、AL0671、KC−399、KC−515等
あるいは国際公開WO92/14439号公報、同WO
93/15068号公報、同WO94/04521号公
報およびWO94/25021号公報等に記載された化
合物、ならびにこれらの医薬上許容しうる塩が挙げら
れ、好ましくはニコランジルあるいはその医薬上許容し
うる塩が用いられる。
【0014】本発明においてカリウムチャンネル活性化
剤は、網膜症、神経症、腎症、末梢循環障害、皮膚潰瘍
等の糖尿病合併症の治療または改善効果が期待でき、さ
らにこれらの疾患により現れる様々な症状や異常、例え
ば失明、蛋白尿、疼痛、しびれ、冷感、間歇性跛行、壊
疸等の予防、改善、緩和、回復にも効果を示す。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の糖尿病合併症治療または
改善剤を生体に投与する場合は、経口的にあるいは直腸
内、皮下、髄腔内、筋肉内、静脈内、動脈内、経皮、点
眼等の非経口的に投与することができるが、好ましくは
経口的にあるいは静脈内、経皮的に投与するのがよい。
【0016】本発明によるカリウムチャンネル活性化剤
を生体に投与する場合、カリウムチャンネル活性化剤は
適当な剤形に製剤化して用いるのが好ましく、例えば錠
剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、カプセル剤、トロー
チ剤、チュワブル剤、液剤、乳剤、懸濁剤、坐剤、シロ
ップ剤、ローション剤、軟膏剤、パップ剤等の製剤で用
いることができる。これらの剤形に製剤化するには薬学
上許容しうる適当な担体、賦形剤、添加剤等を用いて行
うことができる。
【0017】本発明の糖尿病合併症治療または改善剤を
静脈内投与する際に好ましい剤形は液剤であり、液剤を
調製するには、例えば精製水、生理食塩水、エタノール
・プロピレングリコール・グリセリン・ポリエチレング
リコール等のアルコール類、トリアセチン等の溶媒を用
いて行うことができる。このような製剤にはさらに防腐
剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定剤のような補助剤を
加えても良い。また懸濁剤として投与することも可能で
ある。
【0018】また錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、
トローチ剤、チュワブル剤等の固形製剤を調製するに
は、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、デンプ
ン、ショ糖、マンニトール、カルボキシメチルセルロー
ス等の担体、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウム、グリセリン等の添加剤を加えて常法により
行うことができる。またセルロースアセテートフタレー
ト、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、
ポリビニルアルコールフタレート、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共
重合体等の腸溶性物質の有機溶媒あるいは水中溶液を吹
き付けて、腸溶性被膜を施して、腸溶性製剤として製剤
化することもできる。薬学上許容しうる担体には、その
他通常、必要により用いられる補助剤、芳香剤、安定剤
あるいは防腐剤を含む。
【0019】このような製剤は、例えば特開昭57−1
45659号公報、同58−39618号公報、同61
−143316号公報、同62−149630号公報、
同62−161727号公報、同62−252722号
公報、同62−252723号公報、同63−2706
24号公報等に記載された方法により製造することがで
きる。ニコランジルを例に挙げて、さらに詳細に説明す
ると、錠剤としては、例えばニコランジルまたはその塩
に、有機酸例えばフマル酸、シュウ酸、サリチル酸、酒
石酸、グルタル酸等、並びにステアリン酸、パルミチン
酸等の常温で固体の飽和高級脂肪酸もしくはセチルアル
コール、ステアリルアルコール等の飽和高級アルコール
の1種または2種以上の混合物を含有させる方法、ニコ
ランジルまたはその塩にフマル酸及び/又はDL−トリ
プトファンを混合する方法等が挙げられる。
【0020】また注射剤としては、ニコランジルまたは
その塩に、クエン酸、フマル酸、シュウ酸、マロン酸、
マレイン酸、酒石酸等の有機酸のアルカリ金属塩を含有
させる非溶液型の注射剤が用いられる。これらの製剤を
製造する場合は、さらに賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合
剤、香料、着色剤等の薬学上許容しうる通常の担体を配
合することが好ましく、このような担体の例としては、
例えば乳糖、トウモロコシデンプン、マンニトール、カ
オリン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシ
ウム、タルク、クロスカルメロースナトリウム、無水リ
ン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシ
