JPH11105266A

JPH11105266A - オフセット印刷機の圧胴洗浄方法

Info

Publication number: JPH11105266A
Application number: JP28319897A
Authority: JP
Inventors: Ryoji Yasui; 良二安居
Original assignee: Shinohara Tekkosho KK
Current assignee: Shinohara Tekkosho KK
Priority date: 1997-10-01
Filing date: 1997-10-01
Publication date: 1999-04-20

Abstract

(57)【要約】【目的】ブランケット胴の有する洗浄手段及び胴入／
胴抜機構をそのまま利用しつつ、簡易な構成で、的確な
洗浄作業を行なうことのできる圧胴洗浄方法とする。【構成】洗浄手段（７）が付設されたブランケット胴
（２）をこの洗浄手段（７）によって清浄化した後、こ
の洗浄手段（７）によって調量した洗浄液をブランケッ
ト胴（２）に付着させ、このブランケット胴（２）を胴
入させて圧胴（３）に接触させ、この圧胴（３）表面を
洗浄するとともに、余剰の洗浄液を圧胴（３）のカット
面（１４）に設けた洗浄液吸収手段（１６）によって吸
収する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、オフセット印刷機に関
し、特に、その圧胴の洗浄方法に関する。

【０００２】

【発明の背景】オフセット印刷機にあっては、版胴に巻
回された刷版にイメージが形成され、このイメージが一
旦ブランケット胴に転写された後、圧胴に保持されて給
送されているシートに加圧転写される。

【０００３】１ロットの印刷作業が終了した後、ブラン
ケット胴及び圧胴は、必ず洗浄されなければならない。
何故なら、ブランケット胴の外周には前のイメージのイ
ンキが残留しているからであり、また、圧胴は、印刷さ
れるシートの寸法が異なると、外周表面に汚れが生じる
からである。

【０００４】

【従来の技術】特公昭５６−２０１８号公報にあって
は、洗浄手段を具備するブランケット胴を、このブラン
ケット胴に必備の、いわゆる胴入／胴抜機構を利用して
圧胴に接触させ、両胴を同時に洗浄する技術が開示され
ている。しかしながら、この洗浄方法では、多量の洗浄
液を一時に放出してしまうため、圧胴に存在するカット
面（切欠部分である。）やくわえ爪機構までもが洗浄液
によって汚されてしまい、不具合である。

【０００５】また、特開平４−２２９２７３号公報にあ
っては、特殊な移動装置によって圧胴をブランケット胴
に接触させ、このブランケット胴が具備する洗浄手段に
よって圧胴をも洗浄する技術が開示されている。しかし
ながら、圧胴を移動させる技術は、印刷品質そのものに
係わる好ましくない影響を生じ、かつ、移動装置も複雑
なものとなる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題に鑑みてなされ、進歩した圧胴洗浄方法を提供するも
ので、その目的は、ブランケット胴の有する洗浄手段及
び胴入／胴抜機構をそのまま利用しつつ、簡易な構成
で、的確な洗浄効果を得ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そしてこのために、本発
明に係る圧胴洗浄方法は、洗浄手段（７）が付設された
ブランケット胴（２）をこの洗浄手段（７）によって清
浄化した後、この洗浄手段（７）によって調量した洗浄
液をブランケット胴（２）に付着させ、このブランケッ
ト胴（２）を胴入させて圧胴（３）に接触させ、この圧
胴（３）表面を洗浄するとともに、余剰の洗浄液を圧胴
（３）のカット面（１４）に設けた洗浄液吸収手段（１
６）によって吸収するようにしたものである。

【０００８】

【作用】ブランケット胴（２）を清浄化した後、圧胴
（３）の洗浄に必要な洗浄液量に絞って調量した上で、
圧胴（３）単独で洗浄する。かつ、余剰な洗浄液が生じ
た場合には、洗浄液吸収手段（１６）によって吸収され
て、印刷作業に支障のないようになされる。従って、過
剰な洗浄液による不都合が発生することがない。また、
ブランケット胴（２）がもともと有している洗浄手段
（７）や胴入／胴抜機構をそのまま利用できるので、印
刷機に大幅な改変を加えることを要しない。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
き詳細に説明する。図１は、本発明に係る圧胴洗浄方法
の対象となるオフセット印刷機の概略側面図、図２から
図４までは、洗浄過程を説明するための概略側面図、図
５は、圧胴の洗浄液吸収手段を拡大図示した要部側断面
図である。

【００１０】オフセット印刷機にあっては、前述の通
り、版胴（１）、ブランケット胴（２）、そして圧胴
（３）によって１印刷ユニットが構成され、この印刷ユ
ニットが用紙搬送胴（４）によって多数連結されて多色
刷のための印刷機とされる。刷版が巻回される版胴
（１）には、インキ装置（５）及び湿し水装置（６）に
よってそれぞれインキ及び湿し水が供給され、両者の相
互反発性を利用してイメージが形成される。そして、そ
のイメージが一旦ブランケット胴（２）の外周のブラン
ケットに転写された後、圧胴（３）との間でシートに加
圧転写されるのである。

【００１１】ブランケット胴（２）がその外周近傍に洗
浄手段（７）を有することは、前記した公報のみなら
ず、多数の公報類等によって知られており、そのような
洗浄手段（７）の一例として、所要量の洗浄液が吐出さ
れるノズル（８）と、ブランケット胴（８）に接触／離
間される洗浄ローラ（９）と、この洗浄ローラ（９）に
対接する金ローラ（１０）と、この金ローラ（１０）の
外周に残留した洗浄液、汚濁物等をけずり取る洗浄ブレ
ード（１１）と、排液溜（１２）によって構成されるも
のがある。