ウム等が挙げられる。
【0021】本発明の糖尿病合併症治療または改善剤の
投与量は、薬剤の種類、患者の性別、体型、体質、年
齢、症状あるいは投与剤形等により異なるが、一般に1
日当り0.1μg〜1g、好ましくは1μg〜100m
gの範囲で適宜選択することができる。カリウムチャン
ネル活性化剤としてニコランジルを使用する場合は、1
日当り10〜100mg、好ましくは15〜60mgの
範囲で適宜選択できる。投与回数は、患者の症状あるい
は投与剤形等により異なるが、1日1ないし数回が適当
である。
【0022】
【実施例】以下に、実施例を上げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるもので
はない。
【0023】
【実施例1】神経症および腎症に対するニコランジルの
作用 10週齢のWister系ラットにストレプトゾトシン
(以下、STZと略す)を投与し、その24時間後に尾
先端を切断することにより採血し、常法により血糖値を
測定し、血糖値が300mg/dl以上のラットを選出
し、実験に供した。被験物質投与前の神経伝達速度を、
常法により測定し、神経伝達速度の値をもとに1群6匹
として群分けを行い、翌日より、被験物質の投与を開始
し、最終投与日に上記と同様の方法により血糖値を測定
し、6時間尿を採取して尿蛋白排泄量を算出した。また
最終投与の翌日神経伝達速度および坐骨神経内の血流量
を測定した(Diabetologia,38,914
−918(1995);Naunyu−Schmied
eberg’s Arch Pharmacol,35
1,630−635(1995)参照)。
【0024】被験物質としてニコランジルを用い、検体
を0.3%CMC−Naに懸濁し、投与液量を5ml/
kgとした。ニコランジルの投与量は3mg/kg、1
0mg/kgおよび30mg/kgとし、1日2回5週
間の反復経口投与とした。対照群としてSTZ投与糖尿
病群とSTZ非投与群(正常群)を設け、0.3%CM
C−Na5ml/kgをそれぞれ1日2回5週間反復経
口投与した。
【0025】神経伝達速度の測定はペントバルビタール
麻酔下で右坐骨神経付近に遠位刺激用の針電極を、同側
のアキレス腱付近に近位刺激用の針電極を、さらに同側
の足底付近に測定用の針電極を刺入し、遠位および近位
の刺激電極に電気刺激装置を用いて矩形波刺激(0.5
Hz、0.1msec、サブマックスボルテージ(su
bmax voltage))を行い、誘発される電位
を測定電極より導出し、生体電気アンプを介して高速デ
ータ処理装置に入力し、10回加算平均して記録し、遠
位と近位の神経伝達速度の差を算出した。
【0026】坐骨神経内の血流量の測定は同麻酔下で大
腿部を切開し、右坐骨神経を露出し、白金電極を神経内
に刺入し、水素ガスクリアランス法にて測定した。な
お、測定の際には体温が37〜38℃になるように保温
を施した。
【0027】STZ投与対照群においては、STZ非投
与対照群に比し、神経伝達速度および坐骨神経内血流が
低下したが、ニコランジル投与群ではこれらは改善され
た。またSTZ投与対照群においては、STZ非投与対
照群に比し、尿蛋白排泄量が増加したが、ニコランジル
投与群ではこれは改善された。
【0028】
【実施例2】神経症および腎症に対するKC−515の
作用 実施例1と同様にして、ニコランジルの代わりに、KC
−515[2,2−ビス(フルオロメチル)−N−(2
−シアノエチル)−6−ペンタフルオロエチル−2H−
1−ベンゾピラン−4−カルボキサミド、国際公開WO
93/15068号公報に記載された方法により合成]
を用いて実験に供した。
【0029】被験物質として、KC−515を0.3%
CMC−Naに懸濁し、投与液量を5ml/kgとし、
KC−515の投与量は10μg/kg、30μg/k
gおよび100μg/kgとし、1日1回5週間の反復
経口投与とした。対照群として、STZ投与糖尿病群と
STZ非投与群(正常群)を設け、0.3%CMC−N
a5ml/kgをそれぞれ1日1回5週間反復経口投与
した。
【0030】神経伝達速度および坐骨神経内の血流量の
測定は実施例1と同様に行った。
【0031】STZ投与対照群においては、STZ非投
与対照群に比し、神経伝達速度および坐骨神経内血流が
低下したが、KC−515投与群ではこれらは改善され
た。またSTZ投与対照群においては、STZ非投与対
照群に比し、尿蛋白排泄量が増加したが、KC−515
投与群ではこれは改善された。
【0032】
【実施例3】末梢循環障害に対するニコランジルの作用
(アドレナリン−エルゴタミンモデル) Wister系雄性ラット(12〜13週齢)を無麻酔
下に固定後、尾の先端から6cmの位置にアドレナリン
0.1mgを2ヶ所に分け皮下投与を行い、同時にエル
ゴタミン5mg/kgを背中に皮下投与した。尾の病変
部の長さを知るために前もって尾の先端から5、10お
よび15cmの位置にマーカーで印を付けた。溶媒およ
びニコランジルはアドレナリン−エルゴタミン投与1時
間前および投与後3時間に経口投与し、翌日より13日
間1日2回経口投与を行った。病変進行度の判定は、ア
ドレナリン−エルゴタミン投与14日後に行い、病変が
起きている最大の長さを測定した。
【0033】ニコランジルは0.3%CMC−Naに懸
濁し、投与液量を5ml/kgとした。ニコランジルの
投与量は3mg/kg、10mg/kgおよび30mg
/kgとした。溶媒投与群には0.3%CMC−Na5
ml/kgを投与した。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 表1からニコランジルは用量依存的に末梢循環障害に有
効であることが明らかである。
【0035】
【実施例4】末梢循環障害に対するニコランジルの作用
(ラウレートモデル) Wister系雄性ラット(12〜13週齢)をペント
バルビタールナトリウム40mg/kgの腹腔内投与に
より麻酔した。背位に固定後、右大腿動脈に10mg/
mlのラウリン酸溶液を0.15ml投与し、瞬間接着
剤(アロンアルファ[登録商標])の滴下により止血
後、切開部を縫合した。溶媒およびニコランジルはラウ
リン酸投与1時間前および投与後3時間に経口投与し、
翌日より9日間1日2回経口投与を行った。病変進行度
の判定は、ラウリン酸投与10日後に行い、以下の0〜
4の基準に従った。 0:正常 1:爪の部分の壊死、ミイラ化または脱落 2:指の壊死、ミイラ化または脱落 3:甲の半分までの壊死、ミイラ化または脱落 4:甲全体の壊死、ミイラ化または脱落
【0036】ニコランジルは0.3%CMC−Naに懸
濁し、投与液量を5ml/kgとした。ニコランジルの
投与量は3mg/kg、10mg/kgおよび30mg
/kgとした。溶媒投与群には0.3%CMC−Na5
ml/kgを投与した。結果を表2に示す。
【0037】
【表2】 表2からニコランジルは用量依存的に末梢循環障害に有
効であることが明らかである。
【0038】
【実施例5】末梢循環障害に対するKC−515の作用
(アドレナリン−エルゴタミンモデル) 実施例3と同様にして実験を行った。KC−515は国
際公開WO93/15068号公報に記載された方法に
より合成し、実験に供した。溶媒およびKC−515は
アドレナリン−エルゴタミン投与1時間前に経口投与
し、翌日より13日間1日1回経口投与を行った。
【0039】KC−515は0.3%CMC−Naに懸
濁し、投与液量を5ml/kgとした。KC−515の
投与量は10μg/kg、30μg/kgおよび100
μg/kgとした。結果を第3表に示す。
【0040】
【表3】 表3からKC−515は末梢循環障害に有効であること
が明らかである。
【0041】
【発明の効果】本発明におけるカリウムチャンネル活性
化剤は、網膜症、神経症、腎症、末梢循環障害、皮膚潰
瘍等の糖尿病合併症の治療または改善効果が期待でき、
さらにこれらの疾患により現れる様々な症状や異常、例
えば失明、蛋白尿、疼痛、しびれ、冷感、間歇性跛行、
壊疸等の予防、改善、緩和、回復にも効果を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/44 ADA A61K 31/44 ADA

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種のカリウムチャンネル活性
    化剤を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病
    合併症治療または改善剤。
  2. 【請求項2】カリウムチャンネル活性化剤がニコランジ
    ルまたはその薬学的に許容される塩である請求項1記載
    の治療または改善剤。
  3. 【請求項3】糖尿病合併症が網膜症である請求項1また
    は2記載の治療または改善剤。
  4. 【請求項4】糖尿病合併症が神経症である請求項1また
    は2記載の治療または改善剤。
  5. 【請求項5】糖尿病合併症が腎症である請求項1または
    2記載の治療または改善剤。
  6. 【請求項6】糖尿病合併症が末梢循環障害である請求項
    1または2記載の治療または改善剤。
  7. 【請求項7】糖尿病合併症が皮膚潰瘍である請求項1ま
    たは2記載の治療または改善剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002275158A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Torrent Pharmaceuticals Ltd 老化関連及び糖尿病脈管合併症の管理のための新規化合物、その製造方法及び治療的使用

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JP2002275158A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Torrent Pharmaceuticals Ltd 老化関連及び糖尿病脈管合併症の管理のための新規化合物、その製造方法及び治療的使用

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