【００１２】また、ブランケット胴（２）は、偏心カム
及びクランク等により成る機構によって、圧胴（３）に
対して接触／離間される、いわゆる胴入／胴抜機構を有
することも、既に十分に知られている。すなわち、ブラ
ンケット胴（２）は、非印刷時や洗浄時に圧胴（３）か
ら離間されるとともに、実際の印刷時にはタイムリーに
接触（胴入）されて、圧胴（３）との間でシートに加圧
転写を行なうのである。

【００１３】圧胴（３）は、印刷機の両側のフレームに
よって一定位置で回転自在に支承されており、版胴
（１）等の直径とは２倍の、いわゆる倍径胴であること
が多い。また、圧胴（３）の外周には、くわえ爪機構
（１３）を収容するために、胴軸方向の切欠であるカッ
ト面（１４）が、ブランケット胴（２）のカット面（１
５）と対向する位相で設けられている。本発明に係る圧
胴洗浄方法を実施するために、圧胴（３）の回転方向か
ら見てくわえ爪機構（１３）の尻側に、スポンジ等によ
る洗浄液吸収手段（１６）が設けられている。この洗浄
液吸収手段（１６）は、図５に模式的に示すように、ブ
ランケット胴（２）と圧胴（３）との接触によって押し
出される可能性のある余剰の洗浄液を吸収して、飛散を
防止するためのものである。

【００１４】本発明に係る圧胴洗浄方法にあっては、ま
ずブランケット胴（２）は、、胴抜状態（圧胴（３）か
ら離間）で、洗浄手段（７）により単独に洗浄されて、
インキ等が除去、清浄化される。その後、図２に示すよ
うに、洗浄手段（７）のノズル（８）から比較的小量の
洗浄液を吐出させて、洗浄ローラ（９）を経てブランケ
ット胴（２）の外周に付着させる。

【００１５】圧胴（３）の外周表面は金属であり、ま
た、もともと圧胴（３）の汚れは、ブランケット胴
（２）のインキ自体の大量の付着による汚れと比べて僅
かなものであり、従って、過剰な洗浄液をもたらすこと
は不要であるばかりか、前述のように、カット面（１
４）内に存在するくわえ爪機構（１３）等を汚して、却
って除去困難な面倒を招くこととなってしまう。そこ
で、本発明方法にあっては、図３に示すように、胴抜状
態でブランケット胴（２）に準備される圧胴（３）のた
めの洗浄液を、必要とされる分量だけに調量する。この
ような洗浄液の調量は、ノズル（８）からの吐出量の制
御及びブランケット胴（２）に接触した洗浄ローラ
（９）を経て金ローラ（１０）に戻ってきた余剰の洗浄
液を、金ローラ（１０）に洗浄ブレード（１１）の先端
を当てつけてかき取ることにより実現される。

【００１６】圧胴（３）の洗浄のために必要とされる分
量に絞られた洗浄液がゴムブランケットに保着されたブ
ランケット胴（２）は、図４に示すように胴入されて、
金属表面を有する圧胴（３）に接触される。そして、圧
胴（３）表面に洗浄液を供給しつつ洗浄を行なうととも
に、汚濁液はゴムブランケットに付着されて、洗浄ロー
ラ（９）及び金ローラ（１０）を経て洗浄ブレード（１
１）によってかき取られ、排液溜（１２）に集められ
る。

【００１７】また、図５に拡大図示するように、圧胴
（３）のカット面（１４）の尻側では、ブランケット胴
（２）との接触加圧によって、余剰の洗浄液（勿論、汚
濁されている。）が少量ではあるものの絞り出されるこ
とがあるので、洗浄液吸収手段（１６）によってこれを
吸収し、同じカット面（１４）に存在するくわえ爪機構
（１３）を汚す等の不都合を生じないようにする。

【００１８】

【発明の効果】本発明に係る圧胴洗浄方法によれば、ブ
ランケット胴が具有する洗浄手段及び胴入／胴抜機能を
そのまま利用しつつ、圧胴のカット面に洗浄液吸収手段
を付加するだけで、圧胴の表面を完全に洗浄することが
できる。多色刷の印刷機になればなる程、印刷ステーシ
ョン数が多く、従って、多数本の圧胴をオペレータが洗
浄する必要に迫られていたが、本発明によれば、これら
全ての圧胴を一斉に、しかも、人手不要で完全に清浄化
でき、印刷付随作業を大幅に軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る圧胴洗浄方法の対象となるオフセ
ット印刷機の概略側面図である。

【図２】洗浄過程を説明するための概略側面図であっ
て、洗浄液をブランケット胴に付着させる状態を示すも
のである。

【図３】同じく、洗浄液を調量する状態を示すものであ
る。

【図４】同じく、ブランケット胴を胴入させて、圧胴を
洗浄する状態を示したものである。

【図５】圧胴の洗浄液吸収手段を拡大図示した要部側断
面図である。

【符号の説明】

２ブランケット胴３圧胴７洗浄手段１３くわえ爪機構１４カット面１６洗浄液吸収手段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】洗浄手段（７）が付設されたブランケッ
ト胴（２）を該洗浄手段（７）によって清浄化した後、
該洗浄手段（７）によって調量した洗浄液を前記ブラン
ケット胴（２）に付着させ、該ブランケット胴（２）を
胴入させて圧胴（３）に接触させ、該圧胴（３）表面を
洗浄するとともに、余剰の洗浄液を該圧胴（３）のカッ
ト面（１４）に設けた洗浄液吸収手段（１６）によって
吸収することを特徴とするオフセット印刷機の圧胴洗浄
方法